JP2001103970A - 遺伝物質シーケンス決定用懸濁系、その懸濁系を用いた遺伝物質シーケンス決定方法およびその懸濁系を用いたSNPs高速スコアリング方法 - Google Patents

遺伝物質シーケンス決定用懸濁系、その懸濁系を用いた遺伝物質シーケンス決定方法およびその懸濁系を用いたSNPs高速スコアリング方法

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JP2001103970A JP29024699A JP29024699A JP2001103970A JP 2001103970 A JP2001103970 A JP 2001103970A JP 29024699 A JP29024699 A JP 29024699A JP 29024699 A JP29024699 A JP 29024699A JP 2001103970 A JP2001103970 A JP 2001103970A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】反応効率を飛躍的に上昇させて平衡に達するま
での時間を短縮した遺伝物質シーケンス決定用懸濁系。 【解決手段】所定塩基数の1種類の塩基配列をもちその
塩基配列がコード化された第1のコード化オリゴヌクレ
オチドを、その塩基数における全種類若しくは特定種類
の塩基配列を網羅するように多数包含し、その群に属す
るものとして各々選別可能に設けられた第1のコード化
オリゴヌクレオチド群と、第2のコード化オリゴヌクレ
オチド群と、2つのコード化オリゴヌクレオチドが一本
鎖の遺伝物質にハイブリダイズされてその塩基配列の末
端ヌクレオチド同士が直接に隣接する場合であって、所
定塩基数の塩基配列がその遺伝物質の塩基配列と一定の
関係にある場合に、その末端ヌクレオチドの糖であるデ
オキシリボース同士を特異的に結合させる酵素を容器内
の液に懸濁させた懸濁系を用いて、標的となる遺伝物質
の塩基配列を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝物質シーケン
ス決定用懸濁系、その懸濁系を用いた遺伝物質シーケン
ス決定方法およびその懸濁系を用いたSNPs 高速スコ
アリング方法に関し、詳しくは、DNA断片等の遺伝物
質の塩基配列や、SNPs の特定を行うための遺伝物質
シーケンス決定用懸濁系、その懸濁系を用いた遺伝物質
シーケンス決定方法およびその懸濁系を用いたSNPs
高速スコアリング方法に関する。
【0002】本発明は、農学、工学、薬学、医学、心理
学または化学若しくは生物学等の理学等の分野で、遺伝
子の塩基配列の決定や操作や、医療、薬品、生理衛生、
保健、生物または食品等の種々の領域において、遺伝物
質の塩基配列の決定や、遺伝物質の塩基配列とヒトを含
む種々の生物の形態、構造、性質、体質、病気、薬剤に
対する感受性、気質、性格等との関係の解明に利用する
ことができるものである。
【0003】
【従来の技術】従来、「ありふれた病気」の疾患感受性
遺伝子の同定と薬剤に対する感受性を決定するSNPs
(single nucleotid polymorphisms、単一のヌクレオチ
ド多型)を特定するために、全ゲノムにわたる高効率S
NPs 検出のスコアリングシステムの開発が急務であっ
た。現時点では、高効率でSNPsを検出スコアリング
するシステムは開発段階にあり、ハイブリダイゼーショ
ンの原理に基づくいわゆるDNAチップが予備的に検討
されているにすぎない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、DNAチッ
プは、半導体膜やスライドグラス等の平板にスポットさ
れた既知のひとつのSNPに対し、このSNPを含む1
0種類以上のオリゴヌクレオチドアレイを準備し、これ
らにPCR増幅したDNA断片がハイブリダイズするか
否かによりSNPsを検出するAffimetrix社等によるシ
ステムが既に実用化されている。
【0005】しかし、このDNAチップを用いた方法
は、機器とランニングコストが高価であるという問題点
を有していた。また、DNAチップは、ハイブリダイゼ
ーション反応が非特異的物理化学反応であるために、こ
のような複数オリゴヌクレオチドを利用した重複性(re
dundancy) のあるシステムが必要であり、このシステム
を用いたとしても約10%の誤り判定が生ずるという問
題点をも有していた。
【0006】本発明は以上の課題を解決することを目的
としてなされたものであり、その第一の目的は、従来の
いわゆるDNAチップ等の方法で行われている、スライ
ドグラスのスポット内の限られた狭い平面上のハイブリ
ダイゼーション反応ではなく、微小粒子(ビーズ)を用
いることによって、反応面積を増加させ液体内での反応
を促進させ、反応効率を飛躍的に上昇させて平衡に達す
るまでの時間を短縮させることができる遺伝物質シーケ
ンス決定用懸濁系、その懸濁系を用いた遺伝物質シーケ
ンス決定方法およびその懸濁系を用いたSNPs 高速ス
コアリング方法を提供することである。
【0007】第2の目的は、塩基配列を特異的に認識す
る酵素反応の高い特異性を用いることによって、重複性
を必要とせず確実に塩基配列をスコアリングすることが
できる遺伝物質シーケンス決定用懸濁系、その懸濁系を
用いた遺伝物質シーケンス決定方法およびその懸濁系を
用いたSNPs 高速スコアリング方法を提供することで
ある。
【0008】第3の目的は、スライドグラス上に固定化
したオリゴヌクレオチドの位置に基づいて配列を決定す
るのではなく、コード化した多種類のビーズを用いるこ
とによって同一条件で一括して反応を進めることによっ
て決定するものであり、高速かつ信頼性高い遺伝物質シ
ーケンス決定用懸濁系、その懸濁系を用いた遺伝物質シ
ーケンス決定方法およびその懸濁系を用いたSNPs 高
速スコアリング方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、第一の発明は、所定塩基数の1種類の塩基配列を
もちその塩基配列を識別するようにコード化された第1
のコード化オリゴヌクレオチドを、その塩基数における
全種類若しくは特定種類の塩基配列を網羅するように包
含し、その群に属するものとして各々選別可能に設けら
れた第1のコード化オリゴヌクレオチド群と、所定塩基
数の1種類の塩基配列をもちその塩基配列を識別するよ
うにコード化された第2のコード化オリゴヌクレオチド
を、その塩基数における全種類若しくは特定種類の塩基
配列を網羅するように包含し、その群に属するものとし
て各々選別可能に設けられた第2のコード化オリゴヌク
レオチド群と、2つのコード化オリゴヌクレオチドが一
本鎖の遺伝物質にハイブリダイズされてその塩基配列の
末端ヌクレオチドが直接に隣接する場合であって、か
つ、前記所定塩基数の塩基配列がその遺伝物質の塩基配
列と一定の関係にある場合にのみ、その末端ヌクレオチ
ドの糖であるデオキシリボースを介して2つのオリゴヌ
クレオチド同士を特異的に結合させる酵素を容器内の液
に懸濁させたものである。
【0010】ここで、「遺伝物質」は、主としてDNA
(断片)であるが、RNA(断片)を含めることもでき
る。「塩基」とは、DNAではチミン(T)、シトシン
(C)、アデニン(A)、グアニン(G)であり、RN
Aの場合は、チミンの代わりにウラシル(U)を入れた
