JP2000515079A - 燃料タンク、および該燃料タンクの製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 プラスチック製の燃料タンクが、上方の閉鎖壁（８）を有する上方のプラスチック製シェル（１）と、底部（７）を形成する下方のプラスチック製シェル（２）とを互いに溶接することによって形成されている。両方のプラスチック製シェル（１，２）は射出成形法により製造されている。燃料タンク内において上方の閉鎖壁（８）と底部（７）との間に正確な間隔を維持するために、溶接時に当接するスペーサ部材（９）が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 燃料タンク、および該燃料タンクの製造法 本発明は、上側の閉鎖壁と底部とを備えた形式のプラスチック製の燃料タンク に関する。さらに本発明は、このような燃料タンクの製造法に関する。 自動車に用いられるプラスチック製の燃料タンクは、今日ではブロー成形法に より製造される。従って、このような燃料タンクは確かに安価に形成できるがも のの、しかしながら比較的大きい許容誤差の偏差を甘受せねばならない。一連の 燃料タンクにおいて底部と上側の閉鎖壁との間隔が異なっていると、特に不利で ある。なぜならば、全容積を算出した場合に相応の偏差が生じる恐れがあるから である。燃料タンクをブロー成形法で製造する場合には、燃料タンクに必要な組 付け部材の取付けにも困難が伴う。なぜならば、これらの組付け部材は、比較的 狭い横断面を有する注入口、または組付け開口を介して、導入されねばならない からである。 本発明の課題は、冒頭に述べた形式の燃料タンクを改良して、組付け部材を燃 料タンク内にできるだけ簡単に組み付けることができ、かつ、上方の閉鎖壁と底 部との間隔においてできるだけ小さい許容誤差を維持することができる燃料タン クを提供することであり、 さらに、このような燃料タンクの製造法を考案することである。 最初に述べた課題を解決するために、本発明によれば、燃料タンクが、上方の 閉鎖壁を有する上方のプラスチック製シェルと、底部を形成する下方のプラスチ ック製シェルとを互いに溶接することによって形成されており、両方のプラスチ ック製シェルが射出成形法により製造され、燃料タンク内において上方の閉鎖壁 と底部との間に正確な間隔を維持するために、溶接時に当接し合うスペーサ部材 が設けられているようにした。 このような燃料タンク内に、組付け部材を射出成形前に、これらの組付け部材 の最終位置に一体成形することができるので、注入口または組付け開口を介して 後から行う困難な取付けが省略される。スペーサ部材によって、両プラスチック 製シェルを、溶接時に常に正確に等しく離して互いに押圧することができるので 、製造許容誤差とは無関係に、底部と上方の閉鎖壁との間に常に等しい間隔が生 ぜしめられ、このことは仝容積を正確に規定するために有利である。 スペーサ部材が上方のプラスチック製シェルおよび／または下方のプラスチッ ク製シェルに一体成形される場合には、スペーサ部材を、これらのプラスチック 製シェルの製造と一緒に一作業工程で安価に形成することができる。 しかしながら択一的には、スペーサ部材を、プラスチック製シェルを互いに溶 接する前に、これらのプラスチック製シェル内に挿入可能な別体の構成部材とし て形成することも可能である。 本発明のさらに別の構成に基づき、スペーサ部材が、プラスチック製シェルを 形状結合的に結合するために形成されている場合には、これらのプラスチック製 シェルは溶接時に、強制的に互いに正確に整列させられる。 第２の課題を解決するため、すなわち前記した特徴を備えた燃料タンクの製造 法を達成するために、本発明によれば、まず最初に上方のプラスチック製シェル 、および下方のプラスチック製シェルを射出成形法で製造し、次いでこれらのプ ラスチック製シェルを、各プラスチック製シェルの周方向に延びる溶接縁部の領 域に加熱素子を介在させて積み重ね、次いでこれらの溶接縁部を、前記加熱素子 により加熱し、溶接縁部を加熱した後に前記加熱素子を取り除き、次いで、燃料 タンク内に配置されたスペーサ部材が当接するまで、プラスチック製シェルを互 いに押圧し合うようにした。 このような燃料タンクは極めて安価に製造可能であり、かつ、組付け部材を既 に燃料タンクの製造時にプラスチックに位置決めすることができる。スペーサ部 材により、プラスチック製シェルを圧接によって互い に結合させることができる。 プラスチック製シェルの溶接縁部がそれぞれ、外向きに方向付けられたフラン ジ状の縁部によって形成されていて、かつ、プラスチック製シェルを圧接するた めに、ペンチが、互いに重なり合った両方のフランジ状の縁部を覆って係合する と、プラスチック製シェルの接合を、汎用の形式で申し分なく行うことができる 。 本発明においては複数の実施例が可能である。本発明の基本原理をさらに明確 にするために、図面には、製造段階における燃料タンクの縁部領域が示されてお り、かつ、この縁部領域を以下に説明する。 図面に示された燃料タンクは、上方のプラスチック製シェル１と、下方のプラ スチック製シェル２とから構成されており、両方のプラスチック製シェルは射出 成形法で製造されていて、かつ、図示を省いた組付け部材に組み付けることがで きる。両プラスチック製シェルは、外向きに方向付けられたフランジ状の縁部３ ，４を有している。図示の位置では、これらの縁部３，４間に加熱素子５が設け られている。この加熱素子５によって縁部３，４の領域におけるプラスチックを 、このプラスチックが軟らかくなるまで加熱し、次いで加熱素子５を後方へ引っ ぱり、引き続き、縁部３，４を例えばペンチ６で圧縮するので、これらの縁部３ ，４は互いに溶接し合う。