JP2001031600A - 高純度モノエチレングリコールの製法 - Google Patents

高純度モノエチレングリコールの製法

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JP2001031600A
JP2001031600A JP11200898A JP20089899A JP2001031600A JP 2001031600 A JP2001031600 A JP 2001031600A JP 11200898 A JP11200898 A JP 11200898A JP 20089899 A JP20089899 A JP 20089899A JP 2001031600 A JP2001031600 A JP 2001031600A
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ethylene oxide
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glycol
crude
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Yoshihisa Oka
義久 岡
Yutaka Sugiyama
豊 杉山
Kenji Suzuki
健二 鈴木
Hironori Horie
弘規 堀江
Makoto Furukawa
真 古川
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モノエチレングリコールを製造するプロセス
において、製造工程・操作の簡素化、省エネ化、低コス
ト化を達成し、かつモノエチレングリコール製品中のグ
リコールアルデヒドなどの不純物の混入を抑制し、繊維
グレードの高純度モノエチレングリコールに求められる
製品規格値を満足することのできる高純度モノエチレン
グリコールの製造方法を提供する。 【解決手段】 未精製の粗エチレンオキシドを加水反応
用原料として使用し、高純度のモノエチレングリコール
を製造する方法において、モノエチレングリコール精留
塔にサイドカット技術を導入し、サイドカット部からモ
ノエチレングリコールを取得することを特徴とする高純
度モノエチレングリコールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度のモノエチ
レングリコールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図2に示すように、精製エチレン
オキシドを加水反応用原料に使用してモノエチレングリ
コールを製造する方法では、モノエチレングリコール精
留塔にサイドカット法を用いることなく、実質的に水を
含まないエチレングリコール液(例えば、脱水塔ボトム
液)を配管203を通じてモノエチレングリコール精留塔2
01へフィードし、該精留塔201にて蒸留操作を行い、該
精留塔201の塔頂部から留出するモノエチレングリコー
ルの蒸気を、配管205の経路上に設けられた凝縮器207に
より全量凝縮液化してモノエチレングリコール液とし、
このモノエチレングリコール液の一部を分岐配管209を
通じてモノエチレングリコール精留塔201へ還流して戻
し、残りのモノエチレングリコール液は配管208を通じ
て全て高純度のモノエチレングリコール製品として取得
し、精留塔201の塔底部に残るジエチレングリコール等
の高沸点成分の釜液は配管211を通じて系外のジエチレ
ングリコール処理工程へ送る方法を用いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、製造プ
ロセスの簡略化、省エネ化、低コスト化を図る目的でモ
ノエチレングリコールの製造プロセスを種々検討したと
ころ、精製エチレンオキシドを加水反応用原料に使用し
てモノエチレングリコールを製造する従来の製造技術に
おいて、加水反応用原料を精製エチレンオキシドから未
精製の粗エチレンオキシドへ変更することで、上記目的
は達成されるものの、粗エチレンオキシドに同伴され、
加水反応によって生成し、モノエチレングリコール製品
中に同伴される重質のアルデヒド、特にグリコールアル
デヒド濃度の低減が不十分であり、さらに製品モノエチ
レングリコールの熱安定性が悪化することが判明した。
この熱安定性の悪化は、グリコールアルデヒドによるだ
