JP2001068924A - 積層型開口面アンテナ - Google Patents

積層型開口面アンテナ

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JP2001068924A
JP2001068924A JP24404499A JP24404499A JP2001068924A JP 2001068924 A JP2001068924 A JP 2001068924A JP 24404499 A JP24404499 A JP 24404499A JP 24404499 A JP24404499 A JP 24404499A JP 2001068924 A JP2001068924 A JP 2001068924A
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cross
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JP24404499A
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Takeshi Takenoshita
健 竹之下
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロット上に整合用の誘電体層を装荷したと
きの誘電体層中を電磁波が伝播するモードを抑制し、さ
らに放射される電磁波を円偏波とすることが可能な積層
型開口面アンテナを提供する。 【解決手段】 誘電体基板1上面の円形状の開口部5を
有する上部主導体層2と、下部主導体層3と、開口部5
周囲にて上下の主導体層2・3間を電気的に接続する複
数の貫通導体6およびこれらを電気的に接続する副導体
層7から成るアンテナ導体壁とで囲まれた空間共振器を
形成するとともに、下部主導体層3に給電のための十字
型スロット4を形成して成り、高周波信号の信号波長を
λ0 としたとき、空間共振器の厚みをλ0 /8〜λ0
2、開口部5の直径をλ0 /2 〜3λ0 /2とし、十字
型スロット4をスロット長λ0 /4〜3λ0 /4のスロ
ット2つを十字型に交差させて成るものとした積層型開
口面アンテナである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波帯やミ
リ波帯等の高周波信号を用いる通信に適したアンテナ素
子である積層型開口面アンテナに関し、特に円偏波を放
射することが可能な積層型開口面アンテナに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波やミリ波等の高周波信号の電
磁波を放射するアンテナ素子として提案されているもの
の一例として、スロットから電磁波を放射するスロット
アンテナがある。スロットアンテナは構造が簡単なため
広く用いられており、給電線にマイクロストリップ線路
・ストリップ線路・コプレーナ線路・導波管線路等を用
いたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スロッ
トアンテナは、スロットから電磁波が自由空間に放射さ
れる際に、スロットと自由空間との放射界面で両者のイ
ンピーダンスが異なるため、反射による損失が大きいと
いう問題があった。また、ミリ波帯等の高周波になると
波長が数mmのオーダーになるため、挟帯域であるスロ
ットアンテナに所望の周波数で電磁波を放射させるため
にはスロットの寸法精度を1%以内程度にする必要があ
り、例えば誘電体基板上に厚膜印刷法によりスロットを
形成する方法では、その寸法精度を満たすことが困難で
あるという問題点もあった。
【0004】これに対し、放射界面における反射損失を
低減するために、誘電体レンズ等においては、放射され
る高周波信号の信号波長の1/4に相当する厚さの誘電
体層を放射面上に装荷する方法が提案されている。
【0005】しかし、この方法をスロットアンテナに応
用した場合には、反射による損失は低減できるものの、
装荷した誘電体層中を電磁波が伝播するモードも同時に
発生するために、主ビームはアンテナ正面方向に放射さ
れず、側面方向に放射されてしまうという問題点があっ
た。
【0006】また、スロットアンテナによって高周波信
号として円偏波を放射しようとする場合には、軸比が3
dB以内となる周波数を所望の値として設定する必要が
あるが、それがスロットの寸法精度の影響により困難で
あるという問題点があった。
【0007】本発明はかかる従来の問題点を解決すべく
案出されたものであり、その目的は、スロットアンテナ
におけるスロットと自由空間との放射界面での反射損失
を抑制しつつ、スロットの寸法精度が数%程度であって
も所望の周波数において放射される高周波信号の偏波を
円偏波とすることができる積層型の開口面アンテナを提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
