JP2000352113A - ボルト接合部の制振構造 - Google Patents

ボルト接合部の制振構造

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JP2000352113A
JP2000352113A JP11333084A JP33308499A JP2000352113A JP 2000352113 A JP2000352113 A JP 2000352113A JP 11333084 A JP11333084 A JP 11333084A JP 33308499 A JP33308499 A JP 33308499A JP 2000352113 A JP2000352113 A JP 2000352113A
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plate
bolt
friction
vibration damping
sliding plate
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Yasuhiko Takahashi
泰彦 高橋
Yasumasa Suzui
康正 鈴井
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Obayashi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 互いに接合された鉄骨部材同士の間で繰り返
して滑りを生じた場合にも、常にほぼ一定した摩擦抵抗
力を発生させて、安定した制振効果を得ることができる
ボルト接合部の制振構造を提供する。 【解決手段】 互いに接合しようとする2つのブレース
部分1a,1bの一方のブレース部分1aに属するウエ
ブ14と、他方のブレース部分1bに属するスプライス
プレート10,12とを互いに重合するとともに、これ
らウエブ14およびスプライスプレート10,12間に
相対移動を可能にしてボルト16の軸力を付加し、ウエ
ブ14およびスプライスプレート10,12間に入力さ
れる所定値以上の振動変位力によりこれら両者の相対移
動を許容しつつ、このときに発生する摩擦抵抗力によっ
て制振するようにし、特にウエブ14およびスプライス
プレート10,12間に、摩擦板22と滑動板Sとを対
にして挟み込んでボルト接合部を7層構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物架構を構成す
る各鉄骨部材を結合する際に用いられるボルト接合部に
適用して、地震や強風等により発生する建物架構の振動
を効果的に制振するようにしたボルト接合部の制振構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄骨柱および鉄骨梁を互いに結合して構
成される建物架構は一般に多層階ビルディングに適用さ
れ、この鉄骨構造の建物架構ではブレースが地震や風等
の水平力に対する抵抗要素として用いられる。これら鉄
骨柱や鉄骨梁およびブレースなどの鉄骨部材は、溶接や
ボルトを介して接合してラーメン架構が構成されるが、
特にボルト接合した場合には、大地震や強風などによっ
て過大な水平力が作用すると、剛結構造となるラーメン
架構にあっても接合した2部材の接合部分にズレを生ず
る。すると、このズレによって大きな摩擦抵抗力が発生
され、この摩擦抵抗力によって上記地震や風による振動
エネルギーが消耗されて、建物架構の制振機能が発揮さ
れる。
【0003】図13は上記ボルト接合部の一例を示し、
互いに接合しようとする一方の鉄骨部材から一体に一対
の外板1,1aが突設されているとともに、他方の鉄骨
部材から一体に中板2が突設されており、一対の外板
1,1a間に中板2を挟み込み、これら外板1,1aと
中板2とをボルト3で貫通してナット3a締めされる。
中板2のボルト挿通孔は長孔4として形成され、引っ張
り方向あるいは圧縮方向に過大な相対変位力Pが入力さ
れた場合には外板1,1aと中板2との相対移動が許容
される。この相対移動時に発生される上記摩擦抵抗力R
は、ボルト3の軸力Nと、外板1,1aと中板2との接
触面の摩擦係数μとの積、R=μ・Nによって決定され
る。尚、軸力Nはナット3aの締付け力によって調節さ
れ、また、摩擦係数μは外板1,1aと中板2との接触
面の表面粗さによって調節される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のボ
ルト接合部の制振構造にあっては、ボルト3の軸力N
は、単にナット3aの締付け力により発生され、この軸
力Nが直接外板1,1a間の締付け力として作用するよ
うになっている。このため、所定の摩擦抵抗力Rを発生
させるためにはナット3aの締付け力調整が難しくな
り、また、一旦締付け力を付加した場合にあっても、外
板1,1aと中板2とが幾度と無く滑りを生ずると、双
方の滑動面が摩耗して摩擦係数μが徐々に小さくなって
しまうとともに、摩耗された分だけ上記ナット3aによ
る締付け力が減少し、延いては、ボルト3の軸力Nが小
さくなってしまう。このことにより、予め設定した摩擦
抵抗力R(=μ・N)が、μとNとの双方の減少により
大きく変動して、当初の制振効果が得られなくなってし
まうという課題があった。
【0005】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て成されたものであり、互いに接合された鉄骨部材同士
の間で繰り返して滑りを生じた場合にも、常にほぼ一定
した摩擦抵抗力を発生させて、安定した制振効果を得る
ことができるボルト接合部の制振構造を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明の請求項1に示すボルト接合部の制振構造に
あっては、互いに接合しようとする2つの鉄骨部材の一
方の鉄骨部材に属する第1圧接板と、他方の鉄骨部材に
属する第2圧接板とを互いに重合するとともに、両圧接
板間に相対移動を可能にしてボルト軸力を付加し、両圧
接板間に入力される所定値以上の振動変位力により、こ
れら両者の相対移動が許容され、このときに発生する摩
擦抵抗力によって、上記2つの鉄骨部材間を制振するよ
うにしたボルト接合部の制振構造において、上記第2圧
接板を上記第1圧接板の両側に一対配設して該第1圧接
板を該第2圧接板で挟み込むとともに、これら第1圧接
板と第2圧接板との間に、摩擦板と滑動板とを対にして
挟み込んでボルト接合部を7層構造としたことを特徴と
する。
【0007】本発明の請求項2に示すボルト接合部の制
