JP2000340255A - リチウム電池 - Google Patents

リチウム電池

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JP2000340255A
JP2000340255A JP11150146A JP15014699A JP2000340255A JP 2000340255 A JP2000340255 A JP 2000340255A JP 11150146 A JP11150146 A JP 11150146A JP 15014699 A JP15014699 A JP 15014699A JP 2000340255 A JP2000340255 A JP 2000340255A
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lithium battery
negative electrode
positive electrode
lithium
thermal expansion
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JP11150146A
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English (en)
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Hiromitsu Mishima
洋光 三島
Shinji Umagome
伸二 馬込
Toshihiko Kamimura
俊彦 上村
Nobuyuki Kitahara
暢之 北原
Toru Hara
亨 原
Makoto Osaki
誠 大崎
Hisashi Higuchi
永 樋口
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機固体電解質を用いたリチウム電池では、
安全性、信頼性が劣り、作動温度範囲が狭いという問題
があった。 【解決手段】 活物質を酸化物ガラスで結着して成る正
極1と負極2との間に固体電解質層2を介在させて成る
リチウム電池であって、上記電解質層2を熱膨張係数が
異なる2層以上のガラス状無機電解質層2a、2bで形
成すると共に、この隣接する電解質層2a、2b同士な
らびにこれら電解質層2a、2bと上記正極1および負
極3との熱膨張係数の差を8×10-7-1以内に設定し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム電池に関
し、特に電解質層に固体電解質を用いたリチウム電池に
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】携帯
電話やパーソナルコンピュータに代表される携帯機器の
近年の目覚しい発達に伴い、その電源としての電池の需
要も急速に増加している。特に、リチウム電池は原子量
が小さく、かつイオン化エネルギーが大きなリチウムを
使う電池であることから、高エネルギー密度を得ること
ができる電池として盛んに研究され、現在では携帯機器
の電源をはじめとして広範囲に用いられるに至ってい
る。
【0003】これらのリチウム電池には、大きく分けて
円筒型と角型があるが、いずれも正極と負極がセパレー
タを介して捲回された極群(正極と負極との間に電解質
層を介在させたもの)を電槽缶内に挿入し、そこに有機
電解液を注入して封口した構造となっている。そのた
め、有機電解液に起因する漏液や作動温度範囲が狭いと
いった問題があった。
【0004】また、リチウム電池では、正極活物質とし
てコバルト酸リチウム(LiCoO2 )やマンガン酸リ
チウム(LiMn2 4 )が一般的に用いられ、負極活
物質には、コークスや炭素繊維などの炭素材料が用いら
れている。結果としてこれらの正極活物質と負極活物質
を組み合わせることでリチウム電池は約3.5Vの高電
圧を達成している。
【0005】しかしながら、負極活物質に炭素材料を用
いるリチウム電池は炭素材料の充放電電圧が0V付近で
あることから、電池の充電過程でリチウム金属が負極表
面に析出して内部短絡を引き起こす可能性があり、十分
な信頼性を有しているとはいえない。
【0006】かかる問題を解決する方法として、例えば
特開平7−296850号公報では負極活物質にNb2
5 を用いると共に、正極活物質にLi2 MnO3 を用
