JP2001107013A - 加硫接着用組成物ならびにこれを用いた積層体および積層ホース - Google Patents

加硫接着用組成物ならびにこれを用いた積層体および積層ホース

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JP2001107013A
JP2001107013A JP2000228269A JP2000228269A JP2001107013A JP 2001107013 A JP2001107013 A JP 2001107013A JP 2000228269 A JP2000228269 A JP 2000228269A JP 2000228269 A JP2000228269 A JP 2000228269A JP 2001107013 A JP2001107013 A JP 2001107013A
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rubber
vulcanized
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vulcanizing
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JP2000228269A
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English (en)
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Yoshinori Ashida
佳典 芦田
Kozo Misumi
好三 三隅
Shuichi Tanaka
秀一 田中
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Osaka Soda Co Ltd
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Daiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素ゴム又はフッ素樹脂からなる層とエピク
ロロヒドリン系ゴムからなる層とが強固に接着された加
硫ゴム積層体又は積層ホースを提供する。 【解決手段】エピクロロヒドリン系ゴム、金属化合物又
は無機マイクロポーラス・クリスタルから選択される少
なくとも一種の受酸剤、加硫剤および接着賦与剤からな
るエピクロロヒドリン系ゴム加硫接着用組成物におい
て、接着賦与剤として、式[I]又は[II]で表される化合
物もしくはその弱酸塩をエピクロロヒドリン系ゴム10
0重量部に対し0.1〜5重量部を含む加硫接着用組成
物である。式[I]中、R とR は、H、アミノ、
アルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロ
アルキルアミノ、ジシクロアルキルアミノ、アリールア
ミノ又はアラルキル。式[II]中、R は、アミノ、
アルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロ
アルキルアミノ、ジシクロアルキルアミノ、アリールア
ミノ又はアラルキル。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、耐油性、耐
寒性、耐候性、耐オゾン性、耐摩耗性に優れたエピクロ
ロヒドリン系ゴムからなる層とフッ素ゴムもしくはフッ
素樹脂からなる層とが強固に接着されてなる積層体また
は積層ホース例えば車両用燃料油系ホースに関し、また
このような積層体または積層ホースを製作するのに用い
られるエピクロロヒドリン系ゴム加硫接着用組成物に関
するものである。
【0002】
【従来技術】従来、ガソリン等の燃料油に使用されるホ
ースにおいて、特に耐サワーガソリン性、耐ガソリン透
過性が要求される場合には、最内層に燃料不透過性に優
れたフッ素ゴム加硫物からなる層を配し、それに直接積
層される層にエピクロロヒドリン系ゴム加硫物からなる
層を配した多層ホースが好適に用いられてきた。しかし
ながら、近年における排ガス規制対策および省エネルギ
ー対策の実施により、エンジンルームの温度が上昇し、
排ガスのリサイクル、更にはガソリンの蒸散規制等が行
われ、燃料油系ホースの使用ゴム材料として耐熱性、耐
候性、耐寒性、耐酸敗ガソリン性、耐アルコール含有ガ
ソリン性、耐ガソリン透過性を併せ持つものが要求され
るようになってきており、また規制強化に対処するため
にフッ素ゴム加硫物に代わり、更に燃料不透過性に優れ
たフッ素樹脂の使用が望まれるようになっている。多層
ゴムホースの場合、異種ゴム層同士の接着性が最も重要
な課題である。フッ素ゴムもしくはフッ素樹脂とエピク
ロロヒドリン系ゴムの場合、一般に接着性が乏しいこと
が知られている。その為、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7(以下DBUと記す)の
ようなある種の添加剤をエピクロロヒドリン系ゴムに配
合する等の手段が通常とられている(特開平9−858
98号公報、特開平10−264314号公報)が、更
なる接着性の向上が要求されている。
【0003】また、特開昭54−158481号公報に
は、DBU等の窒素含有有機化合物を、フッ素ゴム加硫
用組成物とエピクロロヒドリン系ゴム加硫用組成物の両
方に添加する接着方法が提案されている。しかし、該発
明は、本発明のようにフッ素樹脂に適用できる技術では
ない。実際、フッ素樹脂には該化合物を添加することが
できない。また、該発明の接着強度は7.7kg/in
ch程度であり、被着体が比較的接着し易いフッ素ゴム
であっても実用レベルには至っていない。また、特開昭
62−282928号公報には、フッ素ゴム層とエピク
