JP2000352289A - 連続掘削工法および装置ならびに掘削先端 - Google Patents

連続掘削工法および装置ならびに掘削先端

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JP2000352289A
JP2000352289A JP11165446A JP16544699A JP2000352289A JP 2000352289 A JP2000352289 A JP 2000352289A JP 11165446 A JP11165446 A JP 11165446A JP 16544699 A JP16544699 A JP 16544699A JP 2000352289 A JP2000352289 A JP 2000352289A
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excavating
digging
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Shigeki Matsumoto
重貴 松本
Kenichi Asakawa
賢一 浅川
Hitoshi Hayashi
均 林
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Original Assignee
KDD Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非開削連続掘削工法で、曲げ剛性が小さな極
小口径管やケーブル類を1工程で敷設する。 【解決手段】 掘削先端IWMは地中に掘削ヘッドDP
H、押し引き手段TPC、掘削アンカDPAを1列に結
合している。掘削ヘッドDPHの左端に装着した掘削ビ
ットBITの回転と、押し引き手段TPCの伸長で、図
(a)の左へ孔を掘削する。引き込み脚PLGを開けば
掘削ヘッドDPHは孔壁に固定され、方向制御前後脚F
LG、RLGを開けば、掘削アンカDPAは孔壁に固定
される。それぞれの脚の開閉により、掘削ヘッドDPH
と掘削アンカDPAを交互に孔壁に固定して、掘削と掘
削アンカDPAの前進を繰り返し、掘削先端IWMは前
進し、アンカフレームPAFに結合された(敷設対象物
の管路やケーブル等の)成果物BCPを孔中に引き込
む。地上の掘削制御手段BMCや泥水供給手段MPTか
ら制御ラインCCPを介して電力等のエネルギーや泥水
の供給、各種信号の授受を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非開削の掘削工法
および装置ならびに掘削先端に係り、特に小口径の管路
や、ケーブルを敷設するのに適した連続掘削工法および
装置ならびに掘削先端に関する。
【0002】
【従来の技術】非開削掘削工法は道路表面に関係なく地
中に横穴を掘削できるので、開削工事に比べ、地上交通
への影響は少ない。従来使用されている代表的な非開削
掘削工法に水平ドリリング工法と小口径推進工法があ
る。
【0003】図12を参照して、水平ドリリング工法の
概略を説明する。図12はこの水平ドリリング工法の概
略を説明する概念図である。図12(a)に示すよう
に、先端に掘削用のビットあるいはジェットノズルなど
を取り付けたドリルヘッドDHDをドリルパイプDPP
の先端に装着し、ドリルパイプDPPを水平ドリル機械
HDMで地上から地中に押し込んで、細いパイロット孔
を掘削して行く。通常、掘削孔は地上から地中を通って
円弧状に形成される。図12(b)はパイロット孔が再
び地上に到達した様子を描いている。次に、図12
(c)に示すように、到達側からパイロット孔の孔径を
リーマRMRで広げながら、成果物BCPである管路あ
るいはケーブルなどを引き込む。この場合、水平ドリル
機械HDMでドリルパイプDPPを引き抜いていく。
【0004】このように地上に設置された水平ドリル機
械HDMから、ドリルパイプDPPを介して、その先端
に装着されたドリルヘッドDHDに力を及ぼすのが本工
法の特徴であって、ドリルパイプDPPは孔の掘削時に
掛かる圧縮力に耐える強度が要求される。水平ドリリン
グ工法では、長さ数mのドリルパイプDPPを順次継ぎ
足しながら掘削を進め、掘削終了後あるいは成果物BC
P引き込み時に、ドリルパイプDPPを切り離しながら
回収する。このドリルパイプDPPの継ぎ足し、切り離
しの間は掘削を停止する必要がある。継ぎ足し、切り離
し時間は全作業時間の数10%を要する場合もあり、全
作業時間も比較的長い。また、地上に水平ドリル機械H
DMを設置しておく必要があるので、交通量の多い市街
地では適用できる工事が制約される。更に、口径が細い
ドリルパイプDPPの場合は掘削する孔の方向性が悪い
という問題もある。
【0005】次に、図13を参照して小口径推進工法を
説明する。図13は小口径推進工法の工程を説明する概
念図であり、(a)は掘削中、(b)は掘削の終了、
(c)は掘削用機器を撤去した工事完成時点をそれぞれ
示している。図13(a)に示すように、発進抗SMH
内に設置した推進機PJKが掘進ヘッドPJHを先頭と
する成果物BCPを地中に押し込んで行く。図13
(b)のように、掘進ヘッドPJHが到達抗RMHに抜
けた段階で、掘進ヘッドPJHと推進機PJKを回収す
る。すでに成果物BCPは掘削孔の内部に収容されてい
るので、敷設完了を示す図13(c)のように、掘進ヘ
ッドPJHと推進機PJKを取り去れば管路の敷設が終
了する。
【0006】この小口径推進工法は掘削ヘッドPJHで
強力にヘッド前面の土を圧密(土を押圧して固め体積を
減らす)し、排除して掘削する場合が多く、本掘削法も
推進機PJKの力を成果物BCPを介して掘進ヘッドP
JHに伝達するので、成果物BCPは掘進ヘッドPJH
の掘削に要する力に充分耐えられる圧縮強度を必要とす
る。また、このような掘削法のため、掘削速度が遅い欠
点を有する。元来、本工法は下水管の敷設を主眼に開発
されたので、通信ケーブルのように小口径管で間に合う