振構造にあっては、上記摩擦板および上記滑動板の少な
くともいずれか一方は、上記第1圧接板もしくは上記第
2圧接板に交換可能に取り付けられることを特徴とす
る。
【0008】本発明の請求項3に示すボルト接合部の制
振構造にあっては、上記滑動板は、耐食性を有する材料
で形成されていることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項4に示すボルト接合部の制
振構造にあっては、上記滑動板は、上記摩擦板に圧接す
る面に、研磨などの表面粗さを均一化する処理が施され
ていることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項5に示すボルト接合部の制
振構造にあっては、上記滑動板は、ステンレスやチタン
を素材として形成されていることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項6に示すボルト接合部の制
振構造にあっては、上記摩擦板は、熱硬化型樹脂を結合
材として、アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロン繊維,
カーボンファイバー,アスベストなどの繊維材料と、カ
シューダスト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バリューム
などの充填剤とからなる複合摩擦材料で形成されている
ことを特徴とする。
【0012】本発明の請求項7に示すボルト接合部の制
振構造にあっては、上記摩擦板は、上記滑動板と圧接す
る面に、摩擦熱を放散するとともに摩耗粉を取り込む凹
部を有することを特徴とする。
【0013】本発明の請求項8に示すボルト接合部の制
振構造にあっては、上記第1圧接板と上記第2圧接板と
の重合部分に上記ボルト軸力を付加する経路に、ボルト
の軸方向変位に対して弾発力の変動が略一定となる非線
形ばね領域を備えた付勢手段を介在し、該ボルトに所定
の軸力を発生させた状態で、該付勢手段が上記非線形ば
ね領域内でたわみ変形するように設定したことを特徴と
する。
【0014】本発明の請求項9に示すボルト接合部の制
振構造にあっては、上記第1圧接板および上記第2圧接
板にボルト貫通孔を形成するとともに、該第1圧接板の
該ボルト貫通孔を長孔としたことを特徴とする。
【0015】本発明の請求項10に示すボルト接合部の
制振構造にあっては、上記鉄骨部材がH形やI形などの
形鋼であり、上記第1圧接板および第2圧接板がこれら
形鋼に属する板部分であることを特徴とする。
【0016】以上の構成により本発明のボルト接合部の
制振構造の作用を以下述べると、請求項1では、一方の
鉄骨部材に属する第1圧接板と、他方の鉄骨部材に属し
て第1圧接板を挟み込む第2圧接板とを相対移動可能に
重合してボルト軸力を付加したので、振動入力時にこれ
ら第1,第2圧接板の相対移動によって発生する摩擦抵
抗力によって制振機能が発揮される。このとき、第1圧
接板と第2圧接板との間に、摩擦板と滑動板とを対で介
在したので、当該滑動板と摩擦板とが互いに接触される
ことになる。
【0017】特に、第1圧接板とこの第1圧接板を挟み
込む一対の第2圧接板との間に、摩擦板と滑動板を一対
にして挟み込んで7層構造とし、摩擦板と滑動板との間
で滑りを生じさせるようにしている。そして、この7層
構造の場合には、滑動板および摩擦板は第1圧接板ある
いは第2圧接板に対して別途取り付けられるものなの
で、これら圧接板としては構造材との接合上好ましい通
常の鋼材等を用いることができるとともに、設計で意図
した安定した摩擦係数および復元力特性が得られるよう
に、滑動板と摩擦板との最適な組み合わせを適宜に選択
することができる。
【0018】また7層構造を構成する専用の滑動板や摩
擦板を備えることは、これら滑動板や摩擦板に様々な材
質、各種の表面仕上げを施した板材を適用することがで
きる。
【0019】また、摩擦板および滑動板は別部材として
薄板で形成することができ、材質を新素材として高価に
なっても、材料コストを下げることができ、経済性にも
優れる。
【0020】さらに滑動板および摩擦板双方に高耐久性
の材質のものを選択することが可能であり、建物の供用
期間中など、制振構造の性能を一定に保つことができて
メンテナンスフリー化することも容易に可能となる。
【0021】また、滑り部分の損耗が激しく制振構造部
分を交換する必要が生じた場合でも、滑動板若しくは摩
擦板のみを取り替えることで対応することができる。滑
動板も摩擦板もともに薄板で構成できるので、重量的に
も有利であり、交換時の作業性、経済性の面で優れてい
る。
【0022】また、請求項2では、摩擦板や滑動板を交
換可能としたので、鉄骨部材はそのままとして、制振要
素のみに対する交換作業で制振性能を簡便に復元するこ
とができる。
【0023】請求項3では、耐食性のある材料からなる
滑動板を適用するようにしたため、滑動板と摩擦板とが
対峙する滑動面は腐蝕などによる経時的な変化に強く、
特にメンテナンスを施すことなく長期にわたって安定し
た滑り耐力、摩擦係数(μ)を維持することができる。
【0024】請求項4では、上記耐食性の滑動板の表面
に、研磨などの表面粗さを均一化する処理を施すことと
したので、材料の表面の摩擦係数(μ)が均一になり、
円滑に滑動させることができるとともに予期しない発音
や衝撃が生じたりするのを極力抑えることができる。
【0025】また、請求項5では、ステンレスやチタン
を滑動板に適用していて、良好かつ安定した制振性能を
長期にわたって保証することができる。
【0026】また、請求項6では、摩擦板は熱硬化型樹
脂を結合材として、アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロ
ン繊維,カーボンファイバー,アスベストなどの繊維材
料と、カシューダスト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バ
リュームなどの充填剤とからなる複合摩擦材料で形成さ
れるので、該摩擦板を、一定の摩擦係数を有する摩耗の
著しく少ない部材として形成することができる。従っ
て、第1圧接板と第2圧接板とが相対移動された際に
も、これら第1,第2圧接板と摩擦板との間の摩擦係数
は常時ほぼ一定に維持され、音の発生もなく滑らかに滑
るようになり、しかも滑動部分の摩耗がほとんどないた
めボルトの軸力もほぼ一定に維持される。
【0027】このため、上記第1,第2圧接板間の相対
移動部分に発生する、上記摩擦係数と上記軸力との積と
して得られる摩擦抵抗力をほぼ一定に維持することがで
きる。従って、2つの鉄骨部材間の減衰力特性が安定化