ロロヒドリン系ゴム等の未加硫ゴム層の少なくとも一方
にDBUもしくはDBN(1,5−ジアザビシクロ
(4,3,0)−ノネン−5)を添加する接着方法が提
案されている。しかしこの方法でも、被着体が比較的接
着し易いフッ素ゴムであっても接着強度は1.6kg/
cm(4kg/inch)程度に過ぎず、実用レベルに
は至っていない。また、フッ素樹脂に対する接着につい
ては何らの教示もされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の点に鑑み、フッ素ゴムもしくはフッ素樹脂からなる層
とエピクロロヒドリン系ゴムからなる層とが強固に接着
された加硫ゴム積層体または積層ホースを提供すること
にあり、また、このような積層体または積層ホースを製
作するのに用いられる、加硫物性の改良されたエピクロ
ロヒドリン系ゴム加硫接着用組成物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに、本発明者らは、鋭意検討の結果、(a)エピクロ
ロヒドリン系ゴム、(b)金属化合物または無機マイク
ロポーラス・クリスタルから選択される少なくとも一種
の受酸剤、(c)加硫剤および(d)接着賦与剤からな
るエピクロロヒドリン系ゴム加硫接着用組成物におい
て、(d)接着賦与剤として、特定の化合物を所要量配
合してなる組成物を使用し、同組成物からなる層を、未
加硫フッ素ゴムもしくはフッ素樹脂からなる層と加熱加
硫接着されることにより、燃料不透過性に優れたフッ素
ゴムもしくはフッ素樹脂層へのエピクロロヒドリン系ゴ
ム層の強固な加硫接着力を得ることができることを見出
し、本発明を完成するに到った。
【0006】すなわち、本発明は、(a)エピクロロヒ
ドリン系ゴム、(b)金属化合物または無機マイクロポ
ーラス・クリスタルから選択される少なくとも一種の受
酸剤、(c)加硫剤および(d)接着賦与剤からなるエ
ピクロロヒドリン系ゴム加硫接着用組成物において、
(d)接着賦与剤として、下記一般式[I]または[I
I]で表される化合物もしくはその弱酸塩をエピクロロ
ヒドリン系ゴム100重量部に対し0.1〜5重量部を
含むことを特徴とする加硫接着用組成物である。
【0007】
【化3】
【化4】 (式[I]中、R およびR は、同一であっても
互いに異なっていてもよく、水素原子、アミノ基、アル
キル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、シク
ロアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基、アリ
ールアミノ基およびアラルキル基からなる群から選ばれ
る基である。また、式[II]中、R は、アミノ基、
アルキル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、
シクロアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基、
アリールアミノ基およびアラルキル基からなる群から選
ばれる基である。) 本発明による加硫接着用組成物の構成主体をなすエピク
ロロヒドリン系ゴムは、エピクロロヒドリン単独重合体
またはエピクロロヒドリンと共重合可能な他のエポキシ
ド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ア
リルグリシジルエーテル等との共重合体である。これら
の共重合体を例示すれば、エピクロロヒドリン−エチレ
ンオキシド二元共重合体、エピクロロヒドリン−プロピ
レンオキシド二元共重合体、エピクロロヒドリン−エチ
レンオキシド−アリルグリシジルエーテル三元共重合
体、エピクロロヒドリン−プロピレンオキシド−アリル
グリシジルエーテル三元共重合体、エピクロロヒドリン
−エチレンオキシド−プロピレンオキシド−アリルグリ
シジルエーテル四元共重合体等を挙げることができる。
これらの共重合体においては、実用的な加硫速度を確保
する見地からエピクロロヒドリン成分が少なくとも10
モル%含まれていることが好ましい。
【0008】これら単独重合体または共重合体の好まし
い分子量は、通常、ムーニー粘度表示でML1+4
(100℃)=30〜150程度である。
【0009】接着賦与剤として用いられる一般式[I]
で表される化合物の例としては、 1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5 7,8,8−トリメチル−1,5−ジアザビシクロ
[4,3,0]ノネン−5 等が挙げられる。好ましくは1,5−ジアザビシクロ
[4,3,0]ノネン−5もしくはその弱酸塩が用いら
れる。
【0010】一般式[II]で表される化合物の例として
は、 6−メチルブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]ウンデセン−7 6−メチルオクチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]ウンデセン−7 6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5,
4,0]ウンデセン−7 6−ブチルベンジルアミノ−1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]ウンデセン−7 6−ジヘキシルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5,
4,0]ウンデセン−7 9−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウ
ンデセン−7 等が挙げられる。
【0011】好ましくは6−ジブチルアミノ−1,8−
ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7が用いら
