JP2001019555A - 窒化珪素焼結体およびそれを用いた回路基板 - Google Patents

窒化珪素焼結体およびそれを用いた回路基板

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JP2001019555A
JP2001019555A JP11192661A JP19266199A JP2001019555A JP 2001019555 A JP2001019555 A JP 2001019555A JP 11192661 A JP11192661 A JP 11192661A JP 19266199 A JP19266199 A JP 19266199A JP 2001019555 A JP2001019555 A JP 2001019555A
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nitride sintered
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Yoichi Ogata
陽一 尾形
Hideyuki Emoto
秀幸 江本
Hiroshi Yokota
博 横田
Masahiro Ibukiyama
正浩 伊吹山
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高熱伝導性で、機械的特性に優れる窒化珪素回
路基板を提供する。 【解決手段】酸素、Al、Ca、Feの含有量の合計が
1000ppm以下であり、かつ短軸径が2μm以上で
ある窒化珪素粒子を含有し、しかも前記窒化珪素粒子が
一方向に配向していて、任意の一方向の熱伝導率が16
0W/mK以上である窒化珪素焼結体とそれを用いた窒
化珪素回路基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的特性に優
れ、高い熱伝導率を有する窒化珪素焼結体に関するもの
であり、さらに、自動車、車両、機器装置等に用いられ
る高信頼性の窒化珪素回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、熱発生の大きい半導体素子等
を搭載するための回路基板として、アルミナ(Al
23)セラミックスなどのような絶縁性に優れたセラミ
ックス基板の表面に、導電性を有する回路層を接合した
回路基板が広く普及している。しかし、近年これら半導
体素子は機器類の小型化、高性能化に伴って熱発生の密
度が増加する傾向にあり、信頼性高く安定動作を得るた
めには半導体素子の発生する熱を放散して、素子のジャ
ンクションが破壊されない温度より充分低くできるよう
にすることが一層重要な課題となってきており、前記回
路基板の特性として電気絶縁性が高いことに加え、より
高い熱伝導性が要求されてきている。
【0003】これらの要求に伴って開発されてきた基板
材料としてベリリア(BeO)、炭化珪素(SiC)、
窒化アルミニウム(AlN)などが挙げられ、熱伝導率
としても160W/mKを越えるものも得られている。
しかしながら、BeOは熱伝導性は高く放熱性には優れ
ているが、毒性が高く、人体や環境の観点から問題があ
った。また、SiCやAlNも熱伝導率が高く放熱性に
は優れているが、機械的特性が不十分であり、回路基板
として用いる場合には、半導体素子の作動に伴う繰り返
しの熱サイクルや動作環境の温度変化等で、金属回路層
の接合部付近のセラミックス部分にクラックが発生しや
すく、信頼性が低いという問題点があった。
【0004】窒化珪素(Si34)は、常温や高温で化
学的に安定でかつ機械的特性も優れていることから、自
動車用エンジン部材、摺動部材などの構造材料として用
いられているほか、近年は高い電気絶縁性を有すること
から一部の回路基板材料としても用いられるようになっ
てきている。しかしながら、従来のSi34はAlN等
に比べ熱伝導性が低いために、回路基板等の電子材料と
しての用途には限界があり、範囲はかなり限られたもの
となっているのが現状である。
【0005】従来、Si34は、α型窒化珪素粉末に、
焼結性を高めるためにイットリア(Y23)やAl23
等の焼結助剤を添加し、所定の形状に成形した後、窒化
