JP2000318298A - インクジェット記録用シート及び記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用シート及び記録方法

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JP2000318298A
JP2000318298A JP11302621A JP30262199A JP2000318298A JP 2000318298 A JP2000318298 A JP 2000318298A JP 11302621 A JP11302621 A JP 11302621A JP 30262199 A JP30262199 A JP 30262199A JP 2000318298 A JP2000318298 A JP 2000318298A
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ink
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layer
jet recording
recording sheet
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JP11302621A
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English (en)
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Kazuo Totani
和夫 戸谷
Naonobu Sugiyama
直信 杉山
Satoshi Matsuura
諭 松浦
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】顔料インク用として長期掲示が可能でかつ満足
の行く画像が得られる顔料インク用インクジェット記録
用シートを提供する。 【解決手段】樹脂フィルムからなる支持体に、非晶質合
成シリカと水不溶性樹脂を含有する下層のインク受容
層、及び非晶質合成シリカ、水不溶性樹脂とシラノール
変性ポリビニルアルコールを含有する上層のインク受容
層を設けてなり、JIS P8119に基づいて測定し
た上層のインク受容層の平滑度が5秒以上40秒以下で
あるインクジェット記録用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顔料インクを使用し
て記録するプリンター等に好適に用いられる、印字物の
発色性、印字部の表面擦れおよび塗膜の耐水性に優れた
インクジェット記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】高速にカラーハードコピーを作成するイ
ンクジェットカラープリンターの技術進歩により、鮮明
な画像と優れた印字品位を得ることが可能となってき
た。これに伴って、プリントの品位、彩度、外観、画像
を更に改良するために、より高度な特性を持つ記録材が
要求されるようになってきた。特にプリント速度、解像
度、彩度などの向上によって被記録材に対してもインク
の速乾性、高吸収容量、ドット径およびにじみの制御
等、より高度な特性が要求されるようになり、各種記録
用シートが開発されている。特開昭55−5183号公
報、特開昭56−148585号公報等にはインクの吸
収を良くするために基材の上に多孔質無機顔料からなる
受容層を設けることが開示されている。
【0003】一方、近年インクジェットプリンターは従
来の書類等の印字用途からポスター等の広幅広告用途へ
と広まっている。インクジェットプリンターは操作が非
常に簡単であり、また製版が必要な印刷等と違い少量印
刷が可能であるため必要に応じた画像を素早く必要量だ
け印字する事が可能である。また、広告等の印字にはプ
ロッター等と呼ばれる広幅印字可能なものが通常使用さ
れている。これらのプロッターは広告用途であるため遠
くからでも画像が鮮明に確認できる必要があり、しかも
長期掲示においても鮮明な画像を保ち続ける必要があ
る。しかし、従来から使用されているインクジェット用
のインクは発色成分として染料を用いた染料インクであ
り、長期掲示において紫外線、オゾン等により酸化さ
れ、画像が退色し見栄えが悪化するという問題があっ
た。この様な問題を解決するために、プロッターのイン
クに染料インクに比べ耐光性に優れた顔料インクを用い
ることが特開平9−157559号公報、特開平9−1
32740号公報等に開示されている。染料インクは低
分子化合物で受容層を“染める”ことで発色を行ってい
たが、顔料インクは顔料粒子を受容層の上に“敷き詰め
る”または“並べる”ことにより発色を行っており、そ
のため従来の染料用顔料インクジェット記録用紙を用い
て印字した場合、印字部を指等で擦ると印字部が剥げて
しまい実用上問題があった。また、発色成分が顔料粒子
であり長期保存性に優れているが、従来の顔料インクジ
ェット記録用紙は塗膜の耐水性が低いため屋外に長期間
掲示すると雨や泥水により塗膜が崩壊し長期の使用に耐
えるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は顔料インクを
使用して記録するプリンターやプロッター等に好適に用
いられる、高品位の画像を高速でプリントすることがで
き、印字濃度が高く、印字部の耐擦過性および塗膜の耐
水性に優れる顔料インクジェット記録用シートを提供す
るものである。顔料インク用として長期掲示が可能でか
つ満足の行く画像が得られる顔料インク用インクジェッ
ト記録用シートを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】[1]樹脂フィルムから
なる支持体に、非晶質合成シリカと水不溶性樹脂を含有
する下層のインク受容層、及び非晶質合成シリカ、水不
溶性樹脂とシラノール変性ポリビニルアルコールを含有
する上層のインク受容層を設けてなり、JISP811
9に基づいて測定した上層のインク受容層の平滑度が5
秒以上40秒以下であるインクジェット記録用シート。 [2]下層のインク受容層がその総固形量100重量部
に対し20重量部以上50重量部以下の水不溶性樹脂を
含有し、上層のインク受容層がその総固形量100重量
部に対し5重量部以上20重量部以下の水不溶性樹脂
と、10重量部以上40重量部以下のシラノール変性ポ
リビニルアルコールを含有する[1]記載のインクジェ
