JP2000507126A - 局所的に流体の方向付け排水を行う吸収性物品と方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 吸収性物品10は、前部分12、後部分14、前部分と後部分の間に配置された中央部分16、吸収性物品10を使用するとき着用者の人体に向かって配置される上側の液体透過層18、人体から離れて配置される液体不透過層20、液体透過層18と液体不透過層20の間に配置され前部分12から後部分14へ延びる液体分配層22、液体不透過層20と液体分配層22の間に配置される液体保管層24を備える。吸収性物品10は、流体を液体分配層22から少なくとも液体分配層22の前部分12と後部分14に配置された部分に移送する手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】 局所的に流体の方向付け排水を行う吸収性物品と方法 本発明は、局所的に放出された流体の目標を定めた移送を行う吸収性物品と方 法に関する。 吸収性物品は長い間衛生用品として知られている。それらは、例えばおしめ、 失禁用パッド、または生理用ナプキンとして使用される。このような吸収性物品 は、尿、月経分泌液即ち血液等の液体の人体滲出物を吸収し、保持するように設 計されている。例えば、生理用ナプキンは、月経期間とその前後に放出される液 体を吸収するのに使用される。それゆえ、生理用ナプキンは、人体の外側(外部) に着用し、女性の膣に挿入され(内部)製品と言われるタンポンとは異なる。 これまでの吸収性物品の使用は、液体がその上に放出された後は人体側表面に 湿った領域ができ、そのため着用者に不快感を与えるので、不利であると感じら れた。この分野の試験で、生理用ナプキンの吸収性能の約５％のみが利用されれ ば、従来の生理用ナプキンは湿っていることを示す。さらに、放出された人体分 泌液は、吸収性物品の表面に見える残さを残し、そのため物品の使用者は液体の 吸収性から必要とされるよりも頻繁に吸収性物品を交換することとなる。 従って、本発明の目的は、局所的に放出された液体の目標を定めた移送を行う 吸収性物品と方法に関し、吸収性物品の液体保管材料の吸収性は理想的に使用さ れ、長期間使用した後も吸収性物品の人体側表面上に見える痕跡をできるだけ残 さないようにすることである。 この目的は本発明の請求項１の吸収性物品と請求項３４の方法により解決され る。さらに、本発明の吸収性物品と方法の有利な態様は、従属する請求項、発明 の詳細な説明、及び図面から明らかである。 本発明の吸収性物品は、中央部分により結合される前部分と後部分とを備える 。吸収性物品を使用するとき、着用者の人体に向いて配置される層は、液体透過 性材料で形成され、着用者の人体から離れて配置される層は、液体不透過性材料 で形成される。着用者の人体に向いて配置される液体透過性材料層と、着用者の 人 体から離れて配置される液体不透過性材料層との間に、吸収性物品に浸透する流 体(分泌液)を吸収性物品の中で好適な方向に分配させることのできる層が設けら れる。さらに、本発明の吸収性物品は、侵入した液体を受取り保持する(いわゆ る、液体保管層、また吸収性本体とも言われる)層を備える。最後に、本発明の 吸収性物品は、物品に浸透する流体を液体分配層から液体保管層内に移送する手 段を備える。本発明の吸収性物品の特定の構造により、物品に侵入した液体は物 品の端部で好適に保管される。さらに、液体は物品の下層でより容易に保管され 、いわゆる「底部充満効果」を生じる。 液体分配層は、吸収性本体に侵入した液体が中央領域の放出された点から、物 品の前又は後部分へ導かれるように設けられるのが好ましい。従って、細長い吸 収性物品の場合には、物品の縦方向の液体分配が行われる。 液体分配層は、吸収性物品と液体保管層のそれぞれの幅全体の上に延びていて もよい。