JP2001098984A - ガス充填装置におけるガスエンジンの希薄燃焼制御方法 - Google Patents

ガス充填装置におけるガスエンジンの希薄燃焼制御方法

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ガス充填効率を高めて充填時間の短縮し、希
薄燃焼でNOx低減や燃費向上を図り、さらに運転領域
に応じて最適な運転特性を達成するガス充填装置の希薄
燃焼制御方法。 【解決手段】 燃料用ガスをガスタンクに充填する圧縮
機と、この圧縮機を駆動するガスエンジンを備えたガス
充填機におけるガスエンジンの希薄燃焼制御方法におい
て、圧縮機からガスタンクに送られるガス圧力に基づい
てガスエンジンまたは圧縮機の回転数を制御するととも
に、予め設定したエンジン回転数とスロットル開度に基
づくベースマップとリーン側に燃料供給量を設定した第
2マップとを有し、ベースマップにより制御された燃料
供給中に、失火を判定しながら燃料を徐々にリーン化
し、失火または第2マップに達した時点でリーン化を停
止してその燃料供給量を学習してベースマップを書き換
え、この書き換えたベースマップにしたがって燃料供給
量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガス燃料を使用する
車両や各種装置等のガスタンクに燃料用ガスを充填する
ガス充填装置に関し、特にそのガスエンジンの失火を判
定しながら燃料のリーン化を図った希薄燃焼制御方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガス充填装置として、燃料用ガスを圧縮
する圧縮機と、この圧縮機を駆動するガスエンジンから
なるガス充填装置が開発されている。このガス充填装置
においては、圧縮機のガス吸込口を燃料用ガスの供給源
に接続し、ガス吐出口を充填用ホースによって車両や各
種装置等のガスタンクに接続し、ガスエンジンで圧縮機
を駆動して前記燃料用ガスを所定の高圧にして車両等の
ガスタンクに圧送し充填する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガス充填装置では、充填終期に充填圧力が増大して圧縮
機から車両のガスタンクに充填されるガスの量(充填流
量)が低下し、充填時間が長くかかるというガス充填装
置特有の問題があった。
【0004】一方、このようなガス充填装置のガスエン
ジンにおいて、NOxの低減や燃費の改善のために希薄
燃焼方式でエンジン駆動することが考えられる。この場
合、例えば、エンジン回転数とスロットル開度に応じて
設定した失火限界のベースマップを用いて希薄燃焼制御
を行った場合、失火が起きた場合に、これを検出して対
処しなければ次回その運転領域で再び失火が起こり、結
果的に未燃ガスが排出され燃費も悪化する。
【0005】一般の車両や空調システムの分野において
使用されるガスエンジンの希薄燃焼制御方法が特開平1
0−131795号公報に開示されている。この公報記
載の公知技術は、ガス流量制御弁の開度データのマップ
を備え、学習ステップによりマップを失火しない範囲で
リーン側に書き換えることにより、失火限界に近い希薄
燃焼状態の維持を図るものである。このような希薄燃焼
により、燃費の向上とともにNOxの排気ガス対策が図
られる。
【0006】一方、エンジンを運転する場合、エンジン
回転数およびスロットル弁開度に応じた運転領域によ
り、燃費や排気ガス対策とともに、エンジン出力や、燃
焼効率あるいは運転性等の各種運転特性について、各領
域ごとにその領域に合った最良の運転特性が要求され
る。
【0007】しかしながら、上記公報記載の燃料制御方
法においては、運転領域の全域について失火限界に近い
値までマップデータを書き換えるため、学習後の最終的
なマップデータは、運転領域にかかわらず全域でほぼ、
失火限界の燃料制御弁開度となる。このため、特に出力
を確保したい高負荷運転領域や燃焼効率を高めたい領域
等、希薄燃焼に優先して領域ごとにその領域に合った最
良の運転状態を得たい場合に、燃料は常に最大限の失火
限界に近づけて、希薄化されてしまうため所望の運転特
性が得られず、運転領域に応じて要求される最適な運転
特性の燃焼状態を得ることができない。
【0008】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、ガス充填装置特有の課題であるガス充填効率を高
めて充填時間の短縮を図るとともに、必要な希薄燃焼を
行って十分なNOxの低減や燃費の向上を図った上で、
さらに運転領域に応じて領域ごとに最適な運転特性を達
成することができるガス充填装置における希薄燃焼制御
方法の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、燃料用ガスを圧縮してガスタンクに充
填する圧縮機と、この圧縮機を駆動するガスエンジンと
を備えたガス充填機におけるガスエンジンの希薄燃焼制
御方法において、前記圧縮機からガスタンクに送られる
ガス圧力を検出し、これに基づいて前記ガスエンジンま
たは前記圧縮機の回転数を制御するとともに、予め設定
したエンジン回転数とスロットル開度に基づくマップを
用い、前記マップは、ベースマップと、このベースマッ
プよりリーン側に燃料供給量を設定した第2マップとを
有し、前記ベースマップにより制御された燃料供給中
に、失火を判定しながら燃料を徐々にリーン化し、失火
または第2マップに達した時点でリーン化を停止してそ
の燃料供給量を学習して前記ベースマップを書き換え、
この書き換えたベースマップにしたがって燃料供給量を
制御することを特徴とするガス充填装置におけるガスエ
ンジンの希薄燃焼制御方法を提供する。
【0010】この構成によれば、圧縮機吐出側のガスタ
ンクの圧力に応じて、ガスエンジンまたは圧縮機の回転