けでなく、粗エチレンオキシドを使用することにより含
まれてくる、有機塩素化合物、アルデヒド類、有機酸類
が加水反応時に変化し、モノエチレングリコールと沸点
の近い物質またはモノエチレングリコールの蒸留精製過
程で発生してくる不純物(例えば、エチレンクロロヒド
リン、ジエチレングリコールモノクロロヒドリンなど)
によるものと考えられる。
【0004】そこで、本発明の目的は、モノエチレング
リコールを製造するプロセスにおいて、製造工程・操作
の簡素化、省エネ化、低コスト化を達成し、かつモノエ
チレングリコール製品中のグリコールアルデヒドの低減
およびそれと共にもたらされる上記熱安定性の悪化原因
物質を低減し、繊維グレードの高純度モノエチレングリ
コールに求められる品質を満足することのできる高純度
モノエチレングリコールの製造方法を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記諸目
的を達成すべく、高純度モノエチレングリコールの製造
方法につき鋭意検討した結果、未精製のエチレンオキシ
ドを加水反応用原料に使用して製造工程・操作の簡素
化、省エネ化、低コスト化を図ると共に、不純物の除去
のための装置類を増設、あるいは改良したり、新たに工
程を増やしたりすることなく、モノエチレングリコール
精留塔にサイドカット技術を導入するという極めて簡単
な手段により、意外にも、サイドカット部からグリコー
ルアルデヒドの濃度が極めて低くかつ熱安定性の高い高
純度モノエチレングリコール製品を取得する事ができ、
全体しても十分に製造工程・操作の簡素化、省エネ化、
低コスト化が達成されることを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
【0006】すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜
(5)により達成される。
【0007】(1) 未精製の粗エチレンオキシドを加
水反応用原料として使用し、高純度のモノエチレングリ
コールを製造する方法において、モノエチレングリコー
ル精留塔にサイドカット技術を導入し、サイドカット部
からモノエチレングリコールを取得することを特徴とす
る高純度モノエチレングリコールの製造方法。
【0008】(2) 前記モノエチレングリコール精留
塔の塔頂部のカット率を、前記モノエチレングリコール
精留塔へのフィード量に対して0.01重量%以上とす
ることを特徴とする上記(1)に記載の方法。
【0009】(3) 前記未精製の粗エチレンオキシド
が、エチレンオキシド放散塔の塔頂部より得られるエチ
レンオキシドを含有する蒸気を冷却および/または吸収
によりその一部または全部を凝縮させて得られる凝縮液
中のエチレンオキシドであることを特徴とする上記
(1)または(2)に記載の方法。
【0010】(4) 前記未精製の粗エチレンオキシド
が、エチレンオキシド放散塔の塔頂部より得られるエチ
レンオキシドを含有する蒸気の一部または全部を凝縮さ
せて得られる凝縮液を、該放散塔に還流させることなく
得られたものであることを特徴とする上記(1)〜
(3)のいずれか1つに記載の方法。
【0011】(5) 前記未精製の粗エチレンオキシド
が、エチレンオキシド放散塔の塔頂部より得られるエチ
レンオキシドを含有する蒸気を一部凝縮させて第1の凝
縮液を得、残りの未凝縮ガスをさらに凝縮させるかまた
はそのままの形でエチレンオキシド脱水塔に導き、得ら
れる脱水されたエチレンオキシドを前記第1の凝縮液と
混合したものであることを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれか1つに記載の方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の高純度モノエチレングリ
コールの製造方法は、未精製の粗エチレンオキシドを加
水反応用原料として使用し、高純度のモノエチレングリ
コールを製造する方法において、モノエチレングリコー
ル精留塔にサイドカット技術を導入し、サイドカット部
からモノエチレングリコールを取得することを特徴とす
るものである。
【0013】図1に示すように、本発明では、未精製の
粗エチレンオキシドを含むエチレンオキシドを加水反応
用原料に使用してモノエチレングリコールを製造する際
に、モノエチレングリコール精留塔にサイドカット技術
を導入し、実質的に水を含まないエチレングリコール液
