JP2000289138A

JP2000289138A - 模様入り化粧パネル及びその製造法

Info

Publication number: JP2000289138A
Application number: JP11099962A
Authority: JP
Inventors: Yasuhiko Sakai; 康彦坂井; Kenji Takada; 賢治高田
Original assignee: Hitachi Chemical Co Ltd; Hitachi Kasei Unit Ltd
Current assignee: Hitachi Kasei Unit Ltd; Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date: 1999-04-07
Filing date: 1999-04-07
Publication date: 2000-10-17

Abstract

(57)【要約】【課題】表面にデコボコやシワ、気泡等を発生させず、
意匠性に優れ、しかも軽くて作業しやすい模様入り化粧
パネルを提供する。【解決手段】有機繊維質基材３と透明樹脂層５との間に
模様層４を挟持してなる模様入りシート６を、その透明
樹脂層５側を下側にして、成形用下型８ｂのキャビティ
内に配置し、この上に前記有機繊維質基材３とは異なる
繊維質基材２を重ね合わせ、その上から発泡樹脂材料１
を供給し、成形用型８ａ、８ｂを閉じ発泡成形させ、模
様入り化粧パネルを得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴室、トイレ、シ
ャワールーム、サニタリールーム等の改装などに好適に
使用される軽量の模様入り化粧パネル及びその製造法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、浴室、トイレ、シャワールーム、
サニタリールーム等の水回り空間の内装の改修の際に利
用される壁材としては、例えば、ポリ塩化ビニル系壁紙
シートや、表面に模様を施したＳＭＣパネル等が用いら
れてきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記ポリ塩化
ビニル系壁紙シートの厚みは一般に薄く、そのため、改
修前の下地の凹凸や段差を拾って、表面がデコボコする
欠点がある。更に、その壁紙シートの貼付けにはシワや
気泡を発生させないように気を配らなければならず、熟
練した技能が必要である。また、表面に模様を施したＳ
ＭＣパネルは、表面にデコボコやシワを発生させず意匠
性に優れるが、軽くはない難点がある。本発明の目的
は、表面にデコボコやシワ、気泡等を発生させず、意匠
性に優れ、しかも軽くて作業しやすい模様入り化粧パネ
ルを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の模様入り化粧パネルでは次の構成をとっ
た。すなわち、本発明の模様入り化粧パネルは、次の
（１）〜（６）の模様入り化粧パネルである。（１）おもて面側から順に、透明樹脂層５と、模様層４
と、有機繊維質基材を有する第一発泡樹脂層３０と、前
記有機繊維質基材とは異なる繊維質基材を有する第二発
泡樹脂層２０とを含んでなる、模様入り化粧パネル。（２）第二発泡樹脂層２０の外側に更に第三発泡樹脂層
１０を含んでなる、上記（１）の模様入り化粧パネル。（３）第二発泡樹脂層２０中の繊維質基材が無機繊維質
基材である、上記（１）又は（２）の模様入り化粧パネ
ル。（４）無機繊維質基材がガラスマットである、上記
（３）の模様入り化粧パネル。（５）第一発泡樹脂層３０中の有機繊維質基材がポリエ
ステル不織布である、上記（１）〜（４）のいずれかの
模様入り化粧パネル。（６）第一発泡樹脂層３０、第二発泡樹脂層２０及び／
又は第三発泡樹脂層１０における発泡樹脂材料が発泡ウ
レタン樹脂である、上記（１）〜（５）のいずれかの模
様入り化粧パネル。

【０００５】また、本発明は、上記（１）〜（６）のい
ずれかの模様入り化粧パネルの製造法にも関する。その
製造法は、有機繊維質基材３と透明樹脂層５との間に模
様層４を挟持してなる模様入りシート６を、その透明樹
脂層５側を下側にして、成形用下型８ｂのキャビティ内
に配置し、この上に前記有機繊維質基材３とは異なる繊
維質基材２を重ね合わせ、その上から発泡樹脂材料１を
供給し、成形用型８ａ、８ｂを閉じ発泡成形することを
特徴とする。なお、ここで、「透明」樹脂層とは「半透
明」樹脂層を含む意味で用いる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して、具体的に説明する。図１は、本発明に係る
模様入り化粧パネルの一例の断面略図である。図１に示
すように、模様入り化粧パネルは、おもて面側から順
に、透明樹脂層５、模様層４、有機繊維質基材を有する
第一発泡樹脂層３０、及び（前記有機繊維質基材とは異
なる有機又は無機）繊維質基材を有する第二発泡樹脂層
２０から構成されている。