れる。
【0012】上記一般式[I]または[II]で表される
化合物は、それ自身を用いてもよいが、その取扱いの面
から以下の弱酸塩として使用することができる。これら
弱酸塩としては、炭酸塩、ステアリン酸塩、2−エチル
ヘキシル酸塩、安息香酸塩、カルボン酸塩、ソルビン酸
塩、サリチル酸塩、ナフトエ酸塩、3−ヒドロキシ−2
−ナフトエ酸塩、フェノール樹脂塩、2−メルカプトベ
ンゾチアゾール塩および2−メルカプトベンズイミダゾ
ール塩からなる群から選ばれた弱酸塩が例示される。
【0013】また、一般式[I]または[II]で表され
る化合物を、例えば炭酸カルシウム、クレー、シリカな
どの無機粉末に混合して使用することも可能である。
【0014】一般式[I]または[II]で表される化合
物と上記弱酸との比率は、特に制限されない。
【0015】接着賦与剤の配合量は、エピクロロヒドリ
ン系ゴム100重量部に対し、一般式[I]または[I
I]で表される化合物を基準として、通常0.1〜5重
量部、好ましくは0.2〜3重量部である。接着賦与剤
の配合量が少な過ぎると、エピクロロヒドリン系ゴムの
加硫速度が低下すると共に強固な接着力を得ることが困
難となり、多すぎるとエピクロロヒドリン系ゴム層のス
コーチが速くなり、また、エピクロロヒドリン系ゴム層
が剛直になりすぎて期待される物性が得られなくなる嫌
いがある。
【0016】受酸剤として用いられる金属化合物は、周
期律表第II族金属の酸化物、水酸化物、ケイ酸塩、亜燐
酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩、周期律表IVa 族金属の
酸化物、塩基性亜燐酸塩、塩基性炭酸塩、塩基性カルボ
ン酸塩、塩基性硫酸塩、三塩基性硫酸塩などであってよ
い。金属化合物の具体例としては、酸化マグネシウム、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸亜鉛、ステアリン酸錫、フタル酸カルシウム、
亜燐酸カルシウム、亜艶華、酸化錫、リサージ、鉛丹、
鉛白、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性炭酸鉛、塩基性亜
燐酸鉛、塩基性炭酸錫、塩基性亜硫酸鉛、三塩基性硫酸
鉛などが挙げられ、特に酸化マグネシウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸
バリウム、塩基性シリカ等が好ましい。
【0017】受酸剤として用いられる無機マイクロポー
ラス・クリスタルとは、結晶性の多孔体を云い、無定型
の多孔体、例えばシリカゲル、アルミナ等とは明瞭に区
別できるものである。このような無機マイクロポーラス
・クリスタルの例としては合成ゼオライト、アルミノホ
スフェート型モレキュラーシーブ、層状ケイ酸塩、ハイ
ドロタルサイト、チタン酸アルカリ金属塩等が挙げられ
る。無機マイクロポーラス・クリスタルのうち、加硫時
に発生する酸性物質を吸着する能力の大きなものが好ま
しい。
【0018】該ゼオライト系化合物は、天然ゼオライト
の外、A型、X型、Y型の合成ゼオライト、ソーダライ
ト類、天然ないしは合成モルデナイト、ZSM−5など
の各種ゼオライトまたはこれらの金属置換体であっても
よく、これらは単独で用いても2種以上の組み合わせで
用いてもよい。また金属置換体の金属はナトリウムであ
ることが多い。ゼオライト系化合物としては酸受容能が
大きいものが好ましく、A型ゼオライトが特に好まし
い。
【0019】該ハイドロタルサイト類は、下記一般式
(III):
【化5】 (式中、xとy は0〜10の実数、但しx+yは1〜1
0、zは1〜5の実数、wは0〜10の実数をそれぞれ
示す)で表わされる。
【0020】下記一般式(III)で表されるハイドロタ
ルサイト類を例示すれば、 Mg4.5 Al (OH)13CO ・3.5H O Mg4.5 Al (OH)13CO Mg Al (OH)12CO ・3.5H O Mg Al (OH)16CO ・4H O Mg Al (OH)14CO ・4H O Mg Al (OH)10CO ・1.7H O Mg ZnAl (OH)12CO ・wH O Mg ZnAl (OH)12CO 等を挙げることができる。
【0021】受酸剤の配合量は、エピクロロヒドリン系
ゴム100重量部に対して、1〜30重量部、好ましく
は1〜20重量部である。
【0022】これらの受酸剤は単独で用いてもよいし、
2種以上の組み合わせで用いてもよい。
【0023】本発明で用いられる加硫剤は特に制限され
ないが、一般的に該エピクロロヒドリン系ゴムの加硫剤
としては2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体、チ
アジアゾール類、メルカプトトリアジン類などのポリチ
オール系(ポリチオール誘導体を含む)加硫剤やチオウ
レア類が好ましい。
【0024】2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体
の例としては、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネ
ート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボ
ネート、6−イソプロピルキノキサリン−2,3−ジチ
オカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,
3−ジチオカーボネート等が挙げられる。これらの加硫
剤は単独で用いてもよいし、2種類以上の組み合わせで
用いてもよい。
【0025】チオウレア類の例としては、2−メルカプ
トイミダゾリン、1,3−ジエチレンチオウレア、1,
3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレアが挙げ
