JP2001106361A - 給紙装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙の側縁側がカールしていることによって
用紙がサイドフェンスに沿って持ち上げられることを防
止できる給紙装置を提供する。 【解決手段】 サイドフェンス７に用紙押さえ部材１０
を用紙セット方向Ｓに対して逃げる方向に回転可能に設
ける。用紙押さえ部材１０は用紙２のセット方向Ｓの先
端側で用紙２の側縁側部位の上に載り、自重によって用
紙２あるいはその束を押さえる。用紙押さえ部材１０の
回転範囲は、ガイド溝１１で規制する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写
機、ファクシミリ等の画像形成装置に用いる給紙装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図１は一般的な給紙装置の全体を示す側
面断面図である。この装置は、給紙トレイの用紙積載台
１上にセットした用紙２の束を加圧機構３によって給紙
コロ４に対して押圧し、給紙コロ４の回転により用紙２
を図の左方向へ送り、給紙コロ４に対してバネ５によっ
て押圧した分離部材６によって用紙２を１枚に分離して
搬送する。

【０００３】用紙積載台１にセットした用紙２の搬送方
向に対する左右方向（図１の紙面垂直方向）の位置の規
制は、サイドフェンス７により行っている。具体的に
は、用紙２が搬送時に左右方向にずれようとした場合、
サイドフェンス７によって用紙２の側縁部分をガイドす
ることで用紙２のずれを防止している。

【０００４】図２は、用紙搬送方向から給紙トレイを見
た断面図である。図示のように用紙２の束を用紙積載台
１上にセットしている場合には、用紙２が左右（図２の
紙面左右方向）にずれようとする力に対し、サイドフェ
ンス７が用紙２の左右の移動を規制するためズレを防止
できる。

【０００５】図３は、図２と同じく用紙搬送方向から給
紙トレイを見た断面図である。図示のように用紙２の側
縁がカールしている場合、カールした用紙２が左右方向
に動く力に対して用紙２の側縁部分をサイドフェンス７
で規制しようとすると、用紙２がカールしていることに
よって用紙２の腰が弱くなっているため、用紙２の側縁
側がサイドフェンス７に沿って持ち上げられるように変
形し、用紙２の左右方向でのずれが生じる。図３には図
中右向きのずれが生じた用紙２を鎖線で示してある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような用紙２の左
右方向でのずれの原因となるカールは、用紙２の吸湿、
除湿により生じる場合が多く、特に薄い用紙ではカール
が生じやすい。このようなカールが生じると、結果とし
て用紙２が用紙積載台１上から斜めに送られることとな
り、用紙２に対して画像が斜めにプリントされるスキュ
ーと称する不具合が生じる。

【０００７】従来このような不具合を解消するため、図
４に示すようにサイドフェンス７に用紙２の束の上面を
規制するひさし部８を設け、カールした用紙２のサイド
フェンス７に沿った持ち上がりを押さえようとするもの
があった。ところがこの構造では、用紙２の積載枚数が
多いときには用紙２のカールを抑えやすいが（図５
（Ａ）参照）、用紙２の積載枚数が少ない場合や、画像
形成に使用されて枚数が少なくなってきた場合、カール
を押さえることが難しくなってしまうという問題があっ
た（図５（Ｂ）参照）。図中矢印Ｓは用紙２のセット方
向を示す。

【０００８】また図６に示すように、サイドフェンス７
に用紙２の束の上面を押さえるためのＰＥＴ（ポリエチ
レンテフタレート）、ＳＵＳ、リン青銅板等で作られた
弾性部材９を設け、これにより用紙２を押さえることに
よってカールを抑えるというものも提案されている。こ
の機構の場合、弾性部材９の部品としての反りのばらつ
き、組み付け時のばらつき等により、製造された給紙装
置ごとに用紙に加える荷重にばらつきが生じやすかっ
た。弾性部材９が用紙２に加える荷重は、例えば荷重が
小さすぎると用紙２のカールを抑える力が小さいために
スキューを防止できず、荷重が大きすぎると用紙２の搬
送の邪魔になって用紙の不送りや、ジャムを生じさせる
原因になる等の不具合を生じさせる。このため、生産台
数が多いにもかかわらず、給紙装置ごとにいちいち調整
を必要とする等の面倒がある。

