JP2002356376A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents
配線基板及びその製造方法Info
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Abstract
発生を抑制できる窒化珪素質焼結体を絶縁基板とする配
線基板を提供する。 【解決手段】窒化珪素を主結晶相とし、該主結晶相の粒
界相に、希土類元素(RE)、Mg及びSiを含み、熱
伝導率が60W/mK以上の焼結体からなり、該焼結体
の内部の粒界相が少なくともSi3N4−RE2O3−Si
O2系結晶相を含むとともに、該焼結体の表面の粒界相
が実質的にメリライト相からなることを特徴とする。
Description
Cu等の金属回路板が設けられてなる配線基板に関し、
特に絶縁基板が窒化珪素を主成分とする焼結体からな
り、金属回路に大電流が印加される配線基板とその製造
方法に関するものである。
IGBTなどのパワーデバイスを用いたパワーモジュー
ルが電車、電気自動車などの電動車両に適用されつつあ
る。これらのパワーデバイスに使用される電流は数十〜
数百Aを超え、また電圧も数千Vと非常に高電力となる
ため、パワーデバイスから発生する熱も大きくなる。こ
れによるデバイスの誤動作あるいは破壊を防止するため
に、発生熱をいかに系外に放出するかが大きな問題にな
っており、このような熱を装置外に放出可能な配線基板
が必要とされている。
するための好適な絶縁材料としては、酸化ベリリウム、
窒化アルミニウム等のセラミックスが用いられてきた
が、量産性、安全性などの点から窒化アルミニウムが最
も多く用いられてきた。
ル用基板として適用するためには、高熱伝導性のみなら
ず、高い耐久性を有することが必要であるが、窒化アル
ミニウムは、強度が低いため、過酷な条件下で使用され
る電動車両などの絶縁基板材料では充分な特性を有する
ものではなかった。
頼性の要求に応えたパワーモジュール用配線基板として
窒化珪素質焼結体を絶縁基板とする配線基板が注目され
ており、使用電流が大きいパワーモジュール用配線基板
には、この配線基板に厚み0.3〜0.5mmのCu板
が導体回路として用いられ、窒化珪素などの絶縁基板と
接合された構造となっている。
して、例えば、活性金属を含む化合物を含むロウ材ペー
ストを用いた接合により、接合層の厚みを20μm以下
に、Cu板の酸素含有量を50ppm以下にでき、機械
的特性、熱抵抗、安全性に優れた窒化珪素質焼結体の絶
縁基板からなる回路基板が特開平9−162325号公
報に記載されている。
9−162325号公報に記載の回路基板は、活性金属
を含んだロウ材を用いて窒化珪素質焼結体で構成される
絶縁基板とCuとを接合しており、機械的特性、熱抵
抗、安全性に優れた接合を得ることができるものの、接
合強度にバラツキが見られ、信頼性が低くなるといった
問題があった。
に配線形状の凹凸ができ、その部分に電流あるいは電圧
が集中する結果、絶縁劣化するという問題があった。
強度を示し、絶縁劣化の発生を抑制できる配線基板及び
その製造方法を提供することを目的としている。
成している窒化珪素質焼結体表面の結晶相がCuとの接
合強度のバラツキに影響するとの知見に基づき検討した
結果、焼結体表面の粒界相を実質的にメリライト相にす
ることで、ロウ材との濡れ性を向上し、良好で安定した
接合強度を示す窒化珪素質焼結体を絶縁基板とする配線
基板を実現したものである。
てなり、該絶縁基板が窒化珪素を主結晶相とし、該主結
晶相の粒界相に、希土類元素(RE)、Mg及びSiを
含み、熱伝導率が60W/mK以上の焼結体からなり、
該焼結体の内部の粒界相が少なくともSi3N4−RE2
O3−SiO2系結晶相を含むとともに、該焼結体の表面
の粒界相が実質的にメリライト相からなることを特徴と
するものである。焼結体内部に高熱伝導性粒界相を、表