珪素の分解を防ぐために窒素加圧雰囲気中で2000℃
程度の高温で焼成し、緻密化した焼結体を得て、さらに
所望の形状に研削加工して作製するのが一般的である。
しかし、焼結助剤や原料窒化珪素粉に含まれるSiO2
やAl23は焼結した窒化珪素粒内に固溶したり、粒界
に偏析することで、セラミックス中の主要熱伝達媒体で
あるフォノンが散乱され、熱伝導率が充分に上がらず2
0W/mK程度であり、用途が限られていた。
【0006】これらの問題解決として特開平4−219
371号公報では焼結体中のAlや酸素含有量を低減さ
せることで40W/mK以上のSi34を得る方法が開
示されている。また特開平6−135771号公報では
焼結体中の不純物量を規定すると共に助剤量を規定する
ことで60W/mK以上の焼結体を得る方法が開示され
ている。更に、特開平−165265号公報では焼結体
の窒化珪素結晶を配向させることで100〜150W/
mKの窒化珪素焼結体の製法が開示されている。
【0007】しかしながら、これらの方法では熱伝達経
路と不純物の関係を考慮しておらず、安定して高熱伝導
性の焼結体を得ることが難しいだけではなく、AlNや
SiCのような160W/mKを越える高熱伝導性を得
られずやはり用途が限られていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術を鑑みて、従来に比べて高い熱伝導性を有する窒化
珪素焼結体を安定に提供することであり、さらに、前記
窒化珪素焼結体を適用することで、例えばパワーデバイ
ス用半導体回路基板材料を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、窒化珪素粉末の粉体特性、成形方法、
焼結条件等に関して鋭意検討した結果、窒化珪素焼結体
の粗大粒子の純度を制御し、熱伝達の経路を考慮して前
記粗大粒子の配向性を制御することで任意の一方向の熱
伝導性を大幅に向上した窒化珪素焼結体が得られること
を見出し、本発明に至ったものである。
【0010】つまり、本発明者らの実験的検討の結果、
窒化珪素の焼結体は含有不純物の量が少ないほどよい
が、特に酸素、Al、Ca、Feは窒化珪素粒子内に残
留するときには、該窒化珪素粒子内のフォノン伝播が阻
害され、結果的に窒化珪素焼結体の熱伝導率が低下する
ことを見出した。そして、特定のサイズの窒化珪素粒子
について、その粒子中の酸素、Al、Ca、Feの含有
量の合計が少なく、1000ppm以下であれば、容易
に130W/mK以上の熱伝導率を有する窒化珪素焼結
体が得られること、更に、前記窒化珪素粒子を一方向に
配向させるときには、その方向で160W/mK以上の
熱伝導率を容易に達成することができることをも見いだ
し、本発明に至ったものである。
【0011】本発明の窒化珪素焼結体は、上述の通り
に、その微構造中に特定の不純物が特定量に限定され、
しかも特定サイズ以上に発達した窒化珪素粒子を存在さ
せ、しかもその粒子の方向を任意の一方向に配向させて
いるので、その方向へのフォノン伝播が滞ることがな
く、160W/mK以上の高い熱伝導性が達成されてい
る。すなわち、本発明は、酸素、Al、Ca、Feの含
有量の合計が1000ppm以下であり、かつ短軸径が
2μm以上である窒化珪素粒子を含有し、しかも前記短
軸径が2μm以上である窒化珪素粒子が一方向に配向し
ていることを特徴とする窒化珪素焼結体である。
【0012】更に、前記配向の程度に関しては、配向し
ている方向からみた窒化珪素の(002)面のX線回折
強度I(002)と窒化珪素の(200)面のX線回折
強度I(200)の比I(002)/I(200)が、
大きいほど好ましく、特に40以上であればよい。
【0013】本発明において、短軸径が2μm以上であ
る窒化珪素粒子の量については、窒化珪素焼結体全体の
20〜60面積%を占めることが高熱伝導率を達成する
面で好ましい。
【0014】本発明の窒化珪素焼結体は、上記の特徴を
有するが故に、任意の一方向に関して160W/mK以
上の熱伝導率を有するという特徴がある。
【0015】本発明の窒化珪素焼結体を得る方法につい
ては、次ぎに例示する本発明の窒化珪素焼結体の製造方
法により、容易に得ることができる。
