JP2000335218A - トレーリングアーム式サスペンション - Google Patents

トレーリングアーム式サスペンション

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JP2000335218A
JP2000335218A JP11146215A JP14621599A JP2000335218A JP 2000335218 A JP2000335218 A JP 2000335218A JP 11146215 A JP11146215 A JP 11146215A JP 14621599 A JP14621599 A JP 14621599A JP 2000335218 A JP2000335218 A JP 2000335218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トレーリングアーム式サスペンション全体のコ
ンプライアンスが過大にならないようにして、車両の乗
り心地を良好にするとともに、車両のロール時における
オーバステアの現象の解消または緩和を確実に図ること
ができるようにする。 【解決手段】各トレーリングアーム1の後部とアクスル
ビーム2の長手方向両端部に設けられた各ブラケット3
とが、第1および第2の連結部4A,4Bを介して連結
されているトレーリングアーム式サスペンションであっ
て、第1の連結部4Aは、ゴムブッシュ40を備えて形
成されており、かつ第2の連結部4Bは、第1の連結部
40よりもコンプライアンスが小さくされているととも
に、第1の連結部4Aおよびアクスルビーム2の中心P
よりも上方に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、自動車などの車
両のリヤサスペンションとして用いられるトレーリング
アーム式サスペンションに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のトレーリングアーム式サ
スペンションの一例としては、特開平10−31573
0号公報に所載のものがある。同公報に所載のサスペン
ションは、本願の図7に示すように、車体を構成するフ
レーム90のブラケット91に、トレーリングアーム9
2の前部が回転可能に連結されているとともに、アクス
ルビーム93の長手方向端部に固定して取り付けられて
いるブラケット94が、2つのゴムブッシュ95A,9
5Bを介してトレーリングアーム92の後部に連結され
た構造である。2つのゴムブッシュ95A,95Bは、
アクスルビーム93の中心Paよりも車両前方に配置さ
れている。このような構成によれば、2つのゴムブッシ
ュ95A,95Bの間隔寸法の設定の自由度が大きくな
り、その間隔寸法を狭めるほど車両をロールし易くする
ことができるため、ロール剛性の調整を容易にできると
いった利点が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のサスペンションにおいては、次のような不具合があ
った。
【0004】第1に、上記従来のサスペンションは、サ
スペンションに入力があった場合に、その力を常時2つ
のゴムブッシュ95A,95Bによって受け、これら2
つのゴムブッシュ95A,95Bのいずれについてもそ
れらのゴムを大きく弾性変形させることによって、入力
時の衝撃を緩和させようとするものである。したがっ
て、従来においては、2つのゴムブッシュ95A,95
Bの存在に起因して、サスペンション全体のコンプライ
アンスが過大になる傾向が強く、車両の搭乗者に対して
車両の足回りが不安定な印象を与えてしまうなど、車両
の乗り心地を悪化させてしまう場合があった。なお、本
願の明細書でいうコンプライアンスとは、「こわさ(外
力に対する抵抗の大きさ)」の逆数に相当し、機構や構
成部材などのやわらかさの度合いを示す概念である。
【0005】第2に、従来においては、車両が旋回する
ときのアクスルステアの特性を、アンダステアに設定す
ることができない場合があった。すなわち、車両が旋回
するときのアクスルステアの現象は、左右2本のトレー
リングアーム92がバウンドおよびリバウンドすること
