JP2001071021A - 軽圧下兼用酸洗設備 - Google Patents
軽圧下兼用酸洗設備Info
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Abstract
延の際に発生する蛇行を防止して、寸法精度、平坦性に
優れた鋼板を製造する。 【解決手段】 単スタンド圧延機10の前に、蛇行を防
止するための複数個のロールからなるロール群18と、
圧延用クーラントの前記ロール群18への逆流を阻止す
るための複数個の流体噴射ノズル20とを配設する。
Description
ケールを連続して除去する酸洗設備のなかで同時に1パ
スの軽圧下を行う軽圧下兼用酸洗設備に関する。
ィンフリースチ−ル等の各種の冷延製品は、熱延工場で
造られた熱延鋼板を酸洗によりスケール除去後冷間圧延
して製造される。従来の酸洗設備においては、熱延鋼板
の表面に付着している酸化スケールを酸洗して除去する
のみで、圧延機を装備していないのが一般的であって、
冷間圧延は酸洗後防錆処理、乾燥して一旦巻き取ったコ
イルを、別ラインにて再び巻き戻して行っていた。こう
した冷間圧延ラインには通常4〜6スタンドからなる多
段冷間圧延機が配備され、60〜80%の高い圧下率で
鋼板を圧延するものである。したがって通常の冷延ライ
ンは高い圧下を必要とする鋼板の製造には好ましいもの
であるが、1〜50%の軽圧下圧延を行う場合には、中
間スタンドを飛ばして圧延を行うための補助機能の設
置、飛ばし圧延への切り替えのための段取り、熱延鋼板
の横持ち搬送等を行う必要が生じ、生産コストを上昇さ
せていた。
延鋼板を製造する方法の欠点を解消するために、特開平
11−57841には、スケール除去装置の後段に1パ
スで圧下率1から50%の圧延を付与する単スタンド圧
延機を配備させた酸洗設備が開示されている。図1にそ
の設備のレイアウトを示すが、上記開示の設備において
は、熱延鋼板をペイオフリール1に挿入した後、アンコ
イラー2により巻き戻して、シャー3、ウエルダー4、
ブライドルロール5、入り側ル−プカー6、ブライドル
ロール7を経て酸洗装置8を通して鋼板表面の酸化スケ
ールを除去し、次いで、ブライドルロール9を経て、単
スタンド圧延機10により鋼板は圧下されて、表面を平
滑にするとともに寸法精度を整える。その後ブライドル
ロール11、出側ル−プカー12、ブライドルロール1
3を経た後、熱延鋼板のエッジをトリマー14でスリッ
トし、検査セクション15、シャー16を経てテンショ
ンリール17に巻き取られる。すなわち、本開示の設備
は、酸洗装置8の後のブライドルロール9−11の間に
単スタンド圧延機10を配備した設備である。
ルの除去効率を上げるために、酸洗装置に入る前にスケ
ール層を粉砕するための高圧下圧延機を配備させた酸洗
設備が開示されている。本開示の設備は、酸洗装置の前
のブライドルロール間に、30%以上の圧下を行うため
の単スタンド圧延機と、粉砕したスケールを吹き飛ばす
ためのスプレー帯とを配備した設備である。
開示技術の如く、熱延鋼板を緊張させるためのブライド
ルロール間に単に単スタンド圧延機のみを配備しただけ
では、鋼板の左右への移動を拘束する力が不十分で、板
厚の僅かの変動が蛇行を引き起し、一旦蛇行が発生する
とこれを終息させるのは極めて困難なことであった。し
たがって従来の開示技術においては、何ら蛇行の発生を
防止するための方策が講じられていないために蛇行が発
生しやすく、板厚の寸法精度が低いのみならず、鋼板が
波打ったり、端部がガイド部材と擦れあって耳割れを起
こしたりする。さらに極端なばあいには鋼板が前後に緊
張される張力に負けて耳割れを起点に破断してしまう等
の問題を有していた。したがって本発明の解決すべき課
題は、熱延鋼板を連続して酸洗する一連の設備の中に単
スタンドの圧延機を設けた軽圧下兼用酸洗設備におい
て、圧延の際に発生する蛇行を防止して、寸法精度、平
坦性に優れた鋼板を安価に製造することである。
欠点に鑑み,発明者らは鋭意研究を重ねた結果、単スタ
ンド圧延機の前に複数本のロールからなるロール群を配
設し、さらに該ロール群に単スタンド圧延機の圧延用ク
ーラント(水と油のエマルジョン液)の逆流を防止する
