JP2001025193A - 永久磁石型回転子及び永久磁石飛散防止用カバー - Google Patents
永久磁石型回転子及び永久磁石飛散防止用カバーInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の永久磁石型回転子の構造では、部品点
数が多くなり、組み付け工数が多くなり、結果的にコス
トアップとなるという課題があった。また固定用ピンを
使用した場合、そのピンが永久磁石の磁気損失をもたら
す要因となることがあり、そのことが永久磁石型回転子
を使用したモーターの効率を低下させるという課題があ
った。 【解決手段】 永久磁石型回転子１０が高速回転したと
きに永久磁石１６の最も割れ易い両端部のそれぞれに、
好ましくはプレス成形した実質的に同一形状を有する非
磁性材料によって成形した缶状の永久磁石飛散防止カバ
ー１８を覆い被せ、その最も割れ易い両端部分を完全に
保護する。更に金属板を固定するためにピン等をかしめ
て固定する方法の代わりに、永久磁石に対してカバーを
軽圧入公差として更に接着剤によって固定しモーターの
効率低下の発生を防止している。
数が多くなり、組み付け工数が多くなり、結果的にコス
トアップとなるという課題があった。また固定用ピンを
使用した場合、そのピンが永久磁石の磁気損失をもたら
す要因となることがあり、そのことが永久磁石型回転子
を使用したモーターの効率を低下させるという課題があ
った。 【解決手段】 永久磁石型回転子１０が高速回転したと
きに永久磁石１６の最も割れ易い両端部のそれぞれに、
好ましくはプレス成形した実質的に同一形状を有する非
磁性材料によって成形した缶状の永久磁石飛散防止カバ
ー１８を覆い被せ、その最も割れ易い両端部分を完全に
保護する。更に金属板を固定するためにピン等をかしめ
て固定する方法の代わりに、永久磁石に対してカバーを
軽圧入公差として更に接着剤によって固定しモーターの
効率低下の発生を防止している。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、モーターの回転子
に関し、特に回転子に永久磁石を使用した永久磁石型回
転子に関する。更に詳細には永久磁石型回転子を回転し
たとき該永久磁石が飛散しないように保護するための永
久磁石飛散防止用カバーに関する。より具体的には、本
件発明はインナーロータタイプのモータにおいてロータ
外周に貼り付けた永久磁石の両側端から実質的に同一の
形状を有している非磁性材料によって成形した缶状ケー
シングを嵌合し、これにより高速回転する永久磁石型回
転子に使用している磁石の破片が飛散するのを防止する
永久磁石飛散防止用カバーに関する。
に関し、特に回転子に永久磁石を使用した永久磁石型回
転子に関する。更に詳細には永久磁石型回転子を回転し
たとき該永久磁石が飛散しないように保護するための永
久磁石飛散防止用カバーに関する。より具体的には、本
件発明はインナーロータタイプのモータにおいてロータ
外周に貼り付けた永久磁石の両側端から実質的に同一の
形状を有している非磁性材料によって成形した缶状ケー
シングを嵌合し、これにより高速回転する永久磁石型回
転子に使用している磁石の破片が飛散するのを防止する
永久磁石飛散防止用カバーに関する。
【０００２】
【従来の技術】昨今、省エネルギー化を図る目的で、こ
れまでの誘導モーターの代わりに回転子に永久磁石を採
用したいわゆる永久磁石型回転子モーターが広く使用さ
れるようになってきている。このモーターにおける回転
子は、ヨーク鉄心の外周部に永久磁石を装着しており、
更に該回転子が高速回転したとき当該永久磁石がヨーク
鉄心から飛散しないように、その永久磁石の外周部に、
例えば、円筒形の金属製カバーを配置し永久磁気を覆い
隠したり、又は該永久磁石の両端を円板形状の金属板で
覆い隠すような構造を有している（特開昭５８−４６８
５６号、特開平１０−２１０６９２号）。更に別の実施
例においては、側面の金属板を固定するためにピン等を
