JP2000311369A - 傾き補正装置 - Google Patents

傾き補正装置

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JP2000311369A
JP2000311369A JP11120128A JP12012899A JP2000311369A JP 2000311369 A JP2000311369 A JP 2000311369A JP 11120128 A JP11120128 A JP 11120128A JP 12012899 A JP12012899 A JP 12012899A JP 2000311369 A JP2000311369 A JP 2000311369A
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tilt
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Masami Shimamoto
昌美 島元
Kazuhiko Nakane
和彦 中根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報媒体とヘッドとの間の相対的なチルト
(傾き)を安価に補正することができる傾き補正装置を
得る。 【解決手段】 反射光の差信号に振幅変動を生じさせ得
る表面構造を有する情報媒体と該情報媒体に光スポット
を形成するヘッドとの間の傾きを補正する傾き補正装置
において、前記光スポットで反射された光を受光する光
検知器と、前記光検知器の出力の差信号を求める手段
と、求めた差信号の振幅を指標として、該指標が極値に
近づくように前記情報媒体とヘッドとの間の相対的な傾
きを制御する傾き制御手段とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、情報媒体と光ビ
ームを出射するヘッドとの間のチルト(傾き)を補正す
る装置に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、画像情報や映像情報のように、従
来の文字情報や音声情報と比べ、より大容量の情報を保
存する媒体が求められており、その解決策として光ディ
スクが注目されている。これまでの記録可能な光ディス
クは、記録/再生用の光ビームをトラック中心に制御す
るためにディスク製造時に予め案内溝が刻まれている。
この案内溝により、ディスクは凸(ランド)部と凹(グ
ルーブ)部がスパイラルもしくは同心円状に形成される
ことになる。この凸部と凹部の両方を記録トラック(ラ
ンドトラックおよびグルーブトラック)とすることによ
り、どちらか一方を記録トラックとする場合に比べ2倍
の情報を記録できることになる。さらに、データへのア
クセス性能を向上させるために、溝部(グルーブ、凹
部)のトラック(グルーブトラック)と溝間部(ラン
ド、凸部)のトラック(ランドトラック)がディスク1
周毎に交互に1回接続され、1本の記録スパイラル(螺
旋状(スパイラル状)の記録トラック)で構成する方式
がある。この方式は、シングルスパイラルランドグルー
ブ(SS L/G)記録フォーマットと呼ばれ、これを
用いたディスク装置の一例が特開平9−282669号
公報において開示されている。
【0003】従来のディスクフォーマットによると、記
録トラックはトラック方向にセクタ単位に分割されてお
り、各セクタの先頭にはトラック番号やセクタ番号等の
セクタ識別情報が物理的形状変化もしくは局所的光学定
数変化を生ぜしめるピットとしてプリフォーマットされ
ている。さらに、セクタフォーマットは、前記セクタ識
別情報が記録トラックの中心に対して半径方向外周側に
所定距離変位して配置された第1の識別情報領域と内周
側に前記所定距離変位して配置された第2の識別情報領
域と、前記セクタ識別情報領域に続きユーザ情報などが
前記記録トラックの中心線上に記録されたユーザ情報領
域と、からなっている。
【0004】次に、上記のようにセクタ識別情報が配置
された光ディスクを用いたディスク装置について説明す
る。図15は従来の光ディスクのトラックレイアウトを
示す図である。また、図16はこのようなタイプの光デ
ィスクに情報を記録または再生するためのディスク装置
の構成を示すブロック図である。
【0005】図15は、従来の光ディスクのトラックレ
イアウトを示すものであり、1つのゾーン内のトラック
と記録セクタの配置及び記録セクタの構成を示してい
る。図に示すように、SS L/G記録フォーマット
で、溝部の幅と溝間部の幅が等しいものとする。つま
り、溝幅と溝間の幅は、トラックピッチに等しく、溝間
隔の1/2にとられている。
【0006】また、1本(ディスク1周)の記録トラッ
クは整数個の記録セクタで構成されており、それぞれの
セクタの先頭部分にはPLL引き込み用情報やアドレス
情報などを表すセクタ識別情報がプリフォーマットされ
たセクタ識別情報領域(セクタ識別信号部)が付加さ
れ、ユーザデータや各種管理情報の記録可能なユーザ情
報領域(情報記録部)はセクタ識別信号部に続いて配置
される。
【0007】さらに、セクタ識別情報領域は、走査方向
で見て前部と後部の2つの部分からなり、セクタ識別情
報が前記トラック中心に対して半径方向外周側(あるい
は内周側)に所定距離変位して配置された第1の識別情
報領域と内周側(あるいは外周側)に前記所定距離と同
距離変位して配置された第2の識別情報領域で構成され
ている。
【0008】さらにまた、そのほかの機能および効果の
一つとして、トラックオフセット補正について述べる。
光ディスク規格ISO/IEC 9171.1,2”1
30mm Optical Disk Cartrid
ge Write Oncefor Informat
ion Interchange”, 1990.等に
用いられているように、サンプルサーボ方式の光ディス
クでは、記録トラック上のトラック中心から左右に一定
量だけ変位させた位置にトラックオフセット検出ピット
対を設けて、トラッキングオフセット量を検出し、補正
する方法が知られている。
【0009】光ビームがトラックオフセット検出ピット
対の中間を通過すると、検出ピット対の再生信号振幅は
等しくなる。一方にオフトラックしていると、片側のピ
ットの再生信号振幅が増加し、反対側のピットの再生信
号振幅が減少するので、これによって、光ビームのトラ
ックオフセット量を検出し補正をかけることで、光ビー
ムがトラック中心を通過するように制御することができ
る。従来例のSS L/G記録フォーマットに、これと
同じ原理と効果を組み込むことができる。
【0010】いま、光ビームが特定の溝部記録セクタ中
のユーザ情報領域(ユーザ信号領域)から、次の溝部記
録セクタのセクタ識別情報領域(セクタ識別信号領域)
に入ったとする。セクタ識別情報領域の先頭はディスク
外内周に溝幅の1/2だけずれているので、それに対応
したトラッキング誤差信号が出力される。しばらくする
と今度はディスク外周に溝幅の1/2だけずれた識別信
号部があるので、それに対応したトラッキング誤差信号
が出力される。この2つの誤差信号は理想的には基準レ
ベル(=トラック中心走行時のトラッキング誤差レベ
ル)に対して上下対称の波形として検出されればトラッ
ク中心を走査していることになる。よって内周と外周に
ずれて配置された識別信号部から検出されるトラッキン
グ誤差信号の大きさを比較することにより、トラック中
心にサーボをコントロールすることが可能になる。ここ
で、第1の識別情報領域と第2の識別情報領域の配列順
は、ランドトラックかグルーブトラックかにより入れ替
わる。つまり、ランドトラックで第1の識別情報領域、
第2の識別情報領域の順で配置されていれば、グルーブ
トラックではその逆になる。
【0011】このようにSS L/G記録ディスクに対
する識別信号の付与方法によれば、サーボ特性を改善す
ることも同時に実現可能となる。
【0012】つぎに、このようなディスクを再生する従
来のディスク装置の構成について図16をもとに説明す
る。同図において、10は光ディスク、11は光源であ
る半導体レーザ(LD)、12はコリメートレンズ、1
3はビームスプリッタ、14は対物レンズ、15は光検
出器、16はアクチュエータ、17は差動アンプ、18
は差信号波形整形部、19は再生差信号処理部、20は
極性制御部、21は極性反転部、22はトラッキング制
御部、23は加算アンプ、24は和信号波形整形部、2
5は再生信号処理部、26は極性情報再生部、27はア
ドレス再生部、28は情報再生部、29はシステムコン
トロール部、30はトラバース制御部、31はトラバー
スモータ、32は記録信号処理部、33はレーザ(L
D)駆動部、34はアクチュエータ駆動部である。な
お、光ヘッドは、半導体レーザ11、コリメートレンズ
12、ビームスプリッタ13、対物レンズ14、光検出
器15、アクチュエータ16を含み、図示せぬヘッドベ
ースに取り付けられている。
【0013】以上のように構成された従来のディスク装
置の動作を、図にしたがって説明する。半導体レーザ1
1から出力されたレーザ光は、コリメートレンズ12に
よって平行光にされ、ビームスプリッタ13を経て対物
レンズ14によって光ディスク10上に集光される。光
ディスク10によって反射されたレーザ光は、記録トラ
ックの情報を持ち、対物レンズ14を経てビームスプリ
ッタ13で入射光と分離されて光検出器15上に導かれ
る。光検出器15は、プシュプル信号を得るために反射
光のファーフィールドにおいてディスクのトラック方向
と延在する方向に2分割された2つの受光部と受光部に
対応した2つのI/V変換部(電流/電圧変換部)とか
らなり、受光された光ビームの光量分布変化を電気信号
に変換して、それぞれ差動アンプ17、加算アンプ23
に出力する。
【0014】差動アンプ17は、それぞれの入力信号の
差分をとったプシュプル信号を生成し、差信号波形整形
部18および極性反転部21に出力する。差信号波形整
形部18は、差動アンプ17からのアナログ波形のプシ
ュプル信号を所定のレベルでスライスすることでディジ
タル値に変換し、2値化差信号を再生差信号処理部19
に出力する。再生差信号処理部19は、2値化差信号か
ら識別信号を抽出してトラッキング極性を判別し、極性
検出信号を極性制御部20、極性情報再生部26、アド
レス再生部27、情報再生部28、システムコントロー
ル部29に出力する。
【0015】極性制御部20は、再生差信号処理部19
から極性検出信号とシステムコントロール部29から制
御信号を受け、極性反転部21とトラッキング制御部2
2に極性設定信号と制御ホールド信号を出力する。極性
