JP2000301466A - 縦軸研削用砥石 - Google Patents

縦軸研削用砥石

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JP2000301466A
JP2000301466A JP11115527A JP11552799A JP2000301466A JP 2000301466 A JP2000301466 A JP 2000301466A JP 11115527 A JP11115527 A JP 11115527A JP 11552799 A JP11552799 A JP 11552799A JP 2000301466 A JP2000301466 A JP 2000301466A
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grinding
grinding wheel
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Tetsuji Yamashita
哲二 山下
Haruo Murata
春雄 村田
Shigeru Kudo
工藤  茂
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Nippon Koshuha Steel Co Ltd
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Nippon Koshuha Steel Co Ltd
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 砥石の交換や突出量の調整を簡単且つ容易に
行える。 【解決手段】 砥石フランジ20の本体21の上面21
aに設けた複数の凹溝22に砥石ホルダー27を装着す
る。砥石ホルダー27のリング状に配列した貫通孔35
の上穴35aに、超砥粒を金属結合相に分散させた超砥
粒砥石37を嵌合固定する。砥石ホルダー27の軸部2
8を凹溝22を嵌挿して押しねじ26で凹環溝30を押
圧固定する。押しねじ26を緩めれば砥石ホルダー27
を着脱交換可能であり、また調整ねじ24を押し込むこ
とで、砥石ホルダー27を突出させ、超砥粒砥石37の
突出量を調整できる。超砥粒砥石37の金属結合相はそ
の組織中に金属間化合物からなる析出物粒子を分散して
ミクロン単位で崩壊可能にして自生発刃作用を向上させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば金型用鋼等
の各種被削材を研削するのに用いられる縦軸研削用砥石
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、横軸平面研削盤で平型砥石を用い
て例えば金型用鋼等を被削材として平面研削を行う場
合、例えば図6に示すようにして行われる。即ち円環状
の砥石1はその中心線Oと同軸をなす回転軸(図示せ
ず)が被削材2の研削面2aと平行になるように配置さ
れ、回転軸回りに回転する砥石1の外周面1aで矢印E
方向に送られる被削材2の研削面2aを平面研削加工す
る。横軸平面研削の場合には、砥石1の外周面1aが被
削材2の送り方向に略直交する方向に線接触するために
研削面2aに生じる研削時のキズが一方向に生じること
になって加工面2aの研削精度が良好であり、研削時の
振動も少ないという利点がある。しかしながら、横軸平
面研削では砥石1と被削材2とが線接触するために研削
面積が小さく大量の研削加工を効率的にできないという
欠点がある。
【0003】これに対して、縦軸平面研削にあっては、
図7に示すように略円筒状の砥石3を支持する基台4に
設けられた縦軸平面研削盤の回転軸5が被削材2の研削
面2aに略直交する方向に位置しており、回転軸5の回
転に沿って砥石3の円環状の先端面3aが回転しつつ被
削材2の研削面2aを研削加工することになる。縦軸平
面研削の場合、砥石3の先端面3aが被削材2の研削面
2aと面接触するために、横軸平面研削と比較して単位
時間当たりの加工量が大きく被削材2の大量加工処理が