いた電池が提案されており、また特開平8−22841
号公報では正極および負極活物質にスピネル系リチウム
含有金属酸化物を用いた電池が提案されている。
【0007】このように、正極および負極活物質に酸化
物を用いるとサイクル寿命や耐過放電特性が改善され、
高信頼性を有するリチウム電池となるが、電解質に有機
電解液を用いるため、やはり漏液や作動温度範囲が狭い
といった電解液に起因する問題を解決することはできな
い。
【0008】一方、電解質に固体電解質、特に無機固体
電解質を用いることで有機電解液に起因する問題を解決
する方法がいくつか提案されているが、無機固体電解質
を用いた場合には活物質と電解質がいずれも堅い固体か
らなるため、活物質粒子間の接合が悪く、イオンおよび
電子の伝導経路を十分確保できなかったり、充放電サイ
クルの進行に伴って活物質粒子間の接合が弛緩して充放
電容量が低下するといった問題がある。
【0009】そこで、例えば特開平10−3943号公
報では有機バインダーと活物質とを化学的に結合させる
ことによって、また特開平11−7942号公報では活
物質表面にイオン伝導性ポリマーを配置することによっ
て、電極あるいは電解質に柔軟性を付与し、充放電サイ
クルの進行に伴って接合状態が悪化するのを防いでい
る。
【0010】しかしながら、有機バインダーで粒子を結
着して電池を形成した場合、有機電解液よりも耐熱性は
向上するものの、有機物の耐熱性は一般的に低く、十分
広い作動温度範囲を確保することはできない。
【0011】上述のような従来のリチウム電池の問題点
に鑑み、本発明者らが鋭意研究をおこなった結果、イオ
ン伝導性を有する酸化物ガラスを用いて活物質の粒子を
結着し、さらに電極間にガラス状無機固体電解質を配し
て正極と負極を接合することで上述の問題点を解決でき
るが、電池に−50℃から+150℃の範囲で熱衝撃を
加えると、正極と電解質層さらには負極と電解質層との
熱膨張係数の違いに起因する亀裂が生じ、電池として作
動しなくなるという問題があることを知見した。
【0012】本発明は、このような安全性、信頼性に劣
り、作動温度範囲が狭いという従来の無機固体電解質を
用いたリチウム電池の問題点を解消したリチウム電池を
提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明のリチウム電池は、活物質を酸化物ガラス
で結着して成る正極と負極との間に固体電解質層を介在
させて成るリチウム電池において、前記電解質層を熱膨
張係数が異なる2層以上のガラス状無機固体電解質層で
形成すると共に、この隣接する電解質層同士ならびにこ
れら電解質層と前記正極および負極との熱膨張係数の差
が8×10-7-1以内であることを特徴とする。
【0014】また、上記リチウム電池では、前記電解質
層にフィラーとして酸化物粒子が添加されていることが
望ましい。
【0015】また、リチウム電池では、前記酸化物粒子
がイオン伝導性を有する結晶化ガラスであることが望ま
しい。
【0016】また、上記リチウム電池では、前記正極と
負極の活物質がリチウム含有遷移金属酸化物から成るこ
とが望ましい。
【0017】さらに、上記リチウム電池では、前記リチ
ウム含有遷移金属酸化物がLi1+xMn2-x 4 (0≦
X≦0.2)、LiMn2-Y MeY 4 (Me=Ni、
Cr、Cu、Zn,0<Y≦0.6)、Li4 Ti5
12およびLi4 Mn5 12のうちのいずれかから成るこ
とが望ましい。
【0018】
【作用】複数の電解質層のうちの隣接する電解質層同士
ならびに電解質層と電極との熱膨張係数の差が8×10
-7-1以内となるように、電解質層を熱膨張係数の異な
る複数のガラス状無機固体電解質の積層体として構成す
ると、熱衝撃が加えられたときに、正極と負極の熱膨張
係数の差によって生じる電解質層中の応力が緩和され、
電解質層に亀裂が生じることを防止できる。
【0019】また、一般的に酸化物の充放電電圧は炭素
材料の充放電電圧よりも貴な電位を示すことから、活物
質、特に負極活物質にリチウム含有遷移金属酸化物を用
いると、原理的にリチウムの析出反応が起こらず、電池
の信頼性が向上する。
【0020】さらに、ガラス状無機固体電解質中に酸化
物粒子、特にイオン伝導性結晶化ガラスを添加すると、
電解質層のイオン伝導性を損なうことなく、ガラス状無
機固体電解質の熱膨張係数を連続的に変化させることが
