JP2001067653A - 光回折構造付き磁気記録媒体 - Google Patents

光回折構造付き磁気記録媒体

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JP2001067653A
JP2001067653A JP23796899A JP23796899A JP2001067653A JP 2001067653 A JP2001067653 A JP 2001067653A JP 23796899 A JP23796899 A JP 23796899A JP 23796899 A JP23796899 A JP 23796899A JP 2001067653 A JP2001067653 A JP 2001067653A
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diffraction structure
light diffraction
magnetic recording
transparent
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English (en)
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Tokiko Sakurada
登紀子 桜田
Takehiro Shimizu
剛宏 清水
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、磁気記録媒体に磁気記録層に加えてホ
ログラム等の回折格子のシールを積層していたものに、
より一層の偽造・改ざんの困難性を与えることを課題と
するものである。 【解決手段】 磁気記録層3を有する磁気記録媒体の基
材2上に、例えば、2つのタイプのホログラム、即ち、
透明型ホログラム4と反射型ホログラム5とを順に積層
することにより、課題を解決することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は偽造・改ざんに対す
る安全性が高められた磁気記録媒体に関するもので、特
に本発明は、透明型光回折構造と反射型光回折構造の2
種類の光回折構造を同一の磁気記録媒体に適用したもの
である。本発明は特にカードに適用したときに価値の高
いものである。
【0002】
【従来の技術】銀行カード、クレジットカード、通帳、
あるいは身分証明書等のさまざまな用途に、紙やプラス
チックを基材とし、磁気テープ等の磁気記録層を積層し
た磁気記録媒体が使用されている。中でも、銀行預金や
送金等に使用する銀行カード(またはキャッシュカー
ド)、クレジット会社との契約に基づき、現金を扱うこ
となく決済を行なえるクレジットカードを始めとして、
種々のカードが多用されている。これら磁気記録媒体
は、大きさや形状が異なることを別にすると、いずれも
基材に磁気記録層を有していて、磁気記録媒体を保持す
る各人に特有なID情報等を保持し、これに基づいて、
種々の入出力、演算、記憶等を行なわせるものである。
説明の便を考え、以降、カードを念頭に説明を行なう
が、本発明は広く磁気記録媒体全般に適用できるもので
ある。なお、「カード」とは、携帯されるために、ほぼ
名刺または手札程度のサイズに統一されているもので、
種々の手段によりID情報やその他の情報を持ってお
り、それぞれの目的に応じて使用されるものを指す。
【0003】これらのカードには、一般的に言って、カ
ードを横長に置いたとき、上辺に沿って、カードの上辺
から若干離れた位置に磁気記録層が設けられていて、そ
の位置は、磁気記録層を利用した情報の書き込み・読み
取りが円滑にできるよう、統一されている。磁気記録層
は、磁性酸化鉄粉を塗料中に分散させて、直接塗布した
り、別の基体に塗布したものを転写する等により形成し
たものであるが、既にかなり普及しており、IDやその
他の目的で使用する方法についてもよく知られていて、
磁気記録層のみを情報を記録手段とするだけでは、偽造
や改ざんに対する安全性が高いとは言えない。
【0004】最近、カードの分野では、磁気記録層以外
に、ホログラム等の光回折構造を有する光回折構造形成
層をシール状にした光回折構造シール(例えば、ホログ
ラムシール)を積層することが行われている。光回折構
造の製造には、特殊な素材やレーザー光を扱う高度な技
術を必要とするため、不正な意図で製造することがむず
かしいためである。ただ、光回折構造形成層のシール
も、玩具等の分野では市販されていることから、単純な
光回折構造を貼るだけでは、不正な意図を持つ者を完全
に排除することは困難になってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、上記の従来技術において、磁気記録層以外に光回折
構造シールを積層していた従来の磁気記録媒体に、より
一層の偽造・改ざんの困難性を与えることを課題とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においては、磁気
記録層を有する磁気記録媒体の基材上に、2つのタイプ
の光回折構造、即ち、透明型光回折構造と反射型光回折
