JP2000511270A - 永久磁石付き連続乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特に連続シート材用の乾燥機であって、被乾燥材（９）に熱を与える表面を少なくとも含み、回転シリンダ（１）よって誘導される渦電流により加熱される金属プレートあるいは金属ドラム（７）より形成された乾燥機であって、該回転シリンダは該プレートに近接して配置され、複数の永久磁石（５）により外側を覆われた乾燥機。この誘導加熱システムにより、本発明の乾燥機は従来の複雑で制御が困難な、通常電気抵抗ユニット、あるいは、蒸気ユニットのような加熱ユニットをもはや必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】 永久磁石付き連続乾燥機 発明の説明 本発明は、永久磁石付き連続乾燥機、特に、連続シート材用の乾燥機に関し、 該乾燥機においては、乾燥熱が、プレートあるいは金属ドラムにおいて、複数の 永久磁石を含む回転シリンダにより誘導される渦電流（フーコー電流ともいう） により発生するものである。 連続乾燥機は、一つあるいはそれ以上の加熱金属表面を含むことが知られてい る。該表面は、通常平面状あるいは円筒形であって、該表面上を移動される被乾 燥材に熱を与える。連続運転乾燥機は、特に繊維産業及び紙産業において、それ ぞれ繊維や印刷シートを乾燥するために使用されている。公知の乾燥機において は、被乾燥材は、伝導、対流、あるいは、放射といった手段により加熱される。 これら３種類の手段でそれぞれ加熱される乾燥機は、可燃性であることが多い被 乾燥材を過熱せずにすばやく乾燥するのに適した特定量の熱エネルギーを供給す る、例えば電気ユニット、あるいは、蒸気ユニットのようなユニットをそれぞれ 有することが必要である。したがって、公知の乾燥機は、非常に複雑であり、絶 え 間ないメンテナンスを必要とし、更に、非常に多量のエネルギーを消費する。 したがって、本発明の目的は、こうした不利益の無い乾燥機、即ち、被乾燥材 への熱エネルギーの供給を容易に調整できる簡単な製品である乾燥機を提供する ことである。この目的は、被乾燥材に熱を与える表面を少なくとも含む連続乾燥 機であって、該表面は、回転シリンダにより誘導される渦電流により加熱される 金属プレートを含んでなり、該回転シリンダは、該金属プレートに近接して配置 され、且つ、複数の永久磁石により外側を覆われていることを特徴とする乾燥機 により達せられる。 本発明の乾燥機においては、磁気誘導により熱が生じるので、従来の複雑で制 御が困難な加熱ユニットはもはや必要ではない。したがって、本発明の乾燥機は 、使用及びメンテナンスの両方に関し、従来の乾燥機と比べて顕著に向上してい る。 本発明の乾燥機の他の諸利益並びに諸特徴は、添付の図面を参照しながら述べ る次の詳細な説明の記載から明らかになる。 図面において： 図１は、本発明の乾燥機の一つの態様を示す長手方向の概略断面図であり； 図２は、図１の乾燥機の概略横断面図であり； 図３は、本発明の乾燥機のもう一つの態様を示す概略断面図であり； 図４は、乾燥機の磁気シリンダの一つの態様を示す概略側面図であり；そして 図５は、乾燥機の磁気シリンダのもう一つの態様を示す概略側面図である。 図１及び図２を参照して説明すると、本発明の一つの態様による乾燥機は、好 ましくは強磁性鋼でできているシリンダ１を含み、シリンダの基部上には、二つ の軸受(roller bearing)３，３’に回転できるように支持された二本の軸２，２ ’がシリンダと同軸に固定されている。一方の軸は、公知の制御手段(図示して いない)により回転速度が調整できるモータ４に連結している。 複数の永久磁石５は、好ましくは平行六面体形状であって、高い磁気誘導及び 残留保磁力を有する、例えばネオジム永久磁石のような磁石である。そして、該 複数の永久磁石５は、回転シリンダ１の外表面上に規則的間隔をもって、且つ、 交番極性をもつように配設されている。永久磁石５の“市松模様”配列は、図３ において明らかに認識できるように、一つの磁石から生じて隣接した磁石に戻る 磁束線を発生させ、その結果、磁束線は全て連結する。この磁石の配列により、 高強度で均一な磁場が回転シリンダ１のまわりに得られる。永久磁石５は、好ま しくは絶縁材料層６を介して互いに分離さ れて配設されている。 電導性材料でできたドラム７は、アルミニウムでできていることが好ましく、 複数のローラ８により回転可能に軸２，２’に取付けられ、回転シリンダ１の外 側に同軸に配置されている。ドラム７の内表面は、永久磁石５から最短の位置に 適切に配置されている。このように、磁石５とドラム７との間の距離が小さいの で、磁束線の殆ど全部がドラム７を通り、ドラム７を通らないで隣在する交番磁 極間で直接短絡してしまう磁束線によって起きる磁気分散が極めて少ないので、 十分に高い熱効率が得られる。