JP2001001504A - 印刷機 - Google Patents

印刷機

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JP2001001504A
JP2001001504A JP2000033127A JP2000033127A JP2001001504A JP 2001001504 A JP2001001504 A JP 2001001504A JP 2000033127 A JP2000033127 A JP 2000033127A JP 2000033127 A JP2000033127 A JP 2000033127A JP 2001001504 A JP2001001504 A JP 2001001504A
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English (en)
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Katsutoshi Okazaki
勝利 岡崎
Masahito Kaneko
雅仁 金子
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】往復駆動機構により軸方向に往復運動するイン
キローラの往復運動のタイミングと往復量を任意に変更
することのできる印刷機を提供することである。 【解決手段】往復ローラの往復駆動機構における運動伝
達機構の中に、支点ピン11、入力側ピン22、および
出力側ピン23とで構成される変換レバー10を設け、
前記変換レバー10の支点ピン11、入力側ピン22、
および出力側ピン23の相対位置を変更させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷装置内のインキロ
ーラをその軸方向に往復運動させる往復駆動機構を有す
る印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の印刷機に関して図19、図20、
および図21に基いて説明する。図19に示すとおり、
印刷機は給紙装置45、印刷装置46、搬送装置47、
および排紙装置48で構成されている。図20及び図2
1は、図19における印刷装置46のローラ群の拡大図
である。図に示すとおり、インキは、インキローラ群1
7を介して版胴18に供給され、その表面に装着された
刷版の絵柄部分にインキが付着し、そのインキがブラン
ケット胴19に転写され、さらにそれがシート20に転
写されることによって印刷が行われる。
【0003】その際、インキローラ群17において、ロ
ーラの幅方向、言い換えれば軸方向のインキの厚さ(以
下、インキ膜厚と呼ぶ)を均一に保つことが必要であ
り、そのためにインキローラ群17の中には回転しなが
らその軸方向に往復運動をする往復ローラ6が数本配設
されている。この往復ローラ6の往復運動により、イン
キローラ群17に発生するリブマーク(回転方向に発生
する筋むら)を解消することもできる。
【0004】幅方向にインキ濃度の変化が大きい絵柄を
印刷する場合は、その濃度に応じて必要となるインキ膜
厚も異なるため、幅方向のインキ膜厚には変化が必要と
なる。しかし、この場合においてもインキ膜厚の変化す
る境界部分においてはっきりとした膜厚の差があると障
害(ゴーストと呼ばれる色調不良等)が出やすいため、
前記の往復ローラ6によりある程度境界部分を滑らかに
しておくことが必要となる。
【0005】図22は、前記往復ローラ6の駆動機構を
示した図であり、図23はそのD視図である。図に示す
とおり、回転駆動源1により回転駆動されるクランク2
の偏心ピン9に回動自在で、偏心ピン9の軸方向は移動
規制され係合しているリンク(C)13が設けられ、これ
により回転運動から往復運動への変換が行われる。リン
ク(C)13のもう一端は、フレームに固設した軸受5で
回動可能に支持されたレバー(A)4のピン(C)28と回動
自在に係合している。
【0006】レバー(A)4の回動の支点軸29の周りに
約90度位相がずれたレバー(A)4の端部にピン33で
回動自在に係合されたローラフォロワ8が往復ローラ6
の軸端のボビン7と係合し、伝達された往復運動の力が
往復ローラ6を軸方向に往復させる。従来装置において
は、このような往復駆動機構21によって往復ローラ6
の往復運動が行われていた。従って、機構上、往復ロー
ラ6の往復量は固定であった。
【0007】また、この往復運動の制御は、印刷機本体
の運転と同期して行われ、印刷機の運転開始/停止と同
時に往復運動の開始/停止がなされていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常、
印刷機の運転開始直後と運転停止直前には、しばらくの
間(数回転ないし数十回転)印刷が行われず、インキの
消費と供給がなされないが、従来装置ではその間も前記
往復ローラ6が印刷時と同様の動作をするため、印刷時
よりもインキローラ群17のインキ膜厚の均一度が過度
に進んでしまう。従って、印刷開始時や印刷再開時にイ
ンキが多く必要なところは印刷濃度の不足、その周辺は
濃度過剰という状態となり、適正な印刷が行われずに損
紙が発生してしまうという問題があった。
【0009】また、実際に印刷を行うための印刷運転中
だけでなく、印刷の1枚目から良好な印刷を行うための
事前運転や、インキローラ群17の洗浄を行うインキ清
浄運転においても、適正なタイミングでかかる往復ロー
ラ6による往復運動を利用したい場合がある。このよう
な場合に対しても、従来装置の如く往復運動が印刷機本
体の運転と同時に開始/停止する装置においては、効率
的な運転ができなかった。
【0010】一方、往復ローラ6による往復運動は、ロ
ーラ端部へのインキ余りを発生させ、その溜まったイン
キが紙面や周辺機器を汚すという問題や、乳化異常によ
る不具合などを発生させるため、その往復量は必要最低
限とすることが望ましい。従って、印刷運転時には印刷
する絵柄毎に適正な往復量に変更して往復運動を行うこ
