JP2001011208A - 包装用フィルム、包装袋および医薬品用包装袋 - Google Patents

包装用フィルム、包装袋および医薬品用包装袋

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JP2001011208A
JP2001011208A JP11179835A JP17983599A JP2001011208A JP 2001011208 A JP2001011208 A JP 2001011208A JP 11179835 A JP11179835 A JP 11179835A JP 17983599 A JP17983599 A JP 17983599A JP 2001011208 A JP2001011208 A JP 2001011208A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装用フィルムとして、高透明性を保持しつ
つ、ガス遮断性、紫外線カット性、耐熱性にすぐれ、破
袋し難い包装用フィルムを提供する。 【解決手段】 ジエチレングリコール成分を0.1モル
%〜3モル%(全グリコール成分の総量に対し)含有す
るポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
トの二軸配向フィルムからなり、フィルムの表面粗さが
Ra60nm以下、ヘーズが20%以下、全光線透過率
が75%以上、350nmでの光線透過率が20%以下
である包装用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装用フィルムお
よび包装袋、特に医薬品包装用袋に関する。より詳しく
は、ガス遮断性、耐熱性、紫外線遮断性および透明性に
優れる包装用フィルムおよび包装袋、特に医薬品包装袋
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートフィルム
は、優れた機械的性質、耐熱性、高温での寸法安定性、
ガス遮断性を有することから、これにポリエチレン等の
ヒートシール可能な高分子物質を積層することにより、
ヒートシールによる製袋および密封を可能にして、食品
および医薬品の包装用途などに用いられている。さら
に、ポリエチレンテレフタレートフィルムは、耐熱性を
生かして、レトルト包装用途にも使用されている。
【0003】しかし、このような食品および医薬品の包
装用途などにおいては、内部に空気が存在すると、保管
中に紫外線によって包装物が酸化され、変質が起こるな
どの問題がある。
【0004】特に、油脂を含む食品や医薬品の包装に利
用する場合には、この問題は極めて重大である。従っ
て、空気を完全に除去するか、紫外線をカットする必要
が有り、また外から空気が侵入しないようにする必要が
ある。
【0005】空気を除去するために、真空包装という手
段があるが、設備費が高く加工コストが高くつく欠点が
ある。また、紫外線をカットするために、紫外線吸収剤
をフィルム表面にコーティングする手段も有るが、この
場合も製造工程が煩雑でかつフィルムの性質を低下させ
る欠点がある。
【0006】紫外線吸収剤をブレンドする方法もある
が、多量にブレンドすると機械的性質が低下し、さらに
は透明性が悪化するとともに、食品中に紫外線吸収剤が
浸出恐れも有り、好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】医薬品の包装において
は、110℃程度の高温高圧での蒸気滅菌処理を行う場
合があり、ポリエチレンテレフタレートフィルムでは内
圧を支えきれず、破袋してしまうことがある。本発明
は、これらの問題を解決せしめ、包装用フィルムとし
て、高透明性を保持しつつ、ガス遮断性、紫外線カット
性、耐熱性にすぐれ、破袋し難い包装用フィルムを提供
することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ジエ
チレングリコール成分を0.1モル%〜3モル%(全グ
リコール成分の総量に対し)含有するポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートの二軸配向フィ
ルムからなり、フィルムの表面粗さRaが60nm以
下、ヘーズが20%以下、全光線透過率が75%以上、
350nmでの光線透過率が20%以下である包装用フ
ィルムである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】[ポリエステル]包装用フィルムは、ジエ
チレングリコール成分を0.1モル%〜3モル%(全グ
リコール成分の総量に対し)含有するポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートの二軸配向フィ
ルムからなる。このジエチレングリコール成分は、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートの製
造時に、共重合成分としてジエチレングリコール又はそ
のエステル形成性誘導体の形で添加されたものではな
く、製造反応の過程で副生して共重合されたものであ
る。ジエチレングリコール成分の含有量が3モル%(全
グリコール成分の総量に対し)を超えると、結晶性が損