ときでも、要求強度上、下水管並みの大口径管が必要な
場合が多く、比較的小口径の管路を長距離に渡って敷設
するのには適していない。さらに、従来の小口径推進法
では成果物BCPを敷設する深さに機械を設置、回収す
るための発進抗と到達抗が必要であり、これらの坑の深
さは、成果物BCPの敷設深さより深く掘らねばならな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】主に通信用の管路のよ
うに比較的小口径管やケーブルを長距離に渡って敷設す
る場合に前記の水平ドリリング工法を適用しようとすれ
ば、地上に大型の推進機を固定するための作業スペース
が必要で市街地等交通頻繁な場所での作業は困難とな
り、適応場所に制限がある。また、方向制御の精度が低
く、施工速度が比較的遅く、ドリルパイプの回収に多大
の時間を要する等、施工に長時間を要し、加工コストも
増大するなどの問題がある。次に従来の小口径推進法で
は、工事の開始位置と終了位置に縦坑の掘削が必要であ
り、地表面を占有する割合が大きく適応場所が制限され
る。また、この縦坑は目的とする管路の敷設深さよりも
深いのでコスト上の問題もある。更に、土を圧密するた
め施工速度が遅く、必要以上に大径の孔となるなど加工
コストが増大する問題がある。
【0008】以上の水平ドリリング工法や小口径推進法
では、共に、水平ドリル機械や推進機の推進力をドリル
パイプなどを介してドリルヘッドや掘進ヘッドに伝える
ために地上の装置が大型となったり、不必要に太い成果
物が必要となるという問題がある。
【0009】そこで、本発明は、機械の設置回収のため
の立坑や地上に固定の作業スペースを必要とすることな
く、小口径管を高い施工精度で、迅速に敷設することを
可能とする連続掘削工法及び装置ならびに掘削先端を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の連続掘削工法は、掘削先端と、該掘削先端
の駆動および制御を行う掘削制御手段と、前記掘削制御
手段から前記掘削先端に少なくとも動力および制御信号
を供給する制御ラインとにより、非開削で地中に孔を掘
削する連続掘削工法であって、前記掘削先端は、掘削手
段と掘削方向に対して直角方向に伸縮可能な引き込み脚
とを備えた掘削ヘッドと、掘削方向に対して直角方向に
伸縮可能な方向制御前脚および方向制御後脚を備えた掘
削アンカと、前記掘削ヘッドと前記掘削アンカとに直線
的に結合され伸縮可能な押し引き手段とを備えており、
前記方向制御前脚および前記方向制御後脚を伸長させる
ことにより前記掘削アンカを孔壁に固定した状態で、前
記押し引き手段を伸長させて前記掘削ヘッドを前進させ
つつ前記掘削手段により掘削を行う掘削ステップと、前
記引き込み脚を伸長させることにより前記掘削ヘッドを
孔壁に固定した状態で、前記押し引き手段を短縮させて
前記掘削アンカを前進させる前進ステップとを交互に繰
り返すことにより、地中に孔を掘削するものである。こ
れにより、掘削先端が地中に孔を掘削し前進するときの
反力を掘削先端の周囲の掘削孔の孔壁で受けることがで
き、この間で力学的な力の処理が完結される。したがっ
て、掘削先端と地上の設備間では力のやりとりは一切行
わず、エネルギーの供給と制御信号の授受のみを行うの
みでよい。また、掘削先端のみで、掘削を行うことが可
能となる。
【0011】また、前記方向制御前脚および前記方向制
御後脚は、それぞれ、掘削方向に対して直角方向への移
動量を個別に制御可能な複数個の脚を有しており、前記
掘削ステップにおいて、前記方向制御前脚における前記
複数個の脚のそれぞれの移動量と前記方向制御後脚にお
ける前記複数個の脚のそれぞれの移動量とを制御するこ
とにより、前記掘削先端の軸心の方向を前記孔の軸心の
方向に対して傾け、掘削方向を制御するものである。こ
れにより、掘削先端の軸線を周囲の孔壁の軸線に対して
変更可能とすることができ、細かい掘削方向の制御を行
い得るようになる。
【0012】さらに、孔の掘削開始時および終了時に、
地上に設置された前記掘削先端の一部または全部を収容
可能な可動式掘削機発進台を用いて、孔の掘削の開始お
よび終了を行うようにしたものである。これにより、地
上より前記掘削先端の有する前進機能を用いて掘削を開
始することおよび終了させることが可能となる。したが
って、立坑や地上の固定作業スペースの何れも不要とす
ることができる。さらにまた、前記掘削手段は掘削用ビ
ットまたは水ジェットノズルとされており、前記制御ラ
インを介して、地上に設置した泥水供給手段から前記掘
削先端に泥水を供給するようにしたものである。さらに
また、前記掘削手段は土を圧縮して掘削を行う機構のも
のとされている。
【0013】さらにまた、前記掘削アンカに成果物の一
端を接続して、孔を掘削するのと同時に成果物の敷設を
行うようになされているものである。これにより、1工
程で掘削と成果物の敷設を行うことができ、迅速な施工
が可能となる。さらにまた、前記制御ラインとして成果
物を使用したものである。これにより、掘削終了後の前
記制御ラインの回収作業を省略することができ、より迅
速な施工が可能となる。さらにまた、前記制御ラインと
して成果物および電力線を用いたものである。これによ
り、前記電力線を使い捨てることで掘削終了後の前記制
御ラインの回収作業を省略することができる。さらにま
た、少なくとも前記成果物を押し込む補助押し込み手段
を地上に設置し、前記掘削先端の前記押し引き手段の動
きと連携して、少なくとも前記成果物を掘削孔に押し込
むようにしたものである。これにより、制御ラインの引
き込みに要する力を軽減することが可能となる。
【0014】さらにまた、本発明の連続掘削装置は、地
中に孔を掘削する掘削先端と、該掘削先端の駆動および
制御を行う掘削制御手段と、前記掘削制御手段から前記
掘削先端に少なくとも動力および制御信号を供給する制
御ラインを備えた連続掘削装置であって、前記掘削先端
は、掘削手段と掘削方向に対して直角方向に伸縮可能な