とが効率的であり、かつ品質の向上にもつながる。ま
た、前記事前運転時やインキ清浄運転時においてもそれ
ぞれ適正な往復量で運転することが効率的である。しか
し、従来装置では、前述の如く往復量は固定であるた
め、上記のように都度適正な往復量に変更した運転を行
うことができなかった。
【0011】そこで、本発明の目的は、往復駆動機構に
より軸方向に往復運動するインキローラの往復運動のタ
イミングと往復量を任意に変更することのできる印刷機
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の一つの側面は、往復ローラの往復駆動機
構における運動伝達機構の中に、揺動支点ピン、入力側
ピン、および出力側ピンとで構成される変換レバーを設
け、前記変換レバーの揺動支点ピン、入力側ピン、およ
び出力側ピンの相対位置を変更させることを特徴として
いる。従って、上記の発明によれば、往復ローラの往復
運動を任意のタイミングで任意の往復量に変更すること
が可能となり、印刷機の各運転時において、往復ローラ
の往復運動を適切に利用することができ、損紙の減少及
び印刷品質の向上を図ることができる。
【0013】上記の目的を達成するために、本発明の別
の側面は、インキローラをその軸方向に往復運動させる
往復駆動機構を有する印刷機において、前記往復駆動機
構が、回転駆動源からの回転運動を往復運動に変換し前
記インキローラへ伝達する運動伝達機構と、前記運動伝
達機構内に配置され、揺動支点ピンと、入力側ピンと、
出力側ピンとで構成されるレバーと、前記レバーの揺動
支点ピンと入力側ピンと出力側ピンの相対位置を変更す
るピン相対位置変更機構を有することを特徴とする。
【0014】更に、上記の発明において、その好ましい
態様は、前記レバーの入力側ピンと出力側ピンの相対位
置を固定にし、前記ピン相対位置変更機構が、前記レバ
ーの揺動支点ピンの入力側ピンと出力側ピンに対する相
対位置を変更させることを特徴とする。
【0015】また、上記の発明において、別の態様は、
前記レバーの入力側ピンと揺動支点ピンの相対位置を固
定にし、前記ピン相対位置変更機構が、前記レバーの出
力側ピンの入力側ピンと揺動支点ピンに対する相対位置
を変更させることを特徴とする。
【0016】また、上記の発明において、別の態様は、
更に、前記印刷機の運転中の所定の時間に、所定の往復
量で、前記インキローラの往復運動を実行させる様に前
記ピン相対位置変更機構を制御する制御装置を有するこ
とを特徴とする。
【0017】更に、上記の発明において、別の態様は、
前記制御装置が、前記所定の時間を入力する入力回路
と、前記所定の往復量を記憶する記憶装置と、前記印刷
機の各装置の駆動タイミング信号と、前記入力回路から
の信号と、前記記憶装置に記憶された往復量に基づい
て、前記ピン相対位置変更機構を制御するための信号を
発する演算装置を有することを特徴とする。
【0018】更にまた、上記の発明において、別の態様
は、前記所定の往復量が、印刷する絵柄の面積率に基づ
いて決定されることを特徴とする。
【0019】更に、上記の発明において、別の態様は、
前記面積率が、前記絵柄を印刷の幅方向に一定間隔で分
割してできる複数の領域毎に求められ、前記制御装置
が、前記領域毎に、当該領域の面積率と隣接する領域の
面積率との面積率差を求め、前記求められた複数の面積
率差の中から値が最大となる最大面積率差を選択し、前
記最大面積率差と、予め定められた面積率差と往復量と
の関係から、前記所定の往復量を決定することを特徴と
する。
【0020】更に、上記の発明において、その好ましい
態様は、前記印刷機の印刷運転の前に行われる事前運転
時において、前記インキローラの往復運動を実行させる
ことを特徴とする。
【0021】更に、上記の発明において、別の態様は、
前記印刷機の印刷運転時において、前記インキローラの
往復運動を、前記印刷機の胴入れより前から開始させる
ことを特徴とする。
【0022】更にまた、上記の発明において、別の態様
は、前記印刷機のインキ洗浄運転時において、前記イン
キローラの往復運動を実行させることを特徴とする。
【0023】本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に
説明する発明の実施の形態から明らかになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形
態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照
番号又は参照記号を付して説明する。
【0025】まず、本発明を適用した印刷機の第一の実
施例について説明する。第一の実施例に係る印刷機は、
印刷機運転中に往復ローラの往復量を任意に変更できる
往復駆動機構と、その往復運動のタイミングと往復量を
制御する制御装置を有することを特徴としている。印刷
機全体の構成は、図19に基づいて説明した従来装置と
同様であり、また印刷がなされるまでの工程も従来と同
様であるため、これらに関する説明は省略し、以下、本
実施例に係る印刷機の特徴部分である往復運動機構と制
御装置に関して説明する。
【0026】図1は、第一の実施例に係る印刷機におけ
る往復ローラの往復駆動機構を説明するための正面図で
ある。図2は、図1のA視図を、図3は、前記往復駆動
機構の部分的な構成図(斜視図)を示した図である。ま
た、図4は、図1において往復量をゼロにしたときの部
分図、図5は、図4のB−B視図、図6は、図4のC−
C視図である。
【0027】図において、クランク2は、スプロケット
に偏心ピン9を固設したもので従来と同様である。図示
した図1のクランク2は回転駆動源1からチェインで駆
動される。一端を前記偏心ピン9と回動自在に係合し、
他端を変換レバー10に固設したピン(A)22に回動自
在に係合させたリンク(A)3を設け、回転しているクラ
ンク2の偏心ピン9の動きを回転のない揺動に変換す
る。
【0028】変換レバー10は支点ピン11を中心に揺
動する。支柱39はフレームから支持されているため、