られる。これらの加硫剤は単独で用いてもよいし、2種
類以上の組み合わせで用いてもよい。
【0026】チアジアゾール類の例としては、2,5−
ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メル
カプト−1,3,4−チアジアゾール−5−チオベンゾ
エート等が挙げられる。これらの加硫剤は単独で用いて
もよいし、2種類以上の組み合わせで用いてもよい。
【0027】メルカプトトリアジン類の例としては、
2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジ
ン、1−メトキシ−3,5−ジメルカプトトリアジン、
1−ヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジ
ン、1−ジエチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリア
ジン、1−シクロヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプ
トトリアジン、1−ジブチルアミノ−3,5−ジメルカ
プトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプト
トリアジン、1−フェニルアミノ−3,5−ジメルカプ
トトリアジン等が挙げられる。これらの加硫剤は単独で
用いてもよいし、2種類以上の組み合わせで用いてもよ
い。
【0028】加硫剤の配合量は、エピクロロヒドリン系
ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部、好まし
くは0.5〜5重量部である。この配合量が少なすぎる
と、加硫速度が低下すると共に層間の強固な接着力と積
層体または積層ホースの優れた圧縮永久歪性とを得るこ
とが困難となり、多すぎるとエピクロロヒドリン系ゴム
層が剛直になりすぎて積層体として期待される物性が得
られなくなる嫌いがある。
【0029】本発明では、十分な接着強度を得るため
に、上記2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体、チ
アジアゾール誘導体、メルカプトトリアジン誘導体など
のポリチオール系(ポリチオール誘導体を含む)加硫剤
と、上記一般式[I]もしくは[II]で表される接着付
与剤とを組み合わせることにより、フッ素ゴムもしくは
フッ素樹脂層との加硫接着に極めて良好な結果を示す組
成物が得られる。
【0030】また、上記ポリチオール系(ポリチオール
誘導体を含む)加硫剤は、得られた加硫ゴムの圧縮永久
歪性の点では、チオウレア類よりも良好である。
【0031】本発明による加硫接着用組成物は、また、
エピクロロヒドリン系ゴム(a)、受酸剤(b)、加硫
剤(c)および接着賦与剤(d)に加えて、粒子径61
〜500nmの補強用カーボンブラック(e)を含むも
のであってもよい。
【0032】本発明で用いられるカーボンブラックの例
としては、SAF、ISAF、HAF、MAF、FE
F、SRF、FT、MT等が挙げられ、接着性向上の面
から粒子径61〜500nmのカーボンブラックである
SRF、FT、MT等の使用が好ましい。
【0033】また、本発明による加硫接着用組成物にお
いては、カーボンブラックに加えて、通常用いられる無
機充填剤を併用することも可能である。
【0034】本発明で用いられる無機充填剤は、具体的
には沈降性炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウ
ム、含水ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケ
イ酸カルシウム、含水ケイ酸カルシウム、天然ケイ酸、
合成ケイ酸、マイカ、ウォレスナイト、アスベスト、セ
ピオライト、スラグ繊維、ゾノトライト、チタン酸カ
リ、エレスタダイト、石膏繊維である。
【0035】ゴム部材に付属する金属製部材(クランプ
等)の金属腐食を防止する方法として、カーボンブラッ
クを減量し、体積固有抵抗を上げることが有効であるこ
とが知られている。本発明による加硫接着用組成物で
は、カーボンブラックの配合量を減らし、無機充填剤を
配合することにより、体積固有抵抗を上げしかも物性お
よび加工性の低下を抑制することができる。
【0036】無機充填剤の特に好ましい例は、酸性、中
性、塩基性などの天然ケイ酸および合成ケイ酸、超微粉
ケイ酸マグネシウムを主成分とする充填剤であるタル
ク、もしくはケイ酸アルミニウムを主成分とする充填剤
である焼成クレーである。
【0037】本発明による加硫接着用組成物は、また、
エピクロロヒドリン系ゴム(a)、受酸剤(b)、加硫
剤(c)および接着賦与剤(d)に加えて、イミダゾリ
ウム塩およびピリジニウム塩から選ばれる接着賦与助剤
(f)を含むものであってもよい。
【0038】本発明に用いられる接着賦与助剤(f)と
しては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩およびこれ
らの混合物が挙げられ、同剤(f)を接着賦与剤(d)
と併用することにより、更に接着強度を向上させること
ができる。接着賦与助剤(f)の具体例としては、1−
ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムク
ロライド、セチルピリジニウムクロライド等が挙げられ
る。
【0039】接着賦与剤助剤(f)の配合量は、エピク
ロロヒドリン系ゴム100重量部に対し、好ましくは
0.1〜3.0重量部である。
【0040】また、本発明による加硫接着用組成物に
は、上記加硫剤と共に加硫速度を調整する目的で公知の
加硫促進剤や加硫遅延剤を配合することが効果的であ
る。加硫促進剤の例としては、硫黄、チウラムスルフィ