でき、また添加物が柱の役割を果たすため、電池製造過
程での熱処理による短絡を効果的に防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明のリチウム電池の実
施形態について説明する。図1は、本発明に係るリチウ
ム電池の構成例を示す断面図である。図1において、1
は正極、2は電解質層、3は負極、4は正極集電層、5
は負極集電層、6は正極電槽、7は負極電槽、8は封口
材である。
【0022】正極1は活物質と酸化物ガラスと必要に応
じて添加される導電剤に成形助剤を加えて加圧成形して
熱処理した多孔質体から成り、負極3は正極1中の正極
活物質の充放電電位よりも卑な充放電電位を有する酸化
物を活物質とした多孔質体からなる。
【0023】正極1と負極3の活物質にはリチウム含有
遷移金属酸化物を用いることが望ましい。このようなリ
チウム含有遷移金属酸化物には、Li1+x Mn2-x 4
(0≦X≦0.2)、LiMn2-Y MeY 4 (Me=
Ni、Cr、Cu、Zn,0<Y≦0.6)、Li4
5 12およびLi4 Mn5 12などがある。これらの
リチウム含有遷移金属酸化物は、リチウム電池の活物質
材料としては既知の材料であり、比較的充放電中の体積
変化が小さい三次元トンネル構造を有するスピネル系材
料で、一般的にリチウム塩と各種金属塩を所定比で混合
して、500〜900℃で焼成することで得られる。
【0024】活物質は粒子状であり、この粒子を結着す
るための酸化物ガラスとしては、リン酸塩ガラスやホウ
酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラスを中
心とした多成分系酸化物ガラスがある。また、アルカリ
金属元素の添加は体積抵抗を低減でき、特にリチウムを
添加した場合にはリチウムイオン伝導性が期待されるの
で好ましい。さらに、V、Fe、Ti、Co、Mnなど
の遷移金属元素の添加はガラスに電子伝導性を付与する
ことができるので好ましい。
【0025】酸化物ガラスの組成は特に限定されない
が、活物質粒子を結着するための熱処理は酸化物ガラス
のガラス転移点以上、活物質の合成温度以下で行われる
ため、この温度範囲において流動性を示す酸化物ガラス
を選定するのが好ましい。
【0026】酸化物ガラスの添加量は、活物質と酸化物
ガラスの組み合わせによって最適値が異なるが、概して
30重量%以下が好ましい。30重量%を超えると電極
体積中に占める酸化物ガラスの体積が大きくなって活物
質の充填率を下げることになり、結果としてリチウム電
池のエネルギー密度の低下を招くことになる。
【0027】また、正極1または負極3中に導電剤を必
要とする場合は、熱処理温度や雰囲気などに対して安定
な黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなど
の炭素材料、あるいは金、銀、銅、ニッケル、アルミニ
ウム、チタンなどの金属粉、Tin 2n-1、S
n 2-n 、WO2 などの導電性酸化物などから1種類以
上を選択して添加するのが好ましい。
【0028】正極1および負極3を作製するには、
(1)活物質と酸化物ガラスと必要に応じて導電剤とを
成形助剤を溶解させた水もしくは溶剤に分散させてスラ
リーを調製し、このスラリーを基材フィルム上に塗布し
て乾燥した後、加圧成形して裁断したものを熱処理する
方法、あるいは(2)活物質と酸化物ガラスと導電剤の
混合物を直接あるいは成形助剤を加えて造粒して金型に
投入し、プレス機で加圧成形した後、熱処理する方法、
(3)造粒した混合物をロールプレス機で加圧成形して
シート状に加工した後、そのシートを裁断して熱処理す
る方法などが用いられる。(2)、(3)の造粒は、
(1)の方法で述べたスラリーから造粒する湿式造粒で
あっても溶剤を用いない乾式造粒であっても構わない。
【0029】ここで使用可能な成形助剤としては、例え
ばポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸、カル
ボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリ
ビニルアルコール、ジアセチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ポリブチラール、ポリビニルクロ
ライド、ポリビニルピロリドンなどの1種もしくは2種