支柱39と回動可能にピンで支持されたリンク(D)38
とピン(A)22により回動自在に連結された変換レバー
10は、フレームに対し位置規制をされる(図1、図
2、および図5参照)。
【0029】変換レバー10にはピン(A)22の反対側
にピン(B)23を設け、変換レバー10に伝達された前
記の揺動をピン(B)23からリンク(B)12を介してレ
バー4のピン(C)28に伝達するようにしている。レバ
ー4のピン(D)33に回転自在に係合しているローラフ
ォロワ8で往復ローラ6の軸端のボビン7を揺動させ、
往復ローラ6を往復させる(図1および図2参照)。
【0030】ここで、前記変換レバー10は支点ピン1
1との係合位置を変える事が出来るような機構となって
いる。変換レバー10には、変換レバー10の長手方向
に移動でき、それと直角方向には動きを規制された直線
軸受24を設け、この直線軸受24に支点ピン11を固
設している。支点ピン11は調節部材25と回動自在に
係合し、ピン11の軸に対し直角方向に移動する調節部
材25の移動に追随する(図3参照)。
【0031】前記調節部材25はガイド27に移動方向
を案内されており、もう一方の側に雌ねじを加工し、移
動ねじ26と螺合している。軸方向位置を固定され、回
転自在に支持されている前記移動ねじ26は一端にモー
タ15を連結しており、前記モータ15の回転により移
動ねじ26が回転し、移動ねじ26と螺合している前記
調節部材25が移動し、合わせて支点ピン11が移動す
る(図3参照)。
【0032】前記リンク(A)3によって伝達された揺動
量をδ1とすると、リンク(B)12に伝わる揺動量δ2
は、図1に図示したL1とL2の比率に比例した値にな
る。即ち、リンク(B)12の揺動量δ2は、δ1*(L
2/L1)となる。前記直線軸受24はリンク(B)12
と係合しているピン(B)23の位置まで移動でき、支点
ピン11をピン(B)23の中心と一致する位置まで移動
させることができる。この場合には、L2=0となって
リンク(B)12の揺動量をゼロにすることができる。
【0033】以上の仕組みにより、リンク(B)12の揺
動量を変更することができる。図1は支点ピン11が変
換レバー10の両端のピン(A)22、ピン(B)23の中
間に位置する場合を示し、図4は支点ピン11が変換レ
バー10のピン(B)23の位置と一致した所へ移動して
いる状態、即ち、リンク(B)12の揺動量がゼロの状態
を示す。この時、往復ローラ6の往復量もゼロとなり、
往復ローラ6の往復運動が停止した状態となる。
【0034】以上説明した往復駆動機構では、変換レバ
ー10の両側のピンであるピン(A)22とピン(B)23
に対し、支点ピン11の相対位置を変更することによ
り、リンク(B)12の揺動量、即ち往復ローラ6の往復
量を変更させるが、変換レバー10の入力側ピン(A)2
2と支点ピン11に対し、出口側ピンの相対位置を変更
する機構としてもよい。図7に、かかる機構とした場合
の例を示している。また、図8は、図7に示す機構にお
いて、往復量ゼロの状態を示した図である。
【0035】図7に示す例は、図1に示した往復駆動機
構における変換レバー10の位置規制のためのリンク3
8(D)を省略すると共に、支点ピン11の位置を変換レ
バー10に対して移動させる代わりに、変換レバー1
0'の出力側ピン(F)36を嵌合型にし、出力側ピン
(F)36をレバー(B)34に固設し、変換レバー10'
全体を移動させて支点ピン11の中心と出力側ピン(F)
36の距離を変更しようとするものである。
【0036】図1に示した例と同様、まず、クランク2
の偏心ピン9からリンク(A)3を通じて回転運動が揺動
に変換される。リンク(A)3の出力側ピン(A)22は変
換レバー10'の入力側ピンとなり、支点ピン11を中
心に変換レバー10'が揺動する。変換レバー10'の出
力側ピンの係合部は長溝40となっており、係合する相
手レバー(B)34の入力側ピンであるピン(F)36の中
心が支点ピン11の中心と同心位置に移動できるように
なっている(図8参照)。レバー(B)34はピン(E)3
5によりフレームに回動自在に支持され、ピン(E)35
を中心に揺動できる。レバー(B)34はピン(E)35を
中心にピン(F)36から伝えられる揺動力をピン(G)3
7からリンク(B)12を介して往復ローラ6側に伝達す
る。
【0037】変換レバー10'の支点ピン11は変換レ
バー10'に対して回動自在に係合し、調節部材25に
固設されている。従って、変換レバー10'、リンク
(A)3は調節部材25に固設された支点ピン11の移
動に追従した位置で、その位置に応じた形態で揺動す
る。ピン移動機構14は、図1に示した例と同様であ
る。図8は、前述のとおり、ピン(F)36の中心を支点
ピン11の中心と同心位置まで移動した状態を示してお
り、この場合にはレバー(B)34は揺動せず、従って、
往復ローラ6の往復運動は停止した状態となる。
【0038】図9は、往復ローラ6側へ伝達する揺動量
を変更するための原理について、図1に示した例と図7
に示した例の相違を模式的に示した図ある。図の(a)
に示す図1の例では、変換レバー10、ピン(A)22、
およびピン(B)23に対して支点ピン11が移動してそ
れらの相対位置を変更している方式であるのに対し、図
の(b)に示す図7の例では、ピン(F)36に対して変換
レバー10'、ピン(A)22、および支点ピン11のすべ
てが移動してそれらの相対位置を変更している。いずれ
の場合においても、支点ピン11を移動させることによ
り、往復ローラ6側へ伝達する揺動量を任意に変更する
ことが可能となる。
【0039】なお、図中、位置検出器16は支点ピン1
1の位置検出を行うためのものであり、ここでは、モー
タ15に直結したロータリエンコーダ型のものを図示し
たが(図1等参照)、調節部材25の移動量を直接計測
するポテンショメータ型のものにしてもよい。場合によ
っては、リンク(B)12以降の移動量を検出するように
してもよい。また、支点ピン11の移動をねじとモータ
で行い、揺動量を連続的に変更出来る機構としたが、エ
