JP2001010213A - インクジェット記録体及び記録方法 - Google Patents

インクジェット記録体及び記録方法

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JP2001010213A
JP2001010213A JP11183110A JP18311099A JP2001010213A JP 2001010213 A JP2001010213 A JP 2001010213A JP 11183110 A JP11183110 A JP 11183110A JP 18311099 A JP18311099 A JP 18311099A JP 2001010213 A JP2001010213 A JP 2001010213A
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Kazuo Totani
和夫 戸谷
Satoshi Matsuura
諭 松浦
Hiromasa Kondo
博雅 近藤
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は顔料インクを用いたインクジェットプ
リンター、プロッター等のインクジェット記録方式にお
いて、インク吸収能力に優れ、高品位の画像を高速でプ
リントすることができ、印字濃度が高く、にじみがない
インクジェット記録用シートを提供するものである。 【解決手段】支持体に、吸油量が250ml/100g以
上の無定型シリカおよび結着剤を含有するインク受容層
を設けてなるインクジェット記録体であり、インク受容
層が更にコロイド滴定法により測定したカチオン強度が
4.5m当量/g以上8m当量/g以下である高カチオ
ン強度のカチオン性樹脂を含有するインクジェット記録
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像記録や印字等に
用いられるインクジェット記録方法に関し、特に顔料イ
ンクを用いた記録においてインクの乾燥速度が速く、に
じみが小さく、印字物の発色性に優れるインクジェット
記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高速にカラーハードコピーを作成するイ
ンクジェットカラープリンターの技術進歩により、鮮明
な画像と優れた印字品位を得ることが可能となってき
た。しかし、一方でプリントの品位、彩度、外観、画像
を更に改良するために、より高度な特性を持つ記録材が
要求されるようになってきた。特にプリント速度、解像
度、彩度などの向上によって被記録材に対してもインク
の速乾性、高吸収容量、ドット径およびにじみの制御
等、より高度な特性が要求されるようになり、各種記録
用シートが開発されている。特開昭55−5183号公
報、特開昭56−148585号公報等にはインクの吸
収を良くするために基材の上に多孔質無機顔料からなる
受容層を設けることが開示されている。
【0003】一方、近年インクジェットプリンターは従
来の書類等の印字用途からポスター等の広幅広告用途へ
と広まっている。インクジェットプリンターは操作が非
常に簡単であり、また製版等の印刷と違い少量印刷が可
能であるため必要に応じた画像を素早く必要量だけ印字
する事が可能である。また、広告等の印字にはプロッタ
ー等と呼ばれる広幅印字可能なものが通常使用さてい
る。これらのプロッターは広告用途であるため遠くから
でも画像が鮮明に確認できる必要があり、しかも長期掲
示においても鮮明な画像を保ち続ける必要がある。しか
し、従来から使用されているインクジェット用のインク
は染料インクであり、長期掲示において紫外線、オゾン
等により酸化され、画像が退色し見栄えが悪化するとい
う問題があった。この様な問題を解決するために、プロ
ッターのインクに染料インクに比べ耐光性に優れた顔料
インクを用いることが特開平9−157559号公報、
特開平9−132740号公報等に開示されている。し
かし、染料インクは低分子化合物で受容層を“染める”
ことで発色を行っていたが、顔料インクは顔料粒子を受
容層の上に“敷き詰める”または“並べる”ことにより
発色を行っているため、記録体に求められる特性が異な
る。また、顔料は染料に比べ分子量が非常に大きく、そ
のためにじみの制御等の定着機構も染料の低分子レベル
の反応とは全く異なっており、従来の記録用シートでは
印字濃度、にじみ等の点で充分な特性が得られないのが
現状である。
【0004】また裏面に粘着剤層と剥離紙を設けたラベ
ル用途等においても、特に記録部分の保存性が要求され
るため、顔料インクに対応した記録体が要望されてい
る。しかし、顔料インクを用いたこの方式は分散染料を
使用した方式に比べて記録濃度が出難く、逆に記録濃度
を出すためにインクを記録体表面に残すようにすると、
記録画像表面の擦れにより画像が薄くなったり地肌が汚
れるという欠点があった。また、記録画像表面に水がか
かった場合にインクが滲み出す、いわゆる耐水性が悪く
なる欠点があった。これらの問題は顔料インクが被記録
体上で十分定着していなかったために生じる欠点であ
り、分散染料タイプのインクに対応する被記録体では解
決できなかった。
【0005】印字の耐水性については、分散染料タイプ
のインクを使用する場合には、例えば特開平9―188
062号公報等に示されるように耐水化剤を印字前後に