により、アクスルビーム93の長手方向両端が車両前後
方向に位置ずれすることに加えて、ゴムブッシュ95
A,95Bのゴムが変形することにも起因して発生す
る。たとえば、図8に示すように、車両旋回時の外輪側
となるトレーリングアーム92が水平線Hよりも上方に
バウンドするとともに、内輪側となるトレーリングアー
ム92が下方へリバウンドしたときには、アクスルビー
ム93に捩じり力や曲げ力が生じるものの、剛性の大き
なアクスルビーム93自体は容易に変形しないために、
それらの力は2つのゴムブッシュ95A,95Bが負担
することとなる。すると、これらのゴムブッシュ95
A,95Bのゴムは、同図の矢印Na〜Nd方向に変形
する結果、アクスルビーム93の両端部のそれぞれの中
心Paは、2つのゴムブッシュ95A,95Bの中間点
Pbを中心として、矢印Ne,Nf方向に回転するので
ある。従来のサスペンションにおいては、このような作
用の結果、バウンドおよびリバウンド側のいずれについ
てもアクスルビーム93の両端部が車両後方に変位す
る。ところが、このようにアクスルビーム93のバウン
ド側(外輪側)の端部が車両後方に変位する現象は、後
輪をトーアウト気味にし、オーバステアの要因となるの
である。
【0006】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、トレーリングアーム式サスペン
ション全体のコンプライアンスが過大にならないように
して、車両の乗り心地を良好にするとともに、車両のロ
ール時におけるオーバステアの現象の解消または緩和を
確実に図ることができるようにすることをその課題とし
ている。
【0007】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0008】本願発明によれば、トレーリングアーム式
サスペンションが提供される。このトレーリングアーム
式サスペンションは、車幅方向に間隔を隔てて配置さ
れ、かつ車両高さ方向への揺動が可能に前端部が車体に
連結されている一対のトレーリングアームと、アクスル
ビームの長手方向両端部に固定して設けられた一組のブ
ラケットと、上記各ブラケットを上記各トレーリングア
ームの後部に連結する第1の連結部および第2の連結部
と、を具備している、トレーリングアーム式サスペンシ
ョンであって、上記第1の連結部は、ゴムブッシュを備
えて形成されており、かつ上記第2の連結部は、上記第
1の連結部よりもコンプライアンスが小さくされている
とともに、上記第1の連結部および上記アクスルビーム
の中心よりも上方に配置されていることを特徴としてい
る。
【0009】本願発明によれば、次のような効果が得ら
れる。
【0010】第1に、アクスルビームの両端の各ブラケ
ットを各トレーリングアームに連結する第1の連結部と
第2の連結部とは、それらのコンプライアンスが相違し
ており、第1の連結部はいわば軟であるのに対し、第2
の連結部はいわば硬となっている。第2の連結部は、た
とえばゴムブッシュに代えて、ボールジョイントを用い
て構成することもできる。したがって、軟らかいゴムブ
ッシュを2つ用いてアクスルビームのブラケットをトレ
ーリングアームに連結させていた従来のサスペンション
と比較すると、サスペンション全体のコンプライアンス
を小さくすることができ、車両の足回りが不安定な印象
を搭乗者に与えないようにすることができる。もちろ
ん、サスペンションに入力があったときには、その力に
よる衝撃を第1の連結部のゴムブッシュのゴムの変形に
より適切に緩和することができる。このため、本願発明
によれば、従来のサスペンションよりも車両の乗り心地
を良好にすることができる。
【0011】第2に、車両の旋回時において、外輪側の
トレーリングアームがバウンドするとともに、内輪側の
トレーリングアームがリバウンドし、アクスルビームに
捩じれ力や曲げ力が作用したときには、第1の連結部と
第2の連結部とのコンプライアンスの相違により、コン
プライアンスが小さい側の第2の連結部を中心として、
各ブラケットやアクスルビームを回転させることが可能
となる。第2の連結部は、第1の連結部やアクスルビー
ムの中心よりも上方に位置しているために、上記各ブラ
