JP2001002777A - ポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法 - Google Patents

ポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 PTMEをアルカリ金属又はアルカリ土類金
属触媒の存在下、低級脂肪族アルコールによりエステル
交換してPTMGを製造する方法において、十分な転化
率を得、且つ反応装置を小さくすることができる方法の
提供。 【解決手段】 ポリテトラメチレンエーテルグリコール
(以下PTMGと略す)のジ酢酸エステルをアルカリ金
属又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコキシドの
存在下、a.PTMGのジ酢酸エステル、低級脂肪族ア
ルコール及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸
化物又はアルコキシドを仕込み、平衡転化率が85%以
上となるようにエステル交換せしめ、次いでb.反応混
合物を蒸留塔に供給し、塔頂より未反応の低級脂肪族ア
ルコール及び生成した低級脂肪族アルコールの酢酸エス
テルを留出せしめ、塔底よりPTMGの低級脂肪族アル
コール溶液を缶出せしめつつ、更にエステル交換を行
う、PTMGの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリテトラメチレ
ンエーテルグリコール(以下、PTMGと略記すること
がある)の製造方法に関する。詳しくは、PTMGのジ
酢酸エステル(以下、PTMEと略記することがある)
をアルカリ金属触媒の存在下に低級脂肪族アルコールに
よりエステル交換してPTMGを製造する方法の改良に
関する。PTMGは、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂等のソフトセグメントとして用いられ、ロール等の
工業製品、また靴底、スパンデックス(登録商標)のよ
うな衣料用弾性繊維等に加工されて広く生活に利用され
ている。
【0002】
【従来の技術】PTMGの製造方法については、従来か
らいろいろな方法が開示されている。その中でも、テト
ラヒドロフラン(以下、THFと略記することがある)
を固体酸触媒及びカルボン酸無水物、例えば無水酢酸の
存在下に開環重合させてPTMEを得、次いでこのPT
MEを塩基性触媒の存在下に低級アルコール、例えばメ
タノールによりエステル交換してPTMGを得る方法が
廃棄物が少なく、優れた方法である。
【0003】固体酸触媒としては、超強酸性イオン交換
樹脂(特公昭61−11969号公報)、漂白土(特公
昭62−19452号公報)、ゼオライト(特開平7−
228684号公報)等が提案されている。固体酸触媒
は、懸濁床、固定床のいずれでも使用でき、固定床流通
反応で用いると触媒の分離操作を別途行う必要がなく、
特に好ましい。
【0004】PTMEのエステル交換反応については、
通常、塩基性触媒、例えばナトリウムメトキシドの存在
下に低級アルコール、例えばメタノールによりエステル
交換を行い、PTMGを製造する。エステル交換反応
は、平衡反応であるので、末端が全て水酸基のPTMG
を得るには、何らかの形で生成する低級アルコールの酢
酸エステルを除去しながら実施する必要がある。その方
法としては、蒸留設備を設けた回分反応器によって実施
する方法もあるが、大量の製品を得るためには設備が大
きくなり、実用的ではない。連続式にエステル交換する
方法が望ましく、蒸留設備を備えた反応器を使用する方
法も考えられるが、設備が高価である。これに対して、
蒸留塔内で、反応と分離を同時に行う反応蒸留は設備が
小さくて済むので有利である。
【0005】PTMEよりPTMGを製造する反応蒸留
については、例えばWO97/23559号公報に提案
されている。この方法は、PTME、触媒及び低級アル
コールの混合物を、蒸留塔の中部より供給し、エステル
交換と同時に生成する酢酸メチルを除去し、更に、蒸留
塔下部より、加熱メタノール蒸気を供給し反応を完結さ
せるものである。しかしながら、この方法においては、
蒸留塔に供給されるPTMEの量が多いので反応を完結
させるためには、蒸留塔が大きくなるという問題があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、エス
テル交換の際、十分な転化率を得るためには、回分式反
応器の場合には、反応器を大きくするとか、或いは複数
の反応器を並列に用いる必要があり、また、反応蒸留塔
の場合には、蒸留塔が大きくなるという問題点がある。
本発明は、エステル交換法により、PTMEからPTM
