JP2000342207A - 冷凍麺用穀粉組成物及びこれを用いた冷凍麺及びその製造方法 - Google Patents

冷凍麺用穀粉組成物及びこれを用いた冷凍麺及びその製造方法

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JP2000342207A
JP2000342207A JP11152773A JP15277399A JP2000342207A JP 2000342207 A JP2000342207 A JP 2000342207A JP 11152773 A JP11152773 A JP 11152773A JP 15277399 A JP15277399 A JP 15277399A JP 2000342207 A JP2000342207 A JP 2000342207A
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Shusaku Shimada
周作 嶋田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 市販されている一般の小麦粉を用いても、緩
慢冷凍での食感を保持でき、しかもほぐれ性がよい冷凍
麺を提供できる冷凍麺用穀粉組成物、及びこれを用いた
冷凍麺、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 小麦粉9〜69重量%、澱粉20〜70
重量%、及び、カードラン0.1〜1.2重量%を含有
する冷凍麺用穀粉組成物で、これに水を加えて製麺し、
α化した後、冷凍して冷凍麺を製造する。冷凍麺として
は、冷凍うどん、冷凍そば、冷凍ラーメンがあり、冷凍
ラーメンの場合には、更にかん水0.5〜3重量%を含
有し、冷凍そばの場合には、小麦粉の含有率を9〜50
重量%、澱粉の含有率を27〜60重量%とし、そば粉
10〜40重量%を含有することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍うどん、冷凍
そば、冷凍ラーメン、冷凍パスタ等の冷凍麺用穀粉組成
物および当該組成物を用いて製造される冷凍麺、及び当
該冷凍麺の製造方法に関するもので、詳述すると、流水
解凍や緩慢解凍を行なった場合にも、コシがあり、かつ
ほぐれやすいうどん、そば、ラーメン、又はパスタを得
ることができる冷凍麺用穀粉組成物および当該組成物を
用いて製造される冷凍麺、及び当該冷凍麺の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】長期にわたって保存が可能であり、しか
も必要なときに解凍するだけで簡単に食することができ
る冷凍麺の需要が、レストランなどで伸びてきている。
ここで、冷凍麺とは、一般に、素材となる穀粉組成物に
水を加えて混練して麺生地を調製し、これを圧延してな
る麺帯を、所定長さ及び太さに切り落とした後、茹上
げ、水洗冷却した後、水切りして、約−35℃程度で凍
結することにより製造される。このような冷凍麺は、レ
ストラン等の冷凍庫で保管され、必要なときに必要量解
凍して、客に提供される。
【0003】解凍方法としては、電子レンジ、熱湯、加
熱水蒸気等の加熱手段を用いる急速解凍;流水により解
凍する流水解凍;冷蔵庫または室温下で解凍する緩慢解
凍に分類される。これらの解凍方法のうち、急速解凍に
よれば、凍結前の麺が本来有している粘弾性、滑らか
さ、コシ等の食感が保持されるので、麺の食感という点
からは最も好ましい。また、解凍による麺本来の食感が
保持されているので、原料たる穀粉組成物としては、冷
凍麺でない通常の麺と同様の組成、具体的には、小麦粉
75〜100wt%、澱粉0〜25wt%、必要に応じ
て塩を小麦粉の0〜3wt%を含有する穀粉組成物を用
いることができる。
【0004】しかし、急速解凍のためには、電子レンジ
や湯煎など、解凍用の加熱設備が必要となり、設備面及
び熱効率の面から経済的でない。また、流水解凍も、大