ット記録用シート。 [3]上層のインク受容層がカチオン性樹脂を含有する
[1]または[2]記載のインクジェット記録用シー
ト。 [4]支持体と下層のインク受容層間に顔料と水不溶性
樹脂を含有するアンダーコート層を設けてなる[1],
[2]または[3]記載のインクジェット記録用シー
ト。 [5]上層のインク受容層の非晶質合成シリカが、平均
粒子径6μm以上16μm以下であることを特徴とする
[1]から[4]のいずれかに記載のインクジェット記
録用シート。
【0006】[6][1]〜[5]のいずれかに記載の
インクジェット記録用シートにインクジェット記録し、
記録した表面に透明合成樹脂フィルムを貼り合わせてな
るインクジェット記録用シート。 [7][1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェッ
ト記録用シートに着色顔料を含有するインク液滴を付与
して記録するインクジェット記録方法。 [8]JIS P8119に基づいて測定した上層のイ
ンク受容層の平滑度が5秒以上15秒以下であることを
特徴とする[1]記載のインクジェット記録用シート。
【0007】
【発明の実施の形態】顔料インクジェット記録用紙の受
容層の耐水性を向上させるために水不溶性樹脂をバイン
ダーとして使用することができる。しかし、発色成分と
して顔料粒子を有するインクジェット記録にて印字を行
った場合、受容層に着弾したインクが表面ではじかれ、
ドットが小さくなり、ドット間に白色部が生じ、その結
果、印字濃度が低下する傾向がある。水不溶性樹脂の添
加量を下げることによって印字濃度は向上する傾向に有
るものの、塗膜の耐水性が低下し実用上問題が生じる。
更に、顔料インク用インクジェット記録方法は、発色成
分が固体顔料粒子であり、顔料粒子成分が受容層表面に
存在しているため印字部を指で擦ると剥がれるという問
題が生じる。即ち、染料インクでの記録において到底起
こり得ないと考えられていた問題が顔料インクでの記録
では重大な問題となる。本発明者等は塗膜耐水性、印字
濃度、画像の高精細性および印字部の耐擦過性について
検討した結果、特定の樹脂を特定の割合で含有した層を
順次積層することで、印字濃度を低下させることなく塗
膜耐水強度を向上させることができ、更にある特定の表
面構造を形成することで、印字部の耐擦過性が改善でき
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明において、JIS P8119に基
づいて測定したインク受容層表面の平滑度は5秒以上4
0秒以下であることが必要であり、好ましくは5秒以上
25秒以下、より好ましくは5秒以上15秒以下であ
る。何故表面の平滑が上記特定範囲であることで高精細
でしかも印字部の擦れに強い画像を得ることができるか
は定かではないが、以下のように推測できる。顔料イン
クの発色成分は体積を有する顔料粒子であるため、受容
層の緻密な細孔内部にほとんど入り込むことができな
い。そのため顔料成分粒子は受容層表層部に存在する。
しかも、顔料粒子成分間はインクビヒクル内のバインダ
ーまたは粒子間のファンデルワールス力等の弱い結合力
のみで固定化されており、印字部を指等で擦った場合印
字部が剥がれてしまい印字後の取り扱い性が非常に悪く
なる。しかし、受容層のJIS P8119における平
滑度を40秒以下にすることで受容層表面に凹凸が生じ
るため、指等で印字部を擦っても画像が剥がれることが
ほとんどなくなる。更に受容層のJIS P8119に
おける平滑度を15秒以下にすることがより好ましい。
JIS P8119における平滑度を15秒以下に調整
することにより、印字部が擦れにより取れる現象を完全
に防止することができる。一方、JIS P8119に
おける平滑度を5秒未満まで下げてしまうと、ドットの
形状が歪となる。そのため、人の肌のようなハーフトー
ンを含む画像を印字した場合、ドットがつぶれ肌が荒れ
た印象をうけるため高精細な画像が得られない。尚、従
来は塗工面を平滑にした記録用シートが多く、顔料イン
クで記録した場合、画像が剥がれる問題があった。
【0009】本発明のインク受容層に使用される非晶質
合成シリカは、高純度珪砂を珪酸ソーダとした後これに
硫酸を混合して珪酸ゾルを生成させ、前記珪酸ゾルを三
次元的凝集体にする方法、温度、イオン、界面活性剤の
影響で二次凝集体の成長を止め沈降させる方法等により
得ることができる。本発明のインク受容層は少なくとも
2層よりなり、上層(インクが付与される側)のインク
受容層に含有させる非晶質合成シリカの2次凝集体の平
均粒子径は6μm以上16μm以下であることが好まし
い。平均粒子径が6μm未満の場合、インク受容層が密
になりすぎてインクの吸収速度が遅くなり、続けて打ち
込んだインクが受容層に吸収される前に混ざり合ってに
じんだ画像になりやすく、また、JIS P8119に
おける平滑度も40秒を越えやすくなり、必要な耐擦過
性が得られない場合がある。凝集粒子の粒径測定法は特
に限定しないが、例えばコールターカウンタで測定でき
る。ワイドフォーマットプロッターではインクの吐出量
が多く(例えば30〜45g/m2)、記録用シートの
インクの吸収速度が遅いとインクが吸収される間に、塗
工面でインクが泳ぎ、隣接する他の色と混じり合いニジ
ミが顕著になるが、平均粒径を6μm以上とすることで
ニジミを防止できる。一方、平均凝集粒子径が16μm
を超えた場合、インクの吸収速度は良好だが、反面、シ
リカ粒子の間にインクが入りやすくなるため記録濃度が
低くなる場合がある。またJIS P8119による平
滑度も5秒未満となりやすく、その場合印字後のドット
の形状が歪となり、高精細な画像が得られない。上層の
インク受容層へ配合されるシリカは、粒子径の2種類以
上のシリカを混合し、混合後の2次凝集体の平均粒子径
が6μm以上16μm以下となるようにして使用しても
よい。 本発明において、すべてのインク受容層に使用
される非晶質合成シリカの平均粒子径は特に同じにする
必要はなく、本発明の品質を損なわない範囲において適
宜選択することが可能である。
【0010】本発明のインク受容層に本発明の目的であ
る印字濃度および高精細性を損なわない範囲において、
塗工適性向上等のために他の顔料を添加しても構わな
い。本発明のインク受容層に使用することのできる他の
顔料としては、炭酸カルシウム、クレー、焼成クレー、
ケイソウ土、タルク、酸化アルミニウム、アルミノケイ
酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸
化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ス
チレン重合体、スチレン共重合体、アクリル酸エステル
重合体、アクリル酸エステル共重合体等の有機顔料等の
物質が例示される。これらの顔料は必要に応じて2種以
上を併用することも可能である。
【0011】本発明の各インク受容層にカチオン性樹脂
を添加することで印字濃度が高くにじみのない鮮明な画
像を得ることができる。特に上層に添加することが好ま
しい。本発明のインク受容層に使用されるカチオン性樹
脂として、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、
ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジア
ルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミ
ノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチ
ルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドア
ミン、ジシアンジアミド−ホルマリン縮合物、ジシアン
ジアミドポリアルキル−ポリアルキレンポリアミン縮合
物、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、ポリビニル
アミン、ポリアリルアミン等の化合物およびこれらの変
性物等が例示できる。本発明において特に限定するもの
ではないが、本発明のインク受容層に含有されるカチオ
ン性樹脂の配合量は、インク受容層の各層において、そ
の総固形量100重量部に対して3重量部以上30重量
部以下が好ましい。カチオン性樹脂の配合量が3重量部
未満であるとにじみ改良効果が不充分となる場合があ
り、一方30重量部を越えると印字濃度は向上するもの
の、インクの乾燥性が低下する場合がある。
【0012】本発明の上層のインク受容層に水不溶性樹
脂を好ましくは総固形量100重量部に対し5重量部以
上20重量部以下含有することで下層のインク受容層と
の密着性が良好となり、上層から下層までのインク受容
層間の耐水性が向上する。上層のインク受容層に対する
水不溶性樹脂の添加量が5重量部未満では下層のインク
受容層との密着性が低下し塗膜の耐水性が低下する恐れ
がある。一方、添加量が20重量部を超えると着弾した
インクが受容層表面ではじかれ、ドットが小さくなり印
字濃度が低下する恐れがある。本発明のインク受容層に
使用される水不溶性樹脂として、スチレン−ブタジエン
共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体
等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステ
ルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体
等のアクリル系重合体ラテックス、酢酸ビニル共重合体
等のビニル系重合体ラテックス等の水不溶性樹脂類が使
用できる。これらの水不溶性樹脂は、必要に応じて1種
または2種以上を適宜選択して用いることが可能であ
る。
【0013】上層のインク受容層に、シラノール変性ポ
リビニルアルコールを含有させることで着弾したドット
が広がり印字濃度が向上し、更に塗膜の強度が強い受容
層を得ることができる。シラノール変性ポリビニルアル
コールは上層の総固形分に対し10重量部以上40重量
部以下とすることが好ましい。なぜ本発明の上層のイン
ク受容層にシラノール変性ポリビニルアルコールを含有
させることで印字濃度が向上するかは、定かではないが
以下のように推測できる。シラノール変性ポリビニルア
ルコールは、シラノール基を含有するアルキレンモノマ
ーを酢酸ビニルのような低級脂肪酸ビニルエステルとラ
ジカル共重合し、得られた共重合体を鹸化することによ
って得られるポリビニールアルコール系重合体である。
シラノール変性ポリビニルアルコールは分子内に極性の
高い水酸基を含有しているため、親水性である。しか
し、シラノール変性ポリビニルアルコール内にはシラノ
ール基が存在しており、分子内もしくは分子間の他のシ
ラノール基と強固な化学的結合を形成するため、冷水に
対して難溶性の性質を有している。即ち、シラノール変
性ポリビニルアルコールは親水性でありながら冷水にお
いてはほとんど溶解しない。そのため、シラノール変性
ポリビニルアルコールは受容層内において、樹脂の膨潤
によりインクを吸収するのではなく、顔料と同じように
毛細管現象でインクを取り込む性質を有する。上層のイ
ンク受容層にシラノール変性ポリビニルアルコールを含
有させることで、受容層表面に着弾したインクは非晶質
合成シリカとシラノール変性ポリビニルアルコールの毛
細管現象により横および縦方向に広がり、その結果ドッ
トが広がり印字濃度が向上すると推測できる。
【0014】本発明の上層のインク受容層に含有される
シラノール変性ポリビニルアルコールの添加量が10重
量部未満の場合、インク受容層のバインダー成分が低下
し塗膜強度が低下し、粉落ち等の問題が生じる恐れがあ
り,一方、ポリビニルアルコールの添加量が40重量部
を超えた場合、着弾したドットが大きくなり過ぎるた
め、にじみが発生する恐れがある。本発明に使用される
シラノール変性ポリビニルアルコールの重合度は500
以上2000以下が好ましい。重合度が500未満では
塗膜の強度が低下する場合があり、2000を超えると
塗料の粘度が上昇し、塗工適性に問題が生じる場合があ
る。
【0015】下層および上層のインク受容層に本発明の
品質を損なわない範囲において塗工適性等の向上の目的
で水溶性樹脂を添加することも可能である。水溶性樹脂
としては、ポリビニルアルコールおよびカチオン変性ポ
リビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、
カゼイン等の蛋白質、澱粉、酸化澱粉等の誘導体等、ポ
リビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の
セルロース誘導体等の水溶性高分子結着剤類が例示でき
る。これらの結着剤は、必要に応じて1種または2種以
上を適宜選択して用いることが可能である。この他、添
加剤として顔料分散剤、消泡剤、粘度調整剤、架橋剤、
蛍光染料等が製造条件、要求性能に応じて適宜使用され
る。
【0016】本発明の下層(インク受容層のうち支持体