され、延いては、当初設定した制振機能を長期に亘って
維持することができる。
【0028】さらに、請求項7では、上記摩擦板がその
摩擦抵抗力発生面に、摩擦熱を放散するとともに摩耗粉
を取り込む凹部を有することとしたので、摩擦ダンパ作
動時に、上記凹部内の空気への摩擦熱の放散により、摩
擦板の表面温度の上昇を防止し、摩擦板表面の炭化、脱
落による摩耗粉の発生を防止できる。また、摩耗粉が発
生しても凹部に取り込まれ、摩擦板と滑動板間の摩耗粉
の滞留を防止できる。このため、滑動板が傷つき難くな
るとともに、摩耗粉の転がり滑りも生じ難くなり、摩擦
板と滑動板間の摩擦抵抗力を一定に維持することがで
き、安定した制振効果を得ることが可能となる。更に
は、摩耗粉の滞留を防止できるので、摩擦板および滑動
板との滑動面から、摩耗粉の噛込等に起因した異音が発
生することを防止でき、制振時の騒音を著く低減するこ
とができる。
【0029】また、請求項8では、上記第1圧接板と上
記第2圧接板との重合部分に上記ボルト軸力を付加する
経路に、ボルトの軸方向変位に対して弾発力の変動が略
一定となる非線形ばね領域を備えた付勢手段を介在し、
該ボルトに所定の軸力を発生させた状態で、該付勢手段
が上記非線形ばね領域内でたわみ変形するように設定し
たので、第1,第2圧接板間の隙間の変動を上記付勢手
段によって吸収することができ、このときの変動吸収に
よって付勢手段のたわみ量が変化した場合にあっても、
該付勢手段が非線形ばね領域内に設定されているため、
弾発力つまりボルトの軸力をほぼ一定に維持することが
できる。
【0030】つまり、振動入力が無い状態では上記第1
圧接板と第2圧接板とは大きな静摩擦力をもって固定状
態が維持されるが、所定値以上の振動変位力の入力によ
りこの固定状態から小さな動摩擦力を伴う相対移動状態
に移行する際に、それぞれの接触面間に大きな反発力が
発生し、これが大きな音や衝撃として現れるが、このと
きの反発力を上記付勢手段によりボルト軸力を変化する
ことなく吸収できる。従って、皿ばねを入れることによ
り緩衝作用が生じ、過大振動力が入力された場合にも、
音や衝撃の発生を抑制しつつ制振機能を十分に発揮する
ことができる。
【0031】また、上記付勢手段は、第1,第2圧接板
が相対移動する際の滑動面に摩耗が生じた場合にも、そ
の弾発力がほぼ一定に維持されるため、摩擦抵抗力が低
下するのを防止し得、当初の制振機能が永続して発揮さ
れることになる。
【0032】また、請求項9では、上記第2圧接板をボ
ルト軸力の作用方向に対峙させて一対設けるとともに、
上記第1圧接板を第2圧接板で挟み込み、該第1圧接板
のボルト貫通孔を長孔としたので、2つの鉄骨部材間に
相対変位力が入力された際に、一対の第2圧接板間に第
1圧接板が挟まれた状態で相対移動するため、一対の第
2圧接板間にボルトの軸力つまり締付け力を付加した状
態で両者が滑動する際に、ボルトが傾いてこじれを生ず
ることなくスムーズに相対移動することができる。
【0033】また、請求項10では、鉄骨部材が形鋼で
あれば、それが有する板部分を利用して簡単に制振構造
を構成することができ、制振作用を簡単に確保すること
ができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照しつつ詳細に説明する。図1〜図6は本発明に
かかるボルト接合部の制振構造の一実施形態を示してい
る。この実施形態は、本発明のボルト接合部の制振構造
をブレースに組み込んだ例である。図示例ではブレース
の一部分を示してる。すなわち本発明は、いわゆるY型
やK型、W型、X型など、軸力が入力されるどのような
形態のブレースに対しても好ましく適用することができ
る。
【0035】図示するように、H形鋼あるいはI形鋼で
構成されるブレース1が適宜位置で互いに間隔を隔てる
ように分断されている。この分断箇所に本発明にかかる
制振構造、すなわち摩擦ダンパー8が組み込まれる。H
形鋼は、ウエブ14とその上下に一対形成されるフラン
ジ15,15から成っている。摩擦ダンパー8は、これ
らウエブ14および一対のフランジ15,15それぞれ
に対して、同様な構成で取り付けられる。ウエブ14に
対する摩擦ダンパー8の取り付け構造を例にとって、以
下説明する。
【0036】分断されたブレース部分1a,1bのいず
れか一方のウエブ14には、間隔を隔てることで互いに
接離する方向に移動可能となったブレース部分1a,1
b同士の相対移動方向に沿ってボルト挿通用の長孔14
aが形成されている。この長孔14aは、ウエブ14の
長さ方向に2箇所一組で、かつウエブ14の高さ方向に
一対形成されて、計4箇所形成されている。
【0037】これら長孔14aを有する側のブレース部
分1aのウエブ14の表裏両面にはそれぞれ、後述する
複合摩擦材料からなる摩擦板22が重ね合わされる。こ
れら摩擦板22は薄板状に形成されるとともに、ウエブ
14の長さ方向に組をなす長孔14aの長さ方向に沿っ
て相当の長さを有していて、ウエブ14の高さ方向に対
をなす各長孔14aを上下双方から挟むように3枚配列
される。
【0038】また、これらウエブ14の表裏両面に配置
された摩擦板22の各表面には、これに滑動自在に滑接
する薄板状のステンレス製滑動板Sが重ね合わせて配置
される。
【0039】他方、分断された他方のブレース部分1b
のウエブ14の表裏両面には、一方のブレース部分1a
に取り付けられる摩擦板22と滑動板Sの厚さに相当す
る厚さを有するはさみ板17が重ね合わされる。そして
これらはさみ板17と滑動板Sの外側には、滑動板Sに
一端が重ね合わされ、他端がはさみ板17に重ね合わさ
れて、分断されたブレース部分1a,1b間にわたって
一対のスプライスプレート10,12が掛け渡される。
従って、ウエブ14はその両面それぞれが、対をなす摩
擦板22および滑動板Sを介して、一対のスプライスプ
レート10,12に挟み込まれることになる。そしてま
たスプライスプレート10,12は、はさみ板17によ
ってウエブ14、ひいてはブレース1と平行に配置され
る。
【0040】一方のブレース部分1aには上述したよう
に、ボルト挿通用の4つの長孔14aが形成されている
とともに、他方のブレース部分1bには、ウエブ14を
貫通する貫通孔19が形成されている。スプライスプレ
ート10,12および滑動板Sには、これら長孔14a
および貫通孔19に対応させてそれぞれ、孔部21が形
成されている。
【0041】そして他方のブレース部分1bでは、ウエ
ブ14を挟むスプライスプレート10,12間にわたっ
て高力ボルト16を挿通し、かつ当該高力ボルト16に
ナット18を螺合することで、はさみ板17を介して一