Gを製造する際に、十分な転化率を得、且つ反応装置を
小さくすることができる方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、PTMEをアルカリ金属又
はアルカリ土類金属触媒の存在下、低級脂肪族アルコー
ルによりエステル交換してPTMGを製造する方法にお
いて、反応を二段で行う、即ち、先ず反応器にてエステ
ル交換反応を平衡組成の近く迄行い、次いで得られた反
応混合物を反応蒸留塔に供給して、残りの反応を行うこ
とにより、反応蒸留塔への負荷が減少し、蒸留塔を小さ
くすることができ、且つPTMEの転化率が向上し、未
反応物も少なく、副生物も効率よく除去することができ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、ポリテトラメチレ
ンエーテルグリコールのジ酢酸エステルをアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコキシドの存
在下、低級脂肪族アルコールによりエステル交換してポ
リテトラメチレンエーテルグリコールを製造する方法に
おいて、 a.反応器にポリテトラメチレンエーテルグリコールの
ジ酢酸エステル、低級脂肪族アルコール及びアルカリ金
属又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコキシドを
仕込み、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのジ酢
酸エステルの平衡転化率の85%以上となるようにエス
テル交換せしめ、次いで b.得られた反応混合物を反応蒸留塔に供給し、塔頂よ
り未反応の低級脂肪族アルコール及び生成した低級脂肪
族アルコールの酢酸エステルを留出せしめ、且つ塔底よ
りポリテトラメチレンエーテルグリコールの低級脂肪族
アルコール溶液を缶出せしめつつ、更にエステル交換を
行う、ことを特徴とするポリテトラメチレンエーテルグ
リコールの製造方法にある。
【0009】なお、本発明においては、反応及び、蒸留
を大気圧以上の加圧条件下で実施することによって反応
温度を上げ、反応速度を大きくし、用いる触媒量を低減
させると同時に、反応器、蒸留塔を小さなものにするこ
とが出来る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (a.第1段反応)本発明に用いられる原料のPTME
については、通常、THFを無水酢酸の存在下、酸触媒
を用いて開環重合させて得られる。酸触媒としては、超
強酸性イオン交換樹脂、活性白土、ゼオライト、シリカ
アルミナのような固体酸が用いられる。固体酸は分離が
容易であり、固定床流通反応に好適である。
【0011】反応条件については、目的とするPTMG
の分子量や酸触媒の種類により異なるが、通常、無水酢
酸及び触媒は、反応液中の濃度が、それぞれ0.5〜3
0重量%及び0.1〜30重量%となるように用いて、
反応温度、通常20〜80℃の範囲で、反応時間、通常
0.5〜10時間の範囲で重合が行われ、THFと無水
酢酸とのモル比を調整することにより、生成ポリマーの
分子量を調整することができる。得られた重合反応液
は、未反応のTHF及び無水酢酸を含んでいるので、こ
れらを常圧又は減圧下で留去させて、PTMEを得る。
留去したTHF及び無水酢酸は、必要に応じて精製して
再利用することができる。
【0012】得られたPTMEは、低級脂肪族アルコー
ルと混合し、エステル交換触媒の存在下にエステル交換
させてPTMGに変換する。エステル交換反応の反応速
度は、アルコール濃度に依存するので、アルコールが多
い方が進行しやすく、また、エステル交換反応は平衡が
あるので、生成する低級脂肪族アルコールのカルボン酸
エステルを適宜除去しながら行うのが好ましい。低級脂
肪族アルコールとしては、炭素数1〜4のアルコールが
用いられるが、特にメタノールが好ましい。メタノール
は分子量が小さく、同じ重量でもPTMEとのモルが大
きく取れること、生成した酢酸メチルとの比揮発度が他
のものに比べ大きいことから好適に用いられる。
【0013】アルコールとPTMEとの比は、重量比で
1:1〜1:3が好適である。アルコールが少ないと粘
度が高く、反応が遅くなり、逆に多過ぎると装置が大き
くなり、しかも過剰のアルコールの除去のためにコスト
アップとなる。また、原料アルコールは副生する低級ア
ルコールのカルボン酸エステルと共沸物を形成し、反応
系から除去されることがあるので、原料アルコールを適
宜補給してもよい。
【0014】エステル交換触媒としては、通常、ナトリ
ウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、バリウ