引き込み脚とを備えた掘削ヘッドと、掘削方向に対して
直角方向に伸縮可能な方向制御前脚および方向制御後脚
を備えるとともに前記制御ラインが接続される掘削アン
カと、前記掘削ヘッドと前記掘削アンカに直線的に結合
され伸縮可能な押し引き手段とを備えているものであ
る。
【0015】さらにまた、前記前記方向制御前脚および
前記方向制御後脚は、それぞれ、掘削方向に対して直角
方向への移動量を個別に制御可能な複数個の脚を有して
いるものである。さらにまた、前記掘削アンカに成果物
が取り付けられるものである。さらにまた、前記掘削手
段は、掘削用ビットあるいは水ジェットノズルとされて
いる。さらにまた、前記掘削手段は、土を圧縮して掘削
を行う機構のものとされている。
【0016】さらにまた、本発明の掘削先端は、制御ラ
インを介して供給される動力により駆動され、地中に孔
を掘削する掘削先端であって、掘削手段と掘削方向に対
して直角方向に伸縮可能な引き込み脚とを備えた掘削ヘ
ッドと、掘削方向に対して直角方向に伸縮可能な方向制
御前脚および方向制御後脚を備えるとともに前記制御ラ
インが接続される掘削アンカと、前記掘削ヘッドと前記
掘削アンカに直線的に結合され伸縮可能な押し引き手段
とを備えているものである。さらにまた、前記前記方向
制御前脚および前記方向制御後脚は、それぞれ、掘削方
向に対して直角方向への移動量を個別に制御可能な複数
個の脚を有しているものである。さらにまた、前記掘削
アンカに成果物が取り付けられるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の連続掘
削工法の実施の形態における掘削先端の構造と、この掘
削先端を使用した連続掘削工法を説明する。図1は本発
明の掘削先端IWMの構造を模式的に表しており、図1
(a)に掘削先端IWMの側面図を、(b)はAA線か
ら見た断面、(c)はBB線から見た断面を示し、
(d)は掘削先端IWMの後部から見た斜視図、(e)
はこの掘削先端による小口径の地中孔掘削を説明する模
式図である。
【0018】本発明の掘削先端IWMは、図1(a)の
左方向に掘削し、前進する。左側に掘削ヘッドDPH、
右側に掘削アンカDPAを配し、この両者を押し引き手
段TPCで直線的に結合している。掘削アンカDPAの
アンカフレームPAFは方向制御前脚FLGと方向制御
後脚RLGを備えている。掘削ヘッドDPHの掘削フレ
ームDHFは左端に掘削ビットBITが装着され、ほぼ
中央に引き込み脚PLGを備えている。押し引き手段T
PCを構成する(図では3本の)押し込みシャフトDP
Sは掘削フレームDHFの右端に、シャフトシリンダP
SCはアンカフレームPAFの左端に固定されている。
【0019】AA線より見た図1(b)に示すように、
アンカフレームPAFの右端に制御ラインCCPが接続
され、ケーブル等の成果物BCPの一端が固定されてい
る。4等分された扇形状の方向制御後脚RLGに植設さ
れたラム(図示せず)が、アンカフレームPAFに内蔵
された後脚シリンダRLCに嵌入して、例えば油圧によ
り、個々の方向制御後脚RLGはアンカフレームPAF
の半径方向に、掘削先端の掘削方向に直交して任意長さ
の移動が可能なようになされている。方向制御前脚FL
Gも同様の構造となっている。
【0020】BB線より見た図1(c)に示すように、
引き込み脚PLGも前記の方向制御脚FLG、RLGと
同様の構造である。シャフトシリンダPSCのシリンダ
穴に嵌入している、押し込みシャフトDPSは油圧で移
動し、掘削ヘッドDPHと掘削アンカDPAの距離を変
化させる。例えば、油圧を掛ければこの距離は伸び、減
らせば短縮する。掘削ビットBITは例えば油圧モータ
で回転駆動される。掘削ビットBIT等の掘削ヘッドD
PH部分の駆動と制御は制御ラインCCPに接続された
結合ケーブルCNCを介して行われる。掘削先端IWM
の外観は図1(d)の斜視図に示されている。この図で
は脚類の動きを示すために、引き込み脚PLGと方向制
御後脚RLGが開いているが、実際には同時に開くこと
はない。
【0021】詳細の説明は後述するが、この掘削先端I
WMによる地中孔掘削と成果物引き込みの様子は図1
(e)に模式的に示されている。地上には掘削制御手段
BMC、泥水供給手段MPTがおかれ、制御電力ケーブ
ルSPC、泥水ラインMPFが、制御ラインドラムCC
Dを介して制御ラインCCPとして掘削先端IWMに接
続される。制御ラインCCPは、地上から掘削先端に必
要な動力と泥水を供給するとともに、地上の掘削制御手
段BMCと掘削先端IWM間の信号の授受を行う。した
がって、制御ラインCCPは動力(エネルギー)を供給
する電力線や油圧ホース等の動力ライン、信号伝送のた
めの光ケーブルや同軸ケーブルの類の信号ライン、泥水
の給水を行う給水ホース等の泥水ラインから構成されて
いる。敷設の対象物である管路、ケーブル等の成果物B
CPが成果物ドラムCPDから供給され、その先端は掘
削アンカDPAに固定されている。
【0022】掘削ヘッドDPHは掘削ビットBITで掘
削しながら押し込みシャフトDPSに押されて前進す
る。引き込み脚PLGは引き込まれて掘削ヘッドDPH
は移動可能とされている。このとき掘削の反力を前記の
方向制御前後脚FLG、RLGが外方に移動して掘削し
た孔壁に食い込むことで受けて、掘削アンカDPAの孔
壁に対する移動を防止する。押し込みシャフトDPSが
伸び切ると、方向制御前後脚FLG、RLGを縮めて掘
削アンカDPAの孔壁に対する固定を解除し、掘削ヘッ
ドDPHの引き込み脚PLGを外方に開き、掘削ヘッド
DPHを孔壁に固定する。押し込みシャフトDPSがシ
ャフトシリンダPSCのシリンダ穴に引き込まれて、押
し引き手段TPCの全長が短縮されると、掘削アンカD
PAが前進する。このように、尺取虫のように掘削ヘッ
ドDPHと掘削アンカDPAが交互に前進して掘削先端
IWMが前進する。
【0023】図2は掘削ヘッドDPHと掘削アンカDP
Aの交互に前進する様子を模式的に示したもので、図2
