JP2001073294A - 製紙用填料水性スラリー及びその製造方法 - Google Patents

製紙用填料水性スラリー及びその製造方法

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Shuichi Arai
修一 新井
Kenji Tsunekawa
謙二 常川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量に産出される製紙スラッジの焼却灰を製
紙用填料として有効利用し、各製紙会社で排出される産
業廃棄物の量を減少させ、よって廃棄処分に要する経費
を削減することを目的とする。 【解決手段】 中心粒子径2μm以下の粒度をもつ製紙
スラッジ焼却灰を、その焼却灰の重量に基づき0.01
〜1重量%の割合の、HLB4〜10の非イオン性界面
活性剤の少なくとも1種とともに、水性媒体に分散させ
た製紙用填料水性スラリーとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、これまで産業廃棄
物として処分されていた、製紙工場からの排水スラッジ
や故紙の再生の際に生じる廃紙スラッジの焼却灰を成分
として利用した製紙用填料水性スラリー及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製紙工場からの排水スラッジや故紙の再
生過程で発生する廃紙スラッジは、通常焼却され、その
焼却灰は産業廃棄物として処分されるが、その処分費用
は各製紙会社が負担しなければならないため、それを何
らかの原料として利用することにより、出費を軽減する
ことがはかられている。そしてこれまでに、建設工事に
おける排出泥土の脱水促進剤、建材用石膏ボードの補強
剤、成形用材料増量剤、コンクリート用添加剤、肥料配
合剤などとして利用が試みられているが、大量に産出さ
れる製紙スラッジを消費するためには、とうてい追い付
けないのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大量に産出
される製紙スラッジの焼却灰を製紙用填料として有効利
用し、各製紙会社で排出される産業廃棄物の量を減少さ
せ、よって廃棄処分に要する経費を削減することを目的
としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、製紙工程
で発生するスラッジの焼却灰を製紙用填料として再利用
するために鋭意研究を重ねた結果、通常使用されている
製紙用填料よりも重量が重いために水に分散しにくい製
紙スラッジ焼却灰を所定の粒度に調整したものは、ある
種の界面活性剤により容易に分散させることができ、内
填料や紙塗工液として十分に使用しうる濃度の水性スラ
リーが得られることを見出し、この知見に基づいて本発
明をなすに至った。
【0005】すなわち、本発明は、中心粒子径2μm以
下の粒度をもつ製紙スラッジ焼却灰を、その焼却灰の重
量に基づき0.01〜1重量%の割合の、HLB4〜1
0の非イオン性界面活性剤の少なくとも1種あるいは所
望に応じさらに水性スラリーの全重量に基づき0.8〜
2重量%の割合の製紙用填料分散剤とともに、水性媒体
中に分散させてなる製紙用填料水性スラリーを提供する
ものである。このような製紙用填料水性スラリーは、例
えば製紙スラッジ焼却灰を中心粒子径2μm以下の粒度
になるまで磨砕し、それを水性媒体中に焼却灰の重量に
基づき0.01〜1重量%の、HLB4〜10の非イオ
ン性界面活性剤とともに加え、所望に応じさらに得られ
る水性スラリー全重量に基づき0.8〜2重量%の製紙
用填料分散剤を添加して混合し、各成分を均一に分散さ
せることによって製造することができる。ここで中心粒
子径が2μm以下とは、全粒子の50重量%以上が粒子
径2μm以下を有することを意味する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、填料原料として
用いる製紙スラッジ焼却灰は、抄紙工程や故紙パルプ再
生工程で発生する排水スラッジ、廃紙スラッジを焼却し
て得られる灰であり、これは例えばこれらの工程からの
排水から、ろ過や遠心分離により分別された固形分に重
油を含浸させて燃焼させたり、あるいはこの固形分を流
動床焼却炉を用いて焼却することによって得られる。