数が制御されるため、圧力に応じた最適効率でガスエン
ジンの出力制御を行うことができる。この場合の回転数
制御としては、例えば、ガスタンクのガス圧力が高くな
るにしたがって圧縮機の回転数を徐々に低下させたり、
あるいは充填初期時の圧力が低いときにエンジン回転数
を上げて急速充填を図るように制御してもよい。
【0011】また、希薄燃焼制御のベースマップとし
て、例えば予め分っている失火が起きない燃料供給量デ
ータを設定するとともに、このベースマップよりリーン
側に設定した第2マップを備え、ベースマップによる燃
料供給量から失火するまで燃料を徐々にリーン化し、失
火した時点の燃料供給量または失火する前に第2マップ
に達した場合にはその第2マップの燃料供給量でベース
マップが書き換えられる。これにより失火限界と第2マ
ップの組合せによるマップが学習により形成され、失火
限界のマップに対し予め設定した所望特性が得られる第
2マップを加味して燃料制御マップを形成することがで
きる。この場合、ベースマップの他に書き換え用のマッ
プを備えて、この書き換えマップを順次書き換えること
によりオリジナルのベースマップを残したまま実質上ベ
ースマップの書き換えによる学習を行うことができる。
【0012】好ましい構成例においては、前記第2マッ
プは、エンジン回転数とスロットル開度に応じたマップ
形成領域ごとに異なる運転特性を優先させて、その運転
特性が得られる最もリーン側の燃料供給量となるように
設定されたことを特徴としている。
【0013】この構成によれば、第2マップに、エンジ
ン回転数とスロットル開度に応じた運転領域ごとにその
領域で要求される運転特性に合った燃料供給量データが
設定されるため、失火限界の範囲内で運転領域に応じた
最適な運転特性で燃料制御が行われる。
【0014】さらに好ましい構成例では、前記ベースマ
ップの書き換え時に、制御している領域とともに他の領
域についても同じオフセット量を前記第2マップよりリ
ッチ側の範囲で書き換えることを特徴としている。
【0015】この構成によれば、ある領域で燃料制御を
学習中に他の領域についても一律に同じリーン側へのオ
フセット量だけベースマップが書き換えられるため、学
習作業が効率的に行われる。
【0016】さらに好ましい構成例では、前記失火判定
時に、1ステップずつリーン化し、失火を検出したらベ
ースマップよりリーン側の範囲で所定ステップだけリッ
チ側に戻すことを特徴としている。
【0017】この構成によれば、予め分っている失火が
起きないことが保証された最もリーンなベースマップの
設定量を維持したまま、さらに失火限界に近づけて燃料
のリーン化が図られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の
形態に係るガス充填装置の構成図である。また、図2
は、充填圧力と主換気ファンの回転数との関係を示すグ
ラフである。
【0019】この実施形態のガス充填装置1は、図1中
に符号2で示すガス吸入口から供給された例えば天然ガ
ス(以下、単にガスという)を圧縮して図示していない
車両や各種装置のガスタンクに充填するためのものであ
って、1つのケーシング3に後述するエンジン4、圧縮
機5、ガス冷却器6などを収容している。
【0020】この実施の形態によるガス充填装置1のガ
ス冷却器6は水冷式のものを採用している。ガス冷却器
6の熱交換部6aは、エンジン冷却水系におけるラジエ
ータ下流側に介装し、ラジエータ34によって冷却され
たエンジン冷却水でガスを冷却する構造を採っている。
なお、この実施の形態では、ラジエータ34をケーシン
グ3の排気口8に配置している。また、冷却水ポンプ3
5はエンジン4が駆動する構造のものを使用している。
【0021】このように構成したガス充填装置1によれ
ば、水冷式エンジン4のエンジン冷却水を利用してガス
を冷却することができるから、空冷式のガス冷却器を使
用する場合に比べてガス冷却器6をケーシング3内に配
置する位置の自由度を増大させることができる。このた
めケーシング3内に形成されるデッドスペースにガス冷
却器6を配置することができる。
【0022】クランク軸13には冷却水ポンプ35駆動
用のプーリと、端部に一方向クラッチ110を介してフ
ァン駆動軸111が連結され、ファン駆動軸111には
エンジン回転数に対してファン回転数を可変とする変速
装置112と、発電機と電動モータを兼ねる回転機11
3とベルト連結されるプーリ114が配設されている。
エンジン4の運転中には、エンジン動力の一部が一方向
クラッチ110を経て変速装置112とプーリ114に
伝えられ、回転機113は発電機として機能するととも
に、変速装置112が要求冷却性能に合わせた変速比で
主換気ファン10を駆動する。
【0023】エンジン4停止中における換気動作時、例
えばガス洩れ検知器78がガスを検知したとき、回転機
113が不図示のバッテリからの電力供給を受けて電動
モータとして機能して変速装置112を介して主換気フ
ァン10を駆動する。このとき、一方向クラッチ110
により負荷の大きいクランク軸13側には電動モータの
回転力は伝わらない。
【0024】この水冷式ガス冷却器6の冷却性能を増大
させるためには、主換気ファン10の回転数がエンジン
回転数より高くなるように変速装置112を制御してラ
ジエータ34の放熱量を増大させることによって行う。
このようにガス冷却器6の冷却性能を向上させることに
よって、ガスの充填終期にガスの温度上昇が緩和され、
圧縮機5から吐出させるガスの密度を高く保つことがで
きる。
【0025】これを示したのが図2である。圧縮機5
は、第1の圧力センサ48で検知される略一定のガス供
給源の圧力を、第2の圧力センサ55で検知される吐出
圧力まで昇圧する。すなわち、充填が進行するにしたが
い総圧縮比が増加して発熱量が増加するが、吐出圧力、