(例えば、脱水塔ボトム液)をエチレングリコール液フ
ィード用の配管103を通じてモノエチレングリコール精
留塔101へフィードし、該精留塔101にて蒸留操作を行
い、該精留塔101の塔頂部から留出するモノエチレング
リコールの蒸気を、頭頂部側の配管105の経路上に設け
られた凝縮器(コンデンサ)107により全量凝縮液化し
てモノエチレングリコール液とし、このモノエチレング
リコール液の一部を頭頂部側の還流用の分岐配管109を
通じて精留塔101へ還流して戻し、残りの不純物を含有
する塔頂部の濃縮液は該配管108を通じて系外に排出
し、精留塔101へ環流される高純度のモノエチレングリ
コールは、サイドカット用の配管113を通じて製品とし
て取得し、精留塔101の塔底部に残るジエチレングリコ
ール等の高沸点成分は塔底部側の配管111を通じて系外
のジエチレングリコール処理工程へ送り処理する。これ
により、比較的低沸点成分(軽質留分)のグリコール
アルデヒドなどの不純物を含有する塔頂濃縮液、中間
沸点成分(中間留分)の高純度のモノエチレングリコー
ルのサイドカット液および高沸点成分(重質留分)の
ジエチレングリコール等の塔底液の3成分に分離するこ
とができる。
【0014】ここで、本発明の製造方法に使用すること
のできる未精製の粗エチレンオキシドとしては、銀触媒
の存在下、エチレンを分子状酸素で接触気相酸化してエ
チレンオキシドを精製する過程で得られる未精製の粗エ
チレンオキシドであれば、特に制限されるものではな
く、(1)従来のエチレンオキシドの製造過程で発生す
る未精製の粗エチレンオキシド、例えば、特公昭61−
3772号公報、USP3904656、特公昭54−
882号公報に記載の方法に用いられている未精製の粗
エチレンオキシド、具体的には、 A.エチレンオキシド放散塔の塔頂留分、 B.エチレンオキシド脱水塔の塔頂留分、 C.エチレンオキシド脱水塔の塔底液、 D.エチレンオキシド精留塔の塔底液、および E.再吸収塔の塔底液、などが挙げられ、これらを1種
単独で用いても良いほか、2種以上を混合して用いても
良い。
【0015】さらに、本発明者らが、プロセスの簡素化
及び塔頂留分のコンデンサー、還流ポンプ等の機器サイ
ズの縮小、放散塔の投入蒸気の削減等の観点から鋭意検
討した結果、見出したものである下記(2)〜(4)に
示す未精製の粗エチレンオキシドが挙げられる。下記
(2)〜(4)に示す未精製の粗エチレンオキシドで
は、加水反応器へ送られる未精製の粗エチレンオキシド
水溶液を薄めることなく、エチレンオキシド放散塔の頭
頂部からでてくる蒸気を削減できる点で好ましい。
【0016】(2)エチレンオキシド放散塔の塔頂部よ
り得られるエチレンオキシドを含有する蒸気を冷却およ
び/または吸収によりその一部または全部を凝縮させて
得られる凝縮液中のエチレンオキシド、(3)エチレン
オキシド放散塔の塔頂部より得られるエチレンオキシド
を含有する蒸気の一部または全部を凝縮させて得られる
凝縮液を、該放散塔に還流させることなく得られたも
の、および(4)エチレンオキシド放散塔の塔頂部より
得られるエチレンオキシドを含有する蒸気を一部凝縮さ
せて第1の凝縮液を得、残りの未凝縮ガスをさらに凝縮
させるかまたはそのままの形でエチレンオキシド脱水塔
に導き、得られる脱水されたエチレンオキシドを前記第
1の凝縮液と混合したもの、の少なくとも1種を好適な
加水反応用原料として用いることができる。
【0017】なお、本発明では、上記の如く未精製の粗
エチレンオキシドを加水反応用原料に使用することがで
きるが、製造工程・操作の簡素化、省エネ化、低コスト
化の観点から、好ましくは上記(3)に示す未精製の粗
エチレンオキシドからなるものを加水反応用原料に使用
することにより、エチレンオキシド放散塔の加熱量を5
〜10%低減可能となり、後の精製工程も不要となる。
【0018】本発明では、未精製の粗エチレンオキシド
を加水反応用原料に使用し、モノエチレングリコールを
製造するものであるが、上述したとおりモノエチレング
リコール精留塔までのプロセスに関しては、特に制限さ
れるものではなく、従来既知の製造方法を利用する事が
できるものであり、例えば、化学工学会編「化学プロセ
ス」、121頁などに記載の従来既知の製造技術を適宜
利用することができる。すなわち、上記加水反応用原料
を反応器中で加水反応させ、該反応生成物を複数の蒸留