しかしもし、吸収性物品に十分な液体移送システムが使用されていれば 、吸収性物品と液体保管層の最小幅より小さい幅の液体分配層を提供すれば十分 である。 液体分配層が波形即ちひだを付けたウェブを備え、液体が好適に縦方向に物品 の端部へ導かれるようにその波形が配置されていれば、物品の前部と後部への液 体の分配即ち排水が、特に好ましく行われる。波形即ちひだを付けたウェブは、 例えば実際的にそれ自身の吸収能力を有さない不織材料でできていて、液体がウ ェブに永久的に保持されないようにしてもよい。波形のウェブは、主として液体 を導き即ち排水し、またスペーサーとして働く。波形のウェブは、さらに着色材 料を含むので、液体を含有した吸収性本体は透けて見えず、そのため着用者はき れいな感覚を持つ。 波形のウェブは、一方で波形の安定性に寄与し他方で物品へ侵入した液体を目 標を定めた移送に寄与する追加のウェブに結合されるのが好ましい。いわゆるク レープなし通気乾燥材料(uncreped through air dried material UCTAD材料)が 、このような追加のウェブに特に好適であることが分かった。 好適なUCTAD材料は、例えば乾燥物質で少なくとも10重量％の高収量パルプフ ァイバーに、乾燥強度に対する湿潤強度が少なくとも約0.1になる量の湿潤 強度剤を加えたものである。高収量パルプファイバーは、繊維の湿潤弾性を与え るリグニンを多量に含む。湿潤強度剤により形成された樹脂結合は、弾性のある 繊維をシート状構造に固定し、それが通気乾燥を行うベルトの構造に適合する。 乾燥工程で、湿潤強度剤で形成された結合は硬化され、湿潤抵抗性の結合が形成 され、それが次に対応するウェブに湿潤状態で高弾性の性質を与える。ウェブが この性質を保持するのは、UCTAD工程で結合を再度破壊するようなクレープ工程 又は他の工程を行わないからである。従って、UCTAD材料は、湿潤状態でも安定 なので液体を移送するのに非常に好適である。 本発明の液体分配層の別の実施例では、吸収性物品の全幅上に延びる液体透過 性キャリヤー材料上で波形ウェブがひだをつけられ、波形ウェブはキャリヤー材 料の全幅の一部のみにあればよい。ひだをつけたウェブとキャリヤーの下に、再 度追加のウェブを設けることもできる。上述の材料即ちスパンボンド不織材料と UCTADは、波形ウェブと追加のウェブにそれぞれ好適な材料である。スパンボン ド不織材料はまた、キャリヤーに好適な材料である。 本発明の吸収性物品の別の必須の態様は、吸収性物品の前部分と後部分に配置 されていて、液体を液体分配層から少なくとも液体保管層の一部に移送する手段 である。これらの手段は、例えば液体分配層の一部に、例えばカレンダー工程で 圧力をかけることにより、液体保管層と密に接触させた部分であってもよい。圧 力により接触させるこれれらの部分は、点の形状であるのが好ましい。 上述の両方の層を接着剤の手段で相互につなぐと、液体分配層から液体保管層 への液体の移送はさらに促進される。親水性接着剤が接着剤として特に好適であ ることが分かった。液体分配層と液体保管層の接着剤による結合は、点の形状で 行われる。幾何学的パターンが好ましく、菱形パターンは液体分配層から液体保 管層へ特に効率的に液体を移送する。 本発明の吸収性物品の別の好適な実施例によれば、液体分配層から液体保管層 へ移送する手段は、液体分配層が漏斗形開口部を備え、該漏斗形開口部は液体保 管層に向かってテーパが付くように設計されている。漏斗形開口部が、液体分配 層から液体保管層への液体の目標を定めた排水を保証する。さらに、漏斗形開口 部のため、液体分配層が液体保管層から間隔をおいた状態になり、そのため液体 保管層から液体分配層内への液体の逆流が防止される。漏斗形開口部は、ひだを つけたウェブに結合された追加のウェブに設けられるのが好ましい。 本発明の吸収性物品の好適な実施例によれば、追加のウェブは、縦方向に見て 上に波形ウェブを載せる中央部分には漏斗形開口部が設けられていない。