すなわち充填圧力が増加するにしたがい主換気ファン回
転数を増加させており、充填効率が低下するのを防止し
ている。
【0026】図1において、エンジン冷却水系に介装し
た符号91で示すものはサーモスタット弁である。ま
た、ガス冷却器6の冷却水出口の近傍に接続した符号9
2で示すものは冷却水用リザーブタンクである。また、
この実施の形態によるガス充填装置1の除湿装置46
は、加熱装置61の熱源をエンジン4の廃熱を吸収した
エンジン冷却水としている。詳述すると、エンジン冷却
水系であってエンジン出口とラジエータ入口との間に、
除湿装置46の空気加熱用パイプ63を相対的に高温の
エンジン冷却水で加熱する構造の熱交換器93を介装し
ている。
【0027】この実施の形態では、ブローダウンタンク
57に圧縮機5の圧縮部#2〜#4と、圧縮機出口菅4
2をそれぞれ安全弁94を介して連通させている。ま
た、充填カプラソケット51の上流側に緊急分離カプラ
95を介装している。圧縮機5は、負荷が最も大きくな
る圧縮部#4の機構部分にオイルを圧送する構造を採っ
ている。オイルポンプを符号96で示し、オイルフィル
ターを符号97で示し、オイル用圧力調整弁を符号98
で示す。
【0028】符号120および121で示すものは、ブ
ローダウン弁96が開くとき同時に開となり、オイルフ
ィルター54で捕捉したオイルをブローダウンタンク5
7に循環させるオイルドレン弁である。
【0029】また、符号21はエアクリーナ、23はス
ロットル弁、24はミキサー、25はスロットル弁開閉
駆動モータ、26は燃料ガス供給用配管である。燃料ガ
ス供給配管26上には、エンジン4に供給する燃料ガス
の圧力を略大気圧に減圧制御するための減圧調整弁28
および燃料ガス流量制御弁29が設けられる。符号43
はガス供給元弁、44は全ガス流量計、45は逆止弁で
ある。
【0030】前記圧縮機出口管42は、ケーシング3を
貫通してケーシング3外に導出させ、先端部に充填カプ
ラソケット51を接続している。この充填カプラソケッ
ト51を図示していない車両のタンク側カプラソケット
に接続することによって、圧縮機5を車両のガスタンク
に連通する。なお、充填カプラソケット51は、タンク
側カプラソケットが接続されていることを検出する充填
ホース接続確認用のセンサ52を備えている。
【0031】ブローダウンタンク57は、充填開始時で
あって充填カプラソケット51を車両に接続する以前に
圧縮系に残存するガスを排出させ、ガス充填系の圧力を
低減させるためのものである。すなわち、ブローダウン
弁56を開いて圧縮機5内の残圧を低減させることによ
って、充填カプラソケット51をタンク側カプラソケッ
トに人手によって簡単に接続することができる。ブロー
ダウン弁56を開くとき、ブローダウンタンク57内の
圧力が異常に高くなる場合には、リリーフ弁58を開い
て、放出口59から外部にガスを逃す。なお、ブローダ
ウンタンク57の容積を充分に取ることにより、圧力異
常を防ぐことができるので、その場合にはリリーフ弁5
8および放出口59を省略することができる。
【0032】前述の加熱装置61は、スロットル弁23
の下流側の吸気通路に下流端を接続した吸引用パイプ6
4を備えている。また、空気加熱用パイプ63の上流端
にはエアクリーナ65が設けられ、ケーシング3内の空
気を取入れる。
【0033】符号71は制御装置である。制御装置71
には、図3に示すように、入力側に各種のセンサー類を
接続するとともに、出力側に弁やモータ等のアクチュエ
ータを接続し、電子部品等の駆動制御を行う。
【0034】入力側のセンサ類は、供給ガスの圧力を検
出する第1の圧力センサ48と、充填圧力検出用の第2
の圧力センサ55と、運転モードを切換えるための運転
切換えスイッチ72(図1参照)と、吸込流量計44
と、吐出流量計と、外気温を検出するための第1の温度
センサ73と、ケーシング3内の温度を検出するための
第2の温度センサ74と、エンジン冷却水のエンジン出
口での温度を検出するための第3の温度センサ75と、
圧縮機5の温度を検出するための第4の温度センサ76
と、圧縮機5から吐出されたガスの温度を検出するため
の第5の温度センサ77と、ケーシング3内の上部に配
設したガス検知器78と、エンジン回転数センサと、ス
ロットル弁開度センサ80と、充填ホース接続確認用セ
ンサ52おおび排気圧センサなどである。
【0035】出力側のアクチュエータは、エンジン4の
点火時期を制御するための点火制御回路と、スロットル
弁開閉駆動モータ25と、燃料制御弁29と、リリーフ
弁58と、ブローダウン弁56と、吸入遮断弁と、除湿
装置用三方弁と、主換気フアン10に接続した回転機1
13と、エンジン4と圧縮機5との間に介装した電磁ク
ラッチと、冷却水ポンプ35と、冷却水用リニア三方
と、ガス供給元弁43と、副換気ファンを駆動するため
の電動モータなどである。なお、図3のセンサーやアク
チュエータは図1では図示省略しているものもあるし、
図1のガス充填装置には備わらず必要に応じて備えるも
のもある。この制御装置71および各電子部品の電源は
バッテリー(図示しない)とし、エンジン4が停止して
いる状態でも前記アクチュエータを駆動して各種の制御
を実施することができるようにしている。なお、バッテ
リーは、エンジン4を運転している状態で発電機によっ
て充電する。
【0036】また、この制御装置71は、前記運転切換
スイッチ72によってエンジン4の運転モードを切換え
る構成を採っている。運転モードとしては、(1)運転
停止モード、(2)低速充填モード、(3)通常充填モ
ード、(4)急速充填モードである。ガス充填時には、
前記運転モード毎に定めた目標エンジン回転数R1と実
際のエンジン4の回転数R2との差を求め、この回転数
の差がなくなるようにスロットル弁開度をフィードバッ