反転部21は、極性制御部20からの制御信号によって
アクセスしているトラックがランドかグルーブかを判定
し、例えばランドの場合にのみ差動アンプ17の出力信
号極性を反転させることで、トラッキング誤差信号とし
てトラッキング制御部22に出力する(グルーブの場合
には反転させずに出力する)。トラッキング制御部22
は、極性反転部21から入力されたトラッキング誤差信
号のレベルに応じて、アクチュエータ駆動部34にトラ
ッキング制御信号を出力し、アクチュエータ駆動部34
はこの信号に応じてアクチュエータ16に駆動電流を流
し、対物レンズ14を記録トラックを横切る方向に位置
制御する。これにより、光スポットはトラック上を正し
く走査する。
【0016】一方、加算アンプ23は光検出器15の出
力信号を加算し、和信号として和信号波形整形部24へ
出力する。和信号波形整形部24は、アナログ波形のデ
ータ信号とアドレス信号を所定のしきい値でデータスラ
イスしてパルス波形とし、再生信号処理部25へ出力す
る。再生信号処理部25は、和信号に対して波形処理し
て得られた2値化和信号から、アドレス情報や極性情報
を含む識別信号を再生する。極性情報再生部26は、識
別信号からセクタのトラッキング極性を示す極性情報を
抽出する。アドレス再生部27は、識別信号からセクタ
アドレス情報を再生する。情報再生部28は、2値化和
信号からディスク上のユーザ情報領域に記録されたユー
ザ情報を復調・エラー訂正処理し、再生信号として出力
する。
【0017】極性情報再生部26から出力される極性情
報とアドレス再生部27から出力されるセクタアドレス
情報はシステムコントロール部29へ送られ、トラッキ
ング極性や、トラッキング制御のサンプルホールド状態
の制御に用いられる。このような構成では、トラッキン
グサーボ系への余分な外乱を遮断するためにセクタ識別
情報領域の直前でトラッキングエラー信号をサンプルホ
ールドし、この領域をトラッキング制御動作オフのまま
慣性で通過させることも可能である。システムコントロ
ール部29は、再生差信号処理部19、極性情報再生部
26、アドレス再生部27から識別信号に関する情報を
入力され、極性制御部20、トラバース制御部30、L
D駆動部33および記録信号処理部32に制御信号を出
力する。
【0018】システムコントロール部29は、アドレス
再生部27からのアドレス等を含んだ識別信号に関する
情報をもとに現在光ビームが所望のアドレスにあるかど
うかを判断する。トラバース制御部30は、光ヘッド移
送時にシステムコントロール部29からの制御信号に応
じて、トラバースモータ31に駆動電流を出力し、光ヘ
ッドを目標トラックまで移動させる。この時、トラッキ
ング制御部22は、システムコントロール部29からの
制御信号によってトラッキング制御動作を一時中断させ
る。また、通常再生時には、トラッキング制御部22か
ら入力されたトラッキング誤差信号に応じて、システム
コントロール部29はトラバース制御部30を介してト
ラバースモータ31を駆動し、再生の進行に沿って光ヘ
ッドを半径方向に徐々に移動させる。
【0019】記録信号処理部32は、記録時において入
力された記録データに誤り訂正符号等を付加し、符号化
された記録信号としてLD駆動部33に出力する。シス
テムコントロール部29が制御信号によってLD駆動部
33を記録モードに設定すると、LD駆動部33は記録
信号に応じて半導体レーザ11に印可する駆動電流を変
調する。これによって、光ディスク10上に照射される
光スポットが記録信号に応じて強度変化し、記録ピット
が形成される。一方、再生時には、LD駆動部33はシ
ステムコントロール部29からの制御信号によって再生
モードに設定され、半導体レーザ11を一定の強度で発
光するよう駆動電流を制御する。これにより、記録トラ
ック上の記録ピットやプリピットの検出が可能になる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上のように構成され
る従来のディスク装置は、SS L/G記録ディスクの
ように案内溝を有する光ディスクに対しては、プシュプ
ル法によりトラッキングエラーを検出するのが一般的で
ある。しかし、この方式は、ディスクとヘッドとの間の
相対的なチルト(傾き)により、光ビームがトラック中
心を走行している場合でも、検出されるトラッキング誤
差信号が基準レベルに対して上下非対称の波形(以後、
光学的オフセットと称す。)となることが原理的に知ら
れている。つまり、チルトに応じてトラッキング誤差信
号に電気的なオフセットが重畳されたのと等価な状態に
なる。さらに、光学的に発生するオフセットの原因とし
て、光学系のミスアライメントやレンズの偏心等があ
る。
【0021】この光学的オフセットを電気的に生ずるオ
フセットと同一とみなして処理した場合、つまり、この
光学的オフセットを零にするオフセットを電気的に重畳
することで補正した場合、光ビームがトラック中心を外
れて(デトラック状態)走行することになり、信号検出
の信頼性が低下するという問題が生ずる。具体的には、
記録時における隣接トラックのクロスイレーズやオーバ
ーライトでの消し残り、あるいは、再生時における隣接
トラックからのクロストーク、等により、信号品質劣化
(低S/N化)を招く。さらに、チルトにより光学的な
収差が生じ、再生信号品質の劣化を招く。この問題は、
記録密度向上を図るための一手段であるトラックピッチ
狭小化に対して弊害になりかねない。
【0022】従来のディスク装置では、ディスクフォー
マットでセクタ識別情報がトラック中心に対して外周側
と内周側に所定距離離れて千鳥状に配置されている(図
15において説明済み)ことを利用して、デトラックを
補正する方法が開示されている。この方法は、第1の識
別情報領域再生時のトラッキング誤差信号と基準レベル
(トラック中心走行時のトラッキング誤差信号のレベ
ル)との絶対値差と、第2の識別情報領域再生時のトラ
ッキングエラー信号と基準レベルとの絶対値差が、略同
一になるようにデトラックを補正するようにするもので
ある。この方法では、デトラック発生原因が1つの場合
に対しては、有効な方法となり得る。
【0023】しかしながら、実際の装置では、トラッキ
ング誤差信号が上下非対称となる他の要因として、電気
回路のオフセット(上記光学的オフセットと区別するた
め、以後電気的オフセットと称す。)、光学系または電
気回路のゲインバランスずれ、等がある。これらは、広
義の解釈をすれば、トラッキング誤差信号に重畳される
オフセットとみなせるが、このオフセットは上記方法で
は除去できない。
【0024】このため、従来のディスク装置は、ディス
クからの反射光だけでは最適なチルト補正およびデトラ
ック補正が困難であった。そのため、光学的なチルト検
出機構を光ヘッド上に別途配置し、この機構を用いてチ
ルトを補正する方法が採られていた。しかし、この方法
は、チルトのみを単独で補正できるが、一方で光学的な
チルト検出機構を別途新たに付加する必要があり、必然
的に装置のコストアップを招くという問題がある。
【0025】また、光学的なチルト検出機構を使わずに
チルトを補正する他の方法には、従来のデトラックの指
標と、再生信号のジッタや再生誤り率等の他の指標とを
組み合わせて使うものも考えられる。
【0026】しかし、この方法では、ジッタや誤り率
は、チルトとデトラックの両方に依存して変化すること
になるため、複数のパラメータによる繰り返し制御に基
づく追い込み作業が必要となり、チルト補正やデトラッ
ク補正が収束不能に陥ったり、収束時間が長くなるとい
った問題がある。
【0027】さらに、新しい信号処理法を取り入れて対
応する方法も検討されている。つまり、ディスクから再
生される信号品質が悪くても、所定内の検出誤りで信号
を検出する方法であり、その一つが従来のビット毎の検
出より信号品質劣化に強い検出方式として知られている
ビタビ検出などの最尤(さいゆう)検出法である。しか
し、この方法についても、従来の信号検出系に新たな構
成を付加する必要があるため、装置のコストアップが避
けられない。
【0028】この発明は、かかる問題を解消するために
なされたものであり、装置のコストアップを抑制し、し
かも電気的オフセットおよび光学的オフセットに強いチ
ルト補正を行え、また、デトラック補正による影響を受
けることなくチルト補正のみを単独で行うことができる
傾き補正装置を得ることを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】この発明に係る傾き補正
装置は、反射光の差信号に振幅変動を生じさせ得る表面
構造を有する情報媒体と該情報媒体に光スポットを形成
するヘッドとの間の傾きを補正する装置において、前記
光スポットで反射された光を受光する光検知器と、前記
光検知器の出力の差信号を求める手段と、求めた差信号
の振幅を指標として、該指標が極値に近づくように前記
情報媒体とヘッドとの間の相対的な傾きを制御する傾き
制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】また、この発明に係る傾き補正装置によれ
ば、前記情報媒体は、スパイラル状または同心円状に情
報トラックが形成されたディスクであり、前記傾き制御
手段は、該ディスク上の光スポットが情報トラックを横
切る際の前記光検知器の差信号の振幅を指標として、該
指標が極値に近づくように前記ディスクとヘッドとの間
の相対的な傾きを制御することを特徴とする。
【0031】また、この発明に係る傾き補正装置によれ
ば、前記情報媒体は、スパイラル状または同心円状に情
報トラックが配され、かつ、該情報トラックが蛇行して
形成されたディスクであり、前記傾き制御手段は、該デ
ィスク上の光スポットが前記情報トラックをトレースし
ている際の前記光検知器の差信号の振幅を指標とし、該
指標が極値に近づくように前記ディスクとヘッドとの間
の相対的な傾きを制御することを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明を
その実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明す
る。ただし、従来例と同一の番号を付したブロックにつ
いては、図16に示したディスク装置と基本的に同じも
のであるため、詳細説明は省略する。
【0033】図1は、この発明の実施の形態1である傾
き補正装置を備えるディスク装置を示した図である。同
図において、10は光ディスクであって、従来例で説明
したた図15に示すごときものであり、かかるディスク
はその反射光を受光した光検知器の差動出力に振幅変動
を生じさせ得る表面構造を有するものである。11は光