できるが、研削抵抗が大きくなるために研削加工時の振
動や発熱量が大きく、砥粒が脱落し易くて砥石3の損傷
が大きいために砥石3の寿命が著しく短いという欠点が
ある。しかも研削時には研削面2aに網目状のキズが生
じ、加工面の見た目が悪いという欠点がある。
【0004】このような縦軸平面研削用の砥石を用いて
行う例えば金型用鋼の研削加工の一例を次に説明する。
金型用鋼の縦軸平面研削には通常、一般砥粒砥石(以
下、一般砥石という)が用いられている。例えば図8に
示すように被削材支持用の円板形状のステージ7の表面
7aにはその周面に沿って複数の凹部が形成され、各凹
部内に金型用鋼8がそれぞれ装着されてリング状に配列
されている。このステージ7上の金型用鋼8を研削加工
するための砥石フランジ10の台金10Aは例えば略円
板形状とされ、その外周面10aは図9に示すように所
定間隔で断面略四角形状に中央方向に切り欠かれて収納
凹部11…を形成する。各収納凹部11は外周側に開口
部を有する略四角柱形状に形成されている。そして各収
納凹部11には図10に示すような略四角柱形状の四角
柱砥石12が嵌合させられ、砥石フランジ10の外周面
10a上にベルト13が装着されて、隣接する二つの収
納凹部11,11の間に位置する凸部14にベルト13
の孔を通してボルト15が螺合されることによって各四
角柱砥石12が収納凹部11内にそれぞれ固定されてい
る。
【0005】このような砥石フランジ10を用いてステ
ージ7上の金型用鋼8を平面研削加工する場合、図8に
示すようにステージ7をその中心を回転軸として例えば
矢印F方向に回転させた状態で、ステージ7に対して偏
心した位置に砥石フランジ10を配置させて矢印G方向
に回転させることで、砥石フランジ10の表面から突出
する四角柱砥石12の先端面12aで金型用鋼8の表面
を研削加工することになる。この場合、四角柱砥石12
の先端面12aと金型用鋼8の表面とが面接触するため
に効率的に且つ大量に金型用鋼8の研削加工が行える。
また同種の砥石フランジ16として図11に示すものが
ある。この砥石フランジ16は四角柱状の収納凹部11
に代えて、断面略三角形の略三角柱形状を有する収納凹
部17を形成したものであり、この収納凹部17内に略
三角柱形状の三角柱砥石18を装着してベルト13とボ
ルト15で固定した構成を備えている。
【0006】ところで、このような縦軸研削に用いる砥
石フランジ10,16の四角柱砥石12や三角柱砥石1
8では、Al23やSiCやGC等の一般砥粒が用いら
れ、結合相として通常ビトリファイドボンドと呼ばれる
ガラス性のボンドが用いられている。ビトリファイドボ
ンド砥石は砥粒とのぬれ性は良好であるが、衝撃に弱く
研削の進行に伴って砥石の摩耗が大きいという欠点があ
る。そのため自生発刃作用を促すために砥石に衝撃を与
えつつ研削していた。横軸研削の場合、砥石1と被削材
2とは線接触であるために研削時に生じる応力は図6に
示すように砥石1と被削材2との接触点から砥石1の径
方向即ち被削材2の表面2aに直交する方向S1のみで
あるが、縦軸研削の場合には図7に示すように被削材2
の表面2aに垂直な方向S1と平行な方向S2とに発生
するために砥石12,18の砥粒にかかる力が横軸研削
の場合の約2倍になる。
【0007】この場合、砥粒として研削力の大きいダイ
ヤモンド、CBN等の超砥粒を用いると生成される切屑
の量が一層大きくなるためにボンドの摩耗や砥粒の脱落
が激しくなり、砥石の寿命が更に短くなるという欠点が
あった。その点、一般砥粒は超砥粒と比較して研削量が
小さいために、砥石の耐久性を確保するために縦軸研削
用の砥石には一般砥石を用いるのが通常であった。尚、
縦軸研削用の砥石として、ビトリファイドボンド砥石に
代えてメタルボンド砥石を用いれば、砥粒として一般砥
粒に代えて超砥粒を用いても、金属結合相の耐摩耗性と
剛性が高いために研削量が増大して切屑の量が増大して
も金属結合相の摩耗は抑制できるが、例えば被削材が金
型用鋼8など硬脆材料の場合には、金属結合相が硬いた
めに砥粒の摩耗につれて金属結合相が後退して砥粒の突
出量を一定以上に維持するいわゆる自生発刃作用に乏し
