JP2000308478A - 解凍方法とその装置 - Google Patents

解凍方法とその装置

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JP2000308478A
JP2000308478A JP11119095A JP11909599A JP2000308478A JP 2000308478 A JP2000308478 A JP 2000308478A JP 11119095 A JP11119095 A JP 11119095A JP 11909599 A JP11909599 A JP 11909599A JP 2000308478 A JP2000308478 A JP 2000308478A
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    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/6447Method of operation or details of the microwave heating apparatus related to the use of detectors or sensors
    • H05B6/6467Method of operation or details of the microwave heating apparatus related to the use of detectors or sensors using detectors with R.F. transmitters

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】凍結物の形状や温度にかかわらず、凍結物から
のドリップの流出が無く、凍結物の酸化が少なく、凍結
物の表層部と内部との温度差の少ない高品質な解凍を短
時間で行う方法と装置を提供する。 【解決手段】減圧下で槽内の凍結物にマイクロ波加熱を
行って解凍を行う方法であって、減圧を進めながらマイ
クロ波加熱を行う工程で凍結物が昇温してドリップ状の
液が出る状態になる前に、マイクロ波による放電を減圧
槽内の放電発生部により発生させてマイクロ波加熱を停
止させ、その状態でさらに減圧を進め、凍結物に昇華が
起こり得る減圧度以上の減圧度へ減圧し、その後にマイ
クロ波加熱の再開が可能な所定の減圧度まで復圧し、再
度減圧を進めながら適正な出力のマイクロ波加熱を行
い、再度、凍結物が昇温してドリップ状の液が出る状態
になる前に、前記放電発生部により放電を発生させてマ
イクロ波加熱を停止するという工程を繰り返すものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドリップを出さな
いで凍結物の解凍を行う解凍技術であり、したがって凍
結物の品質を損なわない解凍技術である。昨今の冷凍技
術の進歩に伴い、冷凍保存の有用性が改めて認められつ
つある昨今ではあるが、それに伴った解凍技術の進展は
長きにわたって実現されなかった。しかるに本発明で
は、減圧下における小さなマイクロ波エネルギーで、ご
く短時間の内に凍結物の高品質な解凍を行うことを実現
したものである。
【0002】このことより、産業上の利用分野は、ユー
ザーとしては食品業界、製薬業界、化粧品業界、あるい
は、牧畜業界、水産業界等の各種分野に適用でき、また
装置メーカーとしては、機械業界、家電業界等の極めて
広い産業分野にわたる。
【0003】
【従来の技術】従来のマイクロ波加熱と減圧を用いる凍
結物の解凍方法では、解凍時の品温が高くならないよう
に25torr等の一定の減圧度にしてからマイクロ波
加熱を行い、減圧度が緩んだことをもって解凍の進行レ
ベルを認知する方法があった。
【0004】電子レンジにおける凍結物の解凍では、マ
イクロ波を間欠照射する方法が一般的であった。
【0005】また、大気中において凍結物をコンベアで
搬送しながら、まんべんなくマイクロ波を照射して、0
℃に近いマイナス温度で解凍を終了するというマイクロ
波を用いたテンパリング技術があった。
【0006】畜肉販売業では、−40℃の冷凍肉を解凍
するために、冷蔵庫に移動して2日ほど放置するという
方法がとられていた。
【0007】また、マグロ等の高級魚肉販売業では、−
60℃の冷凍マグロを40℃程度の温塩水に浸して解凍
するという方法がとられていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のマイクロ波加熱
と減圧を利用して凍結物を解凍する解凍技術、および電
子レンジにおける解凍技術ではいずれも若干のドリップ
を流出させてしまう。一旦、凍結物からドリップが流出
すれば、マイクロ波はそこに集中し、解凍が進まなくな
ると同時に、凍結物からドリップが出ているにもかかわ
らず凍結物の内部温度が−10℃であったり、凍結物表
層部のドリップ発生部分を過加熱してしまったり、ひい
ては、凍結物の品質を著しく低下させるという結果を招
いていた。
【0009】大気中のマイクロ波を用いたテンパリング
技術では凍結物の温度を0℃より若干のマイナス温度に
とどめるので、マイクロ波の凍結物に対する厳密な均一
照射を実現できれば、他のマイクロ波を用いた解凍技術
と比較して、上記のような不都合が発生することは少な
い。しかしながら凍結物の形状が定まらないかぎり均一
照射は困難であり、同時に、様々な形状の凍結物に対す
るマイクロ波の照射時間を的確に設定することも困難で
あった。したがって、−1℃とか−2℃等の高い温度に
凍結物を解凍する際には往々にしてドリップの発生が見
られた。
【0010】一方、冷蔵庫に移動して時間をかけて凍結
物を解凍する方法でも、温塩水に浸して凍結物を解凍す
る方法のいずれにおいても、凍結物からのドリップの流
出は避けられず、品質低下を招いてしまっているのが現
状であった。
【0011】本発明は、凍結物の形状や温度にかかわら
ずに、凍結物からのドリップの流出が無く、凍結物の酸
化がごく少なく、しかも凍結物の表層部と内部との温度
差の少ない高品質な解凍を短時間で行う方法と装置を提
供し、従来の凍結物の解凍技術による不具合を解決し、
かつ従来よりも高品質な解凍品を得るようにしたもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】マイクロ波加熱において
常に伴う課題は、適正なマイクロ波加熱の停止時間を知
ることである。当該発明の開発は、減圧槽内に凍結物を
セットし、減圧を進めながら凍結物にマイクロ波加熱を
行っていく際に発生する、マイクロ波による放電のメカ
ニズムをつぶさに観察した結果、凍結物の解凍プロセス
においては、減圧下のマイクロ波による放電を合図とす
れば、常に適正なマイクロ波加熱の停止が行われるとい
うことを発見したことからスタートしている。
【0013】すなわち、減圧下において、凍結物の重量
に対して過大でない適正なマイクロ波出力が選択されて
いれば、マイクロ波による放電が発生した時が、適正に
マイクロ波加熱を停止することができる時間であること