なわれるため、機械的強度が低下するとともに、ガラス
転移点温度が低下し、耐熱性に劣るフィルムとなる。ジ
エチレングリコール成分の含有量は、好ましくは2.5
モル%以下、更に好ましくは2モル%以下である。ジエ
チレングリコール成分の含有量は0.1モル%以上(全
グリコール成分の総量に対し)であるが、これは副生物
であり完全にはなくすことはできない。
【0010】このようなジエチレングリコールの含有量
にするためには、製造反応中でのジエチレングリコール
の副生を抑えるために、エチレングリコールとジカルボ
ン酸のモル量比を2.0〜3.0にして製造することが
好ましい。また、エステル交換反応に要する時間は短い
ほどよく150分以下が好ましい。
【0011】上記のポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレートには、ジエチレングリコール成分の
他に、全ジカルボン酸成分の20モル%以下の割合で、
第三成分を共重合してもよい。第三成分の共重合寮が2
0モル%以下だと、主成分の本来の特性を極端に損なう
事のないフィルムとなる。
【0012】共重合可能な第三成分としては、2個のエ
ステル形成官能基を有する化合物、例えばシュウ酸、ア
ジピン酸、フタル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、コハク酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、テレフタル酸、2−カリウムスルホテレフ
タル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸、4、4’−ジフェニルジカ
ルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸及びこれらの低級アルキルエステ
ル;p−オキシエトキシ安息香酸等の如きオキシカルボ
ン酸及びその低級アルキルエステル;プロピレングリコ
ール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオ
ール,1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキ
サンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p−キシリ
レングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加
体、トリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドグ
リコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール、ネ
オペンチルグリコール等を挙げることができる。
【0013】また、ポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレートは、例えば安息香酸、メトキシポリ
アルキレングリコール等の1官能性化合物によて、末端
の水酸基および/またはカルボキシル基の一部または全
部を封鎖したものであってもよく、あるいは例えば極少
量のグリセリン、ペンタエリスリトールなどの如き3官
能以上のエステル形成化合物で実質的に線状のポリマー
が得られる範囲内で変成されたものであってもよい。ま
た、共重合ではなくこれらのポリエステルをブレンドし
ても良い。
【0014】[添加物]包装用フィルムには添加剤を含
有させてもよい。添加剤として、例えば安定剤、染料、
滑剤、紫外線吸収剤および難燃剤を例示することができ
る。
【0015】フィルムに滑り性を付与するために、不活
性粒子を少量割合含有させることは好ましいことであ
る。かかる不活性粒子としては、例えば球状シリカ、多
孔質シリカ、炭酸カルシウム、シリカアルミナ、アルミ
ナ、二酸化チタン、カオリンクレー、硫酸バリウム、ゼ
オライトのごとき無機粒子、あるいはシリコン樹脂粒
子、架橋ポリスチレン粒子のごとき有機粒子をあげるこ
とができる。
【0016】不活性粒子は、天然品、合成品のいづれで
もよいが、無機粒子の場合は、粒径が均一であることが
好ましいなどの理由により、天然品よりも合成品である
ことが好ましく、結晶形態、硬度、比重、色などについ
ては特に制限を受けることなく使用することができる。
【0017】不活性粒子は、前記例示した中から選ばれ
た単一成分でもよく、二成分あるいは三成分以上を含む
多成分であってもよい。
【0018】不活性微粒子の平均粒径は、0.05〜
5.0μmの範囲であることが好ましく、0.05〜
5.0μmであることが更に好ましい。平均粒径が5.
0μmより大きいと、球状シリカ微粒子による突起の周
りにフィルムにひび割れが生じ、突き刺し強度、F5
値、酸素透過度、透湿度が低下するため好ましくない。
0.05μmより小さいと、滑り性が劣りハンドリング
しにくいフィルムとなり好ましくない。
【0019】不活性微粒子の含有量は、0.001〜
1.0重量%であることが好ましく、0.03〜0.5
重量%であることが更に好ましい。添加量が1.0重量
%を超えると、滑り性は十分であるが、ひび割れの総数
が増加し、ヘーズ値が増加するため好ましくない。0.