塗布する方法や、特開昭55―66976号公報等に示
されるようにインクの溶媒として揮発性有機溶剤を用い
て被記録体に吹き付けて耐水性を持たせる方法が提案さ
れているが、例えば耐水化剤を塗布する方式では機構が
複雑になり、且つ被記録体の液吸収容量を多くしないと
いわゆるブリーディングと呼ばれるような印字のにじみ
が発生する。他方、この方式によればインクと共に耐水
化剤のメンテナンスが必要になってランニングコストが
上がるなどの問題点があった。
【0006】このように記録部分の保存性が絶対条件で
あるインクジェットラベル用紙等の産業用途では、顔料
インクを採用する要望が高まっている。顔料インクタイ
プはその特徴として被記録体の表面にインクが着弾した
地点で被記録体表面に定着することが求められる。定着
の機構としては一般的には顔料インクの分散がアニオン
性であることに注目してカチオン性の成分をインク受容
層に含有させて凝集させる方式が取られる。染料インク
タイプでは多量のカチオン成分がその染料の定着に必要
であるが、顔料インクタイプではカチオン成分が過剰で
あると表面での凝集が強くなりすぎてインクの分布が不
均一になる、いわゆるフェザリングと呼ばれる現象とな
って記録濃度の低下を招くため、従来の染料インク対応
の被記録体では優れた記録は得られなかった。更に、産
業用途で使用されるインクジェットプリンターは、処理
速度を早める為に、印字速度が高速化していく傾向にあ
る。高速インクジェットプリンターでの印字では、印字
後インクジェット用紙がインクを吸収しきらない間にイ
ンクジェット用紙がインクジェットプリンター内で搬送
され、搬送機構内の送りロール等に未吸収のインクが付
着し、インクジェット用紙未印字部分に送りロール等か
らインクが転移し未印字部分を汚す、いわゆるロール汚
れと呼ばれる現象となって記録画像を汚すため、従来の
被記録体では優れた記録は得られなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は顔料インクを
用いたインクジェットプリンター、プロッター等のイン
クジェット記録方式において、インク吸収能力に優れ、
高品位の画像を高速でプリントすることができ、印字濃
度が高く、にじみがないインクジェット記録用シートを
提供するものである。また、本発明は特に印字耐候性に
優れる顔料タイプインクを使用した記録性に優れた被記
録材であり、特に産業用途などのように印字耐水性や印
字耐擦過性が求められる用途に好適でインクの定着性が
高く、かつ記録濃度に優れる被記録体を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の各態様を
含む。 〔1〕支持体に、吸油量が250ml/100g以上の無
定型シリカおよび結着剤を含有するインク受容層を設け
てなるインクジェット記録体であり、前記インク受容層
が更にコロイド滴定法により測定したカチオン強度(重
量当たりのカチオン当量)が4.5m当量/g以上8m
当量/g以下である高カチオン強度のカチオン性樹脂を
含有するインクジェット記録体。 〔2〕支持体に、吸油量が250ml/100g以上の無
定型シリカおよび結着剤を含有するインク受容層を設け
てなるインクジェット記録体であり、前記インク受容層
が更にコロイド滴定法により測定したカチオン強度(重
量当たりのカチオン当量)が1.5m当量/g以上4m
当量/g以下である低カチオン強度のカチオン性樹脂と
カチオン強度が4.5m当量/g以上8m当量/g以下
である高カチオン強度のカチオン性樹脂とを含有するイ
ンクジェット記録体。 〔3〕前記低カチオン強度のカチオン性樹脂がポリジア
リルジメチルアンモニウム塩であることを特徴とする
〔2〕記載のインクジェット記録体。 〔4〕前記低カチオン強度のカチオン性樹脂の分子量が
30,000以下である〔2〕、〔3〕のいずれかに記
載のインクジェット記録体。
【0009】〔5〕前記無定型シリカの平均粒子径が4
μm以上15μm以下であることを特徴とする〔1〕〜
〔4〕のいずれかに記載のインクジェット記録体。 〔6〕〔1〕〜〔5〕記載のいずれかのインクジェット
記録体に、発色成分として顔料を含有するインク液滴を
付与することにより記録するインクジェット記録方法。
【0010】顔料インク用インクジェット記録方法は、
染料インク同様インク液滴を受容層に吐出させ画像を形
成する記録方法であり、そのためインクの吸収性の違い
が印字品位に大きな影響を与える。塗工量が多くなるに
従いインクの吸収性は向上するものの同時に顔料成分が
内部に取り込まれ印字濃度が低下する傾向にあった。一
方、顔料成分を表面に存在させるために塗工量を下げた
ところ、にじみが悪化し、しかもインク溶媒が受容層に
十分吸収されないため顔料粒子が溶媒と共に移動し、そ
のため受容層表面における顔料粒子の存在が不均一とな
り印字部に受容層の白部が露呈され印字濃度が下がる結
果となった。染料インクでは染料分子が非常に小さいた
め、溶媒と共に移動する際に染料は受容層に結合し着色
される。そのため受容層の吸収容量が低い場合印字濃度
が向上する傾向にあるが、顔料インクではこの様な現象
が全く起こらなかった。即ち、顔料インクの発色機構は
染料インクの発色機構とは全く違うものであった。顔料
インクを用いた記録方法においては、顔料粒子を受容層
表層部に均一に“並べる”または“敷き詰める”ことで