【0007】この製紙スラッジ焼却灰は、SiO2、A
23、Fe23、Na2O、MgO、K2O、CaOな
どの無機質成分からなる製紙用填料として用いられてい
る炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどと類
似した組成を有しているが、これらに比べ比重が大きい
ため、このままで高濃度で水に加えた場合、分散性が低
く、安定した水性スラリーを得ることができない。
【0008】したがって、本発明水性スラリーにおいて
は、これを中心粒子径が2μm以下の粒度、すなわち全
粒子の50重量%以上が粒子径2μm以下になるまで摩
砕したものを用いることが必要である。これは、例えば
ボールミル、乳鉢により、少なくとも4時間摩砕処理す
ることによって得られる。中心粒子径が2μmよりも大
きい粒度をもつものは、水性媒体中に50重量%以上の
濃度で分散させることが困難で、安定な水性スラリーを
得ることができない。65重量%以上の高濃度の水性ス
ラリーを調製する場合には、中心粒子径を1μm以下に
するのが好ましい。
【0009】次に、本発明水性スラリーにおいては、上
記のようにして得た製紙スラッジ焼却灰をHLB4〜1
0の非イオン性界面活性剤によって水性媒体中に分散さ
せる。HLB(Hydrophilic−Lipoph
ilic Balance)は、界面活性剤の親水性と
親油性の均衡度を示すパラメータであり、エチレンオキ
シド系非イオン性界面活性剤の場合は、式
【数1】 (式中Eは、ポリオキシエチレン部分の重量分率)を用
いて、また多価アルコール系非イオン性界面活性剤の場
合は、式
【数2】 (式中Sは、多価アルコールエステルのけん化価、Aは
脂肪酸の中和価)を用いて求めることができる。
【0010】本発明水性スラリーにおいては、非イオン
性界面活性剤の中で、特にこのHLBが4〜10の範囲
にあるものを用いることが必要であり、このHLBが4
よりも低いと浸透力、湿潤力が低下する上、消泡作用が
強くなるため水に対する溶解性が減少するし、またHL
Bが10よりも高くなると起泡力が大きくなり、かつ浸
透力が低下する。水に対する溶解性、浸透力、湿潤力及
び泡立ち性の点で好ましいのはHLB5〜9の範囲のも
のである。
【0011】このような非イオン性界面活性剤として
は、例えばモノオレイン酸ソルビタンエステル(HLB
4.3)、モノステアリン酸ソルビタンエステル(HL
B4.7)、モノパルミチン酸ソルビタンエステル(H
LB7.7)、モノウラリン酸ソルビタンエステル(H
LB8.6)、モノオレイン酸ジエチレングリコールエ
ステル(HLB4.7)、モノステアリン酸ジエチレン
グリコールエステル(HLB4.7)、モノラウリン酸
ジエチレングリコールエステル(HLB6.1)、モノ
ステアリン酸テトラエチレングリコールエステル(HL
B7.7)、モノオレイン酸テトラエチレングリコール
エステル(HLB7.7)、モノラウリン酸テトラエチ
レングリコールエステル(HLB9.4)、モノステア
リン酸ヘキサエチレングリコールエステル(HLB9.
1)などがある。これらの中で、焼却灰の表面を効果的
に湿潤させるという点で、特にポリエチレンオキシド鎖
をもつもの、例えば脂肪酸のポリグリコールエステルが
好適である。
【0012】この非イオン性界面活性剤は、製紙スラッ
ジ焼却灰の重量に基づき0.01〜1重量%の範囲で用
いることが必要である。これよりも量が少ないと水性媒
体に対する製紙スラッジ焼却灰の分散性が低くなり、高
濃度のスラリーを得ることができないし、またこれより
も量が多くなると非イオン性界面活性剤自体が水性媒体
に溶解しにくくなり、十分な分散性を付与することがで
きない。非イオン性界面活性剤の好ましい使用量は、製
紙スラッジ焼却灰の重量に基づき0.1〜0.5重量%
の範囲である。
【0013】本発明水性スラリーにおいては、HLB4
〜10の非イオン性界面活性剤のみを用いても製紙スラ
ッジ焼却灰を分散することができるが、この場合のスラ
リーの濃度は63重量%程度が限度であり、粘度もかな
り高くなる。したがって、さらに高いスラリー濃度を得
るとともに、粘度を低くするために、製紙用填料分散剤
を併用するのが好ましい。
【0014】この製紙用填料分散剤は、一般に製紙工程
において填料を分散させる際に慣用されているものの中