以上の混合物が挙げられる。
【0030】基材フィルムとしては、例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リテトラフルオロエチレンなどの樹脂フィルム、アルミ
ニウム、ステンレス、銅などの金属箔などが使用可能で
ある。
【0031】本発明では、電解質層2(2a、2b)を
2層以上形成する。電解質層2を構成するガラス状無機
固体電解質には、Li2 OやLiIを構成成分として含
有するリン酸塩ガラスやホウ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラ
ス、ホウケイ酸塩ガラスを中心とした多成分系酸化物ガ
ラスを挙げることができる。具体的には、30LiI−
41Li2 O−29P2 5 や40Li2 O−35B2
3-25LiNbO3、5LiI−35Li2 O−60
2 3 などのガラス状無機固体電解質を用いることが
できる。熱膨張係数は、ガラス状無機固体電解質の種類
によって違うのはもちろん、僅かな組成の変更や添加物
によっても制御することが可能である。例えばケイ酸塩
ガラスにおいては熱膨張係数に対して構成成分による加
成性が近似的に成り立つので、計算によって熱膨張係数
を知ることもできる。したがって、2層の電解質2a、
2bの熱膨張係数の差を異ならしめると共に、その差を
8×10-7-1以内とする。このように構成すると、熱
衝撃が加えられたときに、正極と負極の熱膨張係数の差
によって生じる電解質層中の応力が緩和され、電解質層
に亀裂が生じることを防止できる。
【0032】また、上述のように電解質層2を構成する
ガラス状無機固体電解質の熱膨張係数を制御する目的で
酸化物のフィラーを添加してもよい。このような酸化物
のフィラーとしては、Al2 3 、SiO2 、ZrO2
などがある。しかし、電解質層のイオン伝導性の観点か
ら、好ましくはLi1.3 Al0.3 Ti1.7 (PO4 3
やLi3.6 Ge0.6 0.4 4 などの高いイオン伝導性
を有する結晶化ガラスを用いるべきである。
【0033】電解質層2の作成は、上述の正極1および
負極3と同様に行う。例えばガラス状無機固体電解質と
酸化物フィラーとを成形助剤を溶解させた溶剤に分散さ
せてスラリーを調製し、このスラリーを基材フィルム状
に塗布して乾燥したのち、裁断したものをそのままある
いは加熱処理して使用する。
【0034】電解質の熱膨張係数を調節するための酸化
物フィラーの種類および添加量は、次のようにして求め
ることができる。熱処理後の正極ならびに負極の熱膨張
曲線から熱膨張係数を算出し、正極と負極の熱膨張係数
の差から各電極ならびに電解質層の熱膨張係数の差が8
×10-7-1以下とするために必要な電解質層の層数と
電解質各層に求められる熱膨張係数を求める。次に、使
用するガラス状無機固体電解質単体での熱膨張係数を測
定し、この値が先に求めた電解質に求められる熱膨張係
数よりも大きい場合は電極よりも熱膨張係数の小さい酸
化物を、一方小さい場合には熱膨張係数の大きい酸化物
を適量フィラーとして添加してガラス状無機固体電解質
の熱膨張係数を調節することができる。
【0035】正極集電層4および負極集電層5は、正極
電槽6あるいは負極電槽7と正極1あるいは負極3のそ
れぞれの集電のために設けられ、例えば200℃以上の
常用耐熱温度を有する炭素材料を含んだ熱硬化性接着剤
などで構成される。
【0036】正極電槽6および負極電槽7には、例えば
ピンホールのないアルミ箔やコバール箔を用いることが
できる。また封口材8は、例えばコバール箔に対して接
着性を有する封着用低融点ガラスを用いることができ
る。
【0037】本発明のリチウム電池は、正極1および負
極3が熱膨張係数の異なる2層以上のガラス状無機固体
電解質を介在して積層されていることを特徴とするもの
で、一次電池であっても二次電池であってもよい。ま
た、電池形状は角型、ボタン型、コイン型および扁平型
などのいずれでもよい。
【0038】
【実施例】[実施例1]水酸化リチウムと二酸化マンガ
ンをLiとMnのモル比が1:2となるように混合し、
この混合物を大気中、700℃で15時間加熱焼成する
ことにより、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn2
4 )を調製し、これを正極活物質とした。次に、水酸
化リチウムと二酸化チタンをLiとTiのモル比が4:
5となるように混合し、この混合物を大気中、800℃
で15時間加熱焼成することにより、リチウムチタン複
合酸化物(Li4 Ti5 12)を調製して負極活物質と
した。
【0039】このLiMn2 4 とLi4 Ti5 12
それぞれと導電剤のSn 2-n と酸化物ガラス、ここで
は50P2 5 −30PbO−20ZnOとを重量比8
0:10:10で乾式混合して混合粉とした。この混合
粉100に対して成形助剤のポリビニルブチラールが重
量比で10となるように加え、さらにトルエンを加えて
スラリーを調製した。このスラリーをポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に塗布して乾燥させてシート状に
成形した。正極は厚み0.9mm、負極は厚み0.8m
mのシートとした。それぞれのシートを金型で打ち抜
き、縦40mm、横30mmの短冊状の正極および負極
成形体を得た。これら成形体を大気中550℃で熱処理
して、酸化物ガラスで結着した正極と負極を得た。
【0040】一方、正極側の電解質層2aはガラス状酸
化物系無機固体電解質、ここでは5LiI−35Li2
O−60B2 3 とAl2 3 フィラーとを重量比7
0:30で混合した混合粉体100に対して、成形助剤
のポリビニルブチラールが重量比で10となるように加
え、さらにトルエンを加えてスラリーを調製し、このス
ラリーをポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布
して乾燥することでシート状に成形した。負極側の電解
質層2bは、5LiI−35Li2 O−60B23
Al2 3 フィラーの重量比を50:50としたこと以
外は正極側の電解質層2aと同様にしてシート状に成形
した。このときの電解質層2a、2bの厚みはいずれも
25μmであった。
【0041】次に、成形した電解質層2a、2bを積層
し、電解質層2a側に正極1を、電解質層2b側に負極
3を配した積層体を大気中550℃で熱処理することで
図1に示したカード形電池の発電要素を作製した。
【0042】作製した発電要素を予め正極集電層4をス
クリーン印刷したコバール製正極電槽6と、同じく予め
負極集電層5をスクリーン印刷したコバール製負極電槽
7の間に挟みコバール製電槽と接着性を有する封着用ガ
ラスからなる封口材8を介して減圧下で周縁部を加圧加
熱封口してカード形リチウム電池を作製した。
【0043】[実施例2]電解質層2をAl2 3 の添
加量を20重量%、40重量%、60重量%とした3層
からなる電解質層としたこと以外は実施例1と同様にし
てカード形リチウム電池を作製した。
【0044】[実施例3]電解質層2a、2bに添加す
るフィラーをイオン伝導性結晶化ガラスLi1.3Al
0.3 Ti1.7 (PO4 3 としたこと以外は実施例1と
同様にしてカード形リチウム電池を作製した。
【0045】[実施例4]水酸化リチウムと二酸化マン
ガンと水酸化ニッケルをLiとMnとNiのモル比が
1:1.5:0.5となるように混合し、この混合物を
大気中、700℃で15時間加熱焼成することにより、
リチウムマンガン複合酸化物(LiMn1.5Ni0.5
4 )を調製し、これを正極活物質としたこと以外は実施
例1と同様にしてカード形リチウム電池を作製した。
【0046】[比較例1]電解質層2をフィラー無添加
の5LiI−35Li2 O−60B2 3 の一層とした
こと以外は実施例1と同様にしてカード形リチウム電池
を作製した。
【0047】[比較例2]電解質層2をAl2 3 フィ
ラーを40重量%添加した5LiI−35Li2O−6
0B2 3 の一層としたこと以外は実施例1と同様にし
てカード形リチウム電池を作製した。
【0048】上記実施例1から4および比較例1、2で
作製したリチウム電池の作動温度範囲を評価する目的で
−50から+150℃の熱衝撃を2サイクル加えた後、
解体して発電要素の亀裂の有無を調査した。
【0049】その結果、比較例1と2のリチウム電池に
おいて電解質層に亀裂が発生していることを確認した。
これに対して、実施例1から4のリチウム電池では亀裂
は確認されなかった。そこで、実施例1から4および比
較例1、2の電池の電解質層同士あるいは電解質層と電
極との熱膨張係数の差を熱機械分析によって測定したと
ころ、実施例1では差の最大値が8×10-7-1、実施