構造とを積層することにより、課題を解決することがで
きた。
【0007】第1の発明は、磁気記録層を有する基材上
に、透明型光回折構造と反射型光回折構造とが積層され
ていることを特徴とする光回折構造付き磁気記録媒体に
関するものである。第2の発明は、前記透明型光回折構
造と前記反射型光回折構造とが、前記基材上に並べて積
層されていることを特徴とする請求項1記載の光回折構
造付き磁気記録媒体に関するものである。第3の発明
は、第1の発明において、前記透明型光回折構造上の一
部に前記反射型光回折構造が積層されていることを特徴
とする光回折構造付き磁気記録媒体に関するものであ
る。第4の発明は、第1の発明において、前記反射型光
回折構造上に透明型光回折構造が積層されていることを
特徴とする光回折構造付き磁気記録媒体に関するもので
ある。第5の発明は、第1の発明において、前記透明型
光回折構造と前記反射型光回折構造の一方が前記基材の
片面に、他方が前記基材の他の面に積層されていること
を特徴とする光回折構造付き磁気記録媒体に関するもの
である。
【0008】
【発明の実施の形態】図1〜図4は、いずれも本発明の
光回折構造付き磁気記録媒体の構造例を示す断面図であ
る。まず、図1に示す光回折構造付き磁気記録媒体1
は、基材2上に透明型光回折構造4と反射型光回折構造
5とがこの順に積層されたものである。さらに詳しく言
うと、基材2の上面に磁気記録層3が、その表面と基材
2の表面とが同一平面上になるよう埋設されており、磁
気記録層3を含む基材2の全面に透明型光回折構造4が
積層され、さらに透明型光回折構造4の一部を覆って反
射型光回折構造5が積層されたものである。なお、この
明細書における「上面」、「下面」は、特に断らない限
り、上面が使用の際の表側の面、下面が使用の際の裏側
の面であるものとする。磁気記録層3は基材の上面に埋
設してあるが、反対側である下面に埋設してもよいし、
同じ面に2箇所埋設してもよいし,表裏両面に埋設して
もよい。また、必ずしも埋設でなく、カード基材2の上
面または下面に貼ったため、カード基材2から多少突き
出ていてもよい。磁気記録層2と基材2とのこれらの関
係については、以降の図2〜図4を引用して行なう、他
の態様の光回折構造付き磁気記録媒体においても同様で
ある反射型光回折構造5が透明型光回折構造4の全部で
はなく、一部を覆って積層されているのは、反射型光回
折構造5自身が、後述するように、下部に光反射性の金
属薄膜等を有しているため、反射型光回折構造5の下側
になる透明型光回折構造4の視認性を確保するためであ
る。また、透明型光回折構造4は、図1に示すように全
面に形成するのではなく、基材の余白を有していてよい
(図示せず。)。さらにまた、図1では、透明型光回折
構造4と反射型光回折構造5とが、いずれも基材2の上
方に積層されているが、透明型光回折構造4と反射型光
回折構造5とが基材2の下面に積層されていてもよい。
【0009】図2に示す光回折構造付き磁気記録媒体1
は、磁気記録層3を有する基材2上に、反射型光回折構
造5と透明型光回折構造4とがこの順に積層されたもの
である。従って、図1に示すものとは、2種類の光回折
構造の上下の位置関係が逆転したものである。上にある
方が透明型光回折構造4であるので、透明型光回折構造
4が反射型光回折構造5の全面を覆って積層してあって
もよく、両者の相互の大きさ、形の制約は図1に示すも
のと比べると無い。従って、透明型光回折構造4か反射
型光回折構造5のいずれかが基材2の形と等しく、かつ
他方が小さい場合や、透明型光回折構造4と反射型光回
折構造5の両方が基材2よりも小さい場合もある。な
お、反射型光回折構造5と透明型光回折構造4とは、基
材2の下面に積層されていてもよい。
【0010】図3に示す光回折構造付き磁気記録媒体1
は、基材上に透明型光回折構造4と反射型光回折構造5
とが並んで積層されたものである。透明型光回折構造4
と反射型光回折構造5との並べ方は、図3に示すよう
に、両者が接触している必要は必ずしも無く、離れてい
てもよい。なお、透明型光回折構造4と反射型光回折構
造5とは、基材2の下面に並んで積層されたものであっ
てもよい。
【0011】図4に示す光回折構造付き磁気記録媒体1
は、基材の上面と下面とに透明型光回折構造4と反射型
光回折構造5とが別々に積層されたものである。図4で
は、透明型光回折構造4を上面に、反射型光回折構造5
を下面に積層しているが、上面に反射型光回折構造5、
下面に透明型光回折構造4を積層してあてもよい。以下
に、上記の各層を構成する素材、積層方法等について説
明する。
【0012】基材2は、磁気記録媒体を携帯中に折れ曲
がったり、取扱い時に破れたりせず、かつ、磁気記録層
3への書き込み・読み取りを行なう際に使用する機械内
部での走行に支障のない強度と剛性を有しているものが
好ましい。具体的な基材2としては、ポリ塩化ビニル、
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイ
ミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテ
ート、ポリスチレン系、ポリアクリル酸エステル、ポリ
プロピレン、またはポリエチレン等の合成樹脂のシー