かしめて固定する方法が採られていた。
れまでの誘導モーターの代わりに回転子に永久磁石を採
用したいわゆる永久磁石型回転子モーターが広く使用さ
れるようになってきている。このモーターにおける回転
子は、ヨーク鉄心の外周部に永久磁石を装着しており、
更に該回転子が高速回転したとき当該永久磁石がヨーク
鉄心から飛散しないように、その永久磁石の外周部に、
例えば、円筒形の金属製カバーを配置し永久磁気を覆い
隠したり、又は該永久磁石の両端を円板形状の金属板で
覆い隠すような構造を有している（特開昭５８−４６８
５６号、特開平１０−２１０６９２号）。更に別の実施
例においては、側面の金属板を固定するためにピン等を
かしめて固定する方法が採られていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構造では、部品点数が多くなり、そのため組
み付け工数が多くなり、結果的にコストアップとなると
いう課題があった。また固定用ピンを使用した場合、そ
のピンが永久磁石の磁気損失をもたらす要因となること
があり、そのことが永久磁石型回転子を使用したモータ
ーの効率を低下させるという課題があった。
うな従来の構造では、部品点数が多くなり、そのため組
み付け工数が多くなり、結果的にコストアップとなると
いう課題があった。また固定用ピンを使用した場合、そ
のピンが永久磁石の磁気損失をもたらす要因となること
があり、そのことが永久磁石型回転子を使用したモータ
ーの効率を低下させるという課題があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本件発明は、上記課題を
解決するために、永久磁石型回転子が高速回転したとき
に永久磁石の最も割れ易い両端部に、プレス成形した実
質的に同一形状を有する非磁性材料によって成形した缶
状ケーシングを覆い被せる。こうしてその最も割れ易い
両端部分を完全に保護する。本発明においては、同一形
状を有する缶状ケーシングを永久磁石の両端部へ装着す
ることが出来るので、生産工程が簡略化出来、また、外
径寸法が同一の永久磁石型回転子であれば、容量の異な
る他のモータの回転子にも同一のカバーを用いることが
できる。例えば、磁石外径φ４６ｍｍ、磁石全長５３ｍ
ｍの回転子と、磁石外径φ４６ｍｍ、磁石全長６８ｍｍ
の回転子とに同一のカバーで対応することができる。
解決するために、永久磁石型回転子が高速回転したとき
に永久磁石の最も割れ易い両端部に、プレス成形した実
質的に同一形状を有する非磁性材料によって成形した缶
状ケーシングを覆い被せる。こうしてその最も割れ易い
両端部分を完全に保護する。本発明においては、同一形
状を有する缶状ケーシングを永久磁石の両端部へ装着す
ることが出来るので、生産工程が簡略化出来、また、外
径寸法が同一の永久磁石型回転子であれば、容量の異な
る他のモータの回転子にも同一のカバーを用いることが
できる。例えば、磁石外径φ４６ｍｍ、磁石全長５３ｍ
ｍの回転子と、磁石外径φ４６ｍｍ、磁石全長６８ｍｍ
の回転子とに同一のカバーで対応することができる。
【０００５】更に金属板を固定するためにピン等をかし
めて固定する方法の代わりに、永久磁石に対してカバー
を軽圧入公差として更に接着剤によって固定しモーター
の効率低下の発生を防止している。
めて固定する方法の代わりに、永久磁石に対してカバー
を軽圧入公差として更に接着剤によって固定しモーター
の効率低下の発生を防止している。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例につき図面
を参照して詳細に述べる。図１は本件発明によって構成
された永久磁石型回転子１０を示す断面図である。この
回転子１０は、円柱形状を有する回転子軸１２と、該回
転子軸１２の所定位置へ当該回転子軸１２の軸線ｘ−ｘ
方向に沿って公知の手段により固着されている円筒形状
の鉄心１４と、該鉄心１４の外周へ同様に公知の手段に
