JP2000318297A - インクジェット記録用セミグロス記録媒体 - Google Patents

インクジェット記録用セミグロス記録媒体

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JP2000318297A
JP2000318297A JP11129993A JP12999399A JP2000318297A JP 2000318297 A JP2000318297 A JP 2000318297A JP 11129993 A JP11129993 A JP 11129993A JP 12999399 A JP12999399 A JP 12999399A JP 2000318297 A JP2000318297 A JP 2000318297A
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silica
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Takayuki Ishikawa
川 貴 之 石
Nobuhiro Kubota
展 弘 久保田
Takeshi Yoshimoto
本 武 史 吉
Shigeki Asai
井 滋 記 浅
Minoru Tsuchida
田 実 土
Kiyoshi Iwamoto
本 清 志 岩
Hiroyuki Onishi
西 弘 幸 大
Atsushi Sugiyama
山 淳 杉
Yukari Sano
野 ゆかり 佐
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Seiko Epson Corp
Tomoegawa Co Ltd
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Seiko Epson Corp
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な性能を有するセミグロス記録媒体の提
供。 【解決手段】 コロイダルシリカと、特定の粒径1〜1
5μmの無機微粒子と、バインダーとを少なくとも含ん
でなる表面層を有してなる記録媒体は、良好な特性、と
りわけ経時的な光沢変化が少なく、その保存性において
優れ、また、その表面層の光沢度の制御を容易になし得
るとの利点を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録方法に好ましく用いられ
る、表面の光沢が制御されたセミグロス記録媒体に関す
る。
【0002】背景技術 インク組成物によって記録が行われる記録媒体におい
て、記録される画像に高級感、または写真類似の品質を
付与するために、その表面を平滑にする光沢層を設ける
ことが行われている。さらに、インクジェットプリンタ
ー、とりわけカラーインクジェットプリンターの普及に
伴い、容易に高解像度の画像が得られる様になったこと
から、インクジェット記録方法に好ましく用いられる光
沢層を有する記録媒体が求められている。
【0003】一方で、その光沢層の光沢度は、その用途
や、見るものの嗜好により変化する。つまり、常に光沢
度の高い記録媒体ばかりではなく、表面の光沢が制御、
または抑制されたセミグロスタイプと呼ばれる記録媒体
が望まれる場合がある。特にディスプレイ用途において
光沢が高いと、観賞する角度により光が散乱して見づら
くなる場合がある。逆に、光散乱が抑制された、いわゆ
るマット調の記録媒体では、画像の鮮明性が低くなりす
ぎてしまう。そこで、上述のようなセミグロスタイプの
記録媒体が要望されている状況である。
【0004】
【発明の概要】本発明者は、今般、コロイダルシリカ
と、特定の粒径を有する無機微粒子とを組み合わせるこ
とで、良好な性能を有するセミグロス記録媒体が得られ
るとの知見を得た。本発明はかかる知見に基づくもので
ある。
【0005】よって、本発明は、良好な性能を有するセ
ミグロス記録媒体の提供をその目的としている。
【0006】そして、本発明によるセミグロス記録媒体
は、コロイダルシリカと、粒径1〜15μmの無機微粒
子と、バインダーとを少なくとも含んでなる表面層を有
してなるものである。
【0007】
【発明の具体的説明】記録媒体 本発明による記録媒体はインク組成物を用いた記録方式
に用いられる。インク組成物を用いた記録方式とは、例
えば、インクジェット記録方式、ペン等による筆記具に