ド類、モルホリンポリスルフィド類、アミン類、アミン
の弱酸塩類、塩基性シリカ、四級アンモニウム塩類、四
級ホスホニウム塩類、多官能ビニル化合物、メルカプト
ベンゾチアゾール類、スルヒェンアミド類、ジチオカー
バメート類等が挙げられる。また、加硫遅延剤の例とし
ては、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等を挙げる
ことができる。加硫促進剤および加硫遅延剤の配合量
は、エピクロロヒドリン系ゴム100重量部に対してそ
れぞれ0〜10重量部であることが好ましい。
【0041】本発明による加硫接着用組成物には、従来
ゴム加工分野において通常用いられる各種配合剤である
充填剤、補強剤、可塑剤、受酸剤、老化防止剤、滑剤、
接着賦与剤、安定剤、粘性賦与剤、顔料、難燃剤、紫外
線吸収剤、発泡剤、消泡剤、加硫調整剤等を適宜添加す
ることができる。また、強度、剛性を向上させるため短
繊維等の添加も可能である。
【0042】本発明加硫接着用組成物の配合方法として
は、従来ポリマ−加工分野において用いられている任意
の手段、例えばミキシングロ−ル、バンバリ−ミキサ
−、各種ニ−ダ−類等を用いる方法を適用することがで
きる。本発明による加硫接着用組成物を用いたゴム加硫
物は、本発明加硫接着用組成物を通常100〜200℃
に加熱することで得られ、加硫時間は温度により異なる
が普通0.5〜300分の間である。加硫成型の方法と
しては、金型による圧縮成型、射出成型、スチ−ム缶、
エア−バス、赤外線或いはマイクロウエ−ブによる加熱
等任意の方法を用いることができる。
【0043】本発明は、また、上記エピクロロヒドリン
系ゴム加硫接着用組成物を用いて、フッ素ゴムもしくは
フッ素樹脂からなる層とエピクロロヒドリン系ゴムから
なる層とが強固に接着された加硫ゴム積層体または積層
ホースを提供するものである。
【0044】すなわち、本発明により、上記加硫接着用
組成物からなる層と、未加硫フッ素ゴムもしくはフッ素
樹脂からなる層とが加熱加硫接着されてなる加硫ゴム積
層体、および、フッ素ゴムもしくはフッ素樹脂からなる
内層と、上記加硫接着用組成物からなる外層および/ま
たは中間層とが加熱加硫接着されてなる加硫ゴム積層ホ
ース、特に燃料油系ホースが提供される。
【0045】本発明で用いられるフッ素ゴムとしては、
ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロペン二元
共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプ
ロペン−テトラフルオロエチレン三元共重合体、ビニリ
デンフルオライド−トリフルオロクロロエチレン二元共
重合体、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチル
ビニルエーテル−テトラフルオロエチレン三元共重合
体、テトラフルオロエチレン−プロピレン二元共重合
体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン
−プロピレン三元共重合体等が例示される。
【0046】本発明で用いられるフッ素樹脂としては、
ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロペン−テ
トラフルオロエチレン三元共重合体、エチレン−テトラ
フルオロエチレン二元共重合体、ヘキサフルオロプロペ
ン−テトラフルオロエチレン二元共重合体、ポリビニリ
デンフルオライド、ポリテトラフルオロエチレン等が挙
げられ、好ましくはビニリデンフルオライド−ヘキサフ
ルオロプロペン−テトラフルオロエチレン三元共重合体
(THV)が例示される。
【0047】上記フッ素ゴムには、その使用目的に応じ
て公知の各種配合剤、例えばポリオール類、ポリアミン
類、有機過酸化物等から選ばれた加硫剤や加硫促進剤、
受酸剤としての金属化合物、充填剤、補強剤、可塑剤、
安定剤、着色剤、加工助剤等が配合されてよい。上記配
合剤の配合割合には制限がなく、使用目的に応じて任意
の割合の配合剤を含む加硫用フッ素ゴム組成物が調製さ
れる。
【0048】本発明において積層体を製造する方法とし
ては、同時押出成形または逐次押出成形により、エピク
ロロヒドリン系ゴム未加硫組成物とフッ素ゴム未加硫組
成物もしくはフッ素樹脂を積層せしめ、次いで積層物を
加熱加硫もしくは加熱加硫成型する方法、金型を用いて
エピクロロヒドリン系ゴム未加硫組成物とフッ素ゴム未
加硫組成物もしくはフッ素樹脂を積層すると同時に加熱
加硫成型する方法等がある。また一方の未加硫ゴム組成
物を型崩れしない程度に弱く加熱加硫した後に両者を積
層して十分に加熱加硫成型せしめる方法も採用できる。
上記押出成形により積層された積層体を加熱加硫成型す
る方法としては金型による成型があり、加熱加硫の方法
としてはスチ−ム缶、エア−バス、赤外線、マイクロウ
エ−ブ、被鉛加硫等の公知の方法が任意に採用できる。
加硫に際しては、加硫温度は通常100〜200℃であ
り、加熱時間は温度によって異なるが0.5〜300分
間の範囲で選ばれる。
【0049】本発明の積層体を燃料油系ホースに適応す
る場合の態様としては、図1に示すように、フッ素ゴム
もしくはフッ素樹脂からなる層を内層(1) に、エピクロ
ロヒドリン系ゴムからなる層を外層(2) にそれぞれ配し
てなる2層ホース、図2に示すように、2層ホースの外
側に編組材料からなる編組補強層(3) を配してなる3層
ホース、更には、図3に示すように、3層ホースの外側
にゴムからなる最外層(4) を配してなる4層ホース等を
代表的に挙げることができる。上記3層ホースまたは4
層ホース等に用いられる編組材料としては、ポリエステ
ル繊維、ポリアミド繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維、
