JP2001096707A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

Info

Publication number
JP2001096707A
JP2001096707A JP28100899A JP28100899A JP2001096707A JP 2001096707 A JP2001096707 A JP 2001096707A JP 28100899 A JP28100899 A JP 28100899A JP 28100899 A JP28100899 A JP 28100899A JP 2001096707 A JP2001096707 A JP 2001096707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
decorative
paper
pattern
melamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP28100899A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4372913B2 (ja
Inventor
Kazuhiro Takahashi
一弘 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP28100899A priority Critical patent/JP4372913B2/ja
Publication of JP2001096707A publication Critical patent/JP2001096707A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4372913B2 publication Critical patent/JP4372913B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の化粧材における表面の耐汚染性が不十
分な点を解消し、また、シート状の基材を有するEB化
粧シートの場合にあっては、カールしやすさを解消する
ことを課題とする。 【解決手段】 表面保護層形成用に、好ましくは2以上
の反応性水酸基を有するメラミンアクリレート化合物を
使用し、架橋剤として、好ましくはイソシアネート化合
物もしくは多官能アクリレート化合物を使用することに
より解決することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋硬化した樹脂
からなる表面保護層を有した化粧材に関するものであっ
て、特に、表面の耐汚染性が優れていると共に、基材が
薄いシート状であっても、表面保護層形成時の架橋硬化
による収縮が原因であるカールが生じにくい化粧材に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】化粧材は、建築物の内外、家具の表面、
もしくは生活環境にある様々な物品の表面を装飾する目
的で被覆するものである。また、多くの化粧材は、その
基材を選ぶことにより上記の種々の物品を保護する役目
も持っている。化粧材を、使用頻度の高い場所に用いる
場合には、表面に硬化型樹脂からなる表面保護層が被覆
され、より高い耐久性を備えたものを選ぶのが普通であ
る。
【0003】ところで化粧材は、その適用された環境に
より、種々の物質が表面に付着し、拭き取り等によって
は除去しきれずに残留し、汚染を生じることがある。汚
染の種類や汚染の起こりやすさは、化粧材が適用される
面の性格によって、区分され、それらの面としては、テ
ーブル、机、もしくは家具の上面等の水平面、家具の扉
もしくは壁等の垂直面、および、天井面があり、概し
て、また、食卓や化粧台等には、食品や化粧品等をこぼ
したり、飛沫が付着する等の原因により、汚染が発生す
る頻度が高く、また、これらの汚染の原因になる物の多
くは対象物に染着しやすい物質を含んでいる等、化粧材
が適用されている環境の影響もある。
【0004】従来の化粧材の中で、種々の耐久性が良い
とされているメラミン化粧板は、その製造に種々の工程
を要し、しかも、加熱プレス工程を経るため、連続的な
生産に適していない等の欠点が避けられない。そこで、
紙やプラスチックフィルム等のシート状の基材に印刷
し、従来は、表面保護層形成のために、ポリウレタン樹
脂等の硬化型塗料を塗布し、硬化させていたコーティン
グタイプの化粧シートに代えて、表面保護層を、電子線
硬化型塗料の塗布、および電子線照射による架橋硬化に
より形成した、電子線硬化化粧シート(EB化粧シー
ト、基材が上の場合は特にEB化粧紙と呼ぶ)が用いら
れることが多くなった。
【0005】EB化粧シートにおける表面保護層の例と
して、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジ
アクリレートをトリメチロールプロパントリアクリレー
トと共に用いて電子線照射により架橋させたものがあ
る。しかし、この処方による表面保護層は、耐汚染性が
十分でない上、表面保護層が架橋の際に収縮するため、
得られるEB化粧シートはカールしやすく、しかも小さ
い径のカールを生じるので、取り扱い上の支障が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、従