ト、銅、アルミニウム、または錫等の金属シート、もし
くは厚紙、特に、樹脂またはラテックスの含浸紙等のう
ちから選択した、単独のシートまたは複合シートを素材
として使用する。
【0013】カード基材2を構成する上記素材の厚み
は、10μm〜5mm程度であるが、ISOの規格で
は、0.76mmが標準である。カード基材2自体に隠
蔽性を持たせる観点から、隠蔽性の顔料を練り込んだ合
成樹脂のシートを使用することがある。厚み、素材、層
構成の典型例としては、厚み0.28mmの白色のポリ
塩化ビニル樹脂シートをコアシートとして2枚使用し、
その2枚合わせたものに対し、厚み0.1mmの無色透
明なポリ塩化ビニル樹脂シートを表裏にオーバーシート
として1枚ずつ使用し、合計厚み0.76mmの4層か
らなる積層シートか挙げられる。
【0014】磁気記録層3は、通常、約6mm幅のスト
ライプ状のもので、カード基材2の表面に、磁性物質を
添加し混練して調製した磁気塗料を用いて直接に塗布し
て設けるか、一旦、別の薄いプラスチックシート等の基
材に塗布し、ストライプ状にカットしてカード基材2上
に貼るか、あるいは、一旦、別の仮の基材に剥離可能に
積層して磁気記録層転写シートを準備し、転写法によ
り、カード基材上に転写して形成する。磁性物質を添加
し混練して作製した塗料を用いる以外に、磁性物質の蒸
着やスパッタリング等により気相状態で磁性物質の薄膜
を形成して磁気記録層2とする方法によって行なうか、
以降、ストライプ状にカットして貼るか、転写により適
用する等によってもよい。磁気記録層2としては、公知
のものが使用できるが、現在、おもて面磁気ストライプ
付き識別カードに関して、JIS X 6301では、
抗磁力が52±4KA/mと決められていることから、
48〜56KA/mのものが好ましく、また、そのため
の具体的な磁性材料としては、バリウムフェライトを使
用するとよい。磁気記録層3は、例えば、オーバーシー
ト上に形成し、その後、加熱プレス機を用いて、熱プレ
スすることにより、磁気記録層3の表面とカード基材2
表面とが段差のない同一平面上になるようにするとよ
い。
【0015】本発明で用いる2種類の光回折構造は、図
5および図6に示すように、ホログラム等の光回折構造
を有する光回折構造形成層14を共通に有している。そ
して、図5の反射型光回折構造11の場合には、観察者
側から見た裏面側に、金属薄膜等の光反射性層13、さ
らに、必要に応じ、観察者側の最表面には透明保護層1
5、光反射性層13のさらに背面には接着剤層12が積
層されたものである。また、図6に示す透明型光回折構
造11’の場合には、光反射性層13に代えて、光回折
構造形成層14とは光の屈折率の異なる透明薄膜13’
積層されており、その他は図5に示すものと同様であ
る。
【0016】光回折構造形成層14は、透明な合成樹脂
の片面、通常は汚染や損傷をさける意味で下面にホログ
ラム等の光回折格子の微細な凹凸を有している平面型
か、あるいは体積型におけるように、内部に回折格子を
有している。表面に微細な凹凸を有する前者は、熱プレ
ス等の方式で複製するのに適している。光回折構造とし
ては、平面ホログラム、体積ホログラムのいずれも使用
でき、レリーフホログラム、リップマンホログラム、フ
レネルホログラム、フラウンホウファーホログラム、レ
ンズレスフーリエ変換ホログラム、レーザー再生ホログ
ラム(イメージホログラム等)、白色光再生ホログラム
(レインボーホログラム)、カラーホログラム、コンピ
ュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチプ
レックスホログラム、もしくはホログラフィックステレ
オグラクムが使用できるほか、ホログラフィック回折格
子、電子線直接描画等により機械的に形成された回折格
子も使用できる。
【0017】光回折構造形成層14を構成する素材とし
ては、光回折構造の凹凸を注型や型押しで再現できる熱
可塑性樹脂、硬化性樹脂、または光回折構造の情報に応
じて硬化部と未硬化部とを成形することができる感光性
樹脂組成物が利用できる。具体的には、例えば、ポリ塩
化ビニル、アクリル(ポリメチルメタクリレート)、ポ
リスチレン、またはポリカーボネート等の熱可塑性樹
脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキシ、ポリエ
ステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル
(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレー
ト、メラミン(メタ)アクリレート、またはトリアジン
系アクリレート等の熱硬化性樹脂であり、それぞれの単
独、熱可塑性樹脂どうし、または熱硬化性樹脂同志の混
合、もしくは熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合等であ
ってもよい。ラジカル重合性不飽和基を有し、熱成形性
を有するものや、ラジカル重合性不飽和モノマーを添加
した電離放射線硬化性樹脂組成物も利用できる。光回折
構造形成層14の厚みは0.1〜6μm、より好ましく
は、0.1〜4μmであることが好ましい。