を確認した。したがって、減圧下におけるマイクロ波に
よる放電を検知し、放電検知直後にマイクロ波の発振を
停止すれば、ドリップの発生しない凍結物の解凍を実現
することができる。そして、放電を常に的確に発生させ
るために鋭角部分を有する金属部品を装備した放電発生
部を減圧槽内部に装備して、その鋭角部分で常に適正に
放電を発生させる機構とした。
【0014】また、解凍時に凍結物からドリップが発生
する要因の一つとして、解凍プロセス中に生じてくる凍
結物内部と凍結物表層部との温度差がある。マイクロ波
の入射時において凍結物の表層部は内部よりもマイクロ
波加熱を多く受けるのであるから、表層部の温度は内部
の温度よりも必ず高くなる。そしてマイクロ波は凍結物
の表層部から入射するのであるから、凍結物の表層部は
凍結状態から水分を含む溶融状態に変換されるリスクを
常に負っていると考えなくてはならない。これを解決す
る手段としては、凍結物内部と凍結物表層部との温度を
極力接近させればよい。そのための手段として、品質に
影響のでないレベルの微量の昇華を凍結物表層部に発生
させれば、該凍結物表層部の温度を昇華潜熱より低下さ
せることができる。このプロセスを繰り返すことで凍結
物内部と凍結物表層部との温度差を徐々に小さくしてい
くことができる。
【0015】請求項1の減圧工程と復圧工程を複数回行
ってマイクロ波の加熱と停止を交互に繰り返して凍結物
の解凍を行う工程がこれに該当するのであるが、各回の
減圧工程を的確な時点で終了するための制御手段とし
て、連続で所定時間ごとの減圧度変化量を検知し、所定
の減圧度変化量に到達したことをもって各回の減圧工程
を終了し復圧工程に移行していくという手段を発明し
た。仮に減圧ポンプにクリアランス誤差が存在しなく、
かつ凍結物からの昇華が存在しないのであれば、所定の
減圧度に到達した時点をもって各回の減圧工程を終了す
ればよいのであるが、クリアランス誤差の無い減圧ポン
プは存在しないのであるし、また凍結物からの昇華の発
生量によって到達する減圧度は変化するのであるから、
所定の減圧度に到達したことを根拠にして制御したので
は制御精度は全く期待できない。本発明の制御であれ
ば、設定する所定時間あるいは減圧度変化量のレベルに
よって定率的に各回の減圧工程の終了時点を測定できる
ので、減圧ポンプのクリアランス誤差や昇華量の大小に
とらわれずに精度の高い制御を得ることができる。
【0016】いずれにしても、減圧槽内部を凍結物から
昇華が起こる減圧度以上の減圧度に到達させ得る減圧ポ
ンプは必須である。
【0017】解凍の終了を判断するための手段として、
やはり解凍物からの昇華による減圧度変化あるいは凍結
物の重量変化を測定する方法を発明した。
【0018】次に、凍結物からドリップの発生の可能性
のある部位として、凍結物と凍結物を支える治具の接触
部分が考えられる。なぜならば、治具がマイクロ波によ
って加熱される物質であった場合にはその加熱された熱
が凍結物に伝導してドリップ発生の原因となる。したが
って、治具を形成する素材を、マイクロ波の透過性の高
い材料かあるいは反射性の高い材料で形成して、マイク
ロ波による加熱を極力受けないようにする。
【0019】一方、仮に治具がマイクロ波の透過性の高
い材料かあるいは反射性の高い材料で形成されており、
マイクロ波からの加熱を受けにくい場合であっても、治
具がもともと有する温度を減圧槽内部の気体の温度と近
似であると考えれば、凍結物との接触部分には治具から
凍結物への熱伝導が起こり接触部分における凍結物の温
度を上昇させてしまうものと考えなければならない。接
触部分の面積が大きければそれだけマイクロ波加熱の進
展に伴って氷が水化する可能性が高まるので、これを排
除するための手段として、凍結物と治具との接触部分の
面積を極力微少にすればよい。これを実現するために、
凍結物を治具の上に置いて解凍する場合には、凍結物と
治具の接点を少なくするために該治具の凍結物と接触す
る部分を棒状、格子状、突起状、多孔状等とし、また凍
結物を治具から吊るして解凍する場合には、凍結物と治
具の接点を少なくするために該治具の凍結物と接触する
部分をひも状、網状、フック状等とする。
【0020】なお、凍結物を置いて解凍する場合でも凍
結物を吊るして解凍する場合でも、マイクロ波加熱を均
一に行うことが可能であるならば、治具を固定させても
回転させてもよい。
【0021】また、凍結物の重量に対して過大なマイク
ロ波出力が使用されている場合においては、凍結物表層
部の突起物等の一部にマイクロ波が集中し過加熱が行わ
れ、その一部に水化が発生する場合がある。これを防止
する手段として、凍結物の重量によってマイクロ波出力
を段階的に、あるいは無段階的に選択できる回路を有す
るマイクロ波発振器を採用する。
【0022】また、凍結物の種類によっては、例えば薬
品類等のより精度の高い解凍温度管理を要求されるもの
があり、この場合には光ファイバー温度計による厳密な
温度管理を行えばよい。
【0023】また、減圧度調整弁を減圧槽と減圧ポンプ
の中間位置に備え、これに所定流量の大気を送り込め
ば、流入した大気は減圧ポンプ側に向かうので減圧槽に
は大気を入れずに減圧度調整ができる。したがって、無
酸素下での酸化のごく少ない高品質な解凍を実現するこ
とができる。
【0024】
【作用】凍結物へのマイクロ波加熱の有用性について述
べる。氷とマイクロ波との関係として、氷は水と比較し
てマイクロ波の損失係数が非常に低いのではあるが、少
なくとも氷はマイクロ波の透過体ではないこと、そして
マイクロ波の半減深度が非常に深いことにより、一旦入
射されたマイクロ波は極めて効率的に熱化され凍結物の
温度を迅速に上昇させることができる。むしろ凍結物は
一旦入射さえ行われれば、マイクロ波が極めて効率的に
作用できる物質であること、すなわち水等の他の損失係
数の高い物質が存在しないかぎりは、氷へのマイクロ波
加熱は極めて効率的に行われ得ることを実験観察によっ
て確認している。また、逆に減圧槽内にわずかでも水が
存在すればマイクロ波は水への加熱に集中するので、氷
への加熱はほとんど行われなくなり、解凍は停止されて
しまう。このことから、凍結物からドリップを出さない
ことが解凍工程には必須の条件であるということが言え
るのである。
【0025】これらのことを確認するため、まず水と氷
に対するマイクロ波の入射の様子を比較した。一定質量
の水を含む物質へのマイクロ波加熱と同物質で同質量の
氷を含む凍結物へのマイクロ波加熱を別々に行い反射波
の量を比較したところ、水を含む物質へのマイクロ波加
熱における反射波は、凍結物へのマイクロ波加熱におけ
る反射波の30%程度にしかすぎなかった。各々のマイ
クロ波損失係数を比較すれば当然のことで、氷に対する
よりも水に対してマイクロ波は多く入射できる。しかし
ながら温度上昇を比較したところ、あきらかに逆転現象
が見られる。同じ減圧度、同じマイクロ波出力で氷の温
度上昇の方が水の温度上昇よりも速いのである。このこ
とは、氷の比熱が水の比熱の50%程度であることと、
氷のマイクロ波半減深度が、例えば2450MHzのマ
イクロ波における氷(−12℃)の場合は780cmも
