JP2001050919A - 内部構造観察方法 - Google Patents

内部構造観察方法

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JP2001050919A
JP2001050919A JP11222006A JP22200699A JP2001050919A JP 2001050919 A JP2001050919 A JP 2001050919A JP 11222006 A JP11222006 A JP 11222006A JP 22200699 A JP22200699 A JP 22200699A JP 2001050919 A JP2001050919 A JP 2001050919A
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Masao Nagase
雅夫 永瀬
Kenji Kurihara
健二 栗原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料の非破壊で試料材料内部に埋め込まれた微
細な構造を明瞭に観察する。 【解決手段】電子線3を走査して試料内部に埋め込まれ
た微細な構造体1を観察・計測する内部構造観察方法に
おいて、電子線3の電子の平均自由行程を、観察対象で
ある微細な構造体1が埋め込まれた深さと同程度とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線を走査して
試料内部に埋め込まれた微細な構造体を観察・計測する
内部構造観察方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の高集積化、高性能化を
目指して、微細加工技術は進展を続けている。現在、1
00nm程度の構造の加工が可能であり、今後もさらな
る微細化が進むものと思われる。
【0003】微細化に伴い、複雑な3次元的構造も多く
用いられるようになっている。これに伴い、複雑な微細
構造の3次元的内部構造の観察の重要性が増大してきて
いる。
【0004】内部構造の観察方法としては、試料断面の
走査電子顕微鏡(SEM)等での断面観察、試料断面を
薄層化して透過電子顕微鏡(TEM)を用いての断面観
察、目標構造物以外を除去してのSEM等での形状観察
が一般的である。
【0005】すなわち、従来の方法では、観察前の処理
により内部構造を表面に露出させ、それを直接観察する
方法が採られている。
【0006】これは、観察に用いられる電子線の性質に
由来する。電子線は細く(1nm以下)絞ることができ
るため、微細構造の観察には非常に適する(これは主に
SEMで利用される性質である)。また、波動として見
た場合でも波長が短く分解能の高い像が得られる(これ
は主にTEMで利用される性質である)。
【0007】しかし、電子線は物質との相互作用が大き
いため、一般的には材料を透過することはできない(X
線等で構造の内部透視が可能なのは相互作用が程々に小
さいからである)。それでも、物質との相互作用の大き
さは有限であるので、ある程度、材料内部へ侵入するこ
とは可能である。例えば、TEMでよく使われる電子加
速電圧が200kVの電子線の場合、材料にもよるが概
ね10μm程度の薄膜であれば透過が可能である。TE
Mでの試料観察には試料の薄層化が必須であるのはこの
ためである。
【0008】TEMの場合には透過電子を情報の担体と
して用いるが、同じ電子線を用いた顕微鏡でもSEMは
試料表面から放出される2次電子を情報として用いる。
この2次電子の主な成分は比較的低速(10eV前後)
の電子であり、試料表面から概ね数nm〜10nm程度
の深さで発生した2次電子の情報を使うことになる。つ
まり、一般にSEMでは試料の表面構造のみが像とな
る。このため、通常のSEMで内部構造を観察するには
破断面を観察するか、観察目標構造物以外を除去して表
面に露出させるかのいずれかの方法が用いられる。
【0009】前述したとおり従来の電子顕微鏡を用いた
内部構造の観察方法においては、観察対象を何らかの形
で表面に露出させる必要がある。しかし、観察対象(特
に半導体集積回路)の微細化に伴い、断面試料作製が非
常に困難となりつつある。通常、最も簡単な断面試料作
製法は、試料の破断・分割であるが、実効的には目視を
行いながら、所望の位置のけがき、破断作業を行う必要
があり、ミクロンオーダーでの位置決めは困難である。
TEM用断面試料の作製においては、研磨による薄層化
を行うため、所望の場所を薄層化することは非常に困難
である。近年、収束イオンビーム(FIB)を用いた断
面試料作製法が考案されているが、これをもってしても
サブミクロンオーダーの位置決めは困難である。また、
微細化により構造自体が脆弱になるため、膜の剥離に対