に近いもの)のインク受容層は水不溶性樹脂と非晶質合
成シリカを含有し,他の顔料、カチオン樹脂、助剤等前
記のものを含有させることができる。下層の非晶質合成
シリカの粒径は特に限定しないが1〜40μm程度であ
る。下層のインク受容層に水不溶性樹脂を総固形量10
0重量部に対し20重量部以上50重量部以下含有する
ことでアンダーコート層と下層のインク受容層の接着性
が良好となり、アンダーコート層とインク受容層間の耐
水性が向上する。下層のインク受容層に対する水不溶性
樹脂の添加量が20重量部未満では耐水性が低下する。
一方、添加量が50重量部を超えると受容層のインク吸
収性が低下しにじみが発生する。
【0017】支持体上にインク受容層を設ける方法とし
ては、特に限定されるものではなく、従来から公知の
、バーコーター、エアーナイフコーター、ブレードコ
ーター、ダイコーター、カーテンコーター等の塗工機に
よって設けることができる。
【0018】本発明で得られる上層および下層のインク
受容層の塗工量は、最終用途によって決定され、インク
吸収性、発色性、塗膜強度を満足させるかぎり不必要に
多くする必要はない。本発明で得られる下層のインク受
容層の塗工量は、乾燥重量として3g/m2以上10g
/m2以下がより好ましい。インク受容層が3g/m2
満の場合インク吸収容量不足によりニジミが発生するお
それがある。逆に、塗工量が10g/m2を超えた場合
は、塗膜強度が低下する恐れがある。
【0019】本発明で得られる上層のインク受容層の塗
工量は、最終用途によって決定され、インク吸収性、発
色性、塗膜強度を満足させるかぎり不必要に多くする必
要はなく、乾燥重量として3g/m2以上、30g/m2
以下の範囲から適宜選択して用いられる。インク受容層
が3g/m2未満では多くの場合インク吸収容量が不足
し、画像が流れ出したり、色にじみ込みが生じ、画像が
ぼけてしまう。しかしながら、30g/m2を越えるイ
ンク受容層を設けると、上層のインク受容層が厚いため
下層のインク受容層との接着性が弱くなり、出来上がっ
た顔料インクジェット記録用シートの表面強度が弱くな
る恐れがある。さらにコスト的にも高価なものとなる。
【0020】本発明では適宜水不溶性樹脂を含有するア
ンダーコート層を、支持体と下層のインク受容層との間
に設けることにより両層の接着性が良好で、塗膜の耐水
性に優れるインクジェット記録用シートを得ることがで
きる。アンダーコート層が水不溶性樹脂を含有しない
で、水溶性樹脂を主体とする場合、水に濡れたインク受
容層表面をこすると、インク受容層は容易に剥がれ落ち
てしまう場合が多い。また、水に濡れることを避けるた
めに、インク受容層表面に透明樹脂フィルムを貼り合わ
せても、端部から水が浸入することは避けられない。低
分子量のポリビニルアルコール等のような、比較的容易
に水に可溶の接着剤を含有せしめた場合、水に接触する
時間が短い場合は、端部から進入した水で溶かされた接
着剤が高粘度の液となり、水の更なる進入を抑えること
ができる。しかし、たとえば屋外掲示で長期間雨に晒さ
れた場合等は、水に接触する時間が長期にわたるため、
結局は水の浸入を抑えきれず、結果として、インク受容
層は透明樹脂フィルムごと剥がれてしまう。したがっ
て、耐水性の求められる用途においては、アンダーコー
ト層が水不溶性樹脂を含有し、これに加えて、インクジ
ェット記録後にインク受容層表面に透明樹脂フィルムを
貼り合わせることが好ましい。
【0021】アンダーコート層に使用される水不溶性樹
脂として、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタク
リル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系
重合体ラテックス、酢酸ビニル共重合体等のビニル系重
合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体のカルボ
キシル基、カチオン性基等の官能基含有変性重合体ラテ
ックス等の水不溶性樹脂類が例示できる。これらの水不
溶性樹脂は、通常アンダーコート層塗料の総固形量10
0重量部に対して乾燥重量で、10〜100重量部の範
囲が好ましく、より好ましくは20〜80重量部の範囲
で使用される。これらの水不溶性樹脂は必要に応じて2
種以上を併用することも可能である。
【0022】アンダーコート層には水不溶性樹脂と併せ
て顔料を添加でき、炭酸カルシウム、クレー、焼成クレ
ー、ケイソウ土、タルク、酸化アルミニウム、シリカ、
ホワイトカーボン、アルミノケイ酸マグネシウム、炭酸
マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、スチレン重
合体、スチレン共重合体、アクリル酸エステル重合体、
アクリル酸エステル共重合体等の有機顔料(プラスチッ
クピグメント)等の物質が例示される。これらの顔料は
必要に応じて2種以上を併用することも可能である。
【0023】本発明のアンダーコート層に本発明の目的
である塗膜耐水性および塗膜強度を損なわない範囲にお
いて、顔料分散性、塗工適性の向上のために水溶性樹脂
を添加しても良い。アンダーコート層には水溶性樹脂を
添加することもでき、ポリビニルアルコールおよびシリ
ル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニル
アルコール等ポリビニルアルコール誘導体、カゼイン等
の蛋白質、澱粉、および酸化澱粉等の誘導体等が例示で
きる。これらの水溶性樹脂は、必要に応じて1種または
2種以上を適宜選択して用いることが可能である。
【0024】この他、添加剤として顔料分散剤、消泡
剤、粘度調整剤、架橋剤等が製造条件、要求性能に応じ
て適宜使用される。アンダーコート層のJIS P 8
137記載の方法に基づくはっ水性をR6以上にするこ
とで、より耐水性にすぐれるアンダーコート層を得るこ
とができるため好ましい。前記アンダーコート層のはっ
水度が6未満であると、アンダーコート層の吸水性が高
くなり、必要とする塗膜耐水性が得にくい場合もある。
また、支持体上にアンダーコート層を設ける方法として
は、特に限定されるものではなく、従来から公知の、バ
ーコーター、エアーナイフコーター、ブレードコータ
ー、カーテンコーター等の塗工機によって設けることが
できる。本発明で得られるアンダーコート層の塗工量
は、最終用途によって決定され、塗膜耐水性、記録特
性、保存性等を満足させるかぎり不必要に多くする必要