ム等のアルカリ土類金属等の水酸化物又はアルコキシド
が用いられるが、これらの中、アルカリ金属の水酸化物
又はアルコキシドが好ましく、アルカリ金属のアルコキ
シドがより好ましく、中でもナトリウムのアルコキシド
は反応速度が大きく、アルコールに対する溶解度も大き
く、取扱いも容易で好適に用いられる。ナトリウムメト
キシドが特に好ましい。以下、PTMEのエステル交換
反応をアルコールとしてメタノールを用い、触媒として
ナトリウムメトキシドを用いた場合について説明する。
【0015】この場合、PTME、メタノール及びナト
リウムメトキシドの混合物を反応器内で反応させ、エス
テル交換を実施するが、反応速度は温度が高いほど、触
媒が多いほど大きく、また平衡はメタノールが多いほど
PTMGに寄っている。しかしながら、温度が高いと、
メタノールの蒸気圧が高くなって反応が高圧になり反応
器に耐圧が必要となり、又、メタノールや触媒が多いと
後工程で除去するのに大きな設備と、用役を必要とす
る。従って、本発明を実施するに当っては、蒸留塔の前
に設置した反応器で、PTMEに対して、20〜300
モル倍、好ましくは50〜100モル倍のメタノール、
ナトリウムメトキシドを溶液中に0.005〜1重量
%、好ましくは0.01〜0.5重量%を用い、0.5
〜5MPa、好ましくは1〜3MPa、温度100〜2
50℃でエステル交換が実施される。
【0016】この場合、PTMEは平衡転化率の85%
以上、好ましくは87〜99%反応させればよい。余り
高い転化率迄反応させようとすると、多量の触媒を用い
て後の触媒処理に負荷がかかったり、温度、圧力等の反
応条件が厳しくなったり、滞留時間が長くなるなどする
ので、効率的ではない。なお、平衡転化率とは、その反
応条件下において、エステル化反応が平衡に達したとき
の転化率を指す。また、反応の進行は化学分析或いは赤
外分析等の常法により、反応系に残留するエステル分を
分析することにより点検することができる。
【0017】反応器は連続で使用できるもので有れば良
く、撹拌槽、循環式反応槽、チューブ型反応器等が用い
られる。槽型反応器では主流通方向とは逆に液の一部が
動く逆混合が存在するので流れがピストン流に近い反応
型式が好適であり、チューブ型反応器を用いるのが設備
が簡単で且つ反応効率も良いので好適に用いられる。チ
ューブ型反応器では、滞留時間4〜10分で平衡組成或
いは平衡組成に近い状態までエステル交換を実施するだ
けであるので、生成した酢酸メチルを分離する為の設備
は必要ない。反応器から抜き出される混合物の組成は、
例えば、PTME50重量%、メタノール50重量%、
触媒0.01重量%を用いた場合、2MPa、160℃
の条件で平衡組成は、PTME0.5重量%、PTMG
47.5重量%、酢酸メチル3.6重量%、メタノール
48.5重量%となる。
【0018】(b.第2段反応)ここで生成した混合物
は、蒸留塔に送られ酢酸メチルを除去すると同時に、未
反応のPTMEを更にエステル交換しPTMGとする。
蒸留塔は、反応器よりも低い圧力で運転される。理由の
一つは、反応器の圧力を利用して、特別な設備無しに原
料を供給できることであるが、メタノールと酢酸メチル
の分離は圧力が低い方が効率的であることにも依る。し
かし、圧力を余り低下させると蒸留塔の温度が下がり、
エステル交換速度が小さくなり好ましくない。従って、
蒸留塔は0.5〜2MPa、好ましくは1〜1.5MP
a、温度100〜170℃で運転される。なお、滞留時
間は、10〜30分である。
【0019】蒸留塔内では分離と反応が同時に起こるの
で、仕込段より下部、蒸留塔回収部では、反応のための
時間が必要である。従って、蒸留塔の型式としては、回
収部は液のホルードアップを大きく取れる棚段が好まし
く、泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ等が用い
られる。泡鐘トレイは安定操作範囲が広いが構造が複雑
なためコスト高となり、一方多孔板トレイは構造が簡単
で圧力損失が小さいが安定操作範囲が狭い等の欠点を有
するため、双方の利点を有するバブルトレイが好適であ
る。仕込み段より上部、蒸留塔濃縮部は、特段の工夫が
不要で通常の蒸留設備が使用でき、前述の棚段例えばシ
ーブトレイ等のトレイ或いはラシヒリングやボールリン
グ等の不規則充填物や圧力損失の少ない規則充填物が精
留部に使用出来る。還流比は、用いるPTMEとメタノ
ールのモル比、及び濃縮段の段数によって変化するが、
通常0.5〜20の還流比が用いられる。過大な還流比
は、トレイ上の液の触媒濃度を低下させ、反応速度が小
さくなると同時に、トレイ上での滞留時間が短くなるの
でエステル交換反応には不利である。蒸留は、濃縮部1