ク制御によって制御する。目標エンジン回転数は、図3
中に符号82で示すメモリに記憶させている。
【0037】さらに、この制御装置71は、ガスの実際
の充填圧力と、予め定めた最終充填圧力(目標圧力)と
の差が小さくなるに従って、エンジン回転数を予め定め
た回転数(圧縮機5を駆動できる最低回転数)まで徐々
に低下させる構成を採っている。エンジン回転数を低下
させるには、予め定めた関数をもってスロットル弁開度
を低下させる。この関数は、比例関数の他に、ファジー
関数を用いることができる。
【0038】図4は本発明の実施の形態に係るガス充填
装置における燃料制御弁の駆動制御プログラムのフロー
チャートである。この例では、排気経路に圧力センサー
を設け、この圧力センサーによって検出される排気圧力
に基づいて失火を検出し、失火の有無に応じて燃料制御
弁を制御するフィードバック制御を実施する。このよう
な制御において、エンジン負荷およびエンジン回転数の
変化が速いとフィードバック制御がエンジンの変化に追
従できなくなり、排気のエミッション及び燃費が悪化す
る。
【0039】この問題に対処するため、本実施形態で
は、フィードバック制御によって希薄燃焼状態になると
きのエンジン負荷またはエンジン回転数の少なくとも一
方の検出値に対応した燃料制御弁の制御量をメモリに格
納する学習ステップをもち、以降は、このメモリに格納
された学習ステップを実行することにより、フィードバ
ックによるウェイト時間をなくし、エンジン負荷および
エンジン回転数の急激な変化に素速く追従して、排気ガ
スのエミッションと燃費の改善を図ることができる。
【0040】図4のフローチャートにおける動作は以下
のとおりである。 ステップS101:エンジンが運転中か停止中かを判別
する。
【0041】ステップS102:燃料制御弁の開度算出
および設定動作プログラムを実行する。このときのエン
ジン回転数とスロットル開度に基づいて燃料制御弁開度
が算出され、これに基づいてステッピングモータが駆動
され、燃料制御弁の開度が算出した値になるように設定
される。
【0042】ステップS103:エンジン始動後、エン
ジン回転数と目標エンジン回転数の差が所定値以下にな
った場合に、失火制御プログラムが実行される。この失
火制御プログラムでは次の処理を実行する。
【0043】燃料制御弁を検出値から所定の微小量だ
け小さくする。
【0044】排気圧センサーによって検出された排気
管圧力によって、失火の有無を判別する。
【0045】失火がなければ上記の処理を継続し、
失火があれば次のに進む。
【0046】燃料制御弁を別の所定の微小量だけ増加
する。
【0047】この微小量の燃料増加後、排気圧センサ
ーによって検出された排気管圧力により失火の有無を判
別する。
【0048】失火があればの処理を続け燃料を微小
量だけ増加する。失火がなければ次のステップS104
に進み、燃料制御弁開度のデータマップを書換える。
【0049】ステップS104:このステップは、次の
条件の下で実行される。
【0050】(a)データマップはエンジン回転数とス
ロットル開度を軸とする。
【0051】(b)マトリックス上の全成分データに
は、工場出荷時に予め所定の希薄燃焼が可能な燃料制御
弁開度データがセットされる。
【0052】(c)同様にデータ管理用のフラグマップ
をもつ(データマップと同じサイズで初期値は0)。
【0053】このステップの動作は前述のに続くもの
である。
【0054】燃料制御弁開度データマップのデータ
を、前記の開度データに書換える。このとき、書換え
前の開度データと書換え値との差Sを算出し、これをメ
モリー内に格納する。
【0055】フラグマップ上で、上記で書換えたデ
ータマップに対応するフラグを1とする。これ以降、フ
ラグマップが1の場合は、データマップ上の対応するデ
ータの書換えは行わない。
【0056】フラグが0の点に相当するデータマップ
上のデータを、一律に前記Sだけ差引いた値に書換え
る。ここでSの値が負となる場合は、燃料制御弁開度は
増加する。このことから、前記〜の動作により一律
にSだけ差引かれた開度データを設定することにより直
ちに失火してしまう場合でも、失火しない開度範囲に戻
すことが可能になる。
【0057】図5は、本発明の実施の形態に係るガス充
填装置のガスエンジンでの燃料制御弁フィードバック制
御方法のメインプログラムのフローチャートである。運
転操作が開始されると、まず、各弁やアクチュエータの
初期設定が行われる(ステップS1)。エンジンが起動
したかどうかを判別し(ステップS2)、起動完了した
ら目標エンジン回転数を算出する(ステップS3)。
【0058】続いて失火判定プログラムが実行される
(ステップS4)。これは、後述の燃料制御弁フィード
バック制御による失火制御とは別にエンジン運転中常に
行われる失火監視のためのプログラムである。
【0059】次に、前記ステップS3で算出した目標エ
ンジン回転数とするためのスロットル開度を算出してス
ロットル弁23(図1)をフィードバック制御する(ス
テップS5)。次に本発明による後述の燃料制御弁29
(図1)のフィードバック制御が行われているかどうか
をフィードバック制御のフラグの有無により判別し(ス
テップS6)、実行中であればそのまま続行し(ステッ
プS7)、実行していなければマップ(後述のベースマ
ップ)に基づいて燃料制御弁の開度を算出してフィード
バック制御の目標値とする(ステップS7)。
【0060】次に、後述のように学習によりベースマッ
プを書き換える失火制御プログラムを行う(ステップS
8)。この失火判定が終了したら、エンジン停止指令が
あるかどうかを判定し(ステップS9)、エンジン停止
でなければ、ステップS2からのルーチンを繰り返し、
エンジン停止であれば所定の順序で各機器を停止動作さ
せるエンジン停止プログラムを実行する(ステップS1
0)。