ケットやアクスルビームが回転するときの回転中心は、
常に、アクスルビームの中心よりも上方となる。する
と、車両の旋回時においては、バウンド状態となる外輪
側のアクスルビームの一端部を車両前方へ積極的に変位
させることが可能となるとともに、リバウンド状態とな
る内輪側のアクスルビームの他端部を車両後方へ積極的
に変位させることが可能となる。したがって、アクスル
ステアの特性をアンダステアまたはアンダステア気味に
設定することを従来よりも容易かつ確実に行うことがで
きる。
【0012】本願発明の好ましい実施の形態において
は、上記第1の連結部は、上記アクスルビームの前方ま
たは後方に配置されているとともに、上記第2の連結部
は、上記アクスルビームの直上に配置されている。
【0013】このような構成によれば、アクスルビーム
に水平方向の入力があったときには、その力を主に第1
の連結部によって効率良く受けさせることができ、その
入力に起因する衝撃を緩和することができる。これに対
し、アクスルビームに車両高さ方向の入力があったとき
には、その力は主に第2の連結部によって受けられるこ
ととなるが、この第2の連結部はいわゆる硬いものであ
るために、この第2の連結部自体は充分な緩衝機能を発
揮しない。したがって、車両高さ方向の入力に対して
は、サスペンションに具備されるサススプリングやショ
ックアブソーバの機能とトレーリングアームの揺動動作
との複合的な作用により適切に対処することができ、サ
スペンション本来の機能を充分に発揮させることによっ
て車両の乗り心地をより良好にすることが可能となる。
【0014】本願発明の他の好ましい実施の形態におい
ては、上記各トレーリングアームには、ショックアブソ
ーバが取り付けられており、かつ上記第1の連結部のゴ
ムブッシュのゴムは、車両前後方向のバネ定数よりも車
両高さ方向のバネ定数の方が大きくされている。
【0015】このような構成によれば、第1の連結部
は、サスペンションの車両前後方向の力に対しては良好
な緩衝機能を発揮するものの、車両高さ方向の力に対し
ては良好な緩衝機能を発揮しないものにすることができ
る。したがって、車両高さ方向の力に対するショックア
ブソーバの効きめを高めることができ、車両の乗り心地
をさらに良好にすることが可能となる。
【0016】本願発明のその他の特徴および利点につい
ては、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明
らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0018】図1は、本願発明に係るトレーリングアー
ム式サスペンションの一例を示す概略平面図である。図
2は、図1のII−II断面図である。図3は、図1および
図2に示すトレーリングアーム式サスペンションの動作
説明図である。なお、図1以降の図において、矢印Fr
は車両前方を示し、矢印Wは車幅方向を示し、矢印Up
は車両高さ方向の上方を示している。
【0019】図1に示すトレーリングアーム式サスペン
ションは、いわゆる3リンク式サスペンションと称され
るものであり、一対のトレーリングアーム1,1(1
A,11B)、アクスルビーム2、アクスルビーム2の
長手方向両端部に取り付けられた一組のブラケット3,
3、および後述する部品を具備して構成されている。
【0020】一対のトレーリングアーム1,1は、車幅
方向に適当な間隔を隔てて配されており、車両前後方向
に延びている。これらの各前部10は、車体5に対して
軸50を介して回転可能に連結されており、各トレーリ
ングアーム1は、軸50を中心として車両高さ方向に揺
動可能である。アクスルビーム2は、内部に後輪用の車
軸20を内装するパイプ状であり、その長手方向両端部
が各トレーリングアーム1に交差するようにして車幅方
向に延びている。車軸20は、駆動軸および従動軸のい
ずれであってもよく、車軸20が駆動軸の場合には、ア
クスルビーム2の長手方向中央部には、終減速装置など
を内装するハウジング部21が設けられる。
【0021】図2に示すように、各ブラケット3は、後
述するゴムブッシュ40,41をその両端から挟み込み
可能な形状の金属板または板金部材からなり、たとえば