ための流体噴射ノズルを配設することによって上記課題
を解決した。すなわちロール群により鋼板を緊張させて
鋼板の横方向のずれに対する拘束力を強めるとともに、
圧延機の圧延用クーラントが前記ロール群に流れ込むの
を阻止して、摩擦抵抗の低下による該拘束力の低下を抑
えて、蛇行を防止しようとするものである。
ーラントはスタンド前面から吹き掛けられる。すなわち
多段スタンド冷間圧延機の場合と同じように、単スタン
ド圧延機においても圧延機前面側から少量の潤滑剤を掛
け、後面側からロール冷却用に大量のクーラントを掛け
ると、スタンド後面の水切りが極めて困難となり、板面
上にクーラントが残ってしまい、鋼板が汚れる、錆びる
といった問題が生ずる。したがって、特に単スタンド圧
延機で20〜50%の高い圧下率で冷間圧延を行う場合
には、圧延ロールを冷却するために圧延機の前面側で大
量のクーラントを使用せざるを得ない。この場合スタン
ド前面側で上側圧延ロールに吹き付けられたクーラント
は、鋼板の上に落下し鋼板の両エッジから下に落下する
ほかに、鋼板の上を入り側方向に逆流し、スタンド前面
に設置してある蛇行防止用ロール群をクーラントで濡ら
す。さらに大量のクーラントが流れ込むとロールと鋼板
の間にク−ラント溜まりができてしまい、クーラントに
は油分が含まれているから、ロールの摩擦係数が著しく
低下し、鋼板の横方向の拘束力が低下し、蛇行防止効果
が低下してしまうことになる。そこで本発明において
は、蛇行を防止するための複数本のロールからなるロー
ル群を配設するとともに、さらに単スタンド圧延機の前
面側にクーラントの逆流を阻止するための複数個の流体
噴射ノズルをヘッダーに取り付けて配設する。
は、単スタンド圧延機が配設された鋼板の軽圧下兼用酸
洗設備において、単スタンド圧延機の前に、蛇行を防止
するための複数本のロールからなるロール群と、前記ロ
ールへの圧延用クーラントの逆流を阻止するための複数
個の流体噴射ノズルを配設したことを特徴とする軽圧下
兼用酸洗設備である。
射ノズルよりの流体の噴射角度を水平下向きに15〜7
5°の間として圧延ロール冷却剤の逆流を阻止して蛇行
を防止しようとするものである。
れる流体は、圧延用クーラントをそのまま用いることに
よって、逆流阻止力を損なうことなく、且つ新規に増設
される配管数を極力少なくしてコストの上昇を抑えんと
するものである。
射ノズルをパスラインの上方にのみ設置したことを特徴
とする請求項1に記載の軽圧下兼用酸洗設備である。
に説明する。図2に示すように、酸洗装置8、ブライド
ルロール9のあとに蛇行を防止するための3本のロール
からなるロール群18と、流体噴射ノズル20を複数個
有するヘッダー19を単スタンド圧延機10の前に配設
した。図2におけるブライドルロール9〜11の間の詳
細を図3に示す。酸洗を終えた熱延鋼板はブライドルロ
ール9、および11により緊張状態で単スタンド圧延機
10によって軽圧下圧延される。単スタンド圧延機10
は本図においては補強ロール23、中間ロール24、作
業ロール25の3種のロールを主体に構成されている。
冷間圧延によってこれらのロールは温度がかなり高温ま
で上昇するから、温度上昇を抑えるためのクーラント
が、鋼板とロールの摩擦を減少させるための潤滑剤とし
ての役目も兼ねてヘッダー21に取り付けられた流体噴
射ノズル22から吹き付けられる。
ール24、作業ロール25の上側ロールに吹き付けられ
たクーラントは、鋼板の上に落下し、鋼板の両エッジか
ら下に落下するとともに、鋼板の上を入り側方向に逆流
し蛇行防止のロール群18に流れ込もうとする。そこで
この流れ込みを阻止するために、ロール群18と単スタ
ンド圧延機10の間に、クーラントの逆流を阻止するた
めの複数個の流体噴射ノズル20をヘッダー19に取り
付けて配設する。ヘッダーは鋼板横方向に必要な本数、
すなわち1本でも複数本でも配設してよい。
び逆流防止のために噴射されたクーラントは圧延機下方
のトレイ26により集められて配管27を経てクーラン
トタンク29に回収され、再度ポンプ30により送り出
されて噴射され、循環使用される。
ズルの角度は板の進行方向に向けて水平より下向きに1
5〜75°の間で設置するのが望ましい。15°より小