アシリンダや油圧シリンダ等を用い、支点ピン11を断
続した位置へ切り換える方式にしてもよい。
【0040】以上説明したように、本実施例の往復駆動
機構では、支点ピン11を移動させることにより、往復
ローラ6の往復量を変更でき、またその往復量をゼロに
することも可能となる。従って、以下に説明する制御装
置を用いて、支点ピン11の位置を変更する往復量変更
モータ(モータ15)を制御することにより、印刷運転
中においても往復ローラ6の往復量の変更及び往復運動
の停止(往復量をゼロにすること)を遠隔操作又は自動
で行うことが可能となる。
【0041】次に、本実施例に係る印刷機の制御装置に
ついて説明する。図10は、第一の実施例に係る印刷機
における制御装置100の主要部分のブロック図であ
る。図中、点線で囲まれた往復運動制御部120が、本
実施例に係る印刷機の特徴的な部分であり、上述の往復
量変更モータ(モータ15)を制御する。他の部分につ
いては、従来装置における制御装置と同様である。
【0042】印刷機タイミング制御回路101は、印刷
機を構成する各装置の駆動タイミングを制御する回路で
あり、操作者の操作(操作釦50からの信号)、各セン
サーからの信号、あるいは、予め記憶されたタイマー値
などにより、図示されているような各種装置(45〜4
8)を制御する回路(102〜107)へ駆動タイミン
グの信号を送信する。
【0043】往復運動制御部120は、運転条件入力回
路108、往復量記憶装置109、往復運動タイミング
/往復量演算装置110、及び往復運動制御回路111
で構成されている。運転条件入力回路108は、往復ロ
ーラ6の往復運動を実行させる所定のタイミング(運転
条件)を予め入力しておくための回路である。また、往
復量記憶装置109は、予め設定された往復運動の往復
量を記憶している。
【0044】往復運動タイミング/往復量演算装置11
0は、運転条件入力回路108からの運転条件、印刷機
タイミング制御回路101からのタイミング信号、及び
往復量記憶装置109に記憶された往復量に基づいて、
往復運動指令を往復運動制御回路111へ送信する回路
である。また、往復運動制御回路111は、かかる往復
運動指令に基づいて、往復量変更モータ(モータ15)
を制御する回路である。
【0045】図11は、第一の実施例に係る印刷機の印
刷開始時における動作フローの主要部分を示した図であ
る。図の(a)は、印刷機全体のフローを、(b)は、往
復ローラ6の往復運動のフローを示している。まず、操
作釦50における運転開始釦が押されることにより、印
刷機タイミング制御回路101から運転開始信号が各装
置へ発せられ、印刷機本体の運転(各ローラ群の回転な
ど)が開始される(図11のステップS1)。続いて、
操作釦50における操作者の操作、あるいは予め設定さ
れたタイマー値により、印刷機タイミング制御回路10
1から給紙開始の信号が発せられ、給紙装置45から給
紙が開始される(図11のステップS2)。
【0046】給紙が開始された後、シート20が印刷位
置に到着するタイミングで胴入れ信号、及びインキ供給
信号が発せら、胴着駆動装置54及びインキ供給装置5
3が駆動する(図11のステップS3及びS4)。このタ
イミングは、検紙センサ51の信号から印刷機タイミン
グ制御回路101で判断される。以上の動作手順によ
り、実際の印刷が開始される(図11のステップS
5)。
【0047】一方、(b)に示す往復ローラ6の往復運
動に付いては、まず事前に往復運動を行うべき所定のタ
イミング(運転条件)と所定の往復量を入力しておく。
入力された所定の往復量は、前記往復量記憶装置109
に記憶される。印刷機の運転が開始されると、往復運動
タイミング/往復量演算装置110において、往復運動
の開始、停止、及び変更のタイミングが決定される(図
11のステップS6)。かかる往復運動タイミングの決
定は、前記入力された往復運動を行うべき所定のタイミ
ング(運転条件)と、上述した印刷機タイミング制御回
路101から発せられる各装置への実際のタイミング信
号に基づいて行われる。
【0048】また、その際の往復量に付いては、往復運
動タイミング/往復量演算装置110が、前記往復量記
憶装置109に記憶されている往復量の中から、前記決
定された往復運動タイミングに対応した所定の往復量を
選択することで決定される(図11のステップS7)。
以上、決定された往復運動タイミングと往復量が往復運
動指令として、往復運動タイミング/往復量演算装置1
10から往復運動制御回路111へ伝達される。往復運
動制御回路111は、受取った往復運動指令に基づい
て、所定のタイミングで前記往復量変更モータ(モータ
15)を駆動し、所定の往復量になる様に往復量変更モ
ータ(モータ15)を制御する(図11のステップS
8)。所定の往復量にするための制御は、前記位置検出
器16からの位置信号に基づいて行われる。かかる往復
量変更モータ(モータ15)の制御により、前記支点ピ
ン11が適正な位置まで移動し、所定の往復量による往
復運動が開始される(図11のステップS9)。
【0049】以上、印刷開始時の動作フローとして説明
したが、印刷停止時、前述した事前運転時、及びインキ
洗浄運転時においても同様の内容で、往復量変更モータ
(モータ15)が制御され、所定のタイミングと所定の
往復量で往復ローラ6の往復運動を実行することが可能
である。
【0050】次に、実際に往復ローラ6の往復運動を運
転中のどのようなタイミングで実行すべきかについて説
明する。以下、事前運転時、印刷運転時、及びインキ洗
浄運転時における適正タイミングについて説明する。図
12は、事前運転時における往復運動のタイムスケジュ
ールを示した図である。事前運転とは、インキが洗浄さ
れたインキローラ群17に適正なインキ膜を形成し、印
刷開始時に1枚目から良好な印刷が行えるよう印刷運転
の直前に行われる運転であり、クイック・スタート・イン
キング(以下、QSIと呼ぶ)と呼ばれるものである。
【0051】前記適正なインキ膜の形成とは、印刷時に
おいて適正な印刷が行われている場合のインキ膜の状態
に近似したインキ膜を作ることであり、これから印刷し
