JP2000290879A - 繊維シート状複合物の製造方法及び人工皮革 - Google Patents

繊維シート状複合物の製造方法及び人工皮革

Info

Publication number
JP2000290879A
JP2000290879A JP2000021907A JP2000021907A JP2000290879A JP 2000290879 A JP2000290879 A JP 2000290879A JP 2000021907 A JP2000021907 A JP 2000021907A JP 2000021907 A JP2000021907 A JP 2000021907A JP 2000290879 A JP2000290879 A JP 2000290879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
urethane resin
aqueous
composite
producing
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000021907A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4042016B2 (ja
Inventor
Shingo Takeda
伸吾 竹田
Hideyuki Takeuchi
秀行 竹内
Eiji Satake
英司 佐竹
Yoshifumi Tamaki
淑文 玉木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2000021907A priority Critical patent/JP4042016B2/ja
Publication of JP2000290879A publication Critical patent/JP2000290879A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4042016B2 publication Critical patent/JP4042016B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、スチームによる感熱凝固に
おいてシャープな感熱凝固性を有し、かつ感熱凝固によ
り繊維間に均一に充填された水系樹脂組成物が乾燥後
に、マイクロポーラス層を形成し、しかも溶剤系と同等
の風合い、即ち充実感と腰のある風合いを与える繊維シ
ート状複合物の製造方法及びその人工皮革にある。 【解決手段】 本発明は、(イ)(1)感熱凝固温度が
40〜90℃である水系ウレタン樹脂と、(2)会合型
増粘剤からなる水系樹脂組成物を、(ロ)繊維材料基体
に含浸又は塗布し、(ハ)スチームで感熱凝固させるこ
とを特徴とする繊維シート状複合物の製造方法に関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系ウレタン樹脂
と特定の増粘剤とからなる水系ウレタン樹脂組成物を繊
維材料基体に含浸又は塗布し、スチームで感熱凝固させ
る繊維シート状複合物の製造方法に関するものである。
さらに詳しくはスチーム凝固においてシャープな感熱凝
固性を有し、かつ感熱凝固により繊維間に均一に充填さ
れた水系樹脂組成物が乾燥後に、マイクロポーラス層を
形成し、しかも溶剤系と同等の風合い、即ち充実感、腰
のある風合いを与える繊維シート状複合物、特に人工皮
革を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の人工皮革の製造方法は、ウレタン
樹脂の有機溶媒溶液を繊維材料基体に含浸又は塗布し、
ウレタン樹脂に対し貧溶媒で、かつ当該有機溶媒と相溶
性のある凝固液(通常は水)中に通して凝固させ、次い
で水洗、乾燥させる湿式凝固法と呼ばれる方法が知られ
ている。しかしこの際、工業的に使用されているジメチ
ルホルムアミド(DMF)等の有機溶剤は毒性が強く、
回収に多額のコストがかかるという問題があった。これ
らの問題点を解決するために、繊維材料基体に含浸又は
塗布するウレタン樹脂を有機溶剤タイプから水系ウレタ
ン樹脂に移行すべく検討がなされているが、満足すべき
風合いと物性とを有した人工皮革は得られていない。
【0003】この大きな理由としては、水系ウレタン樹
脂を繊維材料基体に含浸し加熱乾燥した場合、水が繊維
材料基体の表面より蒸発し、水の移動に引き連られて水
系ウレタン樹脂が繊維材料基体の表面に移行するマイグ
レーションを起こすことが挙げられる。このマイグレー
ションによって、ウレタン樹脂は繊維材料基体の表面に
移行し内部にはほとんど付着していない状態となるた
め、風合いが硬く、折れ皺の出来やすい状態の人工皮革
しか得られなかった。そこで、このマイグレーションを
防止するため種々の検討がなされてきた。
【0004】例えば特公昭55−51076号公報に
開示されているような感熱ゲル化剤を添加し感熱凝固性
を付与した合成樹脂エマルジョンを熱水中で凝固する方
法がある。特公昭59−1823号公報に開示されて
いるような、アニオン性界面活性剤で乳化して、カルボ
キシル基を持つウレタン樹脂を作成し、後で少量のノニ
オン性界面活性剤を添加し貯蔵安定性を有したポリウレ
タンエマルジョンに、感熱凝固剤を付与したポリウレタ
ンエマルジョン配合液を含浸または塗布したのち、熱風
または熱水で加熱し感熱凝固する方法がある。また、
特開平6−316877号公報に開示されているような
強制乳化されたエマルジョンに無機塩類を溶解した水系
樹脂組成物を付与し加熱乾燥する方法もある。更に、
特公平6−60260公報に開示されているようにマイ
クロバルーンを加えた水系ウレタン樹脂組成物を感熱凝
固させるとともに、マイクロバルーンを発泡させて発泡
体を形成したものがある。
【0005】しかしにおいてはマイグレーション防止
は可能であるが、含浸液の一部が凝固浴中に流出して凝
固し、凝固したゲル物が加工物の表面に再付着するとい
う問題が起こる。またポリウレタン樹脂濃度が低下する
につれて感熱凝固性が低下し、ウレタン樹脂の熱水中へ
の流出が更に起こりやすくなる問題がある。において
は樹脂組成物が主にアニオン性であるため、感熱凝固性
促進剤の無機塩(特に2価以上の金属塩)を添加した場
合、樹脂組成物の安定性が非常に悪く配合上問題があ
る。また加工方法が熱風乾燥の場合は、皮膜化した樹脂
内部を見るとマイクロポーラスを形成せず、また樹脂付
着量が増加するにつれて風合いが硬くなる傾向にある。
加工方法が熱水凝固の場合はと同様の問題が起こる。
においては熱風乾燥であるためと同様マイクロポー
ラスを形成しない。また無機塩類を多量に使用するため
加工後の繊維中に無機塩類が残留し、そのまま人工皮革
として使用するには問題がある。においてはマイクロ
ポーラスを形成させるためにマイクロバルーンを添加し
たものであるが、添加したマイクロバルーンに起因して
熱やけによる着色がおきたり、風合いが硬くなったり、
ポーラスの径が大きくまた基本的には独立した孔である
ため、風合いや物性の点でまだ十分な性能が得られな
い。
【0006】以上の如く従来の技術では人工皮革として
満足すべき風合いと物性を有するものは得られず、特に
本発明の目的である、乾燥後のウレタン樹脂がマイクロ
ポーラス層を形成し、溶剤系と同等の充実感と腰のある
風合いを与えるものは全く無かった。尚、本発明におけ
る「マイクロポーラス」とは、繊維中に充填された水系
ウレタン樹脂組成物の乾燥皮膜中に、均一に多数の小さ
な孔が存在している状態を表すものである。(図1を参
照下さい)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、配合
液(水系樹脂組成物)が安定で、かつスチーム凝固によ
りシャープな感熱凝固性を有し、更に感熱凝固により繊
維材料基体中に均一に充填された水系樹脂組成物が乾燥
後に、マイクロポーラス層を形成し、しかも溶剤系と同
等の風合い、即ち充実感、腰のある風合いを与える繊維
シート状複合物の製造方法及びそれにより得られる人工
皮革にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する繊維シート状複合物特に人工皮革の製造方法
について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0009】即ち、本発明は、 (1)(イ)1)感熱凝固温度が40〜90℃である水
系ウレタン樹脂と、2)会合型増粘剤からなる水系樹脂
組成物を、(ロ)繊維材料基体に含浸又は塗布し、
(ハ)スチームで感熱凝固させることを特徴とする繊維
シート状複合物の製造方法。 (2)水系ウレタン樹脂が、HLB10〜18のノニオ
ン性乳化剤で分散された水系ウレタン樹脂である(1)
項記載の繊維シート状複合物の製造方法。 (3)ノニオン性乳化剤が、下記構造式(I)で表され
る骨格を有するノニオン性乳化剤
【0010】
【化2】Ra−Ph− (I) R:炭素数1〜9のアルキル基、アリール基あるいはア
ルキルアリール基 a:1〜3の整数 Ph:フェニル環残基 である(1)〜(2)項記載の繊維シート状複合物の製
造方法。 (4)会合型増粘剤が、末端に疎水基を含有し、分子鎖
中にウレタン結合を含有する会合型増粘剤である(1)
〜(3)項記載の繊維シート状複合物の製造方法。 (5)分子鎖中に(A)エチレンオキサイドの繰り返し
単位を少なくとも50重量%以上含有するポリオキシア