く、比較的早期に切れ味が悪くなり研削精度が悪化する
という欠点がある。そのため、縦軸研削には砥粒として
超砥粒を用いることはできず、メタルボンド砥石を用い
ることもできないために、上述したように砥石の寿命が
短いという欠点を改善できなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した砥
石フランジ10,16に用いる四角柱砥石12や三角柱
砥石18に一般砥粒を分散したビトリファイドボンド砥
石を用いて金型用鋼8を研削加工した場合、砥石12,
18が短期間で摩耗してしまうために、縦軸用研削盤の
そばに作業員がはりついていて頻繁に摩耗した砥石1
2,18の突出量を調整したり砥石交換したりしなけれ
ばならず、極めて煩雑であり生産性が悪かった。また突
出量調整や砥石交換に際しては、ボルト15を外してベ
ルト13を外し収納凹部11,17に装着された砥石1
2,18の位置をずらして突出量調整をしても正確な突
出量の調整ができなかったり、砥石12,18を全部交
換しなければならない等著しく煩雑で手間がかかった。
本発明は、このような実情に鑑みて、砥石交換が簡単且
つ容易な縦軸研削用砥石を提供することを目的とする。
また本発明の他の目的は、砥石突出量の調整が容易な縦
軸研削用砥石を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る縦軸研削用
砥石は、砥石が取り付けられた複数の砥石ホルダーが固
定部材によってそれぞれ砥石フランジに装着され、固定
部材を操作することによって砥石ホルダーを個別に交換
可能とされていることを特徴とする。砥石ホルダーはパ
ーツ型とされ、砥石フランジに対して個別に着脱可能と
されているから、砥石が摩耗したり、研削目的に応じて
粒度やコンセントレーションや結合剤等を代えた砥石を
使用したい場合には個々の砥石ホルダー毎に交換して要
求される粒度やコンセントレーションや結合剤等に応じ
た砥石が取り付けられた他の砥石ホルダーを砥石フラン
ジに装着すればよく、砥石を含む砥石ホルダーの交換作
業を簡単且つ迅速に行うことができる。尚、砥石ホルダ
ーは軸部が砥石フランジの凹部に装着されて、本体に装
着された固定部材で軸部を固定するようにしていてもよ
い。
【0010】また本発明に係る縦軸研削用砥石は、砥石
が取り付けられた複数の砥石ホルダーがそれぞれ砥石フ
ランジに装着されていると共に、砥石フランジには位置
調整部材が設けられ、この位置調整部材によって砥石ホ
ルダーが砥石フランジに対する突出量を調整可能とされ
ていることを特徴とする。砥石ホルダーに取り付けられ
た超砥粒砥石の突出量を調整する場合、位置調整部材で
砥石ホルダーを移動することによって突出量を簡単且つ
容易に調整でき、正確な突出量調整ができる。
【0011】また、砥石は、金属結合相に超砥粒が分散
配置されてなり、この金属結合相の組織中に金属間化合
物からなる析出物粒子が分散されていてもよい。析出物
粒子が金属結合相中に分散して生成されることにより、
金属結合相の全体としての耐摩耗性および剛性は高く維
持され、砥石の無駄な摩耗および形状変形は少なく抑え
られる。それにもかかわらず、金属結合相の表面では析
出物粒子を単位としたミクロ的な崩壊が生じやすくな
り、砥粒の摩耗にともなって適当な速度で金属結合相が
崩壊していくようになり、砥粒の自生発刃作用が向上す
るから、従来のメタルボンド砥石と比較して長期に亙っ
て良好な切れ味を得ることが可能であり、高い研削精度
が得られる。また従来のメタルボンド砥石よりは耐久性
が短いもののビトリファイドボンド砥石と比較して耐久
性が高くなる。さらに、研削時に被削材が砥石研削面に
溶着しにくくなるので、溶着による目詰まりを低減する
ことができ、この点からも、良好な切れ味を持続させる
効果が得られる。
【0012】尚、本発明による砥石は、金属結合相中
に、ダイヤモンドまたはCBN等の超砥粒を分散してな
るメタルボンド砥石であって、金属結合相は、Sn,Z
n,Alから選択される1種または2種以上の低融点金
属Aを合計で20〜25wt%、SiまたはGeから選
択される1種または2種のIVb族元素Bを合計で1〜