印字濃度を向上させることができ、更に、顔料インク用
インクジェット記録用シートに必要とされる特性は、顔
料成分を受容層表層部に均一に存在させ、かつインクの
溶媒を受容層内部に速やかに吸収することである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明では吸油量の高い無定形シ
リカを高カチオン強度を有するカチオン樹脂と併用し、
好ましくは高カチオン強度を有するカチオン樹脂含有水
溶液に、吸油量の高い無定形シリカを分散させることに
より塗液を調製し、インク吸収性、記録適性、及び記録
面の外観に優れたインクジェット記録体を提供する。こ
れは、着色剤として染料を含有するインクによる記録適
性に優れる。ただし、着色剤として顔料を含有するイン
クにより記録する態様では、更に低カチオン強度のカチ
オン樹脂を含有させることが好ましい。顔料インクの受
容層における吸収および吸着性について鋭意研究を行っ
た結果、好ましい態様においては前記特定のカチオン性
樹脂を受容層内に2種類以上含有させることで、顔料イ
ンクの発色およびにじみが改善され、インク吸収速度が
向上することを見出した。
【0012】 インク受容層には、多孔性でインクの吸
収性が高く、かつ鮮明な発色を可能とする、JIS K-5101
の記載に基づく吸油量が250ml/100g以上の非晶
質微粉シリカを含有させる。このような非晶質微粉シリ
カを用いることにより、インク乾燥性の良好なインクジ
ェット記録用シートが得られる。この理由としては、シ
リカの吸油量が250ml/100g以上であれば、シリ
カ粒子内に十分な空隙を有するために塗工層のインク吸
収能力が上がることによると考えられる。好ましくは2
70ml/100g以上、より好ましくは290ml/100
g以上である。シリカの吸油量が250ml/100g未
満であると塗工層単位体積あたりのインク吸収容量が不
足し、たとえ塗工量を増加させてもインク吸収速度が上
がらずニジミが発生する。シリカの吸油量に上限はない
が、400ml/100g程度まで入手することができ
る。
【0013】このような非晶質微粉シリカは、水に対す
る分散性が悪く、カチオン系であるインクジェット用紙
塗工層用塗料に使用される、通常のノニオン性、あるい
は、カチオン性の分散剤を使用して水中に分散した場合
は、非晶質微粉シリカの未分散、凝集等の問題が生じ、
良好なインクジェット用紙塗工層用塗料が製造できず、
このような塗料を使用して製造したインクジェット用紙
は、非晶質微粉シリカの未分散、凝集等に起因するニジ
ミや塗工面の荒れが発生する。また、アニオン性の分散
剤を使用した場合はインク定着剤として使用しているカ
チオン樹脂と反応して凝集を起こす。この非晶質微粉シ
リカの分散剤としてカチオン強度が4.5m当量/g以
上8m当量/g以下、好ましくは5m当量/g〜8m当
量/g、より好ましくは5m当量/g〜7m当量/gで
ある高カチオン強度のカチオン性樹脂を使用することに
より、良好な非晶質微粉シリカの分散を行うことができ
る。好ましい態様においては高カチオン強度のカチオン
樹脂を溶解した水溶液に高吸油量の顔料を添加し、顔料
を分散する。低カチオン強度のカチオン樹脂を併用する
場合の添加時期は、特に限定しない。
【0014】本発明のインク受容層に使用される顔料
は、吸油量が250ml/100g以上の無定形シリカが
好ましい。無定形シリカは、高純度珪砂を珪酸ソーダと
硫酸を混同し珪酸ゾルを生成させ、前記珪酸ゾルを三次
元的凝集体にする方法、温度、イオン、界面活性剤の影
響で二次凝集体の成長を止め沈降させる方法、または四
塩化珪素の分解による方法等により得ることができる。
インク受容層にこれらの合成無定形シリカ等を使用する
ことでよりインクの吸収性に優れた記録用シートが得ら
れる。
【0015】本発明のインク受容層に含有させる顔料の
平均粒径は、特に規定しないが1から20μm程度であ
り,平均粒子径は4 μm以上15μm以下が好まし
く,より好ましくは6 μm以上15μm以下の無定型シ
リカ等の顔料を用いることでより印字濃度が高い記録用
シートが得られる。平均粒子径が4μm以上であると着
弾したインクのドットが大きくなり、より印字濃度が高
くなると考えられる。無定型シリカの平均粒子径が15
μmを超えると塗工面が荒れ、外観が悪化する恐れもあ
る。
【0016】吸油量が250ml/100g以上の無定型
シリカと、好ましくはコロイド滴定法により測定したカ
チオン強度が1.5m当量/g以上4m当量/g以下で
ある低カチオン強度のカチオン性樹脂とカチオン強度が
5.0m当量/g以上8m当量/g以下である高カチオ
ン強度のカチオン性樹脂とを共に含有させることで発色
およびインクの乾燥性に優れた記録用シートを得ること
ができる。コロイド滴定法とはコロイド粒子間のイオン
会合反応を利用する滴定法である。即ち、分子構造が既
知であるイオン性高分子を溶解した溶液を規定液とし、
既知試料と反対のイオン性を有する未知高分子試料のイ
オン強度(当量/g:試料1g当たりにおけるイオン
量)を測定する方法である(「コロイド滴定法」、千手
著、昭和41年11月20日、南江堂参照)。前記滴定法にお
いて、規定液にアニオン性高分子を用いることで、カチ
オン性樹脂のカチオン強度を測定することが可能であ
る。
【0017】前記測定法により測定されたカチオン強度