する処理も非常に困難になっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明により解決しよ
うとする課題は、走査電子顕微鏡像において明瞭な内部
構造像を得ることである。
【0011】構造の微細化にともない、3次元構造把握
のための試料の作製が非常に困難になってきている。す
なわち、断面観察においては、特定箇所の断面試料の正
確な切り出しが非常に困難となっている。対象構造にダ
メージを与えることなく、それ以外の構造を除去するこ
とも非常に困難である。これらの点に鑑みて、本発明に
よる方法は、内部構造の露出といった試料の前処理を必
要としない内部構造観察方法である。
【0012】通常、構造体の内部構造を非破壊で観察す
るには、X線等の透過能の高い光子系の線源を用いる。
しかし、これらの線源を用いた観察方法では、原理的に
高い分解能を得ることはできないため、半導体回路に用
いられるような微細な構造体の観察には適用できない。
電子線を代表とする荷電粒子線は収束が容易で、細いビ
ームを得ることができる。このため、微細な構造体の観
察によく用いられる。しかし、粒子線は光子に比べると
格段に物質との相互作用が大きく、透過能的には劣る。
各種の粒子線の中で、電子は物質との相互作用が小さ
く、透過能が比較的高い。しかし、微細構造体の観察方
法のうち、最もよく使われる方法であるSEMでは、試
料表面から放出される2次電子を情報として用いるた
め、通常は表面構造のみを観察することになる。また、
これまでは表面構造の観察に主眼が置かれていたため、
この特徴は有用であった。しかし、非破壊での内部構造
観察の必要性があり、SEM的方法を用いて、この課題
に取り組んだ。
【0013】比較的加速電圧の高い電子線は、材料内部
に侵入するため、内部構造情報の取得のためのプローブ
として用いることが可能である。しかし、通常のSEM
の画像情報として用いられる低速の2次電子は、脱出深
さが数nm程度と浅く、これを直接的に内部構造情報と
してとらえることはできない。例えば1つの方法として
像情報として反射電子を用いれば、入射電子の侵入深さ
と同程度の深さからの情報を得ることが原理的には可能
である。しかし、反射電子像を得るためには構成材料の
原子量(分子量)が大きく異なる必要がある上に、通常
の2次電子像に比べてS/Nが悪く、このため一般的に
は高分解能像を得ることができない。特に、半導体回路
の主流である、シリコン/絶縁膜系において明瞭な像を
得ることは非常に困難である。
【0014】また、別の方法として、いわゆるEBテス
ター法がある。この方法では、内部構造に電圧を印可
し、その電位コントラストを試料表面から放出される2
次電子量に変換することにより内部構造像を得ることが
できる。しかしながら、この方法では電位コントラスト
であるため、分解能があまり高くない。
【0015】反射電子像でも、電位コントラスト像で
も、内部構造像は表面形状像に比べて強度が弱いため、
通常の観察方法で両者を分離し、あるいは、内部構造像
だけを得ることはできない。
【0016】以上のように、従来のSEM的方法では試
料の非破壊での内部構造の明瞭な観察はできていない。
これは、これまでの多くの方法が元来、表面観察に主眼
を置いて設定された観察条件を用いていたことが要因で
ある。そこで本発明では、内部構造に適した走査電子線
を用いた試料非破壊で内部構造の明瞭な像が得られる観
察条件・方法を提示する。
【0017】
【課題を解決するための手段】電子線を材料に照射する
と、そのエネルギーに応じて材料内部に侵入し、材料の
構成原子により散乱され、最終的には吸収されてしま
う。散乱過程で発生する2次電子のうち、試料表面付近
(深さ約10nmより浅い)で発生した低エネルギーの
2次電子を主な像情報として用いているのが走査電子顕
微鏡(SEM)である。そのため、通常のSEMは表面
構造の観察が主たる使用方法である。本発明は、通常は
表面構造情報しか得ることのできないSEMを用いて内
部構造情報を得る方法であり、以下これについて述べ
る。
【0018】電子線をプローブとして用いて、内部構造
の情報を得ることを考えた場合、まず、プローブが観察
対象に到達するように十分なエネルギーを有することが
必要となる。プローブに用いる電子線の侵入深さ(入射
電子が到達できる深さ)は内部構造深さより大きくする
必要がある。また、高分解能観察のためには観察対象位
置では散乱が小さく、プローブにぼけが少ないことが重
要となる。これは、散乱半径と表される。侵入深さ、散
乱半径共に対象材料、加速電圧に依存するが、この2つ
のパラメータから見ると高加速電圧になるほど内部構造
の観察には有利になる。しかし、電子線と材料との相互
作用を考えた場合、エネルギーが高いほど、単位長さ