対のスプライスプレート10,12が固定的に取り付け
られるようになっていて、この固定的取り付けによって
一対のスプライスプレート10,12が他方のブレース
部分1bに属するようになっている。
【0042】他方、一方のブレース部分1aでは、これ
に属するウエブ14を挟む一方のスプライスプレート1
0から滑動板Sを介して挿通される高力ボルト16は、
摩擦板22の隙間に位置する長孔14aを介してウエブ
14の反対側に達し、裏面の摩擦板22の隙間から滑動
板S、スプライスプレート12を経てナット18と螺合
されるようになっていて、当該一方のブレース部分1a
は摩擦板22と滑動板Sとの滑動面8aを介して、スプ
ライスプレート10,12に対し相対移動自在に取り付
けられている。
【0043】そして、ナット18の締付けによりボルト
の軸力Nが発生し、この軸力Nが一対のスプライスプレ
ート10,12間に伝達されて、ウエブ14の挟み込み
力として作用することとなり、ウエブ14と一対のスプ
ライスプレート10,12とは、当該挟み込み力の作用
の下、両者の相対移動が許容される。
【0044】要するに、一方のブレース部分1aに、ウ
エブ14の両面に重ね合わされた薄板状の一対の摩擦板
22、薄板状の一対の滑動板S、並びに一対のスプライ
スプレート10,12によって、板材が7層に積層され
た構造が構成されるとともに、さらにこれら摩擦板22
や滑動板Sに、高力ボルト16とナット18で相当のボ
ルト軸力が付加されることにより、ブレース部分1a,
1b間に作用する摩擦ダンパー8が構成されるようにな
っている。
【0045】さらに、高力ボルト16とナット18によ
る締結構造部分には、高力ボルト16の頭部16aとス
プライスプレート10との間に、リング状の皿ばねが複
数積層された皿ばね積層体30が設けられる。また皿ば
ね積層体30の高力ボルト16側の一端には、これに重
ねて高力ボルト16の軸力を伝達する円盤状の座金32
が設けられている。そして高力ボルト16は、その頭部
16aを受ける小径の座金20を介して座金32を貫通
して皿ばね積層体30の中空内部へと挿通され、ウエブ
14の長孔14aに挿入されるようになっている。他
方、ナット18の締結側には、スプライスプレート12
の外側に重ねて皿ばねと同径の円盤状の板座金33が設
けられ、この板座金33上でナット18相当の小径な座
金20aを介してナット18が高力ボルト16に螺合さ
れるようになっている。
【0046】以上、ウエブ14への摩擦ダンパー8の取
り付け構造について説明したが、上下一対のフランジ1
5に対しても同様にして摩擦ダンパー8が取り付けられ
る。特に、フランジ15の表面は単一面である一方で、
ウエブ14側のフランジ15の裏面は当該ウエブ14に
よって分断されている。従ってフランジ15への摩擦ダ
ンパー8の取り付けにあっては、摩擦ダンパー8はウエ
ブ14を挟む形態で配置される。
【0047】具体的には、フランジ15の表面側では、
長孔14aはウエブ14を挟んでフランジ15の幅方向
に一対それぞれ4つずつ形成され、摩擦板22はこれら
長孔14aをフランジ15の幅方向双方から挟んで設け
られる。滑動板Sおよびスプライスプレート10は当該
フランジ15の全幅にわたる大きさのものが一枚ずつ摩
擦板22に重ね合わせて取り付けられる。
【0048】他方、フランジ15の裏面側では、ウエブ
14を挟むそれぞれの側に、長孔14aをフランジ15
の幅方向双方から挟む2枚の摩擦板22、並びにフラン
ジ15の半幅相当の大きさの滑動板Sおよびスプライス
プレート12が一枚ずつ摩擦板22に重ね合わせて取り
付けられる。また、はさみ板17が他方のブレース部分
1bのフランジ15部分にこれを挟み込むように設けら
れることになる。
【0049】ところで、上述したように専用の滑動板S
や摩擦板22を備えるようにしているので、後述するよ
うにこれら滑動板Sや摩擦板22に様々な材質、各種の
表面仕上げを施した板材を適用することができる。従っ
てまた、滑動板Sおよび摩擦板22双方に高耐久性の材
質のものを選択することが可能であり、建物の供用期間
中など摩擦ダンパー8の性能を一定に保つことができ、
摩擦ダンパー8そのものをメンテナンスフリー化するこ
とも容易に可能である。
【0050】本実施形態に用いられる摩擦板22は、熱
硬化型樹脂を結合材として、アラミド繊維,ガラス繊
維,ビニロン繊維,カーボンファイバー,アスベストな
どの繊維材料と、カシューダスト,鉛などの摩擦調整材
と、硫酸バリュームなどの充填剤とからなる複合摩擦材
料で形成される。上記熱硬化型樹脂としては、フェノー
ル樹脂,メラミン樹脂,フラン樹脂,ポリイミド樹脂,
DFK樹脂,グアナミン樹脂,エポキシ樹脂,キシレン
樹脂,シリコーン樹脂,ジアリルフタレーン樹脂,不飽
和ポリエステル樹脂などがある。
【0051】また、前記摩擦板22には、前記滑動板S
との滑動面8a側に凹部として直線状の溝25を5本形
成している。摩擦板22と前記滑動板Sとの滑動により
生じる摩擦熱が大きいと、摩擦板22の表面温度が著く
上昇し、摩擦板22表面が炭化し、摩耗粉として脱落
し、この摩耗粉が滑動面8aに滞留してしまうことがあ
り得る。この摩耗粉は炭化物であるため非常に硬度が高
く、前記滑動により滑動板Sを傷つけたり、前記滑動面
8aに摩耗粉が介在して転がる等して、摩擦係数を変動
させる虞がある。このような現象が生じた場合には、摩
擦抵抗力が大幅に変化し、摩擦ダンパー8の制振性能に
大きな変動を生じてしまい、安定した制振効果を得難く
なる懸念がある。
【0052】このような点を考慮して、摩擦板22には
上記溝25が備えられている。この溝25は、前記摩擦
板22の摩擦抵抗力が発生する滑動板Sとの滑動面8a
に生じる摩擦熱を放散するとともに、滑動面8aの摩耗
粉を取り込み排出する機能を持つ。すなわち、摩擦ダン
パー8の作動時の摩擦板22の摩擦熱を、前記溝25内
の空気へ放散することで、その表面温度の上昇を防止
し、摩擦板22表面の炭化、摩耗粉の脱落を防止する。
また、万一摩耗粉が発生しても溝25に取り込まれ、摩
擦板22と滑動板Sとの滑動面8aの摩耗粉の滞留を防
止する。このため、滑動板Sが傷つき難くなるととも
に、摩耗粉の転がり滑りも生じ難くなり、摩擦板22と
滑動板S間の摩擦抵抗力を一定に維持することができ、
安定した制振効果を得ることが可能となる。更には、摩
耗粉の滞留を防止できるので、摩擦板22および滑動板
Sとの滑動面8aから、摩耗粉の噛込等に起因した異音
が発生することを防止でき、制振時の騒音を著く低減す
ることができる。
【0053】前記溝25の深さ、幅、断面形状、本数
は、発生する摩耗粉の予め想定される大きさや量、並び