ようとする絵柄に応じて形成される。QSIでは、二つの
段階、QSI−1及びQSI−2、により前記適正なインキ膜
を形成する。なお、QSIの運転は、当然の事ながら胴抜
き状態で行われる。
【0052】QSI−1の段階は、適正なインキ膜の基礎
部分を形成する段階であり、往復ローラ6の往復運動を
利用し、ローラの幅方向全体に均一なインキ膜を形成す
る。これにより、ローラ両端部分のインキ不足とリンギ
ング(リング状にできるインキ皮膜の偏り)を解消する
ことができる。従って、図12の(イ)及び(ウ)に示
すとおり、QSI−1の運転(図の(ア))に合わせて往
復ローラ6の往復運動を実行する。この際の往復運動タ
イミングと往復量は、上述した往復駆動機構21と制御
装置100により、任意に設定することができる。
【0053】図12の(イ)は、QSI−1運転の開始と
同時に印刷中の往復量の往復運動を開始し、その後にそ
の往復量とは異なる設定された往復量に変更する場合を
示している。図中の及びは、その変更時間を、は
設定された往復量の往復運動時間を表している。図12
の(ウ)は、QSI−1運転中の特定時間において、特定
の往復量で往復運動を実行させる場合である。前述のと
おり、往復運動を行う時間と往復運動を停止する時間
及びは任意に設定することができる。
【0054】一方、QSI−2の段階では、印刷しようと
する絵柄に応じた幅方向のインキ膜厚の差を形成し、前
記適正なインキ膜を完成される。この場合も、前述の如
くはっきりとした段差をなくすために、往復ローラ6の
往復運動により、ある程度ならしておく必要がある。し
かし、往復運動を行いすぎると過度に均一化が進んでし
まうため、適度な運転をする必要がある。従って、図1
2の(ア)及び(イ)に示すとおり、QSI−2運転中の
一定時間のみ往復運動を実行する。この場合にも、往復
運動を行わない時間及び往復運動の時間を任意に設
定することができる。往復運動の時間は、後述する印
刷開始時の胴入れ前の往復運動の時間(図13の(11))
との兼ね合いで良好な状態が形成される様に考慮され
る。また、QSI−2における往復運動も前記リンギング
の発生を押さえる効果がある。
【0055】図13は、印刷運転時における往復運動の
タイムスケジュールを示した図である。図の(ア)〜
(エ)は、印刷運転時における主要動作(図11のステ
ップS1〜S4に対応)のタイムスケジュールを示してお
り、(オ)がそれらに合わせた往復運動(図11のステ
ップS9に対応)のタイムスケジュールを示している。
図に示すとおり、(ア)〜(エ)の主要動作は、印刷開
始時については、図11に基づいて説明した動作フロー
のとおりの順番で行われる。
【0056】印刷停止時には、(イ)の給紙が停止した
後、シート20の供給がなくなったことを検紙センサ5
1で検知し、(ウ)の胴抜きが行われる。(エ)のイン
キ供給に付いては、次の印刷が連続して行われる場合に
は、図に示すとおり、印刷が終了(胴抜き)する前にイ
ンキ供給を停止する。但し、この停止する時間(9)の間
は、往復運動は継続される。この停止する時間(9)の運
転は、刷り減らし運転と呼ばれ、次の印刷を良好にスタ
ートさせるために、印刷終了時にインキローラ群17の
インキ膜厚を均一にする運転である。即ち、前述したQS
I−1に相当する運転が行われることになる。なお、次
の印刷がない場合には、この刷り減らし運転期間を取る
必要はない。
【0057】以上の動作に合わせ、往復ローラ6の往復
運動を(オ)に示すタイミングで実行する。印刷開始時
には、(ウ)の胴入れ(印刷開始)より前から往復運動
を開始する。この胴入れ前の運転は、前述したQSI−2
で形成したインキ膜の状態を保持し、リンギングの発生
を押さえられる程度に実行させる必要があるため、往復
量は、印刷時における往復量と同じとするが、実行時間
(11)は、前述したとおり図12のの時間との兼ね合い
で適正に設定する。印刷終了時は、前述したとおり、刷
り減らし運転中も往復運動を継続し、(ウ)の胴抜きと
同時に往復運動を停止する。
【0058】図14は、インキ洗浄運転時における往復
運動のタイムスケジュールを示した図である。図の
(ア)は、インキ洗浄運転を、(イ)は、往復ローラ6
の往復運動を示している。通常、印刷が終了し、次の印
刷までに比較的長い時間がある場合には、インキローラ
群17の洗浄を行う。この場合、印刷機は胴抜き状態で
運転されるが、往復ローラ6の往復運動を実行した方が
インキをきれいに取ることができ、洗浄効果が大きくな
る。従って、図に示す様にインキ洗浄運転に合わせて往
復運動を実施する。往復運動の時間、往復量は適宜設定
できるが、往復量は大きいほど良い。図の、(12)は印刷
時の往復量から洗浄時の設定往復量へ変更する時間、(1
3)は設定往復量で運転する時間、(14)は印刷時の往復量
へ戻す時間を示している。
【0059】以上、説明したようなタイミングで往復運
動を利用することにより、さらに損紙を軽減し、印刷品
質の向上を図ることができる。
【0060】以上、第一の実施例について説明したが、
前述した往復駆動機構21と制御装置100を設けるこ
とにより、往復ローラ6の往復運動を任意のタイミング
と往復量で実施することができるようになり、さらにそ
の往復運動を前述した運転方法で利用することにより、
効率的な印刷機の運転が可能となり、印刷機の生産性の
向上を図ることができる。
【0061】次に、本発明を適用した印刷機の第二の実
施例について説明する。第一の実施例にかかる印刷機に
おいては、前述のとおり、往復ローラ6の往復量は、運
転の事前に決定され、その値が制御装置100へ入力さ
れた。第二の実施例にかかる印刷機は、印刷中の往復量
を印刷しようとする絵柄の面積率から自動的に計算し、
その往復量で往復運動を実施しようとするものである。
【0062】前述のとおり、往復ローラ6の往復運動に
は、弊害もあるためその往復量は、必要最低限に押さえ
ることが望ましい。往復運動の主目的は、ローラの幅方
向に存在するインキ膜厚の段差を適度に滑らかにするこ
とであるため、適切な往復量は、印刷しようとする絵柄