から任意に用いることができる。このようなものとして
は、例えばポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸とマ
レイン酸との共重合体のナトリウム塩や、オキソリン酸
ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸
ナトリウムのような各種リン酸のナトリウム塩やケイ酸
ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムのような各種ケイ酸
のナトリウム塩がある。非イオン性界面活性剤として脂
肪酸のポリエチレングリコールエステルを用いる場合に
は、高濃度で比較的粘度の低い水性スラリーを与える点
で特にポリアクリル酸ナトリウムの併用が好ましい。
【0015】このポリアクリル酸ナトリウムとしては、
分子量1500〜6000、特に4000〜5000の
範囲のものが好ましく、これを用いるとスラリー濃度6
5重量%以上、粘度2000cps以下の水性スラリー
を得ることができる。
【0016】本発明の水性スラリーにおいては、この製
紙用填料分散剤を水性スラリー全重量に基づき0.8〜
2重量%の範囲で用いる必要がある。これよりも少ない
量では製紙スラッジ焼却灰の分散性向上が認められない
し、また、これより多くしても水性スラリーについてそ
れ以上の物性向上は得られない。スラリー濃度を65重
量%以上にするためには、この量を水性スラリー全重量
に基づき0.8〜1.5重量%の範囲にするのが好まし
い。本発明の水性スラリーには、所望の物性が損なわれ
ない範囲で、必要に応じ増粘剤、消泡剤、耐水化剤、着
色剤など通常の水性スラリーに慣用されている添加剤を
適宜含有させることができる。
【0017】次に、本発明の製紙用填料水性スラリー
は、少なくとも所定の製紙スラッジ焼却灰と所定の非イ
オン性界面活性剤と所望成分の製紙用填料分散剤とを水
性媒体中に加え、通常用いられている粉砕兼用混合機に
より十分に粉砕し、混合することにより製造することが
できる。この場合、スラリー中の焼却灰の濃度を60重
量%程度のものを調製しようとするならば、特に焼却
灰、非イオン性界面活性剤及び所望により用いられる製
紙用填料分散剤を水性媒体中に同時添加し、かきまぜて
混合し、スラリー化すればよいが、スラリー中の焼却灰
濃度が60重量%を越えるものを調製しようとする場合
には、各成分の添加順序を選ぶ必要がある。
【0018】すなわち、水性媒体に最初に焼却を加え、
非イオン性界面活性剤は焼却灰と同時か又は焼却灰添加
後に加え、最後に製紙用填料分散剤を加える。このよう
にして、スラリー濃度60重量%を越えるものを得るこ
とができるが、さらにスラリー濃度を65重量%以上に
するには、製紙用填料分散剤の添加量を0.8重量%以
上にする必要がある。
【0019】また、水性スラリー中の非イオン性界面活
性剤と製紙用填料分散剤との合計量を0.5ないし2.
5重量%程度にすることにより、抄紙工程で使用される
白水や塗工紙の製造に使用される紙塗工液を調製する場
合に他の成分を配合しやすいものを得ることができる。
【0020】本発明の水性スラリーは、抄紙用白水や紙
塗工液として利用することができる。本発明の水性スラ
リーを用いて白水を製造するには、この水性スラリーに
パルプ繊維(GP、KP、TMP、脱墨パルプなど)を
加え、かきまぜ混合する。このとき、製紙スラッジ焼却
灰が填料の役割を果すが、目的とする紙の種類に応じ所
望によりさらにクレイ、炭酸カルシウム、カオリンなど
の填料を加えることもできる。また目的とする紙の種類
に応じてサイズ剤、紙力増強剤、バンド、歩留向上剤を
配合することもできる。このようにして調製した白水を
抄紙機で抄くことにより各種紙を製造することができ
る。
【0021】この白水中に含有される各成分の配合割合
は、目的とする紙の種類により適宜選択され、例えば、
pH4.0〜4.7の酸性抄造の場合は、パルプ繊維に
対し、填料1〜5重量%、HLB4〜10の非イオン性
界面活性剤と製紙用填料分散剤の合計量0.05〜1重
量%、サイズ剤0.02〜0.1重量%、紙力増強剤
0.2〜0.5重量%、歩留向上剤0.01〜0.05
重量%、バンド10〜20重量%の割合にするのがよ
い。また、pH7.0〜9.0の範囲のような中性抄造
においても、その成分を適当に選ぶことにより新聞紙や