(電子線の走行方向)当たりに失うエネルギー量が相対
的に減少する。このため、ある特定の大きさの内部構造
の情報を得ることを考えた場合、エネルギーが低いほど
有利となる。以上を考え合わせると、内部構造観察には
最適な加速電圧が存在することが予測される。最適な加
速電圧は材料系により異なると考えられるが、概ね材料
内部での電子の平均自由行程と観察対象構造の深さがほ
ぼ同程度になるような加速電圧である。
【0019】なお、電子の平均自由行程は、入射電子線
が材料内部で最初に散乱されるまでに走行する平均的距
離を指す。この物理量は概念的なもので、実効的に測定
することは一般的には不可能である。この量は、概ね加
速電圧の上昇と共に増大することが知られている。例え
ば、Siでは加速電圧1keVで電子の平均自由行程
1.7nm、5keVで9.4nm、30keVで58
nm、200keVで370nmというシミュレーショ
ン結果がある。一般的な関係式は知られていないが、S
EMで用いる加速電圧の範囲内では電子の平均自由行程
は概ね加速電圧に比例する。
【0020】例えば、Si酸化膜中に埋まったSi構造
を対象とすれば、10nm程度の深さの構造の場合、概
ね5kV程度、100nm程度の深さの構造の場合、数
10kV、ミクロンオーダーの深さの場合は数100k
Vの電子線をプローブとして用いることにより、コント
ラストよく分解能の高い像を得ることができる。
【0021】Si系のように、いわゆる軽元素で構成さ
れる材料の場合、電子の平均自由行程程度の深さでのビ
ームのぼけ(散乱半径)は1nm程度と見積もられるた
め、十分に細いプローブにより観察が可能である。以上
(加速電圧を電子の平均自由行程程度に設定すること)
が内部観察の要件の1点目で、プローブについての条件
である(この条件は必ず満たしている必要がある)。
【0022】次に、内部構造情報と表面構造情報との分
離の問題がある。通常、SEMによる形状観察の場合、
表面構造の凹凸と材料差に由来する2次電子放出量差を
像情報として用いる。このため、通常は観察対象表面に
存在する凹凸や異種材料分布が像として現れることが一
般的である。SEMでは表面構造の軽微な差異も像にす
ることができる(これは通常のSEM法にとっては有用
な性質である)。
【0023】しかしながら、内部構造に由来する像情報
は表面構造情報に比べて微弱であることが判っているた
め、内部構造の観察のためには、このような各種の表面
構造に由来する像は障害となる。そのため、なるべく凹
凸が少なく、均一な材料で構成されている方が望まし
い。試料表面を凹凸が少なく均一な材料で構成すること
ができれば(通常の意味のSEM像は得られない状態に
なる)、微妙な内部情報を有効に活用することが可能と
なる。すなわち、内部観察の要件の2点目は、表面構造
の凹凸の低減、均一化ということになる(必須要件では
ない)。
【0024】以上、2点の要件を満たすようにプローブ
条件、試料表面条件を設定することにより、内部構造が
明瞭に2次電子像として観察できるようにする。比較的
深い(10nm以上)内部構造情報が試料表面(約10
nm以内)から放出される2次電子量に変換されて、こ
れを可視化することが可能である。すなわち、電子線プ
ローブを十分細い状態で内部構造と相互作用させること
(第1の要件)と表面構造の均質化(第2の要件)によ
り、従来は情報として用いることのできなかった微妙な
内部構造に由来する像情報を利用することが可能とな
る。
【0025】すなわち、本発明は、電子線を走査して試
料内部に埋め込まれた微細な構造体を観察・計測する内
部構造観察方法において、観察対象の上記構造体が埋め
込まれた深さと、上記電子線の電子の平均自由行程を同
程度とすることを特徴とする。つまり、電子線の電子の
平均自由行程を、観察対象の構造体が埋め込まれた深さ
と同程度になるように、電子線の加速電圧を調整して電
子線を走査する。
【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1 図1(a)は本発明の実施の形態1の内部構造観察方法
を示す図、(b)は上から内部構造に由来する2次電子
強度分布、表面構造に由来する2次電子強度分布、総量
の2次電子強度分布を示す図である。図1(a)におい
て、2はSi酸化膜、1はSi酸化膜2に埋め込まれた
内部Si構造体、3は観察対象の内部Si構造体1が埋
め込まれた深さと同程度に電子線の電子の平均自由行程
を調整した電子線である。
【0027】図3(a)は従来の表面観察方法を示す
図、(b)は上から内部構造に由来する2次電子強度分
布、表面構造に由来する2次電子強度分布、総量の2次
電子強度分布を示す図である。図3(a)において、図
1(a)と同符号のものは同一のものを示す。5は電子
線の電子の平均自由行程が表面付近で浅い電子線であ
る。