【0018】光反射性層13の役割は、その上方にある
ホログラム層等の光回折構造形成層14の光回折構造に
よりもたらされるパターンの視認性を高める事である。
光反射性層13は、金属光沢を有する金属元素の蒸着、
スパッタリングにより得られる金属の薄膜であることが
多いが、その他、メッキなどによっても形成できる。光
反射性層13を、金属の薄膜で構成する場合には、アル
ミニウム、クロム、ニッケル、金、銀などが特に好まし
く、200〜1000Å程度の厚みになるよう、通常
は、蒸着、スパッタリング等により設ける。このような
光反射性層13を背面に有する光回折構造は、光の反射
により観察することができる。光反射性層13はまた、
その膜厚にもよるが、下地を隠蔽する働きもある。な
お、金属薄膜は、プラスチック等との接着性が高くない
ため、磁気記録層3を含むカード基材2の上面、および
光反射性層13の上面には、プライマー層を形成してお
くとよい。
【0019】光回折構造形成層14の裏面には、光回折
構造形成層14を構成する樹脂とは光の屈折率が異なる
物質の透明薄膜13’(一種の光屈折性層である。)を
形成して屈折を起こさせ、ホログラム等の光回折パター
ンの視認性を付与することができる。具体的には、光回
折構造形成層14よりも光の屈折率の高い薄膜、および
光の屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、Z
nS、TiO2 、Al2 3、Sb2 3 、SiO、T
iO、SiO2 、等があり、後者の例としては、Li
F、MgF2 、AlF3 がある。アルミニウム等の一般
的な光反射性の金属薄膜も、厚みが200Å以下になる
と、透明性が出てくるため、上記のような光回折構造形
成層14とは光の屈折率が異なる物質の透明な薄膜と同
じ効果を発揮でき、使用できる。透明薄膜13’を裏面
に形成したものは透明型光回折構造であって、下層を透
視することができるので、透明型光回折構造の下層に
は、文字、パターン等が形成してあっても、透明型光回
折構造を通して見ることができる。
【0020】なお、図3を引用して説明した態様では、
透明型光回折構造4と反射型光回折構造5とが並んでい
るので、1つの光回折構造形成層14の裏面に、代表的
には金属薄膜である光反射性層13と、光回折構造形成
層14を構成する樹脂とは光の屈折率が異なる物質の透
明薄膜13’の2つを並べて形成することにより、両光
回折構造を並べることもできる。この場合、金属薄膜の
厚みを500Å程度の厚いものと200Å程度の薄いも
のとに区域を分けて形成すると、同じ蒸着源を使用して
マスクを使用することにより、薄膜の厚みの厚薄を作る
ことができる利点が生じる。
【0021】光回折構造形成層14を構成する合成樹脂
としては、硬度があり、耐摩耗性や耐汚染性の優れたも
のを選択して使用することが望ましいが、これらの合成
樹脂は、光回折構造の形成性を第一に選択されるため、
さらに一層の強化を図る意味で、別の層として透明保護
層15を積層することが好ましい。透明保護層15を形
成する樹脂としては、熱可塑性のものも使用し得るが、
熱硬化性樹脂を使用する熱硬化性樹脂組成物、あるいは
紫外線又は電子線照射により硬化する電離放射線硬化性
樹脂組成物等の硬化性の化合物を用い、塗布後に加熱し
たり、電離放射線を照射して架橋硬化させることによ
り、さらに物理的、化学的な諸性能を向上させることが
できる。透明保護層15の厚みは保護機能の確保と、一
方で厚みを減らしたい要望とから0.5〜4μmとする
ことが好ましい。このように薄い膜で保護機能を発揮さ
せるためには、電離放射線硬化性樹脂組成物を用いて架
橋硬化させて得られるものが特に好ましい。電離放射線
硬化性樹脂組成物としては、分子中に重合性不飽和結合
または、エポキシ基を有するプレポリマー、オリゴマ
ー、及び/又はモノマーを適宜に混合したものである。
電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重
合又は架橋し得るエネルギー量子を有するものを指し、
通常は、紫外線又は電子線を用いる。
【0022】電離放射線硬化性樹脂組成物中のプレポリ
マー、オリゴマーの例としては、不飽和ジカルボン酸と
多価アルコールの縮合物等の不飽和ポリエステル類、ポ
リエステルメタクリレート、ポリエーテルメタクリレー
ト、ポリオールメタクリレート、メラミンメタクリレー
ト等のメタクリレート類、ポリエステルアクリレート、
エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエ
ーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、メラミ
ンアクリレート等のアクリレート、カチオン重合型エポ
キシ化合物が挙げられる。これらのプレポリマー、オリ
ゴマーに、多官能モノマー、または単官能モノマーを必
要に応じて1種若しくは2種以上を混合して用いるが、
電離放射線硬化性樹脂組成物に通常の塗布適性を与える
ために、前記のプレポリマー又はオリゴマーを5重量%
以上、前記モノマー及び/又はポリチオール化合物を9
5重量%以下とするのが好ましい。