あることに起因している。これらのことから、実験結果
として、氷へのマイクロ波加熱の特性としては、水の場
合と比較して、氷のマイクロ波損失係数からマイクロ波
は氷に入射できる量は少ないのであるが、一旦入射する
とその半減深度の大きさから極めて効率的に加熱でき
る。
【0026】次ぎに、凍結物からドリップを流出させて
はいけないということを確認するために、減圧槽内に凍
結物と水を含んだ小さなスポンジを併設し、凍結物には
光ファイバー温度計のセンサーを挿入して加熱を行っ
た。結果、凍結物の温度上昇は極めてわずかであり解凍
は不可能であった。次いで、水を含んだスポンジを取り
除き加熱したところ、極めてスムースに温度上昇が起こ
った。これらのことより、凍結物からのドリップがわず
かでも流出した場合は、解凍が困難になるということを
確認した。
【0027】次ぎに減圧下でマイクロ波加熱を行って解
凍を行うことの効用であるが、まず大気圧におけるより
も凍結物の比熱が小さくなるので、小さなマイクロ波エ
ネルギーで極めて迅速に凍結物の温度を上昇させること
ができ大変効率的である。例えば、大気圧においては1
0kg程度の凍結物を解凍するためのマイクロ波エネル
ギーは3kw程度必要であるものと考えられるが、当該
技術の減圧度レベルにおいては、1kw以下を必要とす
るにすぎないことが判明している。また、ほぼ無酸素状
態での解凍となるので、凍結物に酸化が発生しないこと
から非常に品質の高い解凍物を得ることができる。
【0028】次ぎにマイクロ波による放電を検知してマ
イクロ波加熱を停止する制御について述べる。一般論と
して、減圧下においては、マイクロ波が容易に作用でき
得る物質が少ないかあるいは存在しない場合には、減圧
度の上昇とともに放電が極めて生じやすくなる。そし
て、前述のごとくに、マイクロ波は氷に対して極めて効
率的に作用するので、水が存在しなくても、マイクロ波
が凍結物に十分入射している間は放電は発生しない。一
方、凍結物の温度変化とマイクロ波による放電との関係
を観察していくと、減圧とマイクロ波加熱による解凍を
進めていき、氷の温度が上昇してくると、マイクロ波の
反射波が増加してくることが観察された。これはマイク
ロ波の凍結物に入射しない量が増加してきていることを
示す。この状況がしばらく続いた後にマイクロ波による
放電が発生する。したがって、凍結物に入射しないマイ
クロ波が凍結物の温度上昇とともに増加し、いわばこの
余剰のマイクロ波が一定量以上になった時に放電してい
ることを確認した。そしてまた、凍結物に適正な出力の
マイクロ波加熱が行われているかぎりは、凍結物が昇温
してドリップ状の液が出る状態になる前にマイクロ波に
よる放電が必ず起こるという現象も確認した。このこと
は、凍結物に適正な出力のマイクロ波加熱が行われてい
れば、凍結物からドリップが発生する前にマイクロ波に
よる放電が起きることを示しており、極めて安全で精度
の高いマイクロ波加熱を可能にした。
【0029】さらに、マイクロ波が氷に対して効率的に
加熱を行うということと、凍結物の温度が上昇してきて
余剰となったマイクロ波が必ず放電を起こすということ
確認するための実験として、凍結物をマイクロ波の透過
性樹脂で厳重に包装して凍結物へのマイクロ入射レベル
と放電後の凍結物の状態を調査した。かつては全く想定
できなかったことであるが、水分が無くとも、マイクロ
波は出力によっては減圧度が2torr台になっても氷
に対して入射可能であった。また、あるレベルの温度上
昇が行われた後には必ず放電を起こしており、また放電
直後の凍結物の状態を調査したところ、過大なマイクロ
波が入射されていない限りは、ドリップの発生は一切観
測されなかった。これは、当該技術の制御によるところ
の、複数回のマイクロ波加熱、すなわち複数回のマイク
ロ波による放電後の調査によっても同様の結果を得てい
る。このことは、過大なマイクロ波加熱が行われていな
い限りは、水分が無いのであるから、氷の温度が上昇し
て発生した余剰なマイクロ波によって、凍結物からのド
リップが発生する前に放電が引き起こされるということ
を示している。
【0030】これれのことは、既知であるところの、減
圧乾燥技術における10から20torrの減圧下にお
いても水という誘電体が十分に存在すれば放電は起きな
い、一方放電が起きたということは水分が相当に減少し
たということを示す、という減圧と水とマイクロ波によ
る放電との関係とは次元の異なる事象である。すなわ
ち、解凍の場合には、例えばマイクロ波の出力を1kw
とした場合、減圧の2torr台といった比較的高い減
圧度域においてでも、マイクロ波の入射が可能な低い温
度の凍結物が存在しさえすればマイクロ波による放電は
しばらく起こらない、一方凍結物の温度が高くなり、マ
イクロ波に余剰が発生した場合は10から40torr
域であっても1kwのマイクロ波出力で相当敏感に放電
を起こすということなのであって、これらは減圧乾燥技
術における減圧と水とマイクロ波による放電との関係と
は異なる。したがって、減圧乾燥技術におけるマイクロ
波による放電検知と当該解凍技術におけるマイクロ波に
よる放電検知とは、次元も手段も現象も全く異なる。
【0031】減圧と氷とマイクロ波による放電との関係
は全く未知のものであったが、その放電を根拠にしてマ
イクロ波加熱を停止することの適正さを発見し、実験を
重ねることで十分な確認を得ることができた。
【0032】この減圧と氷とマイクロ波による放電との
関係の発見は、解凍制御を著しく向上させるものであ
り、凍結物の種類や形状や温度のいかんにかかわらず、
信頼性及び精度とも非常に高いという優位性をもって、
極めて高品質な解凍を短時間で実現することができる。
【0033】このマイクロ波による放電を安定的に発生
させるために、図1の13のように減圧槽内部に単数ま
たは複数の鋭角な部分を有する金属部品を凍結物へのマ
イクロ波照射の障害にならない位置に装備して、該鋭角
部分のみで放電を発生させることとした。この鋭角部分
は減圧槽内部において、最も鋭角な金属部分となる。そ
してこの放電を検知した直後に図1の8の検知器からマ
イクロ波発振器に接続してマイクロ波を停止させる。放
電の検知方法は紫外線検知や放電音検知等、様々な方法
が考えられるで放電の検知方法には拘束されない。
【0034】また、単数または複数の鋭角な部分を有す
る金属部品を装備した放電発生部は、針状の先端を有す
る金属部品であっても、先端がギザギザな金属部品であ
っても、あるいはマイクロ波の攪拌を行うためのスター
ラー等の先端部分を研ぎ出してもよい。かく形状や設定
位置等は様々考えられるが、凍結物へのマイクロ波加熱
の障害にならないということが条件である。
【0035】次に、減圧ポンプの必要減圧能力について
述べる。解凍プロセス中の凍結物の温度は一般的には内
部よりも表層部の方が高くなる。このことが、ドリップ
を発生させてしまう可能性のひとつとして考えられ、ま
た例えば表層部が−1℃であるにもかかわらず、内部温
度は−8℃もあるという不具合を生み出す原因となる。
そこで、減圧ポンプの減圧到達能力を、例えば4tor
r以上とし、この減圧度以上に到達させることで凍結物
の表層部に品質に影響しない程度の昇華を発生させ、表