来の化粧材における表面の耐汚染性が不十分な点を解消
し、また、シート状の基材を有するEB化粧シートの場
合にあっては、カールしやすさを解消することを課題と
するものである。
【0007】
【課題を解決する手段】上記の課題は、表面保護層を構
成するために、好ましくは2以上の反応性水酸基を有す
るメラミンアクリレート化合物を使用し、架橋剤とし
て、好ましくは、イソシアネート化合物もしくは多官能
アクリレート化合物を使用することにより解決すること
ができた。
【0008】第1の発明は、化粧を施した基材上に、メ
ラミンアクリレート化合物が架橋剤により硬化した表面
保護層を積層してあることを特徴とする化粧材に関する
ものである。第2の発明は、第1の発明において、前記
メラミンアクリレート化合物が反応性水酸基を有してお
り、架橋剤がイソシアネート化合物であることを特徴と
する化粧材に関するものである。第3の発明は、第2の
発明において、前記メラミンアクリレート化合物が1以
上の反応性水酸基を有しており、架橋剤が2以上のイソ
シアネート基を持つイソシアネート化合物であることを
特徴とする化粧材に関するものである。第4の発明は、
第1の発明において、架橋剤が多官能アクリレート化合
物であることを特徴とする化粧材に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1を引用しながら本発明の対象
となる化粧材1の構造を説明すると、化粧材1は、基材
2の上面に、着色による着色層3、および模様付けによ
る模様層4が形成されて、化粧が施されたものであっ
て、化粧が施された上に更に表面保護層5が積層された
ものである。化粧材1は、図2に示すように、その基材
2の下面に、接着剤層6を介して、別の基材7と積層さ
れていてもよい。基材2としては、シート状のものも、
板状のものも、いずれも利用できるが、図2に示すよう
な場合は、例えば、上側の基材2をシート状とし、下側
の基材7を板状とすることができる。図1に示すような
場合は、基材2としては、シート状のものでも、板状の
ものでも、いずれでもよい。なお、シート状の基材のう
ち、紙を使用したものを化粧紙、化粧紙を含み、プラス
チックシートのような基材のものもふくめたものを化粧
シートと言う。また、板状の基材を使用したものを化粧
板と言い、ここで言う板は木製のものに限らない。本発
明で言う化粧材は化粧紙、化粧シート、化粧板をすべて
含む。
【0010】図1および図2を引用して説明した例で
は、化粧として、着色及び模様付けの2種類が施されて
おり、化粧材の分野で印刷する際には、この構造をとる
ことが普通であるが、化粧としては、着色もしくは模様
付けのいずれか一方を施してもよい。これら以外の化粧
として、エンボス加工や、エンボス加工による凹部を着
色するワイピング塗装、艶の調整や艶差による模様の形
成等を行なうことでもよい。
【0011】基材2および7としては、通常、化粧材に
用いられている素材であれば、いずれも使用可能であ
る。大別すれば、種々の種類や厚みの紙類、プラスチッ
クフィルム、プラスチックシートもしくはプラスチック
板、金属箔、金属シート、もしくは金属板、木材などの
木質系の板、または各種の窯業系素材等の各群である。
【0012】これら各群に含まれる素材は単独で使用し
てもよいが、紙同士の複合体や紙とプラチスチックの複
合体等、これら素材の任意の組合わせによる積層体も利
用できる。これらの基材は、色彩を整える意味で塗装を
施されていたり、デザイン的な観点で通常の模様が予め
形成されていてもよい。塗装や通常の模様形成に先立っ
て表面が平滑化されていたり、模様の密着度を上げるた
めに下地処理が施されていてもよい。塗装や通常の模様
形成後には、後の加工を容易にするための接着性改善処
理を施すことも差し支えない。
【0013】各種の紙類としては、薄葉紙、クラフト
紙、チタン紙、予め紙間の強化の目的で樹脂を含侵して
ある樹脂含浸紙、リンター紙、板紙、石膏ボード用原
紙、もしくは紙の表面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニ
ル壁紙原反等、建材分野で使われることの多い一群の原
反が挙げられる。
【0014】紙類としては、事務分野や通常の印刷、包
装などに用いられる次の紙類も使用可能である。即ち、
コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメン
ト紙、パラフィン紙、又は和紙等である。又、これらの
紙とは区別されるが、紙に似た外観と性状を持つ次のよ
うな各種繊維の織布や不織布も基材2および7として利
用できる。各種繊維とは即ち、ガラス繊維、石綿繊維、
チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、若
しくは炭素繊維等の無機質繊維、又はポリエステル繊
維、若しくはビニロン繊維などの合成繊維である。
【0015】プラスチックフィルム、プラスチックシー
ト、もしくはプラスチック板としては、次に例示するよ
うな各種の合成樹脂からなるものが挙げられる。各種の
合成樹脂とは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフ
タレート共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポ
リメタクリル酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹
脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリア
ミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリス
チレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹
脂、又はポリイミド樹脂等である。
【0016】金属箔、金属シート、もしくは金属板とし
ては次に例示するような金属からなるものである。即
ち、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼、又は銅等であ
る。しばしばめっき等を施して使用することがある。各
種の木質系の板としては、木材の板、合板、パーチクル
ボード、又はMDFと呼ばれる中密度繊維板等が挙げら
れる。窯業系素材としては、石膏ボード、珪酸カルシウ
ム板、木片セメント板などの窯業系建材、陶磁器、ガラ
ス、ホウロウ、焼成タイル等が例示される。これらの
他、繊維強化プラスチックの板、ペーパーハニカムの両
面に鉄板を貼ったもの、2枚のアルミニウム板でポリエ
チレン樹脂をサンドウィッチしたもの等、各種の素材の
複合体も基材2および7として使用できる。
【0017】基材2上に印刷する際には、基材2との接
着性を考慮して、適切なインキを選び、印刷法により行
うのがよい。模様層4を印刷により形成する場合には、
着色層3もまた、印刷により形成するとよい。模様層4
を形成せず、着色層3のみを形成する場合には、塗装に
よってもよい。印刷は基材2の上面のみならず、基材2
として透明なものを選んだときは、基材2の下面に行な
ってもよいし、少なくとも上側は透明な2枚の基材の間
に印刷してもよい。
【0018】印刷に用いるインキは、適宜なバインダー
樹脂、着色剤としての染料もしくは顔料、溶剤もしくは
希釈剤、および、必要に応じて添加することがある各種
の添加剤を、溶解ないし分散し、かつ混練したものであ
る。塗料もインキとほぼ同様の成分を有しており、一概
には言えないが、インキと比べて、溶剤もしくは希釈剤
として乾燥時間の長くかかるものを用いている。
【0019】インキもしくは塗料のバインダー樹脂とし
ては、ロジン、ロジン変成マレイン酸樹脂、ニトロセル
ロース、酢酸セルロース、酪酢酸セルロース、エチルセ
ルロース、ポリアミド樹脂、塩化ゴム、環化ゴム、ポリ
アミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、エ
チレン−アクリル酸エチル等のエチレン/アクリル酸エ
ステル共重合体、塩素化ポリプロピレン、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、スチレンマレイン樹脂、ポリ酢
酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセ
タール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール
等)、シアノアクリレート、ポリビニルアルキルエーテ
ル、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾ
ルシノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリベンツイミダゾール、もしくはポリ
ベンゾチアゾール等が使用できる。
【0020】印刷としては、公知の印刷手法が利用でき
る。基材2が種々の素材であり得るので、素材が変わっ
ても、インキのバインダーを変えることにより対応が容
易なグラビア印刷がよく用いられるが、他の手法でもよ
く、例えば、平版オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ
印刷、もしくはシルクスクリーン印刷等の従来から長く
利用されている手法のほか、比較的新しい手法として、
インクジェットや電子写真の手法も利用できる。
【0021】印刷の際の模様層3の絵柄は、用途に合わ
せて適宜に選ぶことができる。一例を挙げると、木目模
様、布目模様、もしくは大理石等の模様を模したもの
等、具象模様、もしくは抽象模様がある。
【0022】着色層の形成は塗装によっても行なえる。
塗装法としては、前記した印刷の手法も、一様均一な色
を一面に施すことができるので、塗装法として利用でき
る。印刷の手法以外では、ロールコーティング、ディッ
プコーティング、キスコーティング、スプレイコーティ
ング、かけ流しコーティング、ホイーラーコーティン
グ、スピンナーコーティング、もしくはカーテンフロー
コーティング等が利用できる。一様均一な色を一面に施
すことが出きる点で、印刷の手法と塗装の手法は似てい
るが、概して、塗装の手法による方が、塗膜の厚みが数
十μm前後と厚く、印刷の手法によるときは数十μm前
後である。
【0023】化粧の一つであるエンボス加工は、例え
ば、模様層3で説明したような種々の模様との関連性の
ある凹凸模様や、あるいは必ずしも関連性のない凹凸模
様を基材2に付与することである。例えば、模様層3が
あるときは模様層3の絵柄に合わせた凹凸模様や、梨地
模様のように、必ずしも模様層3の絵柄と合わせる必要
のない凹凸模様である。エンボス加工のうち、微細な凹
凸を付与するものもあり、化粧材の表面の艶を調整する
