JP2001074336A - ヒートポンプ - Google Patents

ヒートポンプ

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JP2001074336A
JP2001074336A JP24973199A JP24973199A JP2001074336A JP 2001074336 A JP2001074336 A JP 2001074336A JP 24973199 A JP24973199 A JP 24973199A JP 24973199 A JP24973199 A JP 24973199A JP 2001074336 A JP2001074336 A JP 2001074336A
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Ryuichi Sakamoto
隆一 坂本
Yuji Watabe
裕司 渡部
Kazuo Yonemoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気圧以下の状態の水蒸気を冷媒とするヒー
トポンプにおいて、水蒸気の処理に透湿膜を利用する。 【解決手段】 蒸発部(10)を密閉容器状に形成し、内
部の第1低圧空間(12)を減圧状態とする。第1低圧空
間(12)に給水し、自己蒸発によって水を冷却する。蒸
発した水蒸気は、第1低圧空間(12)から圧縮機(50)
へ吸引される。圧縮機(50)は、吸引した水蒸気を水蒸
気放出部(30)の第2低圧空間(32)へ送り込む。水蒸
気放出部(30)を容器状に形成し、その内部には透湿膜
(31)によって第2低圧空間(32)を区画する。圧縮機
(50)で昇圧された水蒸気は、透湿膜(31)を透過し、
第2低圧空間(32)から第2空気空間(33)の室外空気
に放出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水蒸気を冷媒とす
るヒートポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、特開平6−257890号公
報に開示されているように、水の蒸発及び凝縮を利用し
て冷房と暖房を行うヒートポンプが知られている。
【0003】冷房時において、上記ヒートポンプは、減
圧状態(例えば、4〜5mmHg程度)に保持された真空容
器内に給水し、真空容器内に貯留する水が自己蒸発する
ことによって冷水を生成する。生成した冷水は、ポンプ
によって大気圧にまで昇圧されて真空容器から取り出さ
れ、冷房に利用される。また、真空容器は、内部の水蒸
気が圧縮機によって排出されて減圧状態に維持される。
圧縮機により排出した水蒸気は、凝縮器へ導入される。
凝縮器の伝熱管では冷却水が流通し、管内の冷却水によ
って管外で水蒸気を凝縮させる。
【0004】一方、暖房時において、上記ヒートポンプ
は、熱源水と熱交換させた水を真空容器に供給して蒸発
させる。真空容器の水蒸気は、圧縮機により圧縮されて
凝縮器に送られる。尚、水蒸気の圧力は、圧縮後におい
ても大気圧よりも低い。一方、凝縮器の伝熱管には、水
を流通させる。そして、管内の水と管外の水蒸気とを熱
交換させ、水蒸気の凝縮熱により管内の水を加熱する。
生成した温水は、暖房に利用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような大気圧以
下の状態の水蒸気を冷媒とする従来のヒートポンプで
は、蒸発させた水蒸気を処理するために該水蒸気を凝縮
器へ導入し、伝熱管内の冷却水で冷却して凝縮させてい
た。一方、従来より、液体である水は透過させないが気
体である水蒸気は透過可能な透湿膜が知られている。と
ころが、低圧の水蒸気を冷媒とするヒートポンプにおい
て、蒸発させた水蒸気の処理に透湿膜が利用されておら
ず、この透湿膜を利用した新たな装置の出現が望まれて
いた。
【0006】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、大気圧以下の状態の
水蒸気を冷媒とするものであって、水蒸気の処理に透湿
膜を利用したヒートポンプを提供することにある。尚、
本明細書では、ヒートポンプの概念は、いわゆる冷凍装
置をも包含するものとする。つまり、本明細書における
ヒートポンプは、熱を汲み出して対象物の冷却のみを行
うものであってもよく、熱を汲み上げて対象物の加熱の
みを行うものであってもよい。
【0007】
【課題を解決するための手段】−解決手段− 本発明が講じた第1の解決手段は、ヒートポンプを対象
とし、所定の減圧状態とされる第1低圧空間(12)を有
し、該第1低圧空間(12)内で水を蒸発させる蒸発部
(10)と、上記第1低圧空間(12)から水蒸気を吸引し
て昇圧させる昇圧手段(50,90)と、水蒸気を透過させ
る透湿膜(31)により区画されて上記昇圧手段(50,9
0)で昇圧された水蒸気が導入される第2低圧空間(3
2)を有し、上記透湿膜(31)を透過させて第2低圧空
間(32)から水蒸気を排出する水蒸気放出部(30)とを
設けるものである。
【0008】本発明が講じた第2の解決手段は、ヒート
ポンプを対象とし、水蒸気を透過させる透湿膜(11)に
よって第1低圧空間(12)が区画され、該第1低圧空間
(12)を所定の減圧状態とし、且つ上記透湿膜(11)に
おける第1低圧空間(12)と反対側の表面を水と接触さ
せて、該水から蒸発した水蒸気を第1低圧空間(12)側
へ移動させる蒸発部(10)と、上記第1低圧空間(12)
から水蒸気を吸引して昇圧させる昇圧手段(50,90)
と、水蒸気を透過させる透湿膜(31)により区画されて
上記昇圧手段(50,90)で昇圧された水蒸気が導入され
る第2低圧空間(32)を有し、上記透湿膜(31)を透過
させて第2低圧空間(32)から水蒸気を排出する水蒸気
放出部(30)とを設けるものである。
【0009】本発明が講じた第3の解決手段は、ヒート
ポンプを対象とし、水蒸気を透過させる透湿膜(11)に
より仕切られて第1低圧空間(12)と空気空間(13)と
が区画され、上記第1低圧空間(12)を所定の減圧状態
とし、且つ上記空気空間(13)に空気及び水を導入し、
上記空気空間(13)における水の蒸発により空気を冷却
すると共に空気空間(13)の水蒸気を第1低圧空間(1
2)へ移動させる蒸発部(10)と、上記第1低圧空間(1
2)から水蒸気を吸引して昇圧させる昇圧手段(50,90)
と、水蒸気を透過させる透湿膜(31)により区画されて
上記昇圧手段(50,90)で昇圧された水蒸気が導入され
る第2低圧空間(32)を有し、上記透湿膜(31)を透過
させて第2低圧空間(32)から水蒸気を排出する水蒸気
放出部(30)とを設けるものである。
【0010】本発明が講じた第4の解決手段は、ヒート
ポンプを対象とし、水蒸気を透過させる透湿膜(11)に
よって第1低圧空間(12)が区画され、該第1低圧空間
(12)を所定の減圧状態とし、且つ上記透湿膜(11)に
おける第1低圧空間(12)と反対側の表面を被冷却空気
と接触させて、該被冷却空気中の水蒸気を第1低圧空間
(12)側へ移動させる水蒸気分離部(15)と、上記第1
低圧空間(12)から水蒸気を吸引して昇圧させる昇圧手
段(50,90)と、水蒸気を透過させる透湿膜(31)によ
り区画されて上記昇圧手段(50,90)で昇圧された水蒸
気が導入される第2低圧空間(32)を有し、上記透湿膜
(31)を透過させて第2低圧空間(32)から水蒸気を排
出する水蒸気放出部(30)と、上記水蒸気分離部(15)
から供給された被冷却空気を加湿によって冷却する加湿
冷却部(25)とを設けるものである。
【0011】本発明が講じた第5の解決手段は、第1〜
第4の何れか1の解決手段において、水蒸気放出部(3
0)は、透湿膜(31)における第2低圧空間(32)と反
対側の表面を大気と接触させて上記第2低圧空間(32)
の水蒸気を大気中へ放出するように構成されるものであ
る。
【0012】本発明が講じた第6の解決手段は、第5の
解決手段において、水蒸気を透過させる透湿膜(41)に
よって第3低圧空間(42)が区画される一方、上記昇圧
手段(50,90)で昇圧された水蒸気を第3低圧空間(4
2)へ導入し、且つ上記透湿膜(41)における第3低圧
空間(42)と反対側の表面を水と接触させ、上記第3低
圧空間(42)の水蒸気が透湿膜(41)を透過して凝縮す
るように構成された凝縮部(40)を備え、上記凝縮部
(40)における水蒸気の凝縮熱を利用して対象物を加熱
する動作を行うように構成されるものである。
【0013】本発明が講じた第7の解決手段は、第6の
解決手段において、対象物を加熱する動作と、蒸発部
(10)における水の蒸発潜熱を利用して対象物を冷却す
る動作とを切り換えて行うように構成されるものであ
る。
【0014】本発明が講じた第8の解決手段は、第1〜
第4の何れか1の解決手段において、水蒸気放出部(3
0)の第2低圧空間(32)から排出された水蒸気の凝縮
熱によって対象物を加熱する加熱手段(35)とを備える
ものである。
【0015】本発明が講じた第9の解決手段は、第8の
解決手段において、加熱手段(35)での対象物の加熱に
伴って生じた凝縮水を蒸発部(10)へ供給するように構
成されるものである。
【0016】本発明が講じた第10の解決手段は、第1
〜第9の何れか1の解決手段において、第2低圧空間
(32)の抽気を行う抽気手段(65)を設けるものであ
る。
【0017】本発明が講じた第11の解決手段は、第1
〜第10の何れか1の解決手段において、昇圧手段(5
0)は、吸引した水蒸気を圧縮して昇圧させる圧縮機(5
0)により構成されるものである。
【0018】本発明が講じた第12の解決手段は、第1
〜第10の何れか1の解決手段において、昇圧手段(9
0)は、吸湿と放湿とを行う吸収媒体を備え、吸収媒体
の吸湿によって水蒸気を吸引し、吸収媒体を加熱して放
湿させることによって水蒸気を昇圧させるように構成さ
れるものである。
【0019】本発明が講じた第13の解決手段は、第1
〜第10の何れか1の解決手段において、昇圧手段は、
加熱により水蒸気を発生させる水蒸気発生手段(115)