源である半導体レーザ(LD)、12はコリメートレン
ズ、13はビームスプリッタ、14は対物レンズ、15
は光検出器、16はアクチュエータ、17は差動アン
プ、18は差信号波形整形部、19は再生差信号処理
部、20は極性制御部、21は極性反転部、22はトラ
ッキング制御部、23は加算アンプ、25は再生信号処
理部、26は極性情報再生部、27はアドレス再生部、
28は情報再生部、30はトラバース制御部、31はト
ラバースモータ、32は記録信号処理部、33はLD駆
動部、34はアクチュエータ駆動部、であり、従来例で
説明したものと同一または同等の機能を有するものであ
る。なお、光ヘッドは、半導体レーザ11、コリメート
レンズ12、ビームスプリッタ13、対物レンズ14、
光検出器15、アクチュエータ16を含み、図示せぬヘ
ッドベースに取り付けられている。さらに、100は第
1の波形整形部、101はシステムコントロール部、1
02はチルト制御部、103は第2の波形整形部であ
る。
【0034】以上のように構成されたディスク装置で光
ディスクを再生するときの動作を図1乃至図3に従って
説明する。図2は、フォーカス制御まで動作している状
態、つまり、光スポットがディスク上に集光された状態
でトラッキング制御は非動作状態下のプシュプル信号を
示している。プシュプル信号は、光スポット位置とラン
ド部またはグルーブ部の中心位置との差、つまりトラッ
キング誤差を示す信号であり、光スポットがランド部ま
たはグルーブ部の中心上(図中、A,C,Eの各位置)
にある時は零となり、ランド部とグルーブ部の境界(図
中、B,Dの各位置)で極値(極大値または極小値)をと
る。また、図3は、トラッキング制御まで動作している
状態での図1の各部の波形を示す。
【0035】装置が起動されると、システムコントロー
ル部101は図示しないディスク回転制御部を介してデ
ィスクを所定の回転数で回転させる。次に、LD駆動部
33は、システムコントロール部101からの制御信号
によって再生モードに設定され、半導体レーザ11を一
定の強度で発光するよう駆動電流を制御する。半導体レ
ーザ11から出力されたレーザ光は、コリメートレンズ
12によって平行光にされ、ビームスプリッタ13を経
て対物レンズ14によって光ディスク10上に光スポッ
トとして集光される。面ぶれ等で生ずるヘッド、ディス
ク間距離の変動に対しては、図示しないフォーカス制御
部が光検出器の出力から生成されるフォーカス誤差信号
をもとに対物レンズ14を制御し、常にレーザ光をディ
スク上に集光する機能が装置には備わっている。光ディ
スク10によって反射されたレーザ光は、記録トラック
の情報を持ち、対物レンズ14を経てビームスプリッタ
13によって光検出器15上に導かれる。光検出器15
は、プシュプル信号を得るために反射光のファーフィー
ルドにおいてディスクのトラック方向の延在方向に2分
割された2つの受光部と受光部に対応した2つのI/V
変換部とからなり、受光された光ビームの光量分布変化
を電気信号に変換し、それぞれ差動アンプ17、加算ア
ンプ23に出力する。
【0036】差動アンプ17は、それぞれの入力信号の
差分をとることで図2、および、図3(a)に示すプシ
ュプル信号を生成し、差信号波形整形部18、極性反転
部21および第2の波形整形部103に出力する。後述
のトラッキング制御部22は、このプシュプル信号が零
になるようにアクチュエータ駆動部34およびアクチュ
エータ16を介して対物レンズ14を制御し、光スポッ
トが常にトラック中心を走行するように位置制御する。
また、図3は、トラッキング制御まで動作している状態
での図1の各部の波形を示す。
【0037】トラッキングがかかると、差信号波形整形
部18は、差動アンプ17からのアナログ波形のプシュ
プル信号を図3(a)に示す2つの適切なレベル(TH
1、TH2)でスライスして図3(c)および(d)に
示すディジタル値に変換し、この2値化差信号を再生差
信号処理部19に出力する。ここで、波形(c)は第1
の識別情報領域の位置を、波形(d)は第2の識別情報
領域の位置を示している。再生差信号処理部19は、2
値化差信号(c)、(d)の出現タイミングからトラッ
キング極性を判別し、極性検出信号を極性制御部20、
極性情報再生部26、アドレス再生部27、情報再生部
28、システムコントロール部101に出力する。ま
た、再生差信号処理部19は、システムコントロール部
101に、図3(c)および(d)に示すディジタル値
も出力する。
【0038】極性制御部20は、再生差信号処理部19
から極性検出信号、システムコントロール部101から
制御信号を受け、極性反転部21に極性設定信号、トラ
ッキング制御部22に欠陥対策用の制御ホールド信号を
出力する。極性反転部21は、極性制御部20からの極
性設定信号に従って、アクセスしているトラックが例え
ばランドの場合にのみ差動アンプ17の出力信号の極性
を反転させてトラッキング誤差信号としてトラッキング
制御部22に出力する(アクセスしているトラックがグ
ルーブの場合には差動アンプ17の出力信号の極性は反
転させない)。トラッキング制御部22は、極性反転部
21から入力されたトラッキング誤差信号のレベルに応
じて、アクチュエータ駆動部34にトラッキング制御信
号を出力し、アクチュエータ駆動部34はこの信号に応
じてアクチュエータ16に駆動電流を流し、対物レンズ
14を記録トラックを横切る方向に位置制御する。これ
により、光スポットがトラック上をトラッキング制御さ
れつつ走査する。
【0039】一方、加算アンプ23は光検出器15の出
力信号を加算し、図3(h)に示す和信号を第1の波形
整形部100へ出力する。第1の波形整形部100は、
詳細動作説明は後述するが、アナログ波形の和信号に所
定の処理を施した後、所定のしきい値でデータスライス
して図3(k)に示すパルス波形を生成し、再生信号処
理部25へ出力する。再生信号処理部25は、入力信号
から、アドレス情報や極性情報を含む識別信号を再生す
る。
【0040】極性情報再生部26は、識別信号からセク
タのトラッキング極性を示す極性情報を抽出する。アド
レス再生部27は、識別信号からセクタアドレス情報を
再生する。情報再生部28は、ディスクのユーザ情報領
域に記録されたユーザ情報を復調・エラー訂正処理し、
再生情報信号として出力する。この情報再生部28でエ
ラー訂正処理を施したときのエラー訂正情報(例えば、
訂正数等)やジッタを解析すれば、データ誤り率を求め
ることができる。一般的には、システムコントロール部
101が、情報再生部28内に保管されたエラー訂正情
報を適宜読みとり、演算処理またはルックアップテーブ
ルを利用して、データ誤り率を求めている。
【0041】極性情報再生部26から出力される極性情
報とアドレス再生部27から出力されるセクタアドレス
情報はシステムコントロール部101へ送られ、トラッ
キング極性や、トラッキング制御のサンプルホールド状
態の制御に用いられる。このような構成では、トラッキ
ングサーボ系への余分な外乱を遮断するためにセクタ識
別情報領域の直前でトラッキングエラー信号をサンプル
ホールドし、この領域をトラッキング制御動作オフのま
ま慣性で通過させることも可能である。システムコント
ロール部101は、再生差信号処理部19、極性情報再
生部26、アドレス再生部27から識別信号に関する情
報を入力され、極性制御部20、トラバース制御部3
0、LD駆動部33および記録信号処理部32に制御信
号を出力する。
【0042】システムコントロール部101は、アドレ
ス再生部27からのアドレス等を含んだ識別信号に関す
る情報をもとに現在光ビームが所望のアドレスにあるか
どうかを判断する。トラバース制御部30は、光ヘッド
移送時にシステムコントロール部101からの制御信号
に応じて、トラバースモータ31に駆動電流を出力し、
光ヘッドを目標トラックまで移動させる。この時、トラ
ッキング制御部22は、システムコントロール部101
からの制御信号によってトラッキング制御動作を一時中
断させる。また、通常再生時には、トラッキング制御部
22から入力されたトラッキング誤差信号に応じて、シ
ステムコントロール部101はトラバース制御部30を
介してトラバースモータ31を駆動し、再生の進行に沿
って光ヘッドを半径方向に徐々に移動させる。
【0043】記録信号処理部32は、記録時において入
力された記録データに誤り訂正符号等を付加し、符号化
された記録信号としてLD駆動部33に出力する。シス
テムコントロール部101が制御信号によってLD駆動
部33を記録モードに設定すると、LD駆動部33は記
録信号に応じて半導体レーザ11に印可する駆動電流を
変調する。これによって、光ディスク10上に照射され
る光スポットが記録信号に応じて強度変化し、記録ピッ
トが形成される。一方、再生時には、LD駆動部33は
システムコントロール部101からの制御信号によって
再生モードに設定され、半導体レーザ11が一定の強度
で発光するよう駆動電流を制御する。これにより、記録
トラック上の記録ピットやプリピットの検出が可能にな
る。
【0044】第1の波形整形部100の構成及び動作に
ついて図4を用いて説明する。図中、200は第1のA
TT(アッテネータ)、201はDC制御部、202は
AGC(Auto Gain Control)部、2
03は波形等化部、204は信号スライス手段、205
は第1の信号振幅検出部、を示す。
【0045】加算アンプ23から入力された図3(h)
に示す和信号は、第1のATT200で再生レベルを所
定のゲインで調整される。第1のATT200のゲイン
は、システムコントロール部101からのコントロール
信号で設定される。つまり、システムコントロール部1
01は、第1のATT200の出力信号の振幅情報をも
とに第1のATT200の最適設定ゲインを求めるよう
に構成されている。この第1のATT200で設定され
るゲインは、DC制御部201以降の再生信号品質を確
保できる値に設定されている。
【0046】第1のATT200でゲインが調整された
和信号は、DC制御部201に入力され、信号中のDC
成分が除去されることで図3(j)に示す波形になる。
DC制御部201は、後続のAGC202のダイナミッ
クレンジを有効に活用するためのもので、データ再生に
不要なDC成分を取り除く。ただし、セクタ識別情報領
域とユーザ情報領域の境界のようにDC成分が急激に変
化する領域や信号の連続性が失われた領域では、DC制
御部201の出力には大きなサグが発生する。そのた
め、システムコントロール部101から入力される図3
(f)に示すブーストコントロールゲートでDC成分を
取り除くための時定数を小さくし、入力信号のDC変動
