JP3314721B2 - 冷間圧延における圧延潤滑油供給方法及びその装置 - Google Patents

冷間圧延における圧延潤滑油供給方法及びその装置

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JP3314721B2 JP13668398A JP13668398A JP3314721B2 JP 3314721 B2 JP3314721 B2 JP 3314721B2 JP 13668398 A JP13668398 A JP 13668398A JP 13668398 A JP13668398 A JP 13668398A JP 3314721 B2 JP3314721 B2 JP 3314721B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄鋼板を生産する
冷間圧延ラインにおいて、潤滑及び冷却を効率的に行う
圧延潤滑油供給方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯の冷間圧延においてはエマルション
圧延油を用いて潤滑が行われることが多い。給油方式と
しては、例えば「板圧延の理論と実際」(日本鉄鋼協会
発行)208頁に示されているように、循環給油方式と
直接給油方式、あるいはその折衷であるハイブリッド給
油方式がある。循環給油方式では、圧延油を冷却水とあ
らかじめ混合、攪拌して作った低濃度のエマルション圧
延油を循環しながら、潤滑と冷却両方の目的で鋼板ある
いはロールにスプレーする。直接給油方式では、潤滑の
目的で高濃度のエマルション圧延油を鋼板にスプレー
し、冷却の目的で水を主にロールにスプレーする。いず
れの方式もエマルション圧延油を鋼板の上、下面にノズ
ルからスプレーするのが普通である。上面側に供給され
たエマルション圧延油のうち鋼板上面に直接衝突した一
部のエマルション粒子(油滴)が油膜として鋼板に付着
し、付着しなかったエマルション圧延油は鋼板上に溜ま
って鋼板に沿って流れその間にも油分が付着する。水分
や付着しなかった圧延油は板端から落下する。これに対
し、下面側はスプレーにより直接衝突したエマルション
粒子の一部が付着するだけで、溜まることも鋼板に沿っ
て流れることもなく、鋼板下面へ衝突後直ちに落下す
る。このようにスプレーされたエマルション圧延油は鋼
板表面との直接衝突によって一部のエマルション粒子が
鋼板表面に付着するだけであり、特に鋼板下面側は鋼板
上に溜まって付着する油分が無いため鋼板下面側の付着
油量は上面側に比べ格段に少ない。
【0003】特公昭59−24888号公報に通常のエ
マルション圧延油スプレー系統とは別に下面側に10%
以上の濃度の圧延油を噴射し、下面側の付着油量を改善
する方法が示されている。特開昭54−99058号公
報には、フルコーンノズルを用いることにより実質スプ
レー時間を確保してプレートアウト量すなわち付着油量
を改善することが示されている。特公昭58−5731
号公報には連続圧延機各スタンドの出口で低濃度、低温
のエマルションを冷却のために供給し、各スタンド入口
では循環エマルションからの抽出油により高濃度、高温
のエマルションを潤滑のために供給する循環方式が示さ
れている。特開昭61−253101号公報にはロール
入側では、プレートアウト性を改善するために大粒径の
エマルションを供給し、出側では小粒径のエマルション
を供給する方法が示されている。
【0004】特公昭59−22605号公報、特公平5
−86298号公報には、熱間圧延において高温鋼板を
柱状冷却水により冷却する方法が示されている。特公昭
59−1485号公報には樋内に潤滑油を供給し、油脂
分が分離浮上した油脂層中にストリップを通すことによ
り、プレートアウト性を改善する方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、薄鋼板として薄
い板厚、優れた表面品質を有する製品がますます求めら
れており、そのため冷間圧延においては高圧下率、高速
で高能率に、表面欠陥のない薄鋼板を製造する方法の実
現が求められている。冷間圧延において、潤滑や冷却が
不足するとヒートスクラッチなどの表面欠陥だけでな
く、圧延負荷の増大や圧延機の振動であるチャタリング
発生などにつながる。これらを防止、抑制するために
は、高圧、高温、高すべり速度の条件となるロールと鋼
板との接触領域(ロールバイト)で上面側、下面側とも
に潤滑油膜を安定的に形成することと、温度上昇を抑制
するための効率的な冷却が必要となる。
【0006】これに対し、特公昭59−24888号公
報に示される下面側に10%以上の濃度の圧延油を別に
噴射する方法では、下面側の付着油量はある程度増加す
るが、別に高濃度のエマルションを混合、攪拌するタン
クや配管系統が必要になることに加え、圧延油分の消費