と、該水蒸気発生手段(115)で発生した水蒸気の噴流
によって第1低圧空間(12)から水蒸気を吸引するエゼ
クタ(110)とより構成されるものである。
【0020】−作用− 上記第1の解決手段では、蒸発部(10)の第1低圧空間
(12)が大気圧以下の所定圧力とされる。この第1低圧
空間(12)には、水が供給される。減圧状態の第1低圧
空間(12)では、供給された水の一部が蒸発し、残りの
水は蒸発潜熱を奪われて冷却される。そして、冷却され
た水の冷熱を利用すれば、対象物の冷却等が可能であ
る。第1低圧空間(12)の水蒸気は、昇圧手段(50,9
0)によって吸引されて排出される。従って、第1低圧
空間(12)内では、継続して水が蒸発する。
【0021】一方、水蒸気放出部(30)には、第2低圧
空間(32)が設けられる。この第2低圧空間(32)は、
透湿膜(31)によって区画されている。第2低圧空間
(32)には、昇圧手段(50,90)によって昇圧された水
蒸気が導入される。従って、第2低圧空間(32)は、上
記第1低圧空間(12)よりも高圧の状態となる。第2低
圧空間(32)の水蒸気は、透湿膜(31)を透過して該第
2低圧空間(32)から排出される。
【0022】上記第2の解決手段では、蒸発部(10)に
第1低圧空間(12)が設けられる。この第1低圧空間
(12)は、透湿膜(11)によって区画され、大気圧以下
の所定圧力とされる。蒸発部(10)へは、水が供給され
る。供給された水は、上記透湿膜(11)における第1低
圧空間(12)と反対側の表面と接触する。供給された水
の一部は蒸発して水蒸気となり、該水蒸気は透湿膜(1
1)を透過して第1低圧空間(12)へ移動する。供給さ
れた水の残りは、蒸発潜熱を奪われて冷却される。一
方、第1低圧空間(12)の水蒸気は、昇圧手段(50,9
0)によって吸引されて水蒸気放出部(30)へ送られ、
その後に水蒸気放出部(30)の第2低圧空間(32)から
排出される。この動作は、上記第1の解決手段と同様で
ある。
【0023】上記第3の解決手段では、蒸発部(10)に
第1低圧空間(12)及び空気空間(13)が設けられる。
第1低圧空間(12)と空気空間(13)とは、透湿膜(1
1)によって仕切られている。第1低圧空間(12)は、
大気圧以下の所定圧力とされる。空気空間(13)には、
水と空気とが供給される。空気空間(13)では、供給さ
れた水が蒸発する。また、空気空間(13)の水蒸気は、
透湿膜(11)を透過して第1低圧空間(12)へ移動す
る。そして、空気空間(13)では、水の蒸発によって冷
熱が生成し、生成した冷熱によって空気が冷却される。
一方、第1低圧空間(12)の水蒸気は、昇圧手段(50,9
0)によって吸引されて水蒸気放出部(30)へ送られ、
その後に水蒸気放出部(30)の第2低圧空間(32)から
排出される。この動作は、上記第1の解決手段と同様で
ある。
【0024】上記第4の解決手段では、水蒸気分離部
(15)に第1低圧空間(12)が設けられる。この第1低
圧空間(12)は、透湿膜(11)によって区画され、大気
圧以下の所定圧力とされる。水蒸気分離部(15)へは、
室内空気や屋内空気等の内気が供給される。供給された
内気は、上記透湿膜(11)における第1低圧空間(12)
と反対側の表面と接触する。内気に含まれる水蒸気は、
透湿膜(11)を透過して第1低圧空間(12)へ移動す
る。つまり、内気から水蒸気が奪われ、内気は乾燥状態
となる。一方、第1低圧空間(12)の水蒸気は、昇圧手
段(50,90)によって吸引されて水蒸気放出部(30)へ
送られ、その後に水蒸気放出部(30)の第2低圧空間
(32)から排出される。この動作は、上記第1の解決手
段と同様である。
【0025】一方、水蒸気分離部(15)で水蒸気を奪わ
れた乾燥状態の内気は、加湿冷却部(25)へ送られる。
加湿冷却器では、乾燥状態の内気が加湿されて冷却され
る。つまり、内気を加湿すると、等エンタルピ変化によ
って絶対湿度が上昇して温度が低下する。そして、加湿
により冷却され且つ適当な湿度とされた内気は、例えば
冷房等に利用される。
【0026】上記第5の解決手段では、水蒸気放出部
(30)において、第2低圧空間(32)と反対側の透湿膜
(31)の表面が大気と接触する。そして、第2低圧空間
(32)の水蒸気は、透湿膜(31)の両側における水蒸気
圧差によって該透湿膜(31)を透過し、大気中へ放出さ
れる。
【0027】上記第6の解決手段では、凝縮部(40)が
設けられ、凝縮部(40)には第3低圧空間(42)が設け
られる。この第3低圧空間(42)は、透湿膜(41)によ
って区画されている。第3低圧空間(42)には、昇圧手
段(50,90)によって昇圧された水蒸気が導入される。
従って、第3低圧空間(42)は、上記第1低圧空間(1
2)よりも高圧の状態となる。また、凝縮部(40)には
水が供給される。供給された水は、上記透湿膜(41)に
おける第3低圧空間(42)と反対側の表面と接触する。
第3低圧空間(42)の水蒸気は、透湿膜(41)を透過し
て第3低圧空間(42)へ移動し、凝縮する。そして、水
蒸気の凝縮熱によって水が加熱される。水蒸気の凝縮に
よって生成した温熱は、その後、対象物の加熱に利用さ
れる。
【0028】上記第7の解決手段では、対象物を加熱す
る動作と、対象物を冷却する動作とが切り換えて行われ
る。
【0029】上記第8の解決手段では、加熱手段(35)
において、水蒸気放出部(30)から放出された水蒸気の
凝縮熱を利用して対象物の加熱が行われる。即ち、蒸発
部(10)へ供給される水を熱源としてヒートポンプ動作
を行い、対象物の加熱を行う。
【0030】上記第9の解決手段では、対象物の加熱に
伴って生じた凝縮水が蒸発部(10)へ供給される。つま
り、加熱手段(35)は水蒸気の凝縮熱を利用して対象物
を加熱するため、この加熱の際に水蒸気が凝縮して凝縮
水が生成する。そして、この生成した凝縮水が、蒸発部
(10)へ送り返される。
【0031】上記第10の解決手段では、水蒸気放出部
(30)の第2低圧空間(32)に溜まり込む水蒸気以外の
ガスが、抽気手段(65)によって排出される。つまり、
第2低圧空間(32)は大気圧以下の減圧状態であるた
め、外部から空気等が侵入して空気中の窒素や酸素等を
はじめとする水蒸気以外のガスが第2低圧空間(32)に
滞留する場合がある。これに対し、本解決手段の抽気手
段(65)は、上述のような水蒸気以外のガスを第2低圧
空間(32)から排出する。尚、抽気手段(65)は、水蒸
気以外のガスのみを排出するものである必要はなく、該
ガスを水蒸気と共に排出するようなものであってもよ
い。
【0032】上記第11の解決手段では、昇圧手段(5
0)が圧縮機(50)により構成される。蒸発部(10)又
は水蒸気分離部(15)における第1低圧空間(12)の水
蒸気は、圧縮機(50)に吸引される。圧縮機(50)は、
吸引した水蒸気を圧縮して昇圧してから水蒸気放出部
(30)の第2低圧空間(32)に送り込む。
【0033】上記第12の解決手段では、昇圧手段(9
0)に吸収媒体が設けられる。昇圧手段(90)は、吸収
媒体に水蒸気を吸湿させることによって、蒸発部(10)
又は水蒸気分離部(15)における第1低圧空間(12)か
ら水蒸気を吸引する。また、昇圧手段(90)は、吸収媒
体を加熱して水蒸気を放出させる。吸収媒体から放湿さ
れた水蒸気は、吸収媒体に吸湿された状態よりも圧力が
高くなっている。即ち、水蒸気が昇圧される。吸収媒体
から放湿された昇圧後の水蒸気は、水蒸気放出部(30)
の第2低圧空間(32)へ送り込まれる。
【0034】上記第13の解決手段では、昇圧手段が水
蒸気発生手段(115)とエゼクタ(110)で構成される。
水蒸気発生手段(115)で発生した比較的高圧の水蒸気
は、エゼクタ(110)に送り込まれて高速で噴射され
る。そして、エゼクタ(110)で生じる高速の水蒸気の
噴流によって、第1低圧空間(12)の水蒸気がエゼクタ
(110)に吸引される。第1低圧空間(12)から吸引さ
れた水蒸気は、水蒸気発生手段(115)から送り込まれ
た水蒸気と合流して圧力が上昇し、その後、水蒸気放出
部(30)の第2低圧空間(32)へ送り込まれる。
【0035】
【発明の効果】上記の解決手段によれば、大気圧以下の
水蒸気を冷媒として動作を行うヒートポンプであって、
水蒸気を放出して処理する水蒸気放出部(30)に透湿膜
を利用したものを提供することができる。
【0036】特に、上記第5の解決手段では、水蒸気放
出部(30)において透湿膜(31)の一方の表面を大気と
接触させ、第2低圧空間(32)の水蒸気を水蒸気圧差に
よって大気中へ放出する。つまり、水蒸気放出部(30)
では、水蒸気を凝縮させることなく大気中へ放出するこ
とができる。この結果、昇圧手段(50,90)における水
蒸気の昇圧比を縮小することができ、水蒸気の昇圧に要
するエネルギを削減してCOP(成績係数)の向上を図
ることができる。以下、この点について、図2を参照し
ながら説明する。
【0037】上記第5の解決手段を上記第1の解決手段
に適用した場合を例に説明する。尚、動作状態を表す温
度及び圧力の値は、全て例示である。ここで、乾球温度
5℃における飽和水蒸気圧は6.5mmHgである。従っ
て、水の蒸発温度を5℃に設定する場合、蒸発部(10)
における第1低圧空間(12)の圧力は6.5mmHgとな
る。
【0038】蒸発部(10)の水蒸気を凝縮させて処理す
る場合、昇圧後の水蒸気の飽和温度が冷却媒体の温度よ
りも高くなるようにする必要がある。冷却塔で冷却した
冷却水を冷却媒体とすると、昇圧後の水蒸気と冷却水と
を直接接触させる場合であっても、6.5mmHgの水蒸気
を冷却水温度32℃に対応する飽和水蒸気圧である3
5.7mmHgまで昇圧させなければならない。この場合、
昇圧手段(50,90)における昇圧比は5.5となる。
【0039】また、冷却媒体を外気とすれば冷却塔の設
備が不要となるが、この場合には外気温である35℃よ
りも水蒸気の飽和温度が高くなるようにしなければなら
ない。具体的に、水蒸気の飽和温度が45℃となるよう
にしようとすると、水蒸気を72.3mmHgまで昇圧させ
なければならない。即ち、6.5mmHgの水蒸気を72.