(a)、(b)、(c)、(d)は上からそれぞれ、穿
孔準備、穿孔、前進準備、前進と掘削先端の挙動の1サ
イクルを描いている。図2(a)の穿孔準備では押し引
き手段TPCの押し込みシャフトDPSはシャフトシリ
ンダPSC内に引き込まれており、掘削アンカDPAの
方向制御前後脚FLG、RLGは外方へ繰り出されて掘
削孔壁に食い込み掘削アンカDPAの移動を防止してい
る。引き込み脚PLGは縮められて掘削ヘッドDPHの
移動を妨げぬようにされている。掘削する土質により、
引き込み脚PLGを図2のように複数組(図では2組)
装備して、掘削ヘッドの固定をより確実にしてもよい。
穿孔(掘削)時、または前進時の反力を受けるのは、掘
削孔壁がこれらの脚の嵌入部分に及ぼす把握力及び摩擦
力である。
【0024】ここで、掘削ヘッドDPHの先端の掘削ビ
ットBITにより掘削が開始され、同時に押し込みシャ
フトDPSは油圧で伸長され、掘削ビットBITを前面
の孔壁に押し当てていく。掘削ビットBITを回転して
前面の孔壁を掘り崩す。また泥水を噴射して掘削を補助
するとともに、泥水に乗せて掘削土を排出する。押し込
みシャフトDPSが最大の移動量となるまで、掘削ヘッ
ドDPHは図2(b)の状態まで距離Sを前進する。
【0025】図2(c)の前進準備段階では、掘削ヘッ
ドDPHの引き込み脚PLGが外方へ繰り出されて掘削
孔壁に食い込み、掘削ヘッドDPHの移動を防止する。
逆に掘削アンカDPAの方向制御前後脚FLG、RLG
は縮められ、掘削アンカDPAは移動可能となる。図2
(d)の前進段階で、押し込みシャフトDPSはシャフ
トシリンダPSC内に引き込まれる。押し込みシャフト
DPSは掘削ヘッドDPHに固定されているので移動で
きず、結果としてシャフトシリンダPSCが前進し、こ
れに固定された掘削アンカDPAが距離S1を前進す
る。
【0026】押し込みシャフトDPSがシャフトシリン
ダPSC内に完全に引き込まれればS=S1となり、掘
削先端IWM全体が、図2(a)の穿孔準備の位置から
距離S前進している。これで掘削、前進の1サイクルが
終了する。この(d)の位置を新たな(a)の穿孔準備
位置として次の掘削サイクルが開始される。掘削アンカ
DPAに一端を固定された成果物BCPや制御ラインC
CPも、掘削先端IWMの進行にともなって掘削孔中に
引き込まれて行く。
【0027】今まで説明したように、掘削アンカDPA
に備えられた方向制御前後脚FLG、RLGは、孔壁に
対して掘削アンカDPAを固定するのみでなく、掘削先
端の掘削方向を変化させる機能も合わせ持っている。図
3を参照して、方向制御前後脚FLG、RLGおよび引
き込み脚PLGの動作を説明する。図3(a)、(e)
は掘削先端IWMの側面図であり、(a)は穿孔時、
(e)は前進時を示している。図3(b)、(c)、
(d)、(f)、(g)は同一の大文字で示す部分の断
面図であリ、主に方向制御前後脚FLG、RLGおよび
引き込み脚PLGの開きの状態を示している。
【0028】図3(a)の穿孔時には、図3(b)のよ
うに引き込み脚PLGは縮められ、方向制御前後脚FL
G、RLGは図3(c)、図3(d)で示すように繰り
出されている。すでに述べたように、複数(図では4個
づつ)脚で構成される方向制御前脚FLGと方向制御後
脚RLGは、アンカフレームPAFの半径方向に任意長
さ移動が可能なようになされている。すなわち、個々の
脚の1個づつが異なった量の移動が可能なように制御さ
れる。
【0029】図3(c)で、方向制御前脚FLGの個々
の脚に符号を付け、UFLは上方前脚、DFLは下方前
脚、RFLは右方前脚、LFLは左方前脚とすれば、上
方前脚UFLの移動量が最も大きく、右方前脚RFL、
左方前脚LFLは中程度の等移動量、最小の移動量は下
方前脚DFLとなる。どの脚もほぼ同じ程度(の長
さ)、孔壁に食い込むと考えられるから、アンカフレー
ムPAFの中心位置は孔の中心から上方前脚UFLと下
方前脚DFLの移動量の差の1/2だけ下がった位置と
なる(左右は右方前脚RFLと左方前脚LFLの移動量
が等しいので0となる)。
【0030】図3(d)で、同様に方向制御後脚RLG
の個々の脚を区別するためにに符号を付け、URLは上
方後脚、DRLは下方後脚、RRLは右方後脚、LRL
は左方後脚とすれば、今度は逆に下方後脚DRLの移動
量が最も大きく、右方後脚LRL、左方後脚LRLは中
程度の等移動量、最小の移動量は上方後脚URLとな
る。前脚と同様に考えて、アンカフレームPAFは孔の
中心から上方後脚URLと下方後脚DRLの移動量の差
の1/2だけ上がった位置となる。
【0031】アンカフレームPAFの軸線は掘削された
孔に対して左下がりに傾いて保持されたことになり、掘
削ヘッドDPHの先端の掘削ビットBITもこのアンカ
フレームPAFの軸線方向に掘削するので、アンカフレ
ームPAFの軸線と同じ左下がりに孔の掘削が行われ
る。図3(a)で1点鎖線の1組の平行線で示す孔壁に
対して掘削先端の軸線の傾きの様子を表している。ただ
し、図3(a)では脚の移動量を誇張して描いており、
孔壁を示す線が極端に傾いている。したがって、アンカ
フレームPAFに装備された方向制御前後脚FLG、R
LGの個々の脚の移動量を制御すれば、孔の掘削方向を
自在に制御できる。このように方向制御前後脚FLG、
RLGの使用によって、精度の高い掘削方向の制御が可
能である。
【0032】掘削ヘッドDPHに取りつけられた引き込
み脚PLGも、前記の方向制御脚FLG、RLGと同様
の構造である。4本の引き込み脚シリンダPLCの油圧
制御は同一制御系で行い、引き込み脚PLGが4本同時
に等距離移動するようにしてもよく、方向制御脚FL
G、RLGと同様に4本の引き込み脚の制御を個別に行
ってもよい。図3(b)で示す穿孔時には、引き込み脚
PLGの外径は掘削孔より縮められ、掘削ヘッドDPH
は移動可能とされる。図3(f)で示す前進時には、引
き込み脚PLGは繰り出されて孔壁に嵌入し、掘削ヘッ
ドDPHの位置は固定される。
【0033】掘削先端IWMに装備された掘削ビットB