が1.5m当量/g以上4m当量/g以下である低カチ
オン強度のカチオン性樹脂とカチオン強度が5.0m当
量/g以上8m当量/g以下である低カチオン強度のカ
チオン性樹脂とを併用することでなぜ顔料インクを用い
たインクジェット記録において印字の発色性およびイン
ク乾燥性、にじみが良好であるかは定かではないが以下
のように推測される。
【0018】インク内の顔料は、インク溶液内に均一に
分散されるために化学的にイオン性を付与されている。
特にカルボン酸等のアニオン性基を付与することが通常
実施されており、そのためカチオン性物質とイオン的に
結合することが可能となっている。カチオン性物質が高
分子の場合、複数の顔料粒子と高分子の凝集体を形成す
ることがあり、特にカチオン強度が高い高分子ほど凝集
は起こりやすいと推測される。従来インクジェット記録
体に用いられていたカチオン性樹脂はカチオン強度が大
きかった。ところがカチオン強度が4m当量/gを超え
るカチオン性樹脂のみを受容層に含有した場合、顔料イ
ンクが受容層表面に着弾した際に受容層表面で顔料粒子
がカチオン性樹脂と結合、凝集し、そのため顔料粒子が
均一に受容層を覆うことができなくなり、部分的に白抜
け部が発生し印字濃度が低下すると考えられる。一方、
カチオン強度が1.5m当量/g未満のカチオン性樹脂
を使用した場合、イオン性による凝集が起こらないた
め、受容層表面でインクの顔料成分を補足することがで
きず、そのためにじみが発生すると考えられる。従っ
て、本発明では顔料インクの発色性向上等の前記の効果
を得るために、主たるカチオン性樹脂として、カチオン
強度が1.5m当量/gから4m当量/g,好ましくは
2.5m当量/gから4m当量/gの低カチオン強度の
カチオン樹脂を含有させる。
【0019】本発明のインク受容層に使用されるカチオ
ン性樹脂としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルピ
リジン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、
ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアル
キルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルア
ミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリ
アミドアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、
ジシアンジアミドポリアルキル−ポリアルキレンポリア
ミン縮合物、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩
等のジアリルジメチルアンモニウム塩重合物塩、ポリビ
ニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン
塩、、ポリビニルアミン塩、ポリ(オキシエチル−1−
メチレン)アミン塩、ポリビニルベンジルアミン塩、ポ
リアクリルアミドプロピルメチルアミン塩、ポリジアリ
ルアミン塩、アクリルアミド・ジアリルアミン塩共重合
体、モノアリルアミン・ジアリルアミン塩共重合体、ポ
リアミンジシアン重合体、等の化合物およびこれらの変
性物等が例示できる。更に、低カチオン強度のカチオン
樹脂としては、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩酸
塩等のポリジアリルジメチルアンモニウム塩を使用する
ことでより塗膜強度に優れるインクジェット記録用シー
トを得ることができる。また、高カチオン強度のカチオ
ン樹脂としてはポリオキシプロピル4級アンモニウム塩
が好ましい
【0020】また記録の耐擦過保存性が求められる用途
では,前記特定のカチオン性樹脂(特に低カチオン当量
のカチオン樹脂)の分子量は30,000以下のものが
好ましい。インク受容層に含有されるカチオン樹脂の分
子量を30,000以下とすることにより更に記録濃度
が高く、且つ耐擦過性が優れた記録体が得られる。分子
量は好ましくは25,000以下、より好ましくは2
1,000以下、最も好ましくは20,000以下であ
る。下限は特にないが1,000程度でもよいが、好ま
しくは2,000以上である。この原因は必ずしも明ら
かではないが、該インク受容層表面に着弾した顔料イン
ク中の分散顔料が凝集しすぎると、顔料と顔料の間に着
色されない被記録材の面が残り全体として記録濃度が低
下し、また、凝集によりインク中の着色顔料成分の浸透
が少なくなるために表面に残る着色顔料成分が擦れ取ら
れ易くなり、結果として擦過により記録部分が消色す
る。そして分子量が凝集状態に影響があるためと推測さ
れる。カチオン性樹脂の量が少ないと印字耐水性、耐擦
過性改良効果が充分でなくなる可能性があり、他方、カ
チオン性樹脂の量が多くなりすぎても、印字濃度の低下
や耐擦過性の低下を招き、インク吸収容量が低下し、い
わゆるブリーディングと呼ばれるような記録画像のにじ
みが発生するおそれもある。
【0021】本発明のインク受容層に含有されるカチオ
ン強度が1.5m当量/g以上4m当量/g以下である
低カチオン強度のカチオン性樹脂の配合量は顔料100
重量部に対して0.5重量部〜100重量部程度であ