よって固着されている複数の永久磁石１６と、該鉄心１
４及び永久磁石１６の両端部を覆っている永久磁石飛散
防止カバー１８と、により構成されている。ここで前記
軸線ｘ−ｘ方向に沿う永久磁石１６の長さは当該軸線方
向に沿う鉄心１４の長さより幾分長くなっており、永久
磁石１６の両端部が鉄心１４の両端部から軸線方向外方
へ幾分はみ出す形状を有している。
を参照して詳細に述べる。図１は本件発明によって構成
された永久磁石型回転子１０を示す断面図である。この
回転子１０は、円柱形状を有する回転子軸１２と、該回
転子軸１２の所定位置へ当該回転子軸１２の軸線ｘ−ｘ
方向に沿って公知の手段により固着されている円筒形状
の鉄心１４と、該鉄心１４の外周へ同様に公知の手段に
よって固着されている複数の永久磁石１６と、該鉄心１
４及び永久磁石１６の両端部を覆っている永久磁石飛散
防止カバー１８と、により構成されている。ここで前記
軸線ｘ−ｘ方向に沿う永久磁石１６の長さは当該軸線方
向に沿う鉄心１４の長さより幾分長くなっており、永久
磁石１６の両端部が鉄心１４の両端部から軸線方向外方
へ幾分はみ出す形状を有している。
【０００７】図２は本件発明にかかる永久磁石飛散防止
カバー１８の平面図であり、図３は図２の線３−３に沿
って見た永久磁石飛散防止カバー１８の断面図である。
該カバー１８は、図１から明らかなように、鉄心１４及
び永久磁石１６の両端部を覆うために、１つの永久磁石
型回転子１０に２個のカバーが必要とされているが、本
件発明においては両端部のカバー１８は互いに実質的に
同一の形状を有しているため、以下においては一方のカ
バーについてのみ述べる。
カバー１８の平面図であり、図３は図２の線３−３に沿
って見た永久磁石飛散防止カバー１８の断面図である。
該カバー１８は、図１から明らかなように、鉄心１４及
び永久磁石１６の両端部を覆うために、１つの永久磁石
型回転子１０に２個のカバーが必要とされているが、本
件発明においては両端部のカバー１８は互いに実質的に
同一の形状を有しているため、以下においては一方のカ
バーについてのみ述べる。
【０００８】本件発明の永久磁石飛散防止カバー１８
は、中心部に回転子軸１２が貫通するための開口２０を
有する円形端面２２と、該円形端面２２の半径方向外周
部から垂直に、即ち、実質的に前記回転子軸１２の軸線
ｘ−ｘ方向に平行する方向に向かって、立ち上がってい
る立ち上げ内壁面２４と、該立ち上げ内壁面２４の上端
部から実質的に前記円形端面２２と平行をなす方向に、
即ち、実質的に前記回転子軸１２の軸線ｘ−ｘ方向に対
して直交する方向に向かって、前記回転子軸１２の半径
方向外方に向かって伸びている環状の閉鎖端壁面２６
と、当該閉鎖端壁面２６の外周部から垂直に、実質的に
前記回転子軸１２の軸線ｘ−ｘ方向に平行する方向に沿
って垂下している外壁面３０と、により形成されてい
る。ここで、円形端面２２と閉鎖端壁面２６とが天板部
分２８を構成しており、円形端面２２の直径寸法は実質
的に鉄心１２の外径寸法に一致しており、更に該天板部
分２８の内径寸法（ｄ）は実質的に永久磁石１６の外径
寸法に一致している。また、立ち上げ内壁面２４の高さ
は図１において、永久磁石１６が鉄心１４からはみ出し
ている高さ寸法に実質的に一致している。
は、中心部に回転子軸１２が貫通するための開口２０を
有する円形端面２２と、該円形端面２２の半径方向外周
部から垂直に、即ち、実質的に前記回転子軸１２の軸線
ｘ−ｘ方向に平行する方向に向かって、立ち上がってい
る立ち上げ内壁面２４と、該立ち上げ内壁面２４の上端
部から実質的に前記円形端面２２と平行をなす方向に、
即ち、実質的に前記回転子軸１２の軸線ｘ−ｘ方向に対
して直交する方向に向かって、前記回転子軸１２の半径
方向外方に向かって伸びている環状の閉鎖端壁面２６
と、当該閉鎖端壁面２６の外周部から垂直に、実質的に
前記回転子軸１２の軸線ｘ−ｘ方向に平行する方向に沿
って垂下している外壁面３０と、により形成されてい
る。ここで、円形端面２２と閉鎖端壁面２６とが天板部