ものである。「特定種類」としたのは、その標的遺伝物
質の塩基配列が大雑把にある程度知られている場合に
は、全種類の塩基配列でなくても、その種類をある程度
絞り込むことができるからである。
【0011】「選別可能となるように設ける」やり方と
しては、2つのグループ自体を識別できるように標識物
質でコード化を行うことによって、2つのグループで用
いる標識物質の種類を異ならせることによって、また
は、一方のグループのコード化オリゴヌクレオチドに、
遠隔操作可能な担体を有するように設け、そのグループ
を遠隔操作によって任意の位置に移動可能とすることに
よって選別可能とするような場合がある。「遠隔操作可
能化」としては、例えば、磁性粒子をオリゴヌクレオチ
ドに具備させることにより、磁場操作によって遠隔操作
可能にしたり、荷電粒子をオリゴヌクレオチドに具備さ
せることにより、またはオリゴヌクレオチド自体に電荷
を帯びさせて電場によって遠隔操作可能にする場合があ
る。
【0012】「コード化」は、例えば、蛍光等の発光物
質や、放射性物質等の標識物質を用いて、標識物質の種
類および/またはその量比を変えることによって行う。
また、「コード化オリゴヌクレオチド」は、例えば、1
本のオリゴヌクレオチドに種々の標識物質をアダプタを
介して結合することによって、または、第七の発明また
は第八の発明のように1種類の多数のオリゴヌクレオチ
ドと標識物質を担体に保持させることによって行う。第
七の発明や第八の発明のように標識物質は多数のオリゴ
ヌクレオチドの一部にのみ分配して結合するのが好まし
い。
【0013】第1のオリゴヌクオレオチドのコード化に
用いる標識物質の種類と、第2のオリゴヌクオチドのコ
ード化に用いる標識物質の種類は、異ならせるのが解析
上妥当である。この場合には、コード化のみによって第
1のオリゴヌクレオチド群と第2のオリゴヌクレオチド
群とは選別されることになる。
【0014】「酵素」には、例えば、DNAリガーゼ
(DNA連結酵素)のようにオリゴヌクレオチド同士が
直接隣接する場合にそれらを結合する酵素がある。「一
定の関係」とは、例えば、相補的な関係または同一の関
係等である。
【0015】本発明によれば、一本鎖化した遺伝物質と
ハイブリダイスした各オリゴヌクレオチドの前記所定塩
基数について、その遺伝物質と一定の関係がある場合の
み、その末端ヌクレオチドの糖であるデオキシリボース
同士を特異的に結合させる酵素を有している。したがっ
て、この懸濁系の中に、塩基配列を知ろうとする標的の
一本鎖の遺伝物質を投入して懸濁させることによって、
この塩基配列と一定の関係のあるオリゴヌクレオチドの
みが結合することができる。そのため、一本鎖の遺伝物
質を解離させるとともに、このオリゴヌクレオチドの対
のコードを読むことによって、前記所定塩基数の塩基配
列から、標的遺伝物質を高い信頼性をもって知ることが
できる。
【0016】第二の発明は、前記発明において、前記各
第1のコード化オリゴヌクレオチドは、その群に属する
ものとして選別可能であるようにコード化されるととも
に、前記各第2のコード化オリゴヌクレオチドは、磁場
によって遠隔操作される磁性粒子に保持されるように設
けることによって、その群に属するものとして選別可能
としたものである。
【0017】第三の発明は、前記各発明において、前記
各第1のコード化オリゴヌクレオチドおよび第2のコー
ド化オリゴヌクレオチドの前記所定塩基数は、少なくと
も3塩基であり、第1のコード化オリゴヌクレオチド群
は、その3塩基の各塩基を入れ換えて得られる少なくと
も43 種類の第1のコード化オリゴヌクレオチドを包含
し、第2のコード化オリゴヌクレオチド群は、その3塩
基の各塩基を入れ換えて得られる少なくとも43 種類の
第2のコード化オリゴヌクレオチドを包含するものであ
る。
【0018】解析上、好ましくは、第1のコード化オリ
ゴヌクレオチド群と、第2のコード化オリゴヌクレオチ
ド群の各量(濃度および絶対量)は略同一であり、ま
た、これらの各群における各種類ごとの量も略同一であ
る。
【0019】第四の発明は、前記各発明において、前記
酵素は、DNAリガーゼであって、一本鎖の遺伝物質に
ハイブリダイズされた2つのコード化オリゴヌクレオチ
ドの3塩基以上からなる塩基配列の末端ヌクレオチド同
士が直接に隣接する場合であって、かつ、前記オリゴヌ
クレオチドの塩基配列がその遺伝物質の塩基配列と相補
的である場合のみ、その末端ヌクレオチドの糖であるデ
オキシリボース同士を特異的に結合させるものである。
【0020】ここで、「相補的」とは、2本鎖を構成す
るDNAにおいて、互いに塩基対を形成し得るような関
係である。DNAにおける塩基対は、アデニンとチミ
ン、シトシンとグアニンであり、RNAにおける塩基対
は、アデニンとウラシル、シトシンとグアニンである。
【0021】第五の発明は、前記各発明において、前記
第1のコード化オリゴヌクレオチド群に属する各第1の
コード化オリゴヌクレオチドは、所定の塩基配列をもつ
1種類のオリゴヌクレオチドと、そのオリゴヌクレオチ
ドと結合した標識物質とからなり、その標識物質は所定
の種類が所定の量比含まれるとともに、コード化は標識
物質の種類および/またはその量比を変えることによっ
て行われたものである。
【0022】第六の発明は、前記各発明において、前記
第1のコード化オリゴヌクレオチド群に属する第1のコ
ード化オリゴヌクレオチドの全部または一部について、
その遊離末端に標識化されたジデオキシリボースを有し
ているものである。
【0023】ここで、「遊離末端」とは、オリゴヌクレ
オチドの末端のうち、他のオリゴヌクレオチドと結合し
ない末端、すなわち、標識物質が結合する末端をいう。
第1のコード化オリゴヌクレオチドの3’末端に標識化
したジデオキシリボースを結合させる。ジデオキシリボ
ースを含ませることによって、その後にどのようなオリ
ゴヌクレオチドが隣接しても結合を引き起こすことがな
い。
【0024】したがって、第1のコード化オリゴヌクレ
オチドの全部にジデオキシリボースを含ませるととも
に、第2のコード化オリゴヌクレオチドについても全部
にジデオキシリボースを同様に含ませたり、または第2
のコード化オリゴヌクレオチドが担体を有するような場
合には、第1のコード化オリゴヌクレオチドと第2のオ
リゴヌクレオチドが1個ずつ(前記所定塩基数ずつ)連
結した二量体のみが得られることになる。これによっ
て、塩基数列を揃えることができるので、例えば、発光
物質によってコード化されている場合にはコードの読取
りを確実かつ容易に行うことができる。
【0025】また、第1のコード化オリゴヌクレオチド
の一部にジデオキシリボースを含ませた場合には、第1
のコード化オリゴヌクレオチドが1個、2個、3個、そ
れ以上と多数結合して最後にジデオキシリボースが含ま
れた第1のコード化オリゴヌクレオチドが結合した結合
体を同定することができる。これによって、DNAシー
ケンスを簡単に読み取ることができる。
【0026】第七の発明は、前記各発明において、前記
第1のコード化オリゴヌクレオチド群に属する各第1の
コード化オリゴヌクレオチドは、1個の非磁性の担体
と、その担体に結合した所定の塩基配列をもつ多数の1
種類のオリゴヌクレオチドと、その担体が結合した部位
と異なる部位でそのオリゴヌクレオチドの一部にまたは
オリゴヌクレオチドと結合した部位と異なる部位でその
担体に結合した標識物質とからなり、その標識物質の全