ルキレングリコール及び/又は(B)エチレンオキサイ
ドの繰り返し単位を少なくとも50重量%以上含有する
片末端ポリオキシアルキレングリコールを含有する水系
ウレタン樹脂である(1)〜(4)項記載の繊維シート
状複合物の製造方法。 (6)スチームの温度が、70〜120℃である(1)
〜(5)項記載の繊維シート状複合物の製造方法。 (7)スチームによる処理時間が、10秒から20分で
ある(1)〜(6)項記載の繊維シート状複合物の製造
方法。 (8)スチーム凝固させた後、更に、80〜150℃の
温度で乾燥させる事を特徴とする(1)〜(7)記載の
繊維シート状複合物の製造方法。 (9)(1)〜(8)項記載の製造方法で得られた人工
皮革。を提供するものである。
【0011】本発明の目的である、スチーム凝固により
シャープな感熱凝固性を有し、かつ感熱凝固により繊維
材料基体中に均一に充填された水系樹脂組成物が乾燥後
に、マイクロポーラス層を形成し、しかも溶剤系と同等
の風合い、即ち充実感、腰のある風合いを有する繊維シ
ート状複合物は、1)感熱凝固温度が40〜90℃であ
る水系ウレタン樹脂と、2)会合型増粘剤、及び3)ス
チームによる感熱凝固の組み合わせによってのみはじめ
て実現可能であり、これら構成因子のいずれか一つでも
欠けると本発明の目的は達成されない。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の水系ウレタン樹脂は、樹
脂自体(原液)の感熱凝固温度が40〜90℃である事
が必須であり、ここで言う「感熱凝固温度」とは、その
温度以上で水系ウレタン樹脂全体が流動性を失い凝固す
る温度を指す。感熱凝固温度が40℃未満では、樹脂自
体の安定性が悪く、特に夏場の加工時に配合浴内で凝集
物を発生したり、ゲル化したりする等の問題があり、ま
た90℃を越える場合は、凝固性がシャープでなくな
り、繊維内に樹脂が均一に充填しにくくなるだけでな
く、高温高圧のスチームを使用せねばならず経済的でな
いため不適当である。更に好ましい感熱凝固温度は、4
5〜80℃である。
【0013】かかる水系ウレタン樹脂の製法としては従
来公知のいかなる方法でもよく、例えば、 特定のHLBを有するノニオン性乳化剤を使用してウ
レタン樹脂を乳化分散させる方法、 特定のHLBを有するノニオン性乳化剤を使用して末
端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを乳化分
散させポリアミンで鎖伸長させる方法、 特開昭57−39286号報記載のポリエチレングリ
コールを共重合させる方法、 感熱凝固剤を含有した水系ウレタン樹脂等が挙げられ
る。
【0014】本発明の水系ウレタン樹脂の製造に用いら
れるジイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、m−フェニレンジイソシアネート、p−フエニレン
ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシ
アネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフエニ
レンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’
−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジ
イソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチ
レンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネ
ート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネー
ト、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート等が挙げられる
【0015】本発明の水系ウレタン樹脂の製造において
用いられるイソシアネート基と反応し得る活性水素含有
化合物は、好ましくは平均分子量300〜10,00
0、より好ましくは500〜5,000の高分子量活性
水素含有化合物と、平均分子量300以下の低分子量活
性水素含有化合物に分けられる。
【0016】上記高分子量活性水素含有化合物として
は、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセター
ルポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエス
テルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール等
が挙げられる。
【0017】ポリエステルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子
量300〜6,000)、ジプロピレングリコール、ト
リプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベン
ゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加
ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキ
レンオキシド付加体等のグリコール成分とコハク酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカル
ボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペ
ンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4
−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル
酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキ
シ)エタン−p,p’−ジカルボン酸及びこれらジカル
ボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p−ヒ
ドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安
息香酸及びこれらのヒドロキシカルボン酸のエステル形
成性誘導体等の酸成分とから脱水縮合反応によって得ら
れるポリエステルの他にε−カプロラクトン等の環状エ
ステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエス
テルポリオール及びこれらの共重合ポリエステルポリオ
ールが挙げられる。
【0018】ポリエーテルポリオールとしては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロ
ールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、
しょ糖、アコニット糖、トリメリット酸、ヘミメリット
酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロ
キシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プ
ロパントリチオール、等の活性水素原子を少なくとも2
個有する化合物の1種または2種以上を開始剤としてエチ
レンオキシト゛、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラ
ヒドロフラン、シクロヘキシレン、等のモノマーの1種
または2種以上を常法により付加重合したもの、又は上
記モノマーをカチオン触媒、プロトン酸、ルイス酸等を
触媒として開環重合したものが挙げられる。
【0019】ポリカーボネートポリオールとしては、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等の
グリコールとジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、エチレンカーボネート、ジフェニルカーボネー
ト、ホスゲンとの反応により得られる化合物が挙げられ
る。
【0020】上記低分子量活性水素含有化合物として
は、分子量300以下の分子内に少なくとも2個以上の
活性水素を含有する化合物で、例えば、ポリエステルポ
リオールの原料として用いたグリコール成分;グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ソルビトール、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキ
シ化合物等があり、この他に更にエチレンジアミン、
1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジ
アミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−
ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−
ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル
−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,2