【0028】図1(a)に示すように、Si酸化膜2中
にSi構造体1が埋め込まれた構造の観察を考える。S
i構造体1上の酸化膜厚はおよそ100nmである。内
部構造観察のためには加速電圧の選択が重要であるが、
ここでは構造(内部Si構造体1の深さ)と材質(Si
酸化膜2)を考慮に入れて30kVに設定することとす
る。
【0029】これにより、観察対象深さと酸化膜中での
電子の平均自由行程とがほぼ一致し、内部構造情報が得
やすくなる(図中電子線を表す矢印の先端位置が表面か
らの電子の平均自由行程を模擬している)。また、この
条件での内部構造付近での電子線の散乱による広がりは
2nm程度と見積もられるため、十分、高い分解能での
観察が可能である。
【0030】この状態では2次電子像としては図1
(b)に示すように表面構造に由来する2次電子成分と
内部構造に由来する2次電子成分とが重ね合わさって観
察されることになるが、内部構造の情報を得ることが可
能である。
【0031】通常のSEM観察では、表面構造のみを観
察することが目的であるため、例えば1kVといった比
較的低い加速電圧が用いられる。この場合、図3(a)
に示すように、電子線はほとんど表面のみで吸収され、
その2次電子信号強度は図3(b)に示すようになり、
表面構造のみを反映したものとなる。
【0032】加速電圧を5kV程度に上げれば、電子線
は内部のSi構造体1に到達することができるようにな
る。しかし、この程度の加速電圧では材料内での散乱に
より実効的なビーム径は100nm程度となってしまう
ため、内部構造を観察することはできない(実効的には
この付近(数kV)の加速電圧では酸化膜2のチャージ
アップにより表面構造の観察も困難になる)。さらに加
速電圧を上昇させ、30kV程度にすれば、最初に述べ
たように内部構造像が得られる。さらに加速電圧を上
げ、例えば200kV程度にすると実効的なビーム径は
わずかに小さくなるが、Si構造との相互作用が小さく
なるため、コントラストが低下し、この影響で実効的な
分解能はあまり変化しないか、場合によっては劣化す
る。要は観察目的の構造の埋まっている深さと同程度の
電子線が通過する材料中での電子の平均自由行程を与え
る加速電圧に観察条件を設定することが重要であり、こ
れにより良好な像観察を行うことができる。
【0033】本実施の形態では、100nm程度の深さ
にある内部構造を想定したが、もちろん、構造深さ、材
質により最適な加速電圧条件は変化する。例えばSi系
の材料(Si、Si酸化膜、各種のSi酸化物系の材
料)では、20〜30nmの深さの構造であれば10k
V程度、100nm前後の深さの構造を観察する場合は
30〜50kV程度、1μmオーダーであれば数100
kV以上の加速電圧が望ましい。また、より重い(電子
線の透過能が小さい)材料では、軽い材料に比べてより
大きな加速電圧を必要とする。
【0034】実施の形態2 表面構造に由来する2次電子と、内部構造に由来する2
次電子とを選別することは不可能であるので、常にこの
2つの成分は重なり合うことになる。観察対象の内部構
造上の表面形状に変化が少なく、2次電子放出効率に場
所による大きな変動がなければ、内部構造に由来する2
次電子量の変化を像として明瞭に観察することができ
る。しかし、一般的には、内部構造に対応してある程度
表面構造にも凹凸があり、この表面構造に由来する像
が、内部構造像に重なることになる。このような状態で
は、内部構造の正確な把握は困難である。これを防止す
るには表面の凹凸を低減し、また材質的にも均一なもの
とする必要がある。
【0035】図2(a)は本発明の実施の形態2の内部
構造観察方法を示す図、(b)は上から内部構造に由来
する2次電子強度分布、表面構造に由来する2次電子強
度分布、総量の2次電子強度分布である。図2(a)に
おいて、図1(a)と同符号のものは同一のものを示
す。3′は観察対象の内部Si構造体1が埋め込まれた
深さと同程度に電子線の電子の平均自由行程を調整した
電子線、4は試料表面に被着させた軽元素を主成分とす
る被膜である。
【0036】図2(a)に示すように、例えば電子線照
射励起反応により形成した炭素系の被膜4(いわゆる、
コンタミネーション膜)を試料の観察対象領域に被着す
ればその目的を達成することが可能である。Si酸化膜
上に被膜4を被着すると、酸化膜2の表面凹凸に由来す
る2次電子像はほぼ完全に消去する場合があることは本
発明者らは確認済みである。被膜4の表面凹凸は、被着
前の凹凸に比較してかなり小さくなるため、これに由来
する像もかなり弱くなり、実効的に内部構造像が明瞭に
観察できることになる(図2(b))。被着する被膜4
の膜厚としては10nm〜数10nm程度でよく、例え
ば数10kV以上の加速電圧を用いれば透過能的には膜
の有無の影響はほとんどない。