はなく、0.2g/m2以上、10.0g/m2以下の範囲が好
ましい。アンダーコート層の塗工量が少ないと、支持体
との接着性が若干低く、塗膜耐水性不良が生じる恐れが
ある。また、アンダーコート層の塗工量が多いと、アン
ダーコート層上に塗工したインク受容層の表面に円形の
微細な欠陥が発生し、記録紙の外観を損なう恐れがあ
る。
【0025】本発明の支持体に使用される樹脂フィルム
は、熱可塑性樹脂であるポリエステル樹脂およびオレフ
ィン樹脂等が例示できる。これらは耐水性に優れた記録
体を与える。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポ
リシクロヘキセンテレフタレート等が、またオレフィン
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体
からなるもの、またはこれらを主成分とするものを例示
できる。また、これらの熱可塑性樹脂を1種または2種
以上適宜選択して使用でき、他の熱可塑性樹脂としてポ
リスチレン、(メタ)アクリル酸エステル共重合体等を
混合して使用することもできる。またこれら熱可塑性樹
脂を縦方向および/または横方向に延伸して成形したフ
ィルムを使用してもよい。樹脂フィルム内部に微細孔を
形成し、紙状としたもの(合成紙)も利用できる。例え
ばフィルム中に溶解し易い物質を練り込んで溶出し、微
細多孔を形成したもの、発泡剤により微細孔を形成した
もの、この他、前記熱可塑性樹脂中に無機質微細粉末を
混合してフィルムを形成し、これを例えば1軸延伸処理
または2軸延伸処理して内部に微細孔を形成し紙状の層
としてもよい。本発明においては、このようなフィルム
を複数層積層して得られた多層フィルムを支持体として
使用し、例えば、基材層と両面または片面に紙状の層を
設けた2〜3層フィルム、または更にその少なくとも片
面の紙状の層上に表面層を形成した3〜5層フィルム等
を使用してもかまわない。熱可塑性樹脂を紙状の層とし
たフィルムは一般に合成紙として知られている。また、
このようなフィルムの不透明度は、本発明において特に
限定されるものではない。
【0026】本発明の記録用紙に適用される記録液(イ
ンク)は、発色成分として着色顔料を含有するものが耐
候性が優れるため染料インクより好ましい。記録液は、
水性または非水性溶媒内に有機または無機顔料粒子成分
を分散させたものである。有機顔料としては例えば、ア
ゾ系、フタロシアニン系、ペルリン系、イソインドリノ
ン系、イミダゾロン系、ピランスロン系、チオインジゴ
系等の顔料が例示でき、無機顔料としては例えば、カー
ボンブラック、合成酸化鉄黄、透明べんがら、チタンエ
ロー、モリブテートオレンジ、亜酸化銅、コバルトブル
ー、群青等の顔料が例示できる。これらの着色顔料を分
散する際、分散剤として、各種界面活性剤、低分子量の
分散剤、親水性官能基と疎水性官能基を有する樹脂系の
化合物が用いられる。前記着色顔料と分散剤を溶液中に
配合し、ペイントシェーカー、サンドミル等の分散機を
用いて微細な分散粒子に粉砕し、孔径1.0μm以下の
フィルターにて粗大粒子の濾過を行い顔料インクとする
ことが通常行われている。
【0027】本発明の記録紙にプリンタで印字した後、
耐水性や耐光性をさらに増すために、オーバーラミネー
トを施しても良い。オーバーラミネート紙は、透明の基
材に接着剤を塗布したものが用いられる。透明基材に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等に代表されるポリ
オレフィン類、ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステル類、ポリ塩化ビニルに代表されるポリビ
ニル類のフィルムが、好適に用いられる。透明基材の厚
みは30〜200μm、好ましくは50〜150μmで
あり、薄すぎると貼り合わせ時にしわが入りやすく、厚
すぎると取り扱いにくく、作業適性が劣る。これらのフ
ィルムには、耐光性をさらに増すために、2−ヒドロキ
シベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2、2’,4−トリヒドロキシベンゾフェノン等に
代表されるベンゾフェノン類、(2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシフェニル−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等に代表され
るベンゾトリアゾール類等の紫外線吸収剤を含有せしめ
ても良い。接着剤には、ヒートシールタイプや感圧接着
タイプの樹脂が好適に用いられる。樹脂にはスチレン・
ブタジエン系、アクリル系、ウレタン系等のものから、
その目的に合わせて適宜選択することができるが、性能
の幅広さや経済性から、アクリル系の接着剤が好ましく
用いられる。アクリル系接着剤は、エチレンアクリル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピ
ル、N−メチロールアクリルアミン等のアクリルモノマ
ーと、これに共重合可能なエチレン系モノマーやスチレ
ン系モノマーとの共重合物が使用できる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるもの
ではない。尚、以下において部および%とあるのは、す
べて重量部および重量%を示す。 『アンダーコート層塗工シートの作成』炭酸カルシウム
(吸油量60ml/100g、商品名:カルライトSA、白石
中央研究所社製)60部、アクリルエマルジョン(ガラ
ス転移温度0度、商品名:AE−322、日本合成ゴム
社製)40部、この組成物に濃度が50%になるように
水を加え、混合し、攪拌してアンダーコート層塗料を得
た。
【0029】上記塗料を、ポリプロピレンに無機顔料を
添加し延伸フィルムとした紙状層(微細多孔を内包す
る)を表面と裏面に設けた多層構造のフィルム法合成紙
(商品名:ユポFPG−80、厚さ80μm、王子油化
合成紙製)の片面に乾燥後の塗工重量が5.0g/m2
となるようにバーコーターで塗工し、110℃下で乾燥
して白色のアンダーコート層塗工シートを作成した。 『下層のインク受容層塗工シートの作成』ポリビニルア
ルコール(商品名:ポリビニルアルコール117、クラ
レ製)20部を水400部に加え、90℃に加温しなが
ら撹拌し、ポリビニルアルコールを水に溶解させる。こ
の溶解液に、非晶質合成シリカ(商品名:ニップシール
RS−150、日本シリカ工業製、平均粒子径 15.