量が増加し圧延油原単位が増加する。さらには循環給油
方式でこの方法を適用すると高濃度のエマルションがク
ーラントシステムに混入し、循環系エマルション濃度が
増加し安定圧延操業が行えない。特開昭54−9905
8号公報、特公昭58−5731号公報、特開昭61−
253101号公報には圧延油付着量を増加させる、あ
るいは冷却能力を向上させる圧延油の供給方法やスプレ
ーノズル型式が述べられているが、鋼板の上面側につい
ては効果があるものの、下面側は上述したようにエマル
ション圧延油が鋼板へ衝突後直ちに落下するため、これ
らの方法を適用しても付着油量の改善や冷却能力の向上
がほとんど見られない。すなわち通常のスプレーによる
エマルション圧延油の供給方法では、圧延油の付着効率
が極端に低いことが大きな欠点となっている。
【0007】また特公昭59−22605号公報、特公
平5−86298号公報に示される方法は、熱間圧延に
おける高温鋼板を冷却する方法に関するものであり、潤
滑性の改善や圧延油付着効率を向上させるものではな
い。
【0008】特公昭59−1485号公報に示される方
法は油脂分が分離浮上しやすいエマルション圧延油に対
して、プレートアウト性改善効果は得られるが、油脂分
が浮上分離しにくい圧延油や経時的にエマルション安定
性が変化した場合には、鋼板上に安定した油膜が形成さ
れにくいという欠点がある。そのために冷間圧延におい
て圧下率や速度を落とさざるを得ないために能率が低下
したり、潤滑や冷却不足によりヒートスクラッチ等の表
面欠陥を生じるなど大きな問題となる。
【0009】本発明の目的は、優れた表面品質を有する
薄鋼板を高能率で生産可能とするための冷間圧延方法に
関し、鋼板表面、特に鋼板下面側の潤滑性と冷却性を格
段に改善する方法及びその装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の方法は、鋼帯を冷間圧延する際に、鋼板
の下面にエマルション圧延油を供給(塗油)する方法に
おいて、エマルション圧延油を貯めておく槽を、その液
面と鋼板下面との距離が一定に保持されるように鋼板下
面側に設け、その槽内に液面から所定距離没入した位置
にノズルを配置し、そのノズルから下記(1)式を満足
する流量QNの圧延油を上方に吐出させて、鋼板下面に
槽内の圧延油を同伴流として水柱状に衝突させ、かつ付
着させることを特徴とする冷間圧延における圧延潤滑油
供給方法である。
【0011】QT<QN+QR+QU …(1) 但し、QT:水柱状の噴出流量、QR:鋼板下面に衝突
した後、槽中に落下して戻る流量、QU:鋼板上面やロ
ール等へスプレーされたエマルション圧延油の内、槽内
へ落下あるいは混入する流量。
【0012】(2)本発明の方法は、鋼帯を冷間圧延す
る際に、鋼板の下面にエマルション圧延油を供給する方
法において、エマルション圧延油を貯めておく槽を、そ
の液面と鋼板下面との距離が一定に保持されるように鋼
板下面側に設け、その槽内に液面から所定距離没入した
位置にノズルを配置し、そのノズルからエマルション圧
延油の鋼板下面への衝突速度が5m/秒以下となるよう
に、圧延油を上方に吐出させて、鋼板下面に槽内の圧延
油を同伴流として水柱状に衝突させ、かつ付着させるこ
とを特徴とする冷間圧延における圧延潤滑油供給方法で
ある。
【0013】(3)本発明の装置は、鋼帯を冷間圧延す
る際に、鋼板の下面にエマルション圧延油を供給する手
段を備えた装置であって、液面と鋼板下面との距離が一
定に保持されるように鋼板下面側に設けられた、エマル
ション圧延油を貯めておく槽と、その槽内に液面から所
定距離没入した位置に配置したノズルと、そのノズルか
ら圧延油を上方に吐出させる手段とを具備した冷間圧延
における圧延潤滑油供給装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは上記の課題達成のた
めに、薄鋼板の冷間圧延方法に関し、鋼板表面、特に鋼
板下面側の潤滑性と冷却性を格段に改善する圧延潤滑油
供給方法及びその装置について、鋭意研究を重ねた結
果、以下の知見を得るに至った。
【0015】本発明者らの検討により、従来のスプレー
による鋼板下面側の圧延油付着性、及び冷却能の劣る原
因は、下面側はスプレーにより衝突したエマルション粒
子の一部が付着するだけで、溜まることも鋼板に沿って
流れることもなく、鋼板下面へ衝突後直ちに落下するた
めに、エマルション圧延油の鋼板下面に対する接触面積
及び接触時間が短いこと、言い換えれば鋼板下面への有
効な衝突・接触流量が不足することにある事が分かっ
た。
【0016】そのため、鋼板下面側の圧延油の付着効率
と冷却能を高める方法及びその装置を検討した結果、鋼
板下面側に設けたスプレーノズルを圧延油貯留槽内に設
置し鋼板下面に向かって圧延油を吐出させると、ノズル
からの少ない供給量をもってして槽内の圧延油の同伴流