3mmHgにまで昇圧する必要があり、昇圧比は11.1と
更に増大する。
【0040】これに対し、第1の解決手段の場合、大気
の飽和蒸気圧よりも所定値だけ高い圧力にまで昇圧させ
れば、透湿膜(31)の両側での水蒸気圧差によって水蒸
気が移動する。大気である外気の温度を35℃とすると
飽和水蒸気圧は22.9mmHgであり、これに水蒸気圧差
5mmHgを加えた27.9mmHgにまで昇圧させればよい。
即ち、6.5mmHgの水蒸気を27.9mmHgにまで昇圧す
ればよく、昇圧比は4.3となる。
【0041】以上、説明したように、上記第1の解決手
段によれば、水蒸気放出部(30)において水蒸気を凝縮
させずに大気中へ放出することができるため、蒸発部
(10)における蒸発温度を維持しつつ昇圧手段(50,9
0)における昇圧比を小さく設定することができ、水蒸
気の昇圧に要するエネルギを削減してCOPを向上させ
ることができる。尚、第5の解決手段を第2〜第4の解
決手段に適用した場合おいても、上記の効果が同様に得
られる。
【0042】上記第6〜第9の解決手段によれば、ヒー
トポンプ動作によって対象物の加熱を行うことができ
る。特に、上記第6の解決手段では、加熱部における凝
縮水を蒸発部(10)へ戻している。このため、この凝縮
水を再び熱源として利用でき、エネルギを有効に利用す
ることができる。また、蒸発部(10)、水蒸気分離部
(15)及び加熱部の間で水が循環するため、外部からの
給水が不要となる。
【0043】上記第10の解決手段では、水蒸気放出部
(30)の第2低圧空間(32)に侵入した水蒸気以外のガ
スを抽気手段(65)によって排出するようにしている。
つまり、空気中の窒素や酸素等をはじめとする水蒸気以
外のガスが第2低圧空間(32)中に存在すると、第2低
圧空間(32)の圧力が一定であっても該第2低圧空間
(32)における水蒸気の分圧が低下する。このため、水
蒸気放出部(30)では、透湿膜(31)の両側における水
蒸気圧差が小さくなる。そして、透湿膜(31)の両側の
水蒸気圧差が小さくなると、該透湿膜(31)を透過する
水蒸気の量が減少してしまう。これに対し、本解決手段
によれば、抽気手段(65)によって水蒸気以外のガスを
排出でき、透湿膜(31)の両側での水蒸気圧差を確保し
て水蒸気放出部(30)における水蒸気の放出量を充分に
確保できる。
【0044】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0045】本実施形態は、本発明に係るヒートポンプ
で生成する冷熱を利用して冷房を行う空調機である。
【0046】図1に示すように、上記空調機は、蒸発部
(10)と、昇圧手段である圧縮機(50)と、水蒸気放出
部(30)とを蒸気配管(51)で接続して構成されてい
る。また、上記空調機は、利用側回路(20)を備えてい
る。
【0047】上記蒸発部(10)は、密閉容器状に形成さ
れ、その内部空間が第1低圧空間(12)に構成されてい
る。第1低圧空間(12)は、所定の減圧状態とされてい
る。つまり、第1低圧空間(12)内の圧力は、大気圧よ
りも低い所定値に設定されている。第1低圧空間(12)
の底部には、水が貯留している。そして、蒸発部(10)
は、第1低圧空間(12)に貯留する水の一部を減圧下で
蒸発させ、残りの水から蒸発潜熱を奪って冷却するよう
に構成されている。
【0048】また、蒸発部(10)には給水管(24)が接
続されている。この給水管(24)は、蒸発分に見合った
量の水を第1低圧空間(12)に補給するように構成され
ている。更に、給水管(24)は、第1低圧空間(12)内
に水を散布するように構成されている。
【0049】上記圧縮機(50)は、吸入側が蒸発部(1
0)の第1低圧空間(12)と接続され、吐出側が水蒸気
放出部(30)と接続されている。この圧縮機(50)は、
第1低圧空間(12)の水蒸気を吸引して昇圧し、昇圧後
の水蒸気を水蒸気放出部(30)へ送り込むように構成さ
れている。
【0050】上記水蒸気放出部(30)は、容器状に形成
され、その内部には透湿膜(31)によって第2低圧空間
(32)が区画されている。第2低圧空間(32)は、閉空
間に構成されると共に、圧縮機(50)の吐出側に接続さ
れている。つまり、第2低圧空間(32)には、圧縮機
(50)で昇圧された水蒸気が導入される。また、水蒸気
放出部(30)では、透湿膜(31)を挟んで第2低圧空間
(32)と反対側に第2空気空間(33)が形成されてい
る。この第2空気空間(33)には、大気である室外空気
が導入され、この室外空気が透湿膜(31)の表面と接触
する。上記透湿膜(31)は、水蒸気透過性高分子膜又は
水蒸気透過性無機材料膜から成り、水蒸気を透過させる
ように構成されている。そして、水蒸気放出部(30)
は、透湿膜(31)を透過させて水蒸気を第2低圧空間
(32)から大気中へ放出するように構成されている。
【0051】上記利用側回路(20)は、放熱熱交換器
(21)と、循環ポンプ(23)と、室内熱交換器(22)と
を順に配管接続して形成され、内部を熱媒水が循環する
ように構成されている。放熱熱交換器(21)は、蒸発部
(10)の第1低圧空間(12)内に設置され、熱媒水を第
1低圧空間(12)に貯留する水と熱交換させて、放熱さ
せるように構成されている。室内熱交換器(22)は、図
外のファンコイルユニットに収納され、室内空間(20
0)に設置されている。この室内熱交換器(22)は、熱
媒水と室内空気とを熱交換させる。
【0052】−運転動作− 冷房運転時の動作について、図1及び図2を参照しなが
ら説明する。尚、図2は冷房運転時における標準的な運
転状態を示し、以下の説明で用いる温度及び圧力は標準
運転状態における値を示している。従って、以下に示す
温度及び圧力は例示であり、その値は運転状態によって
変化する。
【0053】蒸発部(10)の第1低圧空間(12)は、そ
の圧力が6.5mmHgに設定されている。従って、第1低
圧空間(12)における水の蒸発温度は、5℃に設定され
る。また、第1低圧空間(12)には、給水管(24)によ
って水が供給される。供給された水は、第1低圧空間
(12)の底部に貯留し、その一部が蒸発する一方、残り
が蒸発潜熱を奪われて冷却される。
【0054】第1低圧空間(12)で蒸発した水蒸気は、
圧縮機(50)に吸引される。圧縮機(50)は、吸入した
水蒸気を圧縮して昇圧させる。具体的に、第1低圧空間
(12)から圧力6.5mmHgの水蒸気を吸入し、圧縮して
圧力27.9mmHgにまで昇圧させる。従って、圧縮機
(50)における昇圧比は4.3となる。ここで、圧縮機
(50)における昇圧幅は、次のように定められる。即
ち、室外空気(外気)の状態は、温度35℃、水蒸気圧
22.9mmHgとなっており、これに対応して室外空気の
水蒸気圧よりも5mmHgだけ高い値に設定されている。
【0055】圧縮機(50)で昇圧された水蒸気は、水蒸
気放出部(30)の第2低圧空間(32)に供給される。つ
まり、第2低圧空間(32)には圧力27.9mmHgの水蒸
気が送り込まれる。水蒸気放出部(30)の第2空気空間
(33)には室外空気が送り込まれる。透湿膜(31)は、
第2低圧空間(32)側で圧力27.9mmHgの水蒸気と接
触し、第2空気空間(33)側で水蒸気圧22.9mmHgの
室外空気と接触する。従って、透湿膜(31)の両側で
は、5mmHgの水蒸気圧の差が存在する。この水蒸気圧差
によって第2低圧空間(32)の水蒸気が透湿膜(31)を
透過し、第2空気空間(33)の室外空気に放出される。
水蒸気を受けた第2空気空間(33)の室外空気は、その
後、第2空気空間(33)から排出される。
【0056】利用側回路(20)では、循環ポンプ(23)
を運転して熱媒水が循環する。放熱熱交換器(21)は、
循環する熱媒水と第1低圧空間(12)に貯留する冷却さ
れた水とを熱交換させる。放熱熱交換器(21)では、熱
媒水が冷却され、蒸発部(10)で生成した冷熱が取り出
される。冷却された熱媒水は、放熱熱交換器(21)から
室内熱交換器(22)へ送られる。室内熱交換器(22)
は、低温の熱媒水と室内空気とを熱交換させる。室内熱
交換器(22)では、熱媒水によって室内空気が冷却され
る。そして、冷却した室内空気を室内に供給して冷房が
行われる。室内空気から吸熱した熱媒水は、室内熱交換
器(22)から放熱熱交換器(21)へ送られ、再び冷却さ
れてこの循環を繰り返す。
【0057】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、水蒸気放出部(30)において、
第2低圧空間(32)の水蒸気を第2空気空間(33)の室
外空気へ直接放出することができる。つまり、圧縮機
(50)によって第2低圧空間(32)へ送り込まれた水蒸
気を、凝縮させずに処理することが可能となる。このた
め、圧縮機(50)における水蒸気の昇圧幅を縮小し、圧
縮機(50)における昇圧比を小さく設定することができ
る。この結果、圧縮機(50)の駆動に要する動力を削減
することができ、COP(成績係数)の向上を図ること
ができる。
【0058】ここで、蒸発部(10)の水蒸気を凝縮させ
て処理する場合、昇圧後の水蒸気の飽和温度が冷却媒体
の温度よりも高くなるようにする必要がある。例えば、
冷却塔で冷却した冷却水を冷却媒体とすると、昇圧後の
水蒸気と冷却水とを直接接触させる場合であっても、
6.5mmHgの水蒸気を冷却水温度32℃に対応する飽和
水蒸気圧である35.7mmHgまで昇圧させなければなら
ない。この場合、昇圧手段における昇圧比は5.5とな
る。
【0059】これに対し、本実施形態の圧縮機(50)で
は、室外空気の水蒸気圧よりも所定値(本実施形態では
5mmHg)だけ高い圧力にまで水蒸気を圧縮すればよい。
つまり、上述のように、圧縮機(50)では圧力6.5mm
Hgの水蒸気を圧力27.9mmHgまで圧縮すればよく、昇
圧比を4.3と設定することができる。このため、本実
施形態によれば、蒸発部(10)の第1低圧空間(12)に
おける圧力は維持しつつ、従来の水蒸気を凝縮させる場
合に比べて圧縮機(50)での昇圧比を小さくすることが
できる。従って、本実施形態によれば、COPを向上さ
せることが可能となる。
【0060】−実施形態1の変形例− 本実施形態1では、利用側回路(20)を省略して以下の
ように構成してもよい。
【0061】図3に示すように、本変形例では、蒸発部
(10)が室内空間(200)に設置される。そして、蒸発
部(10)と室内空気とを接触させ、第1低圧空間(12)
内に貯留する冷水によって室内空気を冷却する。この場
合、蒸発部(10)にフィン等を設け、室内空気との伝熱
面積を稼ぐようにするのが望ましい。