IT、押し込みシャフトDPS、各種の脚の駆動に油圧
機構を使用した例を図4に示す。図4では掘削先端IW
M内に油圧の作動油タンク、油圧ポンプ、制御機構を備
えて、掘削ビットBIT、押し込みシャフトDPS、各
種の脚類を駆動する油圧シリンダや油圧モータを作動さ
せている。制御機構は全ての詳細な命令を地上から指令
してもよく、掘削先端内にマイクロコンピュータなどの
処理機能を持たせて、地上からはマクロ指令のみを送信
してもよい。地上に油圧の作動油タンク、油圧ポンプ等
をおいて油圧ホースで掘削先端と接続したり、油圧を使
用せずに、掘削ビット、押し込みシャフト、各種脚類の
駆動をモータ、ソレノイド等で電力の供給のみで行うこ
とも可能である。
【0034】上記の掘削先端IWMを使用した実際の掘
削例と、掘削の開始、終了時に有効に利用できる掘削機
発進台BMLを図5〜図7を参照して説明する。掘削先
端IWMの構成部品の内、少なくとも掘削ヘッドDPH
の引き込み脚PLGと掘削アンカDPAの方向制御前後
脚FLG、RLGが掘削した孔内にないと掘削を継続で
きず、この長さは掘削先端IWMのほとんど全長に匹敵
する。掘削した孔が掘削先端IWMの長さより短い掘削
の開始、終了時に、掘削機発進台BMLが使用される。
【0035】図5に掘削機発進台BMLの構造を、図6
(a)、(b)、(c)に掘削開始時の、同じく図7
(a)、(b)、(c)に掘削終了時の手順を模式図と
して示している。図5で、MLBは発進基台、MLTは
発進可動台である。1例として、発進可動台MLTの内
側に穿たれた、例えば円筒状の孔に掘削先端IWMを挿
入して、その引き込み脚PLGか方向制御前後脚FL
G、RLGを繰り出せば、掘削先端IWMを保持できる
ような構造となっている。発進可動台MLTは掘削先端
IWMを保持できる構造であれば、必ずしも図5に示し
たパイプ状にこだわらない。ただし、引き込んだ成果物
BCPや制御ラインCCPが発進可動台MLTから外せ
るよう円筒状の孔に沿って2分割する等の配慮が必要と
なる。
【0036】また、発進可動台MLTは発進基台MLB
上に載置されて、掘削先端IWMの軸線(掘削の進行方
向であり、かつ発進基台MLBの斜めの面に平行)に沿
って移動可能であり、必要に応じて発進可動台MLTを
発進基台MLBの任意位置で固定できるようになってい
る。掘削機発進台BMLは発進可動台MLTをその移動
方向に機械力で移動させるような機構を備えていてもよ
い。また、発進基台MLBを地面に固定する機構を発進
基台MLBに内蔵させることもできる。
【0037】図6および図7を参照して、本発明の掘削
先端IWMによる掘削システムを説明する。すでに概略
を説明したように、地上に設置された掘削制御手段BM
C、泥水供給手段MPTから、電力ケーブルSPCや泥
水ラインMPFが制御ラインドラムCCDを介して制御
ラインCCPとして掘削先端IWMに接続され、成果物
ドラムCCDから成果物BCP(管路、ケーブル等)が
供給され、その先端は掘削先端IWMに固定されてい
る。
【0038】掘削制御手段BMCはシステム全体を制御
するとともに、必要な動力(エネルギー)をシステムに
供給する。もちろん、制御系とは別に発電機等の動力源
を用意することもでき、掘削制御手段BMCはこれら2
者を含めたものである。
【0039】泥水供給手段MPTは、作泥手段、送出ポ
ンプ、泥水タンク、清水タンク等から構成される。作泥
手段はベントナイト等の作泥材と清水タンクから供給さ
れる清水を混合して泥水を作り、泥水タンクに蓄積す
る。送出ポンプは泥水を最終的に制御ラインCCPに送
り出す。制御ラインCCPに送り出された泥水は掘削先
端IWMから掘削補助および排土のために噴射される。
噴射された泥水は掘削孔を通って、掘削開始地点に掘ら
れた泥水溜めMPLに戻り、そこに溜められる。泥水供
給手段MPTはこの泥水溜めMPLに溜められた泥水を
処理し、再利用する機能を備えても良い。泥水供給手段
MPT、特に送出ポンプから送出される泥水の量は、掘
削制御手段BMCにより制御される。
【0040】掘削制御手段BMCが掘削先端IWMの動
作を制御するための信号と掘削先端IWMのための動力
は、制御電力ケーブルSPCにより制御ラインドラムC
CDに送られ、そこで制御ラインCCPに結合されて掘
削先端IWMに送られる。この制御電力ケーブルSPC
と制御ラインCCPの接続のために、制御ラインドラム
CCDは、スリップリングのような回転体に信号、電力
を送り込むための機能や、流体を輸送するホースの回転
可能な特殊継ぎ手を備えている。掘削先端IWMからの
情報は、制御ラインCCP、制御ラインドラムCCD、
制御電力ケーブルSPCを介して逆に送られ、掘削制御
手段BMCに到達する。掘削制御手段BMCに、掘削先
端IWMからの情報に基づき掘削先端IWMを制御する
機能や、掘削先端IWMの状態表示機能を付加すること
もできる。
【0041】泥水供給手段MPTで作られた泥水も泥水
ラインMPFによって制御ラインドラムCCDに送ら
れ、そこで制御ラインCCPに結合され、掘削先端IW
Mに送られる。図には明示していないが、制御ラインド
ラムCCD、成果物ドラムCPD、泥水供給手段MP
T、掘削機発進台BMLは、掘削先端IWMと同様に掘
削制御手段BMCによって動作の制御が可能である。実
用的にはシステム全体の動作を掘削制御手段BMCで管
理することが望ましい。
【0042】すでに説明したように、地上から掘削先端
IWMに送られる動力としては、掘削する距離が短けれ
ば油圧ホースを介して直接油圧を使用してもよく、掘削
先端IWM内に油圧発生のための装置を内蔵することも
できる。油圧を使用せずに電力をそのまま使っても良
い。
【0043】本掘削先端IWMによる掘削状況を図6を
参照して説明する。図6(a)の掘削開始前に示すよう
に、掘削機発進台BMLを補助として使用し、掘削先端
IWMは発進可動台MLTに収容され、発進基台MLB
は地面に置かれ、必要があれば地面に固定される。図6
(b)に示すように、発進可動台MLTは掘削開始地点