を付加することにより、大噴出流量を得ることができる
という知見が得られた。
【0017】さらに、本発明者らは、従来のスプレーに
よるエマルション圧延油の供給方法では、鋼板表面への
油分の付着効率が極端に低いことに疑問をもち、鋼板表
面へのエマルション圧延油の衝突による油分の付着機構
を詳細に研究した。従来エマルション圧延油の鋼板表面
への付着(プレートアウト)は、例えば鉄と鋼、54−
148(1977),S699に示されるように、エマ
ルション圧延油中の油滴粒子が鋼板表面に衝突して崩壊
することにより生じるため、衝突速度の高い方がエマル
ションの崩壊が生じ易いとの理由から、操業では潤滑を
改善するためにスプレー噴射圧力を高くするなどの方法
がとられてきた。すなわち通常のポンプ圧範囲2〜10
kg/cm2 の中でできる限り高い圧力をとるほうが、
油分付着効率が高くなると考えられてきた。しかし、実
際にはこういった範囲でポンプ圧力を変えてもかえって
付着量が減少したり、供給油分量に対し付着効率は高々
10%を越えない程度しか得られない。エマルション粒
子(油滴)のみをスプレーにより鋼板表面に衝突させる
場合は、上記の説明が当てはまると思われるが、エマル
ション圧延油は水と油滴が混合している流体であり、上
記の説明には、衝突における水の挙動という重要な因子
が無視されているのである。
【0018】図19はエマルション圧延油3がノズル5
等によりスプレーされて鋼板表面2へ衝突する様子を示
す。エマルション圧延油は水の中に、通常は比重が1よ
りも小さいすなわち水よりも軽い油脂等から成る油滴7
が鹸濁している状態である。この混合流体がノズルから
ある噴出圧力をもち鋼板表面2に衝突する際には、比重
の大きい水の方が慣性力が大きく鋼板側に接触しやすく
なり、鋼板表面に選択的に水膜8を形成する。比重の小
さい油滴は水膜上の自由界面に溜まり、油滴7の鋼板表
面への接触は水膜によって妨げられ、わずかに少ない確
率で水膜内を通り抜けて衝突した油滴が鋼板表面に付着
する。噴射圧力を高くし衝突速度を増加させると、比重
の大きい水の慣性力がより大きくなり、鋼板表面に形成
される水膜8の厚みは増加し、油滴7の鋼板表面2への
接触はますます難しくなる。
【0019】図4はプレートアウト試験機を用い、エマ
ルション圧延油の鋼板表面への衝突速度(噴出速度)を
変えた場合の、鋼板上への油分付着量の変化を示したも
のである。プレートアウト試験は表1に示す条件で行っ
た。付着油量は単位面積当たりの付着油量を重量法で測
定した。衝突速度を広範に変えるために、衝突速度5m
/秒以上の条件はスプレーノズルの噴出圧力を約1〜5
0kg/cm2 の範囲で変えることにより、衝突速度5
m/秒以下の条件は図1に示すようにエマルション圧延
油3をためておく槽4内にノズル5を配置し、ノズルか
らエマルション圧延油を吐出させることで水柱状の同伴
流を得ることにより得た。なお、流量密度は2500l
/分・m2 と一定条件になるようノズル口径を選択し
た。
【0020】
【表1】
【0021】図4からわかるように、衝突速度5m/秒
越えでは単位面積当たりの付着油量は少なく、衝突速度
の増加とともに付着油量は減少する。衝突速度5m/秒
以下に減少すると急激に付着油量は増加する。衝突速度
が0.5m/秒より小さくなると再び付着油量は減少す
る傾向にあるが、これはエマルション圧延油の噴出速度
が小さくなりすぎて、鋼板表面にエマルション圧延油が
到達しにくくなったためと考えられる。このようにエマ
ルション圧延油の鋼板表面への衝突速度を5m/秒以下
とすることにより圧延油の付着効率が格段に高められる
ことが判明した。これを実現するためには図1に示すよ
うな簡便な装置で可能である。
【0022】以上の知見に基づき、本発明者らは、鋼板
の下面側に圧延油貯留槽を設け、槽内に配置したノズル
からエマルション圧延油の鋼板下面への衝突速度が一定
範囲内になるように、圧延油を上方に吐出させて、鋼板
下面に槽内の圧延油を同伴流として水柱状に衝突させ、
かつ付着させるようにして、優れた表面品質を有する薄
鋼板を高能率で生産可能とするための冷間圧延方法に関
し、簡便な装置でかつ圧延油原単位を増加させることな
く、鋼板表面、特に鋼板下面側の潤滑性と冷却性を格段
に改善する方法及びその装置を見出し、本発明を完成さ
せた。
【0023】以下、本発明の実施の形態について説明す
る。 (第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態に係る基
本的装置構成を示す模式図である。冷間圧延機で圧延さ
れる鋼板1の下方にエマルション圧延油3を溜めておく
槽4を設置する。槽内のエマルション圧延油は槽の上端
からオーバーフローするように溜められて、液面と鋼板
との距離Bが常に一定となるように保たれる。槽の液面