体は所定の種類が所定の量比含まれるとともに、コード
化は、標識物質の種類および/または量比を変えること
によって行われたものである。
【0027】ここで、各オリゴヌクレオチドの担体との
結合は、例えば、オリゴヌクレオチドと特異的に結合す
る結合物質を担体にコーティングすることによって行
う。これらの結合物質には、例えば、ビオチンとアビジ
ンの組み合わせがある。
【0028】第八の発明は、前記各発明において、前記
第2のコード化オリゴヌクレオチド群に属する各第2の
コード化オリゴヌクレオチドは、1個の磁性の担体と、
その担体に結合した所定の塩基配列をもつ1種類の多数
のオリゴヌクレオチドと、その担体が結合した部位と異
なる部位でそのオリゴヌクレオチドの一部とまたはオリ
ゴヌクレオチドと結合した部位と異なる部位でその担体
と結合した標識物質とからなり、その標識物質の全体は
所定の種類が所定の量比含まれるとともに、コード化
は、標識物質の種類および/または量比を変えることに
よって行われたものである。
【0029】第九の発明は、前記各発明において、前記
オリゴヌクレオチドは、アームを介して担体または標識
物質と結合したものである。
【0030】第十の発明は、第一の発明ないし第九の発
明のいずれかの懸濁系に、前記所定塩基数よりも十分に
大きい所定ベースの一本鎖の標的遺伝物質を投入懸濁さ
せて、前記標的遺伝物質に前記第1のコード化オリゴヌ
クレオチドおよび第2のコード化オリゴヌクレオチドを
ハイブリダイズさせる対合工程と、第1のコード化オリ
ゴヌクレオチドまたは第2のコード化オリゴヌクレオチ
ドを捕獲した前記標的遺伝物質を再び一本鎖に解離する
解離工程と、前記懸濁液中から、第1のコード化オリゴ
ヌクレオチドおよび第2のコード化オリゴヌクレオチド
の対を選別する選別工程と、選別された第1のコード化
オリゴヌクレオチドの示す塩基配列を識別するコードお
よび第2のコード化オリゴヌクレオチドの示す塩基配列
を識別するコードとの組み合わせに基づいて、その標的
遺伝物質の塩基配列を決定する決定工程とを有している
ものである。
【0031】ここで、選別工程は、コード化が、蛍光等
の発光物質で行われている場合には、例えば、フローサ
イトメーターを用いて、第1のコード化オリゴヌクレオ
チドおよび第2のコード化オリゴヌクレオチドの発光波
長の対が存在する場合のみそのオリゴヌクレオチド対を
選別する。また、第1および第2のグループの一方のコ
ード化オリゴヌクレオチドが磁性粒子を有する場合に
は、液通路内に外部から磁場を及ぼすことによってオリ
ゴヌクレオチドを液通路内壁に吸着して分離して選別
し、かつ、フローサイトメーターによって該当する発光
波長が存在する場合のみを選別する。または、フローサ
イトメーターによって、各波長の発光強度を考慮するこ
とにより重複出現数を決定するようにしても良い。
【0032】第十一の発明は、前記発明において、前記
対合工程において、前記第1のコード化オリゴヌクレオ
チドは、その群に属するものとして選別可能であるよう
にコード化されるとともに、前記各第2のコード化オリ
ゴヌクレオチドは、磁場によって遠隔操作される磁性粒
子に保持されるように設けることによって、その群に属
するものとして選別可能であり、前記選別工程は、磁場
操作によって第2のコード化オリゴヌクレオチドを分離
する分離工程を有しているものである。
【0033】第十二の発明は、前記各発明において、第
2のコード化オリゴヌクレオチドが担体として磁性粒子
を有している場合には、前記選別工程は、液通路、その
液通路に外部から磁場を及ぼしかつ除去する磁力部、お
よびその液通路内の圧力を制御して流体の吸引および吐
出を行う圧力制御部を有する分注機を用いて、その液通
路の外部から磁場を及ぼしまたは除去することによっ
て、前記第2のコード化オリゴヌクレオチドが有する前
記磁気粒子を前記液通路の内壁に吸着させまたは離脱す
るものである。
【0034】第十三の発明は、第一の発明ないし第九の
発明のいずれかの2つの略同一の懸濁系を用意し、その
一方に、第一の試料から抽出して得られた所定ベースの
一本鎖の第一の標的遺伝物質を投入懸濁させ、他方に、
第二の試料から抽出して得られた所定ベースの一本鎖の
第二の標的遺伝物質を投入懸濁させ、各標的物質に前記
第1のコード化オリゴヌクレオチドおよび第2のコード
化オリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせる対合工程
と、各々、第1のコード化オリゴヌクレオチドまたは第
2のコード化オリゴヌクレオチドを捕獲した前記標的遺
伝物質を再び一本鎖に解離する解離工程と、前記懸濁液
中から、第1のコード化オリゴヌクレオチドおよび第2
のコード化オリゴヌクレオチドを選別する選別工程と、
各々、選別された第1のコード化オリゴヌクレオチドの
示す塩基配列を識別するコードおよび第2のコード化オ
リゴヌクレオチドの示す塩基配列を識別するコードとの
組み合わせに基づいて、その標的遺伝物質の塩基配列を
決定する決定工程と、前記第一の標的遺伝物質について
決定された塩基配列と、前記第二の標的遺伝物質につい
て決定された塩基配列とを比較することによってSNP
s の同定を行う同定工程と、を有するものである。ここ
で、「略同一」とは、少なくとも構成要素とその量(濃
度および絶対量)とが略同一であることを意味する。な
お、第七の発明で用いた第1のコード化オリゴヌクレオ
チドと第八の発明で用いた第2のコード化オリゴヌクレ
オチドについては、町田雅之氏およびPSS株式会社等
が出願中の特許出願(特願平10−206,057号)
および国際出願(PCT/JP99/03824)の発
明を利用したものである。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る遺伝物
質シーケンス方法について、図1および図2に基づいて
説明する。その実施の形態は特に指定がない限り本発明
を制限するものではない。
【0036】本実施の形態に係る方法は、次のような分
注機(PSS株式会社が特許出願中、出願番号:特願平
6−157,959号および特願平7ー39,425号)
を利用したものである。その分注機(図示せず)は、着
脱自在にピペットチップが各々挿着される8連のノズル
と、液体の吸引吐出を行う吸引吐出機構と、そのノズル
に挿着したピペットチップの液通路の外部から磁場を及
ぼしまたは除去することが可能な磁力部とを有するもの
である。また、その分注機および分注機のノズルをステ
ージの平面に平行および上下方向に沿って移動可能な移
動部を有しているものである。
【0037】また、この分注機は前記吸引吐出機構の吸
引吐出の制御や、磁力部の磁場の制御、および移動制御
を行うための制御部を有する。制御部には、コンピュー
タを内蔵する処理手段と、CRT、液晶等の表示部やプ
リンタ等の出力手段と、種々の処理手順の設定や指示、
データの入力等を行うためのキーボード、マウス、フロ
ッピー、CDやMO等のプログラムやデータが記録され
た記録媒体を読み取る読取装置等の入力手段と、通信網
に接続する通信部とを有している。さらに、DNAシー
ケンスを決定するためにはフローサイトメーター(図示
せず)を用いる。
【0038】また、本実施の形態に係る遺伝物質シーケ
ンス決定を行うために次に示すような懸濁系を容器に収
容しておく。
【0039】その懸濁系は、第1のコード化オリゴヌク
レオチド群としての検出用オリゴヌクレオチド群と、第