【０００９】そこで本発明は、荷重のばらつきの少ない
用紙抑え機構をサイドフェンスに設け、上述のような従
来の給紙装置における不具合を解消し、スキューの小さ
い給紙装置を提供することを目的とする。

【００１０】また本発明は、用紙抑え機構による用紙セ
ット性の悪化のない給紙装置を提供することを目的とす
る。

【００１１】さらに本発明は、用紙を１枚だけセットす
るような場合、すなわち用紙のコシが小さい場合でも、
用紙セット性の悪化のない給紙装置を提供することを目
的とする。

【００１２】またさらに本発明は、用紙のセットしすぎ
による不具合、例えば用紙のセットのしすぎによるジャ
ムや不送り等が発生しない給紙装置を提供することを目
的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
給紙装置は、上記目的を達成するために、用紙を積載す
る給紙トレイを有し、該給紙トレイ上に用紙の左右方向
の位置を規制するサイドフェンスを設けた給紙装置にお
いて、上記サイドフェンス上に、上記積載された用紙の
上面を自重により押さえるよう回転可能に用紙押さえ部
材を設けてなることを特徴とする。

【００１４】同請求項２に係るものは、上記目的を達成
するために、上記用紙押さえ部材を、上記給紙トレイ上
への用紙のセット方向から逃げる方向に回転可能に設け
てなることを特徴とする。

【００１５】同請求項３に係るものは、上記目的を達成
するために、上記用紙押さえ部材の最下回転位置を、上
記給紙トレイの用紙積載面との間に若干の隙間ができる
ように設定してなることを特徴とする。

【００１６】同請求項４に係るものは、上記目的を達成
するために、上記用紙押さえ部材が最上回転位置を、上
記給紙トレイへの用紙の積載量可能上限に設定してなる
ことを特徴とする。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。なお以下では従来と共通する部分に
は共通する符号を付すにとどめ重複する説明は省略す
る。図７は本発明に係る給紙装置の一実施形態の要部を
示す斜視図である。サイドフェンス７に用紙押さえ部材
１０が用紙セット方向Ｓに対して逃げる方向に回転可能
に設けてある。すなわち図示の実施形態では、用紙２が
セットされるときに用紙押さえ部材１０が図中矢印で示
すように上方へ回転するようになっている。このため、
用紙２をセットする際に用紙２の動きを妨げることはな
い。

【００１８】用紙押さえ部材１０は用紙２のセット方向
Ｓの先端側で用紙２の側端縁近傍の上に載るよう設けて
あり、自重によって用紙２あるいはその束の端縁側の上
面を押さえるようになっている（図８（Ａ）参照）。こ
のため、用紙２の側端部分がカールにより浮き上がるこ
とを防止でき、カールに起因して用紙２がサイドフェン
ス７に沿って持ち上がってずれようとする動きを規制で
き、スキューを小さくできる。

【００１９】用紙押さえ部材１０の重量は、形状、材質
によりある程度自由に設定可能である。このため、用紙
２を押さえるのに最適な荷重に設定しやすい。また用紙
押さえ部材１０の部品形状、材質のばらつきを抑える
（例えば、樹脂製の射出成形による部品では、部品形状
及び材質のばらつきを抑えることは容易である）ことに
より、用紙２を押さえる力が製品ごとにばらつくという
不具合を解消できる。

【００２０】またサイドフェンス７には、用紙押さえ部
材１０の回転範囲を規制するためのガイド溝１１が設け
てあり、このガイド溝１１に用紙押さえ部材１０の側面
に設けたピンを嵌合する等によって用紙押さえ部材１０
の回転範囲の最上限と最下限を決めている。図８（Ａ）
の２点鎖線で示す状態が用紙押さえ部材１０が最上位に
きた位置であり、これ以上は上がらないよう規制され
る。したがって、用紙２を給紙装置の積載枚数の上限以
上にセットできなくなっており、用紙のセットのしすぎ
によるジャムや不送り等が発生しない。