層部の温度を昇華潜熱によって低下せしめることができ
る。このプロセスを繰り返せば凍結物の内部と表層部の
温度差は確実に縮めることができる。当該プロセスを図
2のごとくに繰り返していけば、内部と表層部に温度差
のほとんど無い良好な解凍結果を得ることができる。ま
た、凍結物の表面の乾燥が許容される凍結物に関して
は、昇華の発生し得る減圧度に所定の時間とどめ置くこ
とで、例えば内部温度が−1℃で表層部温度が−2℃と
いった、内部の温度よりも表層部の温度を低く仕上げる
こともできる。したがって、減圧ポンプの減圧能力を、
凍結物みずからの昇華により凍結物の温度を低下させ得
る減圧度以上への到達能力とすることが必要であり重要
である。
【0036】かく、請求項1のごとくに減圧工程と復圧
工程を複数回行ってマイクロ波の加熱と停止を交互に繰
り返して凍結物の解凍を行うのであるが、凍結物の内部
と表層部の温度を近似せしめ、同時に凍結物の表面を乾
燥させすぎないためには、常に一定の判断基準を設け、
各回の減圧工程を終了する必要がある。減圧ポンプはそ
のクリアランスに誤差があるので常に一定の減圧度に到
達できるとは限らないという問題があるし、また凍結物
からの昇華の発生量の大小によって到達できる減圧度は
変化するという問題がある。これらの問題を解決するの
が、連続で所定時間ごとの減圧度変化量を測定し、所定
の減圧度変化量に到達したことをもって判断するという
手法である。この方法で行えば、減圧度変化量は昇華蒸
気量の大小によって変化するのであるから、減圧度の値
のいかんにかかわらずに、昇華蒸気量の大小を知ること
ができる。同様に、ポンプのクリアランス等によって生
ずる減圧度誤差にかかわらず、昇華の発生量を、計測す
る所定時間あるいは所定の減圧度変化量によって定率的
にとらえることができる。例えば、図3のように、所定
時間を30秒、所定の減圧度変化量を0.1torrと
した場合、現在と30秒前の減圧度を連続で測定してい
き、減圧度変化量が0.1torrに到達した時間をも
って当該減圧工程を停止すればよい。仮に、所定時間を
15秒にすれば、30秒に設定した時よりも減圧度変化
量が0.1torrに到達するのには時間を要しないの
で、昇華蒸気量は少なくなる。したがって、過度な表面
乾燥も設定数値によって防ぐことができる。なお、当該
制御によるところの減圧度変化量に到達してもマイクロ
波による放電が発生しないことも起こり得るが、この場
合には、当該制御を優先させ、所定の減圧度変化量に到
達した時点で強制的にマイクロ波加熱を停止させればよ
い。
【0037】次ぎに解凍を終了するための制御のひとつ
として、凍結物からの昇華によって起こる減圧度変化を
利用する制御について述べる。凍結物からの昇華が発生
し得る一定の減圧度域においては、凍結物の温度が高く
なればなるほど凍結物からの昇華量が増大するので減圧
度が高くなることを防げる。したがって、解凍初期の凍
結物の温度が低い時点においては凍結物からの昇華発生
量が少なく減圧度は高い減圧度域まで到達するが、解凍
が進み凍結物の温度が高くなるにしたがって凍結物から
の昇華発生量が増大し、到達する減圧度は低くなる。図
4において各回の減圧工程における到達減圧度の例を示
しているが、解凍初期には図4におけるcのごとくのチ
ャートを描くが、解凍が進み凍結物の温度が高くなるに
したがって、bからaのごときのチャートを描くように
なる。これらの各回の減圧工程において到達する減圧度
の差を比較して所定の減圧度差に到達した回をもって解
凍を終了すれば、安定した解凍終了温度を確保すること
ができる。請求項6は各回の減圧工程終了時点での到達
減圧度の比較を行う方法であり、請求項8は一定減圧度
からの一定時間における到達減圧度の比較を行う方法で
ある。
【0038】また、解凍を終了するための制御の別の方
法として、凍結物の昇華による重量軽減化を測定する方
法について述べる。図5に各回の減圧工程で凍結物の重
量が小さくなっていく様子を示しているが、昇華が繰り
返されるたびにわずかづつ凍結物の重量は小さくなって
いく。多数回の実験の結果によれば、当該発明では解凍
初期重量との比較で解凍後の重量ロス率を約0.8%以
内に収めることに成功しており、この数値を基本とし
て、解凍初期の重量と各回の減圧工程終了時点との重量
比較を行い所定の重量変化量に到達したことをもって解
凍を終了することができる。なお、重量測定の方法には
ロードセル等の装置全体を計量していく方法等の様々な
方法が考えられるので、重量測定の方法には拘束されな
い。
【0039】次ぎに、凍結物を支持する治具について述
べる。まず第一に治具がマイクロ波によって加熱されて
はならない。治具が加熱された場合には、凍結物との接
点において必ずドリップが発生することとなるからであ
る。したがって治具の素材としては、マイクロ波透過性
の高い、フッ素樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂や先般米国FDAにて食品使用に認可されたピ
ーク樹脂等の樹脂やマイクロ波透過性の高いセラミクス
かあるいは反射性の高いステンレス等の金属が選定され
る。
【0040】さらに、治具の素材がマイクロ波の透過性
の高い材料かあるいは反射性の高い材料で形成されてい
たとしても、凍結物と同様に冷却されていない限りは、
少なくとも減圧槽内部の気体温度と近似の温度は有して
いるものと考えなくてはならない。この際に、凍結物と
治具との接点が大きければ大きいほど熱伝導が起こるこ
ととなり、凍結物の治具との接点のみが高温化してしま
うので、該接点にドリップを発生させる可能性が高ま
る。これを防止する方法としては、冷凍物と治具との接
触部分を極力小さくして、熱伝導が起こることを防止す
る必要がある。そのために、凍結物を治具の上に置いて
解凍する場合には、図6(1)の(a)〜(d)のごと
くに凍結物と治具が接する部分の形状を、細い格子状に
するか、細い線状にするか、あるいは点状にすればよ
い。その形状は様々考えられるが、理想としては、点状
の接点の数点で冷凍物を支える方法がよい。また、凍結
物を治具から吊るして解凍する場合には、図6(2)の
(e)〜(g)のごとくに凍結物と治具が接する部分の
形状をひも状、網状、フック状等とすればよい。
【0041】なお、凍結物を治具に置いて解凍する場合
でも治具から吊るして解凍する場合でも、マイクロ波に
よる均一な加熱が行われるのであれば、治具そのものを
固定にしても回転させてもどちらでもよい。
【0042】次に減圧度および減圧度変化量の測定単位
であるが、当該発明では10−1torrの単位以下を
採用しているが、これを1torrの単位にしたのでは
制御精度は実現されない。ことに解凍の終了を知るため
の、微量な昇華量による減圧度変化を検知するために
は、10−1torr以下の単位測定が必須である。1
torr単位のラフな測定では正確に昇華の発生量をと
らえることができないので、凍結物の表面を必要以上に
乾燥させてしまうといった不具合が生ずるからである。
【0043】また、薬品等の解凍仕上げ温度を厳密に要
求されるような凍結物に対しては、光ファイバー温度計