に摩擦板22の表面温度等を勘案し設定される。すなわ
ち、深さ、幅、断面形状は、主として摩耗粉を取り込め
る容積を有するように設定され、本数に関しては、前記
表面温度が摩擦板22の材料の使用限界温度以下となる
ように設定される。本実施形態の場合は、溝25の断面
形状は矩形で、その深さは摩擦板22厚みの半分、また
その本数は5本に設定されているが、前述の要件を満た
すように自由に設定可能であり、断面形状は半円形状で
も良く、更に深さについては貫通していても良い。
【0054】また、前記溝25の平面形状も、摩擦熱の
放散効率が大きく、摩耗粉を取り込み得る容積を有して
いれば、直線に限るものではなく、円形等どのような形
状の凹部に形成しても良い。ただし、熱の放散効率の観
点から、冷却媒体である空気が流通し易いように、大気
開放される溝25とするのが望ましく、また摩耗粉排出
の観点からは、取り込まれた溝25内の摩耗粉が自重で
落下排出されるように、前記溝25は、鉛直方向に直線
状に貫通して形成されていることが望ましい。
【0055】他方、滑動板Sは上述したステンレスやチ
タンなどの耐食性を有する材料によって形成される。摩
擦ダンパー8を長期的に使用する場合を考えると、腐蝕
などの経時的な変化により滑動面8aの均一性が損なわ
れ、滑動時に大きな摩擦音を生じたり衝撃が発生すると
いった点が懸念される。この点を考慮して、滑動板Sと
してはステンレスやチタンなどの耐食性のある材料を使
用することとし、これをスプライスプレート10,12
取り付けるようにしている。そしてこのように滑動板S
を単体で取り付けるようにすることで、耐食性のある材
料の使用量が必要最小限に抑えられ、材料費が節約され
て経済設計にも繋がる。
【0056】さらに、円滑に滑動するよう、滑動板Sの
滑動面8a側表面には圧延、研磨・研削、ブラスト、塗
装などのいずれかもしくは複数の処理を施して、表面粗
さの均一化を図るとよい。
【0057】また、メンテナンスフリーとするために滑
動板Sの表面には、防錆塗料を塗布するなどの表面処理
を併せて行うとよい。
【0058】また、滑動板Sのスプライスプレート1
0,12への取付面、並びに摩擦板22のウエブ14へ
の取付面については、滑動時に両者間に相対的な滑りを
生じないよう、様々な工法の中から最適な方法を選択す
ればよい。例えば、表面に塗料を塗布(例えば、滑動
板Sであれば、ステンレス鋼材専用の摩擦接合用塗
料)、接着剤による接着、表面粗さの増大化を意図
したブラスト・研削、溶接、ボルト・ビス止めなど
のいずれかもしくは複数の処理を施すとよい。またこれ
ら取り付けでは、交換することも勿論可能である。
【0059】また上記皿ばね積層体30は、高力ボルト
16の軸力Nをスプライスプレート10,12間に付加
する経路に介装され、高力ボルト16の軸方向変位に対
しても弾発力がほぼ一定で変動することのない非線形ば
ね特性を発揮するようになっている。
【0060】皿ばね積層体30のばね特性Aは、図6に
示すように高力ボルト16の中心軸方向の変形量(見込
み変化量)σに対して、荷重(弾発力)wの変動がほぼ
一定となる非線形ばね領域Pを備えており、該皿ばね積
層体30は上記高力ボルト16に所定の軸力Nを付加し
た状態で上記非線形ばね領域P内に設定される。本実施
形態では上記皿ばね積層体30は、複数枚の皿ばね単体
を同一方向に積層して構成したものが用いられる。
【0061】従って、この実施形態では高力ボルト16
の頭部16a側の座金32と一方のスプライスプレート
10との間に皿ばね積層体30を介在したので、一対の
スプライスプレート10,12とウエブ14との間のボ
ルト軸方向の変動を該皿ばね積層体30によって吸収す
ることができる。そして、このときの変動吸収によって
皿ばね積層体30のたわみ量が変化した場合にあって
も、該皿ばね積層体30が非線形ばね領域P内に設定さ
れているため、弾発力つまり高力ボルト16の軸力をほ
ぼ一定に維持することができる。
【0062】つまり、振動入力が無い状態では上記スプ
ライスプレート10,12と上記ウエブ14とは、大き
な静摩擦力をもって固定状態が維持されるが、振動入力
によりこの固定状態から小さな動摩擦力を伴う相対移動
状態に移行する際に大きな反発力が発生し、これが大き
な音や衝撃として現れる。しかし、上記皿ばね積層体3
0を設けたことにより、このときの反発力を上記皿ばね
積層体30の弾性により高力ボルト16の軸力Nを変化
させることなく吸収できる。従って、過大振動力が入力
された場合にも、皿ばね積層体30の緩衝作用により音
や衝撃の発生を抑制しつつ摩擦力による制振機能を十分
に発揮することができる。
【0063】また、上記皿ばね積層体30が非線形ばね
領域Pに設定されていることにより、該皿ばね積層体3
0の弾発力はスプライスプレート10,12とウエブ1
4とが相対移動する際の滑動面、つまり、摩擦板22と
滑動板Sとの間の滑動面8aにたとえ摩耗が生じたとし
ても、弾発力をほぼ一定に維持して摩擦抵抗力Rが低下
するのを防止できる。従って、スプライスプレート1
0,12とウエブ14との接合部における当初の制振機
能を永続して発揮することができる。
【0064】この実施形態では上記皿ばね積層体30
を、一方のスプライスプレート10と高力ボルト16の
頭部16a側の座金32との間に介在させた場合を開示
したが、これに限ることなく一対のスプライスプレート
10,12双方、つまり両スプライスプレート10,1
2と高力ボルト16の頭部16a側およびナット18側
の座金32,33との間にそれぞれ皿ばね積層体30を
介装させることもできる。また、皿ばね積層体30を、
他方のスプライスプレート12とナット18側の座金3
3との間のみに介装させることもできる。
【0065】更に、皿ばね積層体30を構成する皿ばね
単体の組み合わせ配置構成は、本実施形態に示したよう
に同一方向に複数枚を積層したものに限ることなく、こ
れ以外にも本発明の皿ばね積層体30に求められる設定
が可能である限り種々に変更して組み合わせて構成する
ことができ、例えば、皿ばね単体を単数で用いたり、複
数枚を並列に積層したり、その積層方向を正逆交互に向
けたりすることができる。
【0066】更にまた、この実施形態では付勢手段とし
て皿ばね積層体30を用いた場合を開示したが、これに
限ることなくボルトの軸方向変位に対して弾発力の変動
が略一定となる非線形ばね領域を備えたばねであればよ
い。
【0067】ところで、上記実施形態では摩擦板22を
ウエブ14に設け、滑動板Sをスプライスプレート1
0,12に設ける構成であったが、これとは反対に図7
に示したように、滑動板Sをウエブ14に設け、摩擦板