まで発進基台MLBの斜面に沿って移動し、発進基台M
LBに固定される。図2(a)の穿孔準備と同じく掘削
先端IWMの掘削アンカDPAの方向制御前後脚FL
G、RLGが外側に繰り出され、発進可動台MLTに掘
削アンカDPAを固定する。掘削ビットBITで掘削し
ながら掘削ヘッドDPHが地中に入れば、掘削ヘッドD
PHを地中に固定し、掘削アンカDPAを前進させる。
図6(b)では掘削先端IWMが発進可動台MLTから
離れ、完全に地中に没した状態を示している。
【0044】掘削先端IWMが発進可動台MLTより離
れ、完全に地中に入ったら掘削機発進台BMLは取りは
ずしてよい。図6(c)がこの状態を示しており、以後
掘削先端IWMは独自で掘削を続行し、成果物BCPと
制御ラインCCPを順次引き込んで行く。
【0045】掘削終了時の手順を図7(a)、(b)、
(c)を参照して説明する。図7(a)に示すように、
掘削先端IWMが地中を掘り進んで、まさに地上に出よ
うとしている。すでに掘削機発進台BMLも出口に設置
されている。符号はすべて図6と同一である。図7
(b)は掘削先端IWMが発進可動台MLTの内部に収
容された時点であり、掘削先端IWMは引き込み脚PL
Gと方向制御前後脚FLG、RLGを使って自力で発進
可動台MLT内に進行できる。孔掘削は完了し、成果物
BCPと制御ラインCCPは掘削先端IWMの掘削アン
カDPAの後端に取り付いたまま、掘削された穴を貫通
している。図7(c)のように、成果物BCPと制御ラ
インCCPを掘削先端IWMから切り離し、制御ライン
CCPのみを制御ラインドラムCCDに巻き戻せば成果
物BCPのみが孔内に残り、成果物BCPの敷設が完了
する。
【0046】このように、掘削開始時および終了時に掘
削先端IWMの各種の脚類が地中から露出して掘削が継
続できないときに、発進可動台MLTに掘削先端IWM
を収容することにより、掘削の継続が可能である。発
進、回収共に同一の掘削機発進台BMLで共用できる。
【0047】掘削先端IWMの構成は種々変化させるこ
とができる。引き込み脚PLGと方向制御前後脚FL
G、RLGについて、今まで4等分した扇形状の脚で動
作説明を行ったが、図8に示すように引き込み脚PLG
は3個以上、方向制御前後脚FLG、RLGは2個以上
で満足に機能を果たすことができる。図8(a)はいず
れも3つ割りにした引き込み脚PLGと方向制御前後脚
FLG、RLGを装備した掘削先端IWMの側面図を、
図8(d)は2つ割りにした方向制御前後脚FLG、R
LGを装備した掘削先端IWMの側面図を示し、図8
(b)、(c)、(e)、(f)、(g)は同名の大文
字を付けた矢印で切断した断面図で、主に各脚の平面形
を示している。
【0048】3つ割りにした脚は掘削した穴壁に平均し
て貫入するので、脚が孔壁に当たらずに宙に浮いた状態
になるのを軽減できる。2つ割りにした脚を持つ方向制
御前後脚FLG、RLGの場合は、図8(f)、(g)
に示すように脚の伸縮方向を直交させれば、最小個数の
方向制御脚で掘削アンカDPAの姿勢制御と孔壁に対す
る固定を行える。引き込み脚PLGは図1や図8では1
組であるが、成果物BCPと制御ラインCCPを引き込
むのに大きな力を要する場合に、例えば図2に示したよ
うに、引き込み脚PLGを複数組装備して、掘削ヘッド
DPHの孔壁に対する保持力を増すこともできる。
【0049】個々の脚の構造例が図9に示されている。
図9(a)、(d)は脚の平面を、図9(b)、(e)
は側面を、図9(c)、(f)は脚の内部をラム3に沿
って投影して示している。図9(a)、(b)、(c)
に示した例では、脚本体1に板状の補強板2を固定し、
脚本体1の強度を補強するのと同時に、脚伸長時には補
強板2でも泥土を受けて保持力を高めている。軟弱地盤
に適した構造である。なお、油圧シリンダに収容され、
脚本体1を伸長するラム3は補強板2に固定されてい
る。図9(d)、(e)、(f)に示すように、扇形状
の脚本体1に直接ラム3を固定すれば、ラム3の長さを
長くでき、脚のストロークを増すことができる。
【0050】掘削方法として、今まで説明した、回転す
る掘削ビットBITと泥水の組み合わせの他に、掘削先
端IWMの側面図を示した図10(a)のように、水ジ
ェットBWJを使用することもできる。上記2種の掘削
方法は水を必要とするので、いずれも制御ラインCCP
の構成要素として給水ホースを要する。
【0051】図10(b)に側面図を示した例では、掘
削ヘッドDPHは衝撃型掘削手段CBHを用いている。
その他の構造は図1に示した掘削先端IWMと同様の機
構を持つ。衝撃型掘削手段CBHの動作の様子を図10
(c)、(d)に示す。衝撃型掘削手段CBHは衝撃頭
HHDと打ち出し機構CPPを備えており、打ち出し機
構CPPは衝撃頭HHDを高速で前方(図で左に)に打
ち出し、引き戻す機能を備えている。打ち出し機構CP
Pの動力源として圧搾空気などが使用できる。1例とし
て、打ち出し機構CPPに穿たれたエアシリンダ4に衝
撃頭HHDに固定されたラム5が嵌入し、エア供給孔6
から供給された空圧で衝撃頭HHDを高速で左に打ち出
す(図10(c))。図10(d)のように、排気孔7
が露出するとエアは排出され、衝撃頭HHDは図示しな
いバネで引き戻され、図10(c)の位置に戻る。高速
で打ち出された衝撃頭HHDの反力は主に掘削フレーム
DHF、押し引き手段TPCと掘削アンカDPAの重量
によって吸収される。特に掘削フレームDHFの慣性質
量を大きくするのが効果的である。
【0052】この衝撃型掘削手段CBHは掘削孔前面の
孔壁を掘り崩すのではなく、孔壁を圧密しながら(土を
押しのけ押し固めながら)掘削していく。したがって、
衝撃型掘削手段CBHを装着した掘削先端を使用する
と、掘削土を排除するための泥水と泥水供給手段MPT
は必要でない。同様の泥水不要の目的に、油圧シリンダ
で衝撃頭HHDに類似の先導体を押し込み、孔壁を圧密
して掘削する方式も使用可能である。制御ラインCCP