〜10段、回収部5〜30段、還流比1〜10で好適に
実施される。
【0020】塔底液は、PTMGとメタノールの混合物
になるが、PTMGの濃度を高くすると粘度が上がり、
リボイラーのサーモサイホンが働かなくなるので、30
〜70%、好ましくは40〜50%の濃度が好適であ
る。また、粘度の上昇に伴って、リボイラー中の液の流
動が悪くなるので必要に応じてポンプによって、リボイ
ラー内の液を流動させることも好ましい。かくして留出
した、酢酸メチル及びメタノールはメタノール回収塔に
送られ、酢酸メチル及びメタノールの共沸混合物を塔頂
から留出させ、メタノールは塔底より回収しPTMEの
エステル交換の原料として使用される。この時回収され
るメタノールの純度は、95%程度以上で有れば問題な
く使用できる。
【0021】塔底から抜き出されたPTMG及びメタノ
ールの混合物は、中和或いは吸着等の通常の方法で触媒
を除去した後、蒸留塔で更にメタノールを除去した後、
5Torr以下の高真空下で運転される薄膜蒸発器によ
って完全にメタノールが除かれPTMGとされ、留出し
たメタノールはエステル交換の原料として用いることが
出来る。通常、工業的には上記の方法で数平均分子量5
00〜3000のPTMGが得られ、ポリウレタン弾性
繊維やポリウレタンエラストマー或いはポリエステルエ
ラストマーの原料として使われる。
【0022】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳細に説明する
が、本発明はその要旨を越えない限り、実施例に限定さ
れるものではない。 (原料の調製)THF100部、無水酢酸5.6部、酢
酸0.2部をジルコニアシリカ触媒3.5部と共に40
℃で5時間反応させた。反応物は濾過により触媒を除去
した後、常圧の回分蒸留で未反応物の大部分を留去し、
次いで10Torrの減圧で回分蒸留し無水酢酸、酢酸
の残留分を留去し、更に減圧下で窒素を少量導入して揮
発分を除去し、GPCで測定した分子量2100のPT
MEを37部得た。残留する無水酢酸及び酢酸は、それ
ぞれ0.001重量%、0.0005重量%であった。
これを三回繰り返し、原料を製造した。エステル交換反
応液の組成は、下記分析法に従い実施した。前処理とし
て塩基性触媒を失活させるために1N塩酸を用い、中和
当量の1.2倍に相当する1N塩酸を敷液として準備し
た後サンプリングを行った。
【0023】(酢酸メチル、メタノール含量分析) ガスクロマトグラフィー:サンプリング液を1ml容器
に採取し自動注入による絶対検量により定量した。 GC装置:島津GC−14A カラム:GL Science製 NEUTRABON
D−1 サイズ0.32mmφ×60m 液膜厚df=
0.4μm カラム温度:50℃定温 気化室温度:320℃ 検出器温度:320℃ 検出器:FID
【0024】(PTME残留量分析) 赤外分析:サンプリング液をロータリーエバポレータを
用い、100Pa真空留去により酢酸メチル及びメタノ
ールを痕跡量になるまで留去する。留去残渣液は、反応
生成物のPTMGと未反応PTMEの混合物であり、残
渣秤取重量の4倍重量に当るクロロホルムで希釈溶解す
る。希釈調製液を液体測定用セルに注入しPTMEのカ
ルボニル基の特性吸収νC=0 1732cm-1の吸光
度を求め、別途標品にて作成した検量線からPTME残
留量を求めた。
【0025】実施例1 PTME50重量%、ナトリウムメトキシド100pp
mを含むメタノール溶液50kg/hrを、第1反応器
として、内温160℃、圧力1.85MPaのチューブ
型反応器(内径20mm、長さ20m)を通過させた。
チューブ型反応器出口組成を分析したところ、PTME
0.5重量%、PTMG47.5重量%、酢酸メチル
3.6重量%、メタノール48.5重量%を示した。チ
ューブ型反応器を通過させた液は、引き続いて、上部に
ボールリングを充填した理論段5段の精留部を持ち、仕
込み段下部に5段の泡鐘トレイを持った上部直径0.2
0m、下部直径0.5mの1MPa加圧蒸留塔に仕込
み、還流比4で運転した。塔頂より酢酸メチル17%、
メタノール83%からなる留出液を7kg/hrで抜き
出し、塔底よりPTMG55重量%、メタノール44重
量%、酢酸メチル1重量%からなる缶出液を抜き出し
た。缶出液は冷却後、1重量%の水を加え、スルホン酸
型強酸性イオン交換樹脂(三菱化学(株)SK1BH)
を充填した塔に導入し溶存するNaイオンを除去し、溶
媒を蒸留により留去しPTMGとした。得られたPTM
Gの平均分子量は1965であり、PTMEの残留量を
赤外分析で実施したところ0.5重量%であった。
【0026】比較例1 実施例1において、第1反応器であるチューブ型反応器