0μm)40部と、酢酸ビニル−エチレン系ラテックス
(商品名:スミカフレックスS−470、住友化学製)
30部と、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド(商品名:ユニセンスCP−103、センカ製)10
部を混合し、攪拌してインク受容層第1層塗料を得た。
上記塗料を、前記アンダーコート層塗工シートのアンダ
ーコート層上に乾燥後の塗工重量が8.0g/m2とな
るようにバーコーターで塗工し、110℃下で乾燥して
白色のインク受容層第1層塗工シートを作成した。
【0030】『上層のインク受容層の作成』シラノール
変性ポリビニルアルコール (商品名:R−1130、
クラレ製)30部を 水400部に加え、90℃に加温
しながら撹拌し、シラノール変性ポリビニルアルコール
を水に溶解させる。この溶解液に、非晶質合成シリカ
(商品名:ニップシールRS−150、日本シリカ工業
製、平均粒子径 15.0μm)50部と酢酸ビニル−
エチレン系ラテックス(商品名:スミカフレックスS−
470、住友化学製)10部とポリジアリルジメチルア
ンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−10
3、センカ製)10部を混合し、攪拌してインク受容層
塗料を得た。上記上層のインク受容層塗料を、前記下層
のインク受容層塗工シートに乾燥後の塗工重量が10.
0g/m2となるようにバーコーターで塗工し、110
℃下で乾燥して白色の顔料インクジェット記録シートを
作成した
【0031】実施例2 下層のインク受容層(第1層)および上層のインク受容
層(第2層)に使用される非晶質微粉シリカを、非晶質
合成シリカ(商品名:ニップシールER、日本シリカ工
業製、平均粒子径 11.0μm)に変更した以外は、
実施例1と同様にして顔料インクジェット記録用シート
を得た。 実施例3 下層のインク受容層(第1層)および上層のインク受容
層(第2層)に使用される非晶質微粉シリカを、非晶質
合成シリカ(商品名:カープレックス#80、シオノギ
製薬製、平均粒子径 8.1μm)に変更した以外は、
実施例1と同様にして顔料インクジェット記録用シート
を得た。
【0032】実施例4 下層のインク受容層(第1層)および上層のインク受容
層(第2層)に使用される非晶質微粉シリカを、非晶質
合成シリカ(商品名:ニップシールL300、日本シリ
カ工業製、平均粒子径 7.0μm)に変更した以外
は、実施例1と同様にして顔料インクジェット記録用シ
ートを得た。 実施例5 下層のインク受容層(第1層)に使用される酢酸ビニル
−エチレン系ラテックス(商品名:スミカフレックスS
−470、住友化学製)30部を、15部に変更した以
外は、実施例2と同様にして顔料インクジェット記録用
シートを得た。
【0033】実施例6 下層のインク受容層(第1層)に使用される酢酸ビニル
−エチレン系ラテックス(商品名:スミカフレックスS
−470、住友化学製)30部を、55部に変更した以
外は、実施例2と同様にして顔料インクジェット記録用
シートを得た。 実施例7 上層のインク受容層(第2層)に使用される酢酸ビニル
−エチレン系ラテックス(商品名:スミカフレックスS
−470、住友化学製)10部を、7部に変更した以外
は、実施例2と同様にして顔料インクジェット記録用シ
ートを得た。
【0034】実施例8 上層のインク受容層(第2層)に使用される酢酸ビニル
−エチレン系ラテックス(商品名:スミカフレックスS
−470、住友化学製)10部を、17部に変更した以
外は、実施例2と同様にして顔料インクジェット記録用
シートを得た。 実施例9 上層のインク受容層(第2層)に使用されるシラノール
変性ポリビニルアルコール(商品名:R−1130、ク
ラレ製)30部を25部に変更した以外は、実施例2と
同様にして顔料インクジェット記録用シートを得た。
【0035】実施例10 上層のインク受容層(第2層)に使用されるシラノール
変性ポリビニルアルコール (商品名:R−1130、
クラレ製)30部を45部に変更した以外は、実施例2
と同様にして顔料インクジェット記録用シートを得た。 比較例1 下層のインク受容層(第1層)および上層のインク受容
層(第2層)に使用される非晶質微粉シリカを、非晶質
合成シリカ(商品名:ニップシールVN3、日本シリカ
工業製、平均粒子径 18.0μm)に変更した以外
は、実施例1と同様にして顔料インクジェット記録用シ
ートを得た。 比較例2 下層のインク受容層および上層のインク受容層に使用さ
れる非晶質微粉シリカを、非晶質合成シリカ(商品名:
ファインシールX−45、トクヤマ製、平均粒子径
4.3μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして
顔料インクジェット記録用シートを得た。
【0036】比較例3 下層のインク受容層(第1層)および上層のインク受容
層(第2層)に使用される非晶質微粉シリカを、非晶質
合成シリカ(商品名:ファインシールX−80、トクヤ
マ製、平均粒子径 2.5μm)に変更した以外は、実
施例1と同様にして顔料インクジェット記録用シートを
得た。 実施例11 インク受容層第1層に使用される酢酸ビニル−エチレン
系ラテックス(商品名:スミカフレックスS−470、
住友化学製)30部を、15部に変更した以外は、実施