【0062】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実
施形態1において、蒸発部(10)及び利用側回路(20)
の構成を変更するものである。以下、実施形態1と異な
る構成について説明する。
【0063】図4に示すように、蒸発部(10)は、密閉
容器状に形成されている。蒸発部(10)の内部は、透湿
膜(11)によって第1低圧空間(12)と水側空間(14)
とに仕切られている。第1低圧空間(12)は、実施形態
1と同様に、所定の減圧状態とされている。また、蒸発
部(10)の透湿膜(11)は、水蒸気放出部(30)の透湿
膜(31)と同様に水蒸気が透過するように構成されてい
る。一方、水側空間(14)には熱媒水が満たされ、この
熱媒水が上記透湿膜(11)の表面と接触する。この水側
空間(14)は、大気圧状態とされている。
【0064】上記蒸発部(10)では、水側空間(14)の
熱媒水から蒸発した水蒸気が透湿膜(11)を透過して第
1低圧空間(12)へ移動する。つまり、蒸発部(10)
は、水側空間(14)の熱媒水の一部を蒸発させ、残りの
熱媒水から蒸発潜熱を奪って冷却するように構成されて
いる。
【0065】利用側回路(20)には、実施形態1と同様
に、循環ポンプ(23)と室内熱交換器(22)とが設けら
れる。また、室内熱交換器(22)が室内のファンコイル
ユニットに設置される点も実施形態1と同様である。循
環ポンプ(23)は、吸入側で蒸発部(10)の水側空間
(14)に接続され、吐出側で室内熱交換器(22)の入口
端に接続されている。室内熱交換器(22)の出口端は、
蒸発部(10)の水側空間(14)に接続されている。そし
て、利用側回路(20)は、蒸発部(10)の水側空間(1
4)と室内熱交換器(22)との間で熱媒水を循環させる
ように構成されている。また、利用側回路(20)におけ
る水側空間(14)の上流側には、給水管(24)が接続さ
れている。この給水管(24)は、水側空間(14)に給水
して該水側空間(14)における蒸発分を補充する。
【0066】−運転動作− 冷房運転時の動作について説明する。尚、圧縮機(50)
及び水蒸気放出部(30)の動作は、上記実施形態1と同
様である。また、以下の説明で用いる温度及び圧力は、
実施形態1での説明と同様に、標準的な運転状態におけ
る値を示している。
【0067】蒸発部(10)の第1低圧空間(12)は、そ
の圧力が6.5mmHgに設定されている。蒸発部(10)の
透湿膜(11)は、水側空間(14)側の表面で熱媒水と接
触している。水側空間では、熱媒水の一部が蒸発して残
りの熱媒水が冷却される。蒸発した水蒸気は、透湿膜
(11)を透過して第1低圧空間(12)へ移動する。第1
低圧空間(12)の水蒸気は、圧縮機(50)に吸引されて
圧縮され、圧力27.9mmHgにまで昇圧されてから水蒸
気放出部(30)へ送り込まれる。水蒸気放出部(30)で
は、第2低圧空間(32)の水蒸気が第2空気空間(33)
へ移動し、室外空気へ放出される。
【0068】−実施形態2の効果− 本実施形態2によれば、蒸発部(10)において透湿膜
(11)で第1低圧空間(12)を区画しているため、大気
圧状態の水側空間(14)において熱媒水の冷却を行うこ
とができる。つまり、蒸発部(10)で冷却された熱媒水
をそのまま利用側回路(20)で循環させることができ
る。従って、上記実施形態1のように放熱熱交換器(2
1)を用いることなく蒸発部(10)から冷熱を取り出す
ことができ、生成した冷熱を確実に利用することができ
る。
【0069】
【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、上記実
施形態1において、蒸発部(10)の構成を変更するもの
である。また、本実施形態3では、利用側回路は省略さ
れている。以下、実施形態1と異なる構成について説明
する。
【0070】図5に示すように、蒸発部(10)は、室内
空間(200)に設置されている。この蒸発部(10)は、
容器状に形成され、その内部には透湿膜(11)によって
第1低圧空間(12)が区画されている。第1低圧空間
(12)は、閉空間に構成されると共に、実施形態1と同
様に所定の減圧状態とされている。また、蒸発部(10)
の透湿膜(11)は、水蒸気放出部(30)の透湿膜(31)
と同様に水蒸気が透過するように構成されている。
【0071】蒸発部(10)には、透湿膜(11)を挟んで
第1低圧空間(12)と反対側に第1空気空間(13)が形
成されている。この第1空気空間(13)には、大気であ
る室内空気が導入され、この室内空気が透湿膜(11)の
表面と接触する。また、蒸発部(10)には給水管(24)
が接続され、該給水管(24)によって第1空気空間(1
3)に水が供給される。その際、給水管(24)は、透湿
膜(11)の表面に水を散布する。つまり、透湿膜(11)
における第1空気空間(13)側の表面には、室内空気と
供給された水の両方が接触する。そして、蒸発部(10)
は、第1空気空間(13)へ供給した水の蒸発によって冷
熱を生成し、生成した冷熱によって室内空気を冷却して
室内空間(200)へ送り出すように構成されている。
【0072】尚、本実施形態では、蒸発部(10)におい
て、第1空気空間(13)へ導入された室内空気と水の両
方を透湿膜(11)に接触させているが、これに代えて、
供給された水だけが透湿膜(11)と接触するようにして
もよい。この場合、透湿膜(11)の表面を覆う水が自己
蒸発により冷却され、この冷却された水と接触して室内
空気が冷却される。
【0073】−運転動作− 冷房運転時の動作について、図5〜図7を参照しながら
説明する。尚、図7は冷房運転時における標準的な運転
状態を示し、以下の説明で用いる温度及び圧力は標準運
転状態における値を示している。従って、以下に示す温
度及び圧力は例示であり、その値は運転状態によって変
化する。
【0074】蒸発部(10)の第1空気空間(13)には、
室内空気が送り込まれると共に、給水管(24)から水が
供給される。従って、蒸発部(10)の透湿膜(11)は、
第1空気空間(13)側の表面で供給された室内空気及び
水と接触する。ここで、第1空気空間(13)に供給され
る室内空気と水の状態は、図6における点Cと点Aの状
態にそれぞれ対応する。つまり、室内空気の温度及び絶
対湿度は点Cで示され、給水管(24)からの水の温度は
点Aで示される。一方、蒸発部(10)の第1低圧空間
(12)は、その圧力が7.7mmHgに設定されている。つ
まり、室内空気の状態は、温度26℃、水蒸気圧12.
7mmHgとなっており、これに対応して室内空気の水蒸気
圧よりも5mmHgだけ低い値に設定されている(図7参
照)。
【0075】この状態で、蒸発部(10)の第1空気空間
(13)では、供給された水が自己蒸発によって温度低下
すると共に、室内空気の温度も低下する。つまり、第1
空気空間(13)では、室内空気中の水蒸気が透湿膜(1
1)を透過して第1低圧空間(12)へ移動すると同時
に、室内空気の湿度低下に伴って供給された水が蒸発す
る。蒸発した水蒸気は、第1空気空間(13)と第1低圧
空間(12)の間の水蒸気圧差によって透湿膜(11)を透
過し、第1低圧空間(12)へ移動する。また、供給され
た水の飽和水蒸気圧と第1低圧空間(12)の水蒸気圧と
の差によっても水が蒸発し、蒸発した水蒸気が第1低圧
空間(12)へ移動する。供給された水は、自己蒸発によ
って蒸発潜熱を奪われて温度が低下する一方、水の温度
低下に従って室内空気の温度も低下する。そして、図6
に示すように、供給された水の温度は点Aで示される温
度から低下し、最終的に点Bで示される温度となる。一
方、室内空気の温度及び湿度は点Cの状態からそれぞれ
低下し、最終的に点Eの状態となる。尚、図6における
点Cから点Eに至る破線は、室内空気の状態変化の経路
を示すものではない。つまり、室内空気は、点Cから点
Eに至る破線に沿って状態変化するわけではない。
【0076】第1低圧空間(12)の水蒸気は、圧縮機
(50)に吸引される。圧縮機(50)は、吸入した水蒸気
を圧縮して昇圧させる。具体的には、図7に示すよう
に、第1低圧空間(12)から圧力7.7mmHgの水蒸気を
吸入し、圧縮して圧力27.9mmHgにまで昇圧させる。
従って、圧縮機(50)における昇圧比は3.6となる。
ここで、圧縮機(50)における昇圧幅は、次のように定
められる。即ち、室外空気(外気)の状態は、温度35
℃、水蒸気圧22.9mmHgとなっており、これに対応し
て室外空気の水蒸気圧よりも5mmHgだけ高い値に設定さ
れている。
【0077】圧縮機(50)で昇圧された水蒸気は、水蒸
気放出部(30)へ送り込まれる。つまり、圧力27.9
mmHgが水蒸気放出部(30)の第2低圧空間(32)に供給
され、第2低圧空間(32)の水蒸気は透湿膜(31)を透
過して室外空気へ放出される。この水蒸気放出部(30)
の動作は、上記実施形態1と同様である。
【0078】−実施形態3の効果− 本実施形態3では、蒸発部(10)の第1空気空間(13)
において水と室内空気とを透湿膜(11)に接触させて室
内空気の冷却を行っている。このため、冷却能力を維持
しつつ、蒸発部(10)の第1低圧空間(12)の圧力を、
上記実施形態1及び2の場合の6.5mmHgよりも高い
7.7mmHgに設定することが可能となる。この結果、圧
縮機(50)における昇圧比を更に小さくすることがで
き、COPを一層向上させることができる。
【0079】
【発明の実施の形態4】本発明の実施形態4は、上記実
施形態1において、蒸発部(10)に代えて水蒸気分離部
(15)を設けると共に、加湿冷却部(25)を追加するも
のである。また、本実施形態3では、利用側回路は省略
されている。以下、実施形態1と異なる構成について説
明する。
【0080】図8に示すように、水蒸気分離部(15)及
び加湿冷却器は、室内空間(200)に設置されている。
この水蒸気分離部(15)は、容器状に形成され、その内
部には透湿膜(11)によって第1低圧空間(12)が区画
されている。第1低圧空間(12)は、閉空間に構成され
ると共に、実施形態1と同様に所定の減圧状態とされて
いる。また、蒸発部(10)の透湿膜(11)は、水蒸気放
出部(30)の透湿膜(31)と同様に水蒸気が透過するよ
うに構成されている。
【0081】水蒸気分離部(15)では、透湿膜(11)を
挟んで第1低圧空間(12)と反対側に第1空気空間(1
3)が形成されている。この第1空気空間(13)には、
大気である室内空気が導入され、この室内空気が透湿膜
(11)の表面と接触する。そして、水蒸気分離部(15)
は、第1空気空間(13)の室内空気に含まれる水蒸気を
第1低圧空間(12)へ移動させ、該室内空気から水蒸気
を分離して除湿するように構成されている。