分２８を構成しており、円形端面２２の直径寸法は実質
的に鉄心１２の外径寸法に一致しており、更に該天板部
分２８の内径寸法（ｄ）は実質的に永久磁石１６の外径
寸法に一致している。また、立ち上げ内壁面２４の高さ
は図１において、永久磁石１６が鉄心１４からはみ出し
ている高さ寸法に実質的に一致している。
【０００９】図３から明らかなように、外壁面３０の軸
線ｘ−ｘ方向長さは、立ち上げ内壁面２４の軸線ｘ−ｘ
方向長さよりも長く、該外壁面３０の下端部は円形端面
２２の設置位置よりも更に下方まで伸びている。また外
壁面３０は、上端の閉鎖端壁面２６の外周部から垂直に
垂下しかつ内径寸法がｄである上方外壁面３２と、該上
方外壁面３２の下方部分であって上方外壁面３２の直径
よりも幾分大きい内径寸法ｅを有する下方外壁面３４
と、により構成されている。ここで、上記内径寸法の差
（ｅ−ｄ）は非常に小さく好ましくは０．０５ｍｍ〜
０．２ｍｍ程度である。また該カバー１８を構成してい
る部材の厚みは好ましくは０．１ｍｍ〜０．５ｍｍ程度
である。従って、カバー１８を永久磁石１６の外周部へ
組み込んだ時には、図１に示すように、実質的には該下
方外壁面３４の識別が困難な程しっかり永久磁石１６の
表面に密接する。また軸線ｘ−ｘ方向における上方外壁
面３２の寸法ｎと下方外壁面３４の寸法ｍとの比率
（ｎ：ｍ）は、好ましくはほぼ４：１〜５：１程度であ
る。本件発明の永久磁石飛散防止カバー１８は、各永久
磁石からの磁束を短絡しないように非磁性体素材によっ
て、好ましくは、例えばプレス加工その他の方法によっ
て、一体的に形成されることが出来る。この非磁性体素
材には、金属製材料と非金属製材料とがあることは当業
者に知られている。本件発明のカバーを形成するための
適切な金属製材料の一例としては、日新製鋼株式会社の
ＮＳＳ３０５Ｍ１がある。また本件発明のカバーを形成
するための適切な非金属製材料の一例としては、ガラス
バインド等があり、更には、強度的に多少劣るが公知の
合成樹脂を使用することも出来る。
線ｘ−ｘ方向長さは、立ち上げ内壁面２４の軸線ｘ−ｘ
方向長さよりも長く、該外壁面３０の下端部は円形端面
２２の設置位置よりも更に下方まで伸びている。また外
壁面３０は、上端の閉鎖端壁面２６の外周部から垂直に
垂下しかつ内径寸法がｄである上方外壁面３２と、該上
方外壁面３２の下方部分であって上方外壁面３２の直径
よりも幾分大きい内径寸法ｅを有する下方外壁面３４
と、により構成されている。ここで、上記内径寸法の差
（ｅ−ｄ）は非常に小さく好ましくは０．０５ｍｍ〜
０．２ｍｍ程度である。また該カバー１８を構成してい
る部材の厚みは好ましくは０．１ｍｍ〜０．５ｍｍ程度
である。従って、カバー１８を永久磁石１６の外周部へ
組み込んだ時には、図１に示すように、実質的には該下
方外壁面３４の識別が困難な程しっかり永久磁石１６の
表面に密接する。また軸線ｘ−ｘ方向における上方外壁
面３２の寸法ｎと下方外壁面３４の寸法ｍとの比率
（ｎ：ｍ）は、好ましくはほぼ４：１〜５：１程度であ
る。本件発明の永久磁石飛散防止カバー１８は、各永久
磁石からの磁束を短絡しないように非磁性体素材によっ
て、好ましくは、例えばプレス加工その他の方法によっ
て、一体的に形成されることが出来る。この非磁性体素
材には、金属製材料と非金属製材料とがあることは当業
者に知られている。本件発明のカバーを形成するための
適切な金属製材料の一例としては、日新製鋼株式会社の
ＮＳＳ３０５Ｍ１がある。また本件発明のカバーを形成
するための適切な非金属製材料の一例としては、ガラス
バインド等があり、更には、強度的に多少劣るが公知の
合成樹脂を使用することも出来る。
【００１０】図４は本件発明の永久磁石飛散防止カバー
１８を組みつけて永久磁石型回転子１０を組み立てる状
態を示している図である。永久磁石飛散防止カバー１８
を組みつける場合には、初めに、回転子軸１２の所定位
置へ鉄心１４を圧入、接着その他の公知の手段によって