−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジ
アミン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン
類、酸ヒドラジド類、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン等のポリアミンが挙げられる。
【0021】本発明の水系ウレタン樹脂は感熱凝固温度
が、40〜90℃である以外は特に組成、構造上の限定
を受けるものではなく、リニヤー構造あるいは分岐構造
を有するウレタン樹脂が使用できるが、本発明で特に好
ましいのは、分岐構造を有するウレタン樹脂である。そ
の分岐の濃度としては、ウレタン樹脂固形分1kg当た
り0.01〜0.8molが好ましい。分岐濃度が0.
01molより小さい場合は、特に人工皮革用の極細繊
維の不織布を用いた場合の極細化工程での耐久性に問題
があり、更に最終的に得られる人工皮革の耐熱性、耐湿
熱性、耐光性、耐加水分解性等の各種耐久性が劣るため
好ましくない。また分岐濃度が0.8molより大きい
場合は、スチーム凝固により形成させたマイクロポーラ
ス層の造膜性が極端に悪くなるため、屈曲性等の機械的
強度が十分発現されない等の問題が発生するため好まし
くない。更に好ましくは、0.02〜0.3molであ
る。かかる分岐構造を得るために使用される原料として
は、前記三官能以上のポリオール、ポリアミン、あるい
は前記ジイソシアネートを公知の技術で変性して得られ
る多官能ポリイソシアネートが挙げられる。
【0022】本発明の水系ウレタン樹脂の製造に用いら
れる特定のHLBを有する乳化剤としては、HLBが1
0〜18であるノニオン性乳化剤が好ましい。ここで言
う「HLB」とは、最終的に使用するノニオン性乳化剤
全体のHLBであり、複数のノニオン性乳化剤を使用す
る場合は、それらの乳化剤のHLBを加重平均して求め
たものである。
【0023】更に、本発明の繊維シート状複合物、特に
人工皮革の製造方法において、スチーム凝固により繊維
材料基体中に均一に充填された水系樹脂組成物が乾燥後
に、マイクロポーラス層を形成し、しかも溶剤系と同等
の風合い、即ち充実感、腰のある風合いを与えるには、
特に下記構造式(I)で表される骨格を有するノニオン
性乳化剤を使用する事が好ましい。
【化3】Ra−Ph− (I) R:炭素数1〜9のアルキル基、アリール基あるいはア
ルキルアリール基 a:1〜3の整数 Ph:フェニル環残基
【0024】具体的には、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンジオクチルフェニルエーテル等
のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポ
リオキシエチレンモノスチレン化フェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリ
オキシエチレントリスチレン化フェニルエーテル及びこ
らの混合物を含むポリオキシエチレンスチレン化フェニ
ルーテル類;ポリオキシエチレントリベンジルフェノー
ルエーテル等のポリオキシエチレンベンジルフェノール
エーテル類が挙げられ、これら単独で使用されるか、あ
るいは併用しても差し支えない。かかる乳化剤の使用量
は特に限定されないが、通常ウレタン樹脂の固形分当た
り1〜20重量%であり、更に好ましくは2〜10重量
%である。
【0025】また本発明の効果を損なわない範囲におい
て、他の乳化剤を併用しても差し支えない。かかる乳化
剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチ
レンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン長鎖アル
キルエーテル類;ポリオキシエチレンソルビトールテト
ラオレエート等、あるいはポリオキシプロピレン・ポリ
オキシエチレングリコールのブロックあるいはランダム
ポリマー、ポリアミンのポリオキシプロピレン・ポリオ
キシエチレン付加物等;オレイン酸ナトリウム等の脂肪
酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスル
フォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンス
ルフォン酸塩、アルカンスルフォネートナトリウム塩、
アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム塩
等のアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキル硫
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル硫酸塩等の
ノニオンアニオン系乳化剤が挙げられる。
【0026】本発明の水系ウレタン樹脂を得るために前
記乳化剤以外に親水成分をウレタン樹脂中に導入するこ
とができ、かかる親水成分としてはノニオン性親水基が
特に好ましい。かかるノニオン性親水基を導入するため
に用いられる原料としては、分子内に少なくとも1個以
上の活性水素原子を有し、かつエチレンオキサイドの繰
り返し単位からなる基、エチレンオキサイドの繰り返し
単位とその他のアルキレンオキサイドの繰り返し単位か
らなる基を含有するノニオン性の化合物が挙げられる。
【0027】本発明の水系ウレタン樹脂において、特に
好ましいノニオン性親水基含有化合物としては、(A)
エチレンオキサイドの繰り返し単位を少なくとも50重
量%以上含有するポリオキシアルキレングリコール及び
/又は(B)エチレンオキサイドの繰り返し単位を少な
くとも50重量%以上含有する片末端ポリオキシアルキ
レングリコールである。
【0028】ポリオキシアルキレングリコール(A)及
び片末端ポリオキシアルキレングリコール(B)として
は、ポリエチレングリコール、又はブロックあるいはラ
ンダム型のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシ
ブチレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポ
リオキシアルキレン共重合体グリコール、及びそれらの
メチルエーテル、エチルエーテル、ブチルエーテル等の
モノアルキルエーテル類が挙げられる。また、かかるポ
リオキシアルキレングリコール(A)及び片末端ポリオ
キシアルキレングリコール(B)の含有量は、本発明で
得られるウレタン樹脂固形分中にそれぞれ1〜10重量
%であることが好ましい。
【0029】本発明で用いられる特定の感熱凝固温度を
有する水系ウレタン樹脂は、前記したように基本的には
ノニオン性の水系ウレタン樹脂が好ましいが、本発明の
その他の実施態様として、感熱凝固性を付与するために
感熱凝固剤を含有した水系ウレタン樹脂を用いることも
できる。かかる水系ウレタン樹脂としては、前記したノ
ニオン性の水系ウレタン樹脂の他に、更にウレタン樹脂
骨格中に親水成分としてカルボキシル基を含有したもの
が挙げられる。
【0030】かかるカルボキシル基を導入するために用
いられる原料としては、例えば、分子内に少なくとも1
個以上の活性水素原子を有し、かつ少なくとも一つのカ
ルボキシル基を含有する化合物が挙げられる。かかるカ
ルボキシル基含有化合物としては、例えば2,2−ジメ
チロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン
酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール
吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香
酸、3,4−ジアミノ安息香酸等のカルボン酸含有化合
物及びこれらの誘導体又はこれらを共重合して得られる
ポリエステルポリオールが挙げられる。これらのカルボ
キシル基を中和するために用いられる塩基としては、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の不揮発性
塩基;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル
エタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等の三級アミン類、アンモニア等の揮発
性塩基が挙げられる。
【0031】かかるカルボキシル基の含有量は、最終的
に得られるウレタン樹脂固形分中の酸価として0〜1
5、好ましくは1〜10であることが必要である。酸価
が15を越えると、十分な感熱ゲル化性が得られなかっ
たり、配合安定性が不安定になったり、耐水性等の耐久
性が低下するため好ましくない。
【0032】また本発明で用いられる感熱凝固剤として
は、珪弗化ナトリウム、珪弗化カリウム;塩酸、硝酸、
硫酸、リン酸のアンモニウム塩、ナトリウム、カリウ
ム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、バリウム、ニッ
ケル、スズ、鉛、鉄及びアルミニウム等の多価金属塩;
セルロースメチルエーテル、ポリビニルメチルエーテル
等のような冷水に可溶性で温水に不溶性であるメチルエ
ーテル基を有する高分子化合物;ポリエーテルチオエー
テルグリコール類、ポリエーテル変性ポリジメチルシロ
キサン系化合物;アルキルフェノール−ホルマリン縮合