面にロウ材との濡れ性の良好な粒界相を配すことによ
り、安定した接合強度を有し、かつ、絶縁劣化のない配
線基板を得ることができる。
5モル%、希土類元素、Mg及びSiが酸化物換算の合
量で5〜25モル%、MgOに対するRE2O3のモル比
RE 2O3/MgOが0.3〜10の割合で含むことが好
ましい。これにより、焼結体内部にSi3N4−RE2O3
−SiO2系結晶相を粒界相として存在せしめ、且つ焼
結体の表面にメリライト相を粒界相として存在せしめる
ことが容易で、窒化珪素質焼結体の熱伝導率が60W/
mK以上にすることが容易となる。
換算で全量中1モル%以下であることが好ましい。これ
により、配線基板の熱伝導率を向上させるのに有効とな
る。
ける強度が800MPa以上、絶縁耐圧が10kV/m
m以上であることが好ましい。これにより、基板厚みを
薄くした際にも基板破壊を抑制することが容易になる。
含むロウ材を介してCu板が設けられていることが好ま
しい。これにより、安定した接合強度が得られ易くな
る。
ーン形状のCu板が設けられ、且つ該一主面の反対側の
面に平面パターン形状のCu板が設けられてなることこ
とが望ましい。これにより放熱性をさらに向上すること
ができる。
化珪素粉末を75〜95モル%と、RE2O3粉末、Si
O2及びMgO粉末を合量で5〜25モル%、MgO粉
末に対するRE2O3粉末のモル比RE2O3/MgOが
0.3〜10、SiO2を1〜4重量%とした成形体
を、還元雰囲気下1650〜1850℃にて焼成して絶
縁基板を作製することを特徴とするものである。これに
より、窒化珪素質焼結体内部の粒界相がメリライト相
(RE2Si3O3N4)及びSi3N4−RE2O3−SiO
2系結晶相を含み、焼結体の表面の粒界相が実質的にメ
リライト相からなる配線基板を得ることができる。
を、MgOH粉末及び/又はMgCO 3粉末で添加する
ことが好ましい。これにより、安価で取扱いの簡単な原
料を用いて製造することができる。
の表面に活性金属を含むロウ材を回路パターン状又は平
面パターン状に印刷塗布し、該ロウ材上にCu板を載置
した後、真空、不活性雰囲気あるいは還元雰囲気のいず
れかの雰囲気において、800〜1000℃の温度に加
熱して前記焼結体とCu板とを接合することが好まし
い。これにより安定した接合強度を持ち、絶縁劣化のな
い配線基板を得ることができる。
回路を具備する絶縁基板からなるものであるが、この絶
縁基板が窒化珪素を主結晶相とし、該主結晶相の粒界相
に、希土類元素(RE)、Mg及びSiを含む焼結体か
らなるものであり、熱伝導率が60W/mK以上、特に
70W/mK以上、更には80W/mK以上であること
が好ましい。熱伝導率を高めることによって、基板内部
及び/又は基板表面において発生する熱の放散を速やか
に行うことができる。
界相が少なくともSi3N4−RE2O3−SiO2系結晶
相を含み、且つ表面の粒界相が実質的にメリライト相か
らなることが重要である。
N4−RE2O3−SiO2系結晶相が存在すると熱伝導率
が向上するため、これらの結晶相を焼結体内部に存在さ
せることが熱伝導率60W/mK以上を維持するために
好ましい。
iO2系結晶相が接合表面に存在すると、ロウ材成分と
の濡れ性が悪いため、これらの結晶相が存在する部分は
接合強度が著しく低下することを確認した。また、結晶
相部分のロウ材が接合時に基板表面に広がり、配線間で
ショートしたり、或いは回路端部に存在すると配線に凹
凸ができ、その部分に電流集中による基板破壊が発生
し、絶縁劣化が多発する。
質的にメリライト相(RE2Si3O 3N4)とすることに
より、ロウ材との濡れ性を高めることができ、高い接合
強度を実現し、絶縁劣化も抑制することができた。
結晶相とは、Si及びREを含む酸化物又は酸窒化物を
示すもので、具体的にはYAM(RE4Si2O7N4)、
ワラストナイト(RESiO2N)、アパタイト(RE