溶接によりアクスルビーム2の外周面に固定して取り付
けられている。各ブラケット3は、ゴムのバネ定数が相
違するゴムブッシュ40,41を備えて構成された第1
の連結部4Aと第2の連結部4Bとを介して各トレーリ
ングアーム1の後部に連結されており、本実施形態のト
レーリングアーム式サスペンションは、この部分の構造
に最大の特徴を有している。
【0022】第1の連結部4Aを構成するゴムブッシュ
40は、一般のゴムブッシュと同様な構成であり、金属
製の外筒40aと内筒40bとの間にゴム40cが介装
されたものである。このようなゴムブッシュの基本的な
構成は、ゴムブッシュ41や後述するゴムブッシュ42
についても同様である。ただし、ゴムブッシュ40のゴ
ム40cには、内筒40bの前後に位置する2つのスグ
リ穴40dが設けられており、ゴム40cの車両前後方
向のバネ定数よりも車両高さ方向のバネ定数の方が大き
くなっている。ゴムブッシュ40は、アクスルビーム2
の前方に配置されており、かつその外筒40aはトレー
リングアーム1に溶接されている。ゴムブッシュ40と
ブラケット3とは、内筒40bに挿通したボルトなどの
軸体43を利用して連結されている。
【0023】第2の連結部4Bを構成するゴムブッシュ
41は、そのゴム41cのバネ定数がゴムブッシュ40
のゴム40cのバネ定数(車両高さ方向および車両高さ
方向のいずれのバネ定数)よりもかなり大きな値とされ
たものである。これにより、第2の連結部4Bは、第1
の連結部4Aよりもコンプライアンスが小さくなってい
る。また、ゴム41cの肉厚もゴム40cと比較すると
かなり薄肉とされており、ゴムブッシュ41としては、
ゴムブッシュ40よりも小サイズのものが用いられてい
る。このようにすれば、ゴムブッシュ41の取り付けス
ペースを確保し易くなる。ゴムブッシュ41は、その中
心がアクスルビーム2の中心Pよりも上方に位置するよ
うにアクスルビーム2の直上に配置されており、かつそ
の外筒がトレーリングアーム1に溶接されている。ゴム
ブッシュ41とブラケット3とは、ゴムブッシュ41の
内筒に挿通した軸体44を利用して連結されている。
【0024】上述したブラケット3とトレーリングアー
ム1との連結構造は、一対のトレーリングアーム1,1
のいずれにも設けられている。また、各トレーリングア
ーム1の後端部には、車両後方に延びてゴムブッシュ4
2が取り付けられた部分が設けられており、このゴムブ
ッシュ42には、上端が車体5に連結されたショックア
ブソーバ59の下端が連結されている。
【0025】次に、上記した構成のトレーリングアーム
式サスペンションの作用について説明する。
【0026】まず、図3の実線に示すように、トレーリ
ングアーム1が略水平な姿勢に設定されている場合にお
いて、車両が旋回してロールすると、同図の仮想線に示
すように、外輪側のトレーリングアーム1(1B)は矢
印N1方向にバウンドする。また、内輪側のトレーリン
グアーム1(1A)は矢印N2方向にリバウンドする。
その際、アクスルビーム2には捩じり力や曲げ力が発生
し、第1の連結部4Aや第2の連結部4Bには各ブラケ
ット3を元の姿勢に戻そうとする方向の力が働く。ただ
し、第2の連結部4Bのゴムブッシュ41のゴムは硬
く、変形し難いために、上記力により第1の連結部4A
のゴムブッシュ40のゴムがゴムブッシュ41のゴムに
先立って変形する。その結果、ブラケット3は第2の連
結部4Bの軸体44を中心として回転するのである。
【0027】より具体的には、バウンド側のトレーリン
グアーム1(1B)においては、第1の連結部4Aの軸
体43は、ゴムブッシュ40のゴムの変形を伴いつつ、
第2の連結部4Bの軸体44を中心として矢印N3方向
に回転する。このため、ブラケット3やアクスルビーム
2の一端部も軸体44を中心として同方向に回転し、ア
クスルビーム2の一端部の中心P’は矢印N4に示す車
両前方に向けて変位する。リバウンド側のトレーリング
アーム1(1A)においては、上記と同様な原理によ
り、第1の連結部4Aの軸体43およびブラケット3が
第2の連結部4Bの軸体44を中心として矢印N5方向
に回転し、アクスルビーム2の他端部の中心P”は矢印