り、5重量部〜80重量部が好ましく、より好ましくは
10重量部以上50重量部である。カチオン性樹脂の配
合量が0.5重量部未満であるとにじみが発生する恐れ
があり、100重量部を越えると印字濃度は向上する場
合もあるが、インクの乾燥性が低下するおそれもある。
一方、本発明のインク受容層に含有されるカチオン強度
が4.5m当量/g以上8m当量/g以下である高カチ
オン強度のカチオン性樹脂配合量は顔料100重量部に
対して0.5重量部〜10重量部程度であり、好ましく
は2重量部以上7重量部である。カチオン性樹脂の配合
量が0.5重量部未満であるとシリカの分散不良が発生
する恐れがあり、10重量部を越えると顔料インクの凝
集が発生し印字濃度が低下するおそれがある。
【0022】インク受容層に本発明の目的であるインク
のにじみおよび印字濃度を損なわない範囲において、塗
工適性向上のために前記特定の無定型シリカの他の顔料
を添加することもできる。 本発明のインク受容層に使
用することのできる他の顔料としては、吸油量が250
ml/100g未満の無定型シリカ、コロイダルシリカ、
炭酸カルシウム、クレー、焼成クレー、ケイソウ土、タ
ルク、酸化アルミニウム、アルミノケイ酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライト等の
無機顔料、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、アクリロニ
トリル系プラスチックピグメント等の有機顔料等の物質
が例示される。これらの顔料は必要に応じて2種以上を
併用することも可能である。
【0023】本発明のインク受容層に含有される結着剤
としては、ポリビニルアルコールおよびシリル変性ポリ
ビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール
等のポリビニルアルコール誘導体、ゼラチン、カゼイン
等の蛋白質、澱粉、酸化澱粉等の誘導体等、ポリビニル
ピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の
セルロース誘導体等の水溶性高分子結着剤類、スチレン
−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジ
エン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アク
リル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体ま
たは共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、酢酸ビ
ニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等の水不溶
性高分子結着剤類が使用できる。これらの結着剤は、必
要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いるこ
とが可能である。
【0024】本発明のインク受容層に含有される結着剤
は、顔料100重量部に対して10重量部以上100重
量部以下含有されることが好ましい。含有量が10重量
部未満では結着剤の接着力不足により塗膜の強度が低下
するおそれがある。一方添加量が100重量部を越えた
場合、塗工層内の結着剤成分の増加により毛細管がふさ
がれ、インクの乾燥性が低下するおそれがある。この
他、添加剤として顔料分散剤、消泡剤、粘度調整剤、架
橋剤、蛍光染料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等
が製造条件、要求性能に応じて適宜使用される。
【0025】本発明の支持体としては酸性紙、中性紙、
塗工紙、キャストコート紙等の紙類、樹脂フィルム(樹
脂を表面にラミネートした紙も含む)、合成紙(熱可塑
性樹脂に無機顔料等の填料を含有させて、延伸して無機
発泡させて紙状にしたものも含む)、透明、半透明、白
色のプラスチックフィルムおよび不織布などのフィルム
類、布およびその複合体、金属箔などが挙げられ、また
これらの内から選ばれる少なくとも2種以上の組み合わ
せで例えば粘着用に加工したり印刷または貼り付けによ
り装飾を施したシート状物質が挙げられる。本発明の支
持体として用いられる紙に含有されるパルプ材は、赤
松、黒松、エゾマツ、トドマツ、杉等の針葉樹、ブナ、
カバ、シイノキ等の広葉樹等を主原料とした砕木パル
プ、亜硫酸パルプ、クラフトパルプ、セミケミカルパル
プ、ケミグランドパルプ、リファイナーグランドパルプ
やまたは古紙パルプから適宜選択して用いられる。
【0026】本発明の支持体として用いられる紙は、上
記の木材パルプの他に主原料として、クレー、タルク、
炭酸カルシウム、焼成カオリン、酸化アルミニウム、水
酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機顔料や尿素樹脂
系微粒子等の有機顔料を含有し、さらに添加剤としてロ
ジン系、アルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸
等の内添サイズ剤、硫酸バンド、カチオン澱粉等の定着
剤、ポリアクリルアミド系ポリマー、澱粉等の紙力増強
剤等を適宜選択して内添し、公知の抄紙機で抄造された