被乾燥材９は、通常、連続紙シート、織物の連続 片、あるいは、その他の捲面材料であって、ドラム７のまわりに、そのドラムの 周囲長さの約半分の長さだけ捲面されている。 ドラム７の２つの端部の、好ましくはモータ４の反対側の一端部は、歯車１１ と係合した歯部１０を有する。歯車１１は、油圧回路１３によりオイルタンク１ ４と油流用絞り弁１５とに直列に接続した油圧ポンプ１２のハブに連結している 。該回路は更に絞り弁１５と並列に接続した安全弁１６を含み、該安全弁は、油 圧回路１３内に突然の圧力変化があった場合、それを補償するように作動する。 使用中、シリンダ１と磁石５はモータ４により定速で回転し、よって回転磁場 を生ずる。レンツの法則にしたがい永久磁石５により磁力が誘導されるので、ド ラム７はシリンダ１ の回転と同方向に、被乾燥材９を引張りながら回転する。絞り弁１５を操作する ことにより、油圧回路１３内の油流を調整でき、したがって、ドラム７の歯部１ ０と係合した歯車１１により作動するポンプ１２の作用に必要なエネルギーを調 整できる。そのため、絞り弁１５の開閉により、シリンダ１の回転速度に従がう ドラム７の回転速度に対する油圧回路１３の制動作用を調節することができる。 したがって、このドラムは、シリンダ１の相対的な回転により生ずる回転磁場に よって誘導される渦電流によりその温度が上がる。 モータ４及び絞り弁１５を作動することにより、シリンダ１及びドラム７の回 転速度をそれぞれ制御することができ、よって、被乾燥材に供給する熱エネルギ ーを非常に正確に調整できる。また、この供給は、被乾燥材９の前進速度に関係 なく一定に維持できる。実際、外部要因により、被乾燥材９の前進速度を増減す ることが必要な場合でさえ、シリンダ１の回転速度を増減することで、供給する 熱を調節することができるだろう。上記のタイプの制動システムを使用すること により、どれくらいの磁気エネルギーを動力に変換し、且つ、熱に変換するかを 正確にセットすることができ、よって、乾燥機の効率の適正化ができる。 図３を参照して説明すると、本発明のもう一つの態様による乾燥機においては 、加熱表面は、ドラムに変わり、ドラムと同様に好ましくはアルミニウムででき ている平面状のシー ト７を含み、シリンダ１に対して正接位置に水平に配置されている。このタイプ の乾燥機は、上記した好ましい態様より技術的に簡単であるが、被乾燥材に供給 される熱量は、シリンダ１の回転速度と被乾燥材の前進速度とを同時に調整する ことによってのみ調整可能である。そのため、乾燥操作は被乾燥材の前進速度か らもはや独立できず、依存することになる。 本発明のもう一つの態様による乾燥機おいては、もし磁石によって生ずる磁場 が、シリンダ１の回転中に可変でなるようにしさえすれば、回転シリンダ上の永 久磁石を、上記及び図４に示した方法、即ち、規則的間隔をもって、且つ、交番 極性をもつような方法ではなく、もう一つの方法、例えば図５に示すように、水 平線上に、且つ、交番極性をもつような方法で配設することが可能である。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年５月２５日（１９９８．５．２５） 【補正内容】 間ないメンテナンスを必要とし、更に、非常に多量のエネルギーを消費する。 GB-A-2083729には、磁石を有する磁気回転子により誘導される渦電流によって 加熱される強磁性ロール殼(roll shell)を含む乾燥機が開示されている。この種 の乾燥機は、上記の乾燥機より比較的簡単である。しかしながら、この乾燥機で は、強磁性ロールを通らないで隣在する交番磁極間で直接短絡してしまう磁束線 によって起きる磁気分散が著しいので、その熱効率が低いという欠点がある。 したがって、本発明の目的は、こうした不利益の無い乾燥機、即ち、被乾燥材 への熱エネルギーの供給を容易に調整できる簡単な製品である乾燥機を提供する ことである。この目的は、被乾燥材に熱を与える表面を少なくとも含む連続乾燥 機であって、該表面は、回転シリンダにより誘導される渦電流により加熱される 金属プレートを含んでなり、該回転シリンダは、該金属プレートに近接して配置 され、且つ、複数の永久磁石により外側を覆われていることを特徴とする乾燥機 により達せられる。 本発明の乾燥機においては、磁気誘導により熱が生じるので、従来の複雑で制 御が困難な加熱ユニットはもはや必要ではない。したがって、本発明の乾燥機は 、使用及びメンテナンスの両方に関し、従来の乾燥機と比べて顕著に向上してい る。 本発明の乾燥機の他の諸利益並びに諸特徴は、添付の図面を参照しながら述べ る次の詳細な説明の記載から明らかになる。 図面において： 図１は、本発明の乾燥機の一つの態様を示す長手方向の概略断面図であり； 図２は、図１の乾燥機の概略横断面図であり； 請求の範囲 １．