物のアルキレンオキシド付加物、あるいは特開昭51−
127142号報、特開昭51−63841号報、特開
昭60−65015号報記載のポリエーテルウレタン等
が挙げられ、これら単独であるいは併用して使用され
る。
【0033】かかる感熱凝固剤は、水系ウレタン樹脂の
製造途中あるいは製造後に添加するか、あるいは会合型
増粘剤を配合する時に一緒に添加配合されても構わな
い。
【0034】本発明にかかわるウレタン樹脂及び末端イ
ソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、従来公知
の方法で製造され、例えば、前記ジイソシアネートと活
性水素含有化合物(親水成分も含む)を、イソシアネー
ト基と活性水素基の当量比をそれぞれウレタン樹脂の場
合は、好ましくは0.8:1〜1.2:1、より好まし
くは0.9:1〜1.1:1の比率で、また末端イソシ
アネート基含有ウレタンプレポリマーの場合は、好まし
くは1.1:1〜3:1、より好ましくは1.2:1〜
2:1の比率で、好ましくは20〜120℃、より好ま
しくは30〜100℃にて反応する。
【0035】これらの反応は、無溶剤下にて行なうこと
もできるが、反応系の反応制御あるいは粘度低下等の目
的で有機溶剤を使用することもできる。かかる有機溶剤
はとくに限定されないが、例えば、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸
エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ジメチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が挙げら
れるが、蒸留除去が容易な比較的沸点が低いものを用い
ることが好ましい。
【0036】かくして得られたウレタン樹脂あるいは末
端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、前記
ノニオン性の乳化剤を使用して従来公知の方法で水に分
散される。末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリ
マーを使用した場合は、水に分散させた後に、引き続き
前記ポリアミンあるいは水で鎖伸長される。
【0037】またウレタン樹脂あるいは末端イソシアネ
ート基含有ウレタンプレポリマーに親水成分としてカル
ボキシル基を導入した場合は、ウレタン化反応の前、途
中、反応後、あるいは水に分散させる際に前記中和剤を
使用して中和され、水に分散される。
【0038】かくして得られた水系ウレタン樹脂は、反
応のために有機溶剤を使用した場合は、最終的に有機溶
剤を減圧蒸留等により蒸留除去し、実質的に有機溶剤を
含有しない水系ウレタン樹脂として用いられる。
【0039】又、本発明の水系ウレタン樹脂を製造する
際に、本発明の効果を損なわない範囲において、水に加
えてその他の水系分散体や水分散液、例えば酢ビ系、エ
チレン酢ビ系、アクリル系、アクリルスチレン系等のエ
マルジョン;スチレン・ブタジエン系、アクリロニトリ
ル・ブタジエン系、アクリル・ブタジエン系等のラテッ
クス;ポリエチレン系、ポリオレフィン系等のアイオノ
マー;ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、エポ
キシ系樹脂等の各種水系分散体、水分散液を併用しても
よい。
【0040】かくして有機溶剤を除去して得られた水系
ウレタン樹脂は、固形分が約10〜60重量%、好まし
くは15〜50重量%の実質的に無溶剤の水分散体であ
る。しかしながらやむ終えず沸点100℃以上の有機溶
剤を水系ウレタン樹脂の製造に使用しなければならない
場合でも、水系分散体の全重量当たり20重量%までに
そのような有機溶剤の使用量は止めるべきである。
【0041】本発明で用いられる会合型増粘剤は、スチ
ーム凝固においてシャープな感熱凝固性を付与するとと
もに、感熱凝固により繊維材料基体中に均一に充填され
た水系樹脂組成物が乾燥後に、マイクロポーラス層を形
成し、しかも溶剤系と同等の風合い、即ち充実感、腰の
ある風合いを得るために必須の成分である。かかる会合
型増粘剤は公知であり、例えば特開昭54−80349
号報、特開昭58−213074号報、特開昭60−4
9022号報、特公昭52−25840号報、特開平9
−67563号報、特開平9−71766号報等に記載
されたウレタン系の会合型増粘剤や、特開昭62−29
2879号報、特開平10−121030号報記載のノ
ニオン性ウレタンモノマーを会合性モノマーとして他の
アクリルモノマーと共重合して得られる会合性増粘剤、
あるいはWO9640815記載のアミノプラスト骨格
を有する会合型増粘剤等が挙げられる。
【0042】これら会合型増粘剤の具体的な例として
は、例えばRHEOX社のRHEOLATE 216,
266、Bernd Schwegmann社製のSc
hwego Pur8020,Pur8050、MUN
ZING CHEMIE GMBH社製のTafige
l PUR40,PUR45,PUR60、BASF社
製のCollacral PU85、ヘキスト社製のB
ORCHIGEL L75N、ローム・アンド・ハース
社製のプライマル QR−708,RM−825,RM
−870,RM−1020,RM−2020NPR,S
CT−200,SCT−270,RM−8W,RM−
4,TT−935、第一工業製薬社製のDKシックナー
SCT−275、旭電化社製のアデカノールUH−42
0,UH540,UH−550,UH−750、サンノ
プコ社製のSNシックナー603,612,A−80
3,A−812,A−814、三洋化成社製のエレミノ
ールN62、ビスライザーAP−2、Sud−Chem
ie社製のOPTIFLO L150,M210,H4
00等が挙げられる。
【0043】これらの会合型増粘剤の中で、特に末端に
疎水基を含有し、分子鎖中にウレタン結合を含有するウ
レタン系の会合型増粘剤が好ましく、具体的には下記構
造式を有する会合型増粘剤、あるいはこれらの反応混合
物が挙げられる。
【0044】(II) R1-X-(PEG-X-R2-X)m-
PEG-X-R1' (R1,R1':炭素数8〜36のアルキル基あるいは芳
香環を有する炭化水素基でR1とR1'は同一でも異なっ
ていても良い、R2:NCO基を除く炭素数6〜36の
ジイソシアネート残基、X:ウレタン結合、PEG:分
子量1,500〜33,000のポリエチレングリコー
ル残基、m:0以上の整数)
【0045】(III) R1-Y-R2-(X-PEG-X-R
3)m-X-PEG-X-R2-Y-R1' (R1,R1':炭素数8〜36のアルキル基あるいは芳
香環を有する炭化水素基でR1とR1'は同一でも異なっ
ていても良い、R2,R3:NCO基を除く炭素数6〜3
6のジイソシアネート残基でR2とR3は同一でも異なっ
ていても良い、X:ウレタン結合、Y:ウレタン結合あ
るいはウレア結合、PEG:分子量1,500〜33,
000のポリエチレングリコール残基、m:0以上の整
数)
【0046】(IV) R1-(OA)p-X-R2-(X-PE
G-X-R3)m-X-(AO)q-R1' (R1,R1':炭素数8〜36のアルキル基あるいは芳
香環を有する炭化水素基でR1とR1'は同一でも異なっ
ていても良い、R2,R3:NCO基を除く炭素数6〜3
6のジイソシアネート残基でR2とR3は同一でも異なっ
ていても良い、X:ウレタン結合、A:炭素数2〜4の
炭化水素で少なくともエチレンを含む炭化水素残基、
m:0以上の整数、p,q:1〜200の整数でpとq
は同一でも異なっていても良い)
【0047】 (R1,R1',R1":炭素数8〜36のアルキル基ある
いは芳香環を有する炭化水素基で、R1、R1'とR1"は
同一でも異なっていても良い、R4:NCO基を除く多
官能ポリイソシアネート残基、A:炭素数2〜4の炭化
水素で少なくともエチレンを含む炭化水素残基、X:ウ
レタン結合、i,j,k:0以上の整数でかつ(i+j
+k)が3以上の整数、p,q,r:1〜200の整数
で、p、qとrは同一でも異なっていても良い)
【0048】 (R1,R1',R1":炭素数8〜36のアルキル基ある
いは芳香環を有する炭化水素基で、R1、R1'とR1"は
同一でも異なっていても良い、R4:NCO基を除く多
官能ポリイソシアネート残基、A:炭素数2〜4の炭化
水素で少なくともエチレンを含む炭化水素残基、X:ウ
レタン結合、Y:ウレタン結合あるいはウレア結合、
i,j,k:0以上の整数でかつ(i+j+k)が3以
上の整数、p,q:1〜200の整数で、pとqは同一
でも異なっていても良い)
【0049】 (R1,R1',R1":炭素数8〜36のアルキル基ある
いは芳香環を有する炭化水素基で、R1、R1'とR1"は
同一でも異なっていても良い、R5:活性水素を除く多
官能ポリオールあるいはポリアミン残基、A:炭素数2
〜4の炭化水素で少なくともエチレンを含む炭化水素残
基、X:ウレタン結合、i,j,k:0以上の整数でか
つ(i+j+k)が3以上の整数、p,q,r:1〜2
00の整数で、p、qとrは同一でも異なっていても良
い)
【0050】またこれら会合型増粘剤の使用量は、固形
分比で水系ウレタン樹脂100部に対して0.1〜20
部が必要であり、好ましくは0.3〜10部である。会
合型増粘剤の使用量が0.1部未満ではスチームによる
感熱凝固においてシャープな感熱凝固性が得られず、ま
た感熱凝固により繊維材料基体中に充填された水系樹脂
