JP7398330B2 - 曲線状トンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備 - Google Patents
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Description
発進立坑内部で新しい推進管を逐次連結して元押ししながら先頭の推進機で削孔させながら複数の推進管を地中に推進させることで長い推進管で形成されるトンネルを構築させるものである。
この方法は広く推進工法として多くの都市トンネルや管渠埋設工事で採用されて周知である。その一例が特許文献1に示されている。
1) トンネル内からトンネル壁を開口して外側の地盤に向けて、又は斜面地の工事路面から斜面地の上方斜面から地盤に向けて、地山を掘削する推進機とその後方に連結される複数の推進管とからなる推進装置を元押しながら推進工法で推進させて曲線状のトンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備であって、
トンネル内の路面に又は斜面地の工事路面に複数のアウトリガーでベース台上面を昇降可能に設置されたベース台と,同ベース台上に一端が枢支部で枢支され仰角調整用油圧シリンダーで起伏自在に取付けられたアームと,同アームの先端部に設けられて推進装置を通過させることができる開口を中央に有する門型フレームと,同門型フレームの外側の左右端と前記枢支部の各左右端とを連結する平行な左右一対の上下方向に同じ曲率で湾曲したガイドパイプと,同左右一対のガイドパイプを左右で抱持して同ガイドパイプに沿って摺動できるスライド架台と,同スライド架台と前記枢支部との間に設けられ前記スライド架台を前記ガイドパイプに沿って摺動させる推進装置の外殻の巾より広い間隔で配置された複数の元押ジャッキと,前記スライド架台の中央位置で前方に突出するように設けられて最尾の推進管に推進力を伝達する筒状の押輪と,前記先端部に設けられた門型フレーム後方で前記ガイドパイプに沿って前記推進装置の外殻が前記門型フレームの前記開口を通過できるように内側ローラで案内する曲線ガイド治具と,前記門型フレームの前壁に設けられ前記開口を通過する推進装置の外殻に向けてジャッキによって進退可能に設けられた上下及び左右に対向的に配置された一対のバック防止用加圧摩擦パットとを備えた構造とし、
前記門型フレーム後方の複数の前記曲線ガイド治具の後端と前記枢支部側に摺動した位置でのスライド架台の押輪の前端との間に新しい推進管を導入して、同新しい推進管を前記推進装置の最尾の推進管にボルト連結できる作業空間を設け、同作業空間での新しい推進管の連結後に元押ジャッキのシリンダーロッドを伸長させることで前記連結された推進管を前記曲線ガイド治具を介して先端部の門型フレームの開口内に送り込めるようにでき、しかも前記推進装置を仰角調整用油圧シリンダーで所定の仰角とすることで発進位置の高さを調整でき且つガイドパイプの湾曲の曲率で推進装置を前記元押ジャッキで押し込むようにして曲線状トンネルを構築させることができることを特徴とする、曲線状トンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備
2) 前記門型フレームの開口を通過した地盤中の前記推進装置に必要な油圧又は電気の送給と制御データ又はセンサーデータの授受と排泥の排出の為の油圧ホース・電力線・信号線又は排泥ホース等のホース又は配線は推進装置の推進管内を介して、スライド架台の押輪の筒内を通過させてベース台がある路面側に引き出されて路面又はベース台にある装置と接続されて推進装置を作動可能とした、前記1)記載の曲線状トンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備
3) 前記推進管は、前記推進機の外殻と同じ外形寸法を有する外管と,左右一対の円管を一体的に連接して前記外管に内接するように挿入され且つ前記外管と同じ曲率を有する内管とからなり、しかも前後の推進管の内管は互にボルトで連結されて複数の内管で管列を形成し、同内管の管列の先端の管端は前記推進機とボルト連結され、他方前記推進管の外管は前記内管の外側に嵌装されて前後の推進管の外管は管端が互に当接するように列設されて複数の外管で管列を形成し、同外管の管列の先端の管端は前記推進機の外殻と当接するようになっていて、更に前記内管の管列の最尾の内管の後管端は前記外管の管列の最尾の外管の後管端より後方に位置するように設定し、内管の管列の前記後管端と外管の管列の前記後管端との間に所要の間隙を設け、前記押輪の推進力は内管の管列の後管端に荷重されて管列の先端から推進機へ伝達させるようにし、外管には強い推進力が作用させずに外管を内管の移動に追従させて、外管の上下左右の偏位を少なくした、前記1)又は2)記載の曲線状トンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備