を用いて凍結物の温度を直接計測することが望まれる。
ただし、計測する位置が全ての位置の温度を示すわけで
はないので、請求項5、請求項6、請求項7あるいは請
求項8の制御と組み合わせた制御が必要である。
【0044】次に、マイクロ波発振装置の機能として、
凍結物の重量によって発振出力を段階的あるいは無段階
的に選択できる回路を搭載して、凍結物に過大なマイク
ロ波加熱が行われないようにした。例えば、凍結物に小
さな突起等が存在するのは通常のことなのであるが、こ
れに過大なマイクロ波加熱が行われた場合には、ドリッ
プの誘発につながる可能性が高いからである。減圧下で
マイクロ波加熱を使用する解凍方法においては、大気圧
におけるよりもごく小さなマイクロ波エネルギーでの迅
速な解凍が可能なだけに、マイクロ波の出力は可変で小
さめいに制御して、凍結物に過大なマイクロ波なマイク
ロ波出力による加熱をかけないことが重要である。現在
までに判明している凍結物とマイクロ波出力との適正な
相関関係であるが、約3kgの凍結物には0.4kw程
度、約5kgの凍結物には0.5kw程度、約7kg程
度の凍結物には0.6kw程度、約9kg程度の凍結物
には0.7kw程度、約15kgの凍結物には1.0k
w程度を必要とするにすぎない。
【0045】次に、減圧度調整弁であるが、これを図1
の4のように、減圧槽と減圧ポンプの中間位置に備え、
所定流量の大気を注入できるようにすれば、当該発明に
必要な復圧値である例えば40torrレベルでは注入
した大気が減圧ポンプ側にのみ流れ、減圧ポンプの減圧
能力を落とす作用をさせることができるので、大気を一
切減圧槽に入れずに減圧度を変更することができる。こ
のことより、無酸素下での高品質な解凍を行うことがで
きる。
【0046】
【発明の実施の形態】実施例1 幅600mm、高さ600mm、奥行き700mmのス
テンレス製の減圧槽に凍結牛肉2kgのブロック3個、
合計6kgをセットして解凍を行った。減圧ポンプ能力
は1.5torrまで到達能力のある、3kw出力のド
ライポンプを使用した。マイクロ波出力は0.6kwを
採用し、減圧度の変更は減圧度調整弁を用い、解凍工程
中は大気の侵入がないものとした。また、減圧度の測定
単位を0.1torrとした。凍結牛肉のセットの方法
は、フッ素樹脂の三角柱のバー2本の上にセットし、凍
結牛肉とバーとの接触部分は線または点といった極めて
小さな面積となるようにした。なお温度確認のために、
凍結牛肉の40mmの深さの位置に光ファイバー温度計
のセンサーを挿入して解凍温度を確認した。以下に解凍
工程を一覧表にして記す。解凍開始時の凍結牛肉の温度
は−40℃であった。解凍を終了するための制御を請求
項6の方法とした。 (以下余白)
【0047】
【表1】
【0048】解凍の所用時間は、24分30秒であっ
た。解凍終了後に温度を調べたところ、中心部の平均温
度が−2.0℃、表層部の平均温度が−1.1℃であっ
た。ドリップの発生は皆無であった。なお、複数回のマ
イクロ波加熱のための復圧値は40torrにて行っ
た。
【0049】実施例2 実施例1と同条件にて、凍結マグロの2kgのブロック
4個、合計8kgを解凍した。ただし、マイクロ波の出
力は0.7kwとした。これらのブロックには皮と骨が
収穫時の状態で付いており、これをそのまま上質に解凍
できれば、サシミあるいはスシネタとして5〜10%の
歩留まりアップにつながる。解凍開始時の凍結マグロの
温度は−55℃であった。なお、解凍を終了するための
制御を請求項8の制御とした。 (以下余白)
【0050】
【表2】
【0051】解凍所用時間は27分50秒であった。解
凍終了後に各部分の温度を調べたところ、中心部の平均
温度が−1.5℃、表層部の平均温度が−1.8℃であ
った。ドリップの発生は皆無であった。解凍後の重量を
測定したところ、7936gであった。昇華により64
gが減量されたことになる。したがって、ロス率として
は、0.8%であったが、解凍物の色は極めて良好であ
った。30分放置後には内外部ともに−1℃程度になっ
ており、生の素材との比較でも遜色の無いことが確認さ
れた。
【0052】実施例3 幅1000mm、高さ1200mm、奥行き1200m
mのステンレス製の減圧槽に、冷凍豚肉10kgのブロ
ック3個、合計30kgのポリプロピレン製の細いロー
プに吊るしてセットした。このポリプロピレン製の細い
ロープは、ステンレス製の回転治具に接続されており、
今回は治具を回転させることとした。回転治具であるの
でファイバー温度計による凍結物の内部温度測定は行わ
なかった。減圧ポンプは5.5kw出力の油回転ポンプ
を使用した。マイクロ波出力は、1.8kwを採用し
た。解凍開始時の凍結豚肉の温度は−40℃であった。
解凍の終了のための制御を請求項7の制御とした。解凍
終了時の凍結物の重量ロスを0.8%に想定し、各回の
減圧終了時の重量をロードセルによって測定し、300
00g×0.992の計算により、重量が29760g
よりも軽くなった時点で解凍を終了することとした。
【0053】
【表3】
【0054】解凍の所用時間は34分15秒であった。
解凍終了後に各部分の温度を調べた。中心の平均温度が
−1.9℃、表層部の平均温度が−1.5℃であった。
ドリップの発生は皆無であった。解凍直後に調理を行う
ことができる状態までの解凍ができた。
【0055】
【発明の効果】請求項1及び請求項2における、マイク
ロ波による放電を発生させこの放電を検知することによ
りマイクロ波加熱を停止することで、凍結物に過不足の
ないマイクロ波加熱を行うことができる。このことが精
度の高い制御につながり、凍結物からドリップの発生し
ない高品質な解凍品を得ることができる。また、このマ
イクロ波による放電を検知してマイクロ波加熱を停止す
る制御であれば、凍結物の重量、形あるいは温度のいか
んを問わずに高品質な解凍ができる。マイクロ波による
放電を検知してマイクロ波加熱を停止することの精度の
高さを発見したことで、ドリップを一切出さない解凍を
初めて実現することができた。同時に、減圧下で解凍を
行うので、酸化のごく少ない解凍品を得ることもでき、
また大気圧下と比較して氷の比熱が小さくなっているの
でマイクロ波はごく小さな出力を必要とするにすぎず、
かつ解凍時間も短時間ですむという効果がある。
【0056】請求項3における、減圧槽内に単数か複数
の鋭角な部分を有する金属部品を凍結物へのマイクロ波
加熱の障害にならない位置に装備することで、マイクロ
波による放電を該鋭角な部分で常に起こさせることがで
きるので、制御を非常に安定させることができる。
【0057】請求項4および請求項5における減圧ポン
プの減圧能力により、凍結物表層部に昇華を起こさせる
ことができ、このことで凍結物の内外部の温度差を小さ
くすることができるので、たとえ厚さのある凍結物であ
っても内外部の温度の均衡した高品質な解凍を行うこと
ができる。
【0058】請求項6および請求項8における、昇華に
よって発生する減圧度変化をとらえることで、解凍の終
了時点を高い精度をもって知ることができる。また請求
項7の昇華による凍結物の重量変化を捉えても同様のこ
とが言える。