【0061】図6は、学習プログラムによるNOx対策
のための燃料希薄化を図る燃料制御弁フィードバック制
御のフローチャートである。メインルーチンから単位時
間ごとにコールされるサブルーチンが開始されると、ま
ずスロットル弁開度とエンジン回転数の検出データから
マップにおける現在位置および面補完された値を算出す
る(ステップS11)。この際、燃料制御弁のベースマ
ップおよび学習による書き換えマップの両方のマップに
より算出する。この値を1つ前のサイクルの値と比較す
る(ステップS12)。差が所定値より大きければ後述
するフィードバック(FB)制御による細かいステップ
ごとのリーン化の制御は行わずにFB実行フラグをOF
Fにして後述のタイマーA、タイマーBをともにOFF
にする(ステップS22)。
【0062】差が所定値以下であれば、冷却水温や運転
状態の検出データからFB制御を実行するかどうかを判
別する(ステップS13)。例えば暖機中であればFB
制御は実行しない。次に、実際にFB制御が開始されて
いるかをチェックする(ステップS14)。開始されて
いない場合には、即座に1ステップリーン動作を行い、
実行フラグを成立させる。FB実行中であれば、現在リ
ーン動作中かどうかを判定する(ステップS15)。
【0063】リーン動作中でなければ後述の安定待ち時
間中と判断してステップS23に進み、安定時間が終了
したかどうかを、後述のタイマーBの設定時間に達した
かどうかにより判別する。タイマー設定時間に達してい
なければ達するまでルーチンが繰り返される。タイマー
設定時間に達して安定時間が終了したら、マップ書き換
え処理を行う(ステップS24)。
【0064】ステップS15でリーン動作中のときは失
火判定プログラムを実行する(ステップS16)。この
失火判定プログラムにおいて失火が検出される(ステッ
プS17)。この失火判定は、例えば、エンジンの排圧
センサからの検出波形の解析により行われる。
【0065】失火が検出されなければ、リーン時間が経
過したかをチェックする(ステップS18)。このリー
ン時間チェックは、後のリーンプロセス(ステップS1
9)でセットされるタイマーAの設定時間に達したかど
うかにより判断される。リーン時間が経過したら、燃料
制御弁を1ステップリーンにする(ステップS19)。
これと同時にタイマーAを所定のリーン時間にセットす
る。続いて、FB実行中であることを示すためにFB実
行フラグを立てる(ステップS20)。
【0066】次に、このリーン後のステップ数が第2マ
ップの値より大きいか(第2マップよりリーン側か)を
チェックする(ステップS21)。大きければ、ルーチ
ンが繰り返され、燃料制御弁は1ステップずつ徐々にリ
ーン化される。1ステップずつリーン化して失火するこ
となく第2マップの値に達したら、安定時間処理を行う
(ステップS27)。この安定時間処理において、タイ
マーBが所定の安定時間にセットされ安定処理がスター
トする。
【0067】この安定時間が終了すると、前述のステッ
プS15で安定時間待ちと判別され、タイマーBによる
設定時間終了後に、ベースマップの値が、失火しないこ
とが確認された第2マップの値に書き換えられる。
【0068】一方、1ステップずつリーン化している途
中で失火が検出されると、前述のステップS17で、即
座にエンリッチ動作に移行して所定のNステップだけ燃
料がリッチ化される。失火を回復させるためである。こ
のエンリッチ量はエンリッチマップに基づいて算出され
る(ステップS25)。このエンリッチ量を算出した
後、その値がベースマップ以下(リーン側)かどうかが
判別される(ステップS26)。ベースマップより大き
いときには、今回のFB制御は無効としてFB実行フラ
グをおろす(ステップS28)。これは失火しないこと
が分っているベースマップよりリッチ側への書き換えは
行わないようにするためである。
【0069】続いて、そのマップ値に対応するガス流量
制御弁開度値をベースマップの値に戻してそのマップ値
に恒久フラグを立てる(ステップS29)。これによ
り、以後このマップ位置の運転状態で制御する場合、リ
ーン化の学習による書き換えを行わずに恒久フラグが立
ったオリジナルのベースマップに基づいて直ちに燃料制
御が行われる。
【0070】前記ステップS26で、算出値がベースマ
ップ以下であれば、安定時間をセットして安定制御モー
ドに移行する(ステップS27)。この安定時間はタイ
マーBをスタートさせることにより所定時間だけ保持さ
れる。安定時間が終了すると、前述のステップS23で
これが判別され、失火した値(または失火した値よりN
ステップだけリッチ側の値)でベースマップが書き換え
られる。
【0071】この書き換えプロセスにおいて、制御中の
マップ位置でのベースマップより下がったステップ数だ
けそのマップ位置だけでなくマップ領域の全域が書き換
えられる。この場合、他の位置でその書き換えステップ
数をリーン側に下げると第2マップに達する場合には、
その位置では第2マップ以下には下げないで第2マップ
の値に書き換える。
【0072】また、オリジナルのベースマップはそのま
ま保存し、書き換え用のマップを準備してこの書き換え
マップに順次学習した値を書込んで新たなベースマップ
として使用する。
【0073】図7は、マップ書換え処理のフローチャー
トである。これは、前述の図6のマップ書換えステップ
S24のフローである。まず、前述の図6のステップS
11と同様に、エンジン回転数とスロットル開度からマ
ップの現在位置を算出する(ステップS30)。この現
在位置に恒久フラグを立てる(ステップS31)。次
に、ベースマップ算出値から現在の燃料制御弁開度を減
算し、その値をオフセット値とする(ステップS3
2)。
【0074】ステップS33では、書換えマップ全体を
書換えるに際し、書換え用のカウンタを用意し、このカ