としては動力供給と信号伝送のみを行えばよく、制御ラ
インCCPの中で比較的重量の重い給水ホースは不要と
なる。給水ホースのない制御ラインCCPを引き込む力
は減少し、掘削先端の小型化が図られる。
【0053】ここで、制御ラインCCPを成果物BCP
として使用できるように作っておけば、掘削終了後の制
御ラインCCPの引き戻しが不要となり、施工時間をさ
らに短縮できる。例えば、成果物BCPが電力ケーブル
であるときには、該電力ケーブルに前記掘削先端用の電
力と変調された制御信号とを流すことにより、そのまま
制御ラインとして使用することができる。また、制御ラ
インCCPとして、成果物に電力線を抱き合わせたもの
を使用しても、同様に施工時間を短縮することができ
る。例えば、本来の成果物BCPが光ファイバーケーブ
ルのように信号伝送が可能なものである場合、それに使
い捨ての電力ケーブルを抱き合わせて制御ラインCCP
として使用し、敷設終了後に電力ケーブルの接続を切り
離せばよい。
【0054】図11に模式図で示した補助押し込み手段
ATMも有効に利用できる。図11の他の要素は図6、
図7に説明したもので符号も同一にしてある。図11で
は成果物BCPと制御ラインCCPの中で比較的重量の
重い泥水ラインMPFが補助押し込み手段ATMを通過
しているので、制御ラインCCPは泥水ラインMPFを
除くものとして示されている。補助押し込み手段ATM
は成果物BCPと泥水ラインMPFをくわえ掘削孔内に
押し込む機能を有し、制御手段BMCにより動作を制御
されている。したがって、掘削先端IWMの挙動と同期
して、押し込む成果物BCPの長さ、時期がコントロー
ルされている。
【0055】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の連続掘削
工法および装置ならびに掘削先端の使用により、掘削先
端と掘削孔壁の間で力学的な力の処理が完結し、掘削先
端と地上設備の間はエネルギーの供給と制御信号の授受
を行うのみで、力のやりとりは一切行わない点と、2組
の方向制御前後脚が個々の押し込み量を可変でき、掘削
ヘッドの進行方向の制御が精度よくできるので、極小口
径管およびケーブル等の曲げ剛性が低い対象物を、高い
加工精度で敷設することができる。従来の水平ドリリン
グ工法と小口径推進工法がドリルパイプや成果物を接続
する間は掘削作業を中止する必要があるのに対し、本発
明の連続掘削工法では掘削作業を継続して行える。ま
た、掘削先端に成果物の一端を固定し、掘削と同時に成
果物の敷設ができることや、付帯的な作業である出発点
と到達点に立坑を設ける必要がなく、地上の固定スペー
スがほとんど不要な点、また、場合によって制御ケーブ
ルと成果物との共用が可能であり、衝撃型掘削手段を装
着した掘削先端を使用すると、掘削土を排除するための
泥水と泥水供給手段は不必要等のコスト削減効果が大き
く、施工期間が短いことと相まって、工事費用が低廉で
済む利点がある。
【0056】さらに、掘削機発進台、補助押し込み手段
の採用、使用できる掘削手段数の多さで多様の地質、作
業環境への適応性があり、工事可能範囲の拡大ができる
ことも大きな利点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の掘削ヘッドと掘削アンカとを結合する
押し引き手段とを直線的に配置した掘削先端の図であ
る。
【図2】本発明の掘削先端の穿孔と前進を説明する模式
図である。
【図3】本発明の掘削先端の動作の説明図である。
【図4】本発明の掘削先端を駆動する油圧動力系の概念
図である。
【図5】掘削機発進台の模式図である。
【図6】掘削作業の開始時点の動作の説明図である。
【図7】掘削作業の終了時点の動作の説明図である。
【図8】掘削先端の引き込み脚と方向制御脚の各種の分
割数を示す説明図である。
【図9】本発明の掘削先端の引き込み脚と方向制御脚の
各種の形態の説明図である。
【図10】各種の掘削方法を採用した掘削ヘッドの説明
図である。
【図11】補助押し込み手段を併用した掘削例を模式的
に示す説明図である。
【図12】従来例の水平ドリリング工法による掘削工程
の説明図である。
【図13】従来例の小口径推進工法による掘削工程の説
明図である。
【符号の説明】
IWM 掘削先端、DPH 掘削ヘッド、BIT 掘削
ビット、DHF 掘削フレーム、PLG 引き込み脚、
TPC 押し引き手段、DPS 押し込みシャフト、
PSC シャフトシリンダ、CNC 結合ケーブル、D
PA 掘削アンカ、PAF アンカフレーム、FLG
方向制御前脚、RLG 方向制御後脚、RLC 後脚シ
リンダ、BCP 成果物、CCP 制御ライン、BMC
掘削制御手段、SPC 制御電力ケーブル、MPT
泥水供給手段、MPF 泥水ライン、CCP 制御ライ
ン、CPD 成果物ドラム、CCD 制御ラインドラ
ム、MPL 泥水溜め、BML掘削機発進台、MLT
発進可動台、MLB 発進基台、1 脚、2 補強板、
3 ラム、BWJ 水ジェット、CBH 衝撃型掘削手
段、HHD 衝撃頭、CPP 打ち出し機構、ATM
補助押し込み手段、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 均 埼玉県上福岡市大原二丁目1番15号 株式 会社ケイディディ研究所内 Fターム(参考) 2D029 DA03 2D054 AC18 AD27 AD37 BA28

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削先端と、該掘削先端の駆動および制
    御を行う掘削制御手段と、前記掘削制御手段から前記掘
    削先端に少なくとも動力および制御信号を供給する制御
    ラインとにより、非開削で地中に孔を掘削する連続掘削
    工法であって、 前記掘削先端は、掘削手段と掘削方向に対して直角方向
    に伸縮可能な引き込み脚とを備えた掘削ヘッドと、掘削
    方向に対して直角方向に伸縮可能な方向制御前脚および
    方向制御後脚を備えた掘削アンカと、前記掘削ヘッドと