【0016】本発明の窒化珪素焼結体の製造方法は、窒
化珪素粉末に、焼結助剤として少なくともイットリウム
及び/又は希土類元素またはその化合物の一種以上を添
加してなる原料粉末を成形後に焼結する方法に属する。
【0017】本発明の製造方法にあっては、原料とする
窒化珪素粉末は不純物が少ないほどよいが、得られる短
軸径が2μm以上の窒化珪素粒子中の酸素、Al、C
a、Feの含有量の合計が1000ppmとする為に、
特にAlを300ppm以下、酸素を1重量%以下とす
ることが重要である。尚、Ca、Feについては、後述
する焼結操作中に生じる窒化珪素粒子の成長、純化の過
程で粒界相に排出されるので、窒化珪素粉末中に300
0ppm程度まで許容される。
【0018】また、窒化珪素粉末のβ率が低い場合に
は、得られる窒化珪素焼結体中の短軸径が2μm以上の
窒化珪素粒子の純度が充分上がらず、高い熱伝導性が得
られないことから、30%以上であることが必要であ
る。高α率の窒化珪素粉と高β率の窒化珪素粉末を充分
に混合し均一に分散させたものを用いても、X線回折で
β率が30%以上となるものであれば構わない。
【0019】さらに、原料とする窒化珪素粉末には平均
アスペクト比が2.5以上である粉末を2〜30重量%
を含むことが重要である。平均アスペクト比が2.5よ
り小さい場合には、得られる窒化珪素焼結体の配向度合
いが充分に高くならないし、一方、大きすぎると焼結中
に異常粒成長が激しく起こり、焼結体の強度が極端に低
下する現象が発生することがある。
【0020】本発明の製造方法において、成形方法は特
に限定することはないが、押し出し成形法は押し出し圧
力が高く配向を生じさせるのに比較的有利な方法であ
る。原料粉末に有機質バインダーを添加し、窒化珪素粉
末中の窒化珪素粒子を配向させたグリーンシートとする
ことが重要である。グリーンシートの面内方向の熱伝導
性を高くする場合はそのまま用いて成形体とし、グリー
ンシートの面と垂直方向の熱伝導率を高くする場合に
は、上記で得られた配向したグリーンシートを複数積層
し加圧する等の方法でよく密着させ、積層方向に切断す
ることで成形体とすればよい。前記の成形体を脱脂した
後、焼結することで任意の一方向が160W/mK以上
の高い熱伝導率を有する窒化珪素焼結体を得ることがで
きる。更に、プレス法やドクターブレード法等でも成形
時のシート厚さを薄くして積層枚数を増やすことでも本
発明の窒化珪素焼結体を作製することができる。
【0021】本発明の製造方法の焼結条件としては、結
果的に、酸素、Al、Ca、Feの含有量の合計が10
00ppm以下にまで純化された短軸径2μm以上の窒
化珪素粒子が形成されるように選択されれば良い。そ
の、具体的な焼結条件としては、昇温速度が少なくとも
規定温度として1500℃を越えてからは0.5〜10
℃/minとし、焼結温度が1800℃以上であって、
焼結温度と焼結時間の積が2×104℃・Hr〜2×1
5℃・Hrとする。
【0022】昇温速度が0.5℃/minより遅いと異
常粒成長が起きやすく、10℃/minより早いと十分
に純化された短軸径2μm以上の窒化珪素粒子を得るこ
とが出来なくなる。
【0023】焼結温度は緻密化の観点から1800℃以
上であることが必要であるが、本発明者らは、この温度
領域内で特定の条件を満足するときにのみ本発明の目的
を達成できるという知見を得て本発明に至ったものであ
る。即ち、焼結温度と焼結時間の積が2×104℃・H
rより少ないと緻密化が充分ではないか、粗大粒の純化
が充分に起こらず、得られる窒化珪素焼結体の熱伝導率
が低くなってしまう。また、2×105℃・Hrより大
きいと粒成長が進みすぎて焼結体の強度が低くなるだけ
でなく、粗大粒子割合が大きくなりすぎて熱伝達経路が
確保できず熱伝導率の低下も生じてくる。
【0024】本発明で得られる窒化珪素焼結体は、従来
に比べて極めて高い熱伝導率を有し、しかも、電気絶縁
性、機械的特性にも優れているので、従来の窒化珪素焼
結体が適用できなかった発生熱量の多い素子用の回路基
板、例えばパワーモジュール等の回路基板として好適で
ある。
【0025】本発明の回路基板を得るには、上記窒化珪
素焼結体を板状とし、銅やアルミニウム等の金属板を積