【0082】加湿冷却部(25)には、水蒸気分離部(1
5)の第1空気空間(13)から除湿された室内空気が送
り込まれる。また、加湿冷却部(25)には、給水管(2
4)が接続されている。そして、加湿冷却部(25)は、
給水管(24)からの水を水蒸気分離部(15)からの乾燥
した室内空気に供給し、該室内空気を加湿することによ
って冷却するように構成されている。加湿冷却部(25)
で冷却された室内空気は、室内空間(200)へと供給さ
れる。
【0083】−運転動作− 冷房運転時の動作について、図6を参照しながら説明す
る。尚、圧縮機(50)及び水蒸気放出部(30)の動作
は、上記実施形態3と同様である。また、以下の説明で
用いる温度及び圧力は、実施形態3での説明と同様に、
標準的な運転状態における値を示している。
【0084】蒸発部(10)の第1空気空間(13)には、
点Cの状態の室内空気が送り込まれる。この室内空気
は、温度26℃、水蒸気圧12.7mmHgの状態となって
いる。第1空気空間(13)では、供給された室内空気が
透湿膜(11)と接触する。一方、蒸発部(10)の第1低
圧空間(12)は、その圧力が7.7mmHgに設定されてい
る。室内空気に含まれる水蒸気は、第1空気空間(13)
と第1低圧空間(12)の間の水蒸気圧差(5mmHg)によ
って透湿膜(11)を透過し、第1低圧空間(12)へ移動
する。そして、室内空気の絶対湿度が低下し、点Cの状
態から点Dの状態に変化する。
【0085】減湿されて点Dの状態となった室内空気
は、蒸発部(10)の第1空気空間(13)から加湿冷却部
(25)へ送り込まれる。加湿冷却部(25)には、給水管
(24)を通じて水が送られている。給水管(24)からの
水は、点Dの状態の室内空気に供給される。そして、加
湿冷却部(25)では、室内空気が加湿されて冷却され、
点Dの状態から点Eの状態に変化する。点Eの状態の空
気は、室内空間(200)に供給される。
【0086】
【発明の実施の形態5】本発明の実施形態5は、本発明
に係るヒートポンプにより構成される空調機であって、
冷房運転と暖房運転とを切り換えて行うものである。
【0087】図9及び図10に示すように、上記空調機
は、室外容器部材(80)、圧縮機(50)、四路切換弁
(60)、室内容器部材(70)、凝縮部(40)及び利用側
回路(45)を備えている。
【0088】四路切換弁(60)には、吐出配管(52)、
吸入配管(53)、室外側配管(54)及び室内側配管(5
5)が接続されている。この四路切換弁(60)は、吐出
配管(52)と室外側配管(54)が連通し且つ吸入配管
(53)と室内側配管(55)が連通する状態(図9参照)
と、吐出配管(52)と室内側配管(55)が連通し且つ吸
入配管(53)と室外側配管(54)が連通する状態(図1
0参照)とに切り換わる。
【0089】吐出配管(52)は、圧縮機(50)の吐出側
に接続されている。吸入配管(53)は、圧縮機(50)の
吸入側に接続されている。室外側配管(54)は、室外容
器部材(80)に接続されている。室内側配管(55)は、
第1分岐管(56)と第2分岐管(57)とに分岐され、第
1分岐管(56)が室内容器部材(70)に、第2分岐管
(57)が凝縮部(40)にそれぞれ接続されている。ま
た、第1分岐管(56)には第1蒸気弁(58)が設けら
れ、第2分岐管(57)には第2蒸気弁(59)が設けられ
ている。
【0090】室外容器部材(80)は室外に設置され、室
内容器部材(70)は室内空間(200)に設置されてい
る。この室外容器部材(80)及び室内容器部材(70)
は、同様の構成を備えている。両容器部材(70,80)
は、容器状に形成され、その内部には透湿膜(71,81)
によって低圧空間(72,82)が区画されている。この低
圧空間(72,82)は、閉空間に構成されている。そし
て、室外容器部材(80)の低圧空間(82)に室外側配管
(54)が接続され、室内容器部材(70)の低圧空間(7
2)に室内側配管(55)の第1分岐管(56)が接続され
ている。透湿膜(71,81)は、水蒸気透過性高分子膜又
は水蒸気透過性無機材料膜から成り、水蒸気を透過させ
るように構成されている。
【0091】両容器部材(70,80)には、透湿膜(71,8
1)を挟んで低圧空間(72,82)と反対側に常圧空間(7
3,83)が形成されている。この常圧空間(73,83)に
は、大気が導入されて透湿膜(71,81)の表面と接触す
る。また、両容器部材(70,80)には、給水弁(76,86)
を介して給水管(75,85)が接続されている。この給水
管(75,85)は、常圧空間(73,83)に水を供給するが、
その際、透湿膜(71,81)の表面に水を散布する。
【0092】凝縮部(40)は、密閉容器状に形成されて
いる。凝縮部(40)の内部は、透湿膜(41)によって第
3低圧空間(42)と水側空間(43)とに仕切られてい
る。この第3低圧空間(42)には、室内側配管(55)の
第2分岐管(57)が接続されている。また、凝縮部(4
0)の透湿膜(41)は、容器部材のものと同様に水蒸気
が透過するように構成されている。一方、水側空間(4
3)には熱媒水が満たされ、この熱媒水が上記透湿膜(4
1)の表面と接触する。この水側空間(43)は、大気圧
状態とされている。そして、凝縮部(40)は、第3低圧
空間(42)の水蒸気を水側空間(43)へ移動させて凝縮
させ、水蒸気の凝縮熱によって熱媒水を加熱するように
構成されている。
【0093】上記凝縮部(40)の水側空間(43)には、
利用側回路(45)が接続されている。利用側回路(45)
は、室内熱交換器(46)と、循環ポンプ(47)とが設け
られている。室内熱交換器(46)は、入口端が上記水側
空間(43)に接続され、出口端が循環ポンプ(47)の吸
入側に接続されている。また、循環ポンプ(47)の吐出
側は、上記水側空間(43)に接続されている。この利用
側回路(45)では、循環ポンプ(47)を運転すると凝縮
部(40)の水側空間(43)と室内熱交換器(46)の間で
熱媒水が循環する。一方、室内熱交換器(46)は、図外
のファンコイルユニットに収納され、室内空間(200)
に設置されている。この室内熱交換器(46)は、熱媒水
と室内空気とを熱交換させる。
【0094】上記利用側回路(45)には、排水管(48)
が接続されている。この排水管(48)は、凝縮部(40)
の水側空間(43)と室内熱交換器(46)との間に、排水
弁(49)を介して接続されている。この排水管(48)
は、凝縮部(40)における凝縮分に対応する量の水を排
出し、利用側回路(45)内の熱媒水の量が一定に保持さ
れる。
【0095】−冷房運転動作− 冷房運転時の動作について、図9を参照しながら説明す
る。
【0096】冷房運転時には、第1蒸気弁(58)が開放
され、第2蒸気弁(59)が閉鎖される。四路切換弁(6
0)は、吐出配管(52)と室外側配管(54)が連通し且
つ吸入配管(53)と室内側配管(55)が連通する状態に
切り換わる。室内給水管(75)では、給水弁(76)が所
定開度に調節され、室内容器部材(70)に所定量の水が
供給される。一方、室外給水管(85)では、給水弁(8
6)が閉鎖され、室外容器部材(80)に水は供給されな
い。また、利用側回路(45)の循環ポンプ(47)は運転
されず、排水弁(49)は閉鎖される。
【0097】この状態で、室内容器部材(70)が蒸発部
(10)として動作し、室外容器部材(80)が水蒸気放出
部(30)として動作する。つまり、室内容器部材(70)
では、常圧空間(73)が蒸発部(10)の第1空気空間
(13)となり、低圧空間(72)が蒸発部(10)の第1低
圧空間(12)となる。また、室外容器部材(80)では、
常圧空間(83)が水蒸気放出部(30)の第2空気空間
(33)となり、低圧空間(82)が水蒸気放出部(30)の
第2低圧空間(32)となる。そして、本実施形態は、上
記実施形態3における冷房運転動作と同様の動作を行
う。
【0098】具体的に、室内容器部材(70)では、常圧
空間(73)に供給された水が蒸発して低圧空間(72)へ
移動すると共に、室内空気が冷却される。低圧空間(7
2)の水蒸気は、室内側配管(55)の第1分岐管(56)
から吸入配管(53)を通って圧縮機(50)に吸入され
る。圧縮機(50)は、吸入した水蒸気を圧縮する。昇圧
された水蒸気は、吐出配管(52)から室外側配管(54)
を通って室外容器部材(80)の低圧空間(82)に送り込
まれる。低圧空間(82)の水蒸気は、透湿膜(81)を透
過して常圧空間(83)に移動し、室外空気に放出され
る。
【0099】−暖房運転動作− 暖房運転時の動作について、図10を参照しながら説明
する。
【0100】暖房運転時には、第1蒸気弁(58)及び第
2蒸気弁(59)の両方が所定開度に調節される。四路切
換弁(60)は、吐出配管(52)と室内側配管(55)が連
通し且つ吸入配管(53)と室外側配管(54)が連通する
状態に切り換わる。室内給水管(75)では、給水弁(7
6)が閉鎖され、室内容器部材(70)に水は供給されな
い。一方、室外給水管(85)では、給水弁(86)が所定
開度に調節され、室外容器部材(80)に所定量の水が供
給される。また、利用側回路(45)では循環ポンプ(4
7)が運転されて熱媒水が循環すると共に、排水弁(4
9)が所定開度に調節される。
【0101】この状態で、室内容器部材(70)が水蒸気
放出部(30)として動作し、室外容器部材(80)が蒸発
部(10)として動作する。つまり、室内容器部材(70)
では、常圧空間(73)が水蒸気放出部(30)の第2空気
空間(33)となり、低圧空間(72)が水蒸気放出部(3
0)の第2低圧空間(32)となる。また、室外容器部材
(80)では、常圧空間(83)が蒸発部(10)の第1空気
空間(13)となり、低圧空間(82)が蒸発部(10)の第
1低圧空間(12)となる。
【0102】室外容器部材(80)の常圧空間(83)には
室外空気が送り込まれ、該室外空気中の水蒸気が透湿膜
(81)を透過して低圧空間(82)へ移動する。また、室
外容器部材(80)の常圧空間(83)には室外給水管(8
5)から水が供給され、供給された水から蒸発した水蒸
気も透湿膜(81)を透過して低圧空間(82)へ移動す
る。上記低圧空間(82)の水蒸気は、室外側配管(54)
から吸入配管(53)を通って圧縮機(50)に吸入され
る。圧縮機(50)は吸入した水蒸気を圧縮し、圧縮され
て昇圧した水蒸気は吐出配管(52)から室内側配管(5
5)に送られる。室内側配管(55)に送り込まれた水蒸
気は、第1分岐管(56)と第2分岐管(57)とに分流さ
れる。
【0103】第1分岐管(56)へ流入した水蒸気は、室
内容器部材(70)の低圧空間(72)に導入される。一