綿等の編組したもの例示される。また上記4層ホースの
最外層(4) の材料としては、エピクロロヒドリン系ゴム
のほか、アクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、クロ
ロプレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホ
ン化ポリエチレンゴム等の耐老化性、耐候性、耐油性等
のある合成ゴムが通常用いられる。また、図4に示すよ
うに、内層がフッ素樹脂層だけでは柔軟性に乏しく接合
パイプとの密着性が弱い場合、更にその内側にゴム弾性
を有し燃料油性に優れたゴムからなる最内層(5) を配す
ることもある。最内層(5) のゴムとしては、エピクロロ
ヒドリン系ゴム、ニトリルブタジエンゴム、ニトリルブ
タジエンゴムとポリ塩化ビニルのブレンド物、水素添加
ニトリルブタジエンゴム、フッ素ゴムなどが例示され
る。
【0050】
【発明の実施形態】本発明において代表的な例を実施例
として挙げるが、これに制限されるものではない。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により具体的
に説明する。
【0052】実施例1 表1に示す組成のエピクロロヒドリン系ゴム組成物を7
インチロールにて70〜80℃で15〜20分間混練
し、厚さ2〜2.5mmのシート(A)を作製した。
【0053】表2に示す組成の二元系フッ素ゴム組成物
(配合I)を上記と同じ条件で混練して厚さ1〜1.5
mmのシート(B)を作製した。二元系フッ素ゴム組成
物(配合I)を三元系フッ素ゴム組成物(配合II)に代
え、同様にシート(B)を作製した。
【0054】表3に示すフッ素樹脂(テトラフルオロエ
チレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオ
ライド三元共重合体)のペレットを190℃に保持され
た金型で、20〜25kg/cm で4分間加圧し、
厚さ0.3〜0.5mmのシート(C)を得た。
【0055】上記シート(A)およびシート(B)、な
らびに上記シート(A)およびシート(C)をそれぞれ
貼り合わせ、各貼り合わせ体を160℃、20〜25k
g/cm で30分間加圧し、厚さ2〜2.3mmの
ゴム−ゴム積層体およびゴム−樹脂積層体を得た。
【0056】実施例2〜6、比較例1〜3 エピクロロヒドリン系ゴム組成物の組成を表1に示すよ
うに変更した点を除いて、実施例1と同様にして、ゴム
−ゴム積層体およびゴム−樹脂積層体を得た。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】表1〜表3中の注釈番号(1)〜(16)
は以下のものを意味する。
【0061】(1)エピクロロヒドリン−エチレンオキ
シド二元共重合体(モル比50:50、ムーニー粘度
ML1+4 (100℃) 65 ) (2)商品名「シーストSO」(粒子径40〜48n
m、東海カーボン社製) (3)商品名「シーストS」(粒子径61〜100n
m、東海カーボン社製) (4)商品名「アサヒサーマル」(粒子径101〜20
0nm、旭カーボン社製) (5)商品名「アデカサイザアーRS−107」(旭電
化工業社製) (6)商品名「スプレンダーR−300」(花王社製) (7)商品名「ハイドロタルサイトDHT−4A」(協
和化学工業社製) (8)商品名「キョーマグ#150」(協和化学工業社
製) (9)1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン
−5のフェノール樹脂塩(組成比1:9) (10)6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7のフェノール樹脂塩(組
成比3:7) (11)1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7のフェノール樹脂塩(組成比1:2) (12)商品名「バイトンE−430」ビニリデンフル
オライド−ヘキサフルオロプロペン二元共重合体にジヒ
ドロキシ芳香族化合物系の加硫剤と有機ホスホニウム塩
加硫促進剤入りのもの(デュポン社製) (13)商品名「バイトンB−50」ビニリデンフルオ
ライド−ヘキサフルオロプロペン−テトラフルオロエチ
レン三元共重合体。(デュポン社製) (14)商品名「バイトンキュラティブNo.20」
(加硫促進剤ベンジルトリフェニルホスホニウムクロラ
イド、有効成分33%品、デュポン社製) (15)商品名「バイトンキュラティブ No.30」
(加硫剤ビスフェノールAF、有効成分50%品、デュ
ポン社製) (16)商品名「3M THV Fluoroplatic 500
G」テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン−ビニリデンフルオライド三共重合体(ミネソタ・マ
イニング・アンド・マニュファクチャリング・カンパニ
ー製)
【0062】評価試験 実施例1〜6および比較例1〜3の未加硫エピクロロヒ
ドリン系ゴム組成物、上記シート(A)、ならびに上記
ゴム−ゴム積層体およびゴム−樹脂積層体を下記の項目
について評価した。
【0063】a) ムーニー・スコーチ時間 このムーニー・スコーチ時間は、加硫可能なゴム組成物
のムーニー粘度が、規定の値だけ上昇するまでの時間を
言う。JIS−K−6300に記載の方法に準拠して、
表1に示す未加硫エピクロロヒドリン系ゴム組成物を初
期安定性および貯蔵安定性について評価した。すなわ
ち、初期および3日湿熱保存後(35℃×75%RH×
72時間)において最低ムーニー粘度(Vm)およびス
コーチ時間(t5)をそれぞれ測定した。
【0064】b) 加硫物性 上記シート(A)を15×15×0.2cmの金型に入
れてプレス機にて160℃、100kg/cm で3