に短時間で追従する機能も有している。このブーストコ
ントロールゲートは、システムコントロール部101が
再生差信号処理部19から入力された図3(c)、
(d)の各信号の立ち上がりエッジで示される第1およ
び第2の識別情報領域の開始点、および、セクタ識別情
報領域に含まれるアドレス信号(アドレス再生部27で
再生)から判定した図3(e)で示される信号の立ち上
がりエッジあるいは立ち下がりエッジで示されるユーザ
情報領域の開始/終了点を起点として生成する所定時間
幅のパルスである。また、欠陥等でDCレベルが変動す
るケースでは、欠陥領域が終了した時点を起点としてブ
ーストコントロールゲートを出力することで、欠陥終了
後データが正常検出できるまでのタイムラグを短縮でき
る。
【0047】DC制御部201の出力波形(j)は、A
GC部202で所定の信号振幅に微調整される。このA
GC部202は、入力信号の信号振幅をモニタし、常に
出力信号レベルが所定の振幅となるように自身のゲイン
をコントロールするフィードバック制御系を構成してい
る。そのため、AGC部202からは、入力信号つまり
第1のATT200の出力信号の振幅情報を取り出すこ
とも可能である。
【0048】AGC部202の出力信号は、波形等化部
203で光学系の周波数特性に起因する波形劣化を改善
されたのち信号スライス手段204で図3(k)に示す
ように2値化され、再生信号処理部25に出力される。
信号スライス手段204は、再生エラーが最小となるよ
うに、スライスレベルを最適適応制御する。また、信号
スライス手段204は、DC制御部201と同様にブー
スト機能を有しており、システムコントロール部101
からのブーストコントロールゲートに基づきスライスレ
ベル制御の時定数を小さくし、入力信号の変動に短時間
で追従する。
【0049】第1の信号振幅検出部205は、第1のA
TT200の出力信号の信号振幅を検出し、システムコ
ントロール部101に出力する(図3(i))。システ
ムコントロール部101は、この検出結果を処理し、第
1のATT200のゲインを設定する。
【0050】上述の動作では、チルトの補正は未実施の
ため、再生される信号の品質、つまり、誤り訂正後のデ
ータの信頼性が許容できない場合も想定できる。そのた
め、光ディスク10の装着直後や経時変化で再生データ
の信頼性が損なわれた場合などには、装置の動作マージ
ン確保やデータ再生の高信頼性を図るため、チルトの補
正を行う必要が有る。信号品質については、信号スライ
ス手段204で2値化された再生信号のジッタや後段の
情報再生部28の処理結果として得られるエラー訂正数
(データ誤り率)をシステムコントロール部101が取
り込み、演算またはルックアップテーブルを参照して処
理することで、判断できる。
【0051】本実施の形態では、光ディスクと光ヘッド
との間の相対的な傾きを解消し得るチルト量を判断する
ための指標(以後、第1の指標と称す。)として、図2
に示すフォーカス制御状態下でトラック横断時のトラッ
キング誤差信号(プシュプル信号)の振幅(極大値と極
小値のレベル差)から得るようにしたものである。
【0052】差動アンプ17の出力信号のエンベロープ
は、図5に内部ブロック図を示す第2の波形整形部10
3で検出される。図中、206は第2のATT(アッテ
ネータ)、207は第2の信号振幅検出部である。シス
テムコントロール部101の入出力信号については、第
2のATT206、第2の信号振幅検出部207に関す
るものだけに限定して示している。次に、その動作につ
いて説明する。
【0053】第1の指標の検出は、システムコントロー
ル部101が第2のATT206を制御して、第2の信
号振幅検出部207で振幅検出が高精度にできるように
信号のレベルを調整することからスタートする。システ
ムコントロール部101は、フォーカス制御まで動作し
ている状態で、第2の信号振幅検出部207より出力さ
れる信号振幅検出信号から、ランド部およびグルーブ部
横断時のトラッキング誤差信号の振幅情報をシステムコ
ントロール部内に設けられたADC(Analog t
o Digital Converter)で取り込
み、処理し、処理結果に基づいて第2のATT206の
出力が所定範囲内の信号レベルとなるように第2のAT
T206を制御する。
【0054】第2の信号振幅検出部207は、出力信号
レベルが所定範囲内に調整されたのちの第2のATT2
06の出力からランド部およびグルーブ部横断時のトラ
ッキング誤差信号の振幅情報をシステムコントロール部
101に出力する。システムコントロール部101は、
内部に設けられたADC(Analog to Dig
ital Converter)で前記振幅情報を取り
込み、演算処理することで第1の指標を求める。この第
1の指標は、トラッキング制御オフの状態で検出される
ので、デトラック量に依存することなく、チルト量にの
み依存して変化することになる。また、この指標は、振
幅情報を用いているので、ドリフト等で生ずるDCオフ
セットやゲインバランスズレにより波形の非対称の影響
を受けにくい特徴がある。
【0055】本実施の形態では、振幅の検出に第2のA
TT206および第2の信号振幅検出部207を新規に
追加する必要があるが、本来再生信号からデータを検出
するために装置に備わっている手段であるところの第1
のATT200および第1の信号振幅検出部205と同
一回路で良いので、新規に回路開発をする必要はなく、
装置のコストアップは軽微である。
【0056】このように、光ディスクと光ヘッドとの間
の相対的な傾きをほぼ0にし得るためのチルト量を判断
するための指標は、第2の信号振幅検出部207とシス
テムコントロール部101で求めることができ、チルト
補正手段はシステムコントロール部101とチルト制御
部102で構成される。
【0057】図6(a)は、第2の波形整形部103で
得られた第1の指標であるトラッキング誤差信号振幅
と、ラジアルチルトとの関係を実測してプロットしたも
のである。同図から理解されるように、第1の指標が極
大(ピーク)に近づくようにチルト制御部102をコン
トロールすれば、光ディスクと光ヘッドとの間の相対的
な傾きを0に近づけることができる。この関係はラジア
ルチルトがほぼ0となる点を極値とする負の2次係数を
有する2次関数(凸型)に近似し得る。
【0058】図6(b)は、再生データとデータPLL
で生成される再生データに同期した再生クロックとのデ
ータ/クロック間ジッタを再生クロックの周期で規格化
したものをラジアルチルトに対してプロットしたもので
ある。同図から、第1の指標を極値に近づけるようにチ
ルト制御部をコントロールすると、再生信号のデータ/
クロック間ジッタは極小値に近づくように変化すること
がわかる。このことは、チルト補正に第1の指標を用い
ることが有効であることを意味する。このように、本実
施の形態によるチルト補正では、システムコントロール
部101がチルト制御部102を制御して、この第1の
指標が極大点となるようにチルト量を設定すればよいこ
とになる。
【0059】次に、本発明によるディスク装置のチルト
補正方法を図7をもとに説明する。装置に電源が入り光
ディスク10が装着されると、装置はスタート状態にな
る(ステップ1)。この後、システムコントロール部1
01はドライブ全体のパラメータを初期化する(ステッ
プ2)。そして、フォーカス誤差信号やトラッキング誤
差信号を生成するためのアナログ回路の電気的オフセッ
トを補正する(ステップ3)。次に、光ディスク10を
回転し(ステップ4)、LD11を点灯し(ステップ
5)、フォーカス引き込み動作(ステップ6)に移行す
る。次に、光学系、および、電気回路系のゲインバラン
スを補正(ステップ7)したのち、チルト補正動作に移
行する。
【0060】まず、チルトの指標、ここでは第1の指標
を計測し、その結果をメモリ(記憶手段)に保存する
(ステップ8)。第1の指標の計測が初回の場合には、
システムコントロール部101の指示でチルト制御部1
02をコントロールしてチルト量を変化させた後(ステ
ップ10)、ステップ8に戻り再度第1の指標を計測し
その結果をメモリに保存する。次に前回計測した第1の
指標と今回計測した第1の指標より、計測結果が極値を
含む許容範囲にあるかどうか判定する(ステップ9)。
その結果、許容値内でない場合には、システムコントロ
ール部101の指示でチルト制御部102をコントロー
ルしてチルト量を再度変化させた後(ステップ10)、
ステップ8に戻り、この動作を繰り返す。許容値内であ
れば動作を終了し、トラッキング引き込み動作に入る
(ステップ11)。トラッキングが引き込まれ、データ
の再生準備が整うと、次のコマンドまで待機する(ステ
ップ12)。上記許容範囲は個々のディスクによって異
なってくるため、装置の起動時などにおいて予め求めて
おく必要がある。
【0061】なお、本実施の形態では、チルト補正につ
いて説明しているが、ディスク装置においては、電気的
オフセットや光学系のバランスズレや検出回路のゲイン
バランスによるオフセット及び、デトラックに基づくオ
フセットも存在する。従って、これらのオフセットを正
確に補正するためには、次の3段階の手順を踏む。ま
ず、電気的オフセットや光学系のバランスズレや検出回
路のゲインバランスによるオフセットを補正する。そし
て、デトラック量に依存せず、チルト量にのみ依存して
変化する本発明の指標をもとに、チルトを補正する。そ
の後、デトラックを補正する。
【0062】実施の形態2.図8は、この発明の実施の
形態2である傾き補正装置を備えるディスク装置を示し
た図である。同図において、10は光ディスク、11は
光源である半導体レーザ(LD)、12はコリメートレ
ンズ、13はビームスプリッタ、14は対物レンズ、1
5は光検出器、16はアクチュエータ、17は差動アン
プ、22はトラッキング制御部、23は加算アンプ、2
7はアドレス再生部、28は、情報再生部、30はトラ
バース制御部、31はトラバースモータ、32は記録信
号処理部、33はLD駆動部、34はアクチュエータ駆
動部、であり、従来例で説明したものと同一または同等
の機能を有するものである。なお、光ヘッドは、半導体
レーザ11、コリメートレンズ12、ビームスプリッタ
13、対物レンズ14、光検出器15、アクチュエータ
16を含み、図示せぬヘッドベースに取り付けられてい
る。さらに、35はウォブル検出部、100は第1の波
形整形部、102はチルト制御部、103は第2の波形
整形部103、104はシステムコントロール部であ
る。
【0063】図8に示す装置は、図9にディスク形状を
示すDVD−Rディスク(1回のみ書き込み可能なDV
Dディスク)のように、ランド部とグルーブ部を有し、