2のコード化オリゴヌクレオチド群としての磁力操作可
能オリゴヌクレオチド群と、DNAリガーゼとを液体中
に懸濁混合させて容器に収容したものである。ここで、
第1のコード化オリゴヌクレオチド群と第2のコード化
オリゴヌクレオチド群の量(濃度および絶対量) は解析
を容易にするために略同一とする。
【0040】前記検出用オリゴヌクレオチド群は、少な
くとも塩基数3の1種類の塩基配列をもちその塩基配列
を識別するようにコード化された検出用オリゴヌクレオ
チドを、その塩基数3における全種類43 (=64)種
類の塩基配列を網羅するように包含し、その群に属する
ものとして識別できるようにコード化することによって
各々選別可能に設けられたものである。また、前記磁力
操作可能オリゴヌクレオチド群は、少なくとも塩基数3
の1種類の塩基配列をもちその塩基配列を識別するよう
にコード化された磁力操作可能オリゴヌクレオチドを、
その塩基数における全種類43 (=64)種類の塩基配
列を網羅するように包含し、磁力操作によって移動可能
とすることによって、その群に属するものとして各々選
別可能に設けられたものである。さらに、これら検出用
オリゴヌクレオチドおよび磁力操作可能オリゴヌクレオ
チドの各種類の塩基配列の量は解析を容易にするために
略同一となるようにしておく。
【0041】また、前記DNAリガーゼは、2つのオリ
ゴヌクレオチドが一本鎖の遺伝物質にハイブリダイズさ
れてその塩基配列の末端オリゴヌクレオチドの糖である
デオキシリボース同士が直接に隣接する場合であって、
各3塩基ずつの塩基配列がその遺伝物質の塩基配列と相
補的である場合にのみ、前記2つのオリゴヌクレオチド
の末端のデオキシリボース同士を特異的に結合させる酵
素である。
【0042】前記検出用オリゴヌクレオチドは、1個の
非磁性の担体と、その担体に結合した3個の塩基の塩基
配列をもつ多数の1種類のそのオリゴヌクレオチドと、
その担体が結合した部位と異なる部位でそのオリゴヌク
レオチドの一部と結合した標識物質である蛍光物質とか
らなり、その担体に保持された蛍光物質の全体は所定の
種類が所定の量比含まれるとともに、43 (=64)種
類を識別するためのコード化は、蛍光物質の種類および
/または量比を変えることによって行われるものであ
る。ここで、蛍光物質は、例えば、検出用オリゴヌクレ
オチドに3種類、磁力操作用オリゴヌクレオチドにさら
に3種類を用いる。蛍光物質の種類には、例えば、FI
TC(フルオレッセイン・イソチオシアネート)、ロー
ダミン、イソチオシアネート、IRD40、CY3、C
Y5、ユウロピウム錯体等がある。
【0043】また、前記磁力操作可能オリゴヌクレオチ
ドは、1個の磁性の担体と、その担体に結合した3個の
塩基の塩基配列をもつ1種類の多数のそのオリゴヌクレ
オチドと、その担体が結合した部位と異なる部位でその
オリゴヌクレオチドの一部と結合した標識物質である蛍
光物質とからなり、その担体に保持された蛍光物質の全
体は所定の種類が所定の量比含まれるとともに、4
3 (=64)種類を識別するためのコード化は、蛍光物
質の種類および/または量比を変えることによって行わ
れるものである。ここで、コード化のために使用される
前記オリゴヌクレオチドには、IMP(イノシン酸:プ
リン環にアミノ基や水酸基がついていない)等をアーム
またはスペーサーとして、担体又は標識物質との間に設
けることによって、蛍光物質のクエンチングを防止する
のが好ましい。
【0044】続いて、本実施の形態に係る懸濁系を用い
た遺伝物質シーケンス決定方法を図1に基づいて説明す
る。
【0045】図1に示すように、本遺伝物質シーケンス
決定方法は、ステップS1で、DNAの塩基配列を決定
しようとする試料、例えば、ヒト等の細胞や細菌等か
ら、標的DNA断片を抽出する。標的DNA断片を抽出
するには、例えば、前記分注機を用いてベクターが導入
された細菌コロニーとDNA抽出液とを混合して可溶化
させ、磁性粒子を分注機を用いて混合することによって
所定ベース(1〜数キロベース)の標的DNA断片を磁
性粒子に捕獲させる。その標的DNA断片を捕獲した磁
性粒子を含む懸濁液を前記分注機の液通路を通過させる
際に、磁場を及ぼすことによって、液通路の内壁に吸着
させて分離する。さらに、磁性粒子を前記液通路の内壁
に吸着させたままで洗浄液を前記液通路を通して吸引す
ることによって前記磁性粒子、その磁性粒子に捕獲され
た標的DNA断片および液通路を洗浄する。その後、磁
性粒子を液通路の内壁に吸着させたままでベクターを溶
出する。
【0046】次に、ステップS2で、前記抽出した環状
の前記標的DNA断片が組み込まれたベクターについ
て、その環状標的DNA断片を切断する。ここで、ベク
ターには、プラスミドまたはバクテリオファージ等を含
む。
【0047】ここで、前記切断工程は、前記標的DNA
断片が組み込まれたベクターと所定試薬を各々収容した
各収容部から前記分注機の液通路を介して吸引し、恒温
機能を有する収容部に移動し、かつ吐出して環状の標的
DNA断片を切断する。また前記所定試薬とは、水、切
断用バッファおよび切断酵素である。
【0048】ステップS3で、このようにして得られた
標的DNA断片が懸濁する液に熱を加えた後、急冷する
ことによって、その標的DNA断片を一本鎖に解離す
る。
【0049】ステップS4で、このようにして得られた
標的DNA断片が懸濁する液を前記懸濁系に投入し、両
者を懸濁混合させる。すると、一本鎖化された標的DN
A断片の塩基配列の3塩基ごとに、それと略相補的な前
記検出用オリゴヌクレオチドまたは磁力操作可能オリゴ
ヌクレオチドがハイブリダイズする。このようにして、
その標的DNA断片の塩基配列を介して、1種または2
種の検出用オリゴヌクレオチドのみ、1種または2種の
磁力操作可能オリゴヌクレオチドのみ、検出用オリゴヌ
クレオチドと磁力操作可能オリゴヌクレオチドの組み合
わせたものが得られる。さらに、この懸濁液中には、全
くハイブリダイズされない標的DNA断片や、その標的
DNA断片とハイブリダイズされない磁力操作可能オリ
ゴヌクレオチドや検出用オリゴヌクレオチドが懸濁され
ている状態となっている。
【0050】標的DNA断片にハイブリダイズされてい
る検出用オリゴヌクレオチドまたは磁力操作可能オリゴ
ヌクレオチドとの3塩基を含む塩基配列端同士が隣接し
ている場合、前記DNAリガーゼの働きにより、これら
の3塩基ずつが標的DNA断片の塩基配列と完全に相補
的である場合には、このオリゴヌクレオチドの末端ヌク
レオチドの糖であるデオキシリボース同士が結合し、各
々6塩基配列のオリゴヌクレオチドが得られることにな
る。
【0051】なお、前記標的DNA断片にハイブリダイ
ズされた2つのオリゴヌクレオチドは必ずしも検出用オ
リゴヌクレオチドと磁力操作可能オリゴヌクレオチドの
組み合わせとは限らないし、また、塩基配列端同士が隣
接するものとも限られないが、ある確率でこれらの組み
合わせが必ず存在することは明らかである。
【0052】図2は、この段階で、懸濁液中に存在する
標的DNA断片10にハイブリダイズされた、検出用オ
リゴヌクレオチド12と、磁力操作可能オリゴヌクレオ
チド11の組み合わせの例を示すものである。図2
(a)は、検出用オリゴヌクレオチド11と磁力操作可
能オリゴヌクレオチド11の3塩基ずつの塩基配列が標
的DNA断片10の塩基配列と相補的になるとともに、
その端塩基が隣接してハイブリダイズされている場合を