点に対して検討を重ねた結果、2つのスロットを十字型
に交差させて組み合わされる十字型スロットの上面に装
荷する誘電体層中に電気的に導通している導体層および
貫通導体群からなる電気的な壁を設けて十字型スロット
の周囲を取り囲むことにより、装荷した誘電体層中を電
磁波が伝播するモードを抑制できることを見出した。さ
らに、電気的に導通している導体層および貫通導体群か
らなる電気的な壁で囲まれる領域の寸法と十字型スロッ
トの寸法および十字型スロットを構成する2つスロット
の交差する角度を適切に調整することにより、厚膜印刷
法の寸法精度で作製した十字型スロットでも所望の周波
数帯域で電磁波を放射させることが可能で、かつ開口面
から放射される高周波信号の電磁波の遠方界における偏
波を円偏波とすることが可能な積層型の開口面アンテナ
が得られることを見出した。
【0009】すなわち、本発明の積層型開口面アンテナ
は、複数の誘電体層を積層して成る誘電体基板の上面に
形成された円形状の開口部を有する上部主導体層と、前
記誘電体基板の下方で前記開口部と対向する位置に形成
された下部主導体層と、前記開口部周囲の前記誘電体基
板内に形成され、所定間隔をもって前記上部主導体層お
よび前記下部主導体層間を電気的に接続する複数の貫通
導体およびこの複数の貫通導体を前記誘電体層間で電気
的に接続する副導体層から成るアンテナ導体壁とで囲ま
れた空間共振器を形成するとともに、前記下部主導体層
の前記開口部の中心に対向する部位に高周波信号の給電
のための十字型スロットを形成して成る積層型開口面ア
ンテナであって、前記高周波信号の誘電体基板中の信号
波長をλ0 としたとき、前記空間共振器の厚みをλ0
8〜λ0 /2、前記開口部の直径をλ0 /2 〜3 λ0
2 とし、前記十字型スロットをスロット長λ0 /4〜3
λ0 /4のスロット2つを十字型に交差させて成るもの
としたことを特徴とするものである。
【0010】本発明の積層型開口面アンテナによれば、
導体層中に十字型の導体非形成部を設けることにより形
成した十字型スロットに任意の給電線により給電し、こ
の十字型スロットを構成する2つのスロットの共振モー
ドを発生させることにより、偏波面が時間とともに回転
する円偏波スロットアンテナのスロットとすることがで
き、この上に誘電体層と上部主導体層と下部主導体層と
貫通導体群と副導体層とで構成した開口部が円形状の円
柱状の空間共振器を形成し、その空間共振器の寸法を上
記所定の範囲内に設定したことから、空間共振器を構成
する誘電体層中を高周波信号の電磁波が伝播するモード
を抑制して放射界面における反射による損失を低減する
ことができるとともにスロットと空間共振器とを結合さ
せることができ、スロットの寸法精度が共振周波数に与
える影響を緩和できて、開口面から放射される高周波信
号の電磁波の遠方界における偏波を円偏波とすることが
できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の積層型開口面アン
テナについて図面を参照して説明する。
【0012】図1(a)は本発明の積層型開口面アンテ
ナの実施の形態の一例を示す平面図であり、図1(b)
は(a)のA−A’線断面図である。図1において、1
は複数の誘電体層1a・1b・1cを積層して成る誘電
体基板、2は誘電体基板1の上面に形成された上部主導
体層、3は誘電体基板1の下面に形成された下部主導体
層であり、誘電体基板1は両主導体層2・3により挟持
されている。
【0013】4は下部主導体層3に導体非形成部を設け
ることにより形成した十字型スロットであり、高周波信
号の電磁波を放射する波源となるものである。この十字
型スロット4の下部には、例えばマイクロストリップ線
路やストリップ線路・導波管線路・NRD線路等の任意
の給電線路が配置され、十字型スロット4と電磁界で結
合してアンテナへの給電が行なわれる。
【0014】5は上部主導体層2に導体非形成部を設け
ることにより形成した円形状の開口部であり、十字型ス
ロット4を波源として分布する電磁波は開口部5より自
由空間へ放射される。なお、下部主導体層3は誘電体基
板1の下方で少なくとも開口部5と対向する位置に形成
されており、十字型スロット4は開口部5の中心部と対
向する部位の下部主導体層3に形成されている。
【0015】6は開口部5周辺の誘電体基板1内に形成
され、所定間隔をもって上部主導体層2および下部主導
体層3間を電気的に接続するよう形成された複数の貫通
導体である。この複数の貫通導体6は、高周波信号の信
号波長の2分の1未満の繰り返し間隔で配設されてい
る。なお、この繰り返し間隔は、必ずしも一定の値であ
ることに限られず、信号波長の2分の1未満で種々の値
を組み合わせて設定してもよい。
【0016】7は上部主導体層2および下部主導体層3