固着し、次いで該鉄心１４の外周へ同様に公知の手段に
よって複数の永久磁石１６を割り振り固着する。最後に
永久磁石飛散防止カバー１８の下方外壁面３４を鉄心１
４及び永久磁石１６の方に近接するように配設して該カ
バー１８の円形端面２２に設けた開口２０へ回転子軸１
２の上下部分を通し、当該回転子軸１２の上下両方から
カバー１８を互いに接近させて、鉄心１４及び永久磁石
１６の両端部へ密嵌させる。永久磁石飛散防止カバー１
８が鉄心１４及び永久磁石１６の両端部側へ容易に組み
込めるようにするため、該永久磁石飛散防止カバー１８
の下端部には拡径の下方外壁面３４が形成されている。
即ち、図３における永久磁石飛散防止カバー１８の上方
外壁面３２の内側直径ｄは実質的に鉄心１４へ固定した
永久磁石１６の外側直径に等しい。そのため該カバー１
８を磁石１６の外表面へ密嵌することは現実的に出来な
い。そこで外壁面３０の下端部に上方外壁面３２の内側
直径ｄよりも僅かに大きい内径ｅを有する下方外壁面３
４を有している。このような構成により、当該下方外壁
面３４が案内面の作用を行い、当該カバー１８を容易に
磁石１６の外表面へ対して圧入出来る。カバー１８は、
当該カバー１８の閉鎖端壁面２６が永久磁石１６の端面
に、また円形端面２２が鉄心１４の端面に密着するま
で、確実に押し込む。他方のカバー１８も同様である。
１８を組みつけて永久磁石型回転子１０を組み立てる状
態を示している図である。永久磁石飛散防止カバー１８
を組みつける場合には、初めに、回転子軸１２の所定位
置へ鉄心１４を圧入、接着その他の公知の手段によって
固着し、次いで該鉄心１４の外周へ同様に公知の手段に
よって複数の永久磁石１６を割り振り固着する。最後に
永久磁石飛散防止カバー１８の下方外壁面３４を鉄心１
４及び永久磁石１６の方に近接するように配設して該カ
バー１８の円形端面２２に設けた開口２０へ回転子軸１
２の上下部分を通し、当該回転子軸１２の上下両方から
カバー１８を互いに接近させて、鉄心１４及び永久磁石
１６の両端部へ密嵌させる。永久磁石飛散防止カバー１
８が鉄心１４及び永久磁石１６の両端部側へ容易に組み
込めるようにするため、該永久磁石飛散防止カバー１８
の下端部には拡径の下方外壁面３４が形成されている。
即ち、図３における永久磁石飛散防止カバー１８の上方
外壁面３２の内側直径ｄは実質的に鉄心１４へ固定した
永久磁石１６の外側直径に等しい。そのため該カバー１
８を磁石１６の外表面へ密嵌することは現実的に出来な
い。そこで外壁面３０の下端部に上方外壁面３２の内側
直径ｄよりも僅かに大きい内径ｅを有する下方外壁面３
４を有している。このような構成により、当該下方外壁
面３４が案内面の作用を行い、当該カバー１８を容易に
磁石１６の外表面へ対して圧入出来る。カバー１８は、
当該カバー１８の閉鎖端壁面２６が永久磁石１６の端面
に、また円形端面２２が鉄心１４の端面に密着するま
で、確実に押し込む。他方のカバー１８も同様である。
【００１１】所定の位置まで押し込まれたカバー１８
が、それぞれ磁石又は鉄心から容易に離脱するのを防止
するため、密嵌作業前に、永久磁石飛散防止カバー１８
の上方外壁面３２、下方外壁面３４、閉鎖端壁面２６及
び円形端面２２のそれぞれの内側面全面に、又はその一
部に、予め接着剤を塗布しておくことが好ましい。更
に、カバー１８の開口２０と回転子軸１２との隙間から
鉄心１４又は永久磁石１６のは破損粉その他の異物が飛
散するのを防止するため、当該隙間に適切な接着剤又は
適当なシール手段を付与することが出来る。かかる手当
を施すことにより、外径が一定である永久磁石型回転子
であれば、磁石全長に多少のばらつきがあっても本件の
カバーは完全にそれらのばらつきを補償することが出来
るのである。本件発明のカバー１８は、回転子の構造を
単純化し、更に回転子の重量を軽くするのに大変有効で
ある。
が、それぞれ磁石又は鉄心から容易に離脱するのを防止
するため、密嵌作業前に、永久磁石飛散防止カバー１８