方、室内容器部材(70)の常圧空間(73)には、室内空
気が送り込まれる。上記低圧空間(72)の水蒸気は、透
湿膜(71)を透過して常圧空間(73)へ移動し、常圧空
間(73)の室内空気が加湿される。加湿された室内空気
は、その後、室内に供給される。
【0104】第2分岐管(57)へ流入した水蒸気は、凝
縮部(40)の第3低圧空間(42)に導入される。該第3
低圧空間(42)の水蒸気は、透湿膜(41)を透過して水
側空間(43)へ移動する。移動した水蒸気は、水側空間
(43)の熱媒水と接触して凝縮し、その凝縮熱によって
熱媒水が加熱される。加熱された熱媒水は、室内熱交換
器(46)に送られる。室内熱交換器(46)では、熱媒水
と室内空気とが熱交換し、室内空気が加熱される。放熱
した熱媒水は、再び凝縮部(40)の水側空間(43)に送
られて加熱され、この循環を繰り返す。また、凝縮部
(40)での凝縮分に対応する量の水を排水管(48)から
排出し、利用側回路(45)内の熱媒水の量を一定に保持
する。
【0105】−実施形態5の効果− 本実施形態5によれば、凝縮部(40)において透湿膜
(41)で第3低圧空間(42)を区画しているため、大気
圧状態の水側空間(43)において熱媒水の加熱を行うこ
とができる。つまり、暖房運転時には、凝縮部(40)で
加熱された熱媒水をそのまま利用側回路(45)で循環さ
せることができる。従って、例えば管内を流通する熱媒
水を管外での水蒸気の凝縮によって加熱するような場合
に比べ、水蒸気の凝縮熱を確実に熱媒水の加熱に利用す
ることができる。
【0106】また、暖房運転時には、室内容器部材(7
0)において室内空気の加湿を行うことができる。この
ため、室内空気の加熱だけでなく加湿をも行うことがで
き、快適性の向上を図ることができる。
【0107】
【発明の実施の形態6】本発明の実施形態6は、本発明
に係るヒートポンプで生成する温熱を利用して暖房を行
う空調機である。
【0108】図11に示すように、上記空調機は、蒸発
部(10)と、昇圧手段である圧縮機(50)と、水蒸気放
出部(30)とを蒸気配管(51)で接続して構成されてい
る。
【0109】上記蒸発部(10)は、密閉容器状に形成さ
れている。蒸発部(10)の内部は、透湿膜(11)によっ
て第1低圧空間(12)と水側空間(14)とに仕切られて
いる。第1低圧空間(12)は、所定の減圧状態(例えば
6.5mmHg程度)とされている。また、蒸発部(10)の
透湿膜(11)は、水蒸気透過性高分子膜又は水蒸気透過
性無機材料膜から成り、水蒸気を透過させるように構成
されている。一方、水側空間(14)には熱源水が満たさ
れ、この熱源水が上記透湿膜(11)の表面と接触する。
この水側空間(14)は、大気圧状態とされている。そし
て、上記蒸発部(10)は、水側空間(14)の熱源水から
蒸発した水蒸気が透湿膜(11)を透過して第1低圧空間
(12)へ移動するように構成されている。
【0110】また、蒸発部(10)には給水管(24)が接
続されている。この給水管(24)は、蒸発分に見合った
量の水を第1低圧空間(12)に補給するように構成され
ている。
【0111】上記圧縮機(50)は、吸入側が蒸発部(1
0)の第1低圧空間(12)と接続され、吐出側が水蒸気
放出部(30)と接続されている。この圧縮機(50)は、
第1低圧空間(12)の水蒸気を吸引して昇圧し、昇圧後
の水蒸気を水蒸気放出部(30)へ送り込むように構成さ
れている。
【0112】上記水蒸気放出部(30)は、室内空間(20
0)に設けられている。この水蒸気放出部(30)は、密
閉容器状に形成され、その内部には透湿膜(31)によっ
て第2低圧空間(32)が区画されている。上記透湿膜
(31)は、蒸発部(10)の透湿膜(11)と同様に、水蒸
気を透過させるように構成されている。第2低圧空間
(32)は、閉空間に構成されると共に、圧縮機(50)の
吐出側に接続されている。つまり、第2低圧空間(32)
には、圧縮機(50)で昇圧された水蒸気が導入される。
また、水蒸気放出部(30)では、透湿膜(31)を挟んで
第2低圧空間(32)と反対側に常圧蒸気空間(34)が形
成されている。この常圧蒸気空間(34)は、大気圧状態
とされている。また常圧蒸気空間(34)には、透湿膜
(31)を透過して第2低圧空間(32)から水蒸気が送り
込まれる。
【0113】水蒸気放出部(30)の常圧蒸気空間(34)
には、加熱手段(35)である空気加熱路(35)が形成さ
れている。空気加熱路(35)は、内部を室内空気が流通
し、その内部の室内空気と外部の水蒸気とを熱交換させ
るように構成されている。そして、空気加熱路(35)で
は、その内部を流通する室内空気が外部で凝縮する水蒸
気の凝縮熱によって加熱される。また、水蒸気放出部
(30)には、排水管(48)が接続されている。この排水
管(48)は、空気加熱路(35)の室内空気との熱交換に
よって生じた凝縮水を常圧蒸気空間(34)から排出す
る。
【0114】−運転動作− 暖房運転時の動作について説明する。
【0115】蒸発部(10)の水側空間(14)では、熱源
水の一部が残りの熱源水から蒸発潜熱を奪って蒸発す
る。蒸発した水蒸気は、透湿膜(11)を透過して第1低
圧空間(12)へ移動する。一方、給水管(24)からは、
蒸発量に見合った量の水が蒸発部(10)の水側空間(1
4)に補給される。
【0116】上記第1低圧空間(12)の水蒸気は、圧縮
機(50)に吸引される。圧縮機(50)は、吸引した水蒸
気を圧縮して昇圧させ、昇圧後の水蒸気を水蒸気放出部
(30)の第2低圧空間(32)へ送り込む。第2低圧空間
(32)の水蒸気は、透湿膜(31)を透過して大気圧状態
の常圧蒸気空間(34)へ移動する。
【0117】一方、空気加熱路(35)には、室内空気が
送り込まれる。この室内空気は、空気加熱路(35)を流
れる間に常圧蒸気空間(34)の水蒸気と熱交換を行う。
そして、空気加熱路(35)の外部で水蒸気が凝縮すると
共に、空気加熱路(35)内の室内空気が水蒸気の凝縮熱
によって加熱される。加熱された室内空気は、その後、
室内空間(200)に供給される。
【0118】−実施形態6の変形例1− 本実施形態の変形例1は、水蒸気放出部(30)の常圧蒸
気空間(34)で生じた凝縮水を排出するのに代えて、該
凝縮水を蒸発部(10)の水側空間(14)へ戻すようにし
たものである。
【0119】図12に示すように、本変形例1では、戻
し配管(36)が設けられている。この戻し配管(36)に
は、水ポンプ(37)が設けられている。また、戻し配管
(36)は、入口端が水蒸気放出部(30)に接続されて常
圧蒸気空間(34)内の凝縮水を取り込むと共に、出口端
が蒸発部(10)に接続されて取り込んだ凝縮水を水側空
間(14)に送り込む。
【0120】本変形例によれば、蒸発部(10)と水蒸気
放出部(30)との間で水を循環させることができ、外部
から水を補給することなく運転を行うことが可能とな
る。
【0121】−実施形態6の変形例2− 本実施形態の変形例2は、蒸発部(10)及び給水管(2
4)の構成を変更するものである。
【0122】図13に示すように、上記蒸発部(10)
は、密閉容器状に形成され、その内部空間が第1低圧空
間(12)に構成されている。第1低圧空間(12)は、所
定の減圧状態とされている。つまり、第1低圧空間(1
2)内の圧力は、大気圧よりも低い所定値に設定されて
いる。第1低圧空間(12)の底部には、熱源水が貯留し
ている。そして、蒸発部(10)は、第1低圧空間(12)
に貯留する熱源水の一部が残りの熱源水から蒸発潜熱を
奪って蒸発するように構成されている。また、給水管
(24)は、蒸発分に見合った量の水を第1低圧空間(1
2)に補給するように構成されている。この給水管(2
4)は、第1低圧空間(12)内に水を散布するように構
成されている。
【0123】
【発明の実施の形態7】本発明の実施形態7は、本発明
に係るヒートポンプで生成する温熱を利用して暖房を行
うと同時に加湿も行う空調機である。
【0124】図14に示すように、上記空調機は、蒸発
部(10)と、昇圧手段である圧縮機(50)と、水蒸気放
出部(30)と、凝縮部(40)とを備えている。蒸発部
(10)は、吸入配管(53)を介して圧縮機(50)の吸入
側に接続されている。圧縮機(50)の吐出側には、吐出
配管(52)が接続されている。吐出配管(52)は他端側
で第1分岐管(56)と第2分岐管(57)とに分岐され、
第1分岐管(56)が水蒸気放出部(30)に、第2分岐管
(57)が凝縮部(40)にそれぞれ接続されている。ま
た、第1分岐管(56)には第1蒸気弁(58)が設けら
れ、第2分岐管(57)には第2蒸気弁(59)が設けられ
ている。
【0125】上記蒸発部(10)は、密閉容器状に形成さ
れている。蒸発部(10)の内部は、透湿膜(11)によっ
て第1低圧空間(12)と水側空間(14)とに仕切られて
いる。第1低圧空間(12)は、所定の減圧状態(例えば
6.5mmHg程度)とされている。この第1低圧空間(1
2)には、上記吸入配管(53)が開口している。
【0126】蒸発部(10)の透湿膜(11)は、水蒸気透
過性高分子膜又は水蒸気透過性無機材料膜から成り、水
蒸気を透過させるように構成されている。一方、水側空
間(14)には熱源水が満たされ、この熱源水が上記透湿
膜(11)の表面と接触する。この水側空間(14)は、大
気圧状態とされている。そして、上記蒸発部(10)は、
水側空間(14)の熱源水から蒸発した水蒸気が透湿膜
(11)を透過して第1低圧空間(12)へ移動するように
構成されている。
【0127】また、蒸発部(10)には給水管(24)が接
続されている。この給水管(24)は、蒸発分に見合った
量の水を第1低圧空間(12)に補給するように構成され
ている。
【0128】上記圧縮機(50)は、蒸発部(10)の第1
低圧空間(12)から水蒸気を吸引し、吸引した水蒸気を
圧縮して昇圧させる。この圧縮機(50)は、昇圧した水
蒸気を吐出配管(52)へ送り込む。
【0129】上記水蒸気放出部(30)は、室内空間(20
0)に設置されている。この水蒸気放出部(30)は、容
器状に形成され、その内部には透湿膜(31)によって第
2低圧空間(32)が区画されている。この第2低圧空間
(32)には、吐出配管(52)の第1分岐管(56)が開口
している。従って、第2低圧空間(32)には、圧縮機
(50)で昇圧された水蒸気がの一部導入される。また、
水蒸気放出部(30)では、透湿膜(31)を挟んで第2低
圧空間(32)と反対側に第2空気空間(33)が形成され
ている。この第2空気空間(33)には、大気である室内
空気が導入され、この室内空気が透湿膜(31)の表面と
接触する。上記透湿膜(31)は、蒸発部(10)のものと