漏斗形 開口部は、縦方向に見て縁部分に設けられる。漏斗形開口部を有する縁部分は、 波形ウェブを上に載せた追加のウェブの部分の下に折りたたまれ、漏斗形開口部 のテーパ付き部分が液体保管層に面するようにする。追加のウェブの漏斗形開口 部を例えば針の手段により形成することにより、追加のウェブは孔を開けられ、 その結果漏斗形開口部のテーパ端部に小さい吸水脚部が形成される。これらの吸 水脚部が液体保管層と係合しているなら、特に好適な液体移送が行われる。その 理由は、液体分配層から液体保管層への液体の目標を定めた排水を促進するから である。追加のウェブは、各側から追加のウェブのほぼ中間まで折り曲げられる ように折り曲げてもよい。しかし、縁部はまた、追加のウェブの上に波形ウェブ を載せる部分と同じ幅を有するかもしれない。漏斗形開口部を含む縁部分を追加 のウェブの下へ折りたたむことにより、３層構造が得られる。この３層構造によ り、液体保管層から液体分配層への液体の逆流を効果的に防止される。 液体保管層は液体保持能力が増加した領域を有するように形成され、液体が好 適にこれらの部分に移送されれば、液体分配層から液体保管層即ち吸収性本体へ の液体の目標を定めた移送は、さらに促進される。もし、液体保管層がパルプで できていれば、パルプ材料を濃縮することにより、保持能力を増加させることが できる。濃縮すると、パルプ材料のポアその大きさがそれぞれ減少し、そのため 毛管力が増加する。局所的領域で液体保持能力を高める他の可能性は、これらの 制限された領域で超吸収体を使用することである。 本発明のように液体の保管に吸収性本体を理想的に利用することを望むなら、 吸収性物品の端部分に最初の液体を保管し、端部の吸収容量が尽きた後に物品の 中央部で液体の保管が行われるのが有利である。こうすると、吸収性本体の容量 を理想的に利用でき、吸収性物品の着用者は頻繁に物品を変える必要がない。 この目標を定めて吸収水性物品を液体で満たすことは、追加のウェブが吸収性 物品の中央部分に漏斗形開口部を備えず、吸収性物品の前部分と後部分のみに漏 斗形開口部を設けることにより、さらに促進される。こうすると、吸収性物品上 の中央部分に放出され内部に浸透する流体が、流体が噴射される領域の直下に配 置された液体保管層の部分に直接入ることが防止される。直接入ることが望まし くないのは、吸収性物品の吸収容量が完全に尽きていなくても、物品の人体側表 面が再度濡れるからである。 吸収性物品の横縁部と液体分配層の間に液体不透過性障壁層が配置されると、 再度濡れることの危険はさらに小さくすることができる。もし、液体分配層の幅 ｂが液体保管層の幅Ｂより小さい場合は、これは特に推奨される。この障壁層が 、液体保管層から浸透する液体が液体分配層を過ぎて吸収性物品の表面に通過で きないようにし、そのため吸収性物品の着用感をよくする。 さらに、本発明の吸収性物品は、液体透過性層と液体分配層との間に、液体吸 収層を備えることもできる。この液体吸収層は、第１の保管層、第２の保管層と しては作用しない。この液体吸収層の目的は、液体保管層から再度出た液体又は 液体保管層に侵入できない液体が、吸収性物品の表面に浸透する前に集めること である。従って、液体吸収層の機能は、保管手段として見られ、液体保管層が過 度に充満した場合は、液体保管層により吸収性物品が再度濡れる前に液体を集め 保管できることである。液体の吸収性本体への浸透と液体分配層の手段による液 体の分配を不必要に妨げないように、液体吸収層の中央部に層を貫通する開口部 が配置されることが好ましい。この開口部は、吸収性物品を着用したとき、吸収 すべき液体を放出する人体の開口部に面するように設けることが好ましい。液体 吸収層は、パルプ材料ででき又はこのようなパルプ材料を含むことが好ましい。 パルプ材料層は柔軟で、従ってこのように構成した吸収性物品の着用感をよくす る。 