の上方外壁面３２、下方外壁面３４、閉鎖端壁面２６及
び円形端面２２のそれぞれの内側面全面に、又はその一
部に、予め接着剤を塗布しておくことが好ましい。更
に、カバー１８の開口２０と回転子軸１２との隙間から
鉄心１４又は永久磁石１６のは破損粉その他の異物が飛
散するのを防止するため、当該隙間に適切な接着剤又は
適当なシール手段を付与することが出来る。かかる手当
を施すことにより、外径が一定である永久磁石型回転子
であれば、磁石全長に多少のばらつきがあっても本件の
カバーは完全にそれらのばらつきを補償することが出来
るのである。本件発明のカバー１８は、回転子の構造を
単純化し、更に回転子の重量を軽くするのに大変有効で
ある。
【００１２】また、公知の回転子において、組み立て時
に永久磁石を接着するため、組み立て時に当該永久磁石
の位置決めを行い仮固定し接着硬化させ、更にカバーを
永久磁石へ圧入して当該カバーを接着硬化させるものも
あるが、本件発明においては、カバーを永久磁石へ圧入
することにより永久磁石の位置決めを行った後、カバー
を仮固定ジグとして使用し、永久磁石とカバーの接着を
同時に行うようにすれば、組み立て工数を削減すること
が出来ることは当業者に明らかである。
に永久磁石を接着するため、組み立て時に当該永久磁石
の位置決めを行い仮固定し接着硬化させ、更にカバーを
永久磁石へ圧入して当該カバーを接着硬化させるものも
あるが、本件発明においては、カバーを永久磁石へ圧入
することにより永久磁石の位置決めを行った後、カバー
を仮固定ジグとして使用し、永久磁石とカバーの接着を
同時に行うようにすれば、組み立て工数を削減すること
が出来ることは当業者に明らかである。
【００１３】なお、本件発明にかかる回転子１０では、
最も磁石が割れたり欠けたりし易い磁石の両端部を同一
形状を有する例えばプレス成形した非磁性金属製缶状カ
バーによって覆い被せるため組み立て部品点数は２点と
なるが、当該カバーの形状は１つの形態でよく、最終的
にはコストダウンが図られ、更に組付けの容易性をもた
らすことが出来るのである。
最も磁石が割れたり欠けたりし易い磁石の両端部を同一
形状を有する例えばプレス成形した非磁性金属製缶状カ
バーによって覆い被せるため組み立て部品点数は２点と
なるが、当該カバーの形状は１つの形態でよく、最終的
にはコストダウンが図られ、更に組付けの容易性をもた
らすことが出来るのである。
【００１４】なお、本件発明においては、複数の永久磁
石の両端部をカバー１８が覆いそこに密嵌するが、当該
カバー１８は非磁性材料により構成されるので、これら
複数の永久磁石の両端部からの磁束が当該カバーによっ
て何ら遮断されるという心配はない。また、カバー１８
が永久磁石１６を覆う部分の長さ即ち図３における外壁
面３０の長さ（ｎ＋ｍ）は、永久磁石に対するカバー１
８の接着面が外れた場合にカバーにかかる遠心力に所定
の安全率を加味した上当該カバーに十分な強度を持たせ
ることにより、磁石端部を３〜５ｍｍほど保持出来るも
ので良いことが出願人の実験により判明している。しか
し、磁石１６自体の重さ及び長さ更にはその曲げ強度、
回転子１０の回転数等により、幾分最適値が変動するこ
とも判明している。勿論、必要なら、カバー１８の外壁
面３０の長さを磁石１６の長さの半分とし、カバーを回
転子の両端部へ密嵌したとき、双方のカバーの外壁面の
端部が互いに接触するように形成することも出来る。こ
うすることにより、永久磁石の全体が完全に包囲される
のである。
石の両端部をカバー１８が覆いそこに密嵌するが、当該
カバー１８は非磁性材料により構成されるので、これら
複数の永久磁石の両端部からの磁束が当該カバーによっ
て何ら遮断されるという心配はない。また、カバー１８
が永久磁石１６を覆う部分の長さ即ち図３における外壁
面３０の長さ（ｎ＋ｍ）は、永久磁石に対するカバー１
８の接着面が外れた場合にカバーにかかる遠心力に所定
の安全率を加味した上当該カバーに十分な強度を持たせ
ることにより、磁石端部を３〜５ｍｍほど保持出来るも