4) 前記ベース台が後部と前部に分れ、同前部と後部と水平なねじ軸を螺合させ、同ねじ軸を回動するモータを設け、同モータの回転で前記ねじ軸を回転させることで後部を前部に対して進退させてベース台の前後長さを可変にしてベース台の設置を効率的にした、前記1)~3)いずれか記載の曲線状トンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備
にある。
新しい推進管の連接又は連結と配管・配線の引出しを完了した後に、バック防止用加圧摩擦パットを緩めながらスライド架台の元押ジャッキを伸長するようにすれば、スライド架台の押輪が新しく連接又は連結されて最尾となった推進管の外管又は内管を押圧して外管又は内管の管列を介して推進機へ推進力を与え、又新しく連接又は連結した推進管を門型フレーム位置まで移動させる。その後、元押ジャッキの作動を停止し、加圧用ジャッキを作動させ前記のバック防止用加圧摩擦パットによって推進装置を静止させた後、スライド架台を枢支部方向へ戻して作業空間を確保し、その後次の新しい推進管の挿入と、推進管の連接連結作業の後に加圧摩擦パットを緩めながらスライド架台の元押ジャッキ作動してスライド架台の押輪で推進させることの繰り返しを行う。
以上の行程の繰り返しによって推進装置を所定の発進位置から出発させ複数の推進管を連結して、所定の曲率の曲線でもってトンネルを掘削して、トンネル・地中梁又は先行支保を構築できるものとしている。
後者の場合で内管のボルト連結された管列の最尾の内管の後管端と外管の連接された管列の最尾の外管の後管端との長後方向の位置差にクリアランスとして1~2mm程の間隔を設ける。即ち、内管の後管端が外管の後管端より1~2mm程後方の押輪に密着された位置になるようにすれば押輪の推進力は内管に伝達され、内管の管列により直接推進機に推進力を伝達させる。外管は、内管の管列の前方移動で内管からの内接による摩擦力及び押輪による2次的弱い押圧によって内管の前方移動に対し遅れて前方に追従するように移動する。即ち、内管は推力伝達の中心とし、外管は引張力を受けて追従する。
説明し直すと、押輪が内管の管列の後管端と外管の管列の後管端に同時に推進力を作用されても、外管の管列の前管端と推進機の外殻とは前記クリアランス1~2mmが発生することとなり、直接的に外管から推進機への力(推進力)の伝達はなく、外管は押輪の移動分だけ移動する。一方、内管の管列の前管端は直接推進機にボルト連結されているので、押輪の前方移動とともに内管の管列を通して軸方向力が推進機まで伝達され移動されることとなる。よって、外管には強い推進力が作用せず、上下左右の偏位は少なく、追従するのみの運動となる。
又、推進機の発進位置の高さはアームの仰角調整用油圧シリンダーによる仰角の調整とベース台のアウトリガーの上下長さとで調整できる。又、トンネルの曲線はガイドパイプの曲率によって調整できる。このように、推進装置の発進位置が路面・ベース台よりかなり高くても発進作業は安全にできる。
よって、既設トンネル内の路面から既設の上・下に位置するトンネルに向ってトンネル壁を開口切り開きしての曲線のトンネル構築が容易・迅速且つ安全に行える。
又、本発明の推進管は従来の筒状の外管のみの場合と、本実施例の如く外管6aの内に内管7aがある二重管構造でもよい。特に、二重管構造で内管7aに推進力を伝達させる機能を付与させるのが、精密な推進管の施工ができる点で好ましい。
又、本発明の推進装置が発進位置から直線的に掘削する直線トンネルの工事の場合、門型フレームの開口位置でのガイドパイプが漸次接線方向になるようにすれば、直線的掘削のトンネルも可能となる。
本実施例は既設トンネルT内から既設トンネルTの高所から推進装置を発進させてトンネル外側に近接した地下構造体USに続く曲線状トンネルを構築するための推進装置の発進設備Gである。尚、既設トンネルが発進側より下方に位置している場合でもこの曲線架台を反転して使用可能である。