を分析し、幅方向にどれほどのインキ膜厚の段差が必要
であるかを知ることによって決定することができる。段
差が大きいほど往復量も大きくしてやる必要がある。
【0063】本実施例では、かかる段差を、ゾーン毎の
面積率の差で代用し、その値から適切な往復量を決定す
る方式としている。ここで、ゾーンとは、シート20を
ローラの幅方向に一定の幅で分割した複数の領域のこと
をいい、このゾーンとしてインキキーゾーン(例えば、
通常は35mm)を用いても良い。また、面積率とは、
これから印刷する絵柄が前記ゾーン内で占める割合をい
う。この面積率が大きいほど、そのゾーンに必要なイン
キ膜厚も大きいと判断する。
【0064】本実施例にかかる印刷機の全体構成、並び
に往復駆動機構21は第一の実施例の場合と同様であ
り、制御装置100とそれに伴う往復量の決定方法のみ
が異なる。図15は、第二の実施例に係る印刷機におけ
る制御装置100の主要部分のブロック図である。図1
0に示した第一の実施例の場合と比較し、面積率入力回
路112と往復運動タイミング/往復量演算装置11
0'のみが異なる。面積率入力回路112は、前記面積
率のデータを入力する、あるいは絵柄データから面積率
を求めるための回路である。往復運動タイミング/往復
量演算装置110'は、第一の実施例における往復運動
タイミング/往復量演算装置110と同様の働きをする
が、前述のとおり往復量の決定方法が異なる。
【0065】かかる制御装置100の主な動作フロー
は、図11に示した第一の実施例の場合と同様であるた
め、ここでは説明を省略し、往復運動タイミング/往復
量演算装置110'で行われる往復量の決定に関する処
理について、以下説明する。図16は、第二の実施例に
おける往復量の決定までの処理フローを示した図であ
る。
【0066】前述のとおり、適切な往復量を決定するた
めには、ゾーン毎の面積率が必要となるが、かかる面積
率を求める方法として二つの方法がある。その一つは、
刷版をスキャニングして得られる画像データから求める
方法であり、そのためにインキキーゾーン(例えば、3
5mm幅)毎の面積率を計測する刷版面積率計測装置が
ある。もう一つは、印刷しようとする絵柄の情報が絵柄
作成時においてデジタル化されている場合であり、その
場合にはその絵柄データから直接演算処理し、ゾーン毎
の面積率を算出することができる。この方法では、ゾー
ンの幅を任意に設定することが可能であるため、インキ
キーゾーンより小さい幅で面積率を計算できることか
ら、より精度が高く、的確な往復量を決定することがで
きる。
【0067】図16の(a)は、刷版面積率計測装置を
用いた場合、(b)は、デジタル化された絵柄データを
用いた場合の処理フローを示している。また、(c)
は、処理フローに対応した説明図を示している。まず、
(a)の場合には、印刷機の外部において、前述した刷
版面積率計測装置により、刷版からゾーン毎の面積率が
計測され(図16のステップS1)、それが面積率入力
回路112を介して入力される(図16のステップS
2)。図の(c−1)は、印刷しようとする絵柄の例を
示した図である。また、(c−2)は、計測されたゾー
ン毎の面積率を図示したものであり、棒グラフの高さが
ゾーンの面積率を表している。
【0068】次に、往復運動タイミング/往復量演算装
置110'において、入力されたゾーン毎の面積率か
ら、面積率差が計算される(図16のステップS3)。
面積率差とは、隣接するゾーンの面積率との差異であ
り、その値を微分値として求めても良い。図の(c−
3)は、算出されたゾーン毎の面積率差を示した図であ
る。
【0069】ゾーン毎の面積率差が求められると、往復
運動タイミング/往復量演算装置110'は、それらの
値の中から最大値を選択し、その最大値と予め求められ
た面積率差/往復量決定関数から、対応する往復量を求
め、その値を最適な往復量として決定する(図16のス
テップS4)。そして、この決定された往復量に基づい
て、往復量変更モータ(モータ15)が制御されること
になる。図の(c−4)は、面積率差/往復量決定関数
による面積率差と往復量の関係を図示した例である。
【0070】図の(b)に示す絵柄データを用いる場合
には、絵柄データを直接、面積率入力回路112へ入力
し、そこで所定幅のゾーン毎の面積率を算出する(図1
6のステップS2')。それ以降の処理内容に付いては、
(a)に示した場合と同様である。
【0071】以上説明したように、第二の実施例にかか
る印刷機を用いることにより、より適切な往復量による
往復運動が可能となり、また印刷機運転の自動化も進
み、印刷機の生産性を更に向上させることができる。
【0072】次に、本発明を適用した印刷機の第三の実
施例について説明する。第三の実施例にかかる印刷機
は、往復駆動機構21内にクラッチを設け、印刷機運転
中の任意のタイミングで往復ローラ6の往復運動をオン
/オフしようとするものである。印刷機全体の構成は、
第一及び第二の実施例の場合と同様である。
【0073】図17は、第三の実施例の往復駆動機構に
おける往復駆動の起点である偏心装置の構成図である。
第一の実施例および第二の実施例の構成においては、回
転駆動源1からクランク機構で回転から揺動に変更した
後、その揺動量を変更できる機構であったが、本実施例
では、回転駆動源1と偏心ピン9の間にクラッチを設
け、偏心ピン9の駆動を断・続できるようにしている。
【0074】図17に示すように回転駆動を回転軸32
で受ける回転駆動源1に固設した駆動板31に電磁クラ
ッチ30を取り付け、クランク2の円盤部との間で電磁
クラッチ30の接続・断続が行われる。クランク2は軸
32に対して回転自在に軸支されている。クランク2に
固設した偏心ピン9から往復ローラ6を往復動させる機
構は従来と同様になっている。なお、この例では電磁ク
ラッチ30をクランク部に設けたが、往復駆動機構21
の他の位置に設置する装置としてもよい。
【0075】図18は、第三の実施例に係る印刷機にお
ける制御装置100の主要部分のブロック図である。第
一及び第二の実施例の場合と比較し、往復運動制御部1