塔での蒸留操作により、水、モノエチレングリコールよ
り低沸点成分を順次留去し、その後、モノエチレングリ
コールを留出して、高純度のモノエチレングリコールを
得るとする従来の製造方法の中の当該製造技術を利用す
ることができるものである。
【0019】本発明では、好ましくは、モノエチレング
リコール脱水塔の塔底液をモノエチレングリコール精留
塔にフィードし、該モノエチレングリコール精留塔の塔
頂部のカット率を、モノエチレングリコール精留塔への
フィード量に対して0.01重量%以上、さらに好まし
くは0.1〜2重量%の範囲で蒸留を行うことが望まし
い。サイドカット部より得られたモノエチレングリコー
ルは製品として取得し、グリコールアルデヒドなどの不
純物を含む塔頂部から出る濃縮液は系外へ排出すること
で、サイドカット部へのこれら不純物の混入を極めて効
果的に防ぐ事ができるものである。上記モノエチレング
リコール精留塔の塔頂部のカット率がモノエチレングリ
コール精留塔へのフィード量に対して0.01重量%未
満の場合には、モノエチレングリコール精留塔の塔頂部
から系外へ排出される濃縮液量の減少により、グリコー
ルアルデヒドなどの不純物が濃縮液側に十分に移行して
排除されることなく、塔頂部から環流される還流液中へ
の不純物の混入が増加し、サイドカット部より抜き出さ
れるモノエチレングリコール液中に混入し、該モノエチ
レングリコール製品の純度の低下につながるため好まし
くない。なお、上記モノエチレングリコール精留塔の塔
頂部のカット率がモノエチレングリコール精留塔へのフ
ィード量に対して2重量%を超える場合には、塔頂部か
ら系外に排出される濃縮液中のモノエチレングリコール
量が増加し、サイドカット部より抜き出されるモノエチ
レングリコール製品の取得率の低下につながるため好ま
しくない。ここで、モノエチレングリコール精留塔の塔
頂部のカット率とは、塔にフィードされる量に対して、
塔頂部から系外へ排出される量の重量百分率として定義
されるものである。また、本明細書において、サイドカ
ット技術とは、一般に3成分系を軽質留分、中間留分、
重質留分に蒸留分離するための蒸留塔に適用されている
技術であり、その操作は以下に詳述する通りである。
【0020】つぎに、本発明に用いることもできる、サ
イドカット技術を導入してなるモノエチレングリコール
精留塔およびその操作・条件につき、以下に説明する。
【0021】(1)モノエチレングリコール精留塔(以
下、単に、MEG精留塔ともいう) モノエチレングリコール精留塔の形式については、特に
制限されるものではなく、一般的な蒸留塔であればよい
が、圧力損失の少ない充填塔が好ましい。さらに、従来
の精製方法では、通常、1本または2本のMEG精留塔
とMEG回収塔からなる複合塔が用いられており、ME
G精留塔は、ボトムフィードで濃縮部のみを有し、その
後段のMEG回収塔は、中段フィードで濃縮部と回収部
を有する構造のものが使われていた。本発明のMEG精
留塔では、図3に示すように、中段フィードで濃縮部と
回収部を有する構造に加えて、該濃縮部の上にサイドカ
ット用の濃縮部を設置すればよい。また、前述のように
複合塔で行われるときは、少なくとも1本以上の塔につ
いて濃縮部の上にサイドカット用の濃縮部を設置すれば
よい。
【0022】モノエチレングリコール精留塔の操作圧力
は、加熱源や冷却源の温度によって、適宜決定されるも
のであり、特に制限されるものではないが、通常1〜2
00mmHgである。
【0023】(2)モノエチレングリコール精留塔への
フィード液 本発明では、モノエチレングリコール精留塔にフィード
されるフィード液としては、該モノエチレングリコール
精留塔にフィードされるエチレングリコール液中の水分
量が実質的にゼロ(具体的には0.1重量%以下)であ
るものであれば、特に制限されるものではなく、例え
ば、モノエチレングリコール脱水塔にて、脱水処理され
て、水分量が実質的にゼロになった該モノエチレングリ
コール脱水塔のボトム液などが好適に利用できるが、特
にこれらに制限されるものではなく、さらにこれらが従
来技術における不純物除去の目的でアルカリ処理された
ようなものであってもよい。
【0024】なお、加水反応用原料に使用される未精製
の粗エチレンオキシド中に含有される不純物としては、
その製造履歴にもよるが、アルデヒド類、有機塩素類、
無機塩素類、有機酸類等を含んでいる。しかしながら、
加水反応用原料を加水反応させ、その後、通常の脱水操