    前記掘削アンカとに直線的に結合され伸縮可能な押し引
    き手段とを備えており、 前記方向制御前脚および前記方向制御後脚を伸長させる
    ことにより前記掘削アンカを孔壁に固定した状態で、前
    記押し引き手段を伸長させて前記掘削ヘッドを前進させ
    つつ前記掘削手段により掘削を行う掘削ステップと、 前記引き込み脚を伸長させることにより前記掘削ヘッド
    を孔壁に固定した状態で、前記押し引き手段を短縮させ
    て前記掘削アンカを前進させる前進ステップとを交互に
    繰り返すことにより、地中に孔を掘削することを特徴と
    する連続掘削工法。
  2. 【請求項2】 前記方向制御前脚および前記方向制御後
    脚は、それぞれ、掘削方向に対して直角方向への移動量
    を個別に制御可能な複数個の脚を有しており、前記掘削
    ステップにおいて、前記方向制御前脚における前記複数
    個の脚のそれぞれの移動量と前記方向制御後脚における
    前記複数個の脚のそれぞれの移動量とを制御することに
    より、前記掘削先端の軸心の方向を前記孔の軸心の方向
    に対して傾け、掘削方向を制御することを特徴とする前
    記請求項1記載の連続掘削工法。
  3. 【請求項3】 孔の掘削開始時および終了時に、地上に
    設置された前記掘削先端の一部または全部を収容可能な
    可動式掘削機発進台を用いて、孔の掘削の開始および終
    了を行うようにしたことを特徴とする前記請求項1ある
    いは2に記載の連続掘削工法。
  4. 【請求項4】 前記掘削手段は掘削用ビットまたは水ジ
    ェットノズルとされており、前記制御ラインを介して、
    地上に設置した泥水供給手段から前記掘削先端に泥水を
    供給するようにしたことを特徴とする前記請求項1〜3
    のいずれかに記載の連続掘削工法。
  5. 【請求項5】 前記掘削手段は土を圧縮して掘削を行う
    機構のものとされていることを特徴とする前記請求項1
    〜3のいずれかに記載の連続掘削工法。
  6. 【請求項6】 前記掘削アンカに成果物の一端を接続し
    て、孔を掘削するのと同時に成果物の敷設を行うことを
    特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載の連続掘
    削工法。
  7. 【請求項7】 前記制御ラインとして成果物を使用した
    ことを特徴とする前記請求項6記載の連続掘削工法。
  8. 【請求項8】 前記制御ラインとして成果物および電力
    線を用いたことを特徴とする前記請求項6記載の連続掘
    削工法。
  9. 【請求項9】 少なくとも前記成果物を押し込む補助押
    し込み手段を地上に設置し、前記掘削先端の前記押し引
    き手段の動きと連携して、少なくとも前記成果物を掘削
    孔に押し込むようにしたことを特徴とする前記請求項6
    〜8のいずれかに記載の連続掘削工法。
  10. 【請求項10】 地中に孔を掘削する掘削先端と、該掘
    削先端の駆動および制御を行う掘削制御手段と、前記掘
    削制御手段から前記掘削先端に少なくとも動力および制
    御信号を供給する制御ラインを備えた連続掘削装置であ
    って、 前記掘削先端は、掘削手段と掘削方向に対して直角方向
    に伸縮可能な引き込み脚とを備えた掘削ヘッドと、掘削
    方向に対して直角方向に伸縮可能な方向制御前脚および
    方向制御後脚を備えるとともに前記制御ラインが接続さ
    れる掘削アンカと、前記掘削ヘッドと前記掘削アンカに
    直線的に結合され伸縮可能な押し引き手段とを備えてい
    ることを特徴とする連続掘削装置。
  11. 【請求項11】 前記方向制御前脚および前記方向制御
    後脚は、それぞれ、掘削方向に対して直角方向への移動
    量を個別に制御可能な複数個の脚を有していることを特
    徴とする前記請求項10記載の連続掘削装置。
  12. 【請求項12】 前記掘削アンカに成果物が取り付けら
    れることを特徴とする前記請求項10あるいは11記載
    の連続掘削装置。
  13. 【請求項13】 前記掘削手段は、掘削用ビットあるい
    は水ジェットノズルとされていることを特徴とする前記
    請求項10〜12のいずれかに記載の連続掘削装置。
  14. 【請求項14】 前記掘削手段は、土を圧縮して掘削を
    行う機構のものとされていることを特徴とする前記請求
    項10〜12のいずれかに記載の連続掘削装置。
  15. 【請求項15】 制御ラインを介して供給される動力に
    より駆動され、地中に孔を掘削する掘削先端であって、 掘削手段と掘削方向に対して直角方向に伸縮可能な引き
    込み脚とを備えた掘削ヘッドと、 掘削方向に対して直角方向に伸縮可能な方向制御前脚お
    よび方向制御後脚を備えるとともに前記制御ラインが接
    続される掘削アンカと、 前記掘削ヘッドと前記掘削アンカに直線的に結合され伸
    縮可能な押し引き手段とを備えていることを特徴とする
    掘削先端。
  16. 【請求項16】 前記方向制御前脚および前記方向制御
    後脚は、それぞれ、掘削方向に対して直角方向への移動
    量を個別に制御可能な複数個の脚を有していることを特
    徴とする前記請求項15記載の掘削先端。
  17. 【請求項17】 前記掘削アンカに成果物が取り付けら
    れることを特徴とする前記請求項15あるいは16記載
    の掘削先端。
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JP2021080798A (ja) * 2019-11-22 2021-05-27 九州電力送配電株式会社 推進工法を用いた管路構築工法
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