ウンタをクリアする。このカウンタにおけるマップ座標
は(x,y)とし、この処理では(0,0)に初期化さ
れる。
【0075】ステップS34では、(x,y)座標の書
換えマップに恒久フラグが立っているかをチェックす
る。恒久フラグがあれば、この座標位置のデータ書換え
は行わない。ステップS35では、(x,y)座標の書
換えマップにフィードバック制御しない領域となる対象
外フラグが立っているかをチェックする。対象外フラグ
があれば、この座標位置のデータ書換えは行わない。ス
テップS36では、(x,y)座標のベースマップ値か
らオフセット値を減算する。この減算された値が(x,
y)座標の第2マップ値以上かをチェックする(ステッ
プS37)。
【0076】オフセット減算値が第2マップ値以上(第
2マップ値よりリッチ側)であれば、このオフセット減
算値を書換えマップの(x,y)座標に書込む(ステッ
プS38)。
【0077】一方、オフセット減算値が第2マップ値未
満(第2マップ値よりリーン側)であれば、(x,y)
座標の書換えマップ値はその第2マップ値に書換える。
(ステップS39)。マップカウンタ数が全マップ数に
達したときに書換え作業は終了する(ステップS4
0)。
【0078】図8は、失火判定のフローチャートであ
る。まず、エンジン回転数およびスロットル開度のデー
タからマップの現在位置が算出される(ステップS4
1)。
【0079】次にステップS42で、気筒判別処理が行
われる。この気筒判別処理は、失火状態を気筒ごとに判
別するために行う。この気筒判別は、後述のように、カ
ム軸センサからのパルサー信号とクランク角センサから
のクランク角度に応じたパルス信号に基づいて行われ
る。
【0080】ステップS43では、排気圧センサからの
波形データを取込み、所定のクランク角t1〜t2間の
波形の面積を算出する。ステップS44で、この波形面
積が所定値以下かをチェックする。この所定値はセンサ
の異常をチェックするためのものであり、例えば失火に
よる面積減少量を越える程度に小面積な値とする。
【0081】この波形面積が所定値以下の場合、ステッ
プS45で、タイマーまたはサイクル数のカウンタをセ
ットする。ステップS46で、タイマーによる所定時間
中またはカウンタによる所定回数の検出において同じ小
面積の所定値以下の波形データが入力されるかがチェッ
クされる。所定時間が経過し又は所定回数が検出された
後、なお所定値以下の排圧波形面積であれば、排気圧セ
ンサの異常と判断して排気圧センサ異常の警告表示を行
う(ステップS47)。
【0082】続いて、ステップS48で応急運転フラグ
を立て、燃料制御弁をFB制御しないでオリジナルのベ
ースマップ運転プログラムに固定してエンジンを駆動す
る(ステップS49)。
【0083】前記ステップS44で面積値が所定値以上
でセンサに異常がない場合には、気筒ごとに、クランク
角t1〜t2における排気圧センサからの波形の面積移
動平均値を算出する(ステップS50)。
【0084】ステップS51で、この気筒移動平均面積
に対する排気圧センサの波形面積の比率Rを算出する。
ステップS52で、各波形面積データの平均値に対する
比率Rが基準値以下かをチェックする。この基準値は運
転領域に応じて異なり、この基準値に基づいて気筒別に
失火が判別される。失火が起きていない場合には、ステ
ップS53で、今回の波形データを加えて気筒別排気圧
センサの波形移動平均値を書換える。
【0085】上記波形面積の比率Rが基準値以下であれ
ば、ステップS54で、失火が起きていると判定され
る。この失火判定は気筒別に行われる。
【0086】ステップS55は、失火した気筒数をチェ
ックする。例えば4気筒中2気筒以上失火していればエ
ンジン異常と判断してエンジンを強制停止する(ステッ
プS59)。その後エンジン異常の表示を行う(ステッ
プS60)。
【0087】失火気筒数が1気筒の場合には、ステップ
S56で、FB制御運転中かをチェックする。FB制御
中であれば、前述の図6の失火判定プログラム(ステッ
プS16)終了後の失火検出ステップS17のルーチン
に戻る。
【0088】失火気筒数が1気筒でFB運転中でなけれ
ば、ステップS57で、応急フラグを立てる。続いて、
ステップS58で、失火回復の制御運転を行う。これ
は、例えば燃料制御弁の開度マップをエンリッチ化した
り、あるいは失火気筒の点火時期を変更することにより
行う。
【0089】図9は、スロットル開度とエンジン回転数
に応じたエンジン運転領域の説明図である。エンジン運
転領域の全域において最適な運転状態を得るために、運
転領域に応じて燃料制御方法を変えることが望ましい。
例えば、スロットル開度が小さい低負荷側の領域Iで
は、安定した燃焼を確保するためにリーン化を抑える。
中間の領域IIでは、排気ガス対策あるいは燃焼効率を
優先させ、失火判定のための燃料制御弁フィードバック
制御を実施する。高負荷領域IIIでは、出力確保のた
めに燃料制御弁フィードバック制御を実施しない。
【0090】本発明では、燃料制御弁開度のベースマッ
プとともに第2マップを備え、学習により燃料をリーン
化しながらベースマップを書換える。
【0091】表1は、このような運転領域に応じて要求
される運転特性を考慮した第2マップ設定方法の一例を
示す。
【0092】
【表1】
【0093】この第2マップでは、スロットル開度が低
い領域で運転性を優先させ(A領域)、中間開度では排
気ガス(NOx)低減を優先(B領域)あるいは運転効
率を優先させ(D領域)、高開度では出力確保を優先さ
せている(C領域)。
【0094】図10(A)(B)は、気筒判別用波形お
よび失火判別用波形のデータ例を示すグラフである。図
10(A)に示すように、カム軸の回転を検出するパル
サーコイルからのパルサー信号aがクランク軸の2回転
(720度)ごとに入力される。このパルサー信号aに