被乾燥材(9)に熱を与え、且つ、回転シリンダ(1)によリ誘導される渦電流に より加熱される少なくとも一つの金属プレート(7)を含み、該回転シリンダは、 該金属プレートに近接して配置され、且つ、複数の永久磁石(5)により外側を覆 われた連続乾燥機であって、 複数の永久磁石(5)が回転シリンダ(1)の表面上に縦横に並列に配設され、交番 極性をもつことを特徴とする連続乾燥機。 ２．複数の永久磁石(5)が、縦横に並列に互いに規則的間隔をもって配設されて いることを特徴とする請求項1に記載の乾燥機。 ３．複数の永久磁石が(5)、絶縁材料(6)を介して互いに分離されて配設されてい ることを特徴とする請求項１又は２に記載の乾燥機。 ４．回転シリンダ(1)が、可変速式モータ(4)により駆動されることを特徴とする 請求項1〜３のいずれかに記載の乾燥機。 ５．金属プレート(7)が、平面状であることを特徴とする請求項1〜４のいずれか に記載の乾燥機。 ６．金属プレート(7)が、回転シリンダ(1)に対し、水平且つ正接に配置されてい ることを特徴とする請求項５に記載の乾燥機。 ７．金属プレート(7)が、回転シリンダ(1)のまわりに同軸に配置されたドラムを 形成するように湾曲していることを特徴とする請求項1〜４のいずれかに記載の 乾燥機。 ８．ドラム(7)が、複数の永久磁石(5)により生ずる磁気誘導により回転可能であ り、ドラム(7)の回転速度は制動手段により調整されることを特徴とする請求項 ７に記載の乾燥機。 ９．ドラム(7)の一方の外端部が、上記制動手段に接続した歯車(11)と係合した 歯部(10)を有していることを特徴とする請求項８に記載の乾燥機。 １０．上記制動手段が、油圧回路(13)により、オイルタンク(14)と油流用絞り弁 (15)とに直列に連結した油圧ポンプ(12)を含んでなることを特徴とする請求項９ に記載の乾燥機。 １１．油圧回路(13)が、絞り弁(15)に対し並列に連結した安全弁(16)を含むこと を特徴とする請求項１０に記載の乾燥機。 １２．永久磁石(5)が、ネオジムを含む材料で作られていることを特徴とする請 求項1〜１１のいずれかに記載の乾燥機。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ， ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，Ｎ Ｚ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ， ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．被乾燥材（９）に熱を与える表面を少なくとも含む連続乾燥機であって、 該表面は、回転シリンダ（１）により誘導される渦電流により加熱される金 属プレート（７）を含んでなり、該回転シリンダは、該金属プレートに近接して 配置され、且つ、複数の永久磁石（５）により外側を覆われていることを特徴と する連続乾燥機。 ２．複数の永久磁石（５）が、回転シリンダ（１）の外表面上に、規則的間隔を もって、且つ、交番極性をもつように配設されていることを特徴とする請求項１ に記載の乾燥機。 ３．複数の永久磁石（５）が、回転シリンダ（１）の外表面上で、交番極性をも つよう水平線上に配設されていることを特徴とする請求項１に記載の乾燥機。 ４．複数の永久磁石が（５）、絶縁材料（６）を介して互いに分離されて配設さ れていることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の乾燥機。 ５．回転シリンダ（１）が、可変速式モータ（４）により駆 動されることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の乾燥機。 ６．金属プレート（７）が、平面状であることを特徴とする請求項１〜５のいず れかに記載の乾燥機。 ７．金属プレート（７）が、回転シリンダ（１）に対し、水平且つ正接に配置さ れていることを特徴とする請求項６に記載の乾燥機。 ８．金属プレート（７）が、回転シリンダ（１）のまわりに同軸に配置されたド ラム（７）を形成するように湾曲していることを特徴とする請求項１〜５のいず れかに記載の乾燥機。 ９．ドラム（７）が、複数の永久磁石（５）により生ずる磁気誘導により回転可 能であり、ドラム（７）の回転速度は制動手段により調整されることを特徴とす る請求項８に記載の乾燥機。 １０．ドラム（７）の一方の外端部が、上記制動手段に接続した歯車（１１）と 係合した歯部（１０）を有していることを特徴とする請求項９に記載の乾燥機。 １１．上記制動手段が、油圧回路（１３）により、オイルタンク（１４）と油流 用絞り弁（１５）とに直列に連結した油圧ポンプ（１２）を含んでなることを特 徴とする請求項１０に記載の乾燥機。 １２．油圧回路（１３）が、絞り弁（１５）に対し並列に連結した安全弁（１６ ）を含むことを特徴とする請求項１１に記載の乾燥機。 １３．永久磁石（５）が、ネオジムを含む材料で作られていることを特徴とする 請求項１〜１２のいずれかに記載の乾燥機。