のに用いられる。
【0024】エンボス加工を行なうには、化粧材の表面
に必要な凹凸形状の逆型形状を表面に有するエンボス型
板、もしくは金属ロール等の表面に連続的に凹凸形状を
形成したエンボスロール等のエンボス版を用い、必要に
応じて基材2および/またはエンボス版を加熱しつつ、
基材2に当てて加圧し、エンボス版の表面の凹凸形状を
基材2表面に転移させる。なお、エンボス加工を化粧材
の最表面、即ち表面保護層5上に行なってもよいが、エ
ンボス加工を行なった後に、表面保護層5を形成しても
よい。
【0025】エンボス加工によって生じた凹凸の凹部
に、着色剤を充填することがある。凹部を有する基材上
に、着色剤である塗料もしくはインキを供給し、余分の
塗料もしくはインキをぬぐって(=ワイピング)除去す
ることにより、凹部に着色剤が残留する。例えば、木目
の導管模様を凹部として形成しておき、凹部に比較的濃
い色の着色剤を充填すると、導管が強い調子で表現され
た木目調の化粧材が得られ、ワイピング塗装と呼ばれ
る。なお、ワイピング塗装を化粧材の最表面、即ち表面
保護層5上に行なってもよいが、ワイピング塗装を行な
った後に、表面保護層5を形成してもよい。
【0026】以上は、化粧材に適用されることの多い化
粧の例であるが、このほか、染色、植毛、刺しゅう、金
属箔貼り、切り抜いた模様形状のシートの貼り付け、酸
やアルカリによるエッチング、陽極酸化による着色、も
しくはサンドブラスト等も化粧として適用できる。
【0027】表面保護層5を構成する素材のうち、主た
るものはメラミンアクリレートである。メラミンアクリ
レートを得るには、まず、メラミン(C366)のア
ミノ基をホルムアルデヒド(HCHO)と反応させて得
られるメチロールメラミンのメチロール基をアルコール
(例えばメタノール等の炭素数1〜4程度の脂肪族アル
コール)と反応させて、アルコキシメチルメラミンを生
成させ、続いて、2−ヒドロキシエチルアクリレート等
と反応させて、アルコキシメチル基の部分にアクリロイ
ル基を生成させる。表面保護層を電子線照射により硬化
させるため、メラミンアクリレート中のアクリレート基
の数は好ましくは2以上、より好ましくは3以上の多官
能であることが望ましい。メラミンアクリレートには、
多官能アクリレートである架橋剤を併用して架橋密度を
調整することができる。
【0028】多官能アクリレートである架橋剤として
は、エチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコー
ルジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、も
しくはジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が
挙げられる。
【0029】ところで、メラミンのアミノ基の数は3で
あり、アミノ基に付いている水素の数は合計6であるの
で、アルコキシメチル基の数は最大で6である。このア
ルコキシメチル基を導入する数を減らすか、もしくは、
一旦、6つのアルコキシメチル基を導入した後、その一
部をメチロール基の形に戻すことにより、メチロール基
中の水酸基の数を0〜6の範囲で制御することができ
る。従って、架橋剤を用いてメラミンを架橋させる際
に、水酸基の数を変えることにより、メラミンアクリレ
ートの架橋密度を制御することが可能である。このよう
にしてメラミンの架橋密度を変え、架橋密度を向上させ
ると、耐汚染性が向上する。耐汚染性向上の意味での水
酸基の導入数は1以上であることが望ましく、3以上で
あれば、ほとんどの物質により汚染されることが無い。
なお、上記の例ではメラミンにアクリレート基が導入さ
れているが、アクリレート基礎に代えて、そのほかのビ
ニル基が導入されていてもよい。
【0030】メラミンの架橋を行なわせるための架橋剤
としては、上記の水酸基が導入されたメラミンの水酸基
と反応し得る官能基を分子中に2以上有するものである
ことが望ましく、例えば、トリレンジイソシアネート
(TDI)、もしくはキシリレンジイソシアネート(X
DI)等のイソシアネート基を2以上有するイソシアネ
ート化合物が使用でき、非常に優れた耐汚染性が得ら
れ、化粧シートのカールも適度となって、取り扱いやす
い。ただし、本発明においては、メラミンアクリレート
を使用することによる効果が大きいため、架橋剤として
は前記した多官能アクリレートを使用しても耐汚染性が
優れ、化粧シートの場合もカールしにくい。また、多官
能アクリレートを使用する方が反応が速い利点もある。
【0031】以上のようなメラミンアクリレートと架橋
剤とは、所定の配合比になるよう、必要に応じて、充填
剤等の添加剤、溶剤、もしくは希釈剤と共に混合して塗
料組成物とした後、被塗布対象である化粧を施した基材
上に適宜な塗布手段により塗布し、塗膜を形成する。塗
布の手法としては、着色層の形成の手法として挙げたも
のが利用できる。塗膜の厚みとしては、2μm〜50μ
m程度である。塗布した後、加熱することにより、塗膜
中の熱硬化成分を反応させる。水酸基を有するメラミン
アクリレートと上記イソシアネート化合物の例であれ
ば、メラミンアクリレート中の水酸基とイソシアネート
との反応が進行する。反応の条件としては、一例とし
て、120℃で1分程度であり、塗布の速度にもよる
が、この時間は、一般的なコーターにおける乾燥ゾーン
を通過するのに要する時間とほぼ同等である。