基紙が好適に用いられる。また、必要に応じてロジン
系、石油樹脂系、酸化澱粉、アセチル化澱粉、ヒドロキ
シエチル化澱粉等の澱粉およびその誘導体、ポリビニル
アルコールおよびその誘導体、スチレン、アルキド、ポ
リアミド、アクリル、オレフィン、マレイン酸、酢酸ビ
ニル等の重合体または2つ以上の共重合体からなる合成
樹脂系およびこれらの合成樹脂エマルジョン系、ワック
ス系等の表面サイズ剤でサイズ処理を施しても良い。ま
た、厚さを調整するため、必要に応じてマシンカレンダ
ー、スーパーカレンダー等の公知の設備を用いることも
可能である。
【0027】本発明の支持体に使用される樹脂フィルム
は、熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂およびオレフ
ィン樹脂等が使用できる。ポリエステル樹脂としては、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ートおよびポリシクロヘキセンテレフタレート等が、ま
たオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体からなるもの、またはこれらを主成分とす
るものを例示できる。また、これらの熱可塑性樹脂を1
種または2種以上適宜選択して使用でき、他の熱可塑性
樹脂としてポリスチレン、アクリル酸エステル共重合体
等を混合して使用することもできる。これら熱可塑性樹
脂を縦方向および/または横方向に延伸して成形したフ
ィルムを使用してもよい。この他、この熱可塑性樹脂中
に無機質微細粉末を混合してフィルムを形成し、これを
例えば1軸若しくは2軸延伸処理して紙状の層としても
よい。本発明においては、このようなフィルムを複数層
積層して得られた多層フィルムを支持体として使用し、
例えば、基材層と両面または片面に紙状の層を設けた2
〜3層フィルム、または更にその少なくとも片面の紙状
の層上に表面層を形成した3〜5層フィルム等を使用し
てもかまわない。熱可塑性樹脂を紙状の層としたものは
一般に合成紙として知られている。また、このようなフ
ィルムの不透明度は、本発明において特に限定されるも
のではない。
【0028】支持体上にインク受容層を設ける方法とし
ては、特に限定されるものではなく、従来から公知の、
バーコーター、エアーナイフコーター、ブレードコータ
ー、ダイコーター、カーテンコーター、グラビアコータ
ー、リップコーター等の塗工機によって設けることがで
きる。本発明で得られるインク受容層の塗工量は、最終
用途によって決定され、インク吸収性、発色性、塗膜強
度を満足させるかぎり不必要に多くする必要はなく、3
〜40g/m2好ましくは8〜30g/m2の範囲から適
宜選択して用いられる。インク受容層が5g/m2未満
では多くの場合インク吸収容量が不足し、画像が流れ出
したり、乾燥が遅く、プリンターの排紙ロール等にイン
クが付着し、汚れてしまう。しかしながら、40g/m
2 を越えるインク受容層を設けると、インク受容層の強
度が弱くなり、剥がれ落ちたインク受容層によりヘッド
ノズルの目づまりのような問題を生じる可能性があり、
さらにコスト的にも高価なものとなる。
【0029】本発明のインク受容層は、1層であっても
多層であってもよい。支持体とインク受容層との密着性
を上げる目的で支持体へのコロナ処理や各種アンカーコ
ート処理を行うことができる。インク受容層は、単層ま
たは2層以上を重ねて同時に形成したり、または別工程
で塗工した層を転写して支持体にインク受容層を形成す
ることも可能である。支持体上にインク受容層を設けた
シートは、そのまま本発明の記録用シートとして使用す
ることが可能であるが、例えばスーパーカレンダー、グ
ロスカレンダー等で処理し、表面の平滑性を与えること
もできる。また、裏面に粘着層を設けて粘着体として加
工したり、支持体同士を貼り合わせて両面記録可能な被
記録体として加工するなど、また、印字後にインク受容
層表面にフィルムをラミネートし、さらに記録面を保護
するなど公知の技術が応用可能である。
【0030】本発明の記録用紙に適用される記録方式
は、発色成分として顔料を有するインク液を用いたイン
クジェット記録方式である。前記記録液は分散剤等によ
り水、イソプロピルアルコール等を含む水性溶液または
有機溶液内に有機または無機顔料粒子成分を分散させた
記録液である。有機顔料としては例えば、アゾ系、フタ
ロシアニン系、ペルリン系、イソインドリノン系、イミ
ダゾロン系、ピランスロン系、チオインジゴ系等の顔料
が例示でき、無機顔料としては例えば、カーボンブラッ
ク、グラファイト、合成酸化鉄黄、透明べんがら、チタ
ンエロー、モリブテートオレンジ、亜酸化銅、コバルト
ブルー、群青、C.I. Pigment Yellow(イエローイン
ク)、C.I. Pigment Blue(シアンインク)、C.I. Pigme
nt Red(マゼンタインク)等の顔料が例示できる。前記
分散剤としては、各種界面活性剤、低分子量の分散剤、
親水性官能基と疎水性官能基を有する樹脂系の分散剤が
用いられる。またインクの粘度を調節する目的で水性樹
脂を添加することもできる。前記顔料と分散剤を溶液中
に配合し、ペイントシェーカー、サンドミル等の分散機
を用いて微細な分散粒子に粉砕し、孔径1.0μm以下
のフィルターにて粗大粒子の濾過を行い顔料インクとす
ることが通常行われている。顔料インクにおける固形分