に平行に誘電体層1a〜1c間に形成され、複数の貫通
導体6を誘電体層1a〜1c間で電気的に接続する副導
体層である。この副導体層7は開口部5とほぼ同形状の
開口を形成し、単層または必要に応じて複数層形成され
て、複数の貫通導体6と共に誘電体基板1内にアンテナ
導体壁を形成する。そして、上部主導体層2と下部主導
体層3と複数の貫通導体6および副導体層7から成るア
ンテナ導体壁とで囲まれた空間により、誘電体基板1内
に、十字型スロット4に接続された円柱状の空間共振器
を形成している。
【0017】また、図2に、図1に示す本発明の積層型
開口面アンテナの構造を簡略化した斜視図を示す。図1
に示したものと同様の箇所には同じ符号を付してある。
【0018】図2にも示すように、上部主導体層2の開
口部5の周囲の誘電体基板1内に形成された貫通導体6
と副導体層7とが格子状に並ぶことにより、円柱状の空
間共振器を構成する導体壁が形成され、これにより、電
気的な壁が十字型スロット4を取り囲むようにして誘電
体基板1内に配置される。そして、これら開口部5を有
する上部主導体層2と十字型スロット4を有する下部主
導体層3と複数の貫通導体6および副導体層7により開
口部5周囲に形成されるアンテナ導体壁とにより囲まれ
る円柱状の空間により空間共振器が形成され、これによ
り積層型の開口面アンテナが形成される。
【0019】そして、給電線路により十字型スロット4
に与えられ、開口部5側に放射された高周波信号の電磁
波は、円柱状の空間共振器があることにより、その空間
より外側の一対の主導体層2・3間を伝播することな
く、開口部5から自由空間に放射される。
【0020】このとき、十字型スロット4と空間共振器
の最低次の結合モードは、図1および図2のようにアン
テナ導体壁が十字型スロット4を円形状に取り囲むよう
な場合であれば、その空間には1/4誘電体円柱共振器
の共振モード(TE111 )と類似したモードが発生し、
そのモードの最低次の共振周波数は次式で与えられるも
のとなる。
【0021】f=300 /√εr ×√〔{(1.841 /a)
/2π}2 +{1/(4×b)}2 〕 f :共振周波数(GHz) a :空間共振器の直径(mm) b :空間共振器の高さ(mm) εr :比誘電率(−) ただし、円柱状の空間共振器には十字型スロット4で給
電しているので、そのスロット長が共振長に近い場合は
共振周波数はこのスロット長にも影響を受けることとな
る。
【0022】このモードの場合に発生する電界ベクトル
を積層型開口面アンテナの概略構成とともに図3(a)
〜(c)に示す。図3において(a)は積層型開口面ア
ンテナの概略構成図、(b)はその断面Aにおける電界
・磁界ベクトルを示す断面図、(c)はその断面Bにお
ける電界・磁界ベクトルを示す断面図である。なお、図
3において図1・図2と同様の部位には同じ符号を付し
てあり、8で示す破線矢印は十字型スロット4のそれぞ
れの磁流の向きを、9で示す白抜き矢印は8で示す4つ
の破線矢印の磁流の向きを合成して得られる磁流の向き
を、10で示す破線および矢印は磁界ベクトルを、11で示
す実線および矢印は電界ベクトルを、記号のうち二重丸
が紙面に垂直上向きをそれぞれ表している。
【0023】図3はTE111 に類似したモードが発生し
た場合、例えば空間共振器の寸法のうちbをλ0 /4、
aをλ0 とした場合に対応しており、スロット長はλ0
/2とした場合に対応している。従って、スロットの合
成磁流は白抜き矢印9のようになり、共振器のTE111
モードの磁界ベクトル10と結合することとなる。
【0024】本発明の積層型開口面アンテナにおいて高
周波信号の円偏波を放射するためには、その空間共振器
の厚みを、高周波信号の信号波長λ0 に対してλ0 /8
〜λ0 /2の範囲内に設定するとともに、十字型スロッ
ト4が中心に形成される開口部5の直径をλ0 /2〜3
λ0 /2の範囲内に設定し、スロット長がλ0 /4〜λ
0 のスロットを2つ交差させて組み合わせ、十字型とす
る。
【0025】ここで、空間共振器の厚みすなわち誘電体
基板1の厚みを高周波信号の信号波長λ0 に対してλ0
/8〜λ0 /2の範囲内に設定するのは、この厚みがλ
0 /8未満となると空気と誘電体との界面での反射防止
の整合層としての効果が低減する傾向にあり、λ0 /2
を超えたときも同様となる傾向にあるためである。
【0026】また、十字型スロット4が中心に形成され
る開口部5の直径を高周波信号の信号波長λ0 に対して
λ0 /2〜3λ0 /2の範囲内に設定するのは、所望の
共振周波数を得るためである。
【0027】また、十字型スロット4の長さをλ0 /4
〜3λ0 /4の範囲内に設定するのは、スロットはλ0
/2の長さにおいて最も良く共振する特性を持つが、本
発明の場合はスロット上に空間共振器が設けられるた
め、所望の周波数で共振させるための寸法がスロット単