本実施例の特許請求の範囲・明細書及び図面に使用した用語に付した符号を説明する。Gは実施例の発進設備、1は既設トンネルT内のトンネル路面TR又は別の工場の工事路面に設置する実施例の発進設備Gのベース台、1aはベース台の前方部分のベース台本体、1bはベース台の後方部分で前記ベース台本体1aに対して前後方向に移動できるベース台後部、1cは同ベース台をトンネル路面TR又は工事路面上に支持する12基のアウトリガー、TWはトンネルTのトンネル壁、1dは前記ベース台後部に軸端の軸受部を有してベース台本体1aのフレーム部材と螺合したベース台長さ調整用ねじ軸、1eは同ねじ軸1dを回動してベース台後部を前後方向に移動させるためのモータ、1fはベース台1に水平に伸縮可能に螺着された反力支持ねじ軸であって、同ねじ軸の先端は地下構造物・岩盤・地盤等に当接させて反力を受けられるようにしている。2は前記ベース台1上に一端を枢支した枢支部2aまわりに起伏自在なアーム、2aは同アームのベース台1に設けた水平な枢支部、2bは前記アームの先端部に直角に取付けた門型フレーム、2cは同門型フレームの中央部に形成されて推進装置を送り出す開口、2dは前記アーム2を枢支部2aまわりに回動して起伏させるための左右一対の仰角調整用油圧シリンダーである。
この低い位置にしてまず先頭の推進機11とその後の1個の推進管6を連結する。連結は内管7aの左右一対の2つの円管7bを連接して外管6a内側に内接する形状の前側の内接フランジ7c(隔壁)を推進機11の隔壁とボルト連結する。外管6aの前方管端の外管当接端6bを推進機11の外殻11aと当接させる。
尚、内管7aの内接フランジ7cを推進機11の隔壁とボルト連結する前に、推進機11の油圧ホース・電力線・制御信号線(以上図示せず)及び排土管に接続される排土ホース11j等は推進管6の2つの円管7b内部を介して外側に出しておく。
このように、推進機11と1個の推進管6との連結体をクレーン(図示せず)をもって吊上げて門型フレーム2bの開口2c内に曲線ガイド治具8を用いながら挿入して、門型フレーム2bの開口周辺に取付けた左右・上下のバック防止用加圧摩擦パット9,10をジャッキ9a,10aの力でもって推進管6の外管6aに圧接して、推進機11とその後の推進管6とを門型フレーム2bに静止させる。
スライド架台4が枢支部2aに近づくと、スライド架台4の押輪4bの押圧面4dと門型フレーム2bに静止させた最尾の推進管6の管端との間に900mm以上の作業空間5が形成される。
この作業空間5が形成された位置で、引出された油圧ホース・電力線・制御信号線・排土ホース等を次に連結する推進管6の内管7aの2つの円管7bに分けて挿入し、更にスライド架台4の押輪4bの押輪中空部4cに通過させベース台側に引出す。
形成された作業空間位置から次の推進管6をクレーン等で持ち上げて左右ある元押ジャッキ4eの間に配置し、元押ジャッキ4eを伸長するとスライド架台4は湾曲したガイドパイプ3に沿って移動してその押輪4bが次の新しい推進管6の後管端7hに当接する。そのクリアランス12によって押輪4bの先端の押輪押圧面4dは内管7aの後管端7hに当る。
TW トンネル壁
G 実施例の曲線状トンネルを構築するための推進装置の発進設備
GT 曲線状トンネル
TR トンネル路面
US 地下空間
USW 地下壁
No.1 推進機の後外殻
No.2~No.14 推進管の番号
1 ベース台
1a ベース台本体
1b ベース台後部
1c アウトリガー
1d ベース台長さ調整用ねじ軸
1e モータ
1f 反力支持ねじ軸
2 アーム
2a 枢支部
2b 門型フレーム
2c 開口
2d 仰角調整用油圧シリンダー
2e ガイドフリーローラ
3 ガイドパイプ
3a 連結部
3b 連結部
3c ガイドパイプの曲線部
4 スライド架台
4a ガイドパイプ抱持部
4b 押輪
4c 押輪中空部
4d 押輪押圧面
4e 元押ジャッキ
4f シリンダーロッド
4g シリンダーロッド4fの先端と枢支部2aとの連結部
5 作業空間
6 推進管
6a 外管(外殻)
6b 外管当接端
6c 外管の管列
6d 最尾外管
6e 最尾外管の後管端
7a 内管
7b 円管
7c 内管の内接フランジ
7d 内管連結用ボルト
7f 内管の管列(推力伝達管)
7g 最尾内管
7h 最尾内管の後管端
7j 内管と推進機とのボルト連結部
8 曲線ガイド治具
8a ローラ
8b ガイドパイプとの連結ボルト
9 左右のバック防止用加圧摩擦パット
9a ジャッキ
10 上下のバック防止用加圧摩擦パット
10a ジャッキ
11 推進機
11a 推進機の外殻
11b カッター盤
11c 自転公転する掘削ビット刃物
11d カッター盤の回転主軸
11e 回動装置
11f 排土口
11g 排土管
11h 開閉バルブ
11j 排土ホース(排泥ホース)
12 クリアランス
Claims (4)