液体吸収性層の別の好適な材料は、例えばいわゆるコフォーム材料である。コ フォーム材料は、異なる混合比のパルプとポリプロピレン繊維からなる。ポリプ ロピレン繊維は、押し出し成形される。液体吸収層と液体保管層は、同じ材料で できていてもよい。 本発明の吸収性物品の液体不透過性障壁層と液体不透過性カバー層は、ポリエ チレン、ポリプロピレン、又はこれらのポリマーの混合物であってもよい。吸収 性物品の緊密な適合を保証し、物品を着用中適所からずれるのを防止するため、 液体不透過性カバー層の外側に接着層を設け、それで吸収性物品を下着に固定す るようにすることもできる。 本発明の吸収性物品の目標を定めた液体移送は、追加の手段例えば好適な移送 方向を与える追加のウェブ等によりさらに改善することができる。このような追 加の手段は、液体分配層と液体保管層の間に配置するのが好ましい。 液体透過性カバー層と液体吸収層とは、例えば点状にプレスすることにより相 互に結合することができる。 本発明の吸収性物品は、生理用ナプキン又は生理用パンティーライナーとして 使用するのに特に好適である。 さらに本発明は、吸収性物品上に放出され、液体透過性カバー層を通って吸収 性物品に浸透する、局所的に放出された液体の目標を定めた移送の方法を提供す る。次に浸透した液体は、液体分配層の手段により、吸収性物品の液体保管が望 まれる部分に移送される。液体分配層から液体保管層への液体の移送は、液体の 目標を定めた移送を可能にする手段により引き起こされる。本発明の吸収性物品 は、本発明方法の用具として使用するのに特に適している。 本発明を好適な実施例と図面に基づいてさらに詳細に説明する。 図１は、本発明の物品の実施例の部分的に断面にした斜視図である。 図２は、本発明の物品の図１の2-2線に沿った機能的な縦断面図である。 図３Ａは、図２の一部の拡大断面図である。 図３Ｂは、本発明の他の実施例の図２の一部の拡大断面図である。 図４は、図１に示す吸収性物品の実施例の図１の4-4線に沿った断面図である 。 図５は、図４の一部の拡大断面図である。 図６は、本発明の物品の他の実施例の機能的な縦断面図である。 図７は、本発明の吸収性物品の他の実施例の液体分配層の一部の詳細図である 。 図８は、図７に示す液体分配層の一部の折りたたみ使用できるようにした状態 を示す。 図９は、本発明の吸収性物品の他の実施例の液体分配層の一部の詳細図である 。 図１０は、図９に示す液体分配層の一部の折りたたみ使用できるようにした状 態を示す。 図１１は、本発明の吸収性物品の他の実施例の斜視図である。 図１は、前部分12と、後部分14と、前部分と後部分を結合する中央部分16とを 備える吸収性物品10を示す。参照番号18は着色剤を多く含むスパンボンド不織材 料の上側液体透過カバー層を示し、参照番号20は吸収性物品の下側液体不透過層 を示す。液体分配層22は、液体透過層18の下に配置される。図１の実施例では、 吸収性物品10の端部分への液体の目標を定めた移送は、波形ウェブ26の手段によ り行われる。波形ウェブ26は、追加のウェブ28の上でひだをつけられている。波 形ウェブ26は、不織材料(着色したスパンボンド不織材料)でできていて、追加の ウェブ28はUCTAD材料でできている。追加のウェブ28の縁部は、下方に折り曲げ られ、折り曲げられた部分は、波形ウェブに平行に延びる。追加のウェブ28の折 り曲げられた部分に、漏斗形開口部30が設けられる。追加のウェブ28の下に、液 体保管層24が配置される。 本発明の別の好適な実施例によれば、吸収性物品は液体吸収層32を備えてもよ い。この液体吸収層32は、液体保管層24に吸収されそこから再度漏れ出し液体分 配層22を過ぎて横に通過する流体が、液体透過層18を通って吸収性物品の表面上 に浸透する前に収集するために設けられる。液体吸収層32は、中央に貫通開口部 34が配置されると、特に有利である。