6wt%、Agを0〜15wt%並びにCu,W,F
e,Ni,Coから選択される1種または2種以上の高
融点金属Cを残部それぞれ含有し、かつその組織中に
は、高融点金属Cおよび低融点金属Aを主要構成元素と
する金属間化合物からなる析出物粒子が分散されて構成
されていてもよい。また本発明による超砥粒砥石の別の
構成は、金属結合相中に、ダイヤモンドまたはCBN等
の超砥粒を分散してなるメタルボンド砥石であって、金
属結合相は、Snを20〜25wt%、Geを1〜6w
t%、Agを0〜15wt%並びにCuを残部それぞれ
含有し、かつその組織中には、CuおよびSnを主要構
成元素とする金属間化合物からなる析出物粒子が分散さ
れていてもよい。
【0013】尚、金属間化合物は、Cu4Snであって
もよい。また金属結合相のAg含有量(wt%)は、G
e含有量(wt%)の3〜5倍であってもよい。金属結
合相中の析出物粒子の含有量は、砥粒層の切断面におけ
る析出物粒子の面積比が5〜15%になることが好まし
い。5%より少ないとその効果が得られず、15%より
多いと、金属結合相が硬くなり過ぎて自生発刃作用が低
下する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面により説明する。図1は実施の形態による砥石フラ
ンジの平面図、図2は図1で示す砥石フランジの中央縦
断面図、図3は図2に示す砥石フランジの砥石ホルダー
部分の拡大図、図4には砥石ホルダーの側面図、図5
(a)は砥石ホルダーに装着されたパーツ型砥石の縦断
面図、(b)はパーツ型砥石の砥粒層の角部断面図、
(c)は砥粒層の角部の変形例を示す断面図である。図
1乃至図3に示す砥石フランジ20は図示しない縦軸平
面研削盤に装着され、砥石フランジ20の本体21は縦
断面視略四角形で円環状に形成されており、その周方向
には所定間隔に略円柱状の凹溝22が複数個(図1では
12個)形成されている。円環形状をなす本体21の中
心線Oは、上述した縦軸平面研削盤の回転軸と一致して
中心線O回りに回転研削され得るようになっている。そ
して、本体21の凹溝22は上面21aに開口すると共
に、上面21aに対向する下面21bには凹溝22の底
面22aと連通するねじ穴23が形成されていて、ねじ
穴23には例えば無頭の調整ねじ24が位置調整部材と
して進退可能に螺合されている。また凹溝22の側面に
は本体21の外周面21cと連通する固定用ねじ穴25
が凹溝22の深さ方向に沿って複数本(図では2本)穿
孔されているが、1本でもよい。
【0015】また本体21の各凹溝22には図4に示す
砥石ホルダー27が着脱可能に装着されている。尚、図
2では一方の砥石ホルダー27が省略されている。砥石
ホルダー27は凹溝22内に嵌挿される軸部28と、軸
部28に対して拡径されていて上面21aに着座する円
板状のフランジ部29とを備えていて、軸部28には周
方向に1または複数条(図では2条)の凹環溝30が全
周に亘って形成され、複数条の凹環溝30は軸部28の
長さ方向にずれて配列されている。砥石ホルダー27の
軸部28が凹溝22内に嵌挿された状態で、凹環溝30
はそれぞれ固定用ねじ穴25、25に対向するように位
置する。砥石ホルダー27のフランジ部29にはその中
央に挿通孔31が穿孔され、軸部28の上端に穿孔され
たねじ穴32と同軸で連通しており、フランジ部29の
下面中央の凹陥部29aに軸部28が嵌合された状態で
締結ボルト33を挿通孔31を介して軸部28のねじ穴
32と螺合させることによって軸部28とフランジ部2
9が結合されているが、両者を一体に形成してもよい。
【0016】砥石ホルダー27の軸部28が本体21の
凹溝22に嵌挿された状態で、本体21の外周面21c
から固定用ねじ穴25に無頭の押しねじ26を固定部材
として螺合して先端部で軸部28の凹環溝30を押圧す
ることで、砥石ホルダー27は本体21に堅固に固定さ
れる。尚、押しねじ26の先端部の外径は凹環溝30の
幅より小さく設定されており、軸部28がその長さ方向
に位置調整させられても押しねじ26による凹環溝30
の押圧固定が確実に行われる。尚、押しねじ26の先端
部に微細な凹凸を形成すれば軸部28の固定が一層確実