よる記録方式、その他各種の印字方式が挙げられる。ま
た、インク組成物は液体インクに限定されず、広く固体
状の着色剤、加熱溶融させて用いる着色剤を含む意味に
用いることとする。特に本発明による記録媒体は、イン
クジェット記録方法に好ましく用いられる。
【0008】本発明において、セミグロス記録媒体と
は、基材上または基材上に設けたインク受容層上に、イ
ンクを媒体表面に定着させることなしに通過させる機能
を有し、かつ画像鮮明性・光沢度等の画像記録品位をコ
ントロールするための層(表面層)を積層してなる構造
であって、その表面の光沢度が制御された記録媒体を意
味し、一般には「半光沢記録媒体」と呼ばれるものであ
る。本発明の好ましい態様によれば、表面層の表面の光
沢度が、60度鏡面光沢度(JIS Z8741)とし
て5〜40の値の範囲にあるものを意味し、より好まし
くは10〜35の範囲である。
【0009】本発明によるセミグロス記録媒体は、その
性能において優れたものである。特に、経時的な光沢変
化が少なく、その保存性において優れる。また、本発明
による記録媒体は、その表面層の光沢度の制御を容易に
なし得るとの利点を有する。すなわち、本発明による記
録媒体にあっては、表面層中のコロイダルシリカ無機微
粒子の添加比率およびバインダー樹脂と顔料全体(すな
わちコロイダルシリカおよび無機微粒子)との合計量と
の比率を制御することで、容易に表面層の光沢度を制御
することができる。さらに、本発明による記録媒体は見
る角度によって画像の見え方が異なることがなく、例え
ば展示用ディスプレーに好ましく用いることができる。
また、本発明による記録媒体は、記録媒体として一般的
に求められる性能、例えば発色濃度が高く、インク吸収
性が良好であり、さらにプリンターにおいて給紙ローラ
と適度の密着性を有し、良好に給紙される。
【0010】本発明によるセミグロス記録媒体の基本構
成は図1に示される通りである。すなわち、セミグロス
記録媒体1は、基材2の上に表面層3が設けられてな
る。
【0011】本発明において、表面層3はコロイダルシ
リカと、粒径1〜15μmの無機微粒子と、バインダー
とを少なくとも含んでなる。
【0012】本発明において用いられるコロイダルシリ
カは、通常、無水珪酸(シリカ)の超微粒子を安定に水
に分散させた、アニオン性のコロイダル状分散液であ
り、例えば次のようにして製造される。まず、ケイ酸ナ
トリウム水溶液を陽イオン交換樹脂に通して、SiO2
/Na2O比が60〜130のゾルとする。次いで、こ
れを60℃以上に加熱焼成して独立分散粒子まで成長さ
せ、これにさらにイオン交換樹脂層を通したゾルを添加
することにより重合沈積させる。これによって、18n
m〜250nmの凝集粒子径にまで成長し安定したゾル
としてコロイダルシリカを得ることができる。
【0013】コロイダルシリカの1次粒子径は適宜決定
されてよいが、本発明の好ましい態様によれば、40n
m以下で有ることがインク吸収性、発色濃度、および光
沢性の観点から好ましく、より好ましくは10〜25n
mの範囲である。また、凝集粒子径は200nm以下で
あることが好ましく、より好ましくは100〜150n
mである。
【0014】また、本発明において市販のコロイダルシ
リカを利用することも可能であり、例えば、Du Pont社
製Ludox、Monsanto社製Syton、Na
lco社製Nalcoag、日産化学株式会社製スノー
テックスなどを利用することができる。
【0015】本発明において用いられる無機微粒子の添
加目的は、コロイダルシリカにより発現している高光沢
特性をその添加量に応じて適宜抑制しセミグロス性を制
御することにある。無機微粒子の平均粒子径(コールタ
ーカウンター法による体積平均粒子径)は1〜15μm
の範囲にあることで良好な記録媒体が得られ、より好ま
しくはその下限が3μmであり、その上限が10μmで
ある。無機微粒子の平均粒子径が1μmよりも小さいと
形成された表面層のインク通過性が悪化し、かつ光沢度
が高くなってしまう傾向がある。また、平均粒子径が1
5μmよりも大きいと表面層塗工液の凝集力が大きくな
って塗料性の悪化を招いたり、形成された表面層のイン
ク通過性が大きくなりすぎ、かつ光沢度が低くなってし
まう傾向がある。本発明の好ましい態様によれば、無機
微粒子の吸油量(JIS K5101に準拠)は150
〜400ml/100gであることが好ましく、より好
ましくは200〜350ml/100gである。また、