組成物が乾燥後に、マイクロポーラス層を形成せず、し
かも溶剤系と同等の充実感、腰のある風合いを得ること
はできない。逆に20部を越えると、充実感は向上する
ものの風合いが硬くなり過ぎてしまい、また耐水性も低
下するため不適当である。
【0051】かくして本発明の(イ)水系樹脂組成物は
1)感熱凝固温度が40〜90℃である水系ウレタン樹
脂と、2)会合型増粘剤を、水系ウレタン樹脂の感熱凝
固温度より十分に低い温度で、添加して十分に均一混合
することによって得られる。あるいは会合型増粘剤を水
系ウレタン樹脂の製造する途中で添加配合することも可
能である。ただしその場合は、会合型増粘剤を含んだ水
系ウレタン樹脂の感熱凝固温度より十分に低い温度で製
造することは言うまでもない。
【0052】かかる水系樹脂組成物はそのままで、ある
いはマイクロポーラス層の形成を阻害しない範囲で他の
水分散体、例えば酢ビ系、エチレン酢ビ系、アクリル
系、アクリルスチレン系等のエマルジョン;スチレン・
ブタジエン系、アクリロニトリル・ブタジエン系、アク
リル・ブタジエン系等のラテックス;ポリエチレン系、
ポリオレフィン系等のアイオノマー;ポリウレタン、ポ
リエステル、ポリアミド、エポキシ系の水分散体と任意
の割合で配合して使用することができる。
【0053】また上記水分散体に加えて、造膜性を改良
する目的でアルキレングリコール誘導体、あるいは脂肪
族ジカルボン酸のジアルキルエステル、N−メチルピロ
リドン等の造膜助剤を、また加工適性を改善する目的で
フッ素系のレベリング剤、ジアルキルスルホサクシネー
ト系等の乳化剤、アセチレングリコール誘導体等の各種
レベリング剤、浸透剤等を配合しても構わない。また配
合液の発泡を抑制する目的で、鉱物油系、アマイド系、
シリコーン系等の各種消泡剤あるいはエタノール、イソ
プロピルアルコール等の少量のアルコール類を配合する
ことも可能である。
【0054】更に着色を目的として水溶性あるいは水分
散性の各種無機、有機顔料を配合することができ、また
炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミ、シリカ等の無
機フィラーや、セルロースパウダー、プロテインパウダ
ー、シルクパウダー、有機短繊維等の有機フィラーを配
合することもできる。また上記水分散体の耐光性、耐熱
性、耐水性、耐溶剤性等の各種耐久性を改善する目的で
酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤等の安定剤
を水系ウレタン樹脂の製造工程中か、その製造後に添加
し、或いはまたエポキシ樹脂、メラミン樹脂、イソシア
ネート化合物、アジリジン化合物、ポリカルボジイミド
化合物、オキサゾリン化合物等の架橋剤をそれに配合し
て使用することもできる。
【0055】本発明に用いられる(イ)水系樹脂組成物
は最終的には樹脂固形分5〜50重量%、好ましくは1
0〜40重量%に調整された後、繊維材料基体に含浸又
は塗布され、スチームで感熱凝固される。
【0056】本発明に使用できる繊維材料基体(ロ)と
は、従来から繊維材料基体の製造に用いられている不織
布や編織布は全て特に制限無く用いられる。不織布には
補強用等の目的で編織布等が内部または表面に積層され
たものでも良い。構成繊維は、天然繊維、化学繊維のい
ずれでも良く、天然繊維としては綿、羊毛、絹、石綿
等、化学繊維としてはレーヨン、テンセルなどの再生繊
維、アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリルな
どの合成繊維が挙げられる。またこれらを混合使用した
繊維を適宜用いることも可能である。風合いの良好な繊
維シート状複合物を得るためには極細繊維を用いること
が望ましい。極細繊維としては海島型、分割または剥離
型、直紡型等いずれでも良く、海島繊維の極細化方法と
してはトルエン等の溶剤処理による溶解、アルカリ等に
よる分解などが挙げられるが、極細化方法について特に
限定されるものではない。
【0057】本発明の(イ)水系樹脂組成物の繊維材料
基体への含浸、塗布方法は、通常行われる方法であれば
いずれでも良く、例えばマングルによる含浸、ナイフコ
ーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、スプ
レーコーター等による塗布が挙げられる。ウレタン樹脂
の付着量(固形分)は、含浸の場合、好ましくは繊維材
料基体100重量部に対し3〜100重量部である。塗
布の場合、塗布厚で好ましくは0.1〜10mmであ
る。また本発明により得られる繊維シート状複合物の表
面の毛羽を抑えたり、また表面の平滑性、クッション性
を付与する目的で、含浸加工の後に引き続き塗布を行う
ことも好ましい。
【0058】またこの含浸または塗布加工の際に、本発
明の(イ)水系樹脂組成物にステアリン酸アンモニウ
ム、高級脂肪酸の金属塩、ジアルキルスルホサクシネー
ト系乳化剤等の発泡剤を添加して機械発泡して加工する
事もできる。特に塗布加工の場合には、クッション性に
富んだ発泡層の形成が可能になり、含浸加工の場合でも
低付着量で非常にソフトな風合いに仕上がるので好まし
い。
【0059】本発明のスチームによる感熱凝固とは、ス
チームの温度を水系樹脂組成物の感熱ゲル化温度以上と
すれば、加工可能であるが、より安定的に生産を行うた
めには配合液の感熱ゲル化温度の10℃以上とするのが
好ましく、通常スチームの温度は60〜140℃であ
る。経済性、効率を考えれば、特に70〜120℃のス
チーム温度が好ましい。また湿度は100%に近づく程
表面からの乾燥が抑えられ好ましい。またスチームの処
理時間は、通常数秒〜30分程度で充分であり、更に好
ましくは10秒〜20分である。また、スチーム凝固と
他の方法との併用も可能である。他の方法としては、例
えば赤外線、電磁波、高周波等の凝固方法が挙げられ
る。
【0060】本発明の方法によりスチーム凝固された加
工布は、その後加熱乾燥される。その方法としては、例
えば熱風加熱、赤外線加熱、電磁波加熱、高周波加熱、
シリンダー加熱等任意の乾燥方法が可能であるが、一般
的には設備投資額、ランニングコストの安い熱風加熱が
好ましい。乾燥温度は加工布が熱により変質、劣化しな
い程度で、かつ繊維材料基体中の水系樹脂組成物が十分
に乾燥し造膜しさえすればよく、好ましくは80〜15
0℃である。
【0061】本発明により得られる繊維シート状複合物
は、更に後処理として上記方法で得られた繊維シート状
複合物を温水あるいは熱水により洗浄抽出(ソーピン
グ)を行っても構わない。このソーピング工程により、
本発明の水系ウレタン樹脂に含まれるノニオン性乳化剤
や、感熱凝固を促進する目的で使用した無機塩類、感熱
凝固剤などが抽出除去され、最終的に得られる繊維シー
ト状複合物のマイクロポーラス構造がより微細になるだ
けでなく、繊維シート状複合物の耐光性、耐湿熱性など
の各種耐久性が向上するため好ましい。またかかるソー
ピング工程は、繊維シート状複合物の染色工程や、極細
繊維を使用した場合の極細化の工程で兼ねることも可能
である。
【0062】またかかるソーピング工程をとる場合に、
特にマイクロポーラス構造をより微細にする目的で、本
発明の感熱凝固性を阻害しない範囲でポバール、ゼラチ
ンなどの水溶性ポリマーを添加しても構わない。
【0063】かくして本発明により得られる繊維シート
状複合物は、靴、鞄、衣料、椅子やソファ等の家具、車
両シートやハンドル等の自動車用内装材、透湿防水素材
等の各種合成皮革、人工皮革、あるいは研磨材、フェル
トペンの芯材等に使用されるが、特に人工皮革用として
有用である。
【0064】本発明の繊維シート状複合物は、そのまま
でも前記用途に使用できるが、必要に応じて更に中間発
泡層、表皮/接着層等を設けて銀付きの人工皮革とする
ことも好ましい実施態様である。あるいは表面処理コー
トのみを行って使用する事もできる。更に、これらの人
工皮革に表面仕上げ処理や揉み加工等を施すことも可能
である。
【0065】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明は実施例のみに限定されるものではない。実施例中
の部は重量部を示す。
【0066】[水系ポリウレタン樹脂の合成例] (合成例A)分子量1,300のポリテトラメチレング
リコール500部、1,4−ブタンジオール15.3
部、トリメチロールプロパン11.1部、分子量600
のポリエチレングリコール39.4部とイソホロンジイ
ソシアネート223.4部をメチルエチルケトン425
部中でジブチル錫ジラウレート0.2部の存在下、NC
O%が1.8%に達するまで70℃で反応させ末端イソ
シアネート基含有ウレタンプレポリマーを得た。このウ
レタンプレポリマーをポリオキシエチレンジスチレン化
フェニルエーテル(HLB=14)55.2部を溶解さ
せた乳化剤水溶液1239部と混合してホモミキサーで
乳化分散させた後、無水ピペラジン22部を溶解させた
鎖伸長剤水溶液220部を添加して鎖伸長を行わせた。
次いで減圧下メチルエチルケトンを留去して固形分40
%の水系ウレタン樹脂Aを得た。この水系ポリウレタン
樹脂の感熱凝固温度は52℃であった。
【0067】(合成例B)分子量1,000の1,4−
ブタンジオール/アジピン酸のポリエステル500部、
分子量2,000の1,4−ブタンジオール/アジピン
酸のポリエステル18.5部、トリメチロールプロパン