を経由せず、直接蒸留塔に導入する以外は実施例1と同
じ条件によって運転を行った。得られたPTMG中のP
TMEの残留量を赤外分析で実施したところ10.2重
量%であった。
【0027】比較例2 実施例1において、蒸留塔仕込み段下部を15段の泡鐘
トレイに増設し、第1反応器であるチューブ型反応器を
経由せず、直接蒸留塔に導入する以外は実施例1と同じ
条件によって運転を行った。得られたPTMG中のPT
MEの残留量を赤外分析で実施したところ1.8%重量
であった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、PTMEをアルカリ金
属又はアルカリ土類金属触媒の存在下、低級脂肪族アル
コールによりエステル交換してPTMGを製造する方法
において、反応蒸留塔の負荷を減らし、蒸留塔自体を小
さくすることができ、且つPTMEの転化率が向上し、
未反応物を少なく、副生物を効率よく除去することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 AD11 BA02 BA06 BA29 BA32 BC10 BC11 BC31 BC34 BC40 BD80 GP01 4J005 AA08 BC00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリテトラメチレンエーテルグリコール
    のジ酢酸エステルをアルカリ金属又はアルカリ土類金属
    の水酸化物又はアルコキシドの存在下、低級脂肪族アル
    コールによりエステル交換してポリテトラメチレンエー
    テルグリコールを製造する方法において、 a.反応器にポリテトラメチレンエーテルグリコールの
    ジ酢酸エステル、低級脂肪族アルコール及びアルカリ金
    属又はアルカリ土類金属の水酸化物又はアルコキシドを
    仕込み、ポリテトラメチレンエーテルグリコールのジ酢
    酸エステルの平衡転化率の85%以上となるようにエス
    テル交換せしめ、次いで b.得られた反応混合物を反応蒸留塔に供給し、塔頂よ
    り未反応の低級脂肪族アルコール及び生成した低級脂肪
    族アルコールの酢酸エステルを留出せしめ、且つ塔底よ
    りポリテトラメチレンエーテルグリコールの低級脂肪族
    アルコール溶液を缶出せしめつつ、更にエステル交換を
    行う、ことを特徴とするポリテトラメチレンエーテルグ
    リコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 反応器がチューブ型であることを特徴と
    する請求項1に記載のポリテトラメチレンエーテルグリ
    コールの製造方法。
  3. 【請求項3】 反応蒸留塔の回収部が棚段であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のポリテトラメチレン
    エーテルグリコールの製造方法。
  4. 【請求項4】 低級脂肪族アルコールがメタノールであ
    り、且つ触媒がアルカリ金属のアルコキシド又は水酸化
    物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載のポリテトラメチレンエーテルグリコールの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 反応器及び反応蒸留塔の圧力が0.5〜
    5MPであり、且つ反応器の温度が100℃以上、溶媒
    の沸点未満であることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかに記載のポリテトラメチレンエーテルグリコー
    ルの製造方法。
  6. 【請求項6】 ナトリウムメトキシド及びメタノールを
    ポリテトラメチレンエーテルグリコールのジ酢酸エステ
    ルに対して、それぞれ0.005〜1重量%及び0.5
    〜5重量倍用いることを特徴とする請求項4に記載のポ
    リテトラメチレンエーテルグリコールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013191987A1 (en) 2012-06-22 2013-12-27 Invista Technologies S.A R.L. Improved alkanolysis process and method for separating catalyst from product mixture and apparatus therefor
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