量の水を要するなどの理由から、レストラン等では、敬
遠されがちである。
【0005】このため、一般にレストラン等では、緩慢
解凍が経済的で、最も便利であるとして、採用されてい
る。しかし、緩慢解凍では、急速解凍や流水解凍と比べ
て、解凍時に麺の茹伸びが徐々に進行し、コシのない麺
になってしまうという問題がある。
【0006】緩慢解凍しても粘弾性、滑らかさ、もちも
ち性などの食感が損なわれない冷凍麺用穀粉組成物とし
て、特開平10−42811号公報に、(a)粗蛋白含
量が12重量%以上である小麦粉を5〜30重量%;
(b)エーテル化処理及び/又はアセチル化処理がなさ
れているタピオカ澱粉を40〜80重量%;(c)グル
テンを5〜30重量%;および場合により(d)脱脂粉
乳を、必要に応じて他の原料および/又は添加剤を含有
する穀粉組成物が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報で提
案されている冷凍麺用穀粉組成物は、粘弾性、滑らか
さ、もちもち性などの食感を確保するために、粗蛋白含
量が12重量%以上という特殊な小麦粉を用いている。
つまり、市販の小麦粉では強力粉であっても粗蛋白含量
が12重量%程度であるため、分級処理により、粗蛋白
含量が高く平均粒径が小さい画分だけを取り出した小麦
粉を用いる必要がある。このような操作は面倒であり、
また小麦粉に関する価格がアップし、ひいては冷凍麺の
価格アップにもつながる。
【0008】さらに、上記冷凍麺用穀粉組成物は、麺類
としては澱粉の含有率が高いために、麺と麺とがくっつ
きやすく、解凍の際に麺をほぐしにくいという問題があ
る。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、市販されてい
る一般の小麦粉を用いても、緩慢冷凍での食感を保持で
き、しかもほぐれ性がよい冷凍麺を提供できる冷凍麺用
穀粉組成物、及びこれを用いた冷凍麺、及びその製造方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の冷凍麺用穀粉組
成物は、小麦粉9〜69重量%、澱粉20〜70重量
%、及び、カードラン0.1〜1.2重量%を含有する
ことを特徴とする。
【0011】前記澱粉は、エーテル化澱粉であることが
好ましい。また、グルテンを1〜10重量%含有するこ
とが好ましい。
【0012】前記冷凍麺には、冷凍うどん、冷凍ラーメ
ン(冷凍中華そば)、冷凍そば、冷凍パスタ類が含まれ
る。
【0013】冷凍ラーメンの場合には、前記冷凍麺用穀
粉組成物は、さらに、かん水0.5〜3重量%を含有す
ることが好ましい。
【0014】冷凍そばの場合には、前記冷凍麺用穀粉組
成物は、小麦粉の含有率を9〜50重量%、澱粉の含有
率を27〜60重量%とし、更にそば粉10〜40重量
%を含有することが好ましい。
【0015】本発明の冷凍麺の製造方法は、本発明の冷
凍麺用組成物に水を加えて製麺し、α化した後、冷凍す
ることを特徴とする。
【0016】本発明の冷凍麺は、上記本発明の製造方法
により製造される麺である。
【0017】尚、本発明にいう「うどん」には、きしめ
ん、そうめん、ひやむぎも含まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の冷凍麺用穀粉組成物は、
小麦粉9〜69重量%、澱粉27〜70重量%、及びカ
ードラン0.1〜1.2重量%を含有することを特徴と
する。
【0019】小麦粉としては、特に限定せず、強力粉と
して市販されているもの(粗蛋白含量が12%程度)、
中力粉として市販されているもの(粗蛋白含量9〜11
%程度)、薄力粉として市販されているもの(粗蛋白含
量8〜9%程度)のいずれを用いることもでき、麺の種
類、穀粉組成物の組成に応じて適宜選択できる。本発明
の冷凍麺用穀粉組成物は、後述するように、粘弾性を発
揮できるカードランが含まれているので、市販の小麦粉