- トンネル内からトンネル壁を開口して外側の地盤に向けて、又は斜面地の工事路面から斜面地の上方斜面から地盤に向けて、地山を掘削する推進機とその後方に連結される複数の推進管とからなる推進装置を元押しながら推進工法で推進させて曲線状のトンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備であって、
トンネル内の路面に又は斜面地の工事路面に複数のアウトリガーでベース台上面を昇降可能に設置されたベース台と,同ベース台上に一端が枢支部で枢支され仰角調整用油圧シリンダーで起伏自在に取付けられたアームと,同アームの先端部に設けられて推進装置を通過させることができる開口を中央に有する門型フレームと,同門型フレームの外側の左右端と前記枢支部の各左右端とを連結する平行な左右一対の上下方向に同じ曲率で湾曲したガイドパイプと,同左右一対のガイドパイプを左右で抱持して同ガイドパイプに沿って摺動できるスライド架台と,同スライド架台と前記枢支部との間に設けられ前記スライド架台を前記ガイドパイプに沿って摺動させる推進装置の外殻の巾より広い間隔で配置された複数の元押ジャッキと,前記スライド架台の中央位置で前方に突出するように設けられて最尾の推進管に推進力を伝達する筒状の押輪と,前記先端部に設けられた門型フレーム後方で前記ガイドパイプに沿って前記推進装置の外殻が前記門型フレームの前記開口を通過できるように内側ローラで案内する曲線ガイド治具と,前記門型フレームの前壁に設けられ前記開口を通過する推進装置の外殻に向けてジャッキによって進退可能に設けられた上下及び左右に対向的に配置された一対のバック防止用加圧摩擦パットとを備えた構造とし、
前記門型フレーム後方の複数の前記曲線ガイド治具の後端と前記枢支部側に摺動した位置でのスライド架台の押輪の前端との間に新しい推進管を導入して、同新しい推進管を前記推進装置の最尾の推進管にボルト連結できる作業空間を設け、同作業空間での新しい推進管の連結後に元押ジャッキのシリンダーロッドを伸長させることで前記連結された推進管を前記曲線ガイド治具を介して先端部の門型フレームの開口内に送り込めるようにでき、しかも前記推進装置を仰角調整用油圧シリンダーで所定の仰角とすることで発進位置の高さを調整でき且つガイドパイプの湾曲の曲率で推進装置を前記元押ジャッキで押し込むようにして曲線状トンネルを構築させることができることを特徴とする、曲線状トンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備。 - 前記門型フレームの開口を通過した地盤中の前記推進装置に必要な油圧又は電気の送給と制御データ又はセンサーデータの授受と排泥の排出の為の油圧ホース・電力線・信号線又は排泥ホース等のホース又は配線は推進装置の推進管内を介して、スライド架台の押輪の筒内を通過させてベース台がある路面側に引き出されて路面又はベース台にある装置と接続されて推進装置を作動可能とした、請求項1記載の曲線状トンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備。
- 前記推進管は、前記推進機の外殻と同じ外形寸法を有する外管と,左右一対の円管を一体的に連接して前記外管に内接するように挿入され且つ前記外管と同じ曲率を有する内管とからなり、しかも前後の推進管の内管は互にボルトで連結されて複数の内管で管列を形成し、同内管の管列の先端の管端は前記推進機とボルト連結され、他方前記推進管の外管は前記内管の外側に嵌装されて前後の推進管の外管は管端が互に当接するように列設されて複数の外管で管列を形成し、同外管の管列の先端の管端は前記推進機の外殻と当接するようになっていて、更に前記内管の管列の最尾の内管の後管端は前記外管の管列の最尾の外管の後管端より後方に位置するように設定し、内管の管列の前記後管端と外管の管列の前記後管端との間に所要の間隙を設け、前記押輪の推進力は内管の管列の後管端に荷重されて管列の先端から推進機へ伝達させるようにし、外管には強い推進力が作用させずに外管を内管の移動に追従させて、外管の上下左右の偏位を少なくした、請求項1又は2記載の曲線状トンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備。
- 前記ベース台が後部と前部に分れ、同前部と後部と水平なねじ軸を螺合させ、同ねじ軸を回動するモータを設け、同モータの回転で前記ねじ軸を回転させることで後部を前部に対して進退させてベース台の前後長さを可変にしてベース台の設置を効率的にした、請求項1~3いずれか記載の曲線状トンネル・地中梁又は先行支保を構築するための推進装置の発進設備。
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