になる。フランジ部29には中央の挿通孔31の回りに
所定間隔で適宜数(図では6個)の貫通穴35…が穿孔
されており、各貫通穴35は内部に形成された内径の小
さい挿通部36を境に上穴35aと下穴35bとに分か
れており、上穴35aに図5(a)に示す超砥粒砥石3
7が挿入され、下穴35bには頭部を有する固定ボルト
38が挿入されて挿通部36を介して超砥粒砥石37を
固定するようになっている。超砥粒砥石37はメタルボ
ンド砥石であって、図5に示すように基部39と砥粒層
40とからなり、基部39の底面には固定ボルト38と
螺合するためのねじ穴42が形成され、基部39の上部
は拡径されてその上面39aには砥粒層40が装着され
ている。砥粒層40の先端加工面の角部には図5(b)
に示す断面Rの面取りが全周に亘ってなされている。或
いはこれに代えて同図(c)に示すように角度20〜4
5°をなす平面状の面取りJがなされていてもよい。こ
のような面取り部R,Jを形成することでワークの角が
ダレず、砥粒層40のチッピングを防止できるためにワ
ーク加工面の面粗度の向上と寸法精度の向上をはかるこ
とができる。
【0017】超砥粒砥石37の砥粒層40はダイヤモン
ドやCBN等の超砥粒が金属結合相中に分散されて構成
されており、金属結合相は次のような組成を有してい
る。即ち、金属結合相は、Sn,Zn,Alから選択さ
れる1種または2種以上の低融点金属Aを合計で20〜
25wt%、SiまたはGeから選択される1種または
2種のIVb族元素Bを合計で1〜6wt%、Agを0
〜15wt%並びにCu,W,Fe,Ni,Coから選
択される1種または2種以上の高融点金属Cを残部それ
ぞれ含有し、かつその組織中には、高融点金属Cおよび
低融点金属Aを主要構成元素とする金属間化合物からな
る析出物粒子が分散されている。
【0018】低融点金属Aは、金属結合相の焼結性を高
めるため、および金属間化合物を生成させるために添加
されるもので、その含有率が20wt%未満であると、
金属間化合物を十分に生成させることができなくなり、
その効果が得られ難くなる。逆に含有率が25wt%よ
り多いと、金属結合相が軟質になりすぎ、耐摩耗性およ
び剛性を十分に高めることができず、やはり耐久性の向
上という所期の効果を得ることができない。低融点金属
Aの種類としては、上記のうちいずれの元素またはいず
れの元素の組み合わせでもその効果を得ることが可能で
あるが、特にSnを主組成物としていることがコストの
点から好ましい。Geに代表されるIVb族元素Bの効
果は、その添加量が多くなると、金属間化合物が増加し
て粘性が少なくなるので切屑が溶着しにくくなり、砥石
の目詰まりや、研削抵抗の増大を防いで切れ味を向上す
る効果が得られる。また、明かではないが、金属間化合
物の組成元素の一部となるか、金属間化合物を生成させ
る際の触媒的な作用もするものと考えられる。その反
面、添加量が多すぎると金属結合相が脆化しすぎて十分
な強度が得られず、焼結時に砥石が割れやすくなる傾向
が生じるため、1〜6wt%が好適である。IVb族元
素Bの種類としては、上記のうちいずれの元素、または
いずれの元素の組み合わせでも上述した効果を得ること
が可能であるが、特にGeを主組成物としていることが
その効果の点から好ましい。Agは、Ge等のIVb族
元素Bを添加したことによる金属結合相の脆化や焼結時
の砥石の割れを防ぐ効果を奏する。焼結条件等の設定に
より砥石の割れなどを防止することができれば必ずしも
添加する必要はないが、IVb族元素Bの含有量が比較
的多い場合には15wt%以下の範囲で添加した方がよ
い。Ag添加量が15wt%を越えると、金属結合相の
強度は増すものの研削抵抗が増し、砥石の切れ味が低下
する。
【0019】高融点金属Cは、金属結合相のベースとな
る機械的特性を規定するもので、その含有率が54wt
%未満であると、金属結合相の耐摩耗性および剛性を十
分に高めることができず、所期の効果を得ることができ
ない。また、高融点金属Cの含有率が80wt%より多
いと、自生発刃作用を促進することができなくなる。高
融点金属Cの種類としては、上記のうちいずれの元素ま