層した後エッチング等の方法で回路形成する方法、或い
は回路形成をした金属板を接合する方法等の従来公知の
方法により達成することができる。
【0026】尚、金属板を窒化珪素焼結体に積層する方
法については、ロウ材を用いて接合する方法、窒化珪素
焼結体に酸化層を設けた後に金属板を直接接合する方
法、溶融金属を窒化珪素焼結体に接触させて接合する方
法等のいずれの方法であっても構わない。
【0027】
【実施例】以下、実施例と比較例とをあげて、本発明を
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0028】〔実施例1〜10および比較例1〜5〕表
1に示す特性の異なる窒化珪素粉末a〜jを用い、表2
に示す配合Cで焼結助剤を添加し、ヘンシェルミキサー
で充分に撹拌混合して原料粉末とした。得られた原料粉
末にメチルセルロース系の有機バインダー(ユケン工業
社製「セランダー」)18重量部を加えて混合し、次に
水12重量部を徐々に添加しながら充分撹拌混合を行っ
た。次に得られた混合物をニーダーで冷却しながら充分
に混練しコンパウンドとした後、押し出し圧力180k
g/cm2にて押し出し成形法でシートに成形した。得
られたシートを耐圧容器に入る形状に切断した後、積層
し、前記ステンレスの耐圧容器に入れ、真空にした後、
積層面と垂直な方向から200kg/cm2の圧力にて
加圧成形した。得られたシート又は成形体は、真空中5
00℃にて脱脂した後、脱脂体を窒化硼素の容器に装
填、カーボンヒーターの電気炉を用いて表3に示す焼結
条件にて焼結し、充分緻密化した厚さ約0.6mmの焼
結体を得た。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】得られた焼結体について、以下の方法で、
評価を行った。この結果を表4に示す。 (1)組織形態:得られた各種焼結体を平面研削盤で表面
粗加工した後、さらにラッピング装置で鏡面研磨した。
さらにArベースの酸素、CF4を含有するガス雰囲気
中100Wの高周波プラズマでエッチングを行った後、
SEMにて組織観察を行った。次いで、画像解析装置に
て短軸径が2μm以上である窒化珪素粗大粒子の面積割
合等の定量評価を行った。 (2)窒化珪素粒子の配向性:得られた焼結体の窒化珪素
粒子の軸が配向している方向からX線を当てるようにし
て、X線回折を測定し、窒化珪素(002)面の回折強
度I(002)と窒化珪素(200)面の回折強度I
(200)の比からc軸の配向性を評価した。 配向度 =〔 I(002)/I(200)〕× 10
0 (3)β率:X線回折の回折強度測定結果より次の式で算
出した。 β率=((Iβ101+Iβ210)/(Iα102+Iα210
Iβ101+Iβ210))×100 (4)熱伝導性:φ10×3mmのサンプルを作製しリガ
ク社製のレーザーフラッシュ装置を用いて室温にて熱伝
導率を測定した。 (5)含有酸素量および含有不純物元素量:焼結体および
粉体の含有酸素量は窒化珪素製の乳鉢と乳棒で粉砕し、
LECO社のO/N同時分析装置で、金属含有元素の分
析は原子吸光法にて定量評価を行った。また、短軸径が
2μm以上の窒化珪素粒子の含有酸素量および金属元素
量は、得られた焼結体を窒化珪素製の乳鉢と乳棒で粉砕
しJournal of American Cera
mic Society論文誌1994年7月号185
7〜1862ページに記載されている方法に基づき粒界
相を溶解させた後、湿式分級にて短軸径2μm未満の窒
化珪素粒子を除去後、原子吸光法で金属含有量の定量評
価を実施した。
【0033】
【表4】
【0034】〔実施例11〜15〕表1のcの窒化珪素
粉末を用い、表2に示す配合A〜Fで焼結助剤を添加し
実施例2と同様にして打ち抜き成形体を作製した。得ら
れた成形体は真空中500℃にて脱脂した後、脱脂体を
窒化硼素の容器に装填、カーボンヒーターの電気炉を用
いて表3に示す焼結条件2にて焼結し、充分緻密化した
厚さ約0.6mmの焼結体を得た。得られた焼結体の評
価は実施例1と同様に行い、表5に示す結果を得た。
【0035】
【表5】
【0036】〔実施例16〜20および比較例6〜1
0〕表1のcの窒化珪素粉を用い、表2に示す配合Cで