本発明の別の好ましい態様によれば、無機微粒子の細孔
容量(BET法による)は1.0〜5.0ml/gであ
ることが好ましく、より好ましくはその下限は1.5m
l/gである。吸油量および/または細孔容量が上記範
囲にあることで適度の光沢度およびインク透過性を有す
る記録媒体が得られる。
【0016】本発明において、無機微粒子として合成シ
リカ、アルミナ、擬ベーマナイト、カオリン、タルク、
サチンホワイト、ゼオライト等のインク受容層顔料を利
用することができ、合成シリカ、アルミナの利用が好ま
しい。
【0017】本発明において無機微粒子として合成シリ
カの利用が好ましい。本発明の好ましい態様によれば、
平均粒子径が1〜10μm程度の合成シリカの利用が発
色性の観点から好ましい。さらに本発明の好ましい態様
によれば、コロイダルシリカと合成シリカとを比率(重
量基準)9:1〜4:6の範囲で含むものが好ましく、
より好ましくは8:2〜5:5の範囲である。
【0018】本発明において表面層に用いられるバイン
ダーはその製造法などを勘案して適宜選択されてよい
が、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂、水溶性ポリビニルアセタール樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、その他のビニル系樹脂、アミド系
樹脂、酸化澱粉、ガゼイン、ポリエチレンオキサイド、
ポリビニルピロリドン、シリコーン系樹脂、ロジン変性
マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキド
樹脂、クマロン−インデン樹脂等の水溶性樹脂および水
性エマルジョン樹脂を挙げることができる。
【0019】表面層中の顔料全体すなわち、コロイダル
シリカと無機微粒子との合計量とバインダー樹脂との配
合割合は、顔料:バインダー:樹脂=11:1〜8:2
が好ましく、特に好適なのは11:1〜9:1である。
【0020】また、本発明の好ましい態様によれば、表
面層は、記録媒体の特性を改善するために種々の添加剤
を更に含むことができる。そのような添加剤の好ましい
具体例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白
剤、耐水化剤、退色防止剤、帯電防止剤などが挙げられ
る。
【0021】表面層の厚さは種々の要件を勘案して適宜
決定されてよいが、後記する製造法にあってその塗布量
として3〜25g/m2程度が好ましく、より好ましく
は5〜15g/m2程度である。
【0022】本発明による記録媒体は、基材2をベース
に形成される。本発明による記録媒体の基材としては表
面層または後記するインク受容層を支持でき、記録媒体
としての強度を有するものでれば特に限定されず、透明
性、不透明性いずれであってもい。不透明性基材として
は、布、木材、金属板、紙などが挙げられ、さらに後記
する透明性基材を不透明化処理したものを利用すること
もできる。
【0023】本発明にあっては、紙を基材とするのが好
ましい。紙は、天然セルロース繊維を主体としてパルプ
原料からなるものが好ましく、その組成、製造方法は適
宜決定されてよいが、例えば湿式抄紙法により製造され
る紙が好ましく用いられる。具体的には、パルプ原料と
して針葉樹、広葉樹を単独もしくは適宜配合して作製さ
れるクラフトパルプ、サルファイトパルプ、セミケミカ
ルパルプ等の木材パルプが使用され、鮮明な印刷を得る
ために晒パルプが好ましい。また、故紙パルプ、パガ
ス、ケナフ、綿、麻、エスパルト、竹、ワラ等の非木材
パルプを使用することも可能である。また、写真用バラ
イタ紙、RCレジンコート紙の利用も可能である。ま
た、写真用バライタ紙、RCレジンコート紙の利用も可
能である。特に、本発明において表面層を基材2の上に
設ける場合、基材2としては第四級アンモニウム塩等を
骨格とするカチオン性サイズ剤で表面処理または内添処
理したものを用いる必要がある。
【0024】本発明による記録媒体の基材として透明基
材を選択する場合、その例としては例えばポリエステル
系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド
等のフイルムもしくは板、およびガラス板等が挙げられ
る。本発明の好ましい態様によれば、基材が透明である
場合、ポリエステルフィルムが好ましく、特に好ましく