濃度も特に限定しないが0.5〜30重量%である。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、以下において部および%とあるのは、す
べて重量部および重量%を示す。 実施例1 木材パルプ(LBKP:ろ水度500mlCSF)10
0部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲ
ルハードミネラル社製)10部、市販サイズ剤0.05
部、硫酸バンド1.5部、湿潤紙力剤0.5部、澱粉
0.75部よりなる製紙材料を使用し、長網抄紙機にて
坪量80g/m2の上質紙を製造した。この上質紙のス
テキヒトサイズ度は6秒であった。本発明の実施例、比
較例に用いた紙基材は全てこの上質紙を使用した。上記
方法にて製造した上質紙の片面に塗料−1を絶乾重量で
8g/m2塗工後、乾燥を行い、インクジェット記録用
シートを得た。カチオン当量6.2m当量/gのカチオ
ン樹脂を含有する液に無定型シリカを分散し、他の成分
を添加した。
【0032】塗料−1 無定型シリカ(平均粒子径4.3μm、吸油量260m
l/100g;商品名ファインシールX−45、トクヤ
マ製)100部、カチオン性樹脂(カチオン強度2.9
m当量/g、物質名ジシアンジアミド・ポリエチレンア
ミン;商品名ネオフィックス、日華化学製)20部、カ
チオン樹脂(カチオン強度6.2m当量/g、分子量1
00,000、物質名ジアリルジメチルアンモニウム塩
酸塩、商品名ユニセンス、センカ製)5部、結着剤(完
全鹸化ポリビニルアルコール;商品名PVA117、ク
ラレ製)60部。
【0033】実施例2 実施例1で用いた上質紙の片面に塗料−2を絶乾量で2
5g/m2塗工後、乾燥を行い、インクジェット記録用
シートを得た。カチオン強度5.7当量/gのカチオン
樹脂を含有する液に無定型シリカを分散し、他の成分を
添加した。 塗料−2 無定型シリカ(平均粒子径3.5μm、吸油量310m
l/100g;商品名サイロジェットP−405、グレ
ースデビソン製)100部、カチオン樹脂(カチオン当
量3.4m当量/g、物質名ジシアンジアミド・ホルム
アルデヒド)50部、カチオン樹脂(カチオン強度5.
7m当量/g、物質名ポリオキシプロピル4級アンモニ
ウム塩、商品名サフトマー、三菱化学製)8部、結着剤
(部分鹸化ポリビニルアルコール;商品名PVA42
0、クラレ製)30部。
【0034】実施例3 実施例1で用いた上質紙の片面に塗料−3を絶乾量で1
5g/m2塗工後、乾燥を行い、インクジェット記録用
シートを得た。塗料−3の2 種混合無定型シリカの吸油
量は258ml/100gであった。カチオン強度5.
1m当量/gのカチオン樹脂を含有する液に吸油量31
0ml/100gのシリカを分散し,次に吸油量180
ml/100gのシリカを分散し他の成分を添加した。 塗料−3 無定型シリカ(平均粒子径7.5μm、吸油量310m
l/100g;商品名サイロジェットP−412、グレ
ースデビソン製)60部、無定型シリカ(平均粒子径1
2μm、吸油量180ml/100g;商品名サイリシ
ア470、富士シリシア製)40部、カチオン性樹脂
(カチオン当量3.5m当量/g、分子量4,000、
物質名ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩)35部、
カチオン性樹脂(カチオン強度5.1m当量/g、分子
量20,000、物質名ジアリルジメチルアンモニウム
塩酸塩;センカ製)2部、シラノール変性ポリビニルア
ルコール(商品名R−1130、クラレ製)40部、酢
酸ビニル−エチレン系ラテックス(スミカフレックスS
−473、住友化学製)5部。
【0035】実施例4 ポリプロピレンと無機顔料を含む3層構造で、中心の基
材層と表裏両面に紙状層を有する合成紙(商品名:ユポ
FPG−110、王子油化合成紙製、厚さ110μm)
の片面に塗料−3を絶乾量で15g/m2塗工後、乾燥
を行い、インクジェット記録用シートを得た。
【0036】比較例1 実施例1のカチオン性樹脂(カチオン強度2.9m当量
/g、物質名ジシアンジアミド・ポリエチレンアミン;
商品名ネオフィックス、日華化学製)20部とカチオン
樹脂(カチオン強度6.2m当量/g、分子量100,
000、物質名ジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩、
商品名ユニセンス、センカ製)5部を、商品名PAA−
HCL−10L(カチオン強度9.2m当量/g、分子
量80,000、物質名ポリアリルアミン塩酸塩、日東
紡製)25部に変更した以外は実施例1と同様にしてイ
ンクジェット記録用シートを得た。
【0037】比較例2 実施例1のカチオン樹脂(カチオン強度6.2m当量/
g、分子量100,000、物質名ジアリルジメチルア
ンモニウム塩酸塩、商品名ユニセンス、センカ製)5部
をカチオン性樹脂(カチオン強度4.0m当量/g、物
質名ジシアンジアミド・ポリエチレンポリアミン;セン
カ製)5部に変更した以外は実施例1と同様にしてイン
クジェット記録用シートを得た。
【0038】実施例5 実施例3のカチオン樹脂(カチオン当量3.5m当量/
g、分子量4,000、物質名ジアリルジメチルアンモ
ニウム塩酸塩)を商品名CM−318(カチオン強度
0.5m当量/g、物質名カチオン変性ポリビニルアル