さい角度ではノズルから鋼板までの距離が長くなって逆
流阻止力が弱まるために、大量の流体を噴射せねばなら
ず効率的ではない。一方75°を越える角度では低速圧
延時や圧延停止時にノズルから噴射した流体が鋼板の上
を逆流することになってしまう。したがってノズルの角
度は板の進行方向に向けて水平下向きに15〜75°の
間とするのが望ましい。
は圧延用クーラントを使用するのが望ましい。高圧のエ
アを噴射しても十分クーラントの逆流を阻止することは
できるが、密度が高い液体を用いることによって、高い
逆流防止効率が得られる。また水を用いた場合には、圧
延用クーラントと混ざって回収後にクーラント中の油の
濃度が低下してしまうので好ましくない。したがってノ
ズルより噴射する流体は圧延用クーラントを使用するの
が望ましい。
防止のロール群の後で、パスラインより上側にのみ設置
すれば十分である。補強ロール、中間ロール、作業ロー
ルの下側ロール冷却用のクーラントはスタンド下に落下
してしまい、クーラントの逆流はないので、パスライン
より上側のみで逆流を阻止すればよいからである。
2に示す如く単スタンドの圧延機を有する軽圧下兼用酸
洗設備に、3本のロールからなるロール群と、複数個の
ノズルを有するヘッダーを、ロール群の最終ロールとの
水平距離を250mm、パスラインとの垂直距離を25
0mmとして配設した。ノズルはスプレー領域が狭く、
スプレーパターンの明確なフラット型スプレーを使用
し、ノズルの取り付けは150mm間隔で横一列に配置
した。そして15μmの酸化スケール厚みを有する板厚
3.2mmの熱延鋼板を酸洗後に25%の圧下率で圧延
を行った。試験としては、圧延ロールに吹き付ける圧延
用クーラントの流量を1400l/min、逆流防止ノ
ズルからのクーラントの流量を100l/minとし、
ノズルの取り付け角度を種々変化させた。そのほかに、
一部の試験においては逆流防止ノズルからクーラントの
替わりにエア、あるいは水を噴射した。流量は100l
/minで同じとした。
1は、ノズルの噴射角度が10°と本発明の範囲を外れ
て小さく、したがってノズルと鋼板の距離が長くなり、
逆流防止効果が小さくなってしまい、蛇行防止用ロール
群にクーラントが流れ込んで板の幅方向の拘束力が小さ
く、したがって蛇行が発生し、鋼板が圧延スタンドに接
触して耳割れが発生した。試験No.2は、ノズルの噴
射角度を15°、試験No.3は、該角度を30°、試
験No.4は、該角度を45°とした実施例であるが、
いずれの試験においても圧延機のクーラントの逆流を阻
止することができ、蛇行の発生はなく、良好な結果を得
ることができた。試験No.5は、ノズルの噴射角度を
60°と設定しクーラントの替わりにエアを噴射した比
較例であるが、圧延用クーラントの逆流を阻止する力が
弱かったために、鋼板の横方向の拘束力が小さくなって
蛇行が発生し鋼板エッジに耳割れが発生した。試験N
o.6は、ノズルの噴射角度60°と設定しクーラント
の替わりに水を噴射した比較例である。圧延用クーラン
トの逆流は阻止できて蛇行は発生しなかったものの、圧
延用クーラント中の油の濃度が低下して潤滑状態が悪く
なり、鋼板が波打ってしわが発生してしまった。これに
対してノズルの噴射角度が60°でクーラントを噴射し
た試験No.7は、蛇行、エッジの耳割れ、しわの発生
はなく、良好な結果を得ることができた。また同様にノ
ズルの噴射角度を75°とした試験No.8も、蛇行の
発生はなく良好な試験の結果であった。しかしながらノ
ズルの噴射角度が80°と本発明の範囲を外れて大きい
試験No.9においては、ノズルから噴射したクーラン
トが蛇行防止用ロール群に流れ込んで摩擦抵抗が減少
し、蛇行が発生してしまった。
ためのロール群ならびに逆流防止用流体噴射ノズルを配
設した軽圧下兼用酸洗設備のレイアウトを示す。すなわ
ちブライドルロール7の後に、蛇行防止用ロール群1
8、流体噴射ノズル20を有するヘッダー19、単スタ
ンド圧延機10の順に配設し、さらにスプレー帯32、
ブライドルロール31、酸洗装置8、ブライドルロール
11を順に従って配設した。該軽圧下兼用酸洗設備を用
いて、2.8mmの熱延鋼板を15%軽圧下後酸洗し