作を行う過程でこうした不純物の多くが除去され、最終
的にモノエチレングリコール精留塔にフィードされるエ
チレングリコール液中には、通常の蒸留操作ではモノエ
チレングリコールと分離することが極めて困難であるグ
リコールアルデヒドやその他不特定の熱安定性を悪化さ
せる微量の不純物などが混入されている。したがって、
本発明では、こうした通常の蒸留操作ではモノエチレン
グリコールと分離することが極めて困難であるグリコー
ルアルデヒドなどの不純物が、サイドカット技術を導入
してなるモノエチレングリコール精留塔において分離す
べき対象物(不純物)となる。
【0025】(3)モノエチレングリコール精留塔の操
作条件 モノエチレングリコール精留塔の塔頂温度は、操作圧
力によって変わるため、一義的に規定すべきものではな
い。なお、上記に規定する操作圧力範囲を考慮した場
合、塔頂温度範囲は極めて広範囲にならざるを得ない
が、あえて規定するならば、該塔頂温度は30〜160
℃である。
【0026】モノエチレングリコール精留塔の操作圧
力は、すでに上記に規定した通りである。
【0027】モノエチレングリコール精留塔の塔頂部
のカット率に関しても、すでに上記に規定した通りであ
る。
【0028】モノエチレングリコール精留塔の塔頂部
の還流比(R/D;図3参照のこと)は、10〜50
0、好ましくは100〜400である。サイドカット濃
縮部の理論段数、不純物量に応じて適当に決めるのがよ
い。
【0029】モノエチレングリコール精留塔のサイド
カットの還流比(R′/D′;図3参照のこと)は、
0.5〜3、好ましくは0.8〜1.4である。この
R′/D′も濃縮部の段数に応じて、製品中へのDEG
濃度が規定値以内になるように定めればよい。
【0030】モノエチレングリコール精留塔の濃縮部
(図3参照のこと)の理論段数は、5〜30、好ましく
は7〜15である。この理論段数は、フィードの組成な
どを考慮し、製品中へのDEG濃度が規定値以内になる
ように定めればよい。
【0031】モノエチレングリコール精留塔のサイド
カット用の濃縮部(図3参照のこと)の理論段数は、3
〜10、好ましくは5〜10である。塔に持ち込まれる
不純物量に応じて適当に決めるのがよい。
【0032】本発明においては、サイドカット技術を導
入することにより、モノエチレングリコール精留塔の塔
頂部から排出される濃縮液(塔頂液)中に、上述したよ
うに、グリコールアルデヒドなどの不純物をも濃縮(上
記に規定する操作条件により、200〜1000倍に濃
縮可能である)することができる。この塔頂液は、系外
にて適当に廃棄処理してもよいが、好ましくは本発明者
らが別途発明し、特許出願中のモノエチレングリコール
の製造方法(具体的には、回収エチレングリコール含有
液を原料とし、該回収エチレングリコール含有液にアル
カリを添加した後、加熱処理を施し、次に粗蒸留を行っ
た後、モノエチレングリコールを精製することを特徴と
する高純度モノエチレングリコールの製造方法)におい
て、該塔頂液を回収エチレングリコール含有液として再
利用することが望ましい。これにより、プラント全体か
ら製造されるモノエチレングリコールの取得率をより高
める事ができるためである。
【0033】一方、本発明においては、サイドカット技
術を導入することにより、モノエチレングリコール精留
塔のサイドカット液がすべて高純度のモノエチレングリ
コール製品として高収率に回収することができるもので
ある。
【0034】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】実施例1 未精製の粗エチレンオキシドとして、放散塔塔頂ガスを
全部凝縮し、還流をしないで得られたものを加水反応用
原料に使用した。上記加水反応用原料に水を加えて加水
反応器中で加水反応させ、該反応生成物を複数の蒸留塔
で順次蒸留操作して、水ならびにモノエチレングリコー
ルより低沸点の成分を留去し、実質的に水を含まない脱
水塔ボトム液を得た。このボトム液をサイドカット技術
を導入してなるモノエチレングリコール精留塔の中段に
フィードし、該精留塔の塔頂温度127℃、該精留塔の
操作圧力60mmHg、該精留塔の塔頂部のカット率
は、モノエチレングリコール精留塔へのフィード量に対
して0.56重量%の条件にて蒸留を行った。尚、該精
留塔の塔頂部での還流比(R/D)は144.9、該精
留塔のサイドカット部での還流比(R′/D′)は1.