10Si7ON4)、RE2O3・nSiO2(n=1:モノ
シリケート、n=2:ダイシリケート等)等を例示でき
る。
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、Luの何れの元素でも好
適に用いる事ができるが、これらの中でもY、Nd、S
m、Gd、Er、Yb、Lu、とりわけY、Erが特
性、コストの点で望ましい。
る焼結体が、窒化珪素を75〜95モル%、特に80〜
90モル%希土類元素(RE)、Mg及びSiが酸化物
換算の合量で5〜25モル%、特に10〜20モル%で
あることが好ましい。窒化珪素が95モル%を越える
と、焼結助剤が少ないために1850℃以下で焼結が難
しくなり、窒化珪素が75モル%より少ないと、粒界相
の量が増え、焼結体表面にSi3N4−RE2O3−SiO
2系結晶相が形成され易くなるとともに、熱伝導率が低
下する傾向がある。ここで、REの酸化物はRE2O3、
Mgの酸化物はMgO、Siの酸化物はSiO2で換算
する。
E2O3/MgOを0.3〜10、特に0.5〜5、更に
は0.7〜3にすることが好ましい。モル比RE2O3/
MgOが10を越えると、MgO量が相対的に少なくな
り、MgO−SiO2系液相に消費されるSiO2が減る
結果、Si3N4−RE2O3−SiO2系結晶相が多く形
成され、焼結体表面にメリライト相のみを形成すること
が難しくなる傾向がある。
り小さくなるとMgOが多くなり、過剰のMgOが存在
した場合にMgOがMgとして揮発し、Oが還元雰囲気
中のCあるいはH2と反応するためSiO2の揮散が抑制
され、Si3N4−RE2O3−SiO2系結晶相が表面に
見られ易くなる傾向がある。
物換算で全量中1モル%以下であることが好ましい。A
l2O3などのAl化合物の配合は、焼結性の向上に大き
く寄与するが、Si3N4結晶中に固溶してフォノンの伝
播を阻害する結果、焼結体の熱伝導率を著しく低下させ
る傾向があるため、高熱伝導化のためにはAlの含有量
が少ないことが望ましく、具体的には、Alは酸化物換
算で1モル%以下、特に0.5モル%以下、更には0.
1モル%以下、より好適には0.01モル%以下が望ま
しい。
分としてTi、Hf、Zr、V、Nb、Ta、Cr、M
o、Wなど周期律表第4a、5a、6a族金属のうち少
なくとも1種を酸化物換算で0.05重量%以上含んで
いてもよい。これが2重量%以下であれば、組織や特性
に影響を及ぼさず、着色化が可能である。
が、800MPa以上であることが好ましい。この強度
が800MPaより低いと、配線基板厚みが1mm以下
の薄さになった際に基板が破壊するおそれがある。な
お、本発明における強度は、焼結体の厚みを0.3mm
とした時の常温における3点曲げ強度を意味するもので
ある。
以上、特に15kV/mm以上であることが好ましい。
絶縁耐圧が10kV/mmより低いと素子から発生する
電圧により基板が破壊する恐れがあるためである。
表面に、活性金属を含むロウ材を介してCu板が設けら
れていることが好ましい。活性金属をロウ材に存在せし
めることにより、接合時にロウ材中の活性金属成分と窒
化珪素が反応し、TiNなどの中間層を形成することに
より窒化珪素とCu板間に高い接合強度を発現せしめる
ことが容易になる。
状のCu板が設けられ、且つ該一主面の反対側の面に平
面パターン形状のCu板が設けられていることが好まし
い。即ち、絶縁基板表面にCu板により回路パターン
が、裏面にCu板による平面パターンが形成されている
と、裏面のCu板がヒートシンクとして機能し、高熱伝
導性を活用できるため、表面の回路パターンで発生する
熱を効率的に除去することができる。ここで、回路パタ
ーンとは、電気信号の伝送や電力を供給するための電気
回路であり、一方、平面パターンとは、広い面積を占有
するパターンで、放熱性の点で絶縁基板裏面のほぼ全面
にわたって形成されたものが好ましく、その形状は特に