さらにグルーブ部およびランド部が所定のキャリア周波
数で蛇行(ウォブル)して配されているディスクからチル
ト量を示す指標を得、チルトを補正する機能を有する。
このウォブルの周波数は、通常、ディスク上に記録され
ているデータのチャンネル周波数の整数分の1、かつ、
トラッキング制御帯域外(高域側)に設定される。これ
により、トラッキング制御部22で制御される光ビーム
は、ウォブルに追従することなく、ウォブル変動の中心
をトレースし、結果として、差動アンプ17の出力から
ウォブル検出信号を得ることが可能になる。ウォブルの
周波数がチャンネル周波数の整数分の1であれば、ウォ
ブル検出信号を使ってディスクの回転制御が可能とな
り、ウォブル検出信号の周波数が所定の値になるように
ディスクの回転を制御する。このようなディスクとして
はDVD−RディスクのほかにもCD−Rディスク(1
回のみ書き込み可能なCDディスク)、CD−RWディ
スク(書き換え可能なCDディスク)があり、それらの
詳細は、(株)トリケップス出版の「DVD技術」およ
び「CD−R/CD−RW技術」に記述されている。図
9に示すDVD−Rディスクの場合、アドレス情報はデ
ィスク製造時にプリピットとしてランド部に形成された
ランドプリピット部として表現されている。またた、C
D−R/CD−RWディスクでは、時間情報がFM(F
requency Modulation)変調してウ
ォブル周波数に重畳されている。かかるディスクもその
反射光を受光した光検知器の差動出力に振幅変動を生じ
させ得る表面構造を有するものであり、本発明を適用可
能である。
【0064】以上の光ディスクをディスク装置で再生す
るときの動作を図8乃至図10に従って説明する。図1
0は、図8の各部の波形を示す。装置が起動されると、
システムコントロール部104は図示しないディスク回
転制御部を介してディスクを所定の回転数で回転させ
る。次に、LD駆動部33は、システムコントロール部
104からの制御信号によって再生モードに設定され、
半導体レーザ11が一定の強度で発光するよう駆動電流
を制御する。半導体レーザ11から出力されたレーザ光
は、コリメートレンズ12によって平行光にされ、ビー
ムスプリッタ13を経て対物レンズ14によって光ディ
スク10上に光スポットとして集光される。面ぶれ等で
生ずるヘッド、ディスク間距離の変動に対しては、図示
しないフォーカス制御部が光検出器15の出力から生成
されるフォーカス誤差信号をもとに対物レンズ14を制
御し、常にレーザ光をディスク上に集光する機能が装置
には備わっている。光ディスク10によって反射された
レーザ光は、記録トラックの情報を持ち、対物レンズ1
4を経てビームスプリッタ13によって光検出器15上
に導かれる。光検出器15は、プシュプル信号を得るた
めに反射光のファーフィールドにおいてディスクのトラ
ック方向の延在方向に2分割された2つの受光部と受光
部に対応した2つのI/V変換部とからなり、受光され
た光ビームの光量分布変化を電気信号に変換し、それぞ
れ差動アンプ17、加算アンプ23に出力する。
【0065】差動アンプ17は、それぞれの入力信号の
差分をとることで図10(a)に示すプシュプル信号を
生成し、トラッキング制御部22、アドレス再生部2
7、ウォブル検出部35および第2の波形整形部103
に出力する。トラッキング制御部22は、差動アンプ1
7の出力信号をLPF(Low Pass Filte
r)で帯域制限して得られるトラッキング誤差信号のレ
ベルに応じてアクチュエータ駆動部34にトラッキング
制御信号を出力し、アクチュエータ駆動部34はこの信
号に応じてアクチュエータ16に駆動電流を流し、対物
レンズ14を記録トラックを横切る方向に位置制御す
る。これにより、光スポットがトラック上をトラッキン
グ制御されつつ走査する。
【0066】ウォブル検出部35は、差動アンプ17の
出力信号からウォブル信号成分を抽出したのち2値化
し、図10(g)に示すウォブル検出信号をシステムコ
ントロール部104に出力する。システムコントロール
部104は、この信号をもとに装置を駆動するための基
準クロックを生成する。このとき、欠陥等でウォブル信
号が正常に検出できないことで基準クロック生成回路が
誤動作することを防止するため、システムコントロール
部104は第2の波形整形部103で検出されるウォブ
ル信号(プシュプル信号)の振幅レベル(図10
(b))を所定のスライスレベル(TH3)でスライス
してウォブル信号欠落領域を検出することで(図10
(l))、検出されたウォブル信号欠落領域においては
基準クロックの生成回路動作を保持(ホールド)するよ
うにすればよい。
【0067】図示しないディスク回転制御部は、この基
準クロックが所定の周波数になるように図示しないスピ
ンドルモータを制御する。ディスクの回転数が所定値に
整定されたのち、データの記録または再生動作に移行す
る。
【0068】はじめに、データ再生時の動作について説
明する。第1の波形整形部100は、光検出器15の出
力信号を加算アンプ23で加算して得られた和信号(図
10(h))に所定の処理を施した後、所定のしきい値
でデータスライスして図10(k)に示すパルス波形を
生成し、情報再生部28へ出力する。情報再生部28
は、システムコントロール部104からの制御信号およ
び基準クロックに基づいて、検出されたパルス波形に同
期したデータ再生クロックを生成し、このデータ再生ク
ロックでディスク上に記録された情報を復調したのちエ
ラー訂正処理し、再生情報信号として出力する。この情
報再生部28でエラー訂正処理を施したときのエラー訂
正情報(例えば、訂正数等)やジッタを解析すれば、デ
ータ誤り率を求めることができる。一般的には、システ
ムコントロール部104が、情報再生部28内に保管さ
れたエラー訂正情報を適宜読みとり、演算処理またはル
ックアップテーブルを利用して、データ誤り率を求めて
いる。
【0069】システムコントロール部104は、再生情
報信号に含まれるデータIDなど再生トラック位置を識
別するための情報をもとに現在光ビームが所望のアドレ
スにあるかどうかを判断する。トラバース制御部30
は、光ヘッド移送時にシステムコントロール部104か
らの制御信号に応じて、トラバースモータ31に駆動電
流を出力し、光ヘッドを目標トラックまで移動させる。
この時、トラッキング制御部22は、システムコントロ
ール部104からの制御信号によってトラッキング制御
動作を一時中断させる。また、通常再生時には、トラッ
キング制御部22から入力されたトラッキング誤差信号
に応じて、システムコントロール部104はトラバース
制御部30を介してトラバースモータ31を駆動し、再
生の進行に沿って光ヘッドを半径方向に徐々に移動させ
る。
【0070】次に、データ記録時の動作について説明す
る。まず、アドレス再生部27が差動アンプ17の出力
信号(図10(a))を所定のスライスレベル(TH
1)でスライスして得られるランドプリピット検出信号
(図10(c))をシステムコントロール部104から
得られる基準クロックで検出し、再生トラック(セク
タ)のアドレスを検出する。このとき、ランドプリピッ
トの検出精度の向上を図るため、システムコントロール
部104がランドプリピット検出ゲートを生成し、この
ゲート内のランドプリピット検出信号のみ用いるように
しても良い。
【0071】記録信号処理部32は、入力された記録デ
ータに誤り訂正符号等を付加したのち記録信号に符号化
し、LD駆動部33に出力する。光ビームがデータ記録
アドレスに到達すると、システムコントロール部104
はLD駆動部33を記録モードに設定し、LD駆動部3
3は記録信号に応じて半導体レーザ11に印可する駆動
電流を変調する。これによって、光ディスク10上に照
射される光スポットが記録信号に応じて強度変化し、記
録ピットが形成される。
【0072】第1の波形整形部100の構成及び動作に
ついて図4を用いて説明する。基本的には、実施の形態
1で説明したのと同様である。加算アンプ23から入力
された図10(h)に示す和信号は、第1のATT20
0で再生レベルを所定のゲインで調整される。第1のA
TT200のゲインは、システムコントロール部104
からのコントロール信号で設定される。つまり、システ
ムコントロール部104は、第1のATT200の出力
信号の振幅情報をもとに第1のATT200の最適設定
ゲインを求めるように構成されている。この第1のAT
T200で設定されるゲインは、DC制御部201以降
の再生信号品質を確保できる値に設定されている。
【0073】第1のATT200でゲインが調整された
和信号は、DC制御部201に入力され、信号中のDC
成分が除去されることで図10(j)に示す波形にな
る。DC制御部201は、後続のAGC202のダイナ
ミックレンジを有効に活用するためのもので、データ再
生に不要なDC成分を取り除く。ただし、ディスクの大
きな欠落領域などで生ずるDC成分が急激に変化する領
域や信号の連続性が失われた領域では、DC制御部20
1の出力には大きなサグが発生する。そのため、システ
ムコントロール部104から入力される図10(f)に
示すブーストコントロールゲートでDC成分を取り除く
ための時定数を小さくし、入力信号のDC変動に短時間
で追従する機能も有している。このブーストコントロー
ルゲートは、システムコントロール部104が第1の波
形整形部100で検出される加算信号の振幅レベル(図
10(i))を所定のスライスレベル(TH4)でスラ
イスして加算信号欠落領域を検出し、検出された加算信
号欠落領域の終了点を起点として所定の時間幅のゲート
を生成することで得られる。
【0074】DC制御部201の出力波形(j)は、A
GC部202で所定の信号振幅に微調整される。このA
GC部202は、入力信号の信号振幅をモニタし、常に
出力信号レベルが所定の振幅となるように自身のゲイン
をコントロールするフィードバック制御系を構成してい
る。AGC部202の出力信号は、波形等化部203で
光学系の周波数特性に起因する波形劣化を改善されたの
ち信号スライス手段204で図10(k)に示すように
2値化され、情報再生部28に出力される。信号スライ
ス手段204は、再生エラーが最小となるように、スラ
イスレベルを最適適応制御する。また、信号スライス手
段204は、DC制御部201と同様にブースト機能を
有しており、システムコントロール部104からのブー
ストコントロールゲートに基づきスライスレベル制御の
時定数を小さくし、入力信号の変動に短時間で追従す
る。
【0075】第1の信号振幅検出部205は、第1のA
TT200の出力信号の信号振幅を検出し、システムコ
ントロール部104に出力する(図10(i))。シス