22をスプライスプレート10,12に設けるようにし
ても良い。この場合、滑動板Sには図8に示したよう
に、ウエブ14の長孔14aと一致する孔部21を設け
ることになる。
【0068】さらに、上記実施形態では皿ばね積層体3
0を備えることとしたが、必ずしも当該皿ばね積層体3
0を組み込む必要はない。上記実施形態の図2および図
7に対応させた図9および図10にそれぞれ示したよう
に、高力ボルト16とナット18による締結構造のみに
よって摩擦ダンパー8を構成しても良いことは勿論であ
る。
【0069】以上説明した摩擦ダンパー8にあっては、
一対のスプライスプレート10,12間にウエブ14を
挟み込んで、これらに貫通した高力ボルト16をナット
18締めするにあたって、これらスプライスプレート1
0,12とウエブ14との間に摩擦板22および滑動板
Sを介在させてあるので、地震や風などの外力によって
例えば建物架構が振動する際に、この振動による変位力
が所定値を超えると、スプライスプレート10,12と
ウエブ14とは滑動板Sと摩擦板22との滑動を伴って
相対移動する。このとき、滑動板Sと摩擦板22との間
は高力ボルト16の軸力Nをもって滑接されるととも
に、所定の摩擦係数μが作用しており、これら滑動板S
と摩擦板22とが滑動される際には、振動エネルギーが
μ×Nの摩擦抵抗力Rに変換されて振動減衰され、ブレ
ース1における制振に寄与するようになっている。
【0070】また、本実施形態では、ブレース部分1
a,1b間に相対変位力が入力された際に、一対のスプ
ライスプレート10,12間にウエブ14が挟まれた状
態で相対移動するため、一対のスプライスプレート1
0,12間にボルト16の軸力N、つまり締付け力を付
加した状態で両者が滑動する際に、ボルト16が傾くな
どしてこじれを生ずることはなく、スムーズに相対移動
することができる。
【0071】このとき、上記摩擦板22は、フェノール
樹脂,メラミン樹脂,フラン樹脂,ポリイミド樹脂,D
FK樹脂,グアナミン樹脂,エポキシ樹脂,キシレン樹
脂,シリコーン樹脂,ジアリルフタレーン樹脂,不飽和
ポリエステル樹脂などの熱硬化型樹脂を結合材として、
アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロン繊維,カーボンフ
ァイバー,アスベストなどの繊維材料と、カシューダス
ト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バリュームなどの充填
剤とからなる複合摩擦材料で形成されるので、該摩擦板
22は硬度が高く、かつ、強度に富む材質となって、一
定の摩擦係数を有する摩耗の著しく少ない部材として形
成することができる。
【0072】従って、スプライスプレート10,12と
ウエブ14とが相対移動された際にも、滑動板Sと摩擦
板22との間の摩擦係数μは常時ほぼ一定に維持され、
かつ、滑動面8aの摩耗がほとんどないため高力ボルト
16の軸力Nもほぼ一定に維持される。このため、上記
スプライスプレート10,12とウエブ14との間の相
対移動時に、上記摩擦係数μと上記軸力Nとの積として
発生する摩擦抵抗力Rをほぼ一定に維持することができ
る。従って、上記摩擦ダンパー8が組み込まれたブレー
ス1における摩擦減衰力特性、延いては、建物架構の振
動に対する制振特性が安定化し、当初設定した制振機能
を長期に亘って維持することができる。
【0073】そして特に、ウエブ14とこのウエブ14
を挟み込む一対のスプライスプレート10,12との間
に、複合摩擦材などからなる摩擦板11とステンレス板
などからなる滑動板Sを一対にして挟み込んで7層構造
とし、摩擦板22と滑動板Sとの間で滑りを生じさせる
ようにしている。この7層構造は、ウエブ14とスプラ
イスプレート10,12との間に単に摩擦板22のみを
組み込んで、当該摩擦板22とウエブ14若しくはスプ
ライスプレート10,12との間で滑動させる5層構造
よりも、以下の点で優れる。
【0074】5層構造では、ウエブ14あるいはスプラ
イスプレート10,12が摩擦板22に対する滑動板と
して機能されることになるが、例えばスプライスプレー
トを滑動板として適用した場合、スプライスプレートは
これが接合されるブレース材や梁材、間柱材などの構造
材との接合を考慮してその材質や表面仕上げが選択され
る、言い換えれば、スプライスプレートの材質や表面仕
上げによってはこれら構造材との接合が困難になってし
まう。従って、スプライスプレートの材質や表面仕上げ
は構造材との接合を踏まえて選択されるので、このスプ
ライスプレートと摩擦板との間で安定した摩擦係数およ
び復元力特性を得ることができない場合があり、この場
合、摩擦ダンパーとしての滑動荷重と滑動変位との関係
が設計者の意図に反して不安定なものとなるおそれがあ
る。この点はウエブを滑動板とした場合でも同様であ
る。
【0075】これに対して、本実施形態による7層構造
では、滑動板Sおよび摩擦板22はウエブ14あるいは
スプライスプレート10,12に対して別途取り付けら
れるものなので、ウエブ14やスプライスプレート1
0,12としては構造材との接合上好ましい通常の鋼材
等を用いることができるとともに、設計で意図した安定
した摩擦係数および復元力特性が得られるように、滑動
板Sと摩擦板22との最適な組み合わせを適宜に選択す
ることが可能となる。
【0076】また、摩擦板22および滑動板Sはそれ専
用に薄板として形成することができ、材質を新素材とし
て高価になっても、材料コストを下げることができ、経
済性にも優れる。
【0077】また、滑動面8aの損耗が激しく摩擦ダン
パー8を交換する必要が生じた場合でも、7層構造であ
るから滑動板S若しくは摩擦板22のみを取り替えるこ
とで対応することができる。滑動板Sも摩擦板22もと
もに薄板で構成できるので、重量的にも有利であり、交
換時の作業性、経済性の面で優れている。
【0078】上記実施形態では、ブレース部分を例示し
て本発明にかかる摩擦ダンパー8の適用を説明したが、
鉄骨部材としてはこの他、鉄骨柱や鉄骨梁などがあり、
これらに対しても当該摩擦ダンパー8を適用できること
は勿論である。
【0079】図11には、変形例として摩擦ダンパー8
の間柱41への適用例が示されている。上下に分断され
た鉄骨製の間柱41の上部間柱部分41aにはその下面
から垂下させて1枚の上ガセットプレート42が設けら
れるとともに、下部間柱41bにはその上面から起立さ
せて上ガセットプレート42を両側から挟み込む一対の
下ガセットプレート43が設けられている。図示例で
は、上ガセットプレート42は上部間柱部分41aの下
面に溶接などにより接合されている。また下ガセットプ