限定されない。
ついて説明する。
9.9%、平均粒子径0.5〜2μm、α率80〜98
%、不純物酸素量が0.51〜1.5重量%の窒化珪素
粉末を準備する。また、焼結助剤として、平均粒子径
0.5〜3μm、純度98〜99.99%のRE2O3粉
末及びMgO粉末を準備する。さらに、窒化珪素粉末中
に含まれる酸素量をSiO2換算し、RE2O3、MgO
及びSiO2が合量で5〜25モル%、特に10〜20
モル%となるように不足分をSiO2粉末で添加する。
上記合量が5モル%より少ないと、1850℃以下で焼
結が難しくなる傾向があり、25モル%を越えると、熱
伝導率が低下する傾向があるためである。
も一部を、平均粒子径0.5〜6μm、純度98〜9
9.99%のMgOH粉末及び/又はMgCO3粉末で
添加することが好ましい。MgOH粉末及び/又はMg
CO3粉末は化学的に安定なため取扱い易く、且つ安価
であるため、製品コストの低減に寄与することができ
る。
算によるモル比RE2O3/MgOが0.3〜10、特に
0.5〜5、更には0.7〜3の範囲となるように調合
することが好ましい。モル比RE2O3/MgOの比率が
0.3より小さくなると、MgOが多くなり、過剰のM
gOが存在した場合にMgOがMgとして揮発し、Oが
還元雰囲気中のCあるいはH2と反応するためSiO2の
揮散が抑制され、Si 3N4−RE2O3−SiO2系結晶
相が焼結体表面に見られ易くなる傾向がある。
り、MgO−SiO2系液相に消費されるSiO2が減る
結果、Si3N4−RE2O3−SiO2系結晶相が多く形
成され、焼結体表面にメリライト相のみを形成すること
が難しくなる傾向がある。
して含まれ、MgOが存在すると低温で優先的に液相を
形成する。MgOが存在しない場合には、希土類元素と
液相を形成し、冷却時にSi3N4−RE2O3−SiO2
系結晶相を形成する。そのため、SiO2が1重量%よ
りも少ない場合、窒化珪素の粒界相としてSi3N4−R
E2O3−SiO2系結晶相が存在しにくくなり、熱伝導
率が低下する傾向が見られ、4重量%よりも多い場合、
表面にメリライト相のみを存在させることが難しくなる
傾向がある。従って、SiO2量を、特に1〜4重量
%、更には1.5〜3.5重量%の範囲で設定すること
が好ましい。
物粉末を添加することができる。Alは、焼結性の向上
に大きく寄与するものの、熱伝導率の低下を招く恐れが
あるため、全量中1モル%以下、特に0.5モル%以
下、更には0.1モル%以下、より好適には0.01モ
ル%以下の割合で加えることが好ましい。
Hf、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wなど周期
律表第4a、5a、6a族金属のうち少なくとも1種を
酸化物として0.05〜2重量%の割合で含んでいても
よい。
機バインダと溶媒とを添加して調製した成形用原料を用
いて、プレス成形法、CIP成形法、テープ成形法、押
し出し成形法、射出成形法等の公知の成形方法で絶縁基
板用成形体を作製する。
所望の温度で脱脂処理を行った後、還元雰囲気下で16
50〜1850℃の温度で焼成することが重要である。
焼成は、窒素や不活性ガス等の非酸化性ガスとC又はH
2等の還元性ガスとを混合した雰囲気下で行うことが好
ましい。このような雰囲気下で焼成することにより、表
面に存在するSiO2が還元されやすくなり、Si3N4
−RE2O3−SiO2系結晶相の析出を抑制する。
ると、SiO2の還元性ガスによる分解が進行せず表面
にSi3N4−RE2O3−SiO2系結晶相が出現し、1
850℃よりも高くなると、SiO2の分解以外に、窒
化珪素の分解反応、MgOの揮散が進行し、表面にSi
3N4−RE2O3−SiO2系結晶相が出現する。結晶相
の析出をより安定化させるため、特に1700〜180
0℃が好ましい。
5%以上、特に98%以上、更には99%になるまで焼