テムコントロール部104は、この検出結果を処理し、
第1のATT200のゲインを設定するとともに、上述
の加算信号欠落領域を検出する。
【0076】この実施の形態では、光ディスクと光ヘッ
ドとの間の傾きを解消し得るチルト量を判断するための
指標として実施の形態1で説明したのと同様にして得ら
れる第1の指標と、トラッキングのかかった状態におい
て第2の信号振幅検出部207から得られるウォブル信
号の振幅情報を用いる第2の指標を使用する。この第2
指標を用いるのは、第1の指標と第2の指標は、各指標
を検出するための信号の周波数帯域は異なるが、その検
出原理は同一だからである。つまり、前述したように、
光ビームのトレース位置は、正確には(微視的には)ウ
ォブリングされたトラック中心ではなく、ウォブル変動
(振幅)の中心(仮想的なトラック中心)をトレースし
ており、差動アンプ17で検出されるウォブル信号(プ
シュプル信号)は、光ビーム位置とウォブリングされた
トラック中心との誤差を検出していることになり、チル
ト量を判断するための指標として第2の指標が使えるこ
とを意味している。結果、第1の指標の場合と同様、第
2の指標が極値(ピーク)に近づくようにシステムコン
トロール部104がチルト制御部102を介してチルト
をコントロールすれば、光ディスクと光ヘッドとの間の
相対的な傾きを0に近づけることができる。
【0077】第2の指標は、図5に内部ブロック図を示
す第2の波形整形部103で得る。図中、206は第2
のATT(アッテネータ)、207は第2の信号振幅検
出部である。システムコントロール部104の入出力信
号については、第2のATT206、第2の信号振幅検
出部207に関するものだけに限定して示している。次
に、その動作について説明する。
【0078】第2の指標の検出は、システムコントロー
ル部104が第2のATT206を制御して、第2の信
号振幅検出部207で振幅検出が高精度にできるように
信号のレベルを調整することからスタートする。システ
ムコントロール部104は、トラッキングがかかった状
態で、しかも、前述のウォブル信号欠落領域およびラン
ドプリピット領域以外の領域で、第2の信号振幅検出部
207より出力される信号振幅検出信号をシステムコン
トロール部内に設けられたADC(Analog to
Digital Converter)で取り込み、
処理し、処理結果に基づいて第2のATT206の出力
が所定範囲内の信号レベルとなるように第2のATT2
06を制御する。第2のATT206の設定終了後、シ
ステムコントロール部104は、同じく、第2の信号振
幅検出部207より出力されるウォブル信号の振幅レベ
ルを取り込み、演算処理することで第2の指標を求め
る。
【0079】本例では、振幅の検出に第2のATT20
6および第2の信号振幅検出部207を新規に追加する
必要があるが、本来再生信号からデータを検出するため
に装置に備わっている手段であるところの第1のATT
200および第1の信号振幅検出部205と同一回路で
良いので、新規に回路開発をする必要はなく、装置のコ
ストアップは軽微である。
【0080】このように、光ディスクと光ヘッドとの間
の相対的な傾きをほぼ0にし得るためのチルト量を判断
するための第2の指標は、第1の指標同様、第2の信号
振幅検出部207とシステムコントロール部104で求
めることができ、チルト補正手段はシステムコントロー
ル部104とチルト制御部102で構成できる。
【0081】次に、本発明によるディスク装置のチルト
補正方法を図11をもとに説明する。装置に電源が入り
光ディスク10が装着されると、装置はスタート状態に
なる(ステップ1)。この後、システムコントロール部
104はドライブ全体のパラメータを初期化する(ステ
ップ2)。そして、フォーカス誤差信号やトラッキング
誤差信号を生成するためのアナログ回路の電気的オフセ
ットを補正する(ステップ3)。次に光ディスク10を
回転し(ステップ4)、LD11を点灯し(ステップ
5)、フォーカス引き込み動作(ステップ6)に移行す
る。次に光学系、および、電気回路系のゲインバランス
を補正(ステップ7)したのち、トラッキングのかかっ
ていない状態で第1の指標を用いたチルト補正動作に移
行する。
【0082】まず、第1の指標を計測し(ステップ
8)、計測結果が許容範囲かどうか判定する(ステップ
9)。つまり、第1の指標が極値を含んだ許容値の範囲
内であるか否かを判定し、許容値内でない場合には、シ
ステムコントロール部104の指示でチルト制御部10
2をコントロールしてチルト量を変化させた後(ステッ
プ10)、ステップ8に戻り、この動作を繰り返す。許
容値内であれば動作を終了し、トラッキング引き込み動
作に入る(ステップ11)。トラッキングを引き込みデ
ータの再生準備が整うと、第2の指標を用いたチルト補
正動作に移行する。
【0083】まず、第2の指標を計測し、その結果をメ
モリ(記憶手段)に保存する(ステップ13)。第2の
指標の計測が初回の場合には、システムコントロール部
104の指示でチルト制御部102をコントロールして
チルト量を変化させた後(ステップ15)、ステップ1
3に戻り再度第2の指標を計測しその結果をメモリに保
存する。次に前回計測した第2の指標と今回計測した第
2の指標より、計測結果が極値を含む許容範囲にあるか
どうか判定する(ステップ14)。その結果、許容値内
でない場合には、システムコントロール部104の指示
でチルト制御部102をコントロールして再度チルト量
を変化させた後(ステップ15)、ステップ13に戻
り、この動作を繰り返す。許容値内であれば動作を終了
し、次のコマンドまで待機する(ステップ12)。
【0084】第2の指標に基づくチルト補正動作は、セ
クタまたはブロックまたは所定の時間間隔単位に得られ
る第2の指標とそれ以前に得られた第2の指標の大きさ
を比較することによって、チルト補正を行う。この場
合、欠陥などに起因して第2の指標が異常値を示すこと
も想定できる。この影響を除去するため、例えば、補正
ステップ単位の第2の指標の変動幅に所定のしきい値を
設定しておき、得られた第2の指標がこのしきい値を越
えるような場合には、その指標をチルト補正に用いない
ように制御することが考えられる。また、セクタまたは
ブロックまたは所定の時間間隔内で指標を複数回取り込
み、これらの平均値を用いて補正動作を実行することも
できる。
【0085】このように、チルト補正は、システムコン
トロール部104がチルト制御部102を制御してチル
ト量を変化させ、この第1、第2の指標が極値となるチ
ルト量を設定すれば良いことになる。ただし、第1、第
2の指標が極値をとるチルト量が異なる場合にはその中
間値を用いればよい。ここで、チルト補正手段は、シス
テムコントロール部104とチルト制御部102で構成
できる。なお、一般的に、チルト補正のための機構部
は、光ヘッドおよびトラバースモータが載ったメカベー
ス部に取り付けられているが、ここでは詳細説明を省略
する。
【0086】これまでは、ランドおよびグルーブがウォ
ブルされたトラックフォーマットを有するディスクを用
いた場合について説明したが、対象ディスクとしてラン
ドおよびグルーブを有していなくても、情報ピットがス
パイラル状または同心円状に配された情報トラックがウ
ォブルされてなるディスクであれば同等の効果を奏する
ことはいうまでもない。
【0087】実施の形態3.図12は、この発明の他の
実施の形態である傾き補正装置を備えるディスク装置を
示す図である。同図において、10は光ディスク、11
は光源である半導体レーザ(LD)、12はコリメート
レンズ、13はビームスプリッタ、14は対物レンズ、
15は光検出器、16はアクチュエータ、17は差動ア
ンプ、18は差信号波形整形部、19は再生差信号処理
部、20は極性制御部、21は極性反転部、22はトラ
ッキング制御部、23は加算アンプ、25は再生信号処
理部、26は極性情報再生部、27はアドレス再生部、
28は情報再生部、30はトラバース制御部、31はト
ラバースモータ、32は記録信号処理部、33はLD駆
動部、34はアクチュエータ駆動部、であり、従来例で
説明したものと同一または同等の機能を有するものであ
る。なお、光ヘッドは、半導体レーザ11、コリメート
レンズ12、ビームスプリッタ13、対物レンズ14、
光検出器15、アクチュエータ16で構成されており、
ヘッドベースに取り付けられている。35はウォブル検
出部、100は第1の波形整形部、102はチルト制御
部、第2の波形整形部103、105はシステムコント
ロール部である。
【0088】以上のように構成されたディスク装置は、
図13にディスク形状を示すDVD−RAMディスクの
ように、記録トラックがトラック方向にセクタ単位に分
割され、各セクタの先頭にはトラック番号やセクタ番号
等のセクタ識別情報が物理的形状変化もしくは局所的光
学定数変化を生ぜしめるピットとしてプリフォーマット
され、さらに、セクタフォーマットが前記セクタ識別情
報が記録トラックの中心に対して半径方向外周側(ある
いは内周側)に所定距離変位して配置された第1の識別
情報領域と内周側(あるいは外周側)に前記所定距離と
同距離変位して配置された第2の識別情報領域と、前記
セクタ識別情報領域に続きユーザ情報などが前記記録ト
ラックの中心上に記録されたユーザ情報領域と、からな
り、さらに、グルーブ部およびランド部が所定のキャリ
ア周波数で蛇行(ウォブル)して配されているディスクか
らチルト量を示す指標を得、チルトを補正する機能を有
する。つまり、図13のディスクのトラックレイアウト
は、従来例で説明した図15のディスクと前述の図9で
説明したディスクの特徴を合わせ持ったものと考えられ
る。DVD−RAMディスクのフォーマットの詳細につ
いては、日経BP社発行の「日経エレクトロニクス」7
00号および701号に「DVD−RAM規格の全容、
策定者が詳説する(上)および(下)」の記事として説
明がある。この場合にも、光ディスクと光ヘッドとの間
の傾きを解消し得るチルト量を判断するための指標とし
て、実施の形態2の先例と同様、前記第1の指標および
第2の指標を使うことが可能になる。
【0089】以上のように構成された本実施の形態のデ
ィスク装置で図13に示す光ディスクを再生するときの
動作を図12乃至図14に従って説明する。装置が起動
されると、システムコントロール部105は図示しない
ディスク回転制御部を介してディスクを所定の回転数で
回転させる。次に、LD駆動部33は、システムコント
ロール部105からの制御信号によって再生モードに設
定され、半導体レーザ11を一定の強度で発光するよう
駆動電流を制御する。半導体レーザ11から出力された