体の場合と異なり、λ0 /4 〜3λ0 /4の範囲内とな
るためである。
【0028】以上の実施の形態の例における誘電体基板
1は、適当な厚みにシート化が可能であり、メタライズ
層等の上部主導体層2・下部主導体層3・副導体層7等
の導体層の形成が可能で、ビア導体やスルーホール導体
等の貫通導体6が形成でき、互いに密着積層できる誘電
体材料であればよく、例えば各種のセラミックス・ガラ
スセラミックス・樹脂、または樹脂とセラミックス粉末
との混合物でもよい。
【0029】また、高周波信号の伝送損失をできるだけ
低減するためには、誘電体材料の誘電損失は小さい方が
よく、使用する高周波信号の周波数で0.001 以下である
ことが望ましい。さらに、誘電体基板1または誘電体層
1a〜1cに被着形成されて上部主導体層2・下部主導
体層3・副導体層7等となるメタライズ層は低抵抗導体
で構成されることが望ましく、具体的には少なくとも金
・銀・銅のいずれか1つを主成分とするのがよい。
【0030】
【実施例】次に、本発明の積層型開口面アンテナの具体
例について図4に示す概略斜視図を参照しつつ説明す
る。
【0031】図4において、12は複数の誘電体層12a〜
12cを積層して成る誘電体基板、13は誘電体基板12の上
面に形成された上部主導体層、14は誘電体基板12の下に
形成された下部主導体層、15は下部主導体層14に形成し
た十字型スロット、16は上部主導体層に形成した直径が
aの円形状の開口部であり、十字型スロット15は開口部
16の中心部に相当する下部主導体層14に形成されてい
る。17は開口部16周辺の誘電体基板12内に形成された複
数の貫通導体、18は副導体層である。この上部主導体層
13と下部主導体層14と複数の貫通導体17および副導体層
18から成るアンテナ導体壁とで囲まれた空間により、誘
電体基板12内に、十字型スロット15に接続された、寸法
が直径a×厚みbの円柱状の空間共振器を形成してい
る。
【0032】また、この空間共振器に十字型スロット15
から給電するための給電線路としては、発明者等が特開
平10−75108 号公報で提案した誘電体導波管線路23を用
いている。この誘電体導波管線路23は、下部主導体層14
をその上側の主導体層とし、その下部に複数の誘電体層
19a〜19cを積層して成る誘電体基板19と、下側の主導
体層20と、上下の主導体層14・20間を高周波信号の2分
の1未満の繰り返し間隔で所定の幅をもって電気的に接
続する2列の貫通導体群21と、上下の主導体層14・20と
平行に形成されて貫通導体群21に電気的に接続された副
導体層22とから成り、上下の主導体層14・20と2列の貫
通導体群21と副導体層22とにより囲まれた領域によって
高周波信号を伝送するものである。
【0033】このような構成の本発明の積層型開口面ア
ンテナについて、その寸法としては円柱状の空間共振器
をa=0.95λ0 、b=0.25λ0 とし、十字型スロット15
はスロット長が0.45λ0 のスロットを2本交差させて組
み合わせ、2本のスロットの挟み角を85degおよび95
degとした。なお、λ0 は誘電体基板中における高周
波信号の信号波長である。また、誘電体導波管線路23に
ついては信号周波数で最も伝送損失が小さくなるような
寸法とした。
【0034】図5(a)に十字型スロット15のスロット
の誘電体導波管線路23の管軸と平行な方向の挟み角を85
degとした試料における開口面からの放射パターンを
線図で示す。同図は極座標表示であり、開口面は図の中
心に位置し、円周方向の値は開口面の正面を角度0de
gとしたときの角度を示し、半径方向の値は電界の強度
を示す。また特性曲線のうち実線は長軸(0deg)に
ついて、破線は短軸(90deg)についての放射パター
ンを示している。また、図5(b)に軸比の周波数特性
を線図で示す。
【0035】図5(a)に示す結果から分かるように、
開口面から放射される電磁波の遠方界における主ビーム
は開口面の正面方向に放射されており、長軸(0de
g)および短軸(90deg)における放射パターンはほ
ぼ一致している。また、図5(b)に示す結果から分か
るように、軸比は約1.2 GHzの範囲で3dB以内とな
っており、円偏波が放射されていることが確認できた。
【0036】また、十字型スロット15のスロットの挟み
角を95degとした試料においても、同様に良好な円偏
波が放射されていることが確認できた。
【0037】なお、本発明は以上の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更や改良を施すことは何ら差し支えない。
【0038】例えば、上記の例では空間共振器を円柱状
のものとしたが、これは例えば直方体状として、直方体
の断面寸法・高さ・スロット寸法等を変更しても同様の
効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の積層型開口