吸収性物品の使用中、中央開口部34は、着 用者の吸収すべき流体を放出する人体開口部と向かい合って配置される。開口部 34のため、吸収すべき流体は液体分配層22に到達する前に吸収性物品を通過する 必要がなく、そのため流体を吸収性本体の縦方向に所望のように分配するのに役 立つ。液体透過性ウェブ18と波形ウェブ26とは、着色剤を含有する不織織物で作 られる。その結果、液体保管層24で保持される液体は、吸収性物品の表面に透け て見えない。このため、吸収性物品は顧客に受け入れられ易い。液体が吸収性物 品に入った後も、この物品がすでに多量の液体を吸収していることは外側からは 殆ど分からない。 図２は、吸収性物品の図１の2-2線に沿った機能的な縦断面図である。ここに 、矢印は吸収性物品内の流体の流れを示す。液体透過層18を通過する液体は、液 体分配層22上に突き当たる。液体分配層22は、液体が液体保管層24に直接通 過するのを防止する。むしろ、吸収性物品の前部分12と後部分14の方向への目標 を定めた移送が行われる。液体分配層22から液体保管層24への液体の移送は、液 体保管層24の液体保持容量が増加した領域24aで行われるのが好ましい。液体保 管層24はパルプでできている。領域24aの液体保持容量の増加は、パルプ材料の 密度を高めることにより行われ、これは図２の密度の高いハッチングにより示さ れる。液体分配層22に形成された漏斗形開口部30も示され、この漏斗形開口部は 液体を上から下へ垂直方向の移送をもたらし、漏斗形開口部は実際上さらに下の 領域からさらに上の領域への液体の逆流が起こらないような構造とする。同様に 、図２は、液体吸収層32を示し、この層は、液体保管層24に吸収されなかった液 体又はそこから再度逃げた液体が再度液体透過層18を通って吸収性物品の表面に 浸透する前に液体を受け入れる。 図３Ａは、液体分配層22と液体保管層24の間の接触領域の拡大断面図である。 図３の矢印は、また好適な液体移送方向を示す。図３は３層構造を有する追加の ウェブ28を示す。波形ウェブを乗せる上側層28aには、漏斗形開口部は設けない 。しかし、その下の28bと28cには、漏斗形開口部を設ける。図３Ａに示すように 、漏斗形開口部の構成により、層28bと28cは互いに間隔をあけることもでき、そ うすると液体の上方への逆流を妨げる。層28cと液体保管層24の追加の層の間に 、漏斗形開口部30によりスペース44を設けることもでき(図３Ｂ)、これも同様に 液体保管層24から液体分配層28へ液体が戻るのを防止するのに役立つ。 図３Ａと３Ｂは、同様に漏斗形開口部30の出口に小さい吸収脚部40を示す。個 々の小さい吸収脚部40は、下のウェブに係合し、そのため液体保管層24に向かう 目標を定めた液体移送に寄与する。 図４は、吸収性物品の図１の4-4線に沿った断面図である。矢印は吸収性物品 への液体の放出の方向を示す。放出された液体は、次に吸収性物品の端部に延び る波形ウェブ26に沿って移送される。図４はまた、追加のウェブ28の断面を示す 。波形ウェブ26を支持する部分には、開口部はない。その下の横方向部分は、そ れぞれ貫通する開口部30の下に配置された層と流体的に接続される。さらに、層 28の最も下部分の漏斗形開口部30は、液体保管層24内に延びる。 図５は、図４の拡大断面を示す。この図も波形ウェブ26の断面を示す。波形ウェ ブ26は、追加のウェブ28と接触点で結合する。追加のウェブ28は、28a，28b，28 cの３層からなる。波形ウェブ26を支持する層28aに開口部はない。しかし、その 下に配置される２つの層28b，28cは漏斗形開口部30を備え、そのため浸透した液 体の垂直方向に向かう流れが促進される。この下方に向く垂直の流れは、水路構 造になり、そのため流体の上方への逆流を防止する。層28を通る液体の上方への 移送はもはや事実上起こらない。 図６は、本発明の吸収性物品の別の実施例の機能的縦方向断面図である。