【0032】続いて、塗膜に電子線を照射して、塗膜の
硬化を行なう。電子線源としては、コッククロフトワル
トン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧
器型、あるいは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型
等の各種の電子線加速器を用い、100〜1000Ke
V、このましくは100〜300KeVのエネルギーを
持つ電子を照射するものを使用する。なお、本発明の化
粧材においては、塗膜の厚みを厚くする方が有利であ
り、浸透性の点で電子線が有利であるが、紫外線も使用
できる。この場合、紫外線源としては、超高圧水銀灯、
高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラック
ライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。
【0033】表面保護層5には、その層の表面の耐摩耗
性を向上させる意味で、好ましくは無機質であって、架
橋硬化した樹脂よりも高硬度の球状粒子を含有させる。
高硬度の球状粒子を添加すると、一層の表面強化が実現
される。こで球状粒子は真球である必要はなく、表面が
滑らかであればよい。球状粒子の役割は、表面保護層の
表面の一部を突出させて、摩耗の原因となる外力を球状
粒子上で受け止め、球状粒子自身が次第に磨耗すること
によって、下層の磨滅を防止する事である。球状粒子と
してはα−アルミナ、シリカ、酸化クロム、酸化鉄、ダ
イアモンド、黒鉛等があるが、中でも、硬度が高く、球
形のものが多い点から、球形のα−アルミナ(昭和電工
株式会社の球状アルミナAS−10からAS50)が推
奨できる。球状粒子の粒径は、平均粒径で1〜10μm
程度が好ましい。無機質の球状粒子を表面保護層に用い
る際に、表面保護層を構成する樹脂中での密着性を上げ
る意味で、予めシランカップリング剤等で処理するとよ
い。
【0034】表面保護層には、表面の滑りを良くして擦
れによる傷つきを防止する目的で滑り剤を添加してもよ
い。滑り剤としてはワックス、シリコーンオイル等が使
用できる。表面保護層からのブリードを防止する意味
で、シリコーンアクリレートを使用することが好まし
い。
【0035】
【実施例】建材用印刷用紙(天間特殊製紙(株)製、S
WC30、重量30g/m2)に化粧紙用グラビアイン
キ(ザ・インクテック(株)製、HAT、バインダー樹
脂;アクリル樹脂およびニトロセルロース)を用い、グ
ラビア印刷により、一面に一様均一な色で着色した着色
層、および模様層を形成して印刷シートとした。その
後、印刷シート上に、ロールコーターを用い、別記の6
種類の組成の電子線硬化性樹脂組成物を、塗布量が10
g/m2(塗布時)になるよう塗布して塗膜を形成した
後、120℃の温度で1分間、熱乾燥ゾーンを通して加
熱した。加熱後、加速電圧175KeV、照射線量5M
radの電子線を照射して塗膜を硬化させて表面保護層
を有するEB化粧紙を得た。
【0036】得られたEB化粧紙の耐汚染性試験は次の
ようにして行なった。各々から試料片を採取し、表面保
護層側に、耐汚染性試験用として、市販の各物質を塗布
し、カバーガラスを被せて、24時間放置し、その後、
カバーガラスを除去し、表面を乾いた布で拭って各物質
を取り除き、表面の状態を観察した。次の「表1」に、
実施例および比較例で使用した6種類の電子線硬化性樹
脂組成物の各成分(左端の列)と配合重量比を、また、
「表2」に、使用した耐汚染性試験用物質(左端の
列)、および各々の物質に対する実施例および比較例の
化粧材の耐汚染性試験の結果を示す。「表2」中の耐汚
染性試験の結果の○、△、×の意味は次の通りである。 ○;試験前と比較して変化が無いか、変化がごく軽微で
ある。 △;試験前と比較して若干の変化があるが、淡色の化粧
紙であれば目立たない。 ×;試験前と比較して著しく変化がある。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】「表1」、および「表2」から明らかなよ
うに、比較例の従来品では、組成を変更しても汚染が完
全には無くならず、また、化粧紙のカールが激しく、取
り扱うのに支障があったのに対し、本発明の化粧紙にお
いては、メラミンアクリレートを使用したために、耐汚
染性が優れており、特に水酸基を有するメラミンアクリ
レートを使用してイソシアネート化合物で架橋硬化した
場合は、耐汚染性が非常に優れている。
【0040】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、表面保護層を
メラミンアクリレートを用いて構成しているので、耐汚
染性が優れ、カールが激しくない化粧材を提供すること
ができる。請求項2の発明によれば、請求項1の発明の
効果に加え、架橋剤としてイソシアネート化合物を使用
しているため、特に、耐汚染性が非常に優れた化粧材を
提供できる。請求項3の発明によれば、請求項2の発明
と同様に、特に、耐汚染性が非常に優れた化粧材を提供
できる。請求項4の発明によれば、請求項1の発明の効
果に加え、電子線照射による硬化が速く、迅速に製造が
可能な化粧材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化粧材の断面図である。