は鋼板下面2と実質的に接触しない位置関係にある。槽
内には液面から所定距離没入した位置にノズル5が上向
きに設けられる。このノズルから槽内のエマルション圧
延油と同じエマルション圧延油を吐出すれば、吐出流6
は上方に流れる間に槽内のエマルション圧延油を同伴
し、液面から上方に水柱状になって噴出して鋼板下面2
に衝突し、鋼板下面に沿って広がり接触面積、接触時
間、有効流量を充分にかせぐことができる。この場合液
面から水柱状になって噴出する流量QTはノズルからの
吐出流量QNより大きくなる。
【0024】図2には、濃度2%の牛脂系エマルション
(40℃での基油粘度40cSt、平均粒径10μm、
エマルション温度60℃)を用い、ノズル径d及び吐出
流速Vを変えた場合の、ノズルの液面からの深さHとQ
T/QNとの関係を示す。図2から明らかなように、ノ
ズル径、吐出流速などの条件を適当に選択すれば、QT
/QNは数倍に達することがわかる。エマルションの濃
度、基油粘度等の条件が変わっても同様の結果が得られ
ることを確認した。従ってこの方法によれば、ノズルか
らの少ない供給流量をもってして、同伴流を付加するこ
とにより大噴出流量を得ることができ、鋼板下面に衝突
するエマルション圧延油の流量を増大させることができ
る。なお、本発明では、ノズルの液面からの深さHは、
50〜200mmの範囲に設定するのが好ましい。通常
用いられるノズル径3〜10φ、流速10〜20m/s
の範囲でQT/QNが約2以上となる深さHである。H
が200mm超えでも効果は得られるが、Hが大きくな
りすぎると、槽の深さが大になり装置が大型化するこ
と、また必要なノズル圧力を高くしなければならないこ
とから、上限を200mmとするのが好ましい。表2は
エマルション圧延油が鋼板下面に接触する面積に関し、
本発明による方法と従来広く用いられているスプレー方
法とを比較したものである。ノズルからの吐出量QNと
鋼板下面までの距離(B+H,B:鋼板下面と液面との
距離、H:液面とノズルとの距離)を同じ条件にした場
合、エマルション圧延油が鋼板下面に衝突し接触する面
積Sは、本発明の方法が従来スプレーによる方法の3〜
6倍も増加していることがわかる。これは本発明の方法
では液面から噴出した水柱状のエマルション圧延油は鋼
板下面に衝突した後、直ちに落下せず鋼板下面に沿って
流れるためであり、これにより接触面積の飛躍的増大が
図れる。
【0025】
【表2】
【0026】表3は表2で示した条件で、鋼板表面への
圧延油付着油量を調査した結果である。鋼板サンプルは
サイズ20cm×20cmのものを用い、表に付記する
エマルション圧延油を1秒間スプレーしたときの単位面
積当たりの付着量を重量法で測定した。この表からわか
るように、同じノズルからの吐出流量QNに対し従来の
フラットスプレー法に比べ本発明法は3倍以上の単位面
積当たりの付着量が得られることがわかる。これは図2
及び表2で示したように、同じノズルからの吐出流量に
対し、本発明法では鋼板表面に衝突するエマルション圧
延油の流量と接触面積を増大できることに加え、鋼板表
面への衝突速度を小さくできるためである。すなわち従
来のスプレー法では、ノズルから吐出する大きな圧力、
速度のまま鋼板表面に流体が衝突するため、エマルショ
ン中の油滴より比重の大きい水が選択的に鋼板表面に衝
突する。これにより鋼板表面には水膜が形成され、油滴
が衝突しても鋼板表面に油膜を形成しにくい状況とな
る。これに対し本発明では、鋼板表面に接触するエマル
ションは図1で示すように、水柱状に衝突しその後横に
大きく広がった状態で接触するため、実質的な衝突圧
力、衝突速度は小さい。そのため比重の小さい油滴でも
鋼板表面に接触する確率が高くなり、接触流量、接触面
積の増大に加えて、油分の付着効率がさらに高くなるの
である。
【0027】
【表3】
【0028】このように本発明の第1実施形態によれ
ば、1本のノズル当たりの鋼板下面に衝突、接触する流
量及び接触面積を格段に増加させることができることに
加え、衝突圧力、速度が程々に小さいために油滴の接触
確率を増加させることができるため、冷却能だけでなく
圧延油の付着効率を飛躍的に高めることができる。もち
ろんエマルションを鋼板に水柱状に衝突させ、その後横
方向へ広げるためには、エマルションはある衝突速度を
もつ必要があることは言うまでもない。すなわち鋼板表
面に対するエマルションの衝突圧力は100〜5000
mmAq程度、望ましくは300〜2000mmAqの
範囲である。
【0029】図3に冷間タンデム圧延機に本発明を実施
した場合の一形態を示す。ここでは5スタンド圧延機の
第3スタンド13−第4スタンド14間及び第4スタン
ド14−第5スタンド15間に図1に示す本発明の圧延
油供給方法を適用している。各スタンド入側のロールバ
イト(鋼板上下面)へのスプレー16a,16b、及び
各スタンド出側のワークロール30a,30b、バック