はもちろん、中力粉、薄力粉を用いることも可能とな
る。尚、ここでいう蛋白含量とは、無水小麦粉における
粗蛋白の含有率をいう。
【0020】冷凍麺用穀粉組成物中、小麦粉は9〜69
重量%、好ましくは30〜60重量%含有することが好
ましい。冷凍麺が冷凍そばの場合、後述するように、そ
ば粉を含む関係上、小麦粉の含有率は9〜50重量%と
することが好ましい。
【0021】上記澱粉としては、エーテル化処理及びア
セチル化処理のうち、少なくともいずれか一方の処理が
なされている澱粉が好ましく、具体的にはタピオカ澱粉
として知られているものが好ましく用いられる。ここ
で、タピオカ澱粉とは、キャッサバの根から製造した澱
粉で、粒径4〜35μm程度で、糊化しやすく、その際
に大量の水を吸収するので、保水力が強い。このため、
また膨潤力、溶解性に優れ、また老化しにくく、冷凍、
融解の繰り返しによっても安定な糊液をつくることがで
きる。さらにエーテル化度0.023以上及び/又はア
セチル化度0.03以上のタピオカ澱粉が麺の老化防止
の観点から好ましく用いられる。さらにまた、エーテル
化澱粉の方が、粘弾性をはじめとするコシが優れている
という点で好ましい。
【0022】澱粉は、冷凍麺用穀粉組成物中、27〜7
0重量%、好ましくは40〜70重量%含まれる。冷凍
麺が冷凍そばの場合には、後述するように、そば粉を含
む関係上、澱粉の含有率は、27〜60重量%、好まし
くは40〜60重量%であることが好ましい。
【0023】カードランとは、米国食品医薬品局(FD
A)において食品添加物として認可されているもので、
微生物Agrobacterium biovar 1
によってブドウ糖から生成される発酵多糖類で、D−グ
ルコースが1位炭素と3位炭素でβ−グルコシド結合し
た非イオン性の直鎖状の多糖類(β−1,3グルカン)
である。
【0024】このような構造を有するカードランは、加
熱すると固まる性質を有しており、少量で、ほぐれ性を
改善することができ、麺にコシを与えるという効果があ
る。ここで、コシとは、粘弾性、もちもち性、滑らか
さ、歯ごたえなどを総合した食感をいう。
【0025】冷凍麺用穀粉組成物におけるカードランの
含有率は、0.1〜1.2重量%、好ましくは0.2〜
1重量%である。少量で上記効果を十分に発揮できるか
らである。一方、1.2重量%を超えると、硬くなりす
ぎて、食感が劣るからである。
【0026】本発明の冷凍麺用穀粉組成物は、小麦粉、
澱粉、カードランの他、冷凍麺の種類に応じて、あるい
は必要に応じて下記のような添加物をさらに含有するこ
とができる。
【0027】冷凍麺が冷凍そばの場合には、そば粉を1
0〜40重量%、好ましくは20〜40重量%含有する
ことが好ましい。そば粉を含有する場合、小麦粉の含有
率は10〜50重量%、澱粉の含有率は30〜60重量
%とすることが好ましい。
【0028】また、冷凍麺が冷凍ラーメンの場合には、
かん水を0.5〜3重量%含有することが好ましい。か
ん水は、炭酸カリウムを主成分とするもので、アルカリ
性とすることにより、小麦粉蛋白質に変性を起こさせる
ことができる。
【0029】このほか、必要に応じて、食塩を5重量%
以下、グルテン1〜10重量%を含有することができ
る。
【0030】ここでいうグルテンは、上記小麦粉中に含
まれているグルテンとは別に添加されるグルテンをい
う。グルテンとしては、乾燥グルテン(グルテン粉末)
及び湿グルテンのいずれも使用でき、それらの一方のみ
を用いても、また両方併用してもよい。グルテンを1〜
10重量%を含むことにより、食感を損なうことなく、
小麦粉の含有率を減らすことができる。
【0031】本発明の冷凍麺用穀粉組成物では、さらに
必要に応じて、麺類の種類などに応じて、従来から汎用
されている副原料や添加剤、例えば乳化剤、アルコー
ル、ゲル化剤、着色料、防腐剤、ビタミン類、ミネラル
類、アミノ酸などの栄養強化剤、山芋粉、卵又は卵成
分、茶粉末、海草粉末などの1種または2種以上を使用
することができる。