001重量%未満であると、滑り性が劣りハンドリング
しにくいフィルムとなり好ましくない。
【0020】包装用フィルムに添加する不活性粒子は、
単一成分でもよく、二成分あるいは三成分以上を含む多
成分であってもよい。
【0021】不活性微粒子の添加時期は、ポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレートをフィルムに
製膜するまでの段階であれば特に制限はなく、例えば重
合段階で添加してもよく、また製膜の際に添加してもよ
い。
【0022】好ましい不活性微粒子は、球状シリカ微粒
子であり、これを分散含有さることが好ましい。
【0023】球状シリカ微粒子は、粒径比(長径/短
径)が1.0〜1.2であり、平均粒径がフィルム厚み
より大きくなく0.1〜1.0μmであるものが好まし
い。この球状シリカ微粒子は、個々の微粒子の形状が極
めて真球に近い球状であって、粗大粒子がほとんどない
ものである。これは、従来から滑剤として知られてい
る、10nm程度の超微細な塊状粒子またはこれらが凝
集して形成される0.5μm程度の凝集物(凝集粒子)
とは著しく異なるものである。平均粒径が1.0μmよ
り大きいと、球状シリカ微粒子による突起の周りにフィ
ルムにひび割れが生じ、突き刺し強度、F5値、酸素透
過度、透湿度が低下するため好ましくない。0.1μm
より小さいと、滑り性が劣りハンドリングしにくいフィ
ルムとなり好ましくない。
【0024】球状シリカ微粒子は、包装用フィルムのポ
リエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートに
対して0.05〜1重量%含有されることが好ましい。
添加量が1.0重量%より多いと、滑り性は十分である
が、ひび割れの総数が増加し、突き刺し強度、F5値、
酸素透過度、透湿度が低下しさらに、ヘーズが増加する
ため好ましくない。0.05重量%より少ないと、滑り
性が劣りハンドリングしにくいフィルムとなり好ましく
ない。
【0025】球状シリカ微粒子は、上述の条件を満たせ
ば、その製法、その他に何ら限定されるものではない。
例えば、球状シリカ微粒子は、オルトケイ酸エチル[S
i(OCH)]の加水分解から含水シリカ[Si(O
H)]単分散球を作り、さらにこの含水シリカ単分散球
を脱水化処理して下記シリカ結合を三次元的に成長させ
ることで製造できる(日本化学会誌、’81,No.
9,P.1503)。
【0026】
【化1】
【0027】
【化2】
【0028】[表面粗さ]包装用フィルムは、その表面
粗さRaが60nm以下、好ましくは40nm以下、さ
らに好ましくは30nm以下である。表面粗さRaが6
0nmより大きいとフィルムの表面が粗れ、表面反射が
大きくなり、全光線透過率が減少する。フィルムの表面
粗さの下限は、ハンドリングの面から、5nm以上ある
ことが好ましい。
【0029】[ヘーズ・光線透過率]包装用フィルム
は、そのヘーズが20%以下である。この値より大きい
と、透明性が損なわれ、内容物の視認性が悪くなる。ヘ
ーズは低い程よい。包装用フィルムは、その全光線透過
率は75%以上、好ましくは80%以上である。全光線
透過率が75%より小さいと、透明性が低下する。包装
用フィルムは、その350nmでの光線透過率が20%
以下であり、好ましくは15%以下である。350nm
での光線透過率が20%より大きいと紫外線の遮断効果
が劣る。
【0030】[突き刺し強度]包装用フィルムは、その
突き刺し強度が、好ましくは0.5kg以上、さらに好
ましくは、0.6kg以上である。突き刺し強度が、
0.5kgより低いと、製袋後の包装体が破れやすくな
り好ましくない。
【0031】[軟化点]包装用フィルムは、その軟化点
が、好ましくは250℃以上、さらに好ましくは255
℃以上である。軟化点が250℃より低いと、耐熱性に
劣るフィルムとなり、沸水中の処理時や、フィルムのT
g以上での高温殺菌時に、フィルムが緩和してしまい、
酸素透過率や機械的強度に劣るフィルムとなり好ましく
ない。
【0032】[吸水率]包装用フィルムは、その吸水率
が、好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.7
%以下である。吸水率が0.8%より大きいと内容物が
吸水してしまい、乾燥剤を封入する必要が生じ好ましく
ない。
【0033】[酸素透過度]包装用フィルムは、その酸
素透過度が、好ましくは60ml/m2・day・at
m以下、さらに好ましくは40ml/m2・day・a
tm以下である。60ml/m2・day・atmより
大きいと、内容物が酸化されてしまい、変質したり、味
が変わってしまったりして好ましくない。酸素透過度は
二軸配向することで抑制することができ、縦、横の延伸
倍率の積を、好ましくは9倍以上、更に好ましくは12
倍以上として、60ml/m2・day・atm以下の
値を達成することができる。また、ジエチレングリコー
ル量を減少させることも、酸素透過度の抑制に有効であ
る。
【0034】[透湿度]包装用フィルムは、その透湿度
が25g/m2・24hr以下であることが好ましい。
フィルムの吸水率がいかに小さくとも、透湿度がこの値
より大きいと内容物が吸水してしまい、乾燥剤を封入す
る必要が生じ好ましくないからである。
【0035】[厚み]包装用フィルムは、その厚みが、
好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは7〜26μ
m、特に好ましくは10〜15μmである。5μmより
薄いと破れやすく、取り扱いが難しくなり、50μmよ
り厚いと破れにくいが、硬いフィルムとなり、柔軟性に
欠け好ましくない。
【0036】[F5値]包装用フィルムは、そのF5値
が、全方向において好ましくは1300kg/cm2
上、さらに好ましくは1400kg/cm2以上であ
る。1300kg/cm2より低いとその方向で破れや
すいフィルムとなり好ましくない。
【0037】[ヒートシール層]包装用フィルムには、
ヒートシールを目的として、ヒートシール層を設けるこ
とができ、包装袋とすることができる。通常、ヒートシ
ール層は、包装用フィルムに積層して形成される。
【0038】ヒートシール層のポリマーとしては、例え
ば、ポリオレフィン、ポリエステルを用いることができ
る。
【0039】ヒートシール層のポリマーとしては、包装
用フィルムのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカル
ボキシレートよりも融点の低いものが好ましく、さらに
は融点が200℃以下のもの、特に150℃以下のもの
が好ましい。この観点から、ポリエステルとしては、共
重合量が20モル%以上のポリエチレン−2,6−ナフ
タレンジカルボキシレートおよびポリエチレンテレフタ
レートが好ましい。ポリオレフィンとしては、ポリエチ
レンおよびポリプロピレンが好ましい。さらに、融点お
よびコストの面から、特にポリエチレンが好ましい。
【0040】ヒートシール層の積層方法は特に限定され
ない。例えば、接着剤もしくは接着性樹脂層を介在させ
て積層する方法、直接共押出しする方法、ドライラミネ
ート法または押出しラミネート法等を用いることができ
る。
【0041】[易接着層]包装用フィルムは、ヒートシ
ール層との接着性を向上させるために、ヒートシール層
と接着する側の表面に塗付層を設けることが好ましい。
塗布層は、昇華性染料と樹脂バインダーとからなるイン
キ層と、ポリエステルフィルムとの接着性を高めるため
にも、設けることが好ましい。
【0042】この塗付層は、ポリエステル系樹脂、ウレ
タン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂およびこれ
らで変性されたポリエステル系樹脂からなる群から選ば
れる少なくとも一種の水溶性または水分散性樹脂からな
ることが好ましい。
【0043】ポリエステル系樹脂は、それを構成する成
分として、以下のような多価カルボン酸および多価ヒド
ロキシ化合物を例示できる。すなわち、多価カルボン酸
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル
酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5−ナフ
タレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カリウ
ムスルホテレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリット
酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル
酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリ
ウム塩、およびそれらのエステル形成性誘導体、等を用
いることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペン
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコール、
ビスフェノールA−エチレングリコール付加物、ビスフ
ェノールA−1,2−プロピレングリコール付加物、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシド
グリコール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン
酸ナトリウム、ジメチロールプロピオン酸カリウム、等
を用いることができる。これらの化合物の中から、それ
ぞれ適宜1つ以上選択して、常法の重縮合反応によりポ
リエステル系樹脂を合成する。
【0044】なお、上記のほか、ポリエステル系樹脂と
ともに、またはポリエステル系樹脂に代えて、後述する
アクリルおよびビニル系樹脂変性ポリエステル樹脂や、
ポリエステルポリオールをイソシアネートで鎖延長した
ポリエステルポリウレタンなどのポリエステル成分を有
する複合高分子を、変性されたポリエステル系樹脂とし
て用いることができる。
【0045】ウレタン系樹脂は、それを構成する成分と
して、以下のような多価ヒドロキシ化合物、多価イソシ
アネート化合物、鎖長延長剤、架橋剤などを例示でき
る。すなわち、多価ヒドロキシ化合物としては、ポリオ
キシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコ
ール、ポリオキシテトラメチレングリコールのようなポ
リエーテル類、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン
−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンのようなポ
リエステル類、ポリカーボネート類、アクリル系ポリオ
ール、ひまし油、などを用いることができる。多価イソ
シアネート化合物としては、トリレンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、などを用いることができる。鎖長延長剤
あるいは架橋剤の例としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチ
ロールプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、エチレンジアミン−ナトリウムアク
リレート付加物、4,4’−ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水な
どを用いることができる。これらの化合物の中から、そ
れぞれ適宜1つ以上選択して、常法の重縮合−架橋反応
によりポリウレタン系樹脂を合成する。
【0046】アクリル系樹脂は、アルキルアクリレート
あるいはアルキルメタクリレートを主要な成分とするも
のが好ましく、当該成分が30〜90モル%であり、共
重合可能でかつ官能基を有するビニル単量体成分70〜
10モル%を含有する水溶性あるいは水分散性樹脂であ
る。アルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレ
ートと共重合可能でかつ官能基を有するビニル単量体
は、官能基としてカルボキシル基またはその塩、酸無水
物基、スルホン酸基またはその塩、アミド基またはアル
キロール化されたアミド基、アミノ基(置換アミノ基を
含む)またはアルキロール化されたアミノ基あるいはそ
れらの塩、水酸基、エポキシ基などを有するビニル単量
体である。これらの中でも特に好ましいものはカルボキ
シル基またはその塩、酸無水物基、エポキシ基などであ