レーザ光は、コリメートレンズ12によって平行光にさ
れ、ビームスプリッタ13を経て対物レンズ14によっ
て光ディスク10上に光スポットとして集光される。面
ぶれ等で生ずるヘッド、ディスク間距離の変動に対して
は、図示しないフォーカス制御手段が光検出器15の出
力から生成されるフォーカス誤差信号をもとに対物レン
ズ14を制御し、常にレーザ光をディスク上に集光する
機能が装置には備わっている。光ディスク10によって
反射されたレーザ光は、記録トラックの情報を持ち、対
物レンズ14を経てビームスプリッタ13によって光検
出器15上に導かれる。光検出器15は、プシュプル信
号を得るために反射光のファーフィールドにおいてディ
スクのトラック方向の延在方向に2分割された2つの受
光部と受光部に対応した2つのI/V変換部とからな
り、受光された光ビームの光量分布変化を電気信号に変
換し、それぞれ差動アンプ17、加算アンプ23に出力
する。
【0090】差動アンプ17は、それぞれの入力信号の
差分をとることで図2および図14(a)に示すプシュ
プル信号を生成し、差信号波形整形部18、極性反転部
21、ウォブル検出部35および第2の波形整形部10
3に出力する。図2はトラッキング制御は非動作状態下
におけるプシュプル信号を示し、一方、図14はトラッ
キング制御まで動作している状態における図12の各部
の波形を示したものである。
【0091】トラッキングがかかると、差信号波形整形
部18は、差動アンプ17からのアナログ波形のプシュ
プル信号を図14(a)に示す2つの適切なレベル(T
H1、TH2)でスライスして図14(c)および
(d)に示すディジタル値に変換し、この2値化差信号
を再生差信号処理部19に出力する。ここで、波形
(c)は第1の識別情報領域の位置を、また、波形
(d)は第2の識別情報領域の位置を示している。再生
差信号処理部19は、2値化差信号(c)、(d)の出
現タイミングからトラッキング極性を判別し、極性検出
信号を極性制御部20、極性情報再生部26、アドレス
再生部27、情報再生部28、システムコントロール部
105に出力する。また、再生差信号処理部19は、シ
ステムコントロール部105に、図14(c)および
(d)に示すディジタル値も出力する。
【0092】極性制御部20は、再生差信号処理部19
から極性検出信号、システムコントロール部105から
制御信号を受け、極性反転部21に極性設定信号、トラ
ッキング制御部22にディスクの欠陥対策用の制御ホー
ルド信号を出力する。極性反転部21は、極性制御部2
0からの極性設定信号に従って、アクセスしているトラ
ックが例えばランドの場合にのみ差動アンプ17の出力
信号の極性を反転させてトラッキング誤差信号としてト
ラッキング制御部22に出力する(アクセスしているト
ラックがグルーブの場合には極性は反転させない)。ト
ラッキング制御部22は、極性反転部21から入力され
たトラッキング誤差信号のレベルに応じて、アクチュエ
ータ駆動部34にトラッキング制御信号を出力し、アク
チュエータ駆動部34はこの信号に応じてアクチュエー
タ16に駆動電流を流し、対物レンズ14を記録トラッ
クを横切る方向に位置制御する。
【0093】ウォブル検出部35は、ウォブルが存在し
ないセクタ識別情報領域外のユーザ情報領域内で差動ア
ンプ17の出力信号からウォブル信号成分を抽出したの
ち2値化し、図14(g)に示すウォブル検出信号をシ
ステムコントロール部105に出力する。システムコン
トロール部105は、この信号をもとに装置を駆動する
ための基準クロックを生成する。このとき、欠陥等でウ
ォブル信号が正常に検出できないことで基準クロック生
成回路が誤動作することを防止するため、システムコン
トロール部105は第2の波形整形部103で検出され
るウォブル信号(プシュプル信号)の振幅レベルを所定
のスライスレベル(TH3)でスライスしてウォブル信
号欠落領域を検出し、検出されたウォブル信号欠落領域
では基準クロックの生成回路動作を保持するようにすれ
ばよい。この動作については実施の形態2において説明
した通りである。
【0094】図示しないディスク回転制御部は、この基
準クロックが所定の周波数になるように図示しないスピ
ンドルモータを制御する。ディスクの回転数が所定値に
整定されたのち、データの記録または再生動作に移行す
る。
【0095】はじめに、データ再生時の動作について説
明する。第1の波形整形部100は、その構成及び動作
について実施の形態1と同様であるので詳細説明を割愛
するが、光検出器15の出力信号を加算アンプ23で加
算して得られた和信号(図14(h))に所定の処理を
施した後、所定のしきい値でデータスライスして図14
(k)に示すパルス波形を生成し、再生信号処理部25
へ出力する。再生信号処理部25は、システムコントロ
ール部105からの制御信号および基準クロックに基づ
き、検出されたバルス波形に同期したデータ再生クロッ
クを生成し、このデータ再生クロックでディスク上に記
録されたアドレス情報や極性情報を含む識別信号を再生
する。
【0096】極性情報再生部26は、識別信号からセク
タのトラッキング極性を示す極性情報を抽出する。アド
レス再生部27は、識別信号からセクタアドレス情報を
再生する。情報再生部28は、再生信号処理部25から
の2値化和信号からディスク上のユーザ情報領域に記録
されたユーザ情報を復調・エラー訂正処理し、再生情報
信号として出力する。この情報再生部28でエラー訂正
処理を施したときのエラー訂正情報(例えば、訂正数
等)やジッタを解析すれば、データ誤り率を求めること
ができる。一般的には、システムコントロール部105
が、情報再生部28内に保管されたエラー訂正情報を適
宜読みとり、演算処理またはルックアップテーブルを利
用して、データ誤り率を求めている。
【0097】極性情報再生部26から出力される極性情
報とアドレス再生部27から出力されるセクタアドレス
情報はシステムコントロール部105へ送られ、トラッ
キング極性や、トラッキング制御のサンプルホールド状
態の制御に用いられる。このような構成では、トラッキ
ングサーボ系への余分な外乱を遮断するためにセクタ識
別情報領域の直前でトラッキングエラー信号をサンプル
ホールドし、この領域をトラッキング制御動作オフのま
ま慣性で通過させることも可能である。システムコント
ロール部105は、再生差信号処理部19、極性情報再
生部26、アドレス再生部27から識別信号に関する情
報を入力され、極性制御部20、トラバース制御部3
0、LD駆動部33および記録信号処理部32に制御信
号を出力する。
【0098】システムコントロール部105は、アドレ
ス再生部27からのアドレス等を含んだ識別信号に関す
る情報をもとに現在光ビームが所望のアドレスにあるか
どうかを判断する。トラバース制御部30は、光ヘッド
移送時にシステムコントロール部105からの制御信号
に応じて、トラバースモータ31に駆動電流を出力し、
光ヘッドを目標トラックまで移動させる。この時、トラ
ッキング制御部22は、システムコントロール部105
からの制御信号によってトラッキング制御動作を一時中
断させる。また、通常再生時には、トラッキング制御部
22から入力されたトラッキング誤差信号に応じて、シ
ステムコントロール部105はトラバース制御部30を
介してトラバースモータ31を駆動し、再生の進行に沿
って光ヘッドを半径方向に徐々に移動させる。
【0099】次に、データ記録時の動作について説明す
る。記録信号処理部32は、記録時において入力された
記録データに誤り訂正符号等を付加したのち記録信号に
符号化し、LD駆動部33に出力する。光ビームがデー
タ記録セクタに到達すると、システムコントロール部1
05はLD駆動部33を記録モードに設定し、LD駆動
部33は基準クロックに同期した記録信号に応じて半導
体レーザ11に印加する駆動電流を変調する。これによ
って、光ディスク10上に照射される光スポットが記録
信号に応じて強度変化し、記録ピットが形成される。
【0100】上述の動作では、チルトの補正は未実施の
ため、再生される信号の品質、つまり、誤り訂正後のデ
ータの信頼性が許容できない場合も想定できる。そのた
め、光ディスク10の装着直後や経時変化で再生データ
の信頼性が損なわれた場合などには、装置の動作マージ
ン確保やデータ再生の高信頼性を図るため、チルトの補
正を行う必要が有る。信号品質については、信号スライ
ス手段204で2値化された再生信号のジッタや後段の
情報再生部28の処理結果として得られるエラー訂正数
(データ誤り率)をシステムコントロール部105が取
り込み、演算またはルックアップテーブルを参照して処
理することで、判断できる。
【0101】本実施の形態では、光ディスクと光ヘッド
との間の傾きを解消し得るチルト量を判断するための指
標として、実施の形態2と同様に第1の指標および第2
の指標を用いる。
【0102】第1の指標の検出は、システムコントロー
ル部105が第2の波形整形部103を構成する第2の
ATT206を制御して、第2の信号振幅検出部207
で振幅検出が高精度にできるように信号のレベルを調整
することからスタートする。システムコントロール部1
01は、フォーカス制御まで動作している状態(すなわ
ち、トラッキングのかかっていない状態)において、第
2の信号振幅検出部207より出力される信号振幅検出
信号から、ランド部およびグルーブ部横断時のトラッキ
ング誤差信号の振幅情報をシステムコントロール部内に
設けられたADC(Analog to Digita
l Converter)で取り込み、処理し、処理結
果に基づいて第2のATT206の出力が所定範囲内の
信号レベルとなるように第2のATT206を制御す
る。
【0103】第2の信号振幅検出部207は、出力信号
レベルが所定範囲内に調整されたのちの第2のATT2
06の出力からランド部およびグルーブ部横断時のトラ
ッキング誤差信号の振幅情報をシステムコントロール部
105に出力する。システムコントロール部105は、
内部に設けられたADC(Analog to Dig
ital Converter)で前記振幅情報を取り
込み、演算処理することで第1の指標を求める。この第
1の指標は、トラッキング制御オフの状態で検出される
ので、デトラック量に依存することなく、チルト量にの
み依存して変化することになる。
【0104】第2の指標の検出は、第1の指標の検出と
同様、システムコントロール部101が第2のATT2
06を制御して、第2の信号振幅検出部207で振幅検
出が高精度にできるように信号のレベルを調整すること
からスタートする。ただし、第2の指標は、トラッキン
グがかかった状態で、しかも、前述のウォブル信号欠落