ので良いことが出願人の実験により判明している。しか
し、磁石１６自体の重さ及び長さ更にはその曲げ強度、
回転子１０の回転数等により、幾分最適値が変動するこ
とも判明している。勿論、必要なら、カバー１８の外壁
面３０の長さを磁石１６の長さの半分とし、カバーを回
転子の両端部へ密嵌したとき、双方のカバーの外壁面の
端部が互いに接触するように形成することも出来る。こ
うすることにより、永久磁石の全体が完全に包囲される
のである。
【００１５】更に、本件発明においては、カバー１８は
立ち上げ内壁面２４を有しており、そのためカバー１８
の全体が凹部形状を有しているが、これは、磁束特性を
有効に活用するため若しくは設計上の要求により永久磁
石１８の長さを鉄心１４の長さよりも長くしたことによ
る。従って、もし鉄心１４の長さが永久磁石１８の長さ
と同一であれば、該立ち上げ内壁面２４は不要となり、
その結果、カバー１８の形状は凹部形状ではなく、単に
平坦な天板部分２８が中央部に開口２０を有する概ね逆
Ｕ字形状を有することが出来ることになる。
立ち上げ内壁面２４を有しており、そのためカバー１８
の全体が凹部形状を有しているが、これは、磁束特性を
有効に活用するため若しくは設計上の要求により永久磁
石１８の長さを鉄心１４の長さよりも長くしたことによ
る。従って、もし鉄心１４の長さが永久磁石１８の長さ
と同一であれば、該立ち上げ内壁面２４は不要となり、
その結果、カバー１８の形状は凹部形状ではなく、単に
平坦な天板部分２８が中央部に開口２０を有する概ね逆
Ｕ字形状を有することが出来ることになる。
【００１６】
【発明の効果】本件発明による回転子の永久磁石飛散防
止カバーにおいては、回転時に最も損傷を生じやすい永
久磁石の端部周辺へ迅速かつ容易にその上、確実に密嵌
出来る。このため組み付け工数が少なくなり、不良品の
発生を防止出来、このためこれまでの回転子に比較して
著しく生産コストの低下が図れる。更に、例えば、該カ
バーをプレス加工により一体的に成形することにより、
カバーの形状の均質化が図られ、また永久磁石飛散防止
カバーを磁気損失のない非磁性体素材により構成するこ
とにより、回転子の磁気損失を発生を防止することが出
来、モーターの効率を低下させるというこれまでの課題
が完全に解消している。
止カバーにおいては、回転時に最も損傷を生じやすい永
久磁石の端部周辺へ迅速かつ容易にその上、確実に密嵌
出来る。このため組み付け工数が少なくなり、不良品の
発生を防止出来、このためこれまでの回転子に比較して
著しく生産コストの低下が図れる。更に、例えば、該カ
バーをプレス加工により一体的に成形することにより、
カバーの形状の均質化が図られ、また永久磁石飛散防止
カバーを磁気損失のない非磁性体素材により構成するこ
とにより、回転子の磁気損失を発生を防止することが出
来、モーターの効率を低下させるというこれまでの課題
が完全に解消している。
【図１】本件発明によって構成された永久磁石型回転子
１０を示す断面図である。
１０を示す断面図である。
【図２】本件発明にかかる永久磁石飛散防止カバー１８
の平面図である。
の平面図である。
【図３】図２の線３−３に沿って見た永久磁石飛散防止
カバー１８の断面図である。
カバー１８の断面図である。
【図４】本件発明の永久磁石飛散防止カバー１８を組み
つけて永久磁石型回転子１０を組み立てる状態を示して
いる図である。
つけて永久磁石型回転子１０を組み立てる状態を示して
いる図である。
１０：永久磁石型回転子 １２：回転子軸 １４：鉄心 １６：永久磁石 １８：永久磁石飛散防止カバー ２０：開口 ２２：円形端面 ２４：立ち上げ内壁面 ２６：閉鎖端壁面 ２８：天板部材 ３０：外壁面 ３２：上方外壁面 ３４：下方外壁面
Claims (6)
- 【請求項１】 回転子軸１２と、該回転子軸１２へ固着
されている円筒形状の鉄心１４と、該鉄心１４の外周へ
固着されている永久磁石１６と、を有しており、該鉄心
１４と永久磁石１６の両端部が永久磁石飛散防止カバー