る。これらの基は樹脂中に2種類以上含有されていても
よい。アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレ
ートのアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウ
リル基、ステアリル基、シクロヘキシル基などが挙げら
れる。
【0047】アルキルアクリレートあるいはアルキルメ
タクリレートと共重合する官能基を有するビニル系単量
体は、反応性官能基、自己架橋性官能基、親水性基など
の官能基を有する下記の化合物類が使用できる。カルボ
キシル基またはその塩、酸無水物基を有する化合物とし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、これらのカルボン酸のナトリウムなどとの金属
塩、アンモニウム塩あるいは無水マレイン酸などが挙げ
られる。スルホン酸基またはその塩を有する化合物とし
ては、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、これら
のスルホン酸のナトリウムなどとの金属塩、アンモニウ
ム塩などが挙げられる。アミド基あるいはアルキロール
化されたアミド基を有する化合物としては、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、メチロール化アクリルアミド、メチロール化メタク
リルアミド、ウレイドビニルエーテル、β−ウレイドイ
ソブチルビニルエーテル、ウレイドエチルアクリレート
などが挙げられる。アミノ基あるいはアルキロール化さ
れたアミノ基あるいはそれらの塩を有する化合物として
は、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、2−アミノ
エチルビニルエーテル、3−アミノプロピルビニルエー
テル、2−アミノブチルビニルエーテル、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルビニル
エーテル、それらのアミノ基をメチロール化したもの、
ハロゲン化アルキル、ジメチル硫酸、サルトンなどによ
り4級化したものなどが挙げられる。水酸基を有する化
合物としては、β−ヒドロキシエチルアクリレート、β
−ヒドロキシエチルメタクリレート、β−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、β−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、β−ヒドロキシエチルビニルエーテル、5−ヒ
ドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキ
シルビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアク
リレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリ
プロピレングリコールモノメタクリレートなどが挙げら
れる、エポキシ基を有する化合物としては、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレートなどが挙げら
れる。その他官能基を有する化合物として、ビニルイソ
シアネート、アリルイソシアネートなどが挙げられる。
さらに、エチレン、プロピレン、メチルペンテン、ブタ
ジエン、スチレン、αーメチルスチレンなどのオレフィ
ン類や、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルトリアルコキシシラン、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、フ
ッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、酢酸ビニルなども
ビニル系単量体化合物として挙げられる。
【0048】ビニル系樹脂で変性されたポリエステル系
樹脂の水溶性または水分散性樹脂はポリエステルの水溶
性または水分散性樹脂中においてビニル系樹脂を重合す
ることによって合成できる。このポリエステルを構成す
る成分として以下のような多塩基酸またはそのエステル
形成誘導体とポリオールまたはそのエステル形成誘導体
を例示できる。すなわち、多塩基酸成分としてはテレフ
タル酸、イソフタール酸、フタル酸、無水フタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリ
ット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸等が挙げられる。
これら酸成分を2種以上を用いて共重合ポリエステル樹
脂を合成する。また、若干量ながら不飽和多塩基酸成分
のマレイン酸、イタコン酸等及びp−ヒドロキシ安息香
酸等の如きヒドロキシカルボン酸を用いることができ
る。また、ポリオール成分としては、エチレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコ
ール、ジメチロールプロパン、ポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コール等が挙げられる。これらは2種以上を用いること
ができる。また、ビニル系樹脂成分以下に例示するよう
なビニル系モノマーが挙げられる。このビニル系モノマ
ーとしては、アルキルアクリレート、アルキルメタクリ
レート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロ
ヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート等のヒドロキシ含有モノマー;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、
N−アルキルメタクリルアミド、N、N−ジアルキルア
クリルアミド、N、N−ジアルキルメタクリレート(ア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基
等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシ
メタクリルアミド、N、N−ジアルコキシアクリルアミ
ド、N、N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキ
シ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、
イソブトキシ基等)、N−メチロールアクリルアミド、
N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリ
ルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基
含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ
基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンス
ルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アン
モニウム塩、第三級アミン塩等)等のガルボキシ基また
はその塩を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イ
タコン酸等の酸無水物のモノマー;ビニルイソシアネー
ト、アリルイソシアネート、スチレン、αーメチルスチ
レン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノ
エステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキル
イタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、
塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のモノマーが挙
げられる。また、これらモノマーが挙げられるがこれら
に限定されるものではない。これらモノマーは1種ある
いは2種以上を用いて共重合することができる。
【0049】塗布層を形成するためい用いる塗布液は、
上記樹脂の水溶性または水分散性樹脂や他の添加物に影
響を与えない限り、若干の有機溶剤を含んでいてもよ
い。この塗布液はアニオン型界面活性剤、カチオン型界
面活性剤、ノニオン型界面活性剤等の界面活性剤を必要
量添加して用いることができる。かかる界面活性剤とし
ては水性塗布液の表面張力を40dyne/cm以下に低下で
き、ポリエステルフィルムへの濡れを促進するものが好
ましく、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンー脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪
酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、
アルキルスルホコハク酸塩、第4級アンモニウムクロラ
イド塩、アルキルアミン塩酸、ベタイン型界面活性剤等
を挙げることができる。
【0050】塗布層には、固着性(ブロッキング性)、
耐水性、耐溶剤性、機械的強度の改良のために架橋剤と
してイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、オキ
サゾリン系化合物、アジリジン化合物、メラミン系化合
物、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジ
ルコ−アルミネート系カップリング剤などを含有しても
良い。
【0051】塗付層の樹脂成分に架橋反応点があれば、
過酸化物、アミン類などの反応開始剤や、感光性樹脂な
どに増感剤を含有しても良い。
【0052】固着性や滑り性改良のために、塗布層中に
微粒子を含有することが好ましい。微粒子としては、無
機系微粒子と有機系微粒子のいずれでもよく、無機系微
粒子として、シリカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナ
ゾル、ジルコニウムゾル、カオリン、タルク、炭酸カル
シウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウ
ム、カーボンブラック、硫化モリブデン、酸化アンチモ
ンゾルなどを、有機系微粒子として、ポリスチレン、ポ
リエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル
酸エステル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂などを含有してもよい。さらに必要に応じて、消泡
剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、有機系潤滑
剤、酸化防止剤、発泡剤、染料、顔料などを含有しても
良い。
【0053】塗付層は、ポリエステルフィルム製造工程
中で結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムの片
面または両面に塗布液を、塗工して形成することが好ま
しい。
【0054】塗付層を形成するための塗付液は、ポリエ
ステルフィルム製造工程と切り離して塗工してもよい
が、この場合には、塵、埃等を巻き込みやすく、その部
分が印刷時の欠点となりクリーンな雰囲気が望ましく、
更には好適なフィルムを比較的安価で製造でき、これら
の点から製造工程中の塗工が好ましい。その際、塗布液
の固形分濃度は通常0.1〜30重量%であり、更に好
ましくは1〜10重量%である。塗布量は走行中のフィ
ルム1m2当り0.5〜50gが好ましい。
【0055】塗工方法としては公知の方法が適用でき
る。例えば、ロールコート法、グラビアコート法、ロー
ルブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフ法、
含浸法、カーテンコート法等を単独または組み合わせて
適用するとよい。
【0056】[フィルムの製造方法]包装用フィルム
は、通常の方法、例えば、IダイまたはTダイにより押
出、急冷された未延伸フイルムを、二軸延伸して、熱固
定することにより有利に製造することができる。
【0057】延伸方法は公知の方法で良いが、延伸温度
は通常100〜150℃であり、延伸倍率は、縦方向
に、好ましくは1.5〜6.0倍、より好ましくは2.