領域およびセクタ識別情報領域以外の領域において、第
2の信号振幅検出部207より出力される信号振幅検出
信号をシステムコントロール部内に設けられたADC
(Analog to Digital Conver
ter)で取り込み、処理し、処理結果に基づいて第2
のATT206の出力が所定範囲内の信号レベルとなる
ように第2のATT206を制御する。第2のATT2
06の設定終了後、システムコントロール部105は、
同じく、第2の信号振幅検出部207より出力されるウ
ォブル信号の振幅レベルを取り込み、演算処理すること
で第2の指標を求める。
【0105】光ディスクと光ヘッドとの間の相対的な傾
きをほぼ0にし得るチルト補正は、システムコントロー
ル部105がチルト制御部102を制御してチルト量を
変化させ、この第1および第2の指標が極値となるチル
ト量に設定すれば良いことになる。ただし、第1と第2
の指標が極値をとるチルト量が異なる場合にはその中間
値を用いればよい。ここで、チルト補正手段は、システ
ムコントロール部105とチルト制御部102で構成で
きる。なお、一般的に、チルト補正のための機構部は、
光ヘッドおよびトラバースモータが載ったメカベース部
に取り付けられているが、ここでは詳細説明を省略す
る。
【0106】第2の指標に基づくチルト補正動作は、セ
クタまたは所定の時間間単位に得られる第2の指標とそ
れ以前に得られた第2の指標の大きさを比較することに
よって行う。この場合、欠陥などに起因して第2の指標
が異常値を示すことも想定できる。この影響を除去する
ため、例えば、補正ステップ単位の第2の指標の変動幅
に所定のしきい値を設定しておき、得られた第2の指標
がこのしきい値を越えるような場合には、その指標をチ
ルト補正に用いないように制御することが考えられる。
また、セクタまたは所定の時間間隔内で指標を複数回取
り込み、これらの平均値を用いて補正動作を実行するこ
ともできる。このようにした場合には、セクタまたは所
定の時間間隔単位での第2の指標の変動を除去でき、チ
ルト制御機構の負担も軽減できるという利点がある。
【0107】本実施の形態では、振幅の検出に第2のA
TT206および第2の信号振幅検出部207を新規に
追加する必要があるが、本来再生信号からデータを検出
するために装置に備わっている手段である第1のATT
200および第1の信号振幅検出部205と同一回路で
良いので、新規に回路開発をする必要はなく、装置のコ
ストアップは軽微である。
【0108】本発明によるディスク装置のチルト補正方
法は、実施の形態2の先の実施例で説明した図11の方
法と同一である。
【0109】本実施の形態では、チルト補正について説
明しているが、ディスク装置においては、電気的オフセ
ットや光学系のバランスズレや検出回路のゲインバラン
スによるオフセット及び、デトラックに基づくオフセッ
トも存在する。従って、これらのオフセットを正確に補
正するためには、次の3段階の手順を踏む。まず、電気
的オフセットや光学系のバランスズレや検出回路のゲイ
ンバランスによるオフセットを補正する。そして、デト
ラック量に依存せず、チルト量にのみ依存して変化する
指標をもとに、チルトを補正する。その後、デトラック
を補正する。
【0110】なお、上記実施の形態1〜3で説明した傾
き補正装置は、情報媒体を光ディスクに限定するもので
はなく、光スポットで反射された反射光の光検知器出力
に振幅変動を生じさせるような表面構造を有する情報媒
体、例えば光カード、光テープ等であればいかなるもの
でも同様な結果を奏する。また、上記実施の形態2及び
3によれば、第1の指標と第2の指標の両方を用いてチ
ルト補正をする場合について説明したが、第1の指標を
計測するにはトラッキングが解除された状態において行
う必要があるため、例えば、装置の起動後のコマンド待
機時や、装置を長時間使用する場合における経時的な傾
き発生を修正する場合などにおいてトラッキングのかか
った状態では1度トラッキングを解除する必要がある。
そこで、このような場合には第1の指標による傾き補正
は行わず、第2の指標のみにより傾き補正を行うように
装置を構成することも可能である。この場合には、上述
した図11において、ステップ8〜10が削除されたも
のとなる。
【0111】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。
【0112】この発明に係る傾き補正装置によれば、反
射光の差信号に振幅変動を生じさせ得る表面構造を有す
る情報媒体と該情報媒体に光スポットを形成するヘッド
との間の傾きを補正する装置において、前記光スポット
で反射された光を受光する光検知器から得られる差信号
の振幅情報を指標として、該指標が極値に近づくように
情報媒体とヘッドとの間の相対的な傾きを制御すること
で、チルト補正が行えるので、従来と異なり別途、チル
ト検出のための機構を設けることが不要になるため、装
置のコストアップを抑制することができる。
【0113】また、本発明によるチルト補正のための指
標は、信号の振幅情報であるので、電気的オフセットあ
るいは、光学的オフセット等で生じるDC変動の影響を
受けず、また、デトラック補正による影響をほとんど受
けない。よって、チルト補正とともにデトラック補正を
行うような場合でも、これを考慮することなく容易にチ
ルト補正のみを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるディスク装置
のブロック図である。
【図2】 トラッキング誤差信号を説明する図である。
【図3】 この発明の実施の形態1であるディスク装置
を構成する各ブロックからの出力波形を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1〜3であるディスク
装置を構成する第1の波形整形部のブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態1〜3であるディスク
装置を構成する第2の波形整形部のブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態1〜3における第1の
指標とチルト量との関係を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態1であるディスク装置
の動作フロー図である。
【図8】 この発明の実施の形態2であるディスク装置
のブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態2であるディスク装置
にかかる光ディスクのトラックレイアウトを示す図であ
る。
【図10】 この発明の実施の形態2であるディスク装
置を構成する各ブロックからの出力波形を示す図であ
る。
【図11】 この発明の実施の形態2であるディスク装
置の動作フロー図である。
【図12】 この発明の実施の形態3であるディスク装
置のブロック図である。
【図13】 この発明の実施の形態3であるディスク装
置にかかる光ディスクのトラックレイアウトを示す図で
ある。
【図14】 この発明の実施の形態3であるディスク装
置を構成する各ブロックからの出力波形を示す図であ
る。
【図15】 従来の光ディスクのトラックレイアウトを
示す図である。
【図16】 従来のディスク装置のブロック図である。
【符号の説明】
10 光ディスク、11 半導体レーザ、12 コリメ
ートレンズ、13 ビームスプリッタ、14 対物レン
ズ、15 光検出器、16 アクチュエータ、17 差
動アンプ、18 差信号波形整形部、19 再生差信号
処理部、20極性制御部、21 極性反転部、22 ト
ラッキング制御部、23 加算アンプ、24 和信号波
形整形部、25 再生信号処理部、26 極性情報再生
部、27 アドレス再生部、28 情報再生部、29
システムコントロール部、30トラバース制御部、31
トラバースモータ、32 記録信号処理部、33レー
ザ(LD)駆動部、34 アクチュエータ駆動部、35
ウォブル検出部、100 第1の波形整形部、101
システムコントロール部、102 チルト制御部、1
03 第2の波形整形部、104 システムコントロー
ル部、105システムコントロール部、200 第1の
ATT、201 DC制御部、202 AGC部、20
3 波形等化部、204 信号スライス手段、205
第1の信号振幅検出部、206 第2のATT、207
第2の信号振幅検出部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射光の差信号に振幅変動を生じさせ得
    る表面構造を有する情報媒体と該情報媒体に光スポット
    を形成するヘッドとの間の傾きを補正する傾き補正装置
    において、 前記光スポットで反射された光を受光する光検知器と、 前記光検知器の出力の差信号を求める手段と、 求めた差信号の振幅を指標として、該指標が極値に近づ
    くように前記情報媒体とヘッドとの間の相対的な傾きを
    制御する傾き制御手段とを備えたことを特徴とする傾き
    補正装置。
  2. 【請求項2】 前記情報媒体は、スパイラル状または同
    心円状に情報トラックが形成されたディスクであり、前
    記傾き制御手段は、該ディスク上の光スポットが情報ト
    ラックを横切る際の前記光検知器の差信号の振幅を指標
    として、該指標が極値に近づくように前記ディスクとヘ
    ッドとの間の相対的な傾きを制御することを特徴とする
    請求項1記載の傾き補正装置。
  3. 【請求項3】 前記情報媒体は、スパイラル状または同
    心円状に情報トラックが配され、かつ、該情報トラック
    が蛇行して形成されたディスクであり、前記傾き制御手
    段は、該ディスク上の光スポットが前記情報トラックを
    トレースしている際の前記光検知器の差信号の振幅を指
    標として、該指標が極値に近づくように前記ディスクと
    ヘッドとの間の相対的な傾きを制御することを特徴とす
    る請求項1記載の傾き補正装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7522486B2 (en) 2005-02-24 2009-04-21 Funai Electric Co., Ltd. Optical disc apparatus
US7796478B2 (en) 2006-12-04 2010-09-14 Funai Electric Co., Ltd. Optical disk apparatus

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