【0023】電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、硬
化させたときのフレキシビリティーが要求されるとき
は、モノマー量を減らすか、官能基の数が1又は2のア
クリレートモノマーを使用するとよい。電離放射線硬化
性樹脂組成物を塗布し、硬化させたときの耐摩耗性、耐
熱性、耐溶剤性が要求されるときは、官能基の数が3つ
以上のアクリレートモノマーを使う等、電離放射線硬化
性樹脂組成物の設計が可能である。ここで、官能基が1
のものとして、2−ヒドロキシアクリレート、2−ヘキ
シルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートが挙
げられる。官能基が2のものとして、エチレングリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レートが挙げられる。官能基が3以上のものとして、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクレ
リート等が挙げられる。
【0024】電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布後の硬
化が紫外線照射により行われるときは、光重合開始剤や
光重合促進剤を添加する。光重合開始剤としては、ラジ
カル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベン
ゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合し
て用いる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系
の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム
塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メ
タセロン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単
独又は混合物として用いる。光重合開始剤の添加量は、
電離放射線硬化性樹脂組成物100重量部に対し、0.
1〜10重量部である。
【0025】透明保護層14の機能上は、上記したよう
な熱硬化性樹脂組成物を適用して加熱硬化させたり、電
離放射線硬化性樹脂組成物を適用して電離放射線照射に
より架橋硬化させたものが適しているが、本発明におけ
るように、2種類の光回折構造を使用し、重ねる場合に
は、下になる方の光回折構造の透明保護層14が硬化し
ているために、接着性が問題になる場合がある。透明保
護層14を除けばよいのだが、別の用途も兼ねて既に作
ってある光回折構造を積層するケースもあるため、その
ような場合には、透明保護層14上にアンカー層を設け
て、上に重ねる光回折構造との接着性を向上させるとよ
い。このような目的のアンカー層を構成する樹脂素材と
しては、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン樹
脂等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、もしくは
ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂またはそれら
の一方を成分とする共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体樹脂)、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂もしくはポリブチレンテレフタレート樹脂等の
ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレンもし
くはプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーと
の共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、アイオノマー樹脂、またはセルロース誘導体等が
使用でき、これら樹脂の1種または2種以上を使用し
て、必要に応じ、他の添加剤と共に、適当な溶剤を用い
て溶解もしくは分散して調製したアンカー層形成用塗料
組成物を使用し、公知の塗布手段を利用して、塗布し、
乾燥して、アンカー層を形成する。
【0026】接着剤層12としては、光反射性層13
(または透明薄膜13’)との接着性および貼る対象と
なるカード基材2や磁気記録層3の表面との接着性のよ
いものを選択して使用する。具体的には、塩化ビニル系
樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重
合体系樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ゴム変成物等が挙
げられ、単独もしくは混合して使用することができる。
これら樹脂は適宜な溶媒に溶解させ、ロールコーティン
グ等により塗布して乾燥させ、接着剤層12とする。接
着剤層の厚みは、0.5〜5μm、より好ましくは1.