たはいずれの元素の組み合わせでもその効果を得ること
が可能であるが、特にCuを主組成物としていることが
好ましい。
【0020】析出物粒子を構成する金属間化合物の組成
は現在のところ明確ではないが、特にCu4Sn等を主
組成物とする析出物粒子が本発明の効果に貢献している
と推測される。金属結合相中の析出物粒子の含有量は、
砥粒層の切断面における析出物粒子の面積比が5〜15
%になることが好ましい。5%より少ないとその効果が
得られず、15%より多いと、金属結合相が硬くなり過
ぎて自生発刃作用が低下する。
【0021】上記のような析出物粒子が金属結合相中に
分散して生成することにより、金属結合相の全体として
の耐摩耗性および剛性は高く維持され、砥石の無駄な摩
耗および形状変形は少なく抑えられて、従来のビトリフ
ァイドボンド砥石に比して高い研削精度と耐久性が得ら
れる。それにもかかわらず、金属結合相の表面では析出
物粒子を単位としたミクロ的な崩壊が生じやすくなり、
砥粒の摩耗にともなって適当な速度で金属結合相が崩壊
していくようになり、砥粒の自生発刃作用が向上するか
ら、従来のメタルボンド砥石に比して、長期に亙って良
好な切れ味を得ることが可能である。また、金属結合相
がミクロ的に崩壊する傾向を有するため、ドレッサーを
使用したドレッシング(目立て)が容易になるという利
点もある。さらに、研削時に被削材が砥石研削面に溶着
しにくくなるので、溶着による目詰まりを低減すること
ができ、この点からも、良好な切れ味を持続させる効果
が得られる。なお、金属結合相には、若干の不可避不純
物が含まれていてもよいし、あるいは、この種のメタル
ボンド砥石の分野において周知の添加元素や各種フィラ
ー等を加えてもよい。
【0022】次に、各砥石ホルダー27のフランジ部2
9には締結ボルト33の周囲に複数、例えば図1に示す
ように6個の貫通穴35が形成されており、そのうちの
本体21の外周側に位置する複数個、例えば3個の貫通
穴35の各上穴35aに超砥粒砥石37が嵌挿され下穴
35b側から固定ボルト38でそれぞれ固定されてい
る。外周側の3個の上穴35aにのみ超砥粒砥石37を
装着して略円弧状に配列したのは、砥石フランジ20で
縦軸平面研削を行った際に被削材のエッジがだれるのを
防止するためであり、6個の上穴35a全部に超砥粒砥
石37を装着すると超砥粒砥石37が各砥石ホルダー2
7においてリング状に配設されることになるために、縦
軸平面研削時に被削材の研削をし始める際および被削材
から外れる際にエッジにだれが生じてしまうことにな
る。
【0023】本実施の形態による縦軸平面研削用砥石は
上述のように構成されているから、縦軸平面研削に先立
って砥石フランジ20の本体21の上面21aに対する
超砥粒砥石37の突出量を設定する。そのために、先
ず、砥石ホルダー27の軸部28を凹溝22内に装着し
て調整ねじ24上端に載置した際、軸部28を押しねじ
26で固定する前に、下面21bに装着された調整ねじ
24を進退させることによって砥石ホルダー37を連動
させ、本体21に対する砥石ホルダー37の突出量を調
整する。その後、本体21の外周面21cから固定用ね
じ穴25に螺合された押しねじ26を締め込むことで、
押しねじ26の先端で軸部28の凹環溝30を押圧固定
して、砥石ホルダー27が本体21に位置決めされて固
定される。このように超砥粒砥石37の突出量が調整さ
れた砥石フランジ20を図示しない縦軸平面研削盤に装
着し、本体21の上面21aを図8に示す金型用鋼8が
配列された基台7の表面7aに対向させて、基台7に対
して砥石フランジ20を偏心させた状態で両者を例えば
互いに反対方向に回転させつつ平面研削する。
【0024】この時、超砥粒砥石37には超砥粒が配設
されているために研削時に超砥粒にかかる応力が金型用
鋼8の上面に平行な方向と垂直な方向とに生じ、超砥粒
にかかる応力が横軸平面研削の場合と比較して略2倍に
なり、研削量が多く、生成される切屑も略2倍程度に増
大する。しかしながら、超砥粒砥石37はメタルボンド
砥石であるためにビトリファイドボンド砥石と比較して
砥粒保持力と耐摩耗性と剛性が高く、切屑によって金属
