JP2000351674A - 高炉樋用不定形耐火物 - Google Patents
高炉樋用不定形耐火物Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、高炉樋の溶銑接触部（メタ
ルライン部）の局部損傷を極力低減させることができる
高炉樋用不定形耐火物を提供することにある。 【解決手段】 本発明の高炉樋用不定形耐火物は、粒径
２０μｍ以下のＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル超微粉を
０．５〜５重量％、及び炭化珪素を６５重量％以上含有
してなることを特徴とする。
ルライン部）の局部損傷を極力低減させることができる
高炉樋用不定形耐火物を提供することにある。 【解決手段】 本発明の高炉樋用不定形耐火物は、粒径
２０μｍ以下のＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル超微粉を
０．５〜５重量％、及び炭化珪素を６５重量％以上含有
してなることを特徴とする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、高炉樋用不定形耐
火物に関し、更に詳しくは高炉樋メタルライン部に使用
することが好適である高炉樋用不定形耐火物に関する。
火物に関し、更に詳しくは高炉樋メタルライン部に使用
することが好適である高炉樋用不定形耐火物に関する。
【０００２】
【従来の技術・課題】高炉樋用不定形耐火物としては、
耐食性及び耐スポーリング性に優れるアルミナ・炭化珪
素・炭素質流し込み材が広く使用されている。また、高
炉樋におけるスラグライン部と溶銑接触部（メタルライ
ン部）はその損傷機構が異なることが知られており、高
炉樋はメタルライン部とスラグライン部の材質が異なる
ゾーンドライニング構造が主流となっている。スラグラ
イン部用不定形耐火物としては、スラグに対する対抗力
の高い高炭化珪素系材質が適用され、改良も幾つか提案
されている。
耐食性及び耐スポーリング性に優れるアルミナ・炭化珪
素・炭素質流し込み材が広く使用されている。また、高
炉樋におけるスラグライン部と溶銑接触部（メタルライ
ン部）はその損傷機構が異なることが知られており、高
炉樋はメタルライン部とスラグライン部の材質が異なる
ゾーンドライニング構造が主流となっている。スラグラ
イン部用不定形耐火物としては、スラグに対する対抗力
の高い高炭化珪素系材質が適用され、改良も幾つか提案
されている。
【０００３】例えば、特開平３−１６４４７９号公報に
は、ＳｉＣ含有量が７０ｗｔ％以上でかつ気孔率１０％
以下、充填嵩比重が粗粒で１．２５以上、中粒で１．６
０以上の炭化珪素骨材を使用し、炭化珪素７０〜９５重
量％、カーボン質原料１〜７重量％、アルミナ微粉３〜
２０重量％およびシリカ超微粉０．５〜５ｗｔ％を含有
する組成物に分散剤、結合剤を添加することをと特徴と
する高炉出銑樋用流し込み耐火材が開示されている。ま
た、特開平４−７７３６８号公報には、炭化珪素質原料
を２０〜９０重量％とカーボン質原料を１〜１０重量
％、金属アルミニウムを０．１〜１．５重量％、金属シ
リコンを０．５〜３．０重量％含有するとともに、上記
した炭化珪素質原料とカーボン質原料の合計含有量に対
して炭化硼素を０．３〜１２．０重量％を含有すること
を特徴とする高炉樋材用等の不定形耐火物が開示されて
いる。更に、特開平５−５８７５２号公報には、炭化珪
素の合計の含有量が、８０〜９８ｗｔ％である高炭化珪
素質の流し込み樋材であって、炭化モリブデンを１〜１
０ｗｔ％含有することを特徴とする高炭化珪素質流し込
み樋材が開示されている。また、特開平５−７０２４９
号公報には、炭化珪素を７０ｗｔ％以上含有し、かつ粒
径１μｍ以下を４０ｗｔ％以上含む炭化珪素超微粉末を
１〜２５ｗｔ％含有することを特徴とする高炉出銑樋用
不定形耐火物が開示されている。更に、特開平５−７０
２５０号公報には、炭化珪素を７０〜９０重量％含有す
る母材に、金属シリコン粉末１〜３ｗｔ％、炭化硼素粉
末０．５〜３．０ｗｔ％および高融点ピッチ粉末１〜３
ｗｔ％を添加してなることを特徴とする出銑樋用流し込
み樋材が開示されている。また、特開平９−２７８５４
０号公報には、炭化珪素２〜９２重量％とカーボン原料
を２〜７重量％、若しくは、カーボン原料を２〜７重量
％を含む配合物に、コバルト酸化物、コバルト塩、金属
コバルト粉末の中の少なくとも１種を金属コバルトに換
算して０．０１〜０．５重量％添加したことを特徴とす
る耐食性、耐酸化性不定形耐火物が開示されている。こ
れらの公報に記載されている材料は、いずれもスラグに
対する抵抗力の高さを特徴とするものである。
は、ＳｉＣ含有量が７０ｗｔ％以上でかつ気孔率１０％
以下、充填嵩比重が粗粒で１．２５以上、中粒で１．６
０以上の炭化珪素骨材を使用し、炭化珪素７０〜９５重
量％、カーボン質原料１〜７重量％、アルミナ微粉３〜
２０重量％およびシリカ超微粉０．５〜５ｗｔ％を含有
する組成物に分散剤、結合剤を添加することをと特徴と
する高炉出銑樋用流し込み耐火材が開示されている。ま
た、特開平４−７７３６８号公報には、炭化珪素質原料
を２０〜９０重量％とカーボン質原料を１〜１０重量
％、金属アルミニウムを０．１〜１．５重量％、金属シ
リコンを０．５〜３．０重量％含有するとともに、上記
した炭化珪素質原料とカーボン質原料の合計含有量に対
して炭化硼素を０．３〜１２．０重量％を含有すること
を特徴とする高炉樋材用等の不定形耐火物が開示されて
いる。更に、特開平５−５８７５２号公報には、炭化珪
素の合計の含有量が、８０〜９８ｗｔ％である高炭化珪
素質の流し込み樋材であって、炭化モリブデンを１〜１
０ｗｔ％含有することを特徴とする高炭化珪素質流し込
み樋材が開示されている。また、特開平５−７０２４９
号公報には、炭化珪素を７０ｗｔ％以上含有し、かつ粒
径１μｍ以下を４０ｗｔ％以上含む炭化珪素超微粉末を
１〜２５ｗｔ％含有することを特徴とする高炉出銑樋用
不定形耐火物が開示されている。更に、特開平５−７０
２５０号公報には、炭化珪素を７０〜９０重量％含有す
る母材に、金属シリコン粉末１〜３ｗｔ％、炭化硼素粉
末０．５〜３．０ｗｔ％および高融点ピッチ粉末１〜３
ｗｔ％を添加してなることを特徴とする出銑樋用流し込
み樋材が開示されている。また、特開平９−２７８５４
０号公報には、炭化珪素２〜９２重量％とカーボン原料
を２〜７重量％、若しくは、カーボン原料を２〜７重量
％を含む配合物に、コバルト酸化物、コバルト塩、金属
コバルト粉末の中の少なくとも１種を金属コバルトに換
算して０．０１〜０．５重量％添加したことを特徴とす
る耐食性、耐酸化性不定形耐火物が開示されている。こ
れらの公報に記載されている材料は、いずれもスラグに
対する抵抗力の高さを特徴とするものである。
【０００４】一方、メタルライン部の損傷は、主に、ス
ラグと溶銑の境界付近のやや下側で見られる局部溶損で
あり、その要因はスラグと溶銑から発生するＦｅＯを含
むスラグフィルムによって起るとされている。炭化珪素
は、このスラグフィルムに含まれるＦｅＯによって容易
に酸化されること、また、炭化珪素は溶融金属と良く濡
れ、化学的にも不安定であり、特に、溶融鉄には容易に
溶解すること等から、高炉樋メタルライン用不定形耐火
物の主原料として好ましくないとされている。そのた
め、炭化珪素質材料は高熱伝導率と低熱膨張性を有し耐
スポーリング性に非常に優れる材料であるにも拘わら
ず、高炉樋メタルライン部への適用は困難であり、その
解決策も提案されていない。
ラグと溶銑の境界付近のやや下側で見られる局部溶損で
あり、その要因はスラグと溶銑から発生するＦｅＯを含
むスラグフィルムによって起るとされている。炭化珪素
は、このスラグフィルムに含まれるＦｅＯによって容易
に酸化されること、また、炭化珪素は溶融金属と良く濡
れ、化学的にも不安定であり、特に、溶融鉄には容易に
溶解すること等から、高炉樋メタルライン用不定形耐火
物の主原料として好ましくないとされている。そのた
め、炭化珪素質材料は高熱伝導率と低熱膨張性を有し耐
スポーリング性に非常に優れる材料であるにも拘わら
ず、高炉樋メタルライン部への適用は困難であり、その
解決策も提案されていない。
【０００５】そこで、高炉樋の溶銑部（メタルライン
部）にライニングされる耐火物の炭化珪素含有量は、少
量に限定され、炭化珪素の含有量は１０〜２５重量％が
一般的となっている。また、メタルライン部用不定形耐
火物の耐用性を向上させるために、例えば、特開平７−
２０６５３２号公報には、粒度を調整した、電融、仮焼
もしくは焼結アルミナ、電融もしくは焼結スピネル、炭
化ケイ素、及び無定形炭素を含有する耐火骨材とアルミ
ナセメント及び微量の解膠分散剤を含有する不定形耐火
物であって、炭化ケイ素の含有量が５〜１２重量％であ
り、その５０％以下が粒径７５μｍ以上１ｍｍ以下の細
粒であるとともに、平均粒径が０．３ｍｍ以下であり、
かつ、電融もしくは焼結スピネルの５０％以下が粒径１
ｍｍ以下の細粒であることを特徴とする不定形耐火物
や、特開平５−３３９０６５号公報には、重量割合で、
炭化珪素５〜２５％、炭素１〜５％、平均粒径５μｍ以
下のアルミナ超微粉５〜１５％、アルミナセメント０．
５〜７％、残部がＭｇＯ−Ａｌ 2Ｏ3系スピネルを主材と
した配合物よりなる高炉樋用流し込み材が開示されてい
る。
部）にライニングされる耐火物の炭化珪素含有量は、少
量に限定され、炭化珪素の含有量は１０〜２５重量％が
一般的となっている。また、メタルライン部用不定形耐
火物の耐用性を向上させるために、例えば、特開平７−
２０６５３２号公報には、粒度を調整した、電融、仮焼
もしくは焼結アルミナ、電融もしくは焼結スピネル、炭
化ケイ素、及び無定形炭素を含有する耐火骨材とアルミ
ナセメント及び微量の解膠分散剤を含有する不定形耐火
物であって、炭化ケイ素の含有量が５〜１２重量％であ
り、その５０％以下が粒径７５μｍ以上１ｍｍ以下の細
粒であるとともに、平均粒径が０．３ｍｍ以下であり、
かつ、電融もしくは焼結スピネルの５０％以下が粒径１
ｍｍ以下の細粒であることを特徴とする不定形耐火物
や、特開平５−３３９０６５号公報には、重量割合で、
炭化珪素５〜２５％、炭素１〜５％、平均粒径５μｍ以
下のアルミナ超微粉５〜１５％、アルミナセメント０．
５〜７％、残部がＭｇＯ−Ａｌ 2Ｏ3系スピネルを主材と
した配合物よりなる高炉樋用流し込み材が開示されてい
る。
【０００６】また、ゾーンドライニング施工の煩雑さを
解消するべく、例えば、特開平４−３６７５７１号公報
には、炭化珪素およびマグネシア・アルミナスピネルの
含有量の合計が８０重量％〜９０重量％の範囲内にあ
り、かつ炭化珪素を４０重量％以上含有することを特徴
とする炭化珪素−マグネシア・アルミナスピネル質の高
炉出銑樋用不定形耐火物が開示されている。
解消するべく、例えば、特開平４−３６７５７１号公報
には、炭化珪素およびマグネシア・アルミナスピネルの
含有量の合計が８０重量％〜９０重量％の範囲内にあ
り、かつ炭化珪素を４０重量％以上含有することを特徴
とする炭化珪素−マグネシア・アルミナスピネル質の高
炉出銑樋用不定形耐火物が開示されている。
【０００７】しかし、炭化珪素を含む不定形耐火物にス
ピネルを添加すると、スピネルと炭化珪素の反応が生
じ、その結果、炭化珪素の酸化が大きく促進されるた
め、使用中に亀裂を生じ易くなり、耐用性の向上を阻害
することとなる。そのため、炭化珪素を含む不定形耐火
物にスピネルを添加する場合には、炭化珪素の添加量を
極力少なくするか、あるいは添加するスピネルの粒径を
大きくするなどしてスピネルと炭化珪素の反応を抑制す
る必要があった。
ピネルを添加すると、スピネルと炭化珪素の反応が生
じ、その結果、炭化珪素の酸化が大きく促進されるた
め、使用中に亀裂を生じ易くなり、耐用性の向上を阻害
することとなる。そのため、炭化珪素を含む不定形耐火
物にスピネルを添加する場合には、炭化珪素の添加量を
極力少なくするか、あるいは添加するスピネルの粒径を
大きくするなどしてスピネルと炭化珪素の反応を抑制す
る必要があった。
【０００８】従って、本発明の目的は、高炉樋の溶銑接
触部（メタルライン部）の局部損傷を極力低減させるこ
とができる高炉樋用不定形耐火物を提供することにあ
る。
触部（メタルライン部）の局部損傷を極力低減させるこ
とができる高炉樋用不定形耐火物を提供することにあ
る。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究の結果、大量の炭化珪素を含
有する耐火物に、ＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネルを添加す
る場合に、添加するＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネルの粒径
と添加量を特定することにより、前述のＭｇＯ−Ａｌ2
Ｏ3系スピネルと炭化珪素の反応による炭化珪素の酸化
を、不定形耐火物の耐用性向上に利用することが可能で
あることを見出した。
を解決するために鋭意研究の結果、大量の炭化珪素を含
有する耐火物に、ＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネルを添加す
る場合に、添加するＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネルの粒径
と添加量を特定することにより、前述のＭｇＯ−Ａｌ2
Ｏ3系スピネルと炭化珪素の反応による炭化珪素の酸化
を、不定形耐火物の耐用性向上に利用することが可能で
あることを見出した。
【００１０】即ち、本発明は、粒径２０μｍ以下のＭｇ
Ｏ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル超微粉を０．５〜５重量％、及
び炭化珪素を６５重量％以上含有してなることを特徴と
する高炉樋用不定形耐火物に係る。
Ｏ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル超微粉を０．５〜５重量％、及
び炭化珪素を６５重量％以上含有してなることを特徴と
する高炉樋用不定形耐火物に係る。
【００１１】
【発明の実施の形態】本発明の高炉樋用不定形耐火物
は、大量の炭化珪素を含有する耐火物に、ＭｇＯ−Ａｌ
2Ｏ3系スピネル超微粉を少量添加することにより、微粉
部の炭化珪素の初期酸化が促進され、ＳｉＯ2が生成す
るものの、そのＳｉＯ2が耐火物を覆う薄い保護膜とな
り、その後の炭化珪素の酸化を抑制し、かつ耐火物の損
傷を軽減できるものである。また、この発生したＳｉＯ
2は耐火物組織の焼結を促進し、組織を緻密化するため
溶銑やスラグに対しての抵抗力を向上させることができ
る。更に、ＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネルは、スラグ中の
ＦｅＯを固溶する能力を有しているため、材料中に添加
されたＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル超微粉は炭化珪素へ
のＦｅＯの侵食を軽減することができる。なお、上記特
開平４−３６７５７１号公報の実施例には、ＭｇＯ−Ａ
ｌ2Ｏ3系スピネルを骨材として使用することが開示され
ているが、骨材とは、通常粒径１０ｍｍ〜７５μｍの粗
粒、中粒、細粒、微粒を言うものであり、ＭｇＯ−Ａｌ
2Ｏ3系スピネルを超微粉として炭化珪素と併用した例は
ない。
は、大量の炭化珪素を含有する耐火物に、ＭｇＯ−Ａｌ
2Ｏ3系スピネル超微粉を少量添加することにより、微粉
部の炭化珪素の初期酸化が促進され、ＳｉＯ2が生成す
るものの、そのＳｉＯ2が耐火物を覆う薄い保護膜とな
り、その後の炭化珪素の酸化を抑制し、かつ耐火物の損
傷を軽減できるものである。また、この発生したＳｉＯ
2は耐火物組織の焼結を促進し、組織を緻密化するため
溶銑やスラグに対しての抵抗力を向上させることができ
る。更に、ＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネルは、スラグ中の
ＦｅＯを固溶する能力を有しているため、材料中に添加
されたＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル超微粉は炭化珪素へ
のＦｅＯの侵食を軽減することができる。なお、上記特
開平４−３６７５７１号公報の実施例には、ＭｇＯ−Ａ
ｌ2Ｏ3系スピネルを骨材として使用することが開示され
ているが、骨材とは、通常粒径１０ｍｍ〜７５μｍの粗
粒、中粒、細粒、微粒を言うものであり、ＭｇＯ−Ａｌ
2Ｏ3系スピネルを超微粉として炭化珪素と併用した例は
ない。
【００１２】本発明の高炉樋用不定形耐火物に使用され
る粒径が２０μｍ以下のＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル超
微粉の添加量は、０．５〜５重量％であり、好ましくは
１〜３重量％である。ここで、ＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピ
ネル超微粉の添加量が０．５重量％未満では、炭化珪素
の初期酸化の促進が充分ではなく、耐火物を覆う薄いＳ
ｉＯ2保護膜の生成が充分でなく、損傷が大きくなるた
めに好ましくない。また、ＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル
超微粉の添加量が５重量％を超えると、炭化珪素の初期
酸化によって生成したＳｉＯ2とＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系ス
ピネル超微粉が反応し、低融点物質を生じ易くなるため
損傷が大きくなり好ましくない。なお、ＭｇＯ−Ａｌ2
Ｏ3系スピネル超微粉の粒度は２０μｍ以下であること
が望ましい。粒度が２０μｍを超えると、炭化珪素の初
期酸化の促進が充分ではなく、耐火物を覆うＳｉＯ2の
生成量が少なくなり、耐火物の損傷が大きくなるために
好ましくない。
る粒径が２０μｍ以下のＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル超
微粉の添加量は、０．５〜５重量％であり、好ましくは
１〜３重量％である。ここで、ＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピ
ネル超微粉の添加量が０．５重量％未満では、炭化珪素
の初期酸化の促進が充分ではなく、耐火物を覆う薄いＳ
ｉＯ2保護膜の生成が充分でなく、損傷が大きくなるた
めに好ましくない。また、ＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル
超微粉の添加量が５重量％を超えると、炭化珪素の初期
酸化によって生成したＳｉＯ2とＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系ス
ピネル超微粉が反応し、低融点物質を生じ易くなるため
損傷が大きくなり好ましくない。なお、ＭｇＯ−Ａｌ2
Ｏ3系スピネル超微粉の粒度は２０μｍ以下であること
が望ましい。粒度が２０μｍを超えると、炭化珪素の初
期酸化の促進が充分ではなく、耐火物を覆うＳｉＯ2の
生成量が少なくなり、耐火物の損傷が大きくなるために
好ましくない。
【００１３】本発明の高炉樋用不定形耐火物の炭化珪素
の配合量は６５重量％以上であり、好ましくは７０重量
％以上である。炭化珪素の配合量が６５重量％未満で
は、耐火物を覆うＳｉＯ2膜の生成量が充分でなく、損
傷が大きくなるために好ましくない。また、使用される
炭化珪素のうち、粒径７５μｍ以下の炭化珪素微粉の含
有量は１０〜２０重量％であることが望ましい。粒径７
５μｍ以下の炭化珪素微粉の含有量が１０重量％未満で
は、耐火物を覆うＳｉＯ2膜の生成量と、初期酸化後の
炭化珪素微粉の残存量を充分確保することができないた
め耐火物の損傷が大きくなり好ましくない。また、粒径
７５μｍ以下の炭化珪素微粉の含有量が２０重量％を超
えると、不定形耐火物としての流動性が損なわれるため
に好ましくない。
の配合量は６５重量％以上であり、好ましくは７０重量
％以上である。炭化珪素の配合量が６５重量％未満で
は、耐火物を覆うＳｉＯ2膜の生成量が充分でなく、損
傷が大きくなるために好ましくない。また、使用される
炭化珪素のうち、粒径７５μｍ以下の炭化珪素微粉の含
有量は１０〜２０重量％であることが望ましい。粒径７
５μｍ以下の炭化珪素微粉の含有量が１０重量％未満で
は、耐火物を覆うＳｉＯ2膜の生成量と、初期酸化後の
炭化珪素微粉の残存量を充分確保することができないた
め耐火物の損傷が大きくなり好ましくない。また、粒径
７５μｍ以下の炭化珪素微粉の含有量が２０重量％を超
えると、不定形耐火物としての流動性が損なわれるため
に好ましくない。
【００１４】本発明の高炉樋用不定形耐火物にて、Ｍｇ
Ｏ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル超微粉及び炭化珪素に加えて、
アルミナを使用することができる。アルミナの添加、配
合量は８〜３４重量％の範囲内である。ここで、アルミ
ナの配合量が８重量％未満の場合には、その添加効果が
発現し難いために好ましくなく、また、３４重量％を超
えると、バインダーを含むその他の成分を添加できなく
なるために好ましくない。なお、アルミナは粒径７５μ
ｍ超の骨材及び／または粒径７５μｍ以下の微粉として
使用できる。
Ｏ−Ａｌ2Ｏ3系スピネル超微粉及び炭化珪素に加えて、
アルミナを使用することができる。アルミナの添加、配
合量は８〜３４重量％の範囲内である。ここで、アルミ
ナの配合量が８重量％未満の場合には、その添加効果が
発現し難いために好ましくなく、また、３４重量％を超
えると、バインダーを含むその他の成分を添加できなく
なるために好ましくない。なお、アルミナは粒径７５μ
ｍ超の骨材及び／または粒径７５μｍ以下の微粉として
使用できる。
【００１５】また、本発明の高炉樋用不定形耐火物を構
成する炭化珪素やアルミナ以外の耐火骨材は、用途に応
じて通常使用されるあらゆる耐火性原料を使用でき、何
ら制限されるものではない。例えば、ムライト原料、ロ
ー石、シリカ微粉、ピッチペレット等を使用することが
できる。なお、これらの耐火性原料を使用する場合、そ
の配合量は５重量％以下程度である。
成する炭化珪素やアルミナ以外の耐火骨材は、用途に応
じて通常使用されるあらゆる耐火性原料を使用でき、何
ら制限されるものではない。例えば、ムライト原料、ロ
ー石、シリカ微粉、ピッチペレット等を使用することが
できる。なお、これらの耐火性原料を使用する場合、そ
の配合量は５重量％以下程度である。
【００１６】更に、本発明の高炉樋用不定形耐火物に
は、結合剤としてアルミナセメント、粘土等の常温硬化
性結合剤や、珪酸ソーダ等の熱硬化性結合剤を使用する
ことができる。結合剤の添加、配合量は、０．１〜５重
量％、好ましくは０．５〜３重量％の範囲内である。こ
こで、結合剤の配合量が０．１重量％未満であると、充
分な強度が得られないために好ましくなく、また、５重
量％を超えると、耐食性が低下するために好ましくな
い。
は、結合剤としてアルミナセメント、粘土等の常温硬化
性結合剤や、珪酸ソーダ等の熱硬化性結合剤を使用する
ことができる。結合剤の添加、配合量は、０．１〜５重
量％、好ましくは０．５〜３重量％の範囲内である。こ
こで、結合剤の配合量が０．１重量％未満であると、充
分な強度が得られないために好ましくなく、また、５重
量％を超えると、耐食性が低下するために好ましくな
い。
【００１７】また、必要に応じて通常の流し込み材に使
用する分散剤が使用できる。分散剤としては、例えば、
アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩、ポ
リカルボン酸ナトリウム等、及びこれらと同様の効果が
得られる物質から選択される１種または２種以上が使用
できる。
用する分散剤が使用できる。分散剤としては、例えば、
アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩、ポ
リカルボン酸ナトリウム等、及びこれらと同様の効果が
得られる物質から選択される１種または２種以上が使用
できる。
【００１８】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の高炉樋用不定
形耐火物を更に説明する。 実施例 以下の表１に記載する配合割合にて、本発明品及び比較
品を調製し、実際の高炉出銑樋のメタルライン部に流し
込み施工し、稼働させた。稼働終了後にメタルライン部
の最大溶損部の損傷厚みを測定し、その損傷厚みを通銑
量で割り、１０００ｔ当たりの損傷量を損傷速度とし
た。得られた結果を表１に併記する。
形耐火物を更に説明する。 実施例 以下の表１に記載する配合割合にて、本発明品及び比較
品を調製し、実際の高炉出銑樋のメタルライン部に流し
込み施工し、稼働させた。稼働終了後にメタルライン部
の最大溶損部の損傷厚みを測定し、その損傷厚みを通銑
量で割り、１０００ｔ当たりの損傷量を損傷速度とし
た。得られた結果を表１に併記する。
【００１９】
【表１】
【００２０】
【発明の効果】本発明の高炉樋用不定形耐火物を高炉樋
メタルラインに適用すれば、溶銑接触部の局部損傷が軽
減されるため、高炉樋の寿命を大きく延ばすことができ
る。また、炭化珪素は高熱伝導率と低熱膨張性を有する
原料であり、炭化珪素の含有量が多い耐火物は耐スポー
リング性に優れるため、本発明の高炉樋用不定形耐火物
は溶銑接触部に発生する亀裂や剥離を大幅に抑制するこ
とができる。更に、炭化珪素の含有量の多い耐火物は、
高炉樋スラグライン部へ適用しても耐用性（耐溶損性）
が高いため、従来の２層施工が不要となり、当然のこと
ながら、樋のライニング形状を変更する必要がないの
で、従来の施工設備をそのまま利用できる。また、本発
明の高炉樋用不定形耐火物は、溶銑部に炭化珪素を６５
重量％以上含有する耐火物であり、溶銑樋、傾注樋等に
も適用できる。更に、本発明の高炉樋用不定形耐火物
は、流し込み施工のみならず、圧送ポンプを使用した湿
式吹付け施工も可能である。
メタルラインに適用すれば、溶銑接触部の局部損傷が軽
減されるため、高炉樋の寿命を大きく延ばすことができ
る。また、炭化珪素は高熱伝導率と低熱膨張性を有する
原料であり、炭化珪素の含有量が多い耐火物は耐スポー
リング性に優れるため、本発明の高炉樋用不定形耐火物
は溶銑接触部に発生する亀裂や剥離を大幅に抑制するこ
とができる。更に、炭化珪素の含有量の多い耐火物は、
高炉樋スラグライン部へ適用しても耐用性（耐溶損性）
が高いため、従来の２層施工が不要となり、当然のこと
ながら、樋のライニング形状を変更する必要がないの
で、従来の施工設備をそのまま利用できる。また、本発
明の高炉樋用不定形耐火物は、溶銑部に炭化珪素を６５
重量％以上含有する耐火物であり、溶銑樋、傾注樋等に
も適用できる。更に、本発明の高炉樋用不定形耐火物
は、流し込み施工のみならず、圧送ポンプを使用した湿
式吹付け施工も可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎木 清隆 東京都千代田区大手町二丁目２番１号 品 川白煉瓦株式会社内 (72)発明者 山岡 慎一 東京都千代田区大手町二丁目２番１号 品 川白煉瓦株式会社内 Ｆターム(参考） 4G033 AA02 AA17 AA24 AB01 AB02 AB25 4K015 EC08
Claims (4)
- 【請求項１】 粒径２０μｍ以下のＭｇＯ−Ａｌ2Ｏ3系
スピネル超微粉を０．５〜５重量％、及び炭化珪素を６
５重量％以上含有してなることを特徴とする高炉樋用不
定形耐火物。 - 【請求項２】 粒径７５μｍ以下の炭化珪素微粉を１０
〜２０重量％含有してなる、請求項１記載の高炉樋用不
定形耐火物。 - 【請求項３】 アルミナを８〜３４重量％含有してな
る、請求項１または２記載の高炉樋用不定形耐火物。 - 【請求項４】 高炉樋メタルライン部に使用される、請
求項１ないし３のいずれか１項記載の高炉樋用不定形耐
火物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11162498A JP2000351674A (ja) | 1999-06-09 | 1999-06-09 | 高炉樋用不定形耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11162498A JP2000351674A (ja) | 1999-06-09 | 1999-06-09 | 高炉樋用不定形耐火物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000351674A true JP2000351674A (ja) | 2000-12-19 |
Family
ID=15755771
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11162498A Pending JP2000351674A (ja) | 1999-06-09 | 1999-06-09 | 高炉樋用不定形耐火物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000351674A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009161375A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Nippon Crucible Co Ltd | 炭化珪素質流し込み材 |
| JP2020132468A (ja) * | 2019-02-19 | 2020-08-31 | 黒崎播磨株式会社 | 高炉樋用不定形耐火物 |
-
1999
- 1999-06-09 JP JP11162498A patent/JP2000351674A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009161375A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Nippon Crucible Co Ltd | 炭化珪素質流し込み材 |
| JP2020132468A (ja) * | 2019-02-19 | 2020-08-31 | 黒崎播磨株式会社 | 高炉樋用不定形耐火物 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060201 |