【0059】請求項10における減圧度調整弁の設定位
置により、減圧度の変更を減圧槽に大気を導入しないで
行うことができるので、凍結物に酸化を与えない高品質
な解凍を行うことができる。
【0060】請求項11における、10−1単位以下の
測定を行うことで、わずかな量の昇華蒸気の発生をとら
えることができるので、凍結物の表面に過乾燥を発生さ
せない高品質な解凍を行うことができる。
【0061】請求項12および請求項13の治具の考案
によって、治具の熱が原因となって凍結物からドリップ
が発生する危険性を排除できる。
【0062】請求項14における、凍結物の重量によっ
てマイクロ波出力を調整することで、凍結物の突起部分
等への過大なマイクロ波出力による過加熱を排除でき、
ひいては過大なマイクロ波出力の加熱による凍結物から
のドリップの発生を回避することができる。
【0063】請求項15における、光ファイバー温度計
を使用することで、薬品材料等の解凍温度管理を厳しく
要求される凍結物への対応が可能となる。
【0064】本発明は凍結物からドリップを出さない解
凍方法およびその装置である。当該発明の制御の根幹を
なす、マイクロ波による放電の検知によるマイクロ波加
熱停止の適正さの発見は、かつて無いレベルの、精度の
高い解凍制御を可能にした。
【0065】減圧下で解凍を行うことにより酸化のごく
少ない解凍品を提供する。かつ減圧下においてマイクロ
波を使用することにより、小さなマイクロ波出力でも、
極めて迅速に大量の処理が可能な解凍方法を形成してい
る。
【0066】また、減圧ポンプの減圧能力を規定するこ
とによって、凍結物みずからの昇華によって凍結物に温
度低下を起こさせることができ、請求項9のごとくに内
外部の温度の均衡した解凍物を得ることができる。
【0067】これらのことより、解凍コストが非常に低
廉で、かつ品質の高い解凍物を提供することができる。
【0068】各種の業界に対する具体的な効果として
は、例えば従来解凍が困難であったために、品質上およ
び流通上の問題を抱えていた畜肉業界や高級鮮魚業界
に、より高品質で時間を要しない解凍方法を提供するこ
とで、流通コストの低減と品質の向上をはかることがで
き、ひいては消費者ニーズにも貢献することができる。
例えば畜肉業界では、良質な解凍が困難であったため
に、冷凍の流通をチルドの流通に切り替えてきた経緯が
ある。しかしながら、チルドでの流通では賞味期間が短
く、流通上不利な条件を受けざるを得なく、ひいてはコ
ストが高いという問題があった。本発明によって、冷凍
による流通で、より合理的な流通が確立されるので、流
通コストを引き下げることが可能である。
【0069】また、例えば日本のサシミを販売する高級
鮮魚業界では、解凍に時間を要するために、解凍量を限
定せざるを得ないか解凍ロスが多かったのであるが、当
技術によって、注文を受けてから解凍に取り掛かるとい
うことが可能となるので解凍品のロスを消去できる。
【0070】一方、機械業界に目を向けてみると、新機
軸の解凍装置が安価で提供されるので、工業用の解凍機
として、冷凍技術の進展に伴った業界の活性化に供す
る。また、家電業界においても、ホテルやレストラン用
の業務用の高性能な小型解凍機としての確立ができ、ま
た将来の高級家電のひとつとしてその立場を確立してい
く可能性もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)システムのフローシート 10のコントローラーは、請求項19と請求項20にお
けるコントローラーの機能の双方を有するか、あるいは
請求項19と請求項21、あるいは請求項19と請求項
22におけるコントローラーの機能の双方を有する。 (b)システムのフローシート(光ファイバー温度計を
備えた場合) 10のコントローラーは、請求項19と請求項27にお
けるコントローラーの機能の双方を有する。
【図2】解凍チャート例 ・aは、例えば4torr等の、請求項8における減
圧度差の測定を開始する減圧度を示し、tからt
間の時間は測定のための一定時間を示す。 ・aは、例えば6torr等の、請求項5における連
続で所定時間毎の減圧度変化量の測定を開始する減圧度
を示し、tの時点が所定の減圧度変化量に到達した時
点を示す。 ・aは、例えば40torr等の、請求項5における
マイクロ波加熱を再開するための、減圧度調整弁を用い
て復圧された、マイクロ波加熱の開始が可能な減圧度を
示す。 ・請求項6における減圧度の測定は、各回tの時点を
もって行い、初回のt 時点における減圧度と2回目以
降の各回のt時点における減圧度との比較を行い、所
定の減圧度差に到達した回をもって、解凍を終了する。
【図3】請求項5の連続で所定時間毎の減圧度変化量を
測定する概念の説明図 上記中、曲線は減圧度を表し、波線は減圧度変化量を表
す。Nは、所定時間:TからT(n+1)における
減圧度変化量を表す。ただし、連続で計測を行うので、
実際にはTとT(n+1)との中間時点のいずれの時
点でも同時間での減圧度変化量の計測は行われている。
一例として、所定時間を30秒間、所定の減圧度変化量
を0.1torrという設定をした場合、Tにおける
減圧度変化量:Nは0.5torrなので減圧は継続
される。同様の方法で測定値を判定していくと、T
おける減圧度変化量:Nがはじめて0.1torrを
記録しているので、Tの直後に減圧度調整弁に信号を
送り、図2のaの減圧度に復圧させることとなる(図
3の破線にて表示)。
【図4】請求項6および請求項8の解凍の終了を決定す
るための制御に関する概念説明図 凍結物からの昇華が発生し得る一定の減圧度域において
は、凍結物の温度が高くなればなるほど凍結物からの昇
華量が増大し、昇華量が増大すればするほど減圧度が高
くなることを妨げる。したがって、解凍初期の凍結物の
温度が低い段階では昇華量が少ないために減圧度は高い
減圧度まで到達し、解凍がすすんで凍結物の温度が高く
なるにしたがって、言い換えれば、請求項1における減
圧工程と復圧工程を繰り返す毎に昇華量が増大し、到達
する減圧度は各回毎に徐々に低くなる。図4中のa、
b、cは各回の減圧工程におけるチャート例を示すが、
解凍初期には図4におけるcのごとくのチャートを描
き、解凍がすすんで冷凍物の温度が上昇してくれば昇華
量が増大してくれば、次第にbからaのごとくのチャー
トを描くようになる。ゆえに初回と2回目以降の到達す
る減圧度を測定してその差が所定の減圧度差に到達した
回をもって解凍を終了することができる。
【図5】請求項7の解凍終了を決定するための制御に関
する概念説明図 図5中tは、各回の減圧終了時点を示す。各回の、凍
結物に昇華が起こる減圧度以上への減圧によって、凍結
物の重量は小さくなっていく。図4においては凍結物の
昇華によって生ずる減圧度変化量を捉えたが、請求項7
では凍結物の昇華によって生ずる凍結物の重量変化によ
って解凍の終了を決定するものである。解凍開始時の凍
結物の重量と各回の減圧終了時点の重量を比較し、所定
の重量差になった回をもって解凍を終了することができ
る。
【図6(1)】治具の例図(凍結物を治具の上において
解凍する場合であるが、これらの治具を回転構造として