結合相がえぐられることが抑制され、砥石の耐久性が増
大する。しかもこの超砥粒砥石37の金属結合相には上
述したような析出物粒子が分散して生成されていること
により、金属結合相の全体としての耐摩耗性および剛性
は高く維持され、砥石37の無駄な摩耗および形状変化
は少なく抑えられて、従来のビトリファイドボンド砥石
に比して高い研削精度が得られる。また、金属結合相の
表面では析出物粒子を単位としたミクロ的な崩壊が生じ
易くなり、砥粒の摩耗に伴って適当な速度で金属結合相
が崩壊してゆくようになり、砥粒の自生発刃作用が向上
するから、従来のメタルボンド砥石に比して良好な切れ
味を長期に亘って得ることが可能である。
【0025】ところで、砥石ホルダー27に装着した超
砥粒砥石37で研削を進めるに従って自生発刃作用を起
こすことで、本体上面21aに対する超砥粒砥石37の
突出量が小さくなると、突出量の再調整が必要になる。
この場合には、本体21の押しねじ26を緩めた状態
で、下面21bに装着された調整ねじ24をねじ込むこ
とによって本体上面21aに対する砥石ホルダー27の
突出量を増大させて再調整できる。また砥石ホルダー2
7によって行う荒研削や仕上げ研削等の用途や目的に応
じて、超砥粒砥石37の砥粒粒度、コンセントレーショ
ン(集中度)、結合剤等を異ならせる必要が生じる。こ
の場合にも無頭ねじ26を緩めれば砥石ホルダー27を
凹部22から取り外しことができ、砥石ホルダー27を
交換して装着すれば、必要に応じた適宜の砥粒粒度、コ
ンセントレーション(集中度)、結合剤等を備えた超砥
粒砥石37を有する砥石ホルダー27を装着できる。ま
た砥石ホルダー27を交換することなく、これに装着す
る超砥粒砥石37のみを固定用ボルト38を操作して着
脱交換するようにしてもよい。
【0026】上述のように本実施の形態による縦軸平面
研削用砥石によれば、縦軸平面研削に用いる複数の超砥
粒砥石37を具備する砥石ホルダー27をそれぞれパー
ツ化して押しねじ26で着脱交換可能としたから、超砥
粒砥石37の摩耗や研削目的の変更などに応じて砥粒粒
度、コンセントレーション、結合剤等の他の異なる超砥
粒砥石37に迅速且つ簡単に交換できる。また超砥粒砥
石37の本体21に対する高さを調整ねじ24を操作す
ることで簡単に調整できる。
【0027】しかも超砥粒砥石37として、超砥粒を分
散配置したメタルボンド砥石を採用し且つ金属結合相の
組織中に金属間化合物からなる析出物粒子が分散されて
いるから、砥粒の自生発刃作用が向上して従来のメタル
ボンド砥石と比較して良好な切れ味を長期間に亘って得
ることができる。また、ドレッサーを使用したドレッシ
ング(目立て)が容易になるという利点もある。更に、
研削時に被削材が溶着しにくくなるので、溶着による目
詰まりを低減することができ、この点からも良好な切れ
味を持続させる効果が得られる。また耐摩耗性および剛
性はビトリファイドボンド砥石と比較して高く維持さ
れ、従来のメタルボンド砥石よりは金属結合相が崩壊し
やすく耐久性に劣るもののビトリファイドボンド砥石と
比較して耐久性が高いという利点がある。
【0028】尚、本体21における固定用ねじ穴25及
び押しねじ26の配設位置は、砥石フランジ20による
回転研削加工時に旋回する本体21で超砥粒砥石37が
被削材に食い付く方向に対して、その応力を受ける側に
形成することが好ましい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る縦軸
研削用砥石は、砥石が取り付けられた複数の砥石ホルダ
ーが固定部材によってそれぞれ砥石フランジに装着さ
れ、固定部材を操作することによって砥石ホルダーを個
別に交換可能とされているから、砥石ホルダーはパーツ
型とされて、砥石が摩耗したり、研削目的に応じて粒度
やコンセントレーションや結合剤等を代えた別の砥石を
使用したい場合には砥石ホルダー毎交換して、要求され
る粒度やコンセントレーションや結合剤等に応じた砥石
が取り付けられた他の砥石ホルダーを砥石フランジに装
着すればよく、砥石を含む砥石ホルダーの交換作業を簡
単且つ迅速に行うことができる。