同期してクランク角センサからのクランク角パルス信号
bが入力される。このクランク角信号は、例えば120
枚の歯を有するリングギヤの各歯を検出するごとに出力
されるものであり、パルサー信号が得られる2回転では
240個のパルス信号となり、クランク角3度ごとに1
個のパルスが入力される。このパルサー信号の検出位置
を例えば#1気筒のBTDC90度に設定しておく。こ
れにより、例えば#1→#3→#4→#2の順で点火さ
れる4気筒エンジンで、例えば90度ごとに排圧が検出
される4気筒の各々についてパルサー信号の検出位置か
らのクランク角度により気筒番号が判別される。
【0095】各気筒の燃焼条件はそれぞれ微妙に異なる
ため各気筒の排圧波形も異なる。本発明では、このよう
に気筒を判別して気筒ごとに失火を判定することによ
り、各気筒の排圧波形に対応してそれぞれ最適なフィー
ドバック制御が可能になる。
【0096】図10(B)は4気筒の排圧検出データで
ある。実線のグラフcが正常時の排圧波形であり、点線
のグラフdが失火時の排圧波形である。このような波形
検出データから、各気筒のごとに波形の面積を算出し、
この波形面積に基づいて失火を判別する。この場合、各
気筒の波形データにおいて、圧縮上死点後の積算開始ク
ランク角t1と積算終了クランク角t2を設定してお
く。
【0097】所定のクランク角で所定気筒に点火され、
爆発、排気行程を経て排気管途中の排圧センサ部に排気
ガスが到達する。この排気ガス到達までのクランク角
(エンジン速度により異なる)を考慮して排圧波形のピ
ークを挟んで排圧データを取込めるように、気筒ごとの
点火タイミングに対応して気筒別にt1およびt2を定
めておく。
【0098】各気筒ごとにクランク角t1〜t2間の波
形面積を算出して、これと直前の所定サイクルの移動平
均値と比較する。この波形面積の平均値に対する比率R
をマップに格納された基準値と比較して失火を判別す
る。この基準値は、運転領域に対応したマップの座標ご
とに異なる。
【0099】図11は、失火判定の基準値のマップを示
す立体図である。図示したように、スロットル開度とエ
ンジン回転数に応じたマップ座標位置により、失火判定
基準(%)を異ならせている。この例では高回転でスロ
ットル高開度側では失火判定基準が低く、低回転低スロ
ットル開度側では基準が高い。したがって、高回転高負
荷側では、前述の排圧波形面積が平均値に比べ大きく減
少して例えば2000rpm以上の高負荷領域では前記
比率Rが20%以下まで小さくならないと失火と判定さ
れず、リーン化が続行される。これに対し、低回転低負
荷側では、排圧波形面積の比率Rが30〜40%になる
と失火と判定されリーン化が停止される。
【0100】このように、失火判定基準を運転領域に応
じて変えることにより、前述の第2マップを運転領域ご
とに所望の優先特性に応じて形成したことと相まって、
運転領域全体にわたって最適な運転状態が得られる。
【0101】なお、排圧波形面積の平均値に対する比R
を求めてこれを基準値と比較する方法に代えて、排圧波
形面積と平均値との差を求めてこの差を予め定めた所定
の基準値(この基準値も運転領域に応じて異なる)と比
較することにより失火を判定してもよい。
【0102】本実施の形態においては、燃料制御弁29
を経た燃料ガスがミキサー24内で空気と混合され、混
合器がミキサー24内で流量調整されたのち、エンジン
4に吸引される。このため、燃料制御弁29による燃料
ガス量の調整により空燃比が制御される。このため多気
筒エンジンの場合、気筒別失火判定の結果の失火気筒の
失火回復は、空燃比制御に加え個別気筒毎の点火時期制
御を組み合わせることにより、有効に達成可能である。
【0103】また、吸気マニホールドの各気筒への分配
管にそれぞれミキサーを配置し、このそれぞれのミキサ
ーに別個の燃料制御弁を介して燃料ガスを導くように
し、吸気マニホールドの内分配管の上流部に吸入空気量
を制御するスロットル弁を配置する場合には、気筒別失
火判定の結果の失火気筒の失火回復は、失火気筒に対応
する燃料制御弁の開度を大きくする方向に微調整するこ
とにより達成可能である。この場合さらに個別気筒毎の
点火時期制御を組み合わせてもよい。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、圧縮
機吐出側のガスタンクの圧力に応じて、ガスエンジンま
たは圧縮機の回転数が制御されるため、圧力に応じた最
適効率でガスエンジンの出力制御を行うことができる。
【0105】また、希薄燃焼制御のベースマップとし
て、例えば予め分っている失火が起きない燃料供給量デ
ータを設定するとともに、このベースマップよりリーン
側に設定した第2マップを備え、ベースマップによる燃
料供給量から失火するまで燃料を徐々にリーン化し、失
火した時点の燃料供給量または失火する前に第2マップ
に達した場合には、その第2マップの燃料供給量にベー
スマップが書き換えられる。これにより失火限界と第2
マップの組合せによるマップが学習により形成され、失
火限界のマップに対し予め設定した所望特性が得られる
第2マップを加味して燃料制御マップを形成することが
できる。このような失火学習制御により、エンジン負荷
やエンジン回転数の急激な変化に素速く追従できるとと
もに、運転状態に応じた最適な希薄燃焼が達成され、有
効なNOxの低減および燃費の改善が図られる。
【0106】この場合、第2マップとして、エンジン回
転数とスロットル開度に応じたマップ形成領域ごとに異
なる運転特性を優先させて、その運転特性が得られる最
もリーン側の燃料供給量となるように設定すれば、この
第2マップに、エンジン回転数とスロットル開度に応じ
た運転領域ごとにその領域で要求される運転特性に合っ
た燃料供給量データが設定されるため、失火限界の範囲