16.5部、分子量1,000のポリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル34.1部と4,4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート284.6部をトルエン36
6部中で、NCO%が2.9%に達するまで80℃で反
応させ末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー
を得た。このウレタンプレポリマーをポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル(HLB=16)42.7部
とポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB
=12)42.7部を溶解させた乳化剤水溶液939部
と混合してホモミキサーで乳化分散させた後、無水ピペ
ラジン33部を溶解させた鎖伸長剤水溶液330部を添
加して鎖伸長を行わせた。次いで減圧下トルエンを留去
して固形分50%の水系ウレタン樹脂Bを得た。この水
系ポリウレタン樹脂の感熱凝固温度は60℃であった。
【0068】(実施例1)水系ウレタン樹脂A50部に
対して、会合型増粘剤であるエレミノールN62(三洋
化成社品)を2部を予め水48部で希釈溶解した水溶液
を配合し、ウレタン樹脂濃度が20%の水系樹脂組成物
を調整した。この水系樹脂組成物をポリエステル繊維か
らなる目付300g/m2の不織布に含浸し、マングルで
ウエットピックアップ250%となるよう絞った。次い
で100℃の飽和水蒸気中に2分間静置し、その後10
0℃の乾燥機で20分乾燥した。
【0069】(実施例2)水系ウレタン樹脂Bを使用し
た以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0070】(実施例3)会合型増粘剤としてプライマ
ル RM−8W(ローム・アンド・ハース社製)を使用
した以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0071】(実施例4)会合型増粘剤としてプライマ
ル RM−2020NPR(ローム・アンド・ハース社
製)を使用した以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0072】(実施例5)会合型増粘剤としてアデカノ
ール UH−420(旭電化社製)を使用した以外は実
施例1と同様に加工を行った。
【0073】(実施例6)会合型増粘剤としてCOLL
ACRAL PU−85(BASF社製)を使用した以
外は実施例1と同様に加工を行った。
【0074】(実施例7)会合型増粘剤としてBORC
HGEL L75N(ヘキスト社製)を使用した以外は
実施例1と同様に加工を行った。
【0075】(比較例1)水系ウレタン樹脂としてボン
ディック1850NS(大日本インキ化学工業社製、感
熱凝固温度100℃以上)を使用した以外は実施例1と
同様に加工を行った。
【0076】(比較例2)会合型増粘剤を無添加とした
以外は実施例1と同様に加工を行った。
【0077】(比較例3)水系ウレタン樹脂A50部に
対して、アルカリ可溶型アクリル系増粘剤であるボンコ
ートHV(大日本インキ化学工業社製)2部を予め水4
7部で希釈溶解し、更に28%アンモニア水を1部添加
して増粘させた水溶液を配合して水系樹脂組成物を調整
し、その後は実施例1と同様に加工を行った。
【0078】(比較例4)実施例1の水系樹脂組成物を
ポリエステル繊維からなる目付300g/m2の不織布に
含浸し、マングルでウエットピックアップ250%とな
るよう絞った。次いで150℃の乾燥機中で2分間静置
し、その後100℃の乾燥機で20分間乾燥した。これ
らの評価結果を以下の表に示した。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】<評価方法>マイク゛レーション の有無 :加工布の断面の電子顕微鏡写真によ
りウレタン樹脂の充填状態を目視観察した。 〈判定〉○:マイク゛レーションも無く均一に充填された状態 ×:マイク゛レーションが有り不均一な充填状態
【0083】マイクロホ゜ーラスの有無 :加工布の断面の電子顕
微鏡写真により充填されたウレタン樹脂の表面がマイク
ロポーラス状であるか否かを目視観察した。 〈判定〉○:マイクロホ゜ーラス有 ×:マイクロホ゜ーラス無
【0084】加工布風合 :加工布を触感により評価
した。 〈判定〉◎:腰感、充実感ともに特に優れている。 ○:腰感があり、充実感有り △:腰感、充実感にやや劣る ×:腰感、充実感全く無し
【0085】以上の実施例・比較例より、感熱凝固によ
り繊維間に均一に充填された水系樹脂組成物が乾燥後
に、マイクロポーラス層を形成し、しかも溶剤系と同等
の風合い、即ち充実感、腰のある風合いを与える繊維シ
ート状複合物は、(イ)1)特定の感熱凝固温度を有す
る水系ウレタン樹脂と、2)会合型増粘剤からなる水系
樹脂組成物を、(ロ)繊維材料基体に含浸又は塗布し、
(ハ)スチームで凝固させる組み合わせによってのみ実
現可能であり、これら構成因子のいずれか一つでも欠け
ると本発明の目的は達成されないことが確認した。
【0086】
【発明の効果】かくして本発明により得られる繊維シー
ト状複合物は、スチームによる感熱凝固においてシャー
プな感熱凝固性を有するためマイグレーションが無く、
繊維材料基材中に水系樹脂組成物が均一に充填され、か
つ乾燥後にその水系樹脂組成物がマイクロポーラス層を
形成し、しかも溶剤系と同等の風合い、即ち充実感と腰
のある風合いを与えるという極めて優れた特徴を有す
る。
【0087】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、実施例1における繊維シート複合
物の断面の顕微鏡写真(500×)で、水系ウレタン樹
脂がマイクロポーラス構造を形成しているのが解る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)1)感熱凝固温度が40〜90℃
    である水系ウレタン樹脂と、2)会合型増粘剤からなる
    水系樹脂組成物を、 (ロ)繊維材料基体に含浸又は塗布し、 (ハ)スチームで感熱凝固させることを特徴とする繊維
    シート状複合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 水系ウレタン樹脂が、HLB 10〜1
    8のノニオン性乳化剤で分散されたものであることを特
    徴とする請求項1記載の繊維シート状複合物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ノニオン性乳化剤が、下記構造式(I)
    で表される骨格を有するもの 【化1】Ra−Ph− (I) R:炭素数1〜9のアルキル基、アリール基あるいはア
    ルキルアリール基 a:1〜3の整数 Ph:フェニル環残基 であることを特徴とする請求項1〜2いずれか記載の繊
    維シート状複合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 会合型増粘剤が、末端に疎水基を含有
    し、分子鎖中にウレタン結合を含有する会合型増粘剤で
    あることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の繊維
    シート状複合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 分子鎖中に(A)エチレンオキサイドの
    繰り返し単位を少なくとも50重量%以上含有するポリ
    オキシアルキレングリコール及び/又は(B)エチレン
    オキサイドの繰り返し単位を少なくとも50重量%以上
    含有する片末端ポリオキシアルキレングリコールを含有
    する水系ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1
    〜4いずれか記載の繊維シート状複合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 スチームの温度が、70〜120℃であ
    ることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の繊維シ
    ート状複合物の製造方法。
  7. 【請求項7】 スチームによる処理時間が10秒から2
    0分である請求項1〜6記載の繊維シート状複合物の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 スチームで感熱凝固させた後、更に、8
    0〜150℃の温度で乾燥させることを特徴とする請求
    項1〜7いずれか記載の繊維シート状複合物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】請求項1〜8いずれか記載の製造方法で得
    られた人工皮革。
JP2000021907A 1999-02-01 2000-01-31 繊維シート状複合物の製造方法及び人工皮革 Expired - Lifetime JP4042016B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000021907A JP4042016B2 (ja) 1999-02-01 2000-01-31 繊維シート状複合物の製造方法及び人工皮革