5〜5.0倍であり、横方向に、好ましくは2.5〜
6.0倍、より好ましくは2.8〜5.2倍である。延
伸して得られたフイルムは170〜255℃、好ましく
は180〜250℃で1〜100秒間熱固定する。
【0058】延伸は一般に用いられる方法、例えばロー
ルによる方法やテンターを用いた方法で行うことがで
き、縦方向と横方向を同時に延伸してもよく、また縦方
向・横方向に逐次延伸してもよい。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、例中の各特性値は、次の方法により測定し
た。また、例中の「部」とあるのは「重量部」を表す。
ジエチレングリコールはDEGと略称することがある。
ガスクロマトグラフィーには日立製作所製263−70
型を用いた。
【0060】(1)ジエチレングリコールの含有量(D
EG量) 抱水ヒドラジンを用いてポリマーを分解し、ガスクロマ
トグラフィーにより定量した。
【0061】(2)全光線透過率およびヘーズ JIS K6714−1958に従い、全光線透過率T
t(%)と散乱光透過率Td(%)を求め、ヘーズ(T
d/Tt×100)(%)を算出した。
【0062】(3)350nmの光線透過率 島津製作所分光光度計(MPC−3100)を用いて、
フィルムの試料の350nmの光線透過率を百分率
(%)で表し光線透過率とした。
【0063】(4)表面粗さ(中心線表面粗さRa) 非接触式3次元粗さ計(小坂研究所製、ET30HK)
を用いて波長780nmの半導体レーザー、ビーム径
1.6μmの光触針で、測定長(LX)1mm、サンプ
リングピッチ2μm、カットオフ0.25mm、縦方向
拡大倍率1万倍、横方向拡大倍率200倍、走査線数1
00本(従って、Y方向の測定長LY=0.2mm)の
条件にて、フィルム表面の突起プロファイルを測定し、
その粗さ曲面をZ=F(X、Y)で表したとき、次の式
で得られる値(Ra、単位nm)をフィルムの表面粗さ
として定義した。
【0064】
【数1】
【0065】(5)突き刺し強度 厚生省告示20号に準拠して測定した。
【0066】(6)F5値 JIS C−2318に準拠して測定した。
【0067】(7)軟化点 JIS K−7196に準拠して測定した。
【0068】(8)吸水率 JIS K−6911に準拠して測定した。
【0069】(9)酸素透過度 JIS K−7126に準拠して測定した。
【0070】(10)透湿度 JIS Z−0208に準拠して測定した。
【0071】(11)フィルム厚み アンリツ(株)製電子マイクロメータ(K−312A
型)を用いて、針圧30gにてフィルム厚みを測定し
た。
【0072】(12)粒子の粒径および粒径比 (12.1)粒子の粒径 試料フィルム小片を、走査型電子顕微鏡用試料台に固定
し、日本電子(株)製スパッターリング装置(JIS−
1100型イオンスパッターリング装置)を用いてフィ
ルム表面に、1×10-3torrの真空下で0.25k
V、1.25mAの条件にて、イオンエッチング処理を
10分間施した。さらに、同じ装置で金スパッターを施
し、走査型電子顕微鏡にて1〜3万倍で観測し、日本レ
ギュレーター(株)製ルーゼックス500にて、少なく
とも100個の粒子の長径(Dli)、短径(Dsi)
及び面積相当粒径(Di)を求めた。下式で表される面
積相当(Di)の数平均値を平均粒径(D)とした。
【0073】
【数2】
【0074】(12.2)粒子粒径比 前項(12.1)で得られた粒子の長径(Dli)及び
短径(Dsi)から下式で表される長径(Dli)、短
径(Dsi)をそれぞれ、これらの式より算出した。
【0075】
【数3】
【0076】[実施例1]ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸ジメチル100部、およびエチレングリコール6
0部を、エステル交換触媒として酢酸マンガン四水塩
0.03部を使用し、150℃から238℃に徐々に昇
温しながら120分間エステル交換反応を行なつた。途
中反応温度が170℃に達した時点で三酸化アンチモン
0.024部を添加し、さらに平均粒径が0.5μmの
球状シリカ粒子を0.15重量部を添加し、エステル交
換反応終了後、リン酸トリメチルをエチレングリコール
中で135℃、5時間1.1〜1.6kg/cm2の加
圧下で加熱処理した溶液(リン酸トリメチル換算量で
0.023部)を添加した。その後反応生成物を重合反
応器に移し、290℃まで昇温し、0.2mmHg以下
の高真空下にて重縮合反応を行なつて25℃のo−クロ
ロフィノール溶融で測定した固有粘度が0.61dl/
g、DEG共重合量1.0mol%のポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートを得た。
【0077】このポリエチレン−2,6−ナフタレンジ
カルボキシレートのペレットを170℃で6時間乾燥