アップロール31a,31bへのスプレー17a〜17
dにより従来通りエマルション圧延油3を供給する。こ
こでは本発明の槽内4のノズル5及び従来のスプレーノ
ズル16a,16b,17a〜17dへエマルション圧
延油3を供給するポンプ28(圧延油吐出手段)、配管
系統18は共通にしてあるが、別ポンプ、別配管系統に
よってもよい。
【0030】さて、ノズルからの吐出流量の数倍もの流
量が液面上に同伴流となって噴出するため、鋼板下面と
液面との距離を一定に保つには次の関係を満足する必要
がある。
【0031】QT<QN+QR+QU ここで、QR:鋼板下面に衝突した後、槽中に落下して
戻る流量、QU:鋼板上面やロール等へスプレーされた
エマルション圧延油の内、槽内へ落下あるいは混入する
流量、QN:ノズルからの吐出流量、QT:水柱状の噴
出流量。
【0032】上記式は鋼板下面に衝突したエマルション
圧延油の大部分を槽中に再び落下させることで、比較的
容易に満足させることができるが、これが難しい場合に
は、図3で示すエマルション圧延油を溜めておくクーラ
ントタンク21から別配管で不足分のエマルション圧延
油を槽内に供給してもよい。
【0033】上記式において右辺から左辺を引いた差
が、槽4からオーバーフローするが、オーバーフローし
たエマルション圧延油は通常のクーラントシステムで用
いているエマルション圧延油回収用のオイルパン20に
受けて回収する。循環給油方式の場合はクーラントタン
ク21に戻しエマルション圧延油として循環使用すれば
よいので、圧延油原単位の低下は生じない。
【0034】図7に示すように、板幅の広い鋼板を圧延
する場合や幅方向の圧延油付着量や冷却性の均一化など
を図る場合には、エマルション圧延油を貯めておく槽4
の中にノズル5を幅方向に複数個並べて配置するのが効
果的である。また、圧延油付着効率や冷却能力の一層の
向上をねらって、幅方向と圧延方向の両方にノズルを複
数個配置することも可能である。また、冷間タンデム圧
延機の場合は、必要なスタンド間に本発明の方法を適用
できる。
【0035】(第2実施形態)本発明の第2実施形態に
係る基本的装置構成は、上記第1実施形態で示した図1
と同様である。冷間圧延機で圧延される鋼板1の下方に
エマルション圧延油3を溜めておく槽4を設置する。槽
内のエマルション圧延油は槽の上端からオーバーフロー
するように溜められて、液面と鋼板との距離Bが常に一
定となるように保たれる。槽の液面は鋼板下面2と実質
的に接触しない位置関係にある。槽内には液面から所定
距離没入した位置にノズル5が上向きに設けられる。こ
のノズルから槽内のエマルション圧延油と同じエマルシ
ョン圧延油を吐出すれば、吐出流6は上方に流れる間に
槽内のエマルション圧延油を同伴し、液面から上方に水
柱状になって噴出して鋼板下面2に低い衝突速度で接触
する。高い付着効率を得られる衝突速度は、前述したよ
うに、図4から0.5〜5m/秒の範囲であり、これに
対応する噴出圧力はおおよそ0.01〜1kg/cm2
の範囲である。
【0036】図5に示すように、本発明によれば鋼板表
面に衝突するエマルションの衝突速度が、従来技術に比
べて極めて小さいので圧延油の付着効率を飛躍的に増加
できる。すなわち、鋼板表面2に接触するエマルション
3は鋼板表面に水膜を作ることなく、相対的に比重の小
さい油滴7も鋼板表面2に達し、鋼板表面2に付着して
容易に油膜を形成する。このように飛躍的な付着効率を
得るにはエマルションの衝突速度を極力低下させること
が必須となる。図6には本発明の別の実施形態を示す。
槽4内のノズル5の出口上方に導管9を配置し、エマル
ション圧延油3を低速度で効率的に上方に向かって噴射
するための装置である。この導管9はノズル5から低速
度で噴射されたエマルション圧延油(吐出流)6と槽4
内の同伴したエマルション圧延油3の流れを四方八方へ
発散することなく、無駄無く上方に導き低速度で鋼板表
面2にエマルション圧延油3を衝突させる役割を果たす
ため、効率的な圧延油の付着を可能とする。導管9の内
径Dは、ノズル内径をdとすると、D=3〜10d程度
が望ましい。細すぎると槽内のエマルション圧延油の同
伴効果が少なく、太すぎると導管としての機能を果たさ
なくなる。この場合にも高い付着効率を得られる衝突速
度は0.5〜5m/秒の範囲であり、これに対応する噴
出圧力はおおよそ0.01〜1kg/cm2 の範囲であ
る。
【0037】上記図1、図6いずれについても、板幅の
広い鋼板を圧延する場合や幅方向の圧延油付着量や冷却
性の均一化などを図る場合には、上記第1実施形態と同
様に、図7に示すように、エマルション圧延油3を貯め
ておく槽4の中にノズル5を幅方向に複数個並べて配置
するのが効果的である。また、幅方向と圧延方向の両方
にノズルを複数個配置することも可能である。さらに、