図６ の実施例の特別の態様は、追加のウェブ28が吸収性物品の中央領域に漏斗形開口 部30を有さないことである。この結果、液体が液体保管層24と24aにそれぞれ移 送される前に、追加のウェブ28の縦方向端部分内へより効率的な液体移送を行う ことができる。 図７は、追加のウェブ28を示す。縦方向に見て、漏斗形開口部のない中央ゾー ン29aを備える。追加のウェブの側面縁部に配置される部分29b，29cは、開口部 のある30aと、開口部のない30bとを備える。吸収性物品10に追加のウェブ28が使 用されるとき、ウェブ28は線27に沿って内側に折り曲げられ、その結果図８に示 す構造となる。ウェブ28の折りたたまれた構造は、縦方向に見て、その端部分に 選択的に開口部30があり、中央部分には全く開口部がない。この追加のウェブ28 の構造のため、上に詳述したように、吸収性物品の前部分と後部分内に浸透した 液体の目標を定めた流れが生じる。吸収性物品の前端部分と後端部分の液体保管 層が、液体をいっぱいに吸っても、液体保管層24の中央部分はまだ液体で満たさ れていない。 図９は、追加のウェブ28の他の実施例を示す。同様に縦方向に見て、漏斗形開 口部のない中央ゾーン29dを備える。しかし、縁部の部分29eは、連続的に開口部 30が設けられている。追加のウェブを本発明の吸収性物品に使用する前に、ウェ ブは線27aに沿って折り曲げられ、その結果図１０に示す構造となる。ひだをつ けたウェブは部分29dに付けることができ、漏斗形開口部を下方に向けて、ウェ ブ28を吸収性物品に組み込むことができる。 最後に図１１は、本発明の別の好適な実施例を示す。図１１の実施例10Ａは、 さらに逆流の障壁として、本質的に液体不透過性又は半透過性の液体障壁層38を 備える。障壁層は、液体保管層24から液体吸収層32へ浸透し、そこからおそらく 液体透過層18を通って吸収性物品の表面へ液体が漏れ出るのを防止する。障壁層 38は、縁部16から液体分配層22まで延びる。障壁層38は、液体不透過層20と一体 に即ちその延長として形成することができ、そのため液体不透過層20と同じ材料 で作ることができる。障壁層38の別の好適な材料は、半透過性膜になる酸化ポリ エチレンである。後者を液体透過層18と液体不透過層20の間に挟むこともできる 。液体分配層の幅ｂが液体保管層24の最小幅Ｂより小さいときは(図１参照)、不 透過又は半透過の障壁層を導入することが好ましい。 さらに、図１１に示す吸収性物品10Ａは、追加のウェブ42を備え、それが吸収 性物品の縦方向の液体の分配に寄与する。層42は、層28と同じようにUCTAD材料 でできている。追加のウェブ42は、縦方向に延び所望の縦方向の液体移送に寄与 する溝46を備える。さらに、追加のウェブ42はまた漏斗形開口部48を有し、そこ を通って液体が液体保管層24へ行くことができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ， ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ， ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，Ｎ Ｏ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ， ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 吸収性物品(10)において、 前部分(12)と、後部分(14)と、前記前部分と前記後部分の間に配置された中 央部分(16)、 前記吸収性物品(10)を使用するとき着用者の人体に向かって配置される上側 の液体透過層(18)、 前記吸収性物品(10)を使用するとき着用者の人体から離れて配置される液体 不透過層(20)、及び、 前記液体透過層(18)と前記液体不透過層(20)の間に配置され、前記吸収性物 品(10)の前記前部分(12)から前記後部分(14)へ延びる液体分配層(22)、 前記液体不透過層(20)と前記液体分配層(22)の間に配置される液体保管層(2 4)、を備え、 前記吸収性物品(10)は、流体を前記液体分配層(22)から少なくとも前記液体 保管層(24)の前記前部分(12)と/又は前記後部分(14)に配置された部分に移送 する手段を備えることを特徴とする吸収性物品(10)。 