0分間加熱してシート状加硫物性測定用の加硫ゴム試験
片を作製した。
【0065】この試験片について、JIS−K−625
1(加硫ゴムの引張試験方法)およびJIS−K−62
53(加硫ゴムの硬さ試験方法)に記載の方法に準拠し
て加硫物性を測定した。
【0066】なお、表4中には、 M100;JIS−K−6251の引張試験に定める、
100%伸び時の引張応力 Tb;JIS−K−6251の引張試験に定める、引張
強さ Eb;JIS−K−6251の引張試験に定める、伸び Hs;JIS−K−6253の硬さ試験に定める、硬さ
(JIS−A硬度)をそれぞれ示す。
【0067】c) 圧縮永久歪み性 上記シート(A)を試験片作製用金型を用いて160
℃、100kg/cmで35分間加熱して圧縮永久歪
み測定用の加硫ゴム試験片を得た。
【0068】この試験片について、JIS−K−626
2に記載の方法に準拠して圧縮永久歪みを測定した。但
し、圧縮の割合は25%、熱処理温度および時間は12
5℃×70時間の条件とした。
【0069】d) 接着性 上記ゴム−ゴム積層体およびゴム−樹脂積層体をそれぞ
れ2.5cm幅×10cmの短冊状に切断して接着試験
用試験片を作製した。
【0070】この試験片について、JIS−K−625
6(加硫ゴムの接着試験方法)に記載の方法に準拠し、
25℃において50mm/minの引張速度で剥離試験
を行った。
【0071】各試験結果を表4にまとめて示す。
【0072】
【表4】
【0073】表4中、は接着面での界面剥離、は接
着面での部分ゴム破壊、はゴム破壊をそれぞれ示す。
FKMはフッ素ゴム、EPRはエピクロロヒドリン系ゴ
ムのことである。表4中のFKMおよびEPRはこれら
が破壊されたことを意味する。
【0074】表4から明らかなように、実施例の加硫接
着用組成物および加硫ゴム積層体はいずれの項目におい
ても良好な結果を示した。
【0075】よって、本発明によりフッ素ゴムもしくは
フッ素樹脂からなる層とエピクロロヒドリン系ゴムから
なる層とが強固に接着された加硫ゴム積層体または積層
ホースを提供することができる。
【0076】実施例7〜15 表5に示す組成のエピクロロヒドリン系ゴム組成物を7
インチロールにて70〜80℃で15〜20分間混練
し、厚さ2〜2.5mmのシート(D)を作製した。
【0077】実施例7〜11のシート(D)について
は、シート(D)およびシート(B)、ならびにシート
(D)およびシート(C)をそれぞれ貼り合わせ、各貼
り合わせ体を151℃、20〜25kg/cm で3
5分間加圧し、厚さ2〜2.3mmの1次加硫ゴム−ゴ
ム積層体およびゴム−樹脂積層体を得、更にエアーオー
ブンにて150℃で3時間加熱して2次加硫物を得た。
【0078】実施例12〜15のシート(D)について
は、シート(D)およびシート(B)、ならびに前記シ
ート(D)およびシート(C)をそれぞれ貼り合わせ、
各貼り合わせ体を160℃、20〜25kg/cm
で45分間加圧し、厚さ2〜2.3mmの加硫ゴム−ゴ
ム積層体およびゴム−樹脂積層体を得た。
【0079】評価試験 実施例7〜15の未加硫エピクロロヒドリン系ゴム組成
物、上記シート(D)、ならびに上記ゴム−ゴム積層体
およびゴム−樹脂積層体を下記の項目について評価し
た。各試験結果を表6にまとめて示す。
【0080】a) ムーニー・スコーチ時間 上記未加硫エピクロロヒドリン系ゴム組成物のムーニー
・スコーチ時間を先に説明した方法により測定した。
【0081】b) 加硫物性 実施例7〜11のシート(D)については、これを15
×15×0.2cmの金型に入れてプレス機にて151
℃、100kg/cm で35分間加熱してシート状
1次加硫ゴム試験片を作製し、得られた1次加硫物を更
にエアーオーブンにて150℃×3時間加熱し、2次加
硫物を得た。
【0082】実施例12〜15のシート(D)について
は、これを15×15×0.2cmの金型に入れてプレ
ス機にて160℃、100kg/cm で45分間加
熱してシート状加硫ゴム試験片を作製した。
【0083】各試験片について、先に説明した方法によ
り加硫物性の評価試験を行った。
【0084】c) 圧縮永久歪み性 試験片作製用金型を用いて、実施例7〜11のシート
(D)については上記加硫物性評価の2段加硫条件と同
じ条件で、実施例12〜15のシート(D)について
は、上記加硫物性評価の1段加硫条件と同じ条件でこれ
らを加硫し、圧縮永久歪み測定用の加硫ゴム試験片を得
た。この試験片について、先に説明した方法により圧縮
永久歪みの測定を行った。
【0085】d) 接着性 実施例7〜15で得られたゴム−ゴム積層体およびゴム
−樹脂積層体の接着性を先に説明した方法により評価し
た。
【0086】
【表5】
【0087】表5中の注釈番号(17)〜(24)は以
下ののものを意味する。表5中のその他の注釈番号は先
に説明したものを意味する。
【0088】(17)エピクロロヒドリン−エチレンオ
キシド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体(モル
比52:41:7、ムーニー粘度 ML1+4 (10
0℃)50) (18)商品名「ダイヤブラックH」(粒子径30〜3
5nm、三菱化成社製) (19)商品名「シースト116」(粒子径25〜35
nm、東海カーボン社製) (20)商品名「クラウンクレー」(白石カルシウム社
製) (21)商品名「ニップシールVN3」(日本シリカ社
製) (22)商品名「モノサイザーDOP」(大日本インキ
化学社製) (23)商品名「エマスター510P」(理研ビタミン
社製) (24)1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネ
ン−5のフェノール樹脂塩(組成比 1:2)
【表6】
【0089】表6中、は接着面での界面剥離、は接