20における制御のみが異なる。本実施例の印刷機で
は、往復ローラ6の往復量は変更することができないた
め、往復量記憶装置109等はなく、往復運動のタイミ
ングを設定する運転条件入力回路108のみが設けられ
る。往復運動タイミング演算装置113では、第一及び
第二の実施例の場合と同様、運転条件入力回路108か
らの設定されたタイミングと印刷機タイミング制御回路
101からのタイミング信号に基づいて、往復運動のタ
イミングを決定し、そのタイミングのみを往復運動指令
として、クラッチ制御回路114へ伝達する。クラッチ
制御回路114は、その指令に基づいて前記電磁クラッ
チ30を制御し、設定された所定のタイミングでの往復
運動のオン/オフを実行させる。
【0076】以上説明した第三の実施例にかかる印刷機
では、往復ローラ6の往復量は固定であるが、印刷機の
各運転時において任意のタイミングで往復運動を実施す
ることが可能となる。また、往復運動を瞬時にオン/オ
フさせることができると共に、装置をコンパクトにでき
るという効果もある。なお、第三の実施例にかかる印刷
機においても、第一の実施例の場合と同様、印刷運転時
だけでなく事前運転時及びインキ洗浄運転時において往
復ローラ6の往復運動を利用することができる。
【0077】以上、第一から第三の実施例に基づいて説
明したように、本発明を適用した印刷機では、損紙や印
刷品質上の問題の発生を押さえるために、インキローラ
の往復運動を任意のタイミングと往復量で実施すること
が可能となり、印刷機の生産性の向上を図ることができ
る。
【0078】本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に
限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均
等物に及ぶものである。
【0079】
【発明の効果】以上添付図にしたがって説明したよう
に、本発明では以下のような効果を有する。
【0080】第一に、インキローラをその軸方向に往復
運動させる往復駆動機構に変換レバーを設け、そのピン
の相対位置を変更できる機構とすることにより、印刷機
の運転中においても往復ローラの往復量を任意に変更す
ることが可能となる。
【0081】第二に、前記変換レバーのピンの相対位置
を変更させる機構で、変換レバーの入力側ピンと出力側
ピンの相対位置を固定にし、揺動支点ピンの入力側ピン
と出力側ピンに対する相対位置を変更させることによ
り、往復ローラの往復量を減少させる場合には、相対位
置の変化量に対する往復ローラの往復量の減少量が大き
いため、往復ローラの往復量を急速に減少させられる効
果がある。
【0082】第三に、前記変換レバーのピンの相対位置
を変更させる機構で、変換レバーの入力側ピンと揺動支
点ピンの相対位置を固定にし、出力側ピンの入力側ピン
と揺動支点ピンに対する相対位置を変更させることによ
り、往復ローラの往復運動を増加させる場合に、相対位
置の変化量に対する往復ローラの往復量の増加量が大き
いため、往復ローラの往復量を急速に増加させられる効
果がある。
【0083】第四に、往復ローラの往復運動を所定の時
間に、所定の往復量で実行させる様に制御する制御装置
を設けることにより、往復ローラの往復運動を、印刷機
の各運転時において適切に利用することができるように
なり、損紙の減少、印刷品質の向上を図れるとういう効
果がある。
【0084】第五に、往復ローラの往復運動を実行させ
る時間を入力するための入力回路と、往復運動の往復量
を記憶する記憶装置を設けることにより、運転中の往復
運動の時間と往復量を事前に設定しておくことが可能と
なる。
【0085】第六に、往復ローラの往復量を印刷しよう
とする絵柄の面積率から決定することにより、各印刷に
おいて適切な往復量での往復運動が可能となり、より効
率的な印刷機運転を行うことができる。
【0086】第七に、印刷しようとする絵柄のゾーン毎
の面積率の差から往復量を決定することにより、適切な
往復量での往復運動が可能となる。
【0087】第八に、往復ローラの往復運動を、印刷前
の事前運転時に利用することにより、事前に印刷時の適
正なインキ膜の状態を形成でき、また、リンギングの発
生も防止できる。従って、印刷開始直後から良好な印刷
を行うことができるという効果がある。
【0088】第九に、印刷開始時に、往復ローラの往復
運動を胴入れの前から開始することにより、事前運転時
に形成した適正なインキ膜の状態を保持でき、印刷開始
直後から良好な印刷を行うことができるという効果があ
る。
【0089】第十に、往復ローラの往復運動を、インキ
洗浄運転時に利用することにより、洗浄効果を大きくで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施例に係る印刷機における往復ローラ
の往復駆動機構を説明するための正面図である。
【図2】図1のA視図である。
【図3】第一の実施例に係る往復駆動機構の部分的な構
成図(斜視図)である。
【図4】図1において往復量をゼロにしたときの部分図
である。
【図5】図4のB−B視図である。
【図6】図4のC−C視図である。
【図7】第一の実施例に係る往復駆動機構の他の例を示
した構成図(斜視図)である。
【図8】図7において、往復量をゼロにした状態を表し
た図である。
【図9】往復ローラ6側へ伝達する揺動量を変更するた
めの原理について、図1に示した例と図7に示した例の
相違を模式的に示した図ある。
【図10】第一の実施例に係る印刷機における制御装置
100の主要部分のブロック図である。
【図11】第一の実施例に係る印刷機の印刷開始時にお
ける動作フローの主要部分を示した図である。
【図12】事前運転時における往復運動のタイムスケジ
ュールを示した図である。
【図13】印刷運転時における往復運動のタイムスケジ
ュールを示した図である。
【図14】インキ洗浄運転時における往復運動のタイム
スケジュールを示した図である。
【図15】第二の実施例に係る印刷機における制御装置
100の主要部分のブロック図である。