面アンテナによれば、複数の誘電体層を積層して成る誘
電体基板の上面に形成された円形状の開口部を有する上
部主導体層と、誘電体基板の下方で開口部と対向する位
置に形成された下部主導体層と、開口部周囲の誘電体基
板内に形成され、所定間隔をもって上部主導体層および
下部主導体層間を電気的に接続する複数の貫通導体およ
びこの複数の貫通導体を誘電体層間で電気的に接続する
副導体層から成るアンテナ導体壁とで囲まれた空間共振
器を形成するとともに、下部主導体層の開口部と対向す
る部位に高周波信号給電のためのスロットを2本交差さ
せて組み合わせ、十字型スロットとして開口部の中心部
に対向する下部主導体層に形成し、高周波信号の誘電体
基板中の信号波長をλ0 としたとき、空間共振器の厚み
をλ0 /8〜λ0 /2、開口部の直径をλ0 /2 〜3 λ
0 /2 とし、十字型スロットをスロット長λ0 /4〜3
λ0/4のスロット2つを十字型に交差させて成るもの
としたことから、空間共振器を構成する誘電体層中を高
周波信号の電磁波が伝播するモードを抑制して放射界面
における反射による損失を低減することができるととも
に、十字型スロットと空間共振器とにより共振周波数を
制御できるため、十字型スロットの寸法精度にスロット
長に対して数%の誤差があったとしても、安定して所望
の周波数帯における共振を得ることができ、それにより
開口面から放射される高周波信号の電磁波の遠方界にお
ける主ビームを円偏波として安定して放射させることが
できるものとなる。
【0040】以上により、本発明によれば、スロットア
ンテナにおけるスロットと自由空間との放射界面での反
射損失を抑制しつつ、スロットの寸法精度が数%程度で
あっても所望の周波数において放射される高周波信号の
電磁波の遠方界における主ビームを円偏波に設定するこ
とができる積層型の開口面アンテナを提供することがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、それぞれ本発明の積層
型開口面アンテナの実施の形態の一例を示す平面図およ
びA−A’線断面図である。
【図2】図1に示す本発明の積層型開口面アンテナの構
造を簡略化した斜視図である。
【図3】本発明の積層型開口面アンテナにおける空間共
振器とスロットの結合モードを説明するための、(a)
は積層型開口面アンテナの概略斜視図、(b)はその断
面Aにおける電界・磁界ベクトルを示す断面図、(c)
はその断面Bにおける電界・磁界ベクトルを示す断面図
である。
【図4】本発明の積層型開口面アンテナの具体例を説明
するための概略斜視図である。
【図5】(a)は本発明の積層型開口面アンテナの具体
例における開口面からの放射パターンを示す線図、
(b)は軸比の周波数特性を示す線図である。
【符号の説明】
1、12・・・・・・・・・・・・・誘電体基板 1a〜1c、12a〜12c・・・・・誘電体層 2、13・・・・・・・・・・・・・上部主導体層 3、14・・・・・・・・・・・・・下部主導体層 4、15・・・・・・・・・・・・・十字型スロット 5、16・・・・・・・・・・・・・開口部 6、17・・・・・・・・・・・・・貫通導体 7、18・・・・・・・・・・・・・副導体層 λ0 ・・・・・・・・・・・・・・誘電体基板内の高周
波信号の信号波長

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層を積層して成る誘電体基
    板の上面に形成された円形状の開口部を有する上部主導
    体層と、前記誘電体基板の下方で前記開口部と対向する
    位置に形成された下部主導体層と、前記開口部周囲の前
    記誘電体基板内に形成され、所定間隔をもって前記上部
    主導体層および前記下部主導体層間を電気的に接続する
    複数の貫通導体および該複数の貫通導体を前記誘電体層
    間で電気的に接続する副導体層から成るアンテナ導体壁
    とで囲まれた空間共振器を形成するとともに、前記下部
    主導体層の前記開口部の中心に対向する部位に高周波信
    号の給電のための十字型スロットを形成して成る積層型
    開口面アンテナであって、前記高周波信号の誘電体基板
    中の信号波長をλ0 としたとき、前記空間共振器の厚み
    をλ0 /8〜λ0 /2、前記開口部の直径をλ0 /2 〜
    3λ0 /2とし、前記十字型スロットをスロット長λ0
    /4〜3λ0 /4のスロット2つを十字型に交差させて
    成るものとしたことを特徴とする積層型開口面アンテ
    ナ。
JP24404499A 1999-08-30 1999-08-30 積層型開口面アンテナ Pending JP2001068924A (ja)

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