【図2】別の基材上に貼った状態の化粧材の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 化粧材 2、7 基材 3 着色層 4 模様層 5 表面保護層 6 接着剤層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧を施した基材上に、メラミンアクリ
    レート化合物が架橋剤により硬化した表面保護層を積層
    してあることを特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】 前記メラミンアクリレート化合物が反応
    性水酸基を有しており、架橋剤がイソシアネート化合物
    であることを特徴とする請求項1記載の化粧材。
  3. 【請求項3】 前記メラミンアクリレート化合物が1以
    上の反応性水酸基を有しており、架橋剤が2以上のイソ
    シアネート基を持つイソシアネート化合物であることを
    特徴とする請求項2記載の化粧材。
  4. 【請求項4】 架橋剤が多官能アクリレート化合物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の化粧材。
JP28100899A 1999-10-01 1999-10-01 化粧材 Expired - Fee Related JP4372913B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28100899A JP4372913B2 (ja) 1999-10-01 1999-10-01 化粧材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28100899A JP4372913B2 (ja) 1999-10-01 1999-10-01 化粧材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001096707A true JP2001096707A (ja) 2001-04-10
JP4372913B2 JP4372913B2 (ja) 2009-11-25

Family

ID=17633004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28100899A Expired - Fee Related JP4372913B2 (ja) 1999-10-01 1999-10-01 化粧材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4372913B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4372913B2 (ja) 2009-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2186080C (en) Recoatable decorative sheet and recoatable decorative material
JP4268261B2 (ja) 化粧材およびその製造方法
RU2459708C2 (ru) Способ изготовления декоративного ламината
JP4985736B2 (ja) 化粧材
US7919144B2 (en) Sheet-or web-like, decorative coating film and method for producing the same
US20060204729A1 (en) Decorating material
JP4858053B2 (ja) 化粧シート
JP4402339B2 (ja) 化粧材
JP4289527B2 (ja) 化粧材
JP2001001453A (ja) 化粧材
JP4467696B2 (ja) 化粧材
JP4417474B2 (ja) 化粧材
JP4028061B2 (ja) 無機質系化粧板及びその製造方法
JP4467679B2 (ja) 化粧材
JP4440431B2 (ja) 化粧材
JP6786821B2 (ja) 化粧板の製造方法
JP4372913B2 (ja) 化粧材
JP2000238196A (ja) 耐摩耗性を有する化粧紙
JPH1128799A (ja) 化粧板およびその製造方法
JP2002001749A (ja) 化粧ボードの製造方法
JP4241082B2 (ja) 化粧材およびその製造方法
JP4390942B2 (ja) 化粧シート
JPH1177944A (ja) 耐摩耗性を有する化粧材
JP2001072924A (ja) コーティング組成物及びコーティング化粧材
JPH0759626A (ja) 化粧板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090903

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090727

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120911

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130911

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees