JP2000344949A - 自動車タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents

自動車タイヤトレッド用ゴム組成物

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JP2000344949A
JP2000344949A JP2000027204A JP2000027204A JP2000344949A JP 2000344949 A JP2000344949 A JP 2000344949A JP 2000027204 A JP2000027204 A JP 2000027204A JP 2000027204 A JP2000027204 A JP 2000027204A JP 2000344949 A JP2000344949 A JP 2000344949A
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rubber
butadiene
coupling agent
weight
rubber composition
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JP2000027204A
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Yutaka Otsuki
裕 大月
Akira Takagi
彰 高木
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性、機械的強度及び動的粘弾性に優れた
自動車タイヤトレッド用ゴム組成物の提供。 【解決手段】 ブタジエン系重合体にメルカプトシラン
が付加した高分子シランカップリング剤とシリカ及びカ
ーボンブラックからなる充填剤を共役エラストマーに配
合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機フィラーである
シリカおよびカーボンブラックを良好な分散状態で含有
し、機械強度及び燃費特性に優れた自動車タイヤトレッ
ド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】以前よりシリカはゴムの白色充填剤とし
て使用されてきたが、シリカをゴムに混練する場合に
は、著しい粘度上昇を伴うため、これをゴムに均一分散
させることが極めて困難であった。この問題点を解消す
るためにアルキルシラン、ビニルシラン、アミノシラン
もしくはメルカプトシラン等の低分子シランカップリン
グ剤をシリカ混練時に加えるという手法がとられてき
た。
【0003】しかしながらメルカプトシランは加熱混練
時に発生する臭気、得られたゴム組成物の機械強度不
足、さらには加熱に際して望ましくない架橋反応(スコ
ーチ特性の悪化)が発生する等の問題を有しており、そ
の効果は必ずしも十分とはいえなかった。
【0004】一方、近年自動車タイヤのレッド面にシリ
カを配合したゴムを用いることにより、制動時、及びウ
ェット路面におけるタイヤのグリップ性能を低下させる
ことなく、通常走行時の燃費特性を向上させうることが
見いだされた。この相反する特性を両立させることは、
従来のカーボンブラックのみを無機充填剤に用いた自動
車タイヤでは極めて困難であり、シリカ配合タイヤの優
れた特徴であるといえる。特に自動車から排出される炭
酸ガスは地球温暖化現象の原因でもあり、今日の環境問
題の観点からシリカ配合タイヤの優れた燃費特性は好ま
しい特性といえる。したがってシリカをゴムに効率よく
均一分散させる技術は今日、極めて重要な問題となって
きている。
【0005】上記シリカ配合タイヤは現在既に実用化さ
れているが、その製造に際してはある種の2官能性シラ
ンカップリング剤をシリカと併用することにより、シリ
カの均一な分散を達成している。上記2官能性シランカ
ップリング剤として特開平8−176345号、特開平
9−302149号、および特開平10−1565号等
に記載されるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)
テトラサルファイトが一般に広く用いられている。この
シランカップリング剤は分子両末端に存在するエトキシ
シリル基がシリカ表面のシラノール基と、また分子中央
部のテトラサルファイト部がゴムの二重結合と反応する
ことにより、シリカ及びゴム両者と共有結合を形成する
ことのできる優れた分子構造を有しているといえる。
【0006】しかしながら日本ゴム協会誌、71、76
(1998)には上記化合物が極めて高価格であること
に加えて、加熱混練時に分子中央部に含まれる硫黄原子
の遊離による望ましくない架橋反応が発生(スコーチ特
性が悪い)する等の不都合があることが記載されてい
る。
【0007】また、シリカ配合自動車タイヤ用の新規な
高分子シランカップリング剤として特開平9−1946
38号、特開平10−53707号記載のポリオルガノ
シロキサンもしくはその変性物が知られている。しか
し、これら高分子シランカップリング剤は、ゴムと化学
結合できる構造単位を全く含有していないか、含有して
いてもその量が極めて少ない関係で、この種のシランカ
ップリング剤単独では、満足な機械強度を備えた自動車
タイヤのトレッドに使用できるゴム組成物を得ることが
できない。このため、上記したような高分子シランカッ
プリング剤は、低分子シランカップリング剤との併用が
前提となっている等の問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、従来のシリカ配合自動車タイヤ用ゴム組成物に認め
られる諸問題点を解決した新規な自動車タイヤトレッド
用ゴム組成物を提供することにある。本発明者らは、こ
の目的に適したシリカ及びカーボンブラック配合ゴム組
成物を開発すべく鋭意研究を行った結果、特定の高分子
シランカップリング剤を使用することにより、シリカ及
びカーボンブラックの分散性に優れるばかりではなく、
満足できる機械強度、加工性、及び燃費特性を発揮する
新規な自動車タイヤトレッド用ゴム組成物が安価に得ら
れることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は共役ジエン系エ
ラストマー100重量部あたり、シリカ及びカーボンブ
ラックからなる充填剤30〜120重量部と、高分子シ
ランカップリング剤を1〜30重量部を含有すると共
に、該高分子シランカップリング剤が、数平均分子量5
00〜10000のブタジエン系重合体100重量部に
対して下記の一般式(1)で表されるシラン化合物を1
0〜300重量部付加させて得られるカップリング剤で
あることを特徴とする自動車タイヤトレッド用ゴム組成
物である。
【0010】
【化4】
【0011】(式中R1 は炭素数1から6の2価のアル
キレン基であり、R2 、R3 及びR4はそれぞれ独立
に、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メチル
基、エチル基又はフェニル基を示す。但し、R2 、R3
及びR4 の少なくとも1つはメトキシ基、エトキシ基又
はフェノキシ基である。) 本発明で用いるシランカップリング剤を以下カップリン
グ剤Xと称する。
【0012】従って、本発明に係る自動車タイヤトレッ
ド用ゴム組成物は、(a)共役ジエン系エラストマー、
(b)この共役ジエン系エラストマー100重量部あた
り30〜120重量部のシリカ及びカーボンブラックか
らなる無機充填剤と、(c)同じく共役ジエン系エラス
トマー100重量部あたり1〜30重量部の高分子シラ
ンカップリング剤Xとを含有させたものであり、その主
たる性能的特徴は、良好な加硫特性と加工性及び優れた
燃費特性とグリップ性能を有する自動車タイヤトレッド
用ゴム組成物を低いコストで実現できる点にある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明に使用される共役ジエン系エラストマー成分として
は共役ジエンを主体とするゴム状重合体であれば特に制
限はない。その具体例としては、シス1,4−ポリイソ
プレンゴム、3,4−ポリイソプレンゴム、乳化重合ス
チレン/ブタジエンコポリマーゴム、溶液重合スチレン
/ブタジエンコポリマーゴム、イソプレン/ブタジエン
コポリマーゴム、スチレン/イソプレンコポリマーゴ
ム、スチレン/イソプレン/ブタジエンターボリマーゴ
ム、シス1,4−ポリブタジエンゴム、トランス1,4
−ポリブタジエンゴム(70〜95%トランス)、低ビ
ニルポリブタジエンゴム(10〜30%ビニル)、中ビ
ニルポリブタジエンゴム(30〜50%ビニル)、高ビ
ニルポリブタジエンゴム(50〜90%ビニル)、乳化
重合スチレン/ブタジエン/アクリロニトリルターポリ
マーゴム及びブタジエン/アクリロニトリルコポリマー
ゴム等がある。これらは単独で用いても、2種以上を併
用してもよい。
【0014】本発明で使用する充填剤であるシリカ及び
カーボンブラックも特に制限はない。シリカとしては乾
式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロ
イダルシリカ及び沈降シリカ等の1種又は2種以上が使
用可能である。シリカの比表面積についても特に制限は
ないが、好ましくは50〜400m2 /g、より好まし
くは100〜250m2 /g、特に好ましくは120〜
200m2 /gの範囲である。ここでいう比表面積はA
STM D3037−81に準じた測定法による窒素吸
着比表面積(BET法)である。また、カーボンブラッ
クにも特に制限はない。従来タイヤおよび特にタイヤト
レッドにおいて使用されていた全てのカーボンブラック
の1種又は2種以上が使用可能である。
【0015】シリカ及びカーボンブラックを含む充填剤
の配合量は、共役ジエン系エラストマー100重量部あ
たり30〜120重量部、好ましくは50〜100重量
部の範囲にある。充填剤の比率がこの範囲を逸脱すると
は、得られるゴム組成物の耐磨耗性等が著しく低下した
り、加工性が低下するので好ましくない。さらに本発明
で使用するシリカとカーボンブラックの重量比は好まし
くはシリカ/カーボンブラック=10/90〜99/
1、より好ましくは30/70〜95/5、特に好まし
くは50/50〜90/10である。
【0016】本発明中で使用するカップリング剤Xは本
発明のゴム組成物に良好な加工性、機械強度及び燃費特
性に優れた粘弾性特性を付与するうえで必要不可欠な成
分である。上記シランカップリング剤Xはブタジエン系
重合体中に存在する炭素−炭素不飽和結合へ上記の一般
式(1)で表されるシラン化合物(メルカプトシラン)
のメルカプト基(HS−)がラジカル付加反応すること
で得られる化合物である。
【0017】一般式(1)においてR1 は炭素数1〜6
の2価のアルキレン基を示し、具体的には、−CH
2 −、−(CH2 2 −、−(CH2 3 −、−(CH
2 4 −、−(CH2 5 −又は−(CH2 6 −を示
す。またR2 、R3 及びR4 はそれぞれ同一でも異なっ
ていてよく、それぞれメトキシ基、エトキシ基、フェノ
キシ基、メチル基、エチル基、又はフェニル基を示す。
但し、R2 、R3 及びR4 の少なくとも1つはメトキシ
基、エトキシ基又はフェノキシ基であることを要する。
一般式(1)で示されるシラン化合物の好ましい具体例
としては、次の化合物を例示することができる(式中M
eはメチル基を示し、Etはエチル基を示す)。
【0018】
【化5】
【0019】カップリング剤Xを合成するに際して、ブ
タジエン系重合体に付加される一般式のメルカプトシラ
ンの量はブタジエン系重合体100重量部あたり10〜
300重量部の範囲で選ばれる。シラン化合物の量が1
0重量部より少ない場合には、得られた高分子シランカ
ップリングとシリカとの反応性が低下するため、最終的
に得られるゴム組成物に満足できる加工性と機械的強度
を保持させることができない。またシラン化合物の量が
300重量部より多い場合は、得られた高分子シランカ
ップリング剤とゴムとの架橋反応性が低下するので好ま
しくない。また、シラン化合物を多量に使用することは
経済的にも好ましくない。
【0020】一方、一般式(1)で示されるシラン化合
物を付加させるブタジエン系重合体としては、数平均分
子量が500〜10000、好ましくは500〜500
0の範囲にあるものが選ばれる。数平均分子量が500
より小さい重合体を使用して得られる付加反応生成物
は、これを組成物に配合しても、十分な機械的強度を備
えたゴム組成物を得ることができない。また、数平均分
子量が10000より大きい重合体を使用した場合に
は、付加反応系の粘度上昇が著しく、付加反応の遂行に
支障をきたす。付加反応に使用するブタジエン系重合体
は、そのビニル基含量が重合体中に存在する全二重結合
の50モル%以上、80モル%以下であることが好まし
く、55モル%以上、75モル%以下であることがさら
に好ましい。
【0021】更に言えば、付加反応に用いるブタジエン
系重合体は、数平均分子量が500〜5000の範囲に
あり、かつビニル基含量が該重合体中に存在する全二重
結合の50〜80モル%の範囲にあるポリブタジエンで
あることが好ましい。ブタジエン系重合体中のビニル基
は内部オレフィンに比し反応性が高い。従って、ビニル
基含量がブタジエン系重合体中に存在する全二重結合の
50モル%より少ない場合は所定量のメルカプトシラン
の付加に長時間を要するため、架橋反応等の副反応が併
発しやすい。この理由から、ビニル基含量の少ないブタ
ジエン系重合体を使用して得られる付加反応生成物は、
シランカップリング剤としての性能が低下する。また、
ビニル基含量が80モル%を越えるブタジエン系重合体
の使用は、付加反応系の粘度を著しく増大させるため、
反応の進行に支障をきたす。更に言えば、ビニル基含量
が80モル%を越えるブタジエン系重合体を得るために
は、低温でのアニオン重合が必要となり、結果的にカッ
プリング剤Xの原料となるブタジエン系重合体の価格上
昇を招く。
【0022】カップリング剤Xを得るためのブタジエン
系重合体とシラン化合物(1)の付加反応は単に加熱す
るだけでも進行するが、より速やかに進行させるために
ラジカル発生剤を共存させることが好ましい。ラジカル
発生剤を使用することにより、マイルドな反応条件にお
いて、所期の付加反応を短時間で完結させることがで
き、高付加率の反応生成物を得ることができる。使用す
るラジカル発生剤には特に制限はなく、通常市販されて
いる有機過酸化物、アゾ系化合物、過酸化水素等が使用
できる。
【0023】有機過酸化物の具体例としてはメチルエチ
ルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサ
イド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオ
キサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ア
セチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(ターシ
ャリイブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン1,1−ビス(ターシャリイブチルパーオ
キシ)−3,3,5−シクロヘキサン、2,2−ビス
(ターシャリイブチルパーオキシ)ブタン、ターシャリ
イブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、2,5
−ジメチルヘキサン2,5−ジハイドロパーオキサイ
ド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパー
オキサイド、ジターシャリイブチルパーオキサイド、タ
ーシャリイブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパー
オキサイド、ビス(ターシャリイブチルパーオキシイソ
プロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ターシャリイブチルパーオキシ)ヘキサン、2.5−
ヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル及びその置換
体、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、メタ
トルオイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ターシャリイブチル−2−エチルヘキ
サノエート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカー
ボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネ
ート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキ
シジカーボネート、ターシャリイブチルパーオキシアセ
テート、ターシャリイブチルパーオキシピバレート、タ
ーシャリイブチルパーオキシネオデカノエート、ターシ
ャリイブチルパーオキシオクタノエート、ターシャリイ
ブチルパーオキシ3,3,5−トリメチルヘキサノエー
ト、ターシャリイブチルパーオキシラウレート、ターシ
ャリイブチルパーオキシカーボネート、ターシャリイブ
チルパーオキシベンゾエート、ターシャリイブチルパー
オキシイソブチレート等がある。
【0024】アゾ系開始剤の具体例としては2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シ
クロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス(2−(2−イミダゾリン−
2−イル)プロパン)、2,2′−アゾビス(2,4,
4−トリメチルペンタン)、2,2′−アゾビス(2−
メチルプロパン)、2,2′−アゾビス(2−ヒドロキ
シメチルプロピオンニトリル)、4,4′−アゾビス
(4−シアノバレリックアシッド)、ジメチル2,2′
−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2−シアノ
−2−プロピルアゾホルムアミド、2−フェニルアゾ−
4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等があ
る。
【0025】また、光開始剤を共存させて紫外線照射下
又は可視光照射下に所期の付加反応を遂行させることも
できる。付加反応は無溶媒で遂行させることもできる
が、反応系の粘度上昇を抑え、反応熱を除去する等の目
的で、ラジカルに不活性な溶媒を用いて行うこともでき
る。溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、混合
キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタ
ン、リグロイン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が使用可能
である。
【0026】本発明の組成物において、カップリング剤
Xの配合量は共役ジエン系エラストマー100重量部あ
たり1〜30重量部、好ましくは2〜15重量部の範囲
で選ばれる。カップリング剤Xの配合量が1重量部より
少ない場合は、シランカップリング剤としての作用効果
を発揮させることができない。またその配合量が30重
量部を越えると、得られたゴム組成物の加硫特性が悪化
する。
【0027】本発明の係る自動車タイヤトレッド用ゴム
組成物の基本構成成分は、共役ジエン系エラストマーと
シリカ及びカーボンブラックからなる充填剤とカップリ
ング剤Xであるが、この組成物には他の添加剤、例え
ば、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、加硫促進
剤、プロセスオイル、ビス(3−トリエトキシシリルプ
ロピル)テトラサルファイド(Si−69)に代表され
る他のシランカップリング剤等を添加することができ
る。これらの添加量は共役ジエンエラストマー100重
量部あたり通常1〜10重量部が好ましい。以下に実施
例を示して本発明をさらに説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0028】
【実施例】高分子シランカップリング剤の合成例1 撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた反応器に数平均
分子量930、ビニル基含有量65%のポリブタジエン
(日本石油化学(株)製日石ポリブタジエンB−100
0)100重量部、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン(信越化学工業(株)製 KBM−803)1
00重量部、開始剤としてパーオキシターシャリイブチ
ル−2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製パー
ブチルO)1重量部を入れた後、窒素導入管をもちいて
反応器内を窒素パージした。その後、窒素雰囲気下、8
5℃にて6時間反応を行った。反応終了後85℃に保持
しながら減圧下で反応生成物中の揮発成分を除去した。
得られた淡黄色透明液体をシランカップリング剤Aとし
た。
【0029】高分子シランカップリング剤の合成例2 原料のポリブタジエンを、数平均分子量2000、ビニ
ル基含有量65%のポリブタジエン(日本石油化学
(株)製日石ポリブタジエン B−2000)に変更し
た以外は合成例1と同様の操作によりシランカップリン
グ剤Bを得た。高分子シランカップリング剤の合成例3 原料のポリブタジエンを数平均分子量3000、ビニル
基含有量65%のポリブタジエン(日本石油化学(株)
製日石ポリブタジエン B−3000)に変更した以外
は実施例1と同様の操作によりシランカップリング剤C
を得た。高分子シランカップリング剤の合成例4 原料を、数平均分子量2000、ビニル基含有量65%
のポリブタジエン(日本石油化学(株)製日石三ポリブ
タジエン B−2000)100重量部、3−メルカプ
トプロビルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製
KBM−803)250重量部に変更した以外は合成
例1と同様の操作により高分子シランカップリング剤D
を得た。
【0030】実施例1〜4及び比較例1〜2 ゴム組成物の配合/混練り 表1に示した配合で以下の手法にて混練りを行いゴム組
成物を調整した。 混練方法 1.マスターバッチ作成(加硫系以外の練り) 2.1で作成したマスターバッチを100℃のオープン
ロールに4分巻き付かせ、その後加硫系及びシランカッ
プリング剤を混入し、4分間で練り上げた。 配合に用いた各成分は以下のとおりである。
【0031】 SBR1500及びSL−574 JSR社製 NR(RSS#1) 天然ゴム社製 SBR(NS116) 日本ゼオン社製 N234 東海カーボン社製 ニップシール VN−3 日本シリカ社製 アロマックス 3 富士興産社製 ジエチレングリコール 片山化学社製 酸化亜鉛2種 正同化学社製 ステアリン酸 日本油脂社製 ノクセラーD及びCZ 大内新興化学社製 ノクラック 6C 大内新興化学社製 硫黄 細井化学社製 Si−69 デグサ社製
【0032】
【表1】
【0033】実施例1〜3及び比較例1〜2で得られた
各サンプルについての各種試験を以下の手法により測定
した。 (ムーニー粘度測定、ムーニースコーチ試験、及び加硫度試験) 試験方法 JIS K 6300 キュラストメータ 振幅±1°、振動数1.67ヘルツ(100cpm) (硬さ試験) 試験方法 JIS K 6253 (引張試験) 試験方法 JIS K 6251 試験片形状:ダンベル状3号形 (磨耗試験) 試験方法 JIS K6264 B法に準拠 加重 :4.50kgf 角度 :10度 予備試験:500回 本試験 :500回 (粘弾性試験) 試験方法 JIS K 7198 A法 試験片形状:1mm×5mm×30mm 測定モード:引張モード 測定周波数:10Hz 昇温速度 :2℃/min 測定温度 :−10〜70℃ 動的ひずみ:0.1% 試験器 :レオメトリック社製粘弾性測定装置RSA−II (試験結果)配合1で得られたゴム組成物の各試験結果