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2435199 1999-02-01
JP11-24351 1999-02-01
JP2000021907A JP4042016B2 (ja) 1999-02-01 2000-01-31 繊維シート状複合物の製造方法及び人工皮革

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000290879A true JP2000290879A (ja) 2000-10-17
JP4042016B2 JP4042016B2 (ja) 2008-02-06

Family

ID=26361852

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000021907A Expired - Lifetime JP4042016B2 (ja) 1999-02-01 2000-01-31 繊維シート状複合物の製造方法及び人工皮革

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4042016B2 (ja)

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002129480A (ja) * 2000-10-18 2002-05-09 Toyobo Co Ltd 起毛布帛製品
JP2002159597A (ja) * 2000-11-27 2002-06-04 Molten Corp 球技用ボール
JP2002293945A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Dainippon Ink & Chem Inc ポリウレタン水分散液の製造法
JP2003201349A (ja) * 2002-01-09 2003-07-18 Daicel Chem Ind Ltd 繊維強化ポリウレタン樹脂組成物、成形方法および成形品
JP2003201679A (ja) * 2001-12-28 2003-07-18 Nicca Chemical Co Ltd 銀付人工皮革用床材の製造方法及び銀付人工皮革
JP2003336178A (ja) * 2002-05-13 2003-11-28 Sanyo Chem Ind Ltd 皮革様シート材料
KR100448698B1 (ko) * 2001-07-06 2004-09-16 씨엔이티 주식회사 인조피혁의 제조방법
JP2004292797A (ja) * 2003-03-10 2004-10-21 Sanyo Chem Ind Ltd ポリウレタン樹脂水性分散体及びそれを用いたシート材料
JP2006096852A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Sanyo Chem Ind Ltd 水系ポリウレタン樹脂エマルション
JP2008522019A (ja) * 2004-12-01 2008-06-26 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 安定した熱凝固性ポリウレタン分散物
WO2011114956A1 (ja) * 2010-03-16 2011-09-22 東レ株式会社 シート状物およびその製造方法
WO2012008336A1 (ja) * 2010-07-12 2012-01-19 株式会社クラレ 皮膜形成方法、及び皮膜
WO2013065608A1 (ja) * 2011-10-31 2013-05-10 東レ株式会社 シート状物およびその製造方法
WO2015033732A1 (ja) * 2013-09-06 2015-03-12 Dic株式会社 ウレタン樹脂組成物、皮革様シート及び皮革様シートの製造方法
CN106029976A (zh) * 2014-02-27 2016-10-12 东丽株式会社 片状物及其制造方法
WO2017013926A1 (ja) * 2015-07-21 2017-01-26 Dic株式会社 凝固物の製造方法
KR101934662B1 (ko) * 2015-03-03 2019-01-02 디아이씨 가부시끼가이샤 피혁 모양 시트의 제조 방법
WO2020174899A1 (ja) * 2019-02-25 2020-09-03 Dic株式会社 ウレタン樹脂水分散体、皮革シート、及び、皮革シートの製造方法
JPWO2021084922A1 (ja) * 2019-10-28 2021-11-25 Dic株式会社 ウレタン樹脂組成物、及び、皮革シート
JP2022517489A (ja) * 2018-11-15 2022-03-09 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 合成皮革製品およびその調製方法
CN114302990A (zh) * 2019-10-28 2022-04-08 Dic株式会社 纤维基材及人造皮革
WO2023062981A1 (ja) * 2021-10-12 2023-04-20 Dic株式会社 積層体、及び、合成皮革