上質紙などを製造することができる。
【0022】他方、本発明の水性スラリーを利用し、紙
塗工液を調製するには、この水性スラリーにバインダー
を添加し、かきまぜ混合する。この際用いられるバイン
ダーについては特に制限はなく、従来紙塗工液に慣用さ
れている合成若しくは天然高分子のラテックス又は溶液
などを使用することができる。このような高分子物質と
しては、例えばスチレン−ブタジエン系共重合体、スチ
レン−アクリル系共重合体、酢酸ビニル−アクリル系共
重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、ブタジエン
−メチルメタクリレート系共重合体、酢酸ビニル−ブチ
ルアクリレート、スチレン−無水マレイン酸系共重合
体、アクリル酸−メチルメタクリレート系共重合体、酸
化デンプン、エステル化デンプン、エーテル化デンプ
ン、酵素変性デンプン、カゼイン、大豆タンパクなどが
挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、填料10
0重量部当り、通常3〜30重量部、好ましくは5〜2
0重量部の範囲で選ばれる。そして、水性スラリー中の
焼却灰が填料として作用するが、目的とする紙の種類に
応じ、所望によりクレー、炭酸カルシウム、カオリン、
タルク、酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛、水酸化アルミ
ニウム、白土、レーキ、合成プラスチック顔料などの填
料を添加してもよい。塗工液中の各成分の割合は填料に
対し、非イオン性界面活性剤と製紙用填料分散剤の合計
量が0.1〜1重量%になる範囲で適宜選択される。ま
た、紙塗工液を調製する際には、紙塗工液中の製紙スラ
ッジ焼却灰又は所望により併用される填料の配合量は、
通常塗工液全量に基づき、40〜70重量%の範囲で選
ばれる。
【0023】このようにして得られた紙塗工液を紙基材
表面に前記紙塗工液の塗布層を、固形分付着量が2〜3
0g/m2になるように設けることにより塗工紙が得ら
れる。この塗工紙の紙基材としては、例えば上質紙、中
質紙、板紙などが挙げられる。また、塗布層は、これら
の紙基材の片面または両面にブレードコーター、トール
コーター、エアナイフコーターなどを用いる通常の方法
によって前記紙塗工液を塗工し、乾燥処理することによ
り、形成することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、産業廃棄物として未利
用のまま処分されていた製紙スラッジ焼却灰を紙の加工
用原料として再利用することにより、廃棄物の排出量を
減少させ、かつ廃棄に伴う処理費用を削減することがで
きる。また、本発明によると、スラリー濃度が65重量
%を越える水性スラリーを得ることができ、しかもB型
粘度を2000cps以下とすることができるため、こ
れを紙塗工液や白水に応用することで品質の優れた塗工
紙や抄紙を得ることができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってんなんら限定さ
れるものではない。なお、各例中のスラリー及び紙の物
性は、下記の方法にしたがって求めた。
【0026】(1)中心粒子径(μm) 津島製作所社製光透過型・遠心沈降式粒度分布測定装置
「SA−CP3型」を用いて、測定モード10〜0.0
2μm、加速度120rpm/分で測定を行った。 (2)B型粘度 TAPPI基準T648 Su−72に従って、回転数
60rpmで、20℃におけるB型粘度を測定した。
【0027】参考例 製紙スラッジ焼却灰を2本自動乳鉢(日陶科学社製,A
NM200W型,上部擦り棒100rpm,下部すり器
6rpm,器 直径20cm,深さ12cm)により3
時間、5時間、12時間、20時間の4段階に分けて粉
砕した。得られた焼却灰粒子の物性を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】実施例1 参考例で得た各試料No.1〜4を水に投入し、同時に
非イオン性界面活性剤(旭電化工業社製,商品名「プル
ロニックL−61」,HBL7.2)0.2重量%を添
加し、安定なスラリーとして調製することができた最高
濃度を調べた。次に、上記の非イオン性界面活性剤の添