を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2に示す結果から明らかなように、シラ
ンカップリング剤未添加の比較例1ではムーニー粘度が
著しく高く、加工性に劣る。またシリカ/ゴム間に結合
が存在しないためゴム組成物の引張応力が低く、耐磨耗
性も劣っている。一方、低分子シランカップリング剤を
使用した比較例2では、引張試験においてはカップリン
グ剤としての効果は認められるもののムーニースコーチ
試験の値が短く、加工性が十分に改善されていない。ま
た、耐磨耗性にも問題がある。
【0036】これに対して、本発明の自動車タイヤ用ト
レッド用ゴム組成物ではその加硫特性及び機械物性値双
方に良好な改善効果が認められるばかりではなく、タイ
ヤの転がり摩擦の指標である動的粘弾性測定において
も、既に実績のある低分子シランカップリング剤を添加
した系と同等の値を示している。
【0037】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の自動車
タイヤトレッド用ゴム組成物では、安価な特定の高分子
シランカップリング剤を用いることにより、タイヤの転
がり摩擦の指標である動的粘弾性特性を損なうことな
く、その機械物性及び加工性を改善することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン系エラストマー100重量部
    あたり、シリカ及びカーボンブラックからなる充填剤3
    0〜120重量部と、高分子シランカップリング剤を1
    〜30重量部を含有すると共に、該高分子シランカップ
    リング剤が、数平均分子量500〜10000のブタジ
    エン系重合体100重量部に対して下記の一般式(1)
    で表されるシラン化合物を10〜300重量部付加させ
    て得られるカップリング剤であることを特徴とする自動
    車タイヤトレッド用ゴム組成物。 【化1】 (式中R1 は炭素数1から6の2価のアルキレン基であ
    り、R2 、R3 及びR4はそれぞれ独立に、メトキシ
    基、エトキシ基、フェノキシ基、メチル基、エチル基又
    はフェニル基を示す。但し、R2 、R3 及びR4 の少な
    くとも1つはメトキシ基、エトキシ基又はフェノキシ基
    である。)
  2. 【請求項2】 共役ジエン系エラストマーがシス1,4
    −ポリイソプレンゴム、3,4−ポリイソプレンゴム、
    スチレン/ブタジエンコポリマーゴム、イソプレン/ブ
    タジエンコポリマーゴム、スチレン/イソプレンコポリ
    マーゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリ
    マーゴム、シス1,4−ポリブタジエンゴム、トランス
    1,4−ポリブタジエンゴム(70〜95%トラン
    ス)、低ビニルポリブタジエンゴム(10〜30%ビニ
    ル)、中ビニルポリブタジエンゴム(30〜50%ビニ
    ル)、高ビニルポリブタジエンゴム(50〜90%ビニ
    ル)、乳化重合スチレン/ブタジエン/アクリロニトリ
    ルターポリマーゴム及びブタジエン/アクリロニトリル
    コポリマーゴムからなる群から選ばれる請求項1記載の
    自動車タイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 【請求項3】 シラン化合物が式 【化2】 (式中Meはメチル基を示す)で表されるシラン化合物
    である請求項1記載の自動車タイヤトレッド用ゴム組成
    物。
  4. 【請求項4】 シラン化合物が式 【化3】 (式中Etはエチル基を示す)で表されるシラン化合物
    である請求項1記載の自動車タイヤトレッド用ゴム組成
    物。
  5. 【請求項5】 高分子シランカップリング剤を形成する
    ブタジエン系重合体の数平均分子量が500〜5000
    の範囲にあり、かつビニル基含量が全二重結合の50モ
    ル%〜80モル%の範囲にある請求項1記載の自動車タ
    イヤトレッド用ゴム組成物。
  6. 【請求項6】 ブタジエン系重合体がポリブタジエンで
    ある請求項1又は4記載の自動車タイヤトレッド用ゴム
    組成物。
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