【００２１】図８（Ｂ）は、用紙押さえ部材１０が最下
位にきた状態を示しており、これ以上は下がらないよう
規制している。この状態で用紙押さえ部材１０は用紙積
載台１の上面に接するまでは下がっておらず、隙間Ｔが
開くようになっている。これにより、コシの小さい用紙
を１枚だけセットするような場合は、用紙２をこの隙間
Ｔを通してセットする。このとき、用紙の上面が用紙押
さえ部材１０による荷重を受けないため、用紙押さえ部
材１０による用紙セット時の負荷によって用紙が引っ掛
かってしまい、それ以上奥（用紙セット方向Ｓで先側）
までセットしづらくなるというようなセット性の悪化が
生じない。また、セットした用紙にカールが生じた場合
でも、用紙が上に持ち上がると用紙の上面が用紙押さえ
部材１０に当たって押さえられるため、スキューも低減
する。

【００２２】

【発明の効果】請求項１に係る給紙装置は、以上説明し
てきたように、自重による加圧力を用紙に与え得るよう
用紙押さえ部材をサイドフェンスに設けたことにより、
用紙を押さえるための荷重のばらつきの少なくすること
ができ、用紙を押さえる力のばらつきによるカールを抑
える能力の低下、それによるスキューや押さえ機構の負
荷による不送り、ジャムといった不具合のない用紙押さ
えを実現でき、かつ、用紙のスキューの少ない給紙を実
現できるという効果を奏する。

【００２３】請求項２に係る給紙装置は、以上説明して
きたように、サイドフェンスに設けた用紙押さえ部材が
用紙のセット方向に対し逃げる方向に回転可能なので、
上記共通の効果に加え、用紙セット時に用紙押さえ部材
が逃げるよう動き、用紙のセット性を悪化させることが
ない機構を実現できるという効果を奏する。

【００２４】請求項３に係る給紙装置は、以上説明して
きたように、サイドフェンスに設けた用紙押さえ部材が
最も下がった位置にあるときに、用紙積載面との間に若
干の隙間ができるよう設けたことにより、上記共通の効
果に加え、用紙のコシが小さくて１枚だけセットするよ
うな場合でも、用紙が引っ掛かってセットしづらくなる
ということがないという効果がある。

【００２５】請求項４に係る給紙装置は、以上説明して
きたように、サイドフェンスに設けた用紙押さえ部材に
より用紙セット枚数を規制できるので、用紙のセットし
すぎによる不具合の発生を簡単に防止できるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】一般的な給紙装置の全体を示す側面断面図であ
る。

【図２】図１の給紙装置を用紙搬送方向から給紙トレイ
を見た断面図である。

【図３】用紙のカール状態を示すために、図１の給紙装
置を用紙搬送方向から給紙トレイを見た断面図である。

【図４】用紙のカールを防ぐひさしを設けたサイドフェ
ンスを示す斜視図である。

【図５】図４のサイドフェンスを用いた用紙の積載状態
と、それでも生じる不具合を示す断面図である。

【図６】用紙のカールを防ぐ弾性部材を設けたサイドフ
ェンスを示す斜視図（Ａ）と側面断面図（Ｂ）である。

【図７】本発明に係る給紙装置の一実施形態の要部を示
す斜視図である。

【図８】図７の実施形態の用紙の積載状態（Ａ）と、用
紙の非積載状態（Ｂ）の断面図である。

【符号の説明】

１ 用紙積載台 ２ 用紙 ３ 加圧機構 ４ 給紙コロ ５ バネ ６ 分離部材 ７ サイドフェンス ８ ひさし部 ９ 弾性部材 １０ 用紙押さえ部材 １１ ガイド溝 Ｓ 用紙セット方向

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙を積載する給紙トレイを有し、該給
   紙トレイ上に用紙の左右方向の位置を規制するサイドフ
   ェンスを設けた給紙装置において、上記サイドフェンス
   上に、上記積載された用紙の上面を自重により押さえる
   よう回転可能に用紙押さえ部材を設けてなることを特徴
   とする給紙装置。
2. 【請求項２】 上記用紙押さえ部材を、上記給紙トレイ
   上への用紙のセット方向から逃げる方向に回転可能に設
   けてなることを特徴とする請求項１の給紙装置。
3. 【請求項３】 上記用紙押さえ部材の最下回転位置を、
   上記給紙トレイの用紙積載面との間に若干の隙間ができ
   るように設定してなることを特徴とする請求項１または
   ２の給紙装置。
4. 【請求項４】 上記用紙押さえ部材が最上回転位置を、
   上記給紙トレイへの用紙の積載量可能上限に設定してな
   ることを特徴とする請求項１ないし３のいずれかの給紙
   装置。