示す。この場合には、前記DNAリガーゼの働きによっ
て、両者の末端ヌクレオチドの糖であるデオキシリボー
ス同士が結合して6塩基配列のオリゴヌクレオチドが得
られることになる。
【0053】一方、図2(b)は、検出用オリゴヌクレ
オチド12と、磁力操作可能オリゴヌクレオチド11の
3塩基ずつの塩基配列が標的DNA断片の塩基配列と相
補的となっていないため、その端塩基が隣接してハイブ
リダイズされているが、両者の末端ヌクレオチドの糖で
あるデオキシリボーズ同士が結合しない場合を示してい
る。
【0054】図2中小さい白丸○は各種塩基を表す。ま
た、二重丸◎は例えば、IMP(イノシン酸)等の物質
を表す。黒丸●は、図1(a)の標的DNA断片10
と、図1(b)の標的DNA断片10sのうち異なる塩
基(SNP)を表すものである。
【0055】同図に示すように、磁力操作可能オリゴヌ
クレオチド11は、3塩基15をもつ1種類の多数のオ
リゴヌクレオチドがアーム16およびビオチン17を介
して磁性の担体である磁性粒子18に結合している。磁
性粒子18の表面は、前記ビオチンと特異的に結合する
アビジンでコーティングされている。また、一部のオリ
ゴヌクレオチドの末端ヌクレオチドには、標識化物質で
ある蛍光物質13、14が結合して、そのオリゴヌクレ
オチドを識別する。検出用オリゴヌクレオチド12は、
3塩基19をもち、アーム20を介して図示しない非磁
性の担体と結合する構造である。
【0056】ここで、「一部のオリゴヌクレオチド」と
は、磁性粒子18または図示しない非磁性の粒子に保持
された全オリゴヌクレオチドの1%または10%以下で
ある。また、量比は例えば、0.25%、0.5%、
0.75%および1.0%(または、2.5%、5.0
%、7.5%、および10.0%)のように変えること
によって、蛍光物質の各種類について、4段階を識別す
るようにコード化する。また、検出用オリゴヌクレオチ
ドと磁力操作可能オリゴヌクレオチドに使用する蛍光物
質の種類を異ならせることによって、各々が選別可能で
ある。
【0057】ステップS5で、この懸濁液全体を、前記
分注機で吸引し、一定の温度状態に保たれている恒温槽
に移送し吐出することによって加熱する。これによっ
て、前記標的DNA断片が一本鎖化されることによっ
て、その標的DNA断片にハイブリダイズされているオ
リゴヌクレオチドが解離する。その際、図2(a)に示
すように2つのオリゴヌクレオチドが前記DNAリガー
ゼによって結合している場合には、6塩基配列のオリゴ
ヌクレオチドが得られることになるが、図2(b)に示
すように、たとえ、ハイブリダイズした2つのオリゴヌ
クレオチドであっても、完全に相補的でないために、D
NAリガーゼによって結合していない場合には、3塩基
配列のままのオリゴヌクレオチドとして懸濁液中に懸濁
することになる。したがって、この段階では、6塩基の
塩基配列をもつオリゴヌクレオチドは、標的DNA断片
の塩基配列に完全に相補的になっている塩基配列のみが
存在することになる。
【0058】ステップS6で、前記分注機がこの懸濁液
を吸引する際に、磁場を分注機の液通路内に及ぼすこと
によって、前記オリゴヌクレオチドのうち、磁性粒子を
有するオリゴヌクレオチドのみを液通路の内壁に吸着さ
せて分離する。液通路の内壁にオリゴヌクレオチドを吸
着させたまま、洗浄液等の吸引および吐出を繰り返すこ
とによって、吸着させたオリゴヌクレオチドを洗浄す
る。これによって、磁性粒子をもっていない単独の検出
用オリゴヌクレオチドや、検出用オリゴヌクレオチド同
士が結合したものや、単独の標的DNA断片や夾雑物等
を除去することができる。洗浄されかつ分注機の液通路
の内壁に吸着したオリゴヌクレオチドを別容器にまで移
送し、磁場を除去した状態で吸引吐出を繰り返すことに
よって、液通路の内壁から磁性粒子を離脱させ、液中に
再懸濁させる。
【0059】こうして得られた懸濁液中には、単独の磁
力操作可能オリゴヌクレオチド、磁力操作可能オリゴヌ
クレオチド同士が結合したもの、磁力操作可能オリゴヌ
クレオチドと検出用オリゴヌクレオチドとが結合したも
のが懸濁液中に存在することになる。
【0060】ステップS7で、この懸濁液をフローサイ
トメーターの管路を通過させることによって前記オリゴ
ヌクレオチドのコードを読み取る。このフローサイトメ
ーターの管路には、一定の励起波長の光を照射させる発
光手段と、励起された標識物質である蛍光物質からの光
を受光する受光手段と、受光した光を解析する解析部が
設けられたものである。
【0061】前記解析部は、単独の磁力操作可能オリゴ
ヌクレオチドを排除するために検出用オリゴヌクレオチ
ドのグループを識別するコードである蛍光物質の種類が
あるもののみを選別して、そのコードの組み合わせであ
る蛍光物質の種類を特定する。これによって、磁力操作
可能オリゴヌクレオチドと検出用オリゴヌクレオチドの
コードの組み合わせを読み取ることになる。
【0062】ステップS8で、読み取られたコードの組
み合わせから、標的DNA断片に存在するの6塩基分の
塩基配列を決定することができる。このようなコードの
組み合わせを、その標的DNA断片の塩基配列が順次つ
ながるように、配列を決定することによって、標的DN
A断片に存在する全塩基配列を決定することができるこ
とになる。もし、前記標的DNA断片のベースが、40
96塩基配列よりも長い場合、または繰返しを含む配列
である場合には、重複出現数を発光強度に基づいて決定
するようにする。本実施の形態によれば、6塩基ずつの
コードの組み合わせによる発光を測定することができる
ので、高い信頼性で測定を行うことができる。
【0063】続いて、本実施の形態に係るSNPs のス
コアリング方法について、図3に基づいて説明する。本
実施の形態に係るSNPs のスコアリング方法において
も、前述したように、分注機、移動部、制御部、ステー
ジおよびフローサイトメーターを用いる。
【0064】本実施の形態に係るSNPs のスコアリン
グ方法を行うためには、解析の容易化のため前述した懸
濁系を同量(濃度および絶対量)および同じ構成要素の
ものを第一の懸濁系および第二の懸濁系として、予め2
つの別の容器に用意しておく。
【0065】図3に示すように、本SNPs のスコアリ
ング方法は、2つの異なる第一の試料および第二の試料
から各々抽出した第一のDNA断片および第二のDNA
断片の塩基配列を比較することによって、SNPs (多
型の塩基配列)を決定しようとするものである。
【0066】図3のステップS11で、第一の試料から
所定ベースの第一のDNA断片が組み込まれたベクター
を抽出し、ステップS21で、第二の試料から所定ベー
スの第二のDNA断片が組み込まれたベクターを抽出す
る。抽出の方法については、既に、ステップS1で説明
したとおりである。ここで、「所定ベース」は、その断
片中に数個のSNPsが含まれる場合に検出可能である
ので、300〜500塩基対にひとつSNPsが存在
し、特定の6塩基配列が平均4096(=46 )塩基対
にひとつ存在することから、1〜数キロベースである。
【0067】ステップS12およびステップS22で、
各々、環状の第一のDNA断片および環状の第二のDN
A断片を切断する。その方法については、前述したステ
ップS2で説明した通りである。
【0068】ステップS13およびステップS23で、
各々、第一のDNA断片および第二のDNA断片が懸濁