１８によって覆われていることを特徴とする永久磁石型
回転子１０。 - 【請求項２】 永久磁石１６の長さが鉄心１４の長さよ
り幾分長くなっており、永久磁石１６の両端部が鉄心１
４の両端部から外方へはみ出す形状を有していることを
特徴とする請求項１に記載の永久磁石型回転子１０。 - 【請求項３】 請求項１又は２に記載の永久磁石型回転
子１０に使用する、前記鉄心１４及び永久磁石１６の両
端部を覆っている永久磁石飛散防止カバー１８の各々
が、中心部に回転子軸１２が貫通するための開口２０を
有する天板部分２８と、該天板部分２８の半径方向外周
部から垂下している外壁面３０と、を有しており、該外
壁面３０の垂下長が永久磁石１６の長さの１／２以下で
あり、かつ非磁性体素材によって構成されていることを
特徴とする永久磁石飛散防止カバー１８。 - 【請求項４】 外壁面３０が、内径ｄを有する上方外壁
面３２と、上方外壁面３２の内径ｄよりも幾分大きい内
径ｅを有する下方外壁面３４と、により構成されてお
り、（ｅ−ｄ）の値が概ね０．０５ｍｍ〜０．２ｍｍで
あることを特徴とする請求項３に記載の永久磁石飛散防
止カバー１８。 - 【請求項５】 天板部分２８が、中心部に回転子軸１２
が貫通するための開口２０を有する円形端面２２と、該
円形端面２２の半径方向外周部から垂直に立ち上がって
いる立ち上げ内壁面２４と、該立ち上げ内壁面２４の上
端部から回転子軸１２の半径方向外方に向かって伸びて
いる環状の閉鎖端壁面２６と、当該閉鎖端壁面２６の外
周部から垂直に垂下している外壁面３０と、により形成
されている請求項２に記載の永久磁石飛散防止カバー１
８。 - 【請求項６】 外壁面３０が、内径ｄを有する上方外壁
面３２と、上方外壁面３２の内径ｄよりも幾分大きい内
径ｅを有する下方外壁面３４と、により構成されてお
り、（ｅ−ｄ）の値が概ね０．０５ｍｍ〜０．２ｍｍで
あることを特徴とする請求項５に記載の永久磁石飛散防
止カバー１８。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11195693A JP2001025193A (ja) | 1999-07-09 | 1999-07-09 | 永久磁石型回転子及び永久磁石飛散防止用カバー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11195693A JP2001025193A (ja) | 1999-07-09 | 1999-07-09 | 永久磁石型回転子及び永久磁石飛散防止用カバー |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001025193A true JP2001025193A (ja) | 2001-01-26 |
Family
ID=16345436
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11195693A Withdrawn JP2001025193A (ja) | 1999-07-09 | 1999-07-09 | 永久磁石型回転子及び永久磁石飛散防止用カバー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001025193A (ja) |
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-
1999
- 1999-07-09 JP JP11195693A patent/JP2001025193A/ja not_active Withdrawn
Cited By (33)
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| A521 | Written amendment |
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