は片面または両面にコロナ処理が施されてなる二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムが、塗布ムラのな
い均一なコーティング性が得られ、またインク吸収層と
基材との良好な密着性が得られることから好ましい。さ
らに、ポリエチレンフィルム中に白色無機顔料を含有さ
せ、またはフィルム内部に微細な気泡を含有させること
で白色化させたものを基材として用いることも可能であ
る。
【0025】基材の厚さは適宜決定されてよいが、一般
的には50〜300μm程度が好ましく、より好ましく
は80〜200μm程度である。
【0026】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
よる記録媒体1は、図2に示されるように、基材2と、
表面層3との間にインク受容層4が設けられてもよい。
このインク受容層3は顔料および結着剤を主成分として
形成されてよい。顔料としては、例えばシリカ、クレ
ー、マイカ、膨潤性雲母、タルク、カオリン、ケイソウ
土、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウ
ム、合成ゼオライト、アルミナ、酸化亜鉛、リトポン、
サチンホワイト等の顔料及び、有機または無機の着色顔
料が挙げられる。また、結着剤としては、例えば、アク
リル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ス
チレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、水
溶性ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、その他のビニル系樹脂、アミド系樹脂、酸化澱
粉、カゼイン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピ
ロリドン、シリコーン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹
脂、ロジン変性フェノール樹脂、アルキド樹脂、クマロ
ン−インデン樹脂等の水溶性樹脂および水性エマルジョ
ン樹脂、アクリル、ウレタン酢酸ビニル系エマルジョン
が挙げられる。
【0027】本発明におけるインク受容層の組成は、イ
ンク吸収性、インク乾燥性、記録画像の鮮明性などを考
慮して適宜決定されてよい。本発明の好ましい態様によ
れば、結着剤としてポリビニルアルコール系樹脂及びエ
マルジョン樹脂を用い、顔料としてシリカを用いた組合
せが好ましい。この場合の配合割合は、樹脂:シリカ=
1:1〜1:15が好ましく、特に1:2〜1:5が好
適である。更に好ましい態様によれば、シリカの平均粒
径は1〜30μm(コールターカウンター法による体積
平均粒子径)程度が好ましく、特に3〜25μmがより
好ましい。
【0028】本発明による記録媒体のインク受容層に
は、記録媒体の特性を改善する他の成分が添加されてよ
い。例えば、インク受容層の耐水性の向上、インクの滲
み防止機能を付与するためにメラミンホルムアルデヒド
樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、アクリルアミド系樹
脂、グリオキザール、炭酸ジルコニウムアンモニウム等
の耐水化剤を添加してもよい。またインクジェット記録
用紙の生産性、記録特性、あるいは保存安定性をより高
めるための、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、
湿潤剤、防腐剤などを加えてもよい。
【0029】さらに、他のインク受容層の例としては特
開平2−276670号、特開平2−139275号、
および特開平6−297831号各公報に記載のものが
挙げられる。これら公報に記載のインク受容層は特定の
アルミナ水和物からなる多孔質層を設けて構成されてな
り、インクドットの真円性が高く、色素の定着性に優
れ、色濃度の高い印字が実現できるとされている。
【0030】記録媒体の製造 本発明による記録媒体は、好ましくは次のように製造さ
れる。
【0031】まず、コロイダルシリカと、無機微粒子
と、バインダーとからなる塗工液を用意する。塗工液
は、コロイダルシリカと無機微粒子との混合物に、バイ
ンダーを加え、更に場合によって上記の任意添加成分を
加え混合することによって得ることができる。
【0032】次に、記録媒体の基材、または後記するイ