焼結助剤を添加し実施例2と同様にして打ち抜き成形体
を作製した。得られた成形体を真空中500℃にて脱脂
した後、脱脂体を窒化硼素の容器に装填、カーボンヒー
ターの電気炉を用いて表3に示す焼結条件1〜11にて
焼結し、充分緻密化した厚さ約0.6mmの焼結体を得
た。得られた焼結体の評価は実施例1と同様に行い、表
6に示す結果を得た。
【0037】
【表6】
【0038】〔実施例21〕表1のcの窒化珪素粉を用
い、表2に示す配合Cで焼結助剤を添加し実施例2と同
様にして押し出し成形法にて得られたシートを積層した
後、ステンレスの耐圧容器に入れ、真空にした後、積層
面と垂直な方向から60℃、200kg/cm2の圧力
にて加圧成形した。得られた成形体を積層面に直角にな
るよう厚さ0.8mmに切り出し成形体とした。得られ
たシートは打ち抜きプレス機にて所定の大きさに打ち抜
き成形体とした。得られた成形体は、空気中500℃に
て脱脂した後、カーボンヒーターの電気炉を用いて表3
に示す焼成条件2にて焼結し、厚さ約0.6mmの焼結
体を得た。得られた焼結体の評価は実施例1と同様に行
い、表7に示す結果を得た。
【0039】
【表7】
【0040】〔実施例22〕実施例21と同様にしてシ
ートを積層した後、静水圧加圧装置で10tの荷重を5
分かけて加圧成形し、得られた成形体を積層面に直角に
なるよう厚さ0.8mmに切り出し成形体とした。得ら
れたシートは打ち抜きプレス機にて所定の大きさに打ち
抜き成形体とした。得られた成形体は、空気中500℃
にて脱脂した後、カーボンヒーターの電気炉を用いて表
3に示す焼結条件2にて焼結し、厚さ0.6mmの焼結
体を得た。得られた焼結体の評価は実施例1と同様に行
い、表7に示す結果を得た。
【0041】〔実施例23、24〕実施例23は実施例
2と、実施例24は実施例21と同様にして作製した
後、研削加工して40×60×0.6mmの窒化珪素焼
結体にしたものを用いた。それぞれの焼結体の熱伝導率
は実施例23が面方向で172W/mK、実施例24が
面に垂直方向で162W/mKであった。
【0042】次に、前記窒化珪素焼結板の両面にAg−
Cu−Ti系ロウ材をもちいて回路側に0.3mmの銅
板を、その反対側に0.15mmの銅板を積層し、10
-2Pa以下の真空中で835℃、40分間加熱接合し、
複合体を作製した。次に、エッチングレジストで回路パ
ターンを印刷し、硬化処理後、塩化第2鉄水溶液を用い
てパターン形成を行い回路基板を作製した。これらの回
路基板を−40℃から125℃の温度幅で1000回の
ヒートサイクル試験を行った後、外観検査および超音波
探傷装置にて亀裂や銅板の剥離等の異常がないかどうか
調べたが、全く認められなかった。
【0043】〔実施例25、26〕実施例25は実施例
23と、実施例26は実施例24と同様にして得られた
40×60×0.6mmのそれぞれの窒化珪素焼結体の
両面にAl−Si系ロウ材をもちいて0.4mmのアル
ミニウム板を積層し、10-2Pa以下の真空中で600
℃、30分間加熱接合し、複合体を作製した。次に、エ
ッチングレジストで回路パターンを印刷し、硬化処理
後、塩化第2鉄水溶液を用いてパターン形成を行い回路
基板を作製した。これらの回路基板を−40℃から12
5℃の温度幅で1000回のヒートサイクル試験を行っ
た後、外観検査および超音波探傷装置にて亀裂や銅板の
剥離等の異常がないかどうか調べたが、全く認められな
かった。
【0044】
【発明の効果】本発明の窒化珪素焼結体は、焼結体内部
に特定元素を特定量以下に限定した、特定サイズの窒化
珪素粒子が一方向に配向していて、その方向の熱伝導率
が160W/mK以上に達するという特徴を有している
ので、従来の窒化珪素焼結体では適用できなかったよう
な、高発熱性素子等を搭載するパワーデバイス搭載用回
路基板材料等として、或いは、電鉄、自動車、機器装置
等の広い分野で放熱部品や材料等として用いることがで
きる。
【0045】本発明の窒化珪素焼結体の製造方法は、前
記の窒化珪素焼結体を再現性良く、容易に製造できるの