【0032】本発明の冷凍麺は、以上のような組成を有
する冷凍麺用穀粉組成物を、常法に従って製麺し、麺を
α化した後、水洗して、冷凍することにより製造され
る。
【0033】ここで、製麺工程は、穀粉組成物に水を適
量加えて混練した後、圧延して、所定サイズに切り落と
す工程である。水の添加料としては、冷凍麺の種類によ
り異なるが、一般に穀粉組成物100重量部に対して、
30〜55重量部となる量である。
【0034】麺のα化工程とは、特に麺に含まれる澱粉
をα化する工程で、茹上げの他に、蒸し処理、茹上げ処
理と蒸し処理の併用などにより行なわれる。α化により
澱粉中の水素結合によるミセル構造が破壊され、水の存
在により糊化して、粘度が高くなり、消化酵素の作用を
受けやすい状態になる。
【0035】α化した麺を水洗した後、急速冷凍する。
冷凍は、−20〜−30℃程度で行なう。凍結は、麺を
1食分又は複数食分づつ型容器に充填した状態で行なっ
てもよいし、平板状トレーに載置した状態で行なっても
よい。凍結時に用いた容器に充填した状態で、冷凍麺類
を包装して流通ルートに乗せてもよいし、冷凍麺だけを
プラスチックフィルムやシートからなる袋状物を用いて
包装して流通するようにしてもよい。
【0036】冷凍麺は、出荷されるまでは冷凍温度程度
(−20〜−30℃程度)で保存しておくことが好まし
い。出荷後、レストラン等では、冷凍庫(通常−18℃
程度)で保存されることとなる。
【0037】このような、冷凍状態で長期間保存される
場合、α化により破壊された澱粉の結晶構造が部分的に
回復して、消化酵素が作用しがたくなる老化が進むが、
本発明の組成物に含まれるカードランは、老化防止剤と
しても作用する。
【0038】以上のようにして、本発明の冷凍麺が製造
される。材料として用いる冷凍麺用穀粉組成物の組成に
より、冷凍うどん、冷凍そば、冷凍ラーメン、冷凍パス
タなどを得ることができる。尚、冷凍うどんは、冷凍そ
うめん、冷凍きしめん、冷凍ひやむぎを含む概念であ
る。
【0039】尚、冷凍麺は、上記方法により製造した冷
凍麺のみを包装して流通、販売してもよいし、冷凍麺に
冷凍した又は冷凍していないソース類及び/又は具材な
どを添付して、流通、販売してもよい。ソース類及び/
又は具材などを冷凍麺に添付する場合は、麺ののびを生
じたり、麺類の食感や食味を損なわない限りは、冷凍麺
の上、下、横、中間などの適宜場所に、冷凍麺と直接接
触する状態で、ソース類、具材を添付してもよいし、あ
るいは麺とは別の包材に入れたソース類、具材を冷凍麺
に添付してもよい。
【0040】本発明の冷凍麺は、急速解凍はもちろん、
流水または溜め水に浸漬する水解凍、冷蔵解凍等の緩慢
解凍によって解凍して、食することができる。麺に含ま
れているカードランの作用効果により、緩慢解凍であっ
ても、コシをはじめとする食感が保持され、しかも解凍
時にも、麺と麺とが餅状にくっついたりせず、手で容易
にほぐすことができる。この理由は明らかではないが、
カードランが澱粉と複合体を形成するため、α化した澱
粉特有の「ぬめり」が少なくなるためと考えられる。
【0041】本発明の冷凍麺は、解凍後、その種類によ
り、汁器にそのままもりつけて食してもよいし、するこ
とができるし、さらに冷水で冷やしてから食してもよ
い。この際、つけ汁、かけ汁、スープ等と一緒あるいは
別々に食してもよい。また温物の場合には、さらに一度
熱湯を通して温めてから、汁器に盛り付け、だし、スー
プ、ミートソース等をかけて食してもよい。
【0042】
【実施例】〔解凍方法〕 水解凍 SUS製のボールに20℃の水を4kg入れ、この中に
試料の冷凍麺を投入した。投入した麺を手でユラユラと
ゆらしながら解凍した。 冷蔵解凍 5℃の恒温器で1晩(15時間以上)放置して解凍し、
15℃の水中で水洗する。
【0043】〔評価方法〕 食感 水解凍した麺と、冷蔵解凍した麺のそれぞれについて、
水洗後、つけ汁につけたものを、10人のパネラーが食
して、各人が外観、コシ、滑らかさ、弾力性などを下記