着面での部分ゴム破壊、はゴム破壊をそれぞれ示す。
表6中のEPRはエピクロロヒドリン系ゴムのことであ
り、EPRが破壊されたことを意味する。
【0090】表6から明らかなように、実施例の加硫接
着用組成物および加硫ゴム積層体はいずれの項目におい
ても良好な結果を示した。
【0091】よって、本発明によりフッ素ゴムもしくは
フッ素樹脂からなる層とエピクロロヒドリン系ゴムから
なる層とが強固に接着された加硫ゴム積層体または積層
ホースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2層ホースを示す斜視図である。
【図2】 3層ホースを示す斜視図である。
【図3】 4層ホースを示す斜視図である。
【図4】 最内層を有する積層ホースを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1:内層 2:外層 3:編組補強層 4:最外層 5:最内層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00 5/3432 5/3432 5/3445 5/3445 5/3465 5/3465 5/36 5/36 C08L 71/03 C08L 71/03 F16L 11/08 F16L 11/08 A

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エピクロロヒドリン系ゴム、
    (b)金属化合物または無機マイクロポーラス・クリス
    タルから選択される少なくとも一種の受酸剤、(c)加
    硫剤および(d)接着賦与剤からなるエピクロロヒドリ
    ン系ゴム加硫接着用組成物において、(d)接着賦与剤
    として、下記一般式[I]または[II]で表される化合
    物もしくはその弱酸塩をエピクロロヒドリン系ゴム10
    0重量部に対し0.1〜5重量部を含むことを特徴とす
    る加硫接着用組成物。 【化1】 【化2】 (式[I]中、R およびR は、同一であっても
    互いに異なっていてもよく、水素原子、アミノ基、アル
    キル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、シク
    ロアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基、アリ
    ールアミノ基およびアラルキル基からなる群から選ばれ
    る基である。また、式[II]中、R は、アミノ基、
    アルキル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、
    シクロアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基、
    アリールアミノ基およびアラルキル基からなる群から選
    ばれる基である。)
  2. 【請求項2】 接着賦与剤が1,5−ジアザビシクロ
    (4,3,0)−ノネン−5もしくはその弱酸塩、また
    は6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,
    4,0)ウンデセン−7もしくはその弱酸塩であること
    を特徴とする、請求項1に記載の加硫接着用組成物。
  3. 【請求項3】 接着賦与剤が1,5−ジアザビシクロ
    (4,3,0)−ノネン−5もしくはその弱酸塩である
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の加硫接着
    用組成物。
  4. 【請求項4】 無機マイクロポーラス・クリスタルがハ
    イドロタルサイト系化合物および/または合成ゼオライ
    トであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに
    記載の加硫接着用組成物。
  5. 【請求項5】 加硫剤が2,3−ジメルカプトキノキサ
    リン誘導体、チオウレア類、チアジアゾール類およびメ
    ルカプトトリアジン類からなる群から選ばれるものであ
    ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の
    加硫接着用組成物。
  6. 【請求項6】 エピクロロヒドリン系ゴム(a)、受酸
    剤(b)、加硫剤(c)および接着賦与剤(d)に加え
    て、粒子径61〜500nmのカーボンブラック(e)
    を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記
    載の加硫接着用組成物。
  7. 【請求項7】 エピクロロヒドリン系ゴム(a)、受酸
    剤(b)、加硫剤(c)および接着賦与剤(d)に加え
    て、イミダゾリウム塩およびピリジニウム塩から選ばれ
    る接着賦与助剤(f)を含むことを特徴とする、請求項
    1〜5のいずれかに記載の加硫接着用組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の加硫接
    着用組成物からなる層と、未加硫フッ素ゴムもしくはフ
    ッ素樹脂からなる層とが加熱加硫接着されてなる加硫ゴ
    ム積層体。
  9. 【請求項9】 フッ素ゴムもしくはフッ素樹脂からなる
    内層と、請求項1〜7のいずれかに記載の加硫接着用組
    成物からなる外層および/または中間層とが加熱加硫接
    着されてなる加硫ゴム積層ホース。
  10. 【請求項10】 燃料油を内面に接して流す燃料油系ホ
    ースであることを特徴とする、請求項9記載の加硫ゴム
    積層ホース。
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