もよい) (a)棒状治具例 (b)格子状治具例 (c)突起状治具例 (d)多孔状治具例
【図6(2)】治具の例図(凍結物を治具の上において
解凍する場合であるが、これらの治具を回転構造として
もよい) (e)ひも状治具例 (f)網状治具例 (g)フック状治具例
【符号の説明】
1 減圧槽 2 減圧ポンプ 3 減圧排気弁 4 減圧度調整弁 5 復圧弁 6 マイクロ波発振器 7 導波管 8 放電検知装置 9 減圧計 10 コントローラー 11a 回転型の凍結物を保持する治具 11b 固定型の凍結物を保持する治具 12 凍結物 13 鋭角な部分を有する金属部品を備えた放電発生部 14 光ファイバー温度計 15 温度計センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 6/68 320 H05B 6/68 320N // A23L 3/40 A23L 3/40 D Fターム(参考) 3K086 AA01 AA07 CA01 CA02 CA09 CA12 CB03 CB04 CC01 CD27 CD28 DA04 3L086 AA01 CB02 CB05 CB20 CC06 DA29 4B022 LA06 LQ06 LQ07 LR06 LT04 LT07 4B055 AA10 BA61 CA64 CA71 CD02 CD07 CD27 CD63 DB15 GA04 GB10 GB18 GB25 GB27 GB50 GC12 GC33

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧下で減圧槽内の凍結物に適正な出力
    のマイクロ波加熱を行って凍結物の解凍を行う解凍方法
    であって、減圧をすすめながらマイクロ波加熱を行う工
    程で凍結物が昇温してドリップ状の液が出る状態になる
    前に、マイクロ波による放電を減圧槽内の放電発生部に
    より発生させてマイクロ波加熱を停止させ、次いでマイ
    クロ波加熱を停止させた状態でさらに減圧をすすめ、凍
    結物に昇華が起こり得る減圧度以上の減圧度へ減圧し、
    その後にマイクロ波加熱の再開が可能な所定の減圧度ま
    で復圧し、再度減圧をすすめながら適正な出力のマイク
    ロ波加熱を行い、再度、凍結物が昇温してドリップ状の
    液が出る状態になる前に、前記放電発生部により放電を
    発生させてマイクロ波加熱を停止するという工程を繰り
    返すことを特徴とする解凍方法。
  2. 【請求項2】 減圧下で減圧槽内の凍結物にマイクロ波
    加熱を行って凍結物の解凍を行う解凍方法であって、該
    凍結物に適正なマイクロ波加熱が行われている状態下で
    凍結物が昇温してドリップ状の液が出る状態になる前
    に、マイクロ波による放電を減圧槽内の放電発生部によ
    り発生させることによりマイクロ波加熱を停止すること
    を特徴とする解凍方法。
  3. 【請求項3】 マイクロ波による放電を常に適正に発生
    させるために、減圧槽内部に単数か複数の鋭角な部分を
    有する金属部品を備えた放電発生部を設け、該金属部品
    の鋭角な部分でマイクロ波による放電を発生させ、この
    放電を検知した時点で該マイクロ波加熱を停止すること
    を特徴とする請求項1または2記載の解凍方法。
  4. 【請求項4】 減圧下で減圧槽内の凍結物にマイクロ波
    加熱を行って凍結物の解凍を行う解凍方法において、凍
    結物みずからの昇華により凍結物の表層部と内部との温
    度差を小さくするために、減圧ポンプの減圧能力は凍結
    物の昇華が起こる減圧度以上の減圧度に到達し得る能力
    であることを特徴とする解凍方法。
  5. 【請求項5】 請求項1の減圧工程と復圧工程を複数回
    行ってマイクロ波の加熱と停止を交互に繰り返して凍結
    物の解凍を行う解凍方法であって、請求項4における減
    圧度に向けて減圧を行う各回の工程において、凍結物か
    らの昇華が起こる近傍の減圧度から測定を開始し、連続
    で所定時間ごとの減圧度変化量を測定し、所定の減圧度
    変化量に到達したことをもって各回の減圧工程を終了
    し、減圧度調整弁と接続してマイクロ波加熱の再開が可
    能な所定の減圧度まで復圧して該工程を繰り返すことを
    特徴とする請求項1または4記載の解凍方法。
  6. 【請求項6】 請求項1の減圧工程と復圧工程を複数回
    行って凍結物の解凍を行う解凍方法であって、請求項5
    における各回の減圧終了時の減圧度を測定し、初回の減
    圧度との比較を行い、所定の減圧度差に到達した回をも
    って復圧弁と接続して解凍工程を終了することを特徴と
    する請求項1、4または5記載の解凍方法。
  7. 【請求項7】 請求項1の減圧工程と復圧工程を複数回
    行ってマイクロ波の加熱と停止を交互に繰り返して凍結
    物の解凍を行う解凍方法であって、解凍開始時の凍結物
    の重量を測定し、次いで請求項5における各回の減圧終
    了時の凍結物の重量を測定し、解凍開始時の凍結物の重
    量との比較で所定の重量差に到達した回をもって復圧弁
    と接続して解凍工程を終了することを特徴とする請求項
    1、4または5記載の解凍方法。
  8. 【請求項8】 請求項1の減圧工程と復圧工程を複数回
    行ってマイクロ波の加熱と停止を交互に繰り返して凍結
    物の解凍を行う解凍方法であって、請求項4における減
    圧度に向けて減圧を行う各回の減圧工程において、凍結
    物に昇華が起こる減圧度以上の一定の減圧度から測定を
    開始し、一定時間後の減圧度を測定し、初回の減圧度と
    の比較を行い、所定の減圧度差に到達した回をもって復
    圧弁と接続して解凍工程を終了することを特徴とする請
    求項1、4または5記載の解凍方法。
  9. 【請求項9】 請求項1の減圧工程と復圧工程を複数回
    行ってマイクロ波の加熱と停止を交互に繰り返して凍結
    物の解凍を行う解凍方法であって、請求項4における減
    圧度に向けて減圧を行う各回の減圧工程において、凍結
    物から繰り返し昇華を発生させることで、凍結物の表層
    部と内部との温度差を少なくするか同等にするか、ある
    いは凍結物の内部よりも表層部の温度を低くすることを
    特徴とする請求項1、4または5記載の解凍方法。
  10. 【請求項10】 減圧度調整弁を減圧槽と減圧ポンプの
    中間位置に備え、当該減圧度調整弁に所定流量の大気を
    注入して減圧ポンプの減圧能力を下げることでマイクロ
    波の複数回の加熱のための減圧度の変更を行い、解凍工
    程中は減圧槽内をほぼ無酸素状態に維持して凍結物に酸
    化を与えずに解凍することを特徴とする請求項1、4ま
    たは5記載の解凍方法。
  11. 【請求項11】 減圧度および減圧度変化量の測定にお
    いて、その測定単位を10−1torr単位以下とし、
    解凍の制御精度を高めたことを特徴とする請求項1、