冷間タンデム圧延機の場合は、必要なスタンド間に本発
明の方法を適用できる。以下に本発明の実施例を挙げ、
本発明の効果を立証する。
【0038】
【実施例】
(実施例1)5スタンド4Hi連続式冷間圧延機の第4
−第5スタンド間に本発明(第1実施形態)を適用し
た。第4−第5スタンド間に本発明を適用したのは後段
スタンドほど板厚が薄く、高速で厳しい潤滑、温度条件
になるためであり、その他のスタンド間、鋼板上面及び
ロールへの冷却、潤滑は図3に示すような従来どおりの
スプレーを用いている。圧延油は濃度2%の牛脂系エマ
ルション(40℃での基油粘度40cst、平均粒径1
0μm、エマルション温度60℃)を用いた。エマルシ
ョン圧延油を溜めておく槽の大きさは深さ250mm×
長さ250mm×幅1300mm、液面と鋼板までの距
離は200mm、ノズル径は5mm、ノズルと液面間の
距離は100mm、ノズル吐出圧力2〜3kg/cm
2 、吐出流量40〜60l/分とし、圧延速度にあわせ
吐出流量を調節した。ノズルは60mmピッチで20本
幅方向に並べた。圧延条件は入側板厚2.0〜3.2m
m、出側板厚0.15〜0.60mm、板幅680〜1
100mm、最高圧延速度1800mpmである。図
8、図9にそれぞれ圧延速度と鋼板下面の付着油量及び
圧延速度と第5スタンドの摩擦係数の関係を、本発明に
よる方法と従来のスプレー法を比較して示した。鋼板下
面の付着油量は圧延後の鋼板の残脂量を溶剤抽出法で求
めた。従来、高速域で鋼板下面の付着油量が減少してい
たのに対し、本発明では速度によらず安定した付着油量
が得られている。これに対応して、第5スタンドでの摩
擦係数の上昇が抑制され、高速域まで安定した摩擦条件
が得られている。特に高速域での摩擦係数の上昇がほと
んど生じることがなくなり、潤滑不良により発生するチ
ャタリングが発生しなくなった。図10には第5スタン
ド出側の放射温度計により測定した鋼板温度を、本発明
による方法と従来のスプレー法を比較して示した。図中
にはヒートスクラッチの発生状況もあわせて記した。本
発明により鋼板の温度上昇が抑制されており、高温で発
生していたヒートスクラッチが発生しなくなり、より高
速での高品質な圧延が可能になった。 (実施例2)4スタンド連続冷間圧延機(第1〜第3ス
タンド4Hi,第4スタンド6Hi)に本発明(第1実
施形態)を適用した。第3スタンドの圧下率が高く、従
来圧延負荷が高くなったり、ヒートスクラッチ発生頻度
が高いために第2−第3スタンド間に本発明を適用し
た。エマルション圧延油を溜めておく槽の大きさは深さ
200mm×長さ300mm×幅1800mm、液面と
鋼板までの距離は300mm、ノズル径は6mm、ノズ
ルと液面間の距離は150mm、ノズル吐出圧力1.5
〜2kg/cm2 、吐出流量30〜50l/分とし、圧
延速度にあわせ吐出流量を調節した。ノズルは70mm
ピッチで26本幅方向に並べた。圧延条件は入側板厚
2.0〜5.3mm、出側板厚0.35〜2.0mm、
板幅675〜1650mm、最高圧延速度1400mp
mである。図11に圧延所要動力を本発明による方法と
従来のスプレー法とを比較して示した。本発明により所
要動力の低下が図られていることがわかる。図12に圧
延速度と出側コイル温度の関係を示した。ヒートスクラ
ッチが鋼板温度の低下とともに発生しなくなり、鋼板品
質の向上と負荷低減が同時に図れた。
【0039】(実施例3)図13に冷間タンデム圧延機
に本発明(第2実施形態)を実施した場合の一形態を示
す。ここでは5スタンド4Hi連続式冷間圧延機の第4
スタンド14−第5スタンド15間に図1に示す本発明
の圧延油供給方法を適用している。第4−第5スタンド
間に本発明を適用したのは後段スタンドほど板厚が薄
く、高速で厳しい潤滑条件になるためである。スタンド
入口、出口のロールへの潤滑および鋼板上面側について
は図13に示すような従来どおりのスプレーを用いてい
る。ここでは本発明の槽内4のノズル5および従来のス
プレーノズル16a,16b,17a〜17dへエマル
ション圧延油3を供給するポンプ28(圧延油吐出手
段)、配管系統18は共通にしてあるが、別ポンプ、別
配管系統によってもよい。
【0040】圧延油は濃度2%の牛脂系エマルション
(40℃での基油粘度40cSt、平均粒径10μm、
エマルション温度60℃)を用いた。エマルション圧延
油を溜めておく槽の大きさは深さ250mm×長さ25
0mm×幅1300mm、液面と鋼板までの距離は20
0mm、ノズル径は5mm、ノズルと液面間の距離は1
00mm、ノズル吐出圧力0.5〜1.0kg/cm
2 、吐出流量40〜60l/分とし、圧延速度にあわせ
吐出流量を調節した。ノズルは60mmピッチで20本
幅方向に並べた。この条件で鋼板へのエマルション圧延
油の衝突速度の範囲は3〜5m/秒である。圧延条件は
入側板厚2.0〜3.2mm、出側板厚0.15〜0.