5〜3μmである。
【0027】光回折構造形成層14の基材2への適用に
当たっては、仮の基材シート上に、透明保護層15、光
回折構造形成層14、光反射性層13(または透明薄膜
13’)、および接着剤層12を順に、かつ剥離可能に
積層した転写シート11(または11’)を準備して使
用し、転写するとよい。あるいは、透明保護層15、光
回折構造形成層14、光反射性層13(透明薄膜1
3’)および接着剤層12を積層したものに、必要に応
じ、接着剤層12側に離型シートを、また透明保護層1
5側に剥離可能な保護フィルムを積層しておき、離型シ
ートや保護フィルムを剥離して、積層を行なわせてもよ
い。また、図1〜図4を引用して説明した各態様を任意
に組み合わせて使用すると複雑さが増すので、偽造・改
ざんに対する安全性がより高まる。
【0028】本発明の磁気記録媒体には、このほか、こ
の分野で用いられる各種の手段を形成してあってもよ
く、例えば、必要な文字や説明等の印刷層、エンボス文
字、筆記性層、光学記録可能な光記録層、ICまたはL
SI等を任意に選択して、適宜な位置に積層したり、埋
設したりして形成してもよい。これらの埋設または形成
は、透明型光回折構造や反射型光回折構造を設けなかっ
た部分に行なうか、あるいは、2種類の光回折構造が互
いに積層されているときは、それらの間に行なってもよ
い。
【0029】
【発明の効果】第1の発明によれば、磁気記録媒体に透
明型光回折構造と反射型光回折構造の2種類の光回折構
造が積層されているので、いずれか単独が積層されてい
る場合とくらべて、偽造・改ざんの安全性が高い磁気記
録媒体を提供できる。第2の発明によれば、第1の発明
の効果に加え、各々のタイプの光回折構造を準備して、
基材上に適用することにより、磁気記録媒体を提供でき
る。第3および第4の発明によれば、第1の発明の効果
に加え、透明型光回折構造と反射型光回折構造が積層さ
れているため、両光回折構造間を破壊することなく剥が
すか、両方の光回折構造を準備して積層する煩雑さがあ
るため、偽造・改ざんに対する安全性が高い。第5の発
明によれば、磁気記録媒体の両面から各光回折構造を破
壊することなく剥がすか、両方の光回折構造を準備して
積層する煩雑さがあるため、偽造・改ざんに対する安全
性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】光回折構造が重ねて積層された磁気記録媒体の
断面図である。
【図2】光回折構造の積層順が逆の磁気記録媒体の断面
図である。
【図3】光回折構造が並んで積層された磁気記録媒体の
断面図である。
【図4】光回折構造が表裏に積層された磁気記録媒体の
断面図である。
【図5】反射型光回折構造用の転写シートの断面図であ
る。
【図6】透明型光回折構造用の転写シートの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体 2 基材 3 磁気記録層 4 透明型光回折構造 5 反射型光回折構造 11 転写シート 12 接着剤層 13 光反射性層(13’;透明薄膜) 14 光回折構造形成層 15 透明保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06K 19/00 B Fターム(参考) 2C005 HA01 JA02 JA08 JA11 JA26 JB08 JB09 KA06 KA08 KA15 KA31 KA37 KA40 KA41 KA48 LA11 LA14 LA30 2K008 AA13 EE01 EE04 EE07 FF13 GG05 HH18 5B035 AA15 BA05 BB02 BB05 BB11 BC00 5D006 AA05 AA06 CC03 CC04 DA01 FA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録層を有する基材上に、透明型光
    回折構造と反射型光回折構造とが積層されていることを
    特徴とする光回折構造付き磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記透明型光回折構造と前記反射型光回
    折構造とが、前記基材上に並べて積層されていることを
    特徴とする請求項1記載の光回折構造付き磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記透明型光回折構造上の一部に前記反
    射型光回折構造が積層されていることを特徴とする請求
    項1記載の光回折構造付き磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記反射型光回折構造上に透明型光回折
    構造が積層されていることを特徴とする請求項1記載の
    光回折構造付き磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記透明型光回折構造と前記反射型光回
    折構造の一方が前記基材の片面に、他方が前記基材の他
    の面に積層されていることを特徴とする請求項1記載の
    光回折構造付き磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007076022A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Dainippon Printing Co Ltd 新規構成の高意匠性光回折構造体付きカード

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007076022A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Dainippon Printing Co Ltd 新規構成の高意匠性光回折構造体付きカード
JP4713284B2 (ja) * 2005-09-12 2011-06-29 大日本印刷株式会社 新規構成の高意匠性光回折構造体付きカード

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