Cited By (39)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002129480A (ja) * 2000-10-18 2002-05-09 Toyobo Co Ltd 起毛布帛製品
JP2002159597A (ja) * 2000-11-27 2002-06-04 Molten Corp 球技用ボール
JP2002293945A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Dainippon Ink & Chem Inc ポリウレタン水分散液の製造法
KR100448698B1 (ko) * 2001-07-06 2004-09-16 씨엔이티 주식회사 인조피혁의 제조방법
JP2003201679A (ja) * 2001-12-28 2003-07-18 Nicca Chemical Co Ltd 銀付人工皮革用床材の製造方法及び銀付人工皮革
JP2003201349A (ja) * 2002-01-09 2003-07-18 Daicel Chem Ind Ltd 繊維強化ポリウレタン樹脂組成物、成形方法および成形品
JP2003336178A (ja) * 2002-05-13 2003-11-28 Sanyo Chem Ind Ltd 皮革様シート材料
JP2004292797A (ja) * 2003-03-10 2004-10-21 Sanyo Chem Ind Ltd ポリウレタン樹脂水性分散体及びそれを用いたシート材料
JP2006096852A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Sanyo Chem Ind Ltd 水系ポリウレタン樹脂エマルション
JP2008522019A (ja) * 2004-12-01 2008-06-26 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 安定した熱凝固性ポリウレタン分散物
WO2011114956A1 (ja) * 2010-03-16 2011-09-22 東レ株式会社 シート状物およびその製造方法
JP2011214210A (ja) * 2010-03-16 2011-10-27 Toray Ind Inc シート状物およびその製造方法
US9932705B2 (en) 2010-03-16 2018-04-03 Toray Industries, Inc. Sheet-like material and method for producing same
WO2012008336A1 (ja) * 2010-07-12 2012-01-19 株式会社クラレ 皮膜形成方法、及び皮膜
CN102971146A (zh) * 2010-07-12 2013-03-13 可乐丽股份有限公司 被膜形成方法及被膜
JP5706897B2 (ja) * 2010-07-12 2015-04-22 株式会社クラレ 皮膜形成方法、及び皮膜
WO2013065608A1 (ja) * 2011-10-31 2013-05-10 東レ株式会社 シート状物およびその製造方法
CN105518075A (zh) * 2013-09-06 2016-04-20 Dic株式会社 氨基甲酸酯树脂组合物、皮革样片材及皮革样片材的制造方法
KR101776539B1 (ko) * 2013-09-06 2017-09-07 디아이씨 가부시끼가이샤 피혁 유사 시트
WO2015033732A1 (ja) * 2013-09-06 2015-03-12 Dic株式会社 ウレタン樹脂組成物、皮革様シート及び皮革様シートの製造方法
US10385505B2 (en) 2013-09-06 2019-08-20 Dic Corporation Urethane resin composition, leather-like sheet, and method for producing the leather-like sheet
JP5858314B2 (ja) * 2013-09-06 2016-02-10 Dic株式会社 皮革様シート
CN106029976A (zh) * 2014-02-27 2016-10-12 东丽株式会社 片状物及其制造方法
KR20160127019A (ko) * 2014-02-27 2016-11-02 도레이 카부시키가이샤 시트상물 및 그의 제조 방법
KR102297654B1 (ko) 2014-02-27 2021-09-06 도레이 카부시키가이샤 시트상물 및 그의 제조 방법
KR101934662B1 (ko) * 2015-03-03 2019-01-02 디아이씨 가부시끼가이샤 피혁 모양 시트의 제조 방법
US10519596B2 (en) 2015-03-03 2019-12-31 Dic Corporation Method for producing leather-like sheet
WO2017013926A1 (ja) * 2015-07-21 2017-01-26 Dic株式会社 凝固物の製造方法
JP2022517489A (ja) * 2018-11-15 2022-03-09 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 合成皮革製品およびその調製方法
JP7282172B2 (ja) 2018-11-15 2023-05-26 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー 合成皮革製品およびその調製方法
JPWO2020174899A1 (ja) * 2019-02-25 2021-03-11 Dic株式会社 ウレタン樹脂水分散体、皮革シート、及び、皮革シートの製造方法
WO2020174899A1 (ja) * 2019-02-25 2020-09-03 Dic株式会社 ウレタン樹脂水分散体、皮革シート、及び、皮革シートの製造方法
JPWO2021084922A1 (ja) * 2019-10-28 2021-11-25 Dic株式会社 ウレタン樹脂組成物、及び、皮革シート
CN114302990A (zh) * 2019-10-28 2022-04-08 Dic株式会社 纤维基材及人造皮革
CN114729182A (zh) * 2019-10-28 2022-07-08 Dic株式会社 氨基甲酸酯树脂组合物及皮革片
JP7151899B2 (ja) 2019-10-28 2022-10-12 Dic株式会社 ウレタン樹脂組成物、及び、皮革シート
CN114302990B (zh) * 2019-10-28 2024-05-03 Dic株式会社 纤维基材及人造皮革
WO2023062981A1 (ja) * 2021-10-12 2023-04-20 Dic株式会社 積層体、及び、合成皮革
JP7473089B2 (ja) 2021-10-12 2024-04-23 Dic株式会社 積層体、及び、合成皮革

Also Published As

Publication number Publication date
JP4042016B2 (ja) 2008-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4042016B2 (ja) 繊維シート状複合物の製造方法及び人工皮革
KR100501660B1 (ko) 다공질 형성용 수계 우레탄 수지 조성물, 섬유 시트상복합물의 제조방법 및 인공 피혁
US4448922A (en) Coagulated polyurethane coating compositions
WO2015129602A1 (ja) シート状物およびその製造方法
JP7314267B2 (ja) 合成皮革製品およびその調製方法
JP3972234B2 (ja) 多孔質形成用水系ウレタン樹脂組成物
WO2016063761A1 (ja) シート状物
JP3741247B2 (ja) 繊維シート状複合物の製造方法及び人工皮革
JPWO2015115290A1 (ja) シート状物およびその製造方法
CN111378270B (zh) 发泡体形成用组合物、发泡体、发泡体的制造方法和皮革用材料
JP6786800B2 (ja) シート状物の製造方法
JP4283577B2 (ja) 無孔質膜型透湿性防水布帛、該無孔質膜型透湿性防水布帛用の水性ポリウレタン樹脂組成物並びに該組成物を含有するコーティング剤
JP2008081877A (ja) 通気性コーティング布帛
JP7242287B2 (ja) 皮革用材の製造方法
JP4279115B2 (ja) 多孔性構造体の製造方法、人工皮革及び合成皮革
JP2005213411A (ja) 多孔性構造体の製造方法、多孔性構造体及び皮革状構造物
JP3975716B2 (ja) 繊維積層体表皮層形成用水性樹脂組成物及びそれを用いた人工皮革
JP4532729B2 (ja) 多孔状構造物の製造方法
JP4927621B2 (ja) 表皮層形成用水性ポリウレタン樹脂組成物及びそれを用いた皮革状積層体
JP4563041B2 (ja) 多孔性構造体の製造方法、多孔性構造体及び皮革状構造物
JP3940013B2 (ja) 皮革様シート材料
JP2004143641A (ja) 皮革様シート材料
JP3967629B2 (ja) 皮革様シート材料
JP4217172B2 (ja) 防水性及び透湿性を有する加工布帛及びその製造方法
JP2022112712A (ja) 多孔層構成体及び多孔層構成体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050222

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060801

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060921

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071018

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4042016

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term