で、産業上非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊吹山 正浩 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気化 学工業株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4G001 BA08 BA09 BA12 BA14 BA32 BA71 BA73 BB08 BB09 BB12 BB14 BB32 BB71 BB73 BC12 BC14 BC22 BC52 BD03 BE12 BE22 BE31

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素、Al、Ca、Feの含有量の合計が
    1000ppm以下であり、かつ短軸径が2μm以上で
    ある窒化珪素粒子を含有し、しかも前記短軸径が2μm
    以上である窒化珪素粒子が一方向に配向していることを
    特徴とする窒化珪素焼結体。
  2. 【請求項2】短軸径が2μm以上の窒化珪素粒子が配向
    している方向において、窒化珪素の(002)面のX線
    回折強度I(002)と(200)面のX線回折強度I
    (200)の比I(002)/I(200)が40以上
    であることを特徴とする請求項1記載の窒化珪素焼結
    体。
  3. 【請求項3】短軸径が2μm以上である窒化珪素粒子が
    窒化珪素焼結体全体に対して20〜60面積%を占める
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の窒化珪素
    焼結体。
  4. 【請求項4】任意の一方向の熱伝導率が160W/mK
    以上であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請
    求項3記載の窒化珪素焼結体。
  5. 【請求項5】窒化珪素粉末に少なくともイットリウム及
    び/又はランタノイド族元素の化合物の一種以上を添加
    してなる原料粉末を成形した後に焼結する窒化珪素焼結
    体の製造方法であって、平均アスペクト比が2.5以上
    である窒化珪素粒子を2〜30重量%を含み、Alを3
    00ppm以下、酸素を1重量%以下含有し、β率が3
    0%以上である窒化珪素粉末を用い、2μm以上の短軸
    径を有する窒化珪素粒子の酸素、Al、Ca、Feの含
    有量の合計が1000ppm以下となるように窒化珪素
    粒子を成長させながら焼結することを特徴とする窒化珪
    素焼結体の製造方法。
  6. 【請求項6】成形操作に於いて、原料粉末に有機質バイ
    ンダーを添加し、窒化珪素粉末中の窒化珪素粒子が一方
    向に配向するように成形したグリーンシートとし、脱脂
    することを特徴とする請求項5項記載の窒化珪素焼結体
    の製造方法。
  7. 【請求項7】成形操作に於いて、原料粉末に有機質バイ
    ンダーを添加し、窒化珪素粉末中の窒化珪素粒子が一方
    向に配向するように成形したグリーンシートを得た後、
    該グリーンシートを複数積層した状態で積層方向に切断
    して成形体とし、脱脂することを特徴とする請求項5項
    記載の窒化珪素焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】焼結操作に於いて、昇温速度が少なくとも
    1500℃を越えてからは0.5〜10℃/minと
    し、焼結温度は1800℃以上であって、しかも焼結温
    度と焼結時間の積が2×104℃・Hr〜2×105℃・
    Hrとすることを特徴とする請求項5、請求項6又は請
    求項7記載の窒化珪素焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1、請求項2、請求項3又は請求項
    4記載の窒化珪素焼結体を用いてなることを特徴とする
    窒化珪素回路基板。
  10. 【請求項10】回路基板の垂直方向に、窒化珪素焼結体
    の高熱伝導率方向が配向されていることを特徴とする請
    求項9記載の窒化珪素回路基板。
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