加後に、さらに製紙用填料分散剤(ソマール社製、ポリ
アクリル酸ナトリウム、商品名「SDA−40K」,分
子量4500)0.3重量%を加え、同様にしてスラリ
ー最高濃度を調べた。この結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】この表から分かるように、中心粒子径が2
μm以下の焼却灰からは50重量%以上の濃度の水性ス
ラリーを得ることができるが、中心粒子径が2μmより
も大きいものからは50重量%以上の濃度の水性スラリ
ーは得られない。
【0032】実施例2〜4、比較例1 参考例で得た試料No.3(中心粒子径0.54μm)
の製紙スラッジ焼却灰を用い、実施例1で用いたのと同
じ非イオン性界面活性剤及び製紙用填料分散剤をそれぞ
れ添加量を変えて添加し、TKオートホモミキサー(特
殊機化工業社製)を用い、4000rpmで15分間か
きまぜることにより水性スラリーを調製した。得られた
水性スラリーのB型粘度を測定し、その結果を表3に示
す。
【0033】
【表3】
【0034】この表から分かるように、非イオン性界面
活性剤の添加量が焼却灰の重量に基づき1重量%を越え
るとスラリーが形成されない。
【0035】実施例5〜14 参考例で得た試料No.2(中心粒子径0.93)と試
料No.3(中心粒子径0.54)の製紙スラッジ焼却
灰をそれぞれ水に添加後、実施例1で用いたのと同じ非
イオン性界面活性剤を添加し、次いで実施例1で用いた
のと同じ製紙用填料分散剤を添加し、全量が100重量
部になるようにしたのち、TKオートホモミキサーを用
い、4000rpmで15分間かきまぜることにより水
性スラリーを製造した。このようにして得た水性スラリ
ーの組成及びB型粘度を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】この表から分かるように、非イオン性界面
活性剤と製紙用填料分散剤とを併用すると、最高濃度6
9重量%の水性スラリーを得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心粒子径2μm以下の粒度をもつ製紙
    スラッジ焼却灰を、その焼却灰の重量に基づき0.01
    〜1重量%の割合の、HLB4〜10の非イオン性界面
    活性剤の少なくとも1種とともに、水性媒体に分散させ
    てなる製紙用填料水性スラリー。
  2. 【請求項2】 非イオン性界面活性剤が高級脂肪酸のポ
    リアルキレンオキシドエステルである請求項1記載の製
    紙用填料水性スラリー。
  3. 【請求項3】 さらに水性スラリー全重量に基づき0.
    8〜2重量%の割合の、製紙用填料分散剤の少なくとも
    1種を含む請求項1又は2記載の製紙用填料水性スラリ
    ー。
  4. 【請求項4】 製紙用填料分散剤がポリアクリル酸ナト
    リウム、アクリル酸とマレイン酸との共重合体のナトリ
    ウム塩、各種リン酸のナトリウム塩又はケイ酸ナトリウ
    ムである請求項3記載の製紙用填料水性スラリー。
  5. 【請求項5】 製紙スラッジ焼却灰を中心粒子径2μm
    以下の粒度になるまで磨砕し、それを焼却灰の重量に基
    づき0.01〜1重量%の、HLB4〜10の非イオン
    性界面活性剤とともに水性媒体中に加えて混合し、各成
    分を均一に分散させることを特徴とする製紙用填料水性
    スラリーの製造方法。
  6. 【請求項6】 製紙スラッジ焼却灰を中心粒子径2μm
    以下の粒度になるまで磨砕し、それを焼却灰の重量に基
    づき0.01〜1重量%の、HLB4〜10の非イオン
    性界面活性剤と、同時に又は順次に水性媒体中に加えた
    のち、得られる水性スラリー全重量に基づき0.8〜2
    重量%の製紙用填料分散剤を添加して混合し、各成分を
    均一に分散させることを特徴とする製紙用填料水性スラ
    リーの製造方法。
  7. 【請求項7】 B型粘度2000cps以下のスラリー
    が得られるように、HLB4〜10の非イオン型界面活
    性剤と製紙用填料分散剤の添加量を調整する請求項6記
    載の製紙用填料水性スラリーの製造方法。
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