60mm、板幅680〜1100mm、最高圧延速度1
800mpmである。図14に圧延速度を変化させた場
合の鋼板上面と下面の付着油量の変化を、本発明による
方法と従来のスプレー法を比較して示した。鋼板上面と
下面の付着油量は圧延後鋼板の上面と下面の残脂量を溶
剤抽出法で求めた。従来、速度上昇とともに鋼板下面の
付着油量が減少していたのに対し、本発明では速度によ
らず上面と同等の付着油量が安定して得られている。図
15に圧延速度と第5スタンドの摩擦係数の関係を示
す。従来のスプレー法では下面の付着油量の減少に伴
い、高速域で第5スタンドの摩擦係数が上昇しチャタリ
ングが発生した。これに対し本発明では、高速域までほ
ぼ一定の摩擦係数が得られ、潤滑不良により発生するチ
ャタリングが発生しなくなり、高速安定圧延が可能にな
った。
【0041】図16には定常圧延部の圧延後鋼板の上面
と下面の光沢度の比較を示す。従来法では上面と下面に
潤滑の差による光沢度の差が生じていたが、本発明法に
よれば上面と下面の潤滑性が同等であるため、光沢度も
ほぼ等しくなり表面品質に優れた鋼板の圧延が可能にな
った。
【0042】(実施例4)図17に冷間タンデム圧延機
に本発明(第2実施形態)を実施した場合の別の形態を
示す。4スタンド連続冷間圧延機(第1〜第3スタンド
4Hi,第4スタンド6Hi)に本発明を適用した。第
3スタンドの圧下率が高く、ヒートスクラッチ発生頻度
が高いために第2−第3スタンド間に本発明を適用し
た。エマルション圧延油を溜めておく槽の大きさは深さ
200mm×長さ300mm×幅1800mm、液面か
ら鋼板までの距離は300mm、ノズル径は6mm、ノ
ズルと液面間の距離は150mm、ノズル吐出圧力0.
01〜0.5kg/cm2 、吐出流量30〜50l/分
とし、圧延速度にあわせ吐出流量を調節した。ノズルは
70mmピッチで26本幅方向に並べた。内径30mm
(外径33mm)、長さ230mmの導管9をそれぞれ
のノズル出口上方20mmの位置に配した。導管上端と
液面との距離は100mm、導管上端と鋼板下面との距
離は200mmである。この条件で鋼板へのエマルショ
ン圧延油の衝突速度の範囲は0.5〜3m/秒となる。
圧延条件は入側板厚2.0〜5.3mm、出側板厚0.