ンク受容層が設けられた基材を用意する。基材表面また
はインク受容層が設けられてなる場合そのインク受容層
表面に、上記の塗工液を適用し、表面層とする。表面層
を形成する方法は適宜選択されてよいが、本発明の好ま
しい態様によれば、後記するフィルムキャスト法と呼ば
れる方法によって形成されるのが好ましい。例えば、特
開昭63−151476号公報記載の方法によって形成
されるのが好ましい。この方法によれば、インク吸収性
に優れた記録媒体を製造することができる。
【0033】フィルムキャスト法にあっては、塗工液の
塗布の方法は基材表面またはインク受容層表面に塗工液
を均一に塗布可能なものであれば特に限定されないが、
例えばエアナイフコーティング法、ロッドバーコーティ
ング法、グラビアコーティング法、リバースロールコー
ティング法によって塗布されてよい。
【0034】フィルムキャスト法にあっては、次に、形
成された塗工液の層に表面が平滑なフィルム、好ましく
は樹脂フィルム、を重ね合わせる。フィルムは、塗工液
層が未乾燥の状態で重ね合わされる必要があり、できる
だけ塗布直後に重ね合わされるのが好ましい。重ね合わ
せは2本のロール(ニップロール)間を通して行われる
のが好ましい。重ね合わせの条件(例えば、圧力、温度
等)は表面層の良好な光沢、更に種々の記録媒体の特性
を実現できる範囲で適宜決定されてよいが、ニップロー
ル圧力として3〜5kg/cm2程度が好ましい。重ね
合わせるフィルムの好ましい例としては、高平滑度(ベ
ック平滑度5000秒以上)を有するポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリイミドなどの樹脂フ
ィルム、さらにこれら樹脂フィルムに剥離性シリコーン
加工を施した樹脂フィルムを好ましく使用することがで
きる。また、本発明の好ましい態様によれば、塗工液の
フィルムに対する接触角が90度以下の関係を満足する
塗工液およびフィルムを利用するのが好ましい。
【0035】フィルムを重ね合わせた後、塗工液層を乾
燥させる。その後、フィルムを剥離除去して、記録媒体
を得る。塗工液層の乾燥は、紙基体側から溶媒が揮発す
ることによって行われる。温度などの乾燥条件を制御す
ることが、良好な記録媒体の透気度、表面層表面の平滑
性を実現する上で重要と考えられる。本発明の好ましい
態様によれば、乾燥は温度110〜150℃程度の空気
を、ノズル風速15m/分以上で30秒〜60秒間あて
ることで実施されるのが好ましい。また、樹脂フィルム
の剥離条件、例えば、角度、速度等、は、良好な表面層
表面の光沢度、ベック平滑度、所望の摩擦係数を実現す
る範囲で適宜決定されてよい。
【0036】インク受容層が設けられる場合には、イン
ク受容層は、それを形成する材料を水または適当な溶媒
中に溶解もしくは分散させて調製した塗工液を、例えば
ロールコーティング法、ブレードコーティング法、エア
ナイフコーティング法、ロッドバーコーティング法、グ
ラビアコーティング法、コンマコーティング法、ダイコ
ーティング法などの方法を適宜使用して、基材上に頒布
して形成することができる。
【0037】インク受容層の乾燥後の塗布量としては、
5〜50g/m2が好ましく、特に好ましくは10〜3
0g/m2である。
【0038】
【実施例】本発明を以下の実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例に限定されるものではな
い。
【0039】例1 下記の組成のインク受容層塗工液および表面層塗工液
を、下記の成分を混合することにより調製した。
【0040】インク受容層塗工液 合成シリカ 60重量% (株式会社トクヤマ製、ファインシールX−60、平均
粒径6μm) ポリビニルアルコール 30重量% (日本合成化学工業株式会社製、ゴーセノールT−35
0) カチオン性樹脂 10重量% (住友化学工業株式会社製、スミレーズレジン100
1)
【0041】表面層塗工液 ポリビニルアルコール 10重量% (日本合成化学工業株式会社製、ゴーセノールT−35
0) コロイダルシリカ 80重量% (日産化学株式会社製、スノーテックスUP、固形分2
0%) 合成シリカ 10重量% (株式会社トクヤマ製、ファインシールX−37、平均
粒径3μm、吸油量260〜270ml/100g、細
孔容量4.3ml/g)
【0042】紙基材(坪量 180g/m2)の片面
に、前記インク受容層塗工液を塗布し、乾燥して、乾燥
塗布量15g/m2のインク受容層を設けた。次に、前