N6に示す車両後方に向けて変位する。このような結
果、図4(a),(b)に示すように、車両8が矢印N
7方向に旋回するときには、アクスルビーム2の外輪側
(バウンド側)の端部20bを、内輪側(リバウンド
側)の端部20aよりも車両前方に配置させることが可
能となる。したがって、後輪Wa,Wbをトーインにし
て、アンダステアにすることが可能となり、車両の安定
性および操縦性を高めることができる。
【0028】上記したアンダステアの特性が得られるの
は、トレーリングアーム1がバウンドまたはリバウンド
のいずれの場合においても、ブラケット3およびアクス
ルビーム2の回転中心となる軸体44がアクスルビーム
2よりも常に上方に位置するからである。従来技術とし
て図8に示したサスペンションにおいては、トレーリン
グアームがバウンドしたときにアクスルビームの回転中
心となる位置Pbがアクスルビームの中心よりもやや下
方に位置し、アクスルビームの端部が矢印Ne方向に移
動して車両後方側に変位するのに対し、本実施形態のサ
スペンションにおいては、バウンド側のアクスルビーム
の端部を車両前方側に変位させることができる。したが
って、本実施形態のサスペンションは、従来のサスペン
ションよりもアクスルステアの特性をより確実にアンダ
ステアとすることが可能となる。上記したアクスルステ
アの特性は、各トレーリングアーム1が水平姿勢に設定
されている場合に限らず、後ろ下がりの姿勢に設定され
ている場合においても得られる。
【0029】また、上記トレーリングアーム式サスペン
ションは、次に述べるように、通常走行時における車両
の乗り心地を良好にする効果をも発揮する。すなわち、
上記トレーリングアーム式サスペンションにおいては、
ゴムブッシュ41のゴムが硬いのに対して、ゴムブッシ
ュ40のゴムは軟らかいために、アクスルビーム2に作
用する水平方向の力については、その殆どをゴムブッシ
ュ41に負担させて、そのゴムの変形作用により水平方
向の衝撃を緩和することが可能となる。したがって、2
つのゴムブッシュ40,41をともに軟質なゴムブッシ
ュにした場合とは異なり、サスペンション全体のコンプ
ライアンスが不当に大きくならないようにすることがで
き、車両の操安性を高めることが可能となる。
【0030】ゴムブッシュ40は、車両前後方向につい
てのバネ定数が小さく、その方向の力については緩衝機
能を発揮するのに対し、車両高さ方向についてのバネ定
数は大きいために、その方向の力については充分な緩衝
機能を発揮しない。もちろん、ゴムブッシュ40よりも
硬いゴムブッシュ41も車両高さ方向の力に対する充分
な緩衝機能を発揮しない。したがって、車両高さ方向の
力がアクスルビーム2に作用した場合には、その力を略
直接的にショックアブソーバ59に入力させることがで
き、ショックアブソーバ59の性能を充分に引き出すこ
とができる。したがって、車両高さ方向の入力に対して
も車両の乗り心地を良いものにできる。車輪が路面の凸
部を乗り越えるときには、その車輪やアクスルビーム2
に対して、水平方向の力と車両高さ方向の力とが同時入
力するが、上述したとおり、上記トレーリングアーム式
サスペンションにおいては、水平方向の力と車両高さ方
向の力とのいずれについても適切な緩衝機能を発揮させ
ることができるために、車両の乗り心地を良好にできる
のである。
【0031】図5および図6は、本願発明に係るトレー
リングアーム式サスペンションの他の例を示す説明図で
ある。なお、これら図において、先の実施形態と同一ま
たは類似の要素には、先の実施形態と同一の符号を付し
ている。
【0032】図5に示す構成においては、トレーリング
アーム1の後端部をアクスルビーム2よりも車両後方に
延ばし、第1の連結部4Aをアクスルビーム2の車両後
方に配置している。第2の連結部4Bについては、アク
スルビーム2の直上に配置している。このような構成に
よれば、第1の連結部4Aの位置が先の実施形態のサス
ペンションとは相違するものの、水平方向の力を第1の
連結部4Aに適切に負担させることができ、先の実施形
態のサスペンションと同様な効果が得られる。また、ア
クスルビーム2の前方に適当なスペースを確保すること
ができるために、この部分にたとえばサススプリングを