【0037】本実施の形態では、試料表面に被着する被
膜4として、SEMによる観察時に装置内で被着可能な
コンタミネーション膜を用いたが、あらかじめ、表面凹
凸を緩和し、かつ均一な材料系の膜を被着しておいても
かまわない。要は、電子線の透過能を妨げない程度の厚
さで、表面の凹凸を緩和するような膜を被着すればよ
い。電子線の透過能を妨げないためにはなるべく軽元素
が良く、炭素系の材料はこの目的には最適である。コン
タミネーション膜は一般には緻密な膜ではないため、表
面が不明瞭で試料表面の凹凸を消失させる効果が非常に
強いものの代表であるが、後で除去することが望ましけ
れば、例えばスピン塗布により溶液から製膜したレジス
ト材料を薄く被着してもかまわない。凹凸緩和の点から
は、スピン塗布により溶液から製膜したレジスト材料の
ような膜が好ましいが、スパッタや蒸着により被着した
カーボン膜でも所期の効果が得られれば問題ない。
【0038】以上本発明を実施の形態に基づいて具体的
に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変
更可能であることは勿論である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
走査電子顕微鏡の観察条件・試料表面状態を適切に制御
することにより、試料材料内部に埋め込まれた微細な構
造を観察できるため、微細構造の三次元形状観察・計測
に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1の内部構造観察
方法を示す図、(b)は内部構造に由来する2次電子強
度分布、表面構造に由来する2次電子強度分布、総量の
2次電子強度分布を示す図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態2の内部構造観察
方法を示す図、(b)は内部構造に由来する2次電子強
度分布、表面構造に由来する2次電子強度分布、総量の
2次電子強度分布である。
【図3】(a)は従来の表面観察方法を示す図、(b)
は内部構造に由来する2次電子強度分布、表面構造に由
来する2次電子強度分布、総量の2次電子強度分布を示
す図である。
【符号の説明】
1…内部Si構造体、2…Si酸化膜、3、3′…Si
構造体が埋め込まれた深さと同程度に電子の平均自由行
程を調整した電子線、4…軽元素を主成分とする被膜、
5…電子の平均自由行程が浅い電子線。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月2日(1999.12.
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G001 AA03 BA07 CA03 GA06 GA09 KA20 LA11 NA07 NA20 RA08 RA20 4M106 AA20 BA02 CA70 DH24 DH60 5C033 UU03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子線を走査して試料内部に埋め込まれた
    微細な構造体を観察・計測する内部構造観察方法におい
    て、上記電子線の電子の平均自由行程を、観察対象であ
    る上記構造体が埋め込まれた深さと同程度とすることを
    特徴とする内部構造観察方法。
  2. 【請求項2】上記試料表面に軽元素を主成分とする薄膜
    を被着させることを特徴とする請求項1記載の内部構造
    観察方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003066118A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Sanyo Electric Co Ltd 半導体装置の故障解析方法
US7391039B2 (en) 2005-05-12 2008-06-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Semiconductor processing method and system
JP2010054336A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 表面に元素薄膜が存在する微小体の識別法
JP2011158331A (ja) * 2010-01-29 2011-08-18 Kanagawa Acad Of Sci & Technol 薄膜状元素の識別方法
JP2016176703A (ja) * 2015-03-18 2016-10-06 株式会社村田製作所 セラミック誘電体の観察方法

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