た。本発明に掛かる蛇行防止用ロール群並びに逆流阻止
用流体噴射ノズルを配設したことによって、蛇行の発生
のない良好な圧延を酸洗前に行うことができた。したが
って軽圧下によってスケールに亀裂を入れ、次いでスプ
レー帯32でこれを吹き飛ばすことによって、酸洗時間
を大幅に短縮することができ、同時に寸法精度が高く、
且つ凹凸の少ない表面の平坦な鋼板を安価に製造するこ
とができた。
行を防止するための複数本のロールからなるロール群
と、圧延用クーラントの逆流を阻止するための複数個の
流体噴射ノズルを、軽圧下兼用酸洗設備に配設すること
により、蛇行を発生することなく酸洗前、あるいは酸洗
後に軽圧下することが可能になった。これにより、安価
に鋼板の寸法精度、表面品質を格段に向上させることが
でき、本発明は産業界の発展に寄与するところ大であ
る。
ノズルを配設した本発明の軽圧下兼用酸洗設備の説明図
である。
図である。
ノズルを配設した本発明の軽圧下兼用酸洗設備の説明図
である。
明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】単スタンド圧延機が配設された軽圧下兼用
酸洗設備において、単スタンド圧延機の前に、蛇行を防
止するための複数本のロールからなるロール群と、前記
ロール群への圧延用クーラントの逆流を阻止するための
複数個の流体噴射ノズルを配設したことを特徴とする軽
圧下兼用酸洗設備。 - 【請求項2】流体噴射ノズルよりの流体の噴射角度は、
水平より下向きに15〜75°の間であることを特徴と
する請求項1に記載の軽圧下兼用酸洗設備。 - 【請求項3】噴射される流体は、圧延用クーラントであ
ることを特徴とする請求項1に記載の軽圧下兼用酸洗設
備。 - 【請求項4】流体噴射ノズルは、パスラインの上方にの
み配設したことを特徴とする請求項1に記載の軽圧下兼
用酸洗設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24763499A JP3615431B2 (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 軽圧下兼用酸洗設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24763499A JP3615431B2 (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 軽圧下兼用酸洗設備 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001071021A true JP2001071021A (ja) | 2001-03-21 |
JP3615431B2 JP3615431B2 (ja) | 2005-02-02 |
Family
ID=17166432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24763499A Expired - Fee Related JP3615431B2 (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 軽圧下兼用酸洗設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3615431B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115572978A (zh) * | 2022-10-25 | 2023-01-06 | 本钢板材股份有限公司 | 一种快速且耗酸量低的热轧钢板酸洗方法 |
-
1999
- 1999-09-01 JP JP24763499A patent/JP3615431B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115572978A (zh) * | 2022-10-25 | 2023-01-06 | 本钢板材股份有限公司 | 一种快速且耗酸量低的热轧钢板酸洗方法 |
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