内で運転領域に応じた最適な運転特性で燃料制御が行わ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるガス充填装置の構成図。
【図2】 図1のガス充填装置の充填圧力とエンジン回
転数の関係のグラフ。
【図3】 図1のガス充填装置の制御系の構成図。
【図4】 本発明の実施の形態に係る燃料制御弁の動作
制御プログラムのフローチャート。
【図5】 本発明の燃料制御方法のメインプログラムの
フローチャート。
【図6】 図5のフローチャートにおける学習プログラ
ムのフローチャート。
【図7】 図6のフローチャートにおける書換プログラ
ムのフローチャート。
【図8】 本発明の失火判定プログラムのフローチャー
ト。
【図9】 エンジンの運転領域のグラフ。
【図10】 気筒判別及び失火判定のための波形データ
のグラフ。
【図11】 失火判定基準のマップを示す立体図。
【符号の説明】
1:ガス充填装置、2:ガス吸入口、3:ケーシング、
4:エンジン、5:圧縮機、6:ガス冷却器、8:排気
口、10:主換気ファン、13:クランク軸、21:エ
アクリーナ、23:スロットル弁、24:ミキサー、2
5:スロットル弁開閉駆動モータ、26:燃料ガス供給
用配管、28:減圧調整弁、29:燃料ガス流量制御弁
(燃料制御弁)、34:ラジエータ、35:冷却水ポン
プ、42:圧縮機出口管、43:ガス供給元弁、44:
全ガス流量計、45:逆止弁、46:除湿装置、48:
第1の圧力センサ、51:充填カプラソケット、52:
充填ホース接続確認用センサ、54:オイルフィルタ
ー、55:第2の圧力センサ、56:ブローダウン弁、
57:ブローダウンタンク、58:リリーフ弁、59:
放出口、61:加熱装置、63:空気加熱用パイプ、6
4:吸引用パイプ、65:エアクリーナ、71:制御装
置、72:運転切換えスイッチ、73:第1の温度セン
サ、74:第2の温度センサ、75:第3の温度セン
サ、76:第4の温度センサ、77:第5の温度セン
サ、78:ガス洩れ検知器、80:スロットル弁開度セ
ンサ、82:メモリ、110:一方向クラッチ、11
1:ファン駆動軸、112:変速装置、113:回転
機、114:プーリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/22 330 F02D 41/22 330A 45/00 340 45/00 340A 368 368Z F02M 21/02 F02M 21/02 L (72)発明者 猿田 雅己 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA04 AA05 BA13 DA02 DA05 DA27 DA28 EB09 EB12 EB20 EB22 FA00 FA10 FA24 FA33 3G092 AA09 AB06 AC07 BB04 DC03 DE18S EA07 EA09 EA14 EA17 EC01 EC05 EC10 FA17 FA24 FB07 HA04Z HA06X HA06Z HB03X HB03Z HB04Z HC06Z HD08Z HE01X HE01Z 3G301 HA15 HA22 JA02 JA03 MA11 NC04 NC07 ND02 ND17 ND25 NE15 PA11Z PB08Z PC09Z PE01Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料用ガスを圧縮してガスタンクに充填す
    る圧縮機と、この圧縮機を駆動するガスエンジンとを備
    えたガス充填機におけるガスエンジンの希薄燃焼制御方
    法において、 前記圧縮機からガスタンクに送られるガス圧力を検出
    し、これに基づいて前記ガスエンジンまたは前記圧縮機
    の回転数を制御するとともに、 予め設定したエンジン回転数とスロットル開度に基づく
    マップを用い、 前記マップは、ベースマップと、このベースマップより
    リーン側に燃料供給量を設定した第2マップとを有し、 前記ベースマップにより制御された燃料供給中に、失火
    を判定しながら燃料を徐々にリーン化し、 失火または第2マップに達した時点でリーン化を停止し
    てその燃料供給量を学習して前記ベースマップを書き換
    え、この書き換えたベースマップにしたがって燃料供給
    量を制御することを特徴とするガス充填装置におけるガ
    スエンジンの希薄燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】前記第2マップは、エンジン回転数とスロ
    ットル開度に応じたマップ形成領域ごとに異なる運転特
    性を優先させて、その運転特性が得られる最もリーン側
    の燃料供給量となるように設定されたことを特徴とする
    請求項1に記載のガス充填装置におけるガスエンジンの
    希薄燃焼制御方法。
  3. 【請求項3】前記ベースマップの書き換え時に、制御し
    ている領域とともに他の領域についても同じオフセット
    量を前記第2マップよりリッチ側の範囲で書き換えるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のガス充填装置
    におけるガスエンジンの希薄燃焼制御方法。
  4. 【請求項4】前記失火判定時に、1ステップずつリーン
    化し、失火を検出したらベースマップよりリーン側の範
    囲で所定ステップだけリッチ側に戻すことを特徴とする
    請求項1、2または3に記載のガス充填装置におけるガ
    スエンジンの希薄燃焼制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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