後、押出し機ホッパーに供給し、溶融温度310℃で溶
融し、1mmのスリット状ダイを通して表面温度60℃
の回転冷却ドラム上に押出し、急冷して未延伸フィルム
を得た。このようにして得られた未延伸フィルムを12
0℃にて予熱し、さらに低速、高速のロール間で15m
m上方より900℃のIRヒーターにて加熱して、縦方
向に3.6倍に延伸し、続いてテンターに供給し、14
0℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得られた二軸配
向フィルムを220℃の温度で5秒間熱固定し190℃
の温度で幅方向に0.5%弛緩させ、厚み12μmの二
軸配向フイルムを得た。この二軸配向フイルムを熱処理
に引き続いて横方向の把持を解除し、縦方向は緊張状態
で冷却ロールに接触させて急冷した後ロールに巻取り、
包装用フィルムを得た。得られた包装用フイルム上に厚
さ25μmのポリエチレンフィルムを、脂肪族エステル
系接着剤(商品名:タケラックA515、武田薬品工業
株式会社製)を接着剤として用いたドライラミネーショ
ン(塗布量2.8g/m2)によりシーラント剤として
積層し、包装用フィルムを得た。この包装用フィルムの
特性は表1に示すとおり、良好なものであった。
【0078】[実施例2、3、比較例3]実施例1にお
いて、添加する球状シリカ粒子の粒径および添加量を表
1のとおりにする以外はすべて同様に行った。評価結果
を第1表に示す。
【0079】[実施例4、比較例1]実施例1におい
て、添加するエチレングリコールおよび、エステル交換
反応時間を表1のとおりにする以外はすべて同様に行っ
た。評価結果を第1表に示す。
【0080】[比較例2]実施例1において、添加する
ジエチレングリコールの量を表1のとおりにする以外は
すべて同様に行った。評価結果を第1表に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、透明性、ガス遮断性、
紫外線カット性、耐熱性にすぐれ、破袋し難い包装用フ
ィルムを提供することができる。この包装用フィルムは
包装袋として利用することができ、医薬品包装袋として
好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA45 AB26 AD02 AD06 AE11 AF08 AF10 AF14 AF20 AF30 AH04 BA01 BB06 BB08 BC12 BC16 4F100 AA20A AK04B AK42A BA02 DE04A EJ38A GB15 GB17 GB66 JA04A JD02 JD03A JD04A JD09 JD14A JJ03 JK14A JL12B JN01A YY00A 4J029 AA03 AB01 AC02 AE03 BA02 BA03 BA05 BA08 BB06A BD07A BF09 BF25 CA01 CA02 CA04 CA06 CB05A CB06A CB10A CC06A CF08 CH02 DB01 HA01 HB01 JE182

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジエチレングリコール成分を0.1モル
    %〜3モル%(全グリコール成分の総量に対し)含有す
    るポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
    トの二軸配向フィルムからなり、フィルムの表面粗さR
    aが60nm以下、ヘーズが20%以下、全光線透過率
    が75%以上、350nmでの光線透過率が20%以下
    である包装用フィルム。
  2. 【請求項2】 突き刺し強度が0.5kg以上、軟化点
    が250℃以上、吸水率が0.8%以下、酸素透過度が
    60ml/m2・day・atm以下、透湿度が25g
    /m2・24hr以下、厚みが5〜50μm、全方向に
    おいてF5値が1300kg/cm2以上である、請求
    項1に記載の包装用フィルム。
  3. 【請求項3】 粒径比(長径/短径)が1.0〜1.2
    かつ平均粒径が0.1〜1.0μmである球状シリカ微
    粒子を0.05〜1重量%含んで成る、請求項1または
    2に記載の包装用フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の包装用
    フィルムにヒートシール層を設けてなる包装袋。
  5. 【請求項5】 ヒートシール層がポリエチレンである請
    求項4に記載の包装袋。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の包装袋からなる医薬品
    包装袋。
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