【図16】第二の実施例における往復量の決定までの処
理フローを示した図である。
【図17】第三の実施例の往復駆動機構における往復駆
動の起点である偏心装置の構成図である。
【図18】第三の実施例に係る印刷機における制御装置
100の主要部分のブロック図である。
【図19】印刷機の全体構成を示した図である。
【図20】印刷装置46のローラ群の拡大図である。
【図21】印刷装置46のインキローラ群17と版胴1
8の拡大図である。
【図22】往復ローラ6の駆動機構を示した図である。
【図23】図22のD視図である。
【符号の説明】
1回転駆動源 2クランク 3リンク(A) 4レバー(A) 5軸受 6往復ローラ 7ボビン 8ローラフォロワ 9偏心ピン 10変換レバー 11支点ピン 12リンク(B) 13リンク(C) 14ピン移動機構 15モータ 16位置検出器 17インキローラ群 18版胴 19ブランケット胴 20シート 21往復駆動機構 22ピン(A) 23ピン(B) 24直線軸受 25調節部材 26移動ねじ 27ガイド 28ピン(C) 29支点軸 30電磁クラッチ 31駆動板 32回転軸 33ピン(D) 34レバー(B) 35ピン(E) 36ピン(F) 37ピン(G) 38リンク(D) 39支柱 40長溝 45 給紙装置 46 印刷装置 47 搬送装置 48 排紙装置 50 操作釦 51 検紙センサ 52 ローラ回転駆動装置 53 インキ供給装置 54 胴着駆動装置 100 制御装置 101 印刷機タイミング制御回路 102 給紙制御回路 103 搬送制御回路 104 排紙制御回路 105 ローラ回転制御回路 106 インキ供給制御回路 107 胴着制御回路 108 運転条件入力回路 109 往復量記憶装置 110 往復運動タイミング/往復量演算装置 111 往復運動制御回路 112 面積率入力回路 113 往復運動タイミング演算装置 114 クラッチ制御回路 120 往復運動制御部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インキローラをその軸方向に往復運動させ
    る往復駆動機構を有する印刷機において、 該往復駆動機構が、 回転駆動源からの回転運動を往復運動に変換し該インキ
    ローラへ伝達する運動伝達機構と、 該運動伝達機構内に配置され、揺動支点ピンと、入力側
    ピンと、出力側ピンとで構成されるレバーと、 該レバーの該揺動支点ピンと該入力側ピンと該出力側ピ
    ンの相対位置を変更するピン相対位置変更機構を有する
    ことを特徴とする印刷機。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記レバーの入力側ピンと出力側ピンの相対位置を固定
    にし、 前記ピン相対位置変更機構が、前記レバーの揺動支点ピ
    ンの該入力側ピンと該出力側ピンに対する相対位置を変
    更させることを特徴とする印刷機。
  3. 【請求項3】請求項1おいて、 前記レバーの入力側ピンと揺動支点ピンの相対位置を固
    定にし、 前記ピン相対位置変更機構が、前記レバーの出力側ピン
    の該入力側ピンと該揺動支点ピンに対する相対位置を変
    更させることを特徴とする印刷機。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれかにおい
    て、更に、 前記印刷機の運転中の所定の時間に、所定の往復量で、
    前記インキローラの往復運動を実行させる様に前記ピン
    相対位置変更機構を制御する制御装置を有することを特
    徴とする印刷機。
  5. 【請求項5】請求項4おいて、 前記制御装置が、 前記所定の時間を入力する入力回路と、 前記所定の往復量を記憶する記憶装置と、 前記印刷機の各装置の駆動タイミング信号と、該入力回
    路からの信号と、該記憶装置に記憶された往復量に基づ
    いて、前記ピン相対位置変更機構を制御するための信号
    を発する演算装置を有することを特徴とする印刷機。
  6. 【請求項6】請求項4において、 前記所定の往復量が、印刷する絵柄の面積率に基づいて
    決定されることを特徴とする印刷機。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記面積率が、前記絵柄を印刷の幅方向に一定間隔で分
    割してできる複数の領域毎に求められ、 前記制御装置が、 該領域毎に、該領域の面積率と隣接する領域の面積率と
    の面積率差を求め、 該求められた複数の面積率差の中から値が最大となる最
    大面積率差を選択し、 該最大面積率差と、予め定められた面積率差と往復量と
    の関係から、前記所定の往復量を決定することを特徴と
    する印刷機。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれかにおい
    て、 前記印刷機の印刷運転の前に行われる事前運転時におい
    て、 前記インキローラの往復運動を実行させることを特徴と
    する印刷機。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項7のいずれかにおい
    て、 前記印刷機の印刷運転時において、 前記インキローラの往復運動を、前記印刷機の胴入れよ
    り前から開始させることを特徴とする印刷機。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項7のいずれかにおい
    て、 前記印刷機のインキ洗浄運転時において、 前記インキローラの往復運動を実行させることを特徴と
    する印刷機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012174434A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Toshiba Corp 電池の製造方法

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