例2と同様にして顔料インクジェット記録用シートを得
た。
【0037】実施例12 インク受容層第1層に使用される酢酸ビニル−エチレン
系ラテックス(商品名:スミカフレックスS−470、
住友化学製)30部を、85部に変更した以外は、実施
例2と同様にして顔料インクジェット記録用シートを得
た。 実施例13 上層のインク受容層(第2層)に使用される酢酸ビニル
−エチレン系ラテックス(商品名:スミカフレックスS
−470、住友化学製)10部を、3部に変更した以外
は、実施例2と同様にして顔料インクジェット記録用シ
ートを得た。
【0038】実施例14 インク受容層第2層に使用される酢酸ビニル−エチレン
系ラテックス(商品名:スミカフレックスS−470、
住友化学製)10部を、25部に変更した以外は、実施
例2と同様にして顔料インクジェット記録用シートを得
た。 実施例15 インク受容層第2層に使用されるシラノール変性ポリビ
ニルアルコール (商品名:R−1130、クラレ製)
30部を15部に変更した以外は、実施例2と同様にし
て顔料インクジェット記録用シートを得た。
【0039】実施例16 インク受容層第2層に使用されるシラノール変性ポリビ
ニルアルコール (商品名:R−1130、クラレ製)
30部を55部に変更した以外は、実施例2と同様にし
て顔料インクジェット記録用シートを得た。
【0040】比較例4 インク受容層第1層(下層)に使用される酢酸ビニル−
エチレン系ラテックス30部を加えなかった以外は、実
施例2と同様にして顔料インクジェット記録用シートを
得た。
【0041】比較例5 インク受容層第2層(上層)に使用される酢酸ビニル−
エチレン系ラテックス10部を加えなかった以外は、実
施例2と同様にして顔料インクジェット記録用シートを
得た。 比較例6 インク受容層第2層(上層)に使用されるシラノール変
性ポリビニルアルコール30部を加えなかった以外は、
実施例2と同様にして顔料インクジェット記録用シート
を得た。
【0042】得られた各種類のシートの平滑度、耐擦過
性、画質、塗膜強度、塗膜耐水性、印字ニジミ、印字濃
度、表面強度、外観について以下の方法で評価した。結
果を表1に示す。
【0043】(平滑度)JIS P8119記載の方法
に準じ、ベック試験器を用いて塗工層面の平滑度を測定
した。 (耐擦過性)インクジェットプロッター(Design Jet
2500CP:ヒューレット・パッカード社製)を用い、U
Vインク(ヒューレット・パッカード社製顔料インク)
を使用して印字し、ブラック100%印字部の印字1時間後
に綿棒で擦り印字部からのインクの剥離を観察し、印字
の耐擦過性を官能評価した。印字部からのインク剥離が
ないものを◎、剥離がほとんどないものを○、剥離が認
められるものを×、更に不良なものを××で示した。
【0044】(画質)インクジェットプロッター(Desi
gn Jet 2500CP:ヒューレット・パッカード社製)を用
い、UVインク(ヒューレット・パッカード社製顔料イ
ンク)を使用して、日本規格協会より発行されている高
精細カラーディジタル標準画像データ(ISO/JIS
−SCID)の画像サンプルN1(ポートレート)を印
字し、画像を観察し、画像の精細度を官能評価した。人
物の顔の肌色部が再現されており優れたものを◎、肌色
部の再現性が良好なものを○、再現性に劣るものを×、
更に不良なものを××で示した。 (塗膜強度)塗工層表面を綿棒で20回擦った時の塗膜の
様子を官能評価した。塗工層表面が全く剥がれないもの
を◎、塗工層表面が殆ど剥がれないものを○、少し剥が
れるものの実用上問題のないものを△、剥がれが認めら
れ不良なものを×で示した。
【0045】(塗膜耐水性)水に1時間浸水後、塗工層
表面を綿棒で20回擦った時の塗膜の様子を官能評価し
た。塗工層表面が全く剥がれないものを◎、少し剥がれ
るが良好なものを○、実用上問題のないものの剥がれる
ものを△、著しく剥がれ不良なものを×で示した。 (印字ニジミ)インクジェットプロッター(Design Je
t 2500CP:ヒューレット・パッカード社製)を用い、U
Vインク(ヒューレット・パッカード社製顔料インク)
を使用して、シアン100%、マゼンタ100%の200%重色印字
部の印字後のニジミを官能評価した。ニジミがないもの
を◎、ニジミがほとんどなく良好なものを○、実用上問
題のないもののニジミが認められるものを△、更に不良
なものを×で示した。
【0046】(印字濃度)インクジェットプロッター
(Design Jet 2500CP:ヒューレット・パッカード社
製)を用い、UVインク(ヒューレット・パッカード社
製顔料インク)を使用して印字し、ブラック100%印字部
の光学濃度をマクベス濃度計(マクベス社製、RD−9
14型)で測定した。
【0047】
【表1】
【0048】実施例17 実施例3と同様にして得たインクジェット記録用シート
に、インクジェットプロッターで印字した。即ちUVイ
ンク(ヒュレットパッカード社製、顔料インク)を用い
インクジェットプロッター(デザインジェット 250
0CP,ヒュレットパッカード社製)で200%のカラ
ー記録を行った。この表面に、厚さ80μmの透明塩化
ビニルフィルムにアクリル系の接着剤を塗布したものを
オーバーラミネートした。実施例3と同様にして、評価