例2では5×10-7-1、実施例3では4×10
-7-1、実施例4では5×10-7-1、比較例1では1
8×10-7-1、そして比較例2では9×10-7-1
あることがわかった。
【0050】また、別途作製した実施例1から4と比較
例1、2のリチウム電池に上述と同じ熱衝撃を加えた
後、10時間率の電流値で充放電したところ、実施例1
から4のリチウム電池は通常の充放電が可能であった。
これに対して解体調査で電解質層に亀裂が確認された比
較例1、2のリチウム電池は充放電不可能であった。
【0051】以上の結果をまとめて表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】表1から明らかなように、ガラス状無機固
体電解質同士ならびに電極とこれに接する電解質の熱膨
張係数の差が9×10-7-1以上のものでは耐熱衝撃試
験後に亀裂が発生したのに対し、ガラス状無機固体電解
質同士ならびに電極とこれに接する電解質の熱膨張係数
の差が8×10-7-1以内のものでは耐熱衝撃試験後に
亀裂が発生しないことが判明した。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るリチウム電
池では、複数層形成した電解質そうのうちの隣接する電
解質層同士ならびに電解質層と電極との熱膨張係数の差
が8×10-7-1以内となるように形成したことから、
熱衝撃が加えられたときに正極と負極の熱膨張係数の差
によって生じる電解質層中の応力が緩和され、電解質層
に亀裂が生じることを防ぐことができ、安全性、信頼性
に優れ、作動温度範囲の広いリチウム電池となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリチウム電池の一実施形態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1…正極、2…電解質層、3…負極、4…正極集電層、
5…負極集電層、6…正極電槽、7…負極電槽、8…封
口材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 暢之 京都府相楽郡精華町光台3丁目5番地 京 セラ株式会社中央研究所内 (72)発明者 原 亨 京都府相楽郡精華町光台3丁目5番地 京 セラ株式会社中央研究所内 (72)発明者 大崎 誠 京都府相楽郡精華町光台3丁目5番地 京 セラ株式会社中央研究所内 (72)発明者 樋口 永 京都府相楽郡精華町光台3丁目5番地 京 セラ株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 5H003 AA01 BB05 BC01 BD00 5H014 AA01 AA06 EE10 HH00 5H029 AJ01 AK03 AL03 AM11 BJ04 DJ11 HJ02 HJ14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活物質を酸化物ガラスで結着して成る正
    極と負極との間に固体電解質層を介在させて成るリチウ
    ム電池において、前記電解質層を熱膨張係数が異なる2
    層以上のガラス状無機固体電解質層で形成すると共に、
    この隣接する電解質層同士ならびにこれら電解質層と前
    記正極および負極との熱膨張係数の差が8×10-7-1
    以内であることを特徴とするリチウム電池。
  2. 【請求項2】 前記電解質層にフィラーとして酸化物粒
    子が添加されていることを特徴とする請求項1に記載の
    リチウム電池。
  3. 【請求項3】 前記酸化物粒子がイオン伝導性を有する
    結晶化ガラスであることを特徴とする請求項2に記載の
    リチウム電池。
  4. 【請求項4】 前記正極と負極の活物質がリチウム含有
    遷移金属酸化物から成ることを特徴とする請求項1に記
    載のリチウム電池。
  5. 【請求項5】 前記リチウム含有遷移金属酸化物がLi
    1+x Mn2-x 4 (0≦X≦0.2)、LiMn2-Y
    Y 4 (Me=Ni、Cr、Cu、Zn,0<Y≦
    0.6)、Li4 Ti5 12およびLi4 Mn5 12
    うちのいずれかから成ることを特徴とする請求項4に記
    載のリチウム電池。
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