記表面層塗工液をマイクログラビアコーターにて塗布
し、その直後(塗工液層の固形分約18.3%)、厚さ
25μmのポリエステルフィルムを重ね合わせ、ニップ
ロール(圧力4kg/cm2 )を通過させた。その後、
フローティングドライヤー(温度120℃)を通して乾
燥させ、ポリエステルフィルムを剥離除去して、乾燥塗
布量12g/m2 の表面層を有する記録媒体を作製し
た。
【0043】例2 表面層塗工液中の合成シリカとして、平均粒径が6μm
のもの(株式会社トクヤマ製、ファインシールX−6
0、吸油量260〜270ml/100g、細孔容量
3.3ml/g)を用いた以外は例1と同様にして記録
媒体を得た。
【0044】例3 表面層塗工液中の合成シリカとして、平均粒径が9μm
のもの(株式会社トクヤマ製、ファインシールP−8、
吸油量240〜280ml/100g、細孔容量4.3
ml/g)を用いた以外は例1と同様にして記録媒体を
得た。
【0045】比較例1表面層塗工液として下記の組成の
ものを使用した以外は、例1と同様にして記録媒体を得
た。 表面層塗工液 ポリビニルアルコール 10重量% (日本合成化学工業株式会社製、ゴーセノールT−350) コロイダイルシリカ 90重量% (日産化学株式会社製、スノーテックスUP、固形分20%)
【0046】比較例2 表面層塗工液を塗布後、ポリエステルフィルムを重ね合
わせることなしにそのまま乾燥して表面層を設けた以外
は、比較例1と同様にして記録媒体を得た。
【0047】比較例3 表面層塗工液として下記の組成のものを使用した以外
は、例1と同様にして記録媒体を得た。 表面層塗工液 ポリビニルアルコール 30重量% (日本合成化学工業株式会社製、ゴーセノールT−350) 合成シリカ 70重量% (株式会社トクヤマ製、ファインシールX−37、平均粒径3μm、 吸油量260〜270ml/100g、細孔容量4.3ml/g)
【0048】記録媒体の性能評価試験 評価1 :発色性 カラーインクジェットプリンタPM700C(セイコー
エプソン株式会社製)により、上記例1〜3および比較
例1〜3の記録媒体に、イエロー、マゼンタ、およびシ
アンのベタ印刷を行った。得られた記録物の印刷部の反
射濃度(OD値)をGRETAG SPM100(グレ
タグマクベス社製)により測定した。
【0049】その結果、例1〜3および比較例1〜3の
いずれの記録媒体においても、各色全てOD値は1.8
以上であった。
【0050】評価2:インク吸収性 評価1と同一のインクジェットプリンタにより、レッ
ド、グリーン、およびブルーのベタ印刷を、それぞれの
印刷領域が接するように行った。色の境界部のにじみを
目視により観察した。
【0051】その結果、例1〜3および比較例1〜3の
いずれの記録媒体においても、目立った色間にじみは生
じなかった。
【0052】評価3:記録媒体の光沢度 例1〜3および比較例1〜3の記録媒体の表面の光沢度
を、JIS Z8741として規定される測定法に準じ
て、60度鏡面光沢度を測定した。その結果は、下記の
第1表に示されるとおりであった。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるセミグロスインクジェット記録用
記録媒体の一実施例を示す図である。記録媒体1は基本
的に基材2とその上に設けられた表面層3とからなる。
【図2】本発明によるセミグロスインクジェット記録用
記録媒体の別の実施例を示す図である。記録媒体1は、
基材2と表面層3との間に設けられたインク受容層4と
からなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保田 展 弘 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所洋紙事業部内 (72)発明者 吉 本 武 史 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所洋紙事業部内 (72)発明者 浅 井 滋 記 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所洋紙事業部内 (72)発明者 土 田 実 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所洋紙事業部内 (72)発明者 岩 本 清 志 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所洋紙事業部内 (72)発明者 大 西 弘 幸 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 杉 山 淳 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 佐 野 ゆかり 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 2H086 BA02 BA11 BA13 BA15 BA32 BA33 BA34 BA41 BA45 BA46 BA47