コール、クラレ製)に変更した以外は実施例1と同様に
してインクジェット記録用シートを得た。 比較例3 実施例1において吸油量260ml/100gの無定型
シリカを、無定型シリカ(平均粒子径12μm、吸油量
180ml/100g;商品名サイリシア470、富士
シリシア製)に置き換えた以外同様にしてインクジェッ
ト記録用シートを得た。
【0039】得られた各塗工シートサンプルの評価結果
を表1に示す。カチオン性樹脂のカチオン強度(g当た
りのカチオン当量)は、0.4g/lのカチオン樹脂溶液10ml
にトルイジンブルー指示薬を2滴加え、N/400 のポリビ
ニル硫酸カリウム(PVSK)溶液で滴定を行い、溶液が青色
から赤紫色に変色した滴定量を読み、下記計算式からカ
チオン樹脂のカチオン強度を求めた。 カチオン強度(m当量/g)=[{1/400( 当量/l)×PVSK滴
定量(ml)×PVSKファクター}÷{0.4(g/l) ×10(ml)}]× 1000 今回使用したPVSKのファクターは1.108 であった。また
インクジェット記録適性は以下の方法で評価した。
【0040】(1)印字濃度(発色性):インクジェッ
トプロッター(NOVA JET PRO 、GOイン
ク ENCAD社製)を用い、ブラック100%、イエ
ロー100%、マゼンタ100%、シアン100%の各
印字濃度を官能評価した。各インクは発色成分として顔
料を含有するインクであり、ブラックインクは、カーボ
ンブラックを発色成分とし、溶媒は水81.8%とジエ
チレングリコール18.2%よりなる。マゼンタインク
は、キナクリドンマゼンタ(C.I.PigmentRed122)を発
色成分とし、溶媒は水84.7%とジエチレングリコー
ル15.3%よりなる。 ◎・・・印字濃度が優れる ○・・・印字濃度が良好 △・・・印字濃度がやや低い ×・・・極めて印字濃度が低い
【0041】(2)にじみ:前記インクジェットプロッ
ター(NOVA JET PRO、GOインク ENC
AD社製)を用い、シアン100%とマゼンタ100%
の200%重色印字部分のにじみを官能評価した。 ◎・・・にじみがなく優れている ○・・・にじみが殆どなく良好 △・・・にじみが認められる ×・・・不良であり実用上問題有り
【0042】(3)表面強度(塗膜強度)は、セロハン
テープ(ニチバン製)剥離試験を行い、官能で評価し
た。 ◎・・・塗膜強度が優れる ○・・・塗膜強度良好 △・・・塗膜強度がやや劣る
【0043】(4) 外観:塗工層表面を目視にて観測し官能にて評価した。 ◎・・・塗工層表面の外観が非常に滑らかで非常に良好 ○・・・外観が滑らかで良好 ×・・・塗工層表面が荒れている
【0044】
【表1】
【0045】表1から明らかなように、実施例により得
られたインクジェット記録用シートは、印字の発色性、
にじみおよび塗膜強度のいずれに関しても非常に優れて
いる。これに対して比較例により得られたインクジェッ
ト記録用シートは、印字の発色性、にじみおよび塗膜強
度において良好な結果は得られなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用シート
は、顔料インク用インクジェット記録用紙として印字の
発色性、にじみおよび塗膜強度に優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体に、吸油量が250ml/100g以
    上の無定型シリカおよび結着剤を含有するインク受容層
    を設けてなるインクジェット記録体であり、該インク受
    容層が更にコロイド滴定法により測定したカチオン強度
    が4.5m当量/g以上8m当量/g以下である高カチ
    オン強度のカチオン性樹脂を含有するインクジェット記
    録体。
  2. 【請求項2】インク受容層が更にコロイド滴定法により
    測定したカチオン強度が1.5m当量/g以上4m当量
    /g以下である低カチオン強度のカチオン性樹脂を含有
    するインクジェット記録体。
  3. 【請求項3】前記低カチオン強度のカチオン性樹脂がポ
    リジアリルジメチルアンモニウム塩であることを特徴と
    する請求項2記載のインクジェット記録体。
  4. 【請求項4】前記低カチオン強度のカチオン性樹脂の分
    子量が30,000以下である請求項2または3記載の
    インクジェット記録体。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録体に、発色成分として顔料を含有するインク
    液滴を付与することにより記録するインクジェット記録
    方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001089853A1 (fr) * 2000-05-22 2001-11-29 Mitsubishi Paper Mills Limited Moyen de reproduction a jet d'encre
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JPWO2002100652A1 (ja) * 2001-06-12 2004-09-24 関西ペイント株式会社 インクジェット印刷
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