成することが好ましい。緻密な焼結体を得ることによっ
て、強度を高めることができる。
なくともSi3N4−RE2O3−SiO2系結晶相を含
み、該焼結体の表面の粒界相が実質的にメリライト相か
らなる窒化珪素質焼結体を絶縁基板とする配線基板を作
製することができる。
合する方法について説明する。まず、活性金属を含むロ
ウ材を準備する。ロウ材としては、周知の材料を用いる
ことができるが、特に高い密着性を得るためにCu−A
g−Tiが好ましい。
ン状又は平面パターン状等の所望の形状に塗布する。塗
布方法は、スクリーン印刷等の公知の手法を用いること
ができる。そして、塗布されたロウ材上にCu板を載置
した後、加熱して絶縁基板とCu板とを接合することが
好ましい。
用いた場合、Cu−Agの共晶温度である780℃以上
に加熱する必要があり、安定した接合強度を得るために
は800℃以上の温度が望ましい。また、接合温度が1
000℃を超えると、接合界面に形成される反応層が厚
くなる結果、接合強度が低下する傾向にあるため、80
0〜1000℃、特に850〜950℃の温度が好まし
い。
ない雰囲気が必要であり、真空、不活性雰囲気、還元雰
囲気のうちいずれかの雰囲気にて接合を行うことが望ま
しい。
場合、回路パターン状に形成されたCu板を直接ロウ材
上に載置して接合してもよいが、複雑な回路パターンで
は位置合わせが難しいため、まず絶縁基板の一主面とほ
ぼ同じ大きさのCu板を回路パターン状に塗布されたロ
ウ材上に載置して接合した後、Cu板表面に回路パター
ン状にレジストを塗布し、レジストのない部位をエッチ
ング液により除去して回路パターン状のCu板を絶縁基
板表面上に形成してもよい。
の絶縁基板からなる配線基板は、常温における3点曲げ
強度が800MPa以上、熱伝導率60W/mK以上で
あり、この焼結体表面には粒界相としてメリライト相し
か存在しないため、活性金属を含むロウ材を用いてCu
板を接合すると、絶縁基板とCu板を安定して接合で
き、絶縁劣化の発生を抑制することができる。
%、α率90%の直接窒化法により製造された窒化珪素
粉末と、純度が99.9%、平均粒子径が1.2μmの
各種希土類元素酸化物粉末と、純度が99%、平均粒子
径が4μmのMgCO3粉末と、純度が99.9%、平
均粒子径が1.6μmのSiO2粉末と、また、所望に
より純度が99.9%、平均粒子径が1.8μmのAl
2O3粉末とを準備した。
クリル樹脂バインダと、トルエンを加え、混練してスラ
リーを作製した。そのスラリーを用いて、ドクターブレ
ード法により厚さ0.3mmのグリーンシートを得た。
かくして得られたグリーンシートを適宜積層し、直径1
2mm、厚さ5mmの円板状及び強度測定用に60×6
×4mmの角柱に成形した。
ンダ(脱脂)した後、表1に示す焼成条件で3時間焼成
して窒化珪素質焼結体からなる絶縁基板を作製した。
アルキメデス法により窒化珪素質焼結体の嵩比重を測定
し、理論密度から相対密度を算出した。次いで、熱伝導
率をレーザーフラッシュ法により室温で測定した。さら
に、強度は厚み0.3mmの試料を用いて、JISR1
601に基づく3点曲げ試験により、室温で測定した。
また、表面の結晶相は焼結体表面を、内部の結晶相は焼
結体を粉砕し、X線回折により結晶相を同定した。
mmの焼結体からなる絶縁基板を作製し、その基板表面
にCu−Ag−Tiの活性金属ロウ材を回路パターン状
に印刷塗布し、その上に回路パターンと同形状のCu板
(厚み0.5mm)を貼り付けた。また、裏面も同様に
して平面パターン形状のCu板(厚み0.5mm)を、
ロウ材を介して貼り付け、還元雰囲気中900℃で熱処
理してCu板を接合した。得られた接合体にエッチング
処理を施してCu板からなる回路パターンを形成した。
関して、金属顕微鏡にて観察し、ロウ材の広がりを測定
し、回路の各配線に対して100μm以上のはみ出しが
ある場合に不良と判定した。また、Cu板の接合強度