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コロイダルシリカと、粒径1〜15μmの
    無機微粒子と、バインダーとを少なくとも含んでなる表
    面層を有してなる、セミグロス記録媒体。
  2. 【請求項2】前記表面層の表面の光沢度が、60度鏡面
    光沢度として5〜40の値の範囲にある、請求項1に記
    載の記録媒体。
  3. 【請求項3】前記無機微粒子の吸油量が150〜400
    ml/100gである、請求項1または2に記載の記録
    媒体。
  4. 【請求項4】前記無機微粒子の細孔容量が1.0〜5.
    0ml/gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載
    の記録媒体。
  5. 【請求項5】前記無機微粒子が合成シリカまたはアルミ
    ナである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の記録媒
    体。
  6. 【請求項6】前記コロイダルシリカと前記合成シリカと
    の比率(重量基準)が9:1〜4:6である、請求項5
    に記載の記録媒体。
  7. 【請求項7】前記コロイダルシリカの1次粒子径が40
    nm以下であり、かつ凝集粒子が200nm以下であ
    る、請求項1〜6のいずれか一項に記載の記録媒体。
  8. 【請求項8】前記コロイダルシリカおよび前記無機微粒
    子の合計量と、バインダー樹脂との比率(重量基準)が
    11:1〜8:2である、請求項1〜7のいずれか一項
    に記載の記録媒体。
  9. 【請求項9】前記表面層の下にインク受容層が設けられ
    てなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の記録媒
    体。
  10. 【請求項10】インクジェット記録方法に用いられる、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の記録媒体。
  11. 【請求項11】インク組成物により、請求項1〜9のい
    ずれか一項に記載の記録媒体に印字を行う工程を含んで
    なる、記録方法。
  12. 【請求項12】インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の記録媒体に付着さ
    せ、印字を行う工程を含んでなる、インクジェット記録
    方法。
  13. 【請求項13】請求項11または12に記載の記録方法
    によって記録が行われた、記録物。
  14. 【請求項14】請求項1〜10のいずれか一項に記載の
    記録媒体の製造法であって、 コロイダルシリカと、粒径1〜15μmの無機微粒子
    と、バインダーとを含んでなる塗工液を調製し、 基材上またはインク受容層が設けられた基材のインク受
    容層上に、前記塗工液を塗布し、 塗布された塗工液層上に表面が平滑なフィルムを重ね合
    わせて密着させ、 塗工液層を乾燥させて表面層とし、そして前記フィルム
    を表面層から剥離除去することを含んでなる、方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003048370A (ja) * 2001-08-08 2003-02-18 Konica Corp インクジェット記録方法
JP2003094794A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Hokuetsu Paper Mills Ltd インクジェット記録シート

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