評価基準に従って総合的に評価し、パネラーの平均評価
を求めた。 5:麺表面の滑らかさ、コシとも、釜上げ同様の食感 4:滑らかさ、コシともに少し劣るが、食味上は十分で
ある 3:麺のコシは失われたが、市販のチルド品程度である 2:麺の色がかなり白く、透明感がなく、口の中でねち
ゃつきを感じる 1:スポンジ状で、硬さ、弾力、滑らかさが全くない ほぐれやすさ 水解凍する際に、水を入れた容器に麺を投入した時か
ら、麺の1本1本が離れるまでの時間を測定した。以上
の操作を2回行い、平均値をほぐれ時間とした。ほぐれ
時間が短いほど、ほぐれやすく、良好である。
【0044】〔麺の製造方法〕冷凍麺用穀粉組成物及び
所定量の水を、3kg用の真空ミキサー(トーキョーメ
ンキ製のTVM−3)に投入し、ミキサー内を−600
mmHg以上の真空下に設定して混練し、通常の方法で
麺生地を作製する。
【0045】麺生地を約10分間休ませた後、粗麺帯を
作り、この粗麺帯を2枚合わせた状態で、#8、#6、
#6の3連続圧延ロールで圧延した。圧延後、麺の種類
に応じた切り刃を用いて、所定太さの麺に切り出す。切
り出した麺を沸騰したお湯で所定時間茹、水道水及び氷
水で冷却した後、水切りして計量し、歩留まりを算出す
る。茹で歩留まりとは、(茹上げ後の麺重量÷生麺重
量)×100で求められる割合(%)である。
【0046】1食分200gを、100×170mmの
PP製トレーに計り取り、実験用急速凍結庫(大和冷機
工業株式会社製の223FFA型)で、約45分で凍結
する。その後、−18℃の冷凍保管庫で一昼夜以上保管
し、試験用試料とする。
【0047】尚、小麦粉としては、日清製粉株式会社製
の赤カメリア(粗蛋白含量8.6%、灰分0.38%の
中力粉)、ミリオン(粗蛋白含量12.2%、灰分0.
41%の強力粉)、特ナンバーワン(粗蛋白含量11.
2%、灰分0.34%の準強力粉)を用いた。澱粉とし
ては、松谷化学工業株式会社製の松谷桜(アセチル化澱
粉)、松谷桜2(アセチル化澱粉)、ゆり8(エーテル
化澱粉)を用いた。グルテンとしては、グリコ栄養食品
株式会社のAグルSSを用いた。卵白としては、太陽化
学株式会社製の乾燥卵白であるサンキラ−RSを用い
た。カードランとしては、武田薬品工業株式会社製のC
D1を用いた。但し、後述の表1〜4に記載されるカー
ドランの量は、CD1の量ではなく、CD1に含まれる
実カードラン量で表記する。かん水としては、オリエン
タル酵母工業株式会社製の赤飛竜を用いた。着色剤とし
ては、オリエンタル酵母工業株式会社製のメンカラーN
o.1を用いた。そば粉としては、日穀製粉株式会社製
の亀寿Kを用いた。
【0048】〔冷凍うどんの製造〕表1及び表2に示す
ような組成で作製した麺生地を用いて、上記製麺方法に
従って、麺厚み2.3mm、切り刃#14刃で切り落と
し、ゆで時間1分10秒、ゆで歩留まり160%とし
て、冷凍うどんU1〜U11を作製した。カードランを
含まないU1とU7が比較例であり、その他は実施例で
ある。
【0049】作製した冷凍うどんU1〜6について、上
記評価方法に従って食感を評価した。また、U6〜11
について、ほぐれを評価した。原料組成及び評価結果を
併せて表1、表2に示す。
【0050】
【表1】
【0051】カードランを含むU2〜6は、水解凍であ
れば食感を満足できる。また、緩慢解凍の場合であって
も、いずれも、U1より食感が優れ、特に澱粉としてエ
ーテル化澱粉を用いることにより、食味上は十分満足で
きるものが得られた。よって、本発明実施例の冷凍うど
んは、小麦粉として中力粉を用いていても、水解凍、緩
慢解凍により、食味上十分満足できる。
【0052】
【表2】
【0053】表2から、カードランの含有量が多いほ
ど、ほぐれ時間が短くなっており、カードランがほぐれ
に対して効果があることがわかる。
【0054】〔冷凍そばの製造〕表3に示すような組成
を有する麺生地を作製し、上記製麺方法に従って、麺厚