レート43は、ベース板43aおよびこのベース板43
a上に左右一対立設されたブラケット43bにその底部
および左右両端が溶接などにより接合されていて、この
ベース板43aが下部間柱部分41bの上面にボルトで
接合されている。そして上記摩擦ダンパー8は、長孔1
4aおよび摩擦板22が上ガセットプレート42に配置
されるとともに、滑動板Sが一対の下ガセットプレート
43にそれぞれ配置され、そして皿ばね積層体30を介
して高力ボルト16およびナット18による締結力が導
入されることで、上下ガセットプレート42,43相互
の水平方向相対移動に対して減衰力を発生して、間柱4
1に入力される外力を減衰するようになっている。
【0080】以上説明した摩擦ダンパー8を組み込んだ
間柱は、柱・梁で囲まれた架構内に1本配設しても、あ
るいは複数本配設しても良く、必要な制振効果が得られ
るようにアレンジすればよい。
【0081】図12はさらに、摩擦ダンパー8の適用対
象としての鉄骨柱と鉄骨梁との接合部分を示す。図示す
るように、一般的に鉄骨柱52と鉄骨梁54とはH形鋼
によって形成されて架構を構成する。鉄骨柱52の梁接
続部分には、鉄骨梁54と同じH形鋼を短尺に切断した
ブラケット材55を溶接して一体化し、このブラケット
材55に上記鉄骨梁54の接続端部が結合される。図示
例では上記ブラケット材55は鉄骨柱52のフランジ5
2a面に溶接されるとともに、該ブラケット材55の上
下フランジ55a,55b位置に対応して、鉄骨柱52
の両側フランジ52a,52b間に跨って補剛材57が
溶接されている。
【0082】上記鉄骨梁54の接続端は上記ブラケット
材55の先端に突き合わされ、これら鉄骨梁54とブラ
ケット材55の互いに対応される上方フランジ54aと
55a、および下方フランジ54bと55b、そして、
ウェブ54cと55cとの各部に両部材間に跨ってその
両面にスプライスプレート58、59が配置され、これ
らを貫通する高力ボルト16にナット18を螺合して締
め付けることにより、上記鉄骨梁54と上記ブラケット
材55つまり鉄骨柱52とが結合される。
【0083】ここで、当該鉄骨柱52と鉄骨梁54との
接合部において、摩擦ダンパー8は、上方フランジ54
aと55a、および下方フランジ54bと55b、並び
にウェブ54cと55cとのボルト接合部に組み込まれ
る。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に
示すボルト接合部の制振構造にあっては、第1,第2圧
接板の相対移動時に、これら第1圧接板および第2圧接
板間で摩擦板と滑動板とを滑動させて摩擦抵抗力を発生
させ、この摩擦抵抗力によって制振機能を発揮させるこ
とができる。
【0085】特に、ボルト接合部を7層構造として、滑
動板および摩擦板を第1圧接板あるいは第2圧接板とは
別に取り付けるようにしたので、これら圧接板としては
構造材との接合上好ましい通常の鋼材等を用いることが
できるとともに、設計で意図した安定した摩擦係数およ
び復元力特性が得られるように、滑動板と摩擦板との最
適な組み合わせを適宜に選択することができる。
【0086】専用の滑動板や摩擦板を備えることは、こ
れら滑動板や摩擦板を様々な材質、各種の表面仕上げを
施した板材とすることができるとともに、薄板で形成す
ることもでき、後者の場合には特に材質を新素材として
高価になっても、材料コストを下げることができ、経済
性にも優れる。また、滑り部分の損耗が激しく制振構造
部分を交換する必要が生じた場合でも、滑動板若しくは
摩擦板のみを取り替えることで対応することができる。
【0087】また、請求項2では、鉄骨部材はそのまま
として、制振要素のみに対する交換作業で制振性能を簡
便に復元することができる。
【0088】請求項3では、滑動板と摩擦板とが対峙す
る滑動面は腐蝕などによる経時的な変化に強く、特にメ
ンテナンスを施すことなく長期にわたって安定した滑り
耐力、摩擦係数(μ)を維持することができる。
【0089】請求項4では、滑動板の材料表面の摩擦係
数(μ)が均一になり、円滑に滑動させることができる
とともに予期しない発音や衝撃が生じたりするのを極力
抑えることができる。
【0090】また、請求項5では、良好かつ安定した制
振性能を長期にわたって保証することができる。
【0091】また、請求項6では、摩擦板は一定の摩擦
係数を有する摩耗の著しく少ない部材として形成するこ
とができる。従って、第1,第2圧接板が相対移動され
た際に、これら第1,第2圧接板と摩擦板との間の摩擦
係数を常時ほぼ一定に維持することができ、かつ、滑動
部分の摩耗をほとんど無くしてボルトの軸力もほぼ一定
に維持することができるため、これら摩擦係数と軸力と
の積として得られる摩擦抵抗力をほぼ一定に維持するこ
とができる。従って、2つの鉄骨部材間の摩擦減衰力が
安定化され、延いては、当初設定した制振機能を長期に
亘って維持することができる。
【0092】さらに、請求項7では、摩擦ダンパ作動時
に、上記凹部内の空気への摩擦熱の放散により、摩擦板
の表面温度の上昇を防止し、摩擦板表面の炭化、脱落に
よる摩耗粉の発生を防止できる。また、摩耗粉が発生し
ても凹部に取り込まれ、摩擦板と滑動板間の摩耗粉の滞
留を防止できる。このため、滑動板が傷つき難くなると
ともに、摩耗粉の転がり滑りも生じ難くなり、摩擦板と
滑動板間の摩擦抵抗力を一定に維持することができ、安
定した制振効果を得ることが可能となる。更には、摩耗
粉の滞留を防止できるので、摩擦板および滑動板との滑
動面から、摩耗粉の噛込等に起因した異音が発生するこ
とを防止でき、制振時の騒音を著く低減することができ
る。
【0093】また、請求項8では、第1,第2圧接板間
の隙間の変動を上記付勢手段によって吸収することがで
き、このときの変動吸収によって付勢手段のたわみ量が
変化した場合にあっても、該付勢手段が非線形ばね領域
内に設定されているため、弾発力つまりボルトの軸力を
ほぼ一定に維持することができる。
【0094】従って、所定値以上の振動変位力の入力に
より上記第1圧接板と第2圧接板とが相対移動する際の
反発力を、上記付勢手段によりボルト軸力を変化するこ
となく吸収し、音や衝撃の発生を抑制しつつ制振機能を
十分に発揮することができる。また、上記付勢手段の弾
発力は、第1,第2圧接板が相対移動する際の滑動面が
摩耗された場合にも弾発力をほぼ一定に維持できるた
め、摩擦抵抗力が低下するのを防止して当初の制振機能
を永続して発揮させることができる。
【0095】また、請求項9では、2つの鉄骨部材間に
相対変位力が入力された際に、一対の第2圧接板間に第
1圧接板が挟まれた状態で相対移動するため、一対の第
2圧接板間にボルトの軸力つまり締付け力を付加した状
態で両者が滑動する際に、ボルトが傾くなどしてこじれ
を生ずるのを防止できる。このため、圧接板相互をスム
ーズに相対移動させることができ、延いては、制振機能
を効果的に発揮させることができる。
【0096】また、請求項10では、形鋼の鉄骨部材が
有する板部分を利用して簡単に制振構造を構成すること
ができ、制振作用を簡単に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のボルト接合部の制振構造をブレースに
適用した場合の一実施形態を示す要部分解斜視図であ
る。
【図2】図1中、A−A線矢視断面図である。
【図3】図1中、B−B線矢視図である。
【図4】図2中、C部拡大図である。
【図5】図1に示した実施形態に適用される滑動板の部
分平面図である。
【図6】図1に示した実施形態に適用される皿ばね積層
体のばね特性図である。
【図7】本発明のボルト接合部の制振構造の他の実施形
態を示す要部断面図である。
【図8】図7に示した実施形態に適用される滑動板の部
分平面図である。
【図9】本発明のボルト接合部の制振構造の他の実施形
態を示す要部断面図である。
【図10】本発明のボルト接合部の制振構造の他の実施
形態を示す要部断面図である。
【図11】本発明のボルト接合部の制振構造を間柱に適
用した場合の一実施形態を示す要部分解斜視図である。
【図12】本発明のボルト接合部の制振構造を鉄骨柱と
鉄骨梁との接合部に適用した場合の一実施形態を示す正
面図である。
【図13】従来のボルト接合部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ブレース 8 摩擦ダンパー 10,12 スプライスプレート(第2圧接板) 14 ウエブ(第1圧接板) 14a 長孔 16 高力ボルト 18 ナット 22 摩擦板 25 溝(凹部) 30 皿ばね積層体(付勢手段) S 滑動板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DC00 DG01 EA06 FA01 FA02 GA52 HB02 HB03 HB08 HD12 JA22 JA24 JA29 JD04 JD05 LA01 LA15 2E125 AA04 AA14 AA33 AB01 AC15 AG03 AG04 AG12 BB03 BB22 BB36 BD01 BD03 BD06 BE05 CA06 CA63 EA25 3J048 AA07 AC01 BD04 BE12 BG04 EA38 3J066 AA30 BB04 CA05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに接合しようとする2つの鉄骨部材
    の一方の鉄骨部材に属する第1圧接板と、他方の鉄骨部
    材に属する第2圧接板とを互いに重合するとともに、両
    圧接板間に相対移動を可能にしてボルト軸力を付加し、
    両圧接板間に入力される所定値以上の振動変位力によ
    り、これら両者の相対移動が許容され、このときに発生
    する摩擦抵抗力によって、上記2つの鉄骨部材間を制振
    するようにしたボルト接合部の制振構造において、 上記第2圧接板を上記第1圧接板の両側に一対配設して
    該第1圧接板を該第2圧接板で挟み込むとともに、これ
    ら第1圧接板と第2圧接板との間に、摩擦板と滑動板と
    を対にして挟み込んでボルト接合部を7層構造としたこ
    とを特徴とするボルト接合部の制振構造。
  2. 【請求項2】 上記摩擦板および上記滑動板の少なくと
    もいずれか一方は、上記第1圧接板もしくは上記第2圧
    接板に交換可能に取り付けられることを特徴とする請求
    項1または2に記載のボルト接合部の制振構造。
  3. 【請求項3】 上記滑動板は、耐食性を有する材料で形
    成されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    のボルト接合部の制振構造。
  4. 【請求項4】 上記滑動板は、上記摩擦板に圧接する面
    に、研磨などの表面粗さを均一化する処理が施されてい
    ることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の
    ボルト接合部の制振構造。
  5. 【請求項5】 上記滑動板は、ステンレスやチタンを素
    材として形成されていることを特徴とする請求項1〜4
    いずれかの項に記載のボルト接合部の制振構造。
  6. 【請求項6】 上記摩擦板は、熱硬化型樹脂を結合材と
    して、アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロン繊維,カー
    ボンファイバー,アスベストなどの繊維材料と、カシュ
    ーダスト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バリュームなど
    の充填剤とからなる複合摩擦材料で形成されていること
    を特徴とする請求項1〜5いずれかの項に記載のボルト
    接合部の制振構造。
  7. 【請求項7】 上記摩擦板は、上記滑動板と圧接する面
    に、摩擦熱を放散するとともに摩耗粉を取り込む凹部を
    有することを特徴とする請求項1〜6いずれかの項に記
    載のボルト接合部の制振構造。
  8. 【請求項8】 上記第1圧接板と上記第2圧接板との重
    合部分に上記ボルト軸力を付加する経路に、ボルトの軸
    方向変位に対して弾発力の変動が略一定となる非線形ば
    ね領域を備えた付勢手段を介在し、該ボルトに所定の軸
    力を発生させた状態で、該付勢手段が上記非線形ばね領
    域内でたわみ変形するように設定したことを特徴とする
    請求項1〜7いずれかの項に記載のボルト接合部の制振
    構造。
  9. 【請求項9】 上記第1圧接板および上記第2圧接板に
    ボルト貫通孔を形成するとともに、該第1圧接板の該ボ
    ルト貫通孔を長孔としたことを特徴とする請求項1〜8
    いずれかの項に記載のボルト接合部の制振構造。
  10. 【請求項10】 上記鉄骨部材がH形やI形などの形鋼
    であり、上記第1圧接板および第2圧接板がこれら形鋼
    に属する板部分であることを特徴とする請求項1〜9い
    ずれかの項に記載のボルト接合部の制振構造。
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