2. 請求項１に記載した吸収性物品(10)であって、前記液体分配層(22)は前記吸 収性物品(10)の前記前部分と/又は前記後部分へ流体を広がらせることを特徴 とする吸収性物品。 3. 請求項１又は２に記載した吸収性物品(10)であって、前記液体分配層(22)は 前記吸収性物品(10)の横方向に延びる波形を備え、縦方向に移送水路を作るこ とを特徴とする吸収性物品。 4. 請求項３に記載した吸収性物品(10)であって、前記液体分配層(22)は、波形 ウェブ(26)と、前記波形ウェブに結合した追加のウェブ(28)とを備えることを 特徴とする吸収性物品。 5. 請求項４に記載した吸収性物品(10)であって、前記波形ウェブ(26)は不織材 料であることを特徴とする吸収性物品。 6. 請求項４又は５に記載した吸収性物品(10)であって、前記波形ウェブ(26)に 着色剤を多く添加したことを特徴とする吸収性物品。 7. 請求項４乃至６の何れか１項に記載した吸収性物品(10)であって、前記追加 のウェブ(28)はUCTAD材料でできていることを特徴とする吸収性物品。 8. 請求項１乃至７の何れか１項に記載した吸収性物品(10)であって、前記液体 保管層(24)は、前記吸収性物品の前記前部分(12)と/又は前記後部分(14)が中 央部分(16)より高いを有することを特徴とする吸収性物品。 9. 請求項１乃至８の何れか１項に記載した吸収性物品(10)であって、前記流体 を移送する手段は、圧力をかけることにより接触させた前記液体分配層(22)と 前記液体保管層(24)の部分であることを特徴とする吸収性物品。 10. 請求項９に記載した吸収性物品(10)であって、前記圧力をかけることにより 接触させた部分は、点の形状であることを特徴とする吸収性物品。 11. 請求項１乃至１０の何れか１項に記載した吸収性物品(10)であって、前記液 体分配層(22)と前記液体保管層(24)は接着剤の手段で接合されていることを特 徴とする吸収性物品。 12. 請求項１１に記載した吸収性物品(10)であって、前記接着剤は親水性接着剤 であることを特徴とする吸収性物品。 13. 請求項１１又は１２に記載した吸収性物品(10)であって、前記液体分配層(2 2)と前記液体保管層(24)は接着剤の手段で点状に接合されていることを特徴と する吸収性物品。 14. 請求項１１又は１２に記載した吸収性物品(10)であって、前記液体分配層(2 2)と前記液体保管層(24)は幾何学的パターンの手段で点状に接合されているこ とを特徴とする吸収性物品。 15. 請求項１４に記載した吸収性物品(10)であって、前記幾何学的パターンは菱 形パターンであることを特徴とする吸収性物品。 16. 請求項１乃至１５の何れか１項に記載した吸収性物品(10)であって、前記液 体分配層(22)は、流体を移送する手段として、漏斗形開口部(30)を有する部分 を備え、該漏斗形開口部は前記液体保管層(24)に向かってテーパがつくように 向いていることを特徴とする吸収性物品。 17. 請求項１６に記載した吸収性物品(10)であって、前記漏斗形開口部(30)は前 記追加のウェブ(28)に設けられていることを特徴とする吸収性物品。 18. 請求項１７に記載した吸収性物品(10)であって、前記漏斗形開口部(30)は前 記追加のウェブ(28)の縁部分に配置され、前記縁部分は前記波形ウェブ(26)の 下に位置するように内側に折り曲げられることを特徴とする吸収性物品。 