35〜2.0mm、板幅675〜1650mm、最高圧
延速度1400mpmである。図18に圧延速度と第3
スタンド出側コイル温度の関係を示した。従来のスプレ
ー法では温度上昇が大きく、高温でヒートスクラッチが
鋼板下面側に発生した。一方、本発明法では下面の潤滑
性が改善されたことにより、温度上昇が抑制されヒート
スクラッチの発生がなくなり鋼板品質の向上が図れた。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、鋼板表面に低い速度で
エマルション圧延油を衝突させることで、少ないエマル
ション圧延油の供給流量で、鋼板下面に対し高い圧延油
付着効率と冷却能力を得ることができる。その結果、優
れた表面品質を有する薄鋼板を高圧下、高速で高能率に
生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る基本的装置構成を示
す図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るノズル径d及び吐
出流速Vを変えた場合のノズルの液面からの深さHとQ
T(水柱状の噴出流量)/QN(ノズルからの吐出流
量)との関係を示す図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る冷間タンデム圧延
機への適用例を示す図。
【図4】本発明の第2実施形態に係るエマルション圧延
油の衝突速度と付着油量との関係を示す図。
【図5】本発明の第2実施形態に係るエマルション圧延
油が鋼板に衝突し付着する機構を説明する図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る別の基本的装置構
成を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係るノズルをエマルショ
ン槽幅方向に複数個配列した例を示す図。
【図8】本発明の実施例1に係る圧延速度と鋼板下面の
付着油量の関係を示す図。
【図9】本発明の実施例1に係る圧延速度と第5スタン
ドの摩擦係数の関係を示す図。
【図10】本発明の実施例1に係る圧延速度と第5スタ
ンド出側の鋼板温度の関係を示す図。
【図11】本発明の実施例2に係るH(入側板厚)/h
(出側板厚)と圧延所要動力との関係を示す図。
【図12】本発明の実施例2に係る圧延速度と出側コイ
ル温度の関係を示す図。
【図13】本発明の実施例3に係る冷間タンデム圧延機
への適用例を示す図。
【図14】本発明の実施例3に係る圧延速度と鋼板上
面、下面の付着油量の関係を示す図。
【図15】本発明の実施例3に係る圧延速度と第5スタ
ンドの摩擦係数の関係を示す図。
【図16】本発明の実施例3に係る圧延後の鋼板上面、
下面の光沢度を示す図。
【図17】本発明の実施例4に係る冷間タンデム圧延機
への別の適用例を示す図。
【図18】本発明の実施例4に係る圧延速度と第3スタ
ンド出側の鋼板温度の関係を示す図。
【図19】従来のスプレー法においてエマルション圧延
油が鋼板に衝突し付着する機構を説明する図。
【符号の説明】
1…鋼板、2…鋼板下面、3…エマルション圧延油、4
…エマルション槽、5…ノズル、6…吐出流、7…油
滴、8…水膜、9…導管、10a…ペイオフリール、1
0b…テンションリール、11〜15…第1〜第5スタ
ンド、16a,16b…各スタンド入側のスプレーノズ
ル、17a〜17d…各スタンド出側のスプレーノズ
ル、18…エマルション供給配管、19…エマルション
戻り配管、20…オイルパン、21…クーラントタン
ク、22…アジテータ、23…フィルター、24…原油
タンク、25…温水タンク、26…原油送りポンプ、2
7…温水送りポンプ、28…エマルション送りポンプ、
30a,30b…ワークロール、31a,31b…バッ
クアップロール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−102310(JP,A) 特開 昭52−142648(JP,A) 特開 昭61−127824(JP,A) 特開 昭55−156612(JP,A) 特開 昭60−70126(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼帯を冷間圧延する際に、鋼板の下面に
    エマルション圧延油を供給する方法において、 エマルション圧延油を貯めておく槽を、その液面と鋼板
    下面との距離が一定に保持されるように鋼板下面側に設
    け、その槽内に液面から所定距離没入した位置にノズル
    を配置し、そのノズルから下記(1)式を満足する流量
    QNの圧延油を上方に吐出させて、鋼板下面に槽内の圧
    延油を同伴流として水柱状に衝突させ、かつ付着させる
    ことを特徴とする冷間圧延における圧延潤滑油供給方
    法。 QT<QN+QR+QU …(1) 但し、QT:水柱状の噴出流量、QR:鋼板下面に衝突
    した後、槽中に落下して戻る流量、QU:鋼板上面やロ
    ール等へスプレーされたエマルション圧延油の内、槽内
    へ落下あるいは混入する流量。
  2. 【請求項2】 鋼帯を冷間圧延する際に、鋼板の下面に
    エマルション圧延油を供給する方法において、 エマルション圧延油を貯めておく槽を、その液面と鋼板
    下面との距離が一定に保持されるように鋼板下面側に設
    け、その槽内に液面から所定距離没入した位置にノズル
    を配置し、そのノズルからエマルション圧延油の鋼板下
    面への衝突速度が5m/秒以下となるように、圧延油を
    上方に吐出させて、鋼板下面に槽内の圧延油を同伴流と
    して水柱状に衝突させ、かつ付着させることを特徴とす
    る冷間圧延における圧延潤滑油供給方法。
  3. 【請求項3】 鋼帯を冷間圧延する際に、鋼板の下面に
    エマルション圧延油を供給する手段を備えた装置であっ
    て、 液面と鋼板下面との距離が一定に保持されるように鋼板
    下面側に設けられた、エマルション圧延油を貯めておく
    槽と、その槽内に液面から所定距離没入した位置に配置
    したノズルと、そのノズルから圧延油を上方に吐出させ
    る手段とを具備した冷間圧延における圧延潤滑油供給装
    置。
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