同様に、水蒸気を透過させるように構成されている。そ
して、水蒸気放出部(30)は、透湿膜(31)を透過させ
て水蒸気を第2低圧空間(32)から室内空気中へ放出す
るように構成されている。
【0130】上記凝縮部(40)は、密閉容器状に形成さ
れている。凝縮部(40)の内部は、透湿膜(41)によっ
て第3低圧空間(42)と水側空間(43)とに仕切られて
いる。この第3低圧空間(42)には、吐出配管(52)の
第2分岐管(57)が開口している。また、凝縮部(40)
の透湿膜(41)は、蒸発部(10)のものと同様に、水蒸
気を透過させるように構成されている。一方、水側空間
(43)には熱媒水が満たされ、この熱媒水が上記透湿膜
(41)の表面と接触する。この水側空間(43)は、大気
圧状態とされている。そして、凝縮部(40)は、第3低
圧空間(42)の水蒸気を水側空間(43)へ移動させて凝
縮させ、水蒸気の凝縮熱によって熱媒水を加熱するよう
に構成されている。
【0131】上記凝縮部(40)の水側空間(43)には、
利用側回路(45)が接続されている。この利用側回路
(45)は、上記実施形態5のものと同様に構成されてい
る。つまり、利用側回路(45)には、室内熱交換器(4
6)と循環ポンプ(47)とが設けられ、水側空間(43)
と室内熱交換器(46)の間で熱媒水を循環させる。ま
た、室内熱交換器(46)がファンコイルユニットに収納
されて室内空間(200)に設置されている点も、上記実
施形態5と同様である。更に、利用側回路(45)に排水
管(48)が接続されている点も、上記実施形態5と同様
である。
【0132】−運転動作− 暖房運転時の動作について説明する。
【0133】蒸発部(10)の水側空間(14)では、熱源
水の一部が残りの熱源水から蒸発潜熱を奪って蒸発す
る。蒸発した水蒸気は、透湿膜(11)を透過して第1低
圧空間(12)へ移動する。一方、給水管(24)からは、
蒸発量に見合った量の水が蒸発部(10)の水側空間(1
4)に補給される。
【0134】上記第1低圧空間(12)の水蒸気は、吸入
配管(53)を通って圧縮機(50)に吸引される。圧縮機
(50)は、吸引した水蒸気を圧縮して昇圧させ、昇圧後
の水蒸気を吐出配管(52)へ送り込む。吐出配管(52)
に送り込まれた水蒸気は、第1分岐管(56)と第2分岐
管(57)とに分流される。
【0135】第1分岐管(56)へ流入した水蒸気は、水
蒸気放出部(30)の第2低圧空間(32)に導入される。
一方、水蒸気放出部(30)の第2空気空間(33)には、
室内空気が送り込まれる。上記第2低圧空間(32)の水
蒸気は、透湿膜(31)を透過して第2空気空間(33)へ
移動し、第2空気空間(33)の室内空気が加湿される。
加湿された室内空気は、その後、室内に供給される。
【0136】第2分岐管(57)へ流入した水蒸気は、凝
縮部(40)の第3低圧空間(42)に導入される。該第3
低圧空間(42)の水蒸気は、透湿膜(41)を透過して水
側空間(43)へ移動する。移動した水蒸気は、水側空間
(43)の熱媒水と接触して凝縮し、その凝縮熱によって
熱媒水が加熱される。加熱された熱媒水は、室内熱交換
器(46)に送られる。室内熱交換器(46)では、熱媒水
と室内空気とが熱交換し、室内空気が加熱される。放熱
した熱媒水は、再び凝縮部(40)の水側空間(43)に送
られて加熱され、この循環を繰り返す。また、凝縮部
(40)での凝縮分に対応する量の水を排水管(48)から
排出し、利用側回路(45)内の熱媒水の量を一定に保持
する。
【0137】従って、本実施形態によれば、水蒸気放出
部(30)において室内空気の加湿を行うことができる。
このため、室内空気の加熱だけでなく加湿をも行うこと
ができ、快適性の向上を図ることができる。
【0138】
【発明のその他の実施の形態】−第1変形例− 第1変形例は、上記各実施形態における水蒸気放出部
(30)に抽気管(65)を設けるものである。以下、抽気
管(65)の構成について、図15を参照しながら説明す
る。尚、図15は、本変形例に係る抽気管(65)を上記
実施形態3(図5参照)に適用した場合を例示してい
る。
【0139】上記抽気管(65)は、抽気弁(66)を介し
て水蒸気放出部(30)に接続されている。この抽気管
(65)は、一端側で第2低圧空間(32)に開口し、他端
側で室外に開口している。抽気管(65)の他端側には、
抽気ポンプ(67)が設けられている。そして、抽気管
(65)は、第2低圧空間(32)の所定位置に開口し、抽
気ポンプ(67)によって第2低圧空間(32)に溜まった
空気等の水蒸気以外のガスを排気する抽気手段を構成す
る。
【0140】−第2変形例− 第2変形例は、上記各実施形態において、圧縮機(50)
に代えて吸収側回路(90)を設けるものである。つま
り、昇圧手段を吸収側回路(90)によって構成するもの
である。以下、吸収側回路(90)の構成について、図1
6を参照しながら説明する。尚、図16は、本変形例に
係る吸収側回路(90)を上記実施形態3(図5参照)に
適用した場合を例示している。
【0141】吸収側回路(90)は、吸収部(91)、再生
部(95)及び溶液ポンプ(99)を備え、吸収部(91)と
再生部(95)の間で吸収溶液を循環させるように構成さ
れている。吸収溶液は、例えば臭化リチウム水溶液や塩
化リチウム水溶液から成り、吸収媒体を構成している。
また、吸収側回路(90)には、溶液熱交換器(100)が
設けられている。この溶液熱交換器(100)は、吸収部
(91)から再生部(95)へ送られる吸収溶液と、再生部
(95)から吸収部(91)へ送られる吸収溶液とを互いに
熱交換させる。
【0142】上記吸収部(91)は、密閉容器状に形成さ
れている。吸収部(91)の内部は、透湿膜(92)によっ
て水蒸気空間(93)と溶液空間(94)とに仕切られてい
る。この透湿膜(92)は、水蒸気を透過させるように構
成されている。上記水蒸気空間(93)は、蒸発部(10)
の第1低圧空間(12)と蒸気配管(51)で接続され、第
1低圧空間(12)の水蒸気が導入される。上記溶液空間
(94)は、吸収溶液で満たされている。溶液空間(94)
に臨む上記透湿膜(92)の表面は、吸収溶液と接触す
る。そして、吸収部(91)は、水蒸気空間(93)の水蒸
気を溶液空間(94)へ移動させ、該溶液空間(94)の吸
収溶液に吸収させるように構成されている。
【0143】また、吸収部(91)の溶液空間(94)に
は、冷却熱交換器(101)が設置されている。この冷却
熱交換器(101)には、冷却塔などで冷却された冷却水
が供給される。そして、冷却熱交換器(101)は、供給
された冷却水と溶液空間(94)の吸収溶液を熱交換さ
せ、該吸収溶液を冷却するように構成されている。
【0144】上記再生部(95)は、密閉容器状に形成さ
れている。再生部(95)の内部は、透湿膜(96)によっ
て水蒸気空間(97)と溶液空間(98)とに仕切られてい
る。この透湿膜(96)は、水蒸気を透過させるように構
成されている。上記溶液空間(98)は、吸収溶液で満た
されている。溶液空間(98)に臨む上記透湿膜(96)の
表面は、吸収溶液と接触する。一方、上記水蒸気空間
(97)は、水蒸気放出部(30)の第2低圧空間(32)と
蒸気配管(51)で接続されている。この再生部(95)
は、溶液空間(98)の吸収溶液を加熱し、該吸収溶液を
再生するように構成されている。また、再生部(95)
は、溶液空間(98)の吸収溶液から蒸発した水蒸気を水
蒸気空間(97)へ移動させ、水蒸気空間(97)の水蒸気
を水蒸気放出部(30)の第2低圧空間(32)へ送り込
む。
【0145】そして、吸収側回路(90)は、吸収部(9
1)の溶液空間(94)と再生部(95)の溶液空間(98)
との間で吸収溶液を循環させ、蒸発部(10)の第1低圧
空間(12)から吸引した水蒸気を昇圧して水蒸気放出部
(30)の第2低圧空間(32)へ送り込む。
【0146】具体的に、蒸発部(10)の第1低圧空間
(12)の水蒸気は、吸収部(91)の水蒸気空間(93)へ
導入される。吸収部(91)の水蒸気空間へ送り込まれた
水蒸気は、透湿膜(92)を透過して溶液空間(94)の吸
収溶液に吸収される。水蒸気を吸収して濃度低下した吸
収溶液は、溶液ポンプ(99)によって再生部(95)の溶
液空間(98)に送られる。その間、該吸収溶液は、溶液
熱交換器(100)において再生部(95)で再生された吸
収溶液と熱交換して予熱され、その後に再生部(95)の
溶液空間(98)へ送られる。
【0147】再生部(95)の溶液空間では、吸収溶液が
加熱される。加熱された吸収溶液からは水分が蒸発し、
該吸収溶液が再生される。再生されて濃度上昇した吸収
溶液は、吸収部(91)の溶液空間(94)へと送り返され
る。一方、吸収溶液から蒸発した水蒸気は、透湿膜(9
6)を透過して水蒸気空間(97)へ移動する。該水蒸気
空間(97)の水蒸気は、その後、凝縮部(40)の第2低
圧空間(32)へ送り込まれる。つまり、吸収側回路(9
0)は、蒸発部(10)の第1低圧空間(12)から低圧の
水蒸気を吸引する一方、この吸引した水蒸気よりも圧力
の高い水蒸気を水蒸気放出部(30)の第2低圧空間(3
2)へ送り込む。
【0148】−第3変形例− 第3変形例は、上記各実施形態において、圧縮機(50)
に代えてボイラ(115)とエゼクタ(110)とを設けるも
のである。つまり、昇圧手段を、水蒸気発生手段である
ボイラ(115)とエゼクタ(110)とによって構成するも
のである。以下、本変形例における昇圧手段の構成につ
いて、図17及び図18を参照しながら説明する。尚、
図17は、本変形例に係る昇圧手段を上記実施形態3
(図5参照)に適用した場合を例示している。
【0149】上記ボイラ(115)は、水を加熱して水蒸
気を発生させるように構成されている。このボイラ(11
5)は、エゼクタ(110)に水蒸気を供給している。尚、
ボイラ(115)で生成される水蒸気の圧力は、水蒸気放
出部(30)の第2低圧空間(32)における水蒸気の圧力
よりも高く設定されている。
【0150】上記エゼクタ(110)は、図18に示すよ
うに、管状に構成されている。エゼクタ(110)には、
一端側における端面に導入口(111)が形成され、側面
に吸引口(112)が形成されている。また、エゼクタ(1
10)は、他端面に排出口(113)が開口している。更
に、エゼクタ(110)は、一端側から他端側に向かっ
て、直径が縮小した後に拡大する形状に形成されてい
る。
【0151】上記エゼクタ(110)は、導入口(111)が
上記ボイラ(115)と接続され、吸引口(112)が蒸発部
(10)の第1低圧空間(12)と接続され、排出口(11
3)が水蒸気放出部(30)の第2低圧空間(32)と接続