する液に熱を加えた後、急冷することによって二本鎖を
一本鎖化する。
【0069】ステップS14およびステップS24で、
このようにして得られた第一のDNA断片を、第一の懸
濁系に投入して懸濁混合させるとともに、第二のDNA
断片を第二の懸濁系に投入して懸濁混合させる。
【0070】ステップS15およびステップS25にお
いて、各懸濁液全体を、前記分注機で吸引し、一定の温
度状態に保たれている恒温槽に移送し吐出することによ
って加熱する。これによって、前記第一のDNA断片お
よび第二のDNA断片が一本鎖化されることになる。
【0071】ステップS16およびステップS26で、
前記分注機が各懸濁液を吸引する際に、磁場を分注機の
液通路内に及ぼすことによって、前記オリゴヌクレオチ
ドのうち磁性粒子を有するオリゴヌクレオチドのみをそ
の液通路の内壁に吸着させて分離する。液通路の内壁に
オリゴヌクレオチドを吸着させたまま、洗浄液等の吸引
および吐出を繰り返すことによって、吸着させたオリゴ
ヌクレオチドを洗浄する。これによって、磁性粒子をも
っていない単独の検出用オリゴヌクレオチオドや、検出
用オリゴヌクレオチド同士を結合したものや、第1のD
NA断片や夾雑物等を除去することができる。洗浄され
かつ分注機の液通路の内壁に吸着したオリゴヌクレオチ
ドを別容器にまで移送し、吸引吐出を繰り返すことによ
て再懸濁させる。
【0072】ステップS17およびステップS27にお
いて、前記フローサイトメーターを用いて、前述した方
法で、解析部は、単独の磁力操作可能オリゴヌクレオチ
ドを排除するために検出用オリゴヌクレオチドのグルー
プを識別するコードである蛍光物質があるもののみを選
択して、そのコードの組み合わせである蛍光物質の種類
を特定する。これによって、磁力操作可能オリゴヌクレ
オチドと検出用オリゴヌクレオチドのコードの組み合わ
せを読み取ることができる。
【0073】ステップS18で、読み取られたコードの
組み合わせによって得られた第一のDNA断片の塩基配
列と第二のDNA断片の塩基配列とを比較し、1または
2以上の異なる塩基があれば、各々がSNP(s) であ
る。例えば、第一の試料から得られた第一の標的DNA
断片10については、図2(a)の塩基配列であるが、
第2の試料から得られた第二の標的DNA断片10sに
ついては、第一の標的DNA断片10と塩基21が異な
ることが、コードの解析によって判明したとすれば、塩
基21の塩基配列の位置において多型であることが決定
される。本実施の形態によれば、リガーゼ反応産物の差
を見るだけでSNPs を検出することができるので、高
い信頼性で容易に結果を得ることができる。
【0074】これらの実施の形態は本発明をより良く理
解させるために具体的に説明したものであって、別形態
を制限するものではない。したがって、発明の主旨を変
更しない範囲で変更可能である。例えば、以上の説明で
は、DNA断片については、ベクターを利用して増殖お
よび抽出を行って得るようにしたが、この場合に限られ
ることなく、例えば、抽出したDNA断片にPCRプラ
イマを結合しPCR法によって増幅することによってD
NAを得て、熱変成させた一本鎖化DNAを用いるよう
にしても良く、またはクローン化を行うことによって、
同一の塩基配列をもつ標的DNA断片を得ることができ
る。さらに、前記一本鎖化を行うには、熱した後急冷す
る方法の他に、アルカリ溶液を加えることによって行っ
ても良い。この場合には緩衝剤が必要になる。
【0075】以上の例では、予め用意した懸濁系には、
所定塩基数である3個の全種類である43 種類ずつの1
28種類のオリゴヌクレオチドを懸濁させていたが、こ
の種類を絞り込むことができる場合には、特定種類のオ
リゴヌクレオチドを懸濁させておくようにしても良い。
また、所定塩基数として、3個の場合についてのみ説明
したが、3個以上の場合であっても良い。
【0076】さらに、前記酵素として、2つのオリゴヌ
クレオチドが標的の一本鎖のDNA断片に隣接してハイ
ブリダイズした場合に、3つの塩基ずつを認識して2つ
のオリゴヌクレオチドを特異的に結合するようにしてい
るが、このような場合に限られない。
【0077】また、塩基配列を決定するには、1個1個
のオリゴヌクレオチドのコードを読み取ることによっ
て、コードの組み合わせから、6つの塩基配列を決定す
る場合について説明したが、このような場合に限られ
ず、複数個または多数個のオリゴヌクレオチド対につい
て蛍光等の強度を測定することによって、塩基配列を決
定するようにしても良い。また、以上の例では、第1の
コード化オリゴヌクレオチドは非磁性の担体を有するも
のを用いたが、担体を有しないものを用いても良い。ま
た、その全部または一部について、ジデオキシリボース
を設けたものを用いても良い。さらに、第2のコード化
オリゴヌクレオチドに磁性担体を用いずに、コードによ
って選別可能なものを用いても良い。
【0078】
【発明の効果】第一の発明に係る懸濁系、第十の発明に
係る方法または第十三の発明に係るSNPs の決定方法
は、所定塩基数の塩基配列をもつコード化された第1の
コード化オリゴヌクレオチド群および第2のコード化オ
リゴヌクレオチド群の2つのグループを用いるととも
に、遺伝物質と一定の関係がある場合のみ、その末端ヌ
クレオチドの糖であるデオキシリボース同士を特異的に
結合させる酵素を有している。したがって、DNAチッ
プのように単にハイブリダイゼーションを利用して、相
補的なオリゴヌクレオチドの塩基配列を得る場合に比較
して、より高い信頼性で、かつ容易に遺伝物質のシーケ
ンスを決定することができる。
【0079】さらに、SNPs を特定するために塩基配
列の種々の態様のオリゴヌクレオチドをDNAチップに
固定するという加工作業を行うことなく、種々の塩基配
列をもつオリゴヌクレオチドを懸濁させるという作業に
よって、簡単かつ容易に塩基配列を決定することができ
る。
【0080】また、本発明では、スライドグラス等の平
板上のスポット内の限られた狭い平面上のハイブリダイ
ゼーション反応ではなく、懸濁系内の広い範囲内で、反
応を行うことができるので、反応効率を飛躍的に上昇さ
せ、平行に達するまでの時間を短縮することができる。
【0081】さらに、スライドグラス上に固定化したオ
リゴヌクレオチドの位置によりその配列を区別する方法
と異なり、コード化した多種類のオリゴヌクレオチドは
同一の反応液の中に共存するので、同一条件下で一括し
て反応を進めることができる。
【0082】また、本発明では、長い塩基配列を一挙に
決定するのではなく、酵素が特異的結合を行うために認
識できる短い塩基配列を繰り返して適用することによっ
て、長い塩基配列を決定するようにしている。したがっ
て、決定に使用する第1のコード化オリゴヌクレオチド
群と第2のオリゴヌクレオチド群で必要とする塩基配列
の種類は、これらの塩基数の和に相当する塩基配列の決
定に必要とするオリゴヌクレオチドの種類数に比べて非
常に小さくて済むので、これらのコード化の作業が容易
である。例えば、前述した実施の形態では、全塩基配列
種類数は64+64の128あれば足りる。一方、6塩
基配列についてのオリゴヌクレオチドを用意しようとす
ると、46 =4096種類のものを用意する必要があ
り、塩基配列の種類は圧倒的に少なくて済む。
【0083】第二の発明または第十一の発明は、前記各
第1のコード化オリゴヌクレオチドと第2のコード化オ