み1.5mm、切り刃#18刃、ゆで時間1分、ゆで歩
留まり165%として、冷凍そばS1〜S10を作製し
た。カードランを含まないS1は比較例であり、その他
は実施例である。
【0055】作製した冷凍そばS1〜5について、上記
評価方法に従って食感を評価した。原料組成及び評価結
果を併せて表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】S1は、水解凍、冷蔵解凍のいずれも、実
施例であるS2〜4に比べて食感が劣っていた。従っ
て、冷凍そばにおいても、カードランが食感に対して効
果があることがわかる。
【0058】〔冷やし中華(冷凍ラーメン)の製造〕表
3に示すような組成を有する麺生地を作製し、上記製麺
方法に従って、麺厚み1.5mm、切り刃#18刃、ゆ
で時間1分、ゆで歩留まり165%として、冷凍ラーメ
ンR1〜5を作製した。カードランを含まないR1が比
較例であり、その他は実施例である。
【0059】作製した冷凍ラーメンR1〜5について、
食感を上記評価方法に従って、評価した。原料組成及び
評価結果を併せて表3に示す。
【0060】
【表4】
【0061】表4から、R1は緩慢解凍では、食感が劣
り、水解凍であっても十分ではなかった。一方、カード
ランを含むR2〜5は、冷蔵解凍であっても、市販のチ
ルド品程度以上の食感を満足することが可能であり、グ
ルテンを含有するR3〜5では、水解凍での食感が大変
満足できるものであり、冷蔵解凍であっても、食味上問
題ない程度であった。
【0062】
【発明の効果】本発明の冷凍麺用穀粉組成物を用いて製
造した冷凍麺は、緩慢解凍や水解凍を行なっても、麺の
喉ごしやコシ等の食感がよい。従って、ユーザーは、特
別の解凍設備を持っていなくても、水解凍や、冷凍庫か
ら翌日消費するだけの冷凍麺を取り出し、冷蔵庫で数時
間かけて緩慢解凍するだけで、食味上十分満足できる麺
を客に提供することができる。
【0063】また、本発明の冷凍麺用穀粉組成物は、ほ
ぐれ性が良く、解凍時に麺と麺とが餅状にくっついたり
することがないので、解凍が楽である。
【0064】更に、本発明の冷凍麺用穀粉組成物は、特
別の小麦粉を用いなくても、市販の強力粉、中力粉、薄
力粉を用いることができるので、価格アップを招くこと
なく、バラエティに富んだ穀粉組成物を調製でき、ひい
ては冷凍麺を製造することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小麦粉9〜69重量%、澱粉20〜70
    重量%、及び、カードラン0.1〜1.2重量%を含有
    することを特徴とする冷凍麺用穀粉組成物。
  2. 【請求項2】 前記澱粉は、エーテル化澱粉である請求
    項1に記載の冷凍麺用穀粉組成物。
  3. 【請求項3】 グルテンを1〜10重量%含有する請求
    項1又は2に記載の冷凍麺用穀粉組成物。
  4. 【請求項4】 前記冷凍麺が、冷凍うどんである請求項
    1〜3のいずれかに記載の冷凍麺用穀粉組成物。
  5. 【請求項5】 さらに、かん水0.5〜3重量%を含有
    し、前記冷凍麺が冷凍ラーメンである請求項1〜3のい
    ずれかに記載の冷凍麺用穀粉組成物。
  6. 【請求項6】 小麦粉の含有率を9〜50重量%、澱粉
    の含有率を27〜60重量%とし、更にそば粉10〜4
    0重量%を含有する前記冷凍麺が冷凍そばである請求項
    1〜3のいずれかに記載の冷凍麺用穀粉組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の冷凍麺
    用組成物に水を加えて製麺し、α化した後、冷凍するこ
    とを特徴とする冷凍麺の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の方法により製造される
    冷凍麺。
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