は、1cm幅のCu板を用いた垂直引張り試験により、
最低強度を接合強度として評価した。
1、24〜27及び29は、Cu板からなる回路の配線
からのロウ材広がりが小さく、接合強度が200MPa
以上と高い接合強度が得られた。また、3点曲げ強度が
800MPa以上、熱伝導率60W/mK以上であっ
た。
イト相及びアパタイト相である本発明の範囲外の試料N
o.22は、接合強度が70MPaと小さく、配線から
のロウ材広がりが大きかった。
AM相が存在する本発明の範囲外の試料No.23は、
接合強度が80MPaと小さく、配線からのロウ材広が
りが大きかった。
発明の範囲外の試料No.28は、接合強度が60MP
aと小さく、配線からのロウ材広がりが大きかった。
ず、主結晶相として窒化珪素以外にサイアロンの相が見
られた本発明の範囲外の試料No.12は、熱伝導率が
57W/mKと小さく、配線からのロウ材広がりが大き
かった。
内部の粒界相に熱伝導率の高いSi3N4−RE2O3−S
iO2系結晶相を含み、表面の粒界相が実質的にメリラ
イト相からなることにより、高熱伝導率を有し、ロウ材
との濡れ性が向上して安定した接合強度が得られ、配線
形状の凹凸による絶縁劣化が抑制され、信頼性の高い配
線基板が得られる。
Claims (9)
- 【請求項1】絶縁基板の表面に導体回路が形成してな
り、該絶縁基板が窒化珪素を主結晶相とし、該主結晶相
の粒界相に、希土類元素(RE)、Mg及びSiを含
み、熱伝導率が60W/mK以上の焼結体からなり、該
焼結体の内部の粒界相が少なくともSi3N4−RE2O3
−SiO2系結晶相を含むとともに、該焼結体の表面の
粒界相が実質的にメリライト相からなることを特徴とす
る配線基板。 - 【請求項2】前記焼結体が、窒化珪素を75〜95モル
%、希土類元素、Mg及びSiが酸化物換算の合量で5
〜25モル%、MgOに対するRE2O3のモル比RE2
O3/MgOが0.3〜10の割合で含むことを特徴と
する請求項1記載の配線基板。 - 【請求項3】前記焼結体に含まれるAlが酸化物換算で
全量中1モル%以下であることを特徴とする請求項1又
は2記載の配線基板。 - 【請求項4】前記焼結体の0.3mm厚みにおける強度
が800MPa以上、絶縁耐圧が10kV/mm以上で
あることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
の配線基板。 - 【請求項5】前記絶縁基板の表面に、活性金属を含むロ
ウ材を介してCu板が設けられていることを特徴とする
請求項1乃至4のいずれかに記載の配線基板。 - 【請求項6】前記絶縁基板の一主面に回路パターン形状
のCu板が設けられ、且つ該一主面の反対側の面に平面
パターン形状のCu板が設けられてなることを特徴とす
る請求項5記載の配線基板。 - 【請求項7】窒化珪素粉末を75〜95モル%と、RE
2O3粉末、SiO2及びMgO粉末を合量で5〜25モ
ル%、MgO粉末に対するRE2O3粉末のモル比RE2
O3/MgOが0.3〜10、SiO2を1〜4重量%と
した成形体を、還元雰囲気下1650〜1850℃にて
焼成して絶縁基板を作製することを特徴とする配線基板
の製造方法。 - 【請求項8】前記MgO粉末の少なくとも一部を、Mg
OH粉末及び/又はMgCO3粉末で添加することを特
徴とする請求項7記載の配線基板の製造方法。 - 【請求項9】前記焼成によって得られた絶縁基板の表面
に活性金属を含むロウ材を回路パターン状又は平面パタ
ーン状に印刷塗布し、該ロウ材上にCu板を載置した
後、真空、不活性雰囲気あるいは還元雰囲気のいずれか
の雰囲気において、800〜1000℃の温度に加熱し
て前記焼結体とCu板とを接合することを特徴とする請
求項7又は8記載の配線基板の製造方法。
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