    4、5、6または8記載の解凍方法。
  12. 【請求項12】 減圧下で減圧槽内の凍結物にマイクロ
    波加熱を行う解凍方法であって、凍結物を保持する治具
    をマイクロ波の透過性の高い材料かあるいは反射性の高
    い材料で形成し、該治具がマイクロ波によって加熱され
    ないようにして該治具と凍結物の接点からドリップが発
    生しないようにしたことを特徴とする解凍方法。
  13. 【請求項13】 減圧下で減圧槽内の凍結物にマイクロ
    波加熱を行う解凍方法であって、凍結物を保持する治具
    と凍結物との接点をごく少なくし、治具の温度が凍結物
    へ熱伝導することによって凍結物からドリップが発生す
    ることを防止するようにしたことを特徴とする解凍方
    法。
  14. 【請求項14】 マイクロ波出力を、減圧槽内の凍結物
    の重量により段階的にあるいは無段階的に選択できるよ
    うにし、凍結物に過大なマイクロ波出力による加熱が行
    われないようにして、凍結物からドリップが発生するこ
    とを防止するようにしたことを特徴とする請求項1、4
    または5記載の解凍方法。
  15. 【請求項15】 減圧槽内にセットする凍結物の内部に
    光ファイバー温度計の温度測定センサーを挿入し、凍結
    物の内部温度を検知し、より精度の高い解凍温度管理を
    実現したことを特徴とする請求項1、4または5記載の
    解凍方法。
  16. 【請求項16】 減圧下で減圧槽内の凍結物にマイクロ
    波加熱を行って凍結物の解凍を行う解凍装置であって、
    凍結物をセットする減圧槽に、投入電力が一定または可
    変可能で、かつ間欠的または連続的な加熱が可能なマイ
    クロ波加熱装置を設け、該減圧槽内部に単数または複数
    の鋭角な部分を有する金属部品を装備した放電発生部
    を、凍結物へのマイクロ波加熱の障害にならない位置に
    装備するとともに、前記放電発生部で発生させた放電を
    検知する放電検知器を減圧槽外部に設け、凍結物の昇温
    に伴い該凍結物からドリップ状の液が出る前に、前記鋭
    角な部分で発生させたマイクロ波放電を前記放電検知器
    にて検知しその検知した信号をマイクロ波発振器に入力
    して放電検知と同時にマイクロ波発振を停止する機構を
    有することを特徴とする解凍装置。
  17. 【請求項17】 減圧下で減圧槽内の凍結物にマイクロ
    波加熱を行って凍結物の解凍を行う解凍装置であって、
    減圧ポンプの減圧能力として、凍結物に昇華を起こさせ
    得る減圧度以上への到達能力を有する減圧ポンプを備え
    たことを特徴とする解凍装置。
  18. 【請求項18】 請求項17における減圧度への減圧を
    行った後にマイクロ波加熱の再開が可能な所定の減圧度
    への復圧を行うという工程を複数回行うため、および解
    凍工程中に大気を導入せずに無酸素状態で解凍を継続す
    るために、減圧度を変更するための減圧度調整弁を減圧
    ポンプと減圧槽の中間の位置に備え、該減圧度調整弁に
    所定流量の大気を注入できる構造とし、かつ該減圧度調
    整弁に注入した大気が減圧ポンプ側に流れる構造とした
    ことを特徴とする請求項16または17記載の解凍装
    置。
  19. 【請求項19】 請求項17における減圧度に向けて減
    圧を複数回行う工程の各回において、凍結物質の昇華が
    起こる近傍の減圧度から測定を開始し、連続で所定時間
    ごとの減圧度変化量を測定し、所定の減圧度変化量に到
    達したことをもって該減圧工程を終了するためのコント
    ローラーを備え、これを減圧度調整弁と接続してマイク
    ロ波加熱の再開が可能な所定減圧度まで復圧できるよう
    にしたことを特徴とする請求項16、17または18記
    載の解凍装置。
  20. 【請求項20】 請求項17における減圧度に向けて減
    圧を複数回行う工程の各回において、請求項19におけ
    る各回の減圧終了時の減圧度を測定し、初回の減圧度と
    の比較を行い、所定の減圧度差に到達した回をもって解
    凍を終了するためのコントローラーを備え、これを復圧
    弁と接続したことを特徴とする請求項16、17、18
    または19記載の解凍装置。
  21. 【請求項21】 当該解凍装置を凍結物の重量測定が行
    い得る構造とし、解凍開始時の凍結物の重量測定を行
    い、次いで請求項19における各回の減圧終了時の凍結
    物の重量測定を行い、解凍開始時の凍結物の重量との比
    較で所定の重量差に到達した回をもって解凍を終了する
    ためのコントローラーを備え、これを復圧弁と接続した
    ことを特徴とする請求項16、17、18または19記
    載の解凍装置。
  22. 【請求項22】 請求項17における減圧度に向けて減
    圧を複数回行う工程において、減圧槽内の凍結物の昇華
    が起こる減圧度以上の一定の減圧度から一定時間後の減
    圧度を各回ごとに測定し、初回の減圧度との比較を行い
    所定の減圧度差に到達した回をもって解凍を終了するた
    めのコントローラーを備え、これを復圧弁と接続したこ
    とを特徴とする請求項16、17、18または19記載
    の解凍装置。
  23. 【請求項23】 減圧度および減圧度変化量の測定の単
    位として、10−1torr以下の単位を測定すること
    が可能な減圧計およびコントローラーを備えたことを特
    徴とする請求項16、17、18、19、20または2
    2記載の解凍装置。
  24. 【請求項24】 減圧下で減圧槽内の凍結物にマイクロ
    波加熱を行って凍結物の解凍を行う解凍装置であって、
    凍結物を保持する治具をマイクロ波の透過性の高い材料
    か、あるいは反射性の高い材料で形成したことを特徴と
    する解凍装置。
  25. 【請求項25】 減圧下で減圧槽内の凍結物にマイクロ
    波加熱を行って凍結物の解凍を行う解凍装置であって、
    凍結物を保持する治具と凍結物との接点を少なくするた
    めに、該治具の凍結物と接触する部分を棒状、格子状、
    突起状、多孔状等の形で形成したことを特徴とする解凍
    装置。
  26. 【請求項26】 凍結物の重量によってマイクロ波出力
    を段階的あるいは無段階的に選択できる回路を有するマ
    イクロ波発振器を備えたことを特徴とする請求項16、
    17、18または19記載の解凍装置。
  27. 【請求項27】 より精度の高い解凍温度管理のために
    凍結物に取付ける光ファイバー温度計を備え、これを所
    定の測定温度値によって解凍を継続するか、終了するか
    の決定ができるコントローラーと接続したことを特徴と
    する請求項16、17、18または19記載の解凍装
    置。
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