を行った。 実施例18 実施例3と同様にして得たインクジェット記録用シート
に、インクジェットプロッターで印字した。即ちUVイ
ンク(ヒュレットパッカード社製、顔料インク)を用い
インクジェットプロッター(デザインジェット 250
0CP,ヒュレットパッカード社製)で200%のカラ
ー記録を行った。この表面に、厚さ80μmの紫外線吸
収材を配合した透明塩化ビニルフィルムにアクリル系の
接着剤を塗布したものをオーバーラミネートした。実施
例3と同様にして、評価を行った。
【0049】実施例19 実施例3と同様にして得たインクジェット記録用シート
に、インクジェットプロッターで印字した。即ちUVイ
ンク(ヒュレットパッカード社製、顔料インク)を用い
インクジェットプロッター(デザインジェット 250
0CP,ヒュレットパッカード社製)で200%のカラ
ー記録を行った。この表面に厚さ50μmの紫外線吸収
剤を配合した透明ポリエステルフィルムにアクリル系の
接着剤を塗布したものをオーバーラミネートした。実施
例3と同様にして、評価を行った。 比較例7 比較例4と同様にして得たインクジェット記録用シート
に、インクジェットプロッターで印字した。即ちUVイ
ンク(ヒュレットパッカード社製、顔料インク)を用い
インクジェットプロッター(デザインジェット 250
0CP,ヒュレットパッカード社製)で200%のカラ
ー記録を行った。この表面に厚さ50μmの紫外線吸収
剤を配合した透明ポリエステルフィルムにアクリル系の
接着剤を塗布したものをオーバーラミネートした。実施
例3と同様にして、評価を行った。尚、オーバーラミネ
ートした後の平滑度は、実施例17では250秒、実施
例18では250秒、実施例19では300秒、比較例
7では300秒であった。記録後にオーバーラミネート
したシートは耐水性が著しく向上する。また目視では記
録濃度が高く見える利点もある。そのため屋外に展示す
る用途で、雨に濡れても全く悪影響を受けない。ただ
し、比較例7に示すように、オーバーラミネートをして
も、記録層自体の耐水性が劣る場合は耐水性が劣る。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】表1、表2から明らかなように、本発明
の方法により得られた顔料インクジェット記録用シート
は、インクジェット印字後の耐擦過性、画質、塗膜強
度、塗膜耐水性、印字ニジミ、印字濃度、表面強度の品
質に優れることが確認された。本発明の顔料インクジェ
ット記録シートは、画質、塗膜強度、塗膜耐水性、印字
ニジミ、印字濃度、表面強度に優れているだけでなく、
顔料インクジェット印字後の耐擦過性が良好であるの
で、顔料インク印字後の印字部からのインク剥離がな
く、ハードな取り扱いが可能であるという効果を奏す
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂フィルムからなる支持体に、非晶質合
    成シリカと水不溶性樹脂を含有する下層のインク受容
    層、及び非晶質合成シリカ、水不溶性樹脂とシラノール
    変性ポリビニルアルコールを含有する上層のインク受容
    層を設けてなり、JIS P8119に基づいて測定し
    た上層のインク受容層の平滑度が5秒以上40秒以下で
    あるインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】下層のインク受容層がその総固形量100
    重量部に対し20重量部以上50重量部以下の水不溶性
    樹脂を含有し、上層のインク受容層がその総固形量10
    0重量部に対し5重量部以上20重量部以下の水不溶性
    樹脂と、10重量部以上40重量部以下のシラノール変
    性ポリビニルアルコールを含有する請求項1記載のイン
    クジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】上層のインク受容層がカチオン性樹脂を含
    有する請求項1または2記載のインクジェット記録用シ
    ート。
  4. 【請求項4】支持体と下層のインク受容層間に顔料と水
    不溶性樹脂を含有するアンダーコート層を設けてなる請
    求項1,2または3記載のインクジェット記録用シー
    ト。
  5. 【請求項5】上層のインク受容層の非晶質合成シリカ
    が、平均粒子径6μm以上16μm以下であることを特
    徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジェ
    ット記録用シート。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録用シートにインクジェット記録し、記録した
    表面に透明合成樹脂フィルムを貼り合わせてなるインク
    ジェット記録用シート。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3,4または5記載のイン
    クジェット記録用シートに着色顔料を含有するインク液
    滴を付与して記録するインクジェット記録方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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