されている。そして、エゼクタ(110)は、導入口(11
1)から送り込まれた水蒸気を高速で噴出させ、この噴
流によって吸引口(112)から水蒸気を吸引する。ま
た、エゼクタ(110)内では第1低圧空間(12)から吸
引された水蒸気とボイラ(115)から供給された水蒸気
とが合流し、合流後の水蒸気が排出口(113)から第2
低圧空間(32)に送り込まれる。つまり、エゼクタ(11
0)から第2低圧空間(32)へ送られる水蒸気の圧力
は、第1低圧空間(12)における水蒸気の圧力よりも高
くなっている。従って、ボイラ(115)及びエゼクタ(1
10)が昇圧手段を構成している。
【0152】以上の構成により、本変形例によれば、ボ
イラ(115)で水蒸気を発生させることによって空調機
を運転することができる。つまり、電力を用いることな
く、熱のみによって空調機を駆動することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空調機の概略構成図である。
【図2】実施形態1に係る空調機の圧縮機における昇圧
比の削減を説明するための乾球温度と水蒸気圧との関係
図である。
【図3】実施形態1の変形例に係る空調機の概略構成図
である。
【図4】実施形態2に係る空調機の概略構成図である。
【図5】実施形態3に係る空調機の概略構成図である。
【図6】実施形態3及び4に係る空調機における室内空
気の冷却過程を説明するための湿り空気線図である。
【図7】実施形態3に係る空調機の圧縮機における昇圧
比の削減を説明するための乾球温度と水蒸気圧との関係
図である。
【図8】実施形態4に係る空調機の概略構成図である。
【図9】実施形態5に係る空調機における冷房運転時の
状態を示す概略構成図である。
【図10】実施形態5に係る空調機における暖房運転時
の状態を示す概略構成図である。
【図11】実施形態6に係る空調機の概略構成図であ
る。
【図12】実施形態6の変形例1に係る空調機の概略構
成図である。
【図13】実施形態6の変形例2に係る空調機の概略構
成図である。
【図14】実施形態7に係る空調機の概略構成図であ
る。
【図15】その他の実施形態(第1変形例)に係る空調
機の概略構成図である。
【図16】その他の実施形態(第2変形例)に係る空調
機の概略構成図である。
【図17】その他の実施形態(第3変形例)に係る空調
機の概略構成図である。
【図18】その他の実施形態(第3変形例)に係るエゼ
クタの概略構成図である。
【符号の説明】
(10) 蒸発部 (11) 透湿膜 (12) 第1低圧空間 (13) 第1空気空間 (15) 水蒸気分離部 (25) 加湿冷却部 (30) 水蒸気放出部 (31) 透湿膜 (32) 第2低圧空間 (35) 空気加熱路(加熱手段) (40) 凝縮部 (41) 透湿膜 (42) 第3低圧空間 (50) 圧縮機(昇圧手段) (65) 抽気手段 (90) 吸収側回路(昇圧手段) (110) エゼクタ (115) ボイラ(水蒸気発生手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 隆一 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 渡部 裕司 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 米本 和生 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 Fターム(参考) 3L050 BB07 BB12 BB20 3L054 BE10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の減圧状態とされる第1低圧空間
    (12)を有し、該第1低圧空間(12)内で水を蒸発させ
    る蒸発部(10)と、 上記第1低圧空間(12)から水蒸気を吸引して昇圧させ
    る昇圧手段(50,90)と、 水蒸気を透過させる透湿膜(31)により区画されて上記
    昇圧手段(50,90)で昇圧された水蒸気が導入される第
    2低圧空間(32)を有し、上記透湿膜(31)を透過させ
    て第2低圧空間(32)から水蒸気を排出する水蒸気放出
    部(30)とを備えているヒートポンプ。
  2. 【請求項2】 水蒸気を透過させる透湿膜(11)によっ
    て第1低圧空間(12)が区画され、該第1低圧空間(1
    2)を所定の減圧状態とし、且つ上記透湿膜(11)にお
    ける第1低圧空間(12)と反対側の表面を水と接触させ
    て、該水から蒸発した水蒸気を第1低圧空間(12)側へ
    移動させる蒸発部(10)と、 上記第1低圧空間(12)から水蒸気を吸引して昇圧させ
    る昇圧手段(50,90)と、 水蒸気を透過させる透湿膜(31)により区画されて上記
    昇圧手段(50,90)で昇圧された水蒸気が導入される第
    2低圧空間(32)を有し、上記透湿膜(31)を透過させ
    て第2低圧空間(32)から水蒸気を排出する水蒸気放出
    部(30)とを備えているヒートポンプ。
  3. 【請求項3】 水蒸気を透過させる透湿膜(11)により
    仕切られて第1低圧空間(12)と空気空間(13)とが区
    画され、上記第1低圧空間(12)を所定の減圧状態と
    し、且つ上記空気空間(13)に空気及び水を導入し、上
    記空気空間(13)における水の蒸発により空気を冷却す
    ると共に空気空間(13)の水蒸気を第1低圧空間(12)
    へ移動させる蒸発部(10)と、 上記第1低圧空間(12)から水蒸気を吸引して昇圧させ
    る昇圧手段(50,90)と、 水蒸気を透過させる透湿膜(31)により区画されて上記
    昇圧手段(50,90)で昇圧された水蒸気が導入される第
    2低圧空間(32)を有し、上記透湿膜(31)を透過させ
    て第2低圧空間(32)から水蒸気を排出する水蒸気放出
    部(30)とを備えているヒートポンプ。
  4. 【請求項4】 水蒸気を透過させる透湿膜(11)によっ
    て第1低圧空間(12)が区画され、該第1低圧空間(1
    2)を所定の減圧状態とし、且つ上記透湿膜(11)にお
    ける第1低圧空間(12)と反対側の表面を被冷却空気と
    接触させて、該被冷却空気中の水蒸気を第1低圧空間
    (12)側へ移動させる水蒸気分離部(15)と、 上記第1低圧空間(12)から水蒸気を吸引して昇圧させ
    る昇圧手段(50,90)と、 水蒸気を透過させる透湿膜(31)により区画されて上記
    昇圧手段(50,90)で昇圧された水蒸気が導入される第
    2低圧空間(32)を有し、上記透湿膜(31)を透過させ
    て第2低圧空間(32)から水蒸気を排出する水蒸気放出
    部(30)と、 上記水蒸気分離部(15)から供給された被冷却空気を加
    湿によって冷却する加湿冷却部(25)とを備えているヒ
    ートポンプ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか1記載のヒート
    ポンプにおいて、 水蒸気放出部(30)は、透湿膜(31)における第2低圧
    空間(32)と反対側の表面を大気と接触させて上記第2
    低圧空間(32)の水蒸気を大気中へ放出するように構成
    されているヒートポンプ。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のヒートポンプにおいて、 水蒸気を透過させる透湿膜(41)によって第3低圧空間
    (42)が区画される一方、上記昇圧手段(50,90)で昇
    圧された水蒸気を第3低圧空間(42)へ導入し、且つ上
    記透湿膜(41)における第3低圧空間(42)と反対側の
    表面を水と接触させ、上記第3低圧空間(42)の水蒸気
    が透湿膜(41)を透過して凝縮するように構成された凝
    縮部(40)を備え、 上記凝縮部(40)における水蒸気の凝縮熱を利用して対
    象物を加熱する動作を行うように構成されているヒート
    ポンプ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のヒートポンプにおいて、 対象物を加熱する動作と、蒸発部(10)における水の蒸
    発潜熱を利用して対象物を冷却する動作とを切り換えて
    行うように構成されているヒートポンプ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4の何れか1記載のヒート
    ポンプにおいて、 水蒸気放出部(30)の第2低圧空間(32)から排出され
    た水蒸気の凝縮熱によって対象物を加熱する加熱手段
    (35)とを備えているヒートポンプ。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のヒートポンプにおいて、 加熱手段(35)での対象物の加熱に伴って生じた凝縮水
    を蒸発部(10)へ供給するように構成されているヒート
    ポンプ。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9の何れか1記載のヒー
    トポンプにおいて、 第2低圧空間(32)の抽気を行う抽気手段(65)を備え
    ているヒートポンプ。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10の何れか1記載のヒ
    ートポンプにおいて、 昇圧手段(50)は、吸引した水蒸気を圧縮して昇圧させ
    る圧縮機(50)により構成されているヒートポンプ。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10の何れか1記載のヒ
    ートポンプにおいて、 昇圧手段(90)は、吸湿と放湿とを行う吸収媒体を備
    え、吸収媒体の吸湿によって水蒸気を吸引し、吸収媒体
    を加熱して放湿させることによって水蒸気を昇圧させる
    ように構成されているヒートポンプ。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至10の何れか1記載のヒ
    ートポンプにおいて、 昇圧手段は、加熱により水蒸気を発生させる水蒸気発生
    手段(115)と、該水蒸気発生手段(115)で発生した水
    蒸気の噴流によって第1低圧空間(12)から水蒸気を吸
    引するエゼクタ(110)とより構成されているヒートポ
    ンプ。
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