リゴヌクレオチドの一方を遠隔操作される磁性粒子に保
持されるように設けたものである。本発明によれば、磁
場を分注機のノズル等の液通路内に及ぼすことによっ
て、分離することができるので、磁性粒子を有していな
いコード化オリゴヌクレオチドを排除することができる
ので、磁性粒子を有しているコード化オリゴヌクレオチ
ドを容易かつ確実に選別することができる。
【0084】第三の発明および第四の発明では、前記各
第1のコード化オリゴヌクレオチドおよび第2のコード
化オリゴヌクレオチドの所定塩基数は、少なくとも3塩
基である。したがって、第1のコード化オリゴヌクレオ
チド群および第2のコード化オリゴヌクレオチド群の種
類は各々43 種類で足りるので、6塩基をもつオリゴヌ
クレオチドのように4096種類を用意する必要がない
ので、圧倒的に小さい種類のものを用意すれば足りるの
で、作業が容易である。
【0085】第五の発明によれば、種類および/または
量比を変えた標識物質をオリゴヌクレオチドに結合させ
ることによってコード化したものである。本発明によれ
ば、遺伝物質に応じて、数珠繋ぎに連結したオリゴヌク
レオチドを得ることができる。
【0086】第六の発明によれば、全部にジデオキシリ
ボースを設けた場合には第1のコード化オリゴヌクレオ
チドと第2のオリゴヌクレオチドが1個ずつ(前記所定
塩基数ずつ)連結した二量体のみが得られることにな
る。これによって、塩基数列を揃えることができるの
で、例えば、発光物質によってコード化されている場合
にはコードの読取りを確実かつ容易に行うことができ
る。また、一部にジデオキシリボースを設けた場合には
第1のコード化オリゴヌクレオチドが1個、2個、3
個、それ以上と多数結合して最後にジデオキシリボース
が含まれた第1のコード化オリゴヌクレオチドが結合し
た結合体を同定することができる。これによって、DN
Aシーケンスを比較的簡単に読み取ることができる。
【0087】第七の発明および第八の発明は、非磁性ま
たは磁性の担体にオリゴヌクレオチドを担持させ、一部
のオリゴヌクレオチドまたは担体に結合する標識物質の
種類および/または量比を変えることによってコード化
を行うものである。したがって、例えば、数十〜数百程
度の多種類の塩基配列を、確実明瞭にコード化して識別
することができる。さらに、微小粒子等の担体の表面上
で反応させることにより反応面積が増加し、反応効率を
飛躍的に上昇させることができる。
【0088】第九の発明は、アームを介してオリゴヌク
レオチドを担体または標識物質と結合したものである。
本発明によれば、標識物質間がより一層離れることにな
るので、クエンチング(消光)を有効に防止することが
できるので、高い信頼性で塩基配列を決定することがで
きる。
【0089】第十二の発明は、液通路および磁力部等を
有する分注機を用いて、その液通路の外部から磁場を及
ぼしまたは除去することによって、第2のコード化オリ
ゴヌクレオチドが有する磁気粒子を前記液通路の内壁に
吸着させまたは離脱するものである。これによって、塩
基配列の決定を、自動的、効率的かつ迅速に一貫して行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る遺伝物質シーケンス
決定方法を示す流れ図
【図2】本発明の実施の形態に係る標的DNA断片にハ
イブリダイズされたオリゴヌクレオチドを示す概念図
【図3】本発明の実施の形態に係るSNPs のスコアリ
ング方法を示す流れ図
【符号の説明】
10,10s…標的DNA断片 11…磁力操作可能オリゴヌクレオチド(第2のコード
化オリゴヌクレオチド) 12…検出用オリゴヌクレオチド(第1のコード化オリ
ゴヌクレオチド) 13、14…蛍光物質(標識物質) 15…3塩基 16…アーム 18…磁性粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 C12N 15/00 A (72)発明者 田島 秀二 東京都稲城市矢野口1843番地1 プレシジ ョン・システム・サイエンス株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA35 CB01 CB21 DA12 DA13 DA14 FB01 FB02 FB07 FB12 GC15 4B024 AA19 AA20 CA01 CA09 CA11 HA13 HA14 HA19 4B063 QA12 QA13 QQ42 QQ52 QR20 QR56 QR82 QS16 QS34 QS39 QX02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定塩基数の1種類の塩基配列をもちそ
    の塩基配列を識別するようにコード化された第1のコー
    ド化オリゴヌクレオチドを、その塩基数における全種類
    若しくは特定種類の塩基配列を網羅するように包含し、
    その群に属するものとして各々選別可能に設けられた第
    1のコード化オリゴヌクレオチド群と、 所定塩基数の1種類の塩基配列をもちその塩基配列を識
    別するようにコード化された第2のコード化オリゴヌク
    レオチドを、その塩基数における全種類若しくは特定種
    類の塩基配列を網羅するように包含し、その群に属する
    ものとして各々選別可能に設けられた第2のコード化オ
    リゴヌクレオチド群と、 2つのコード化オリゴヌクレオチドが一本鎖の遺伝物質
    にハイブリダイズされてその塩基配列の末端ヌクレオチ
    ドが直接に隣接する場合であって、かつ、前記所定塩基
    数の塩基配列がその遺伝物質の塩基配列と一定の関係に
    ある場合にのみ、その末端ヌクレオチドの糖であるデオ
    キシリボースを介して2つのオリゴヌクレオチド同士を
    特異的に結合させる酵素を容器内の液に懸濁させた遺伝
    物質シーケンス決定用懸濁系。
  2. 【請求項2】 前記各第1のコード化オリゴヌクレオチ
    ドは、その群に属するものとして選別可能であるように
    コード化されるとともに、前記各第2のコード化オリゴ
    ヌレオチドは、磁場によって遠隔操作される磁性粒子に
    保持されるように設けることによって、その群に属する
    ものとして選別可能であることを特徴とする請求項1記
    載の遺伝物質シーケンス決定用懸濁系。
  3. 【請求項3】 前記各第1のコード化オリゴヌクレオチ
    ドおよび第2のコード化オリゴヌクレオチドの前記所定
    塩基数は、少なくとも3塩基であり、第1のコード化オ
    リゴヌクレオチド群は、その3塩基の各塩基を入れ換え
    て得られる少なくとも43 種類の第1のコード化オリゴ
    ヌクレオチドを包含し、第2のコード化オリゴヌクレオ
    チド群は、その3塩基の各塩基を入れ換えて得られる少
    なくとも43 種類の第2のコード化オリゴヌクレオチド
    を包含することを特徴とする請求項1または請求項2の
    いずれかに記載の遺伝物質シーケンス決定用懸濁系。
  4. 【請求項4】 前記酵素は、DNAリガーゼであって、
    一本鎖の遺伝物質にハイブリダイズされた2つのコード
    化オリゴヌクレオチドの3塩基以上からなる塩基配列の
    末端ヌクレオチド同士が直接に隣接する場合であって、
    かつ、前記オリゴヌクレオチドの塩基配列がその遺伝物
    質の塩基配列と相補的である場合のみ、その末端ヌクレ
    オチドの糖であるデオキシリボース同士を特異的に結合
    させるものであることを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれかに記載の遺伝物質シーケンス決定用懸濁
    系。
  5. 【請求項5】 前記第1のコード化オリゴヌクレオチド
    群に属する各第1のコード化オリゴヌクレオチドは、所
    定の塩基配列をもつ1種類のオリゴヌクレオチドと、そ
    のオリゴヌクレオチドと結合した標識物質とからなり、
    その標識物質は所定の種類が所定の量比含まれるととも
    に、コード化は、標識物質の種類および/またはその量
    比を変えることによって行われたことを特徴とする請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載の遺伝物質シーケ
    ンス決定用懸濁系。
  6. 【請求項6】 前記第1のコード化オリゴヌクレオチド
    群に属する第1のコード化オリゴヌクレオチドの全部ま
    たは一部について、その遊離末端に標識化されたジデオ
    キシリボースを有していることを特徴とする請求項5に
    記載の遺伝物質シーケンス決定用懸濁系。
  7. 【請求項7】 前記第1のコード化オリゴヌクレオチド
    群に属する各第1のコード化オリゴヌクレオチドは、1
    個の非磁性の担体と、その担体に結合した所定の塩基配
    列をもつ多数の1種類のオリゴヌクレオチドと、その担
    体が結合した部位と異なる部位でそのオリゴヌクレオチ
    ドの一部にまたはオリゴヌクレオチドと結合した部位と
    異なる部位でその担体に結合した標識物質とからなり、
    その標識物質の全体は所定の種類が所定の量比含まれる
    とともに、コード化は、標識物質の種類および/または
    量比を変えることによって行われたことを特徴とする請
    求項1ないし請求項4のいずれかに記載の遺伝物質シー
    ケンス決定用懸濁系。
  8. 【請求項8】 前記第2のコード化オリゴヌクレオチド
    群に属する各第2のコード化オリゴヌクレオチドは、1
    個の磁性の担体と、その担体に結合した所定の塩基配列
    をもつ1種類の多数のオリゴヌクレオチドと、その担体
    が結合した部位と異なる部位でそのオリゴヌクレオチド
    の一部にまたはオリゴヌクレオチドと結合した部位と異
    なる部位でその担体に結合した標識物質とからなり、そ
    の標識物質の全体は所定の種類が所定の量比含まれると
    ともに、コード化は、標識物質の種類および/または量
    比を変えることによって行われたことを特徴とする請求
    項1ないし請求項7のいずれかに記載の記載の遺伝物質
    シーケンス決定用懸濁系。
  9. 【請求項9】 前記オリゴヌクレオチドは、アームを介
    して担体または標識物質と結合したことを特徴とする請
    求項5ないし請求項8のいずれかに記載の遺伝物質シー
    ケンス決定用懸濁系。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれかに
    記載された懸濁系に、前記所定塩基数よりも十分に大き
    い所定ベースの一本鎖の標的遺伝物質を投入懸濁させ
    て、前記標的遺伝物質に前記第1のコード化オリゴヌク
    レオチドおよび第2のコード化オリゴヌクレオチドをハ
    イブリダイズさせる対合工程と、 第1のコード化オリゴヌクレオチドまたは第2のコード
    化オリゴヌクレオチドを捕獲した前記標的遺伝物質を再
    び一本鎖に解離する解離工程と、 前記懸濁液中から、第1のコード化オリゴヌクレオチド
    および第2のコード化オリゴヌクレオチドの対を選別す
    る選別工程と、 選別された第1のコード化オリゴヌクレオチドの示す塩
    基配列を識別するコードおよび第2のコード化オリゴヌ
    クレオチドの示す塩基配列を識別するコードとの組み合
    わせに基づいて、その標的遺伝物質の塩基配列を決定す
    る決定工程とを有している遺伝物質シーケンス決定用懸
    濁系を用いた遺伝物質シーケンス決定方法。
  11. 【請求項11】 前記対合工程において、前記第1のコ
    ード化オリゴヌクレオチドは、その群に属するものとし
    て選別可能であるようにコード化されるとともに、前記
    各第2のコード化オリゴヌクレオチドは、磁場によって
    遠隔操作される磁性粒子に保持されるように設けること
    によって、その群に属するものとして選別可能であり、
    前記選別工程は、磁場操作によって第2のコード化オリ
    ゴヌクレオチドを分離する分離工程を有していることを
    特徴とする請求項10に記載の遺伝物質シーケンス決定
    用懸濁系を用いた遺伝物質シーケンス決定方法。
  12. 【請求項12】 第2のコード化オリゴヌクレオチドが
    担体として磁性粒子を有している場合には、前記選別工
    程は、液通路、その液通路に外部から磁場を及ぼしかつ
    除去する磁力部、およびその液通路内の圧力を制御して
    流体の吸引および吐出を行う圧力制御部を有する分注機
    を用いて、その液通路の外部から磁場を及ぼしまたは除
    去することによって、前記第2のコード化オリゴヌクレ
    オチドが有する前記磁気粒子を前記液通路の内壁に吸着
    させまたは離脱するものであることを特徴とする請求項
    9または請求項10または請求項11のいずれかに記載
    の遺伝物質シーケンス決定用懸濁系を用いた遺伝物質シ
    ーケンス決定方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項9のいずれかに
    記載の2つの略同一の懸濁系を用意し、その一方に、第
    一の試料から抽出して得られた所定ベースの一本鎖の第
    一の標的遺伝物質を投入懸濁させ、他方に、第二の試料
    から抽出して得られた所定ベースの一本鎖の第二の標的
    遺伝物質を投入懸濁させ、各標的物質に前記第1のコー
    ド化オリゴヌクレオチドおよび第2のコード化オリゴヌ
    クレオチドをハイブリダイズさせる対合工程と、 各々、第1のコード化オリゴヌクレオチドまたは第2の
    コード化オリゴヌクレオチドの対を捕獲した前記標的遺
    伝物質を再び一本鎖に解離する解離工程と、 前記懸濁液中から、第1のコード化オリゴヌクレオチド
    および第2のコード化オリゴヌクレオチドを選別する選
    別工程と、 各々、選別された第1のコード化オリゴヌクレオチドの
    示す塩基配列を識別するコードおよび第2のコード化オ
    リゴヌクレオチドの示す塩基配列を識別するコードとの
    組み合わせに基づいて、その標的遺伝物質の塩基配列を
    決定する決定工程と、 各々、前記第一の標的遺伝物質について決定された塩基
    配列と、前記第二の標的遺伝物質について決定された塩
    基配列とを比較することによって単一ヌクレオチド多型
    の同定を行う同定工程を有することを特徴とする遺伝物
    質シーケンス決定用懸濁系を用いたSNPs 高速スコア
    リング方法。
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