6とした。また、該精留塔の濃縮部(図3参照のこと)
の理論段数は7とし、該精留塔のサイドカット用の濃縮
部(図3参照のこと)の理論段数は5とした。サイドカ
ット部より得られたモノエチレングリコールは製品とし
て取得し、塔頂部から排出される濃縮液は系外へ排出し
た。得られたモノエチレングリコール製品中のグリコー
ルアルデヒド濃度を液相クロマトグラフ(株式会社島津
製作所製:LC−10)により測定した。得られた結果
を下記表1に示す。
【0036】また、得られたモノエチレングリコール製
品を260℃で1時間10分加熱した。加熱前後でモノ
エチレングリコール製品の紫外線(UV220nm)透
過率を測定したところ、加熱前85%→加熱後84%で
あり、加熱前後で透過率はほとんど変化せず、グリコー
ルアルデヒドのような熱安定性悪化物質が十分に除去さ
れていることが確認できた。
【0037】比較例1 実施例1で用いたと同様の実質的に水を含まない脱水塔
ボトム液を、サイドカット技術を導入していないモノエ
チレングリコール精留塔の中段にフィードし、該精留塔
の塔頂温度127℃、該精留塔の操作圧力60mmHg
で蒸留を行った。尚、該精留塔の塔頂部より得られたモ
ノエチレングリコールの一部は還流比1.6で還流し、
残りはすべてモノエチレングリコール製品として取得し
た。該精留塔の濃縮部の理論段数は7とした。得られた
モノエチレングリコール製品中のグリコールアルデヒド
濃度を測定し、得られた結果を下記表1に示す。
【0038】また、得られたモノエチレングリコール製
品を260℃で1時間10分加熱した。加熱前後でモノ
エチレングリコール製品の紫外線(UV220nm)透
過率を測定したところ、加熱前85%→加熱後74%で
あり、加熱後の透過率が大幅に低下しており、熱安定性
悪化物質の除去が不十分であることが確認できた。
【0039】
【表1】
【0040】上記表1中、MEGはモノエチレングリコ
ール、GAはグリコールアルデヒドを表す。
【0041】
【発明の効果】本発明では、未精製の粗エチレンオキシ
ドを加水反応用原料にし、モノエチレングリコールを製
造する際に、モノエチレングリコール精留塔にサイドカ
ット技術を導入し、サイドカット部からモノエチレング
リコールを取得するので、本来の目的である製造工程・
操作の簡素化、省エネ化、低コスト化を達成することが
でき、さらに従来の蒸留操作だけではモノエチレングリ
コールとの分離が極めて困難であったグリコールアルデ
ヒド、その他熱安定性悪化物質などの不純物をモノエチ
レングリコール精留塔の頭頂部から濃縮して系外に排出
することができ、サイドカット部から抜き出されるモノ
エチレングリコール中へのこれらの不純物の混入量(濃
度)を極めて低く抑えることができるので、取得される
モノエチレングリコールは、極めて高純度でかつ高収率
であり、熱安定性の高い繊維グレード品として、高付加
価値化も実現し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る高純度モノエチレングリコール
の製造方法に用いられるサイドカット技術を導入してな
るモノエチレングリコール精留塔の概略図である。
【図2】 従来のモノエチレングリコールの製造方法に
用いられるサイドカット技術を導入していないモノエチ
レングリコール精留塔を含む工程概略図である。
【図3】 図1のサイドカット技術を導入してなるモノ
エチレングリコール精留塔の簡単な説明図である。
【符号の説明】
101、201…モノエチレングリコール精留塔、 103、203…エチレングリコール液フィード用の配管、 105、205…頭頂部側の配管、 108…凝縮器からの不純物分取用の配管、 208…凝縮器からの製品取得用の配管、 107、207…凝縮器(コンデンサ)、 109、209…凝縮器からの還流用の分岐配管、 111、211…塔底部側の配管、 113…サイドカット用の配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 健二 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14−1 株式 会社日本触媒内 (72)発明者 堀江 弘規 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14−1 株式 会社日本触媒内 (72)発明者 古川 真 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14−1 株式 会社日本触媒内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC42 AD11 BC50 BD82 BN10 FE11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未精製の粗エチレンオキシドを加水反応
    用原料として使用し、高純度のモノエチレングリコール
    を製造する方法において、 モノエチレングリコール精留塔にサイドカット技術を導
    入し、サイドカット部からモノエチレングリコールを取
    得することを特徴とする高純度モノエチレングリコール
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記モノエチレングリコール精留塔の塔
    頂部のカット率を、前記モノエチレングリコール精留塔
    へのフィード量に対して0.01重量%以上とすること
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記未精製の粗エチレンオキシドが、エ
    チレンオキシド放散塔の塔頂部より得られるエチレンオ
    キシドを含有する蒸気を冷却および/または吸収により
    その一部または全部を凝縮させて得られる凝縮液中のエ
    チレンオキシドであることを特徴とする請求項1または
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記未精製の粗エチレンオキシドが、エ
    チレンオキシド放散塔の塔頂部より得られるエチレンオ
    キシドを含有する蒸気の一部または全部を凝縮させて得
    られる凝縮液を、該放散塔に還流させることなく得られ
    たものであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 前記未精製の粗エチレンオキシドが、エ
    チレンオキシド放散塔の塔頂部より得られるエチレンオ
    キシドを含有する蒸気を一部凝縮させて第1の凝縮液を
    得、残りの未凝縮ガスをさらに凝縮させるかまたはその
    ままの形でエチレンオキシド脱水塔に導き、得られる脱
    水されたエチレンオキシドを前記第1の凝縮液と混合し
    たものであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の方法。
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