【0030】また本発明に係る縦軸研削用砥石は、砥石
が取り付けられた複数の砥石ホルダーがそれぞれ砥石フ
ランジに装着されていると共に、砥石フランジには位置
調整部材が設けられ、この位置調整部材によって砥石ホ
ルダーが砥石フランジに対する突出量を調整可能とされ
ているから、位置調整部材で砥石ホルダーを移動するこ
とによって簡単且つ容易に砥石の突出量を調整すること
ができる。また、砥石は、金属結合相に超砥粒が分散配
置されてなり、この金属結合相の組織中に金属間化合物
からなる析出物粒子が分散されているから、析出物粒子
が金属結合相中に分散して生成することにより、金属結
合相の全体としての耐摩耗性および剛性は高く維持さ
れ、砥石の無駄な摩耗および形状変形は少なく抑えら
れ、同時に、金属結合相の表面では析出物粒子を単位と
したミクロ的な崩壊が生じやすくなり、砥粒の摩耗に伴
って金属結合相が崩壊していくようになり砥粒の自生発
刃作用が向上するから、従来のメタルボンド砥石と比較
して良好な切れ味を長期に亙って得ることが可能であ
り、高い研削精度が得られる。また従来のメタルボンド
砥石よりは耐久性が短いもののビトリファイドボンド砥
石と比較して耐久性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による縦軸平面研削用砥石
における砥石フランジの平面図である。
【図2】 図1に示す砥石フランジの中央縦断面図であ
る。
【図3】 図2に示す砥石フランジ本体の砥石ホルダー
部分を示す拡大断面図である。
【図4】 図2に示す砥石ホルダーの側面図である。
【図5】 (a)は砥石ホルダーに装着される超砥粒砥
石の縦断面図、(b)はパーツ型砥石の砥粒層の角部断
面図、(c)は砥粒層の角部の変形例を示す断面図であ
る。
【図6】 一般的な横軸平面研削用砥石の概略説明図で
ある。
【図7】 一般的な縦軸平面研削用砥石の概略説明図で
ある。
【図8】 縦軸平面研削用砥石による金型用鋼の研削状
態を示す平面図である。
【図9】 図8に示す縦軸平面研削用砥石の台金外周面
に一般砥石を装着した状態を示す部分斜視図である。
【図10】 図9に示す縦軸平面研削用砥石に装着され
る一般砥石の斜視図である。
【図11】 図9とは異なる形状の一般砥石を装着した
縦軸平面研削用砥石を示す部分斜視図である。
【図12】 図11に示す縦軸平面研削用砥石に装着さ
れる一般砥石の斜視図である。
【符号の説明】
20 砥石フランジ 24 調整ねじ 26 押しねじ 27 砥石ホルダー 37 超砥粒砥石 40 砥粒層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 春雄 千葉県市川市東浜1−1 日本高周波鋼業 株式会社市川工場内 (72)発明者 工藤 茂 千葉県市川市東浜1−1 日本高周波鋼業 株式会社市川工場内 Fターム(参考) 3C063 AA02 AB02 AB05 BB02 BB03 BC02 BC05 BD01 BG03 BG07 FF22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石が取り付けられた複数の砥石ホルダ
    ーが固定部材によってそれぞれ砥石フランジに装着さ
    れ、前記固定部材を操作することによって砥石ホルダー
    を個別に交換可能とされている縦軸研削用砥石。
  2. 【請求項2】 砥石が取り付けられた複数の砥石ホルダ
    ーがそれぞれ砥石フランジに装着されていると共に、前
    記砥石フランジには位置調整部材が設けられ、この位置
    調整部材によって前記砥石ホルダーが砥石フランジに対
    する突出量を調整可能とされていることを特徴とする縦
    軸研削用砥石。
  3. 【請求項3】 前記砥石は、金属結合相に超砥粒が分散
    配置されてなり、この金属結合相の組織中に金属間化合
    物からなる析出物粒子が分散されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の縦軸研削用砥石。
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