設けることも可能となる。このように、第1の連結部4
Aは、アクスルビーム2の前方または後方のいずれに配
置されていてもよい。
【0033】図6に示す構成においては、第1および第
2の連結部4A,4Bをともにアクスルビーム2よりも
前方に配置するとともに、アクスルビーム2を第1およ
び第2の連結部4A,4Bの中間の高さに設定してい
る。このような構成においても、アクスルビーム2の中
心よりも上方に位置する第2の連結部4Bが第1の連結
部4Aよりもコンプライアンスが小さくされている限り
は、本願発明の目的を達成し得る効果が得られる。この
ように、本願発明においては、要は、コンプライアンス
が相違する2つの連結部を介してアクスルビームのブラ
ケットがトレーリングアームの後部に連結され、かつコ
ンプライアンスが小さい(硬い)側の一方の連結部がア
クスルビームの中心およびコンプライアンスが大きい
(軟らかい)側の他方の連結部よりも上方に位置してい
ればよい。したがって、既に述べたとおり、本願発明で
いう第2の連結部としては、ゴムブッシュに代えて、ボ
ールジョイントを用いることも可能である。
【0034】本願発明は、上述した実施形態に限定され
ず、各部の具体的な構成は種々に設計変更自在である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るトレーリングアーム式サスペン
ションの一例を示す概略平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】図1および図2に示すトレーリングアーム式サ
スペンションの動作説明図である。
【図4】(a)は、本願発明に係るトレーリングアーム
式サスペンションを備えた車両がロールした状態を示す
概略側面図であり、(b)は、その概略平面図である。
【図5】本願発明に係るトレーリングアーム式サスペン
ションの他の例を示す説明図である。
【図6】本願発明に係るトレーリングアーム式サスペン
ションの他の例を示す説明図である。
【図7】従来例を示す説明図である。
【図8】従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 トレーリングアーム 2 アクスルビーム 3 ブラケット 4A 第1の連結部 4B 第2の連結部 5 車体 10 前部(トレーリングアームの) 40 ゴムブッシュ 41 ゴムブッシュ 59 ショックアブソーバ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車幅方向に間隔を隔てて配置され、かつ
    車両高さ方向への揺動が可能に前端部が車体に連結され
    ている一対のトレーリングアームと、アクスルビームの
    長手方向両端部に固定して設けられた一組のブラケット
    と、上記各ブラケットを上記各トレーリングアームの後
    部に連結する第1の連結部および第2の連結部と、を具
    備している、トレーリングアーム式サスペンションであ
    って、 上記第1の連結部は、ゴムブッシュを備えて形成されて
    おり、かつ、 上記第2の連結部は、上記第1の連結部よりもコンプラ
    イアンスが小さくされているとともに、上記第1の連結
    部および上記アクスルビームの中心よりも上方に配置さ
    れていることを特徴とする、トレーリングアーム式サス
    ペンション。
  2. 【請求項2】 上記第1の連結部は、上記アクスルビー
    ムの前方または後方に配置されているとともに、上記第
    2の連結部は、上記アクスルビームの直上に配置されて
    いる、請求項1に記載のトレーリングアーム式サスペン
    ション。
  3. 【請求項3】 上記各トレーリングアームには、ショッ
    クアブソーバが取り付けられており、かつ上記第1の連
    結部のゴムブッシュのゴムは、車両前後方向のバネ定数
    よりも車両高さ方向のバネ定数の方が大きくされてい
    る、請求項1または2に記載のトレーリングアーム式サ
    スペンション。
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