19. 請求項１８に記載した吸収性物品(10)であって、縦方向に延びる前記縁部分 は、テーパ付きの前記漏斗形開口部(30)が前記液体保管層(24)に面するように 折り曲げられていることを特徴とする吸収性物品。 20. 請求項１６乃至１９の何れか１項にに記載した吸収性物品(10)であって、前 記漏斗形開口部(30)のテーパ付き端部は前記液体保管層(24)内に係合する小さ な吸水脚部(40)を備えることを特徴とする吸収性物品。 21. 請求項１６乃至２０の何れか１項にに記載した吸収性物品(10)であって、前 記追加のウェブ(28)の前記漏斗形開口部(30)は、前記吸収性物品(10)の前記前 部分(12)と/又は前記後部分(14)のみに設けられていることを特徴とする吸収 性物品。 22. 請求項１乃至２１の何れか１項にに記載した吸収性物品(10)であって、前記 液体保管層(24)はパルプ材料からなることを特徴とする吸収性物品。 23. 請求項１乃至２２の何れか１項にに記載した吸収性物品(10)であって、前記 液体透過層(18)と前記液体分配層(22)の間に液体吸収層(32)を備えることを特 徴とする吸収性物品。 24. 請求項２３にに記載した吸収性物品(10)であって、前記液体吸収層(32)は層 を貫通する中央開口部(34)を備えることを特徴とする吸収性物品。 25. 請求項２３又は２４に記載した吸収性物品(10)であって、前記液体吸収層(3 2)はパルプ材料からなることを特徴とする吸収性物品。 26. 請求項１乃至２５の何れか１項にに記載した吸収性物品(10)であって、前記 吸収性物品(10)の横方向縁部(36)と前記液体分配層(22)の間に液体不透過性障 壁層(38)を備えることを特徴とする吸収性物品。 27. 請求項１乃至２６の何れか１項にに記載した吸収性物品(10)であって、前記 液体不透過層(20)と/又は前記液体不透過性障壁層(38)は、ポリエチレン、ポ リプロピレン又はそれらの混合物でできていることを特徴とする吸収性物品。 28. 請求項１乃至２７の何れか１項に記載した吸収性物品(10)であって、前記液 体分配層(22)と前記液体保管層(24)の間に追加のウェブ(42)が設けられたこと を特徴とする吸収性物品。 29. 請求項２８に記載した吸収性物品(10)であって、前記追加のウェブ(42)は物 品の縦方向に延びる溝(46)を備えることを特徴とする吸収性物品。 30. 請求項２８又は２９に記載した吸収性物品(10)であって、前記追加のウェブ (42)は漏斗形開口部(48)を備え、テーパつきの漏斗形開口部は前記液体保管層 (24)と接触することを特徴とする吸収性物品。 31. 請求項２８乃至３０の何れか１項に記載した吸収性物品(10)であって、前記 追加のウェブ(42)はUCTAD材料でできていることを特徴とする吸収性物品。 32． 請求項１乃至３１の何れか１項に記載した吸収性物品(10)であって、前記 液体不透過層(20)の側面に、前記物品を使用するとき前記物品を下着に固定す るため着用者の人体から離れるように配置された接着剤層が設けられたことを 特徴とする吸収性物品。 33． 請求項１乃至３２の何れか１項に記載した吸収性物品(10)であって、前記 吸収性物品は生理用ナプキン又は女性用保護パッドであることを特徴とする吸 収性物品。 34． 局所的に放出された液体を目標を定めた移送を行う方法において、液体が 吸収性物品に突き当たり、液体が液体透過性カバーを通って前記吸収性物品に 浸透し、浸透した液体が液体分配層の手段で前記吸収性物品の液体保管が所望 される部分内に移送され、前記液体分配層から液体保管層への液体の移送は、 液体の目標を定めた移送を可能にする手段により引き起こされることを特徴と する方法。 35． 請求項３４に記載した方法であって、請求項１乃至３３の何れか１項に記 載した吸収性物品を使用することを特徴とする方法。