ペンチ６として示された部 材も別の加熱装置であってよい。前記圧縮は、別の形式で構成されたペンチで以 て行われるか、または、完全に別の形式で行われてもよい。 本発明にとって重要な点は、下方のプラスチック製シェル２の底部７が上方の プラスチック製シェル１の上方の閉鎖壁８から正確な間隔を維持するように、プ ラスチック製シェル１，２の相互間隔を正確に維持することである。このために 、プラスチック製シェル１，２の圧縮時に相互に接触し合うスペーサ部材９が使 用される。図示の実施例では、スペーサ部材９は、上方のプラスチック製シェル １に一体成形された、下向きに突出したステー１０と、下方のプラスチック製シ ェル２に一体成形された上向きのステー１１とから構成されている。ステー１１ の端面には切欠き１２が設けられており、この切欠き内へ、上方のステー１０の 下方の端面に設けられたピン１３が合致する。ピン１３は、完成した状態では、 切欠き１２内に形状結合的に係合している。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年７月２８日（１９９８．７．２８） 【補正内容】 請求の範囲 １．上側の閉鎖壁と底部とを備えた形式のプラスチック製の燃料タンクにおい て、 燃料タンクが、上方の閉鎖壁（８）を有する上方のプラスチック製シェル（１ ）と、底部（７）を形成する下方のプラスチック製シェル（２）とを互いに溶接 することによって形成されており、両方のプラスチック製シェル（１，２）が射 出成形法により製造され、燃料タンク内において上方の前記閉鎖壁（８）と前記 底部（７）との間に正確な間隔を維持するために、溶接継ぎ目の領域に、溶接時 に当接し合うスペーサ部材（９）が設けられていることを特徴とする、燃料タン ク。 ２．スペーサ部材（９）が、上方のプラスチック製シェル（１）、および／ま たは下方のプラスチック製シェル（２）に一体成形されている、請求項１記載の 燃料タンク。 ３．スペーサ部材（９）が、プラスチック製シェル（１，２）を互いに溶接す る前にこれらのプラスチック製シェル内に取付け可能な別個の構成部材として形 成されている、請求項１または２記載の燃料タンク。 ４．スペーサ部材（９）が、プラスチック製シェル（１，２）を形状結合的に 結合させるために形成されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の燃 料タンク。 ５．燃料タンクの製造法において、 まず最初に上方のプラスチック製シェルおよび下方のプラスチック製シェルを 射出成形法で製造し、次いでこれらのプラスチック製シェルを、各プラスチック 製シェルの周方向に延びる溶接縁部の領域に加熱素子を介在させて積み重ね、次 いでこれらの溶接縁部を、前記加熱素子により加熱し、溶接縁部を加熱した後に 前記加熱素子を取り除き、次いで、燃料タンク内に配置されたスペーサ部材が互 いに当接するまで、プラスチック製シェルを互いに押圧し合うことを特徴とする 、燃料タンクの製造法。 ６．プラスチック製シェルの溶接縁部をそれぞれ、外向きに方向付けられたフ ランジ状の縁部によって形成し、これらのプラスチック製シェルを溶接して結合 するために、ペンチが、互いに重なり合った両方のフランジ状の縁部を覆って係 合する、請求項５記載の方法。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．上側の閉鎖壁と底部とを備えた形式のプラスチック製の燃料タンクにおい て、 燃料タンクが、上方の閉鎖壁（８）を有する上方のプラスチック製シェル（１ ）と、底部（７）を形成する下方のプラスチック製シェル（２）とを互いに溶接 することによって形成されており、両方のプラスチック製シェル（１，２）が射 出成形法により製造され、燃料タンク内において上方の前記閉鎖壁（８）と前記 底部（７）との間に正確な間隔を維持するために、溶接時に当接し合うスペーサ 部材（９）が設けられていることを特徴とする、燃料タンク。 ２．スペーサ部材（９）が、上方のプラスチック製シェル（１）、および／ま たは下方のプラスチック製シェル（２）に一体成形されている、請求項１記載の 燃料タンク。 ３．スペーサ部材（９）が、プラスチック製シェル（１，２）を互いに溶接す る前にこれらのプラスチック製シェル内に取付け可能な別個の構成部材として形 成されている、請求項１または２記載の燃料タンク。 ４．スペーサ部材（９）が、プラスチック製シェル（１，２）を形状結合的に 結合させるために形成されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の燃 料タンク。 ５．燃料タンクの製造法において、 まず最初に上方のプラスチック製シェルおよび下方のプラスチック製シェルを 射出成形法で製造し、次いでこれらのプラスチック製シェルを、各プラスチック 製シェルの周方向に延びる溶接縁部の領域に加熱素子を介在させて積み重ね、次 いでこれらの溶接縁部を、前記加熱素子により加熱し、溶接縁部を加熱した後に 前記加熱素子を取り除き、次いで、燃料タンク内に配置されたスペーサ部材が互 いに当接するまで、プラスチック製シェルを互いに押圧し合うことを特徴とする 、燃料タンクの製造法。 ６．プラスチック製シェルの溶接縁部をそれぞれ、外向きに方向付けられたフ ランジ状の縁部によって形成し、これらのプラスチック製シェルを溶接して結合 するために、ペンチが、互いに重なり合った両方のフランジ状の縁部を覆って係 合する、請求項５記載の方法。