【０００７】透明樹脂層の樹脂としては、透明又は半透
明な樹脂であれば種々の樹脂が使用できる。不飽和ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂やポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポ
リエステル、フッ素系フィルム、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好ましく用いられ
る。透明樹脂層の厚みは、模様（絵柄）を美しく表現す
る厚みが好ましく、そのような厚みは、通常は１０〜２
００μｍ程度、好ましくは２５〜１００μｍ程度であ
る。これらの透明樹脂層（又はシート）は、接着容易性
を付与するコロナ放電処理や、抗菌性を付与するための
処理（例えば、抗菌性フッ素塗膜処理）がなされたもの
が好ましく用いられる。

【０００８】模様層４は、少なくとも模様４ａを有する
層で、模様４ａのほかに接着剤４ｂ等を含むものであっ
てもよい。模様４ａの材料は、インキや着色充填材等で
あり、前記着色充填材としては、雲母（マイカ）等の天
然鉱物の粉砕物、金属等の無機物の粉砕物、繊維等の有
機物又はこれらの粉砕物等がある。

【０００９】第一発泡樹脂層３０に用いられる有機繊維
質基材としては、有機ポリマの不織布又は織布や紙等が
あり、不織布又は織布としては、ポリエステル繊維、ポ
リビニルアルコール繊維等の繊維が使用でき、紙として
は、チタン紙、上質紙、クラフト紙、和紙等が使用で
き、好ましくは、ポリエステル不織布である。表面平滑
性及び接着性に優れるからである。その厚みとしては５
０μｍ〜５００μｍ程度のものが好ましい。

【００１０】前記有機繊維質基材とは異なる繊維質基材
としては、有機繊維質基材又は無機繊維質基材がある。
ここで、有機繊維質基材を用いる場合は、前述の有機ポ
リマの不織布又は織布や紙等があり、これらは互いに異
なるものを用いる。

【００１１】無機繊維質基材を用いる場合は、ガラス繊
維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、
シリカ繊維等の不織布又は織布が使用でき、好ましく
は、ガラス単繊維を抄紙したガラス繊維不織布であり、
更に好ましくは、コンティニュアスストランドマット、
チョッブドストランドマット又はサーフェイスマット等
のガラスマットであり、特に好ましくは、発泡樹脂材料
の含浸が良好なコンティニュアスストランドマットであ
る。前記（有機繊維質基材とは異なる）繊維質基材の厚
みとしては５０μｍ〜１５００μｍ程度のものが好まし
い。

【００１２】発泡樹脂材料としては、発泡用ウレタン樹
脂、発泡用フェノール樹脂等が使用できる。中でも、ポ
リオール成分とイソシアネート成分の２液を反応させる
発泡用ウレタン樹脂が経済性の点から好ましく使用さ
れ、特に、１立方メートル当たり２００〜５００ｋｇの
密度の硬質ポリウレタン材料が好ましい。また、発泡倍
率としては、好ましくは３〜５倍程度である。パネルの
表面硬度と良好なパネル成形性を確保するためである。

【００１３】本発明の他の例の模様入り化粧パネル（断
面略図）を図２に示す。図２の模様入り化粧パネルは、
図１で示した模様入り化粧パネルの第二発泡樹脂層２０
の外側に、更に、第三発泡樹脂層１０を含んでいる模様
入り化粧パネルである。なお、ここで、第三発泡樹脂層
１０は、繊維質基材２を含まない層である。第三発泡樹
脂層１０の厚みは、通常、０〜２ｍｍ程度である。

【００１４】次に、本発明に係る模様入り化粧パネルの
製造法について、説明する。図３は、本発明の模様入り
化粧パネルの製造法の説明図（断面図）である。図示す
るように、有機繊維質基材３及び透明樹脂層５の間に模
様層４を挟持した模様入りシート６を、その透明樹脂層
５が下側、有機繊維質基材３が上側になるようにして、
下型（雌型）８ｂのキャビテイ内に配置し、次いで、そ
の上に繊維質基材２を載置し、その上から発泡樹脂材料
１を注入し、離型用フィルム９で覆った後、成形用上型
（雄型）８ａを嵌合させつつ、発泡樹脂材料１を繊維質
基材２及び有機繊維質基材３に浸み込ませながら、発泡
樹脂材料１を発泡させ、加圧成形する。加圧の際、好ま
しくは加熱する。冷却後、脱型して、本発明に係る模様
入り化粧パネルを得る。

【００１５】ここで、離型用フィルム９は、成形用型と
成形品の離型性をよくするために使用するもので、ポリ
エチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等が使用で
きる。発泡樹脂材料の種類や成形条件によっては、これ
らの離型用フィルムの使用を要しない場合もある。発泡
樹脂材料の使用量は、１平方メートル当たり、好ましく
は、６００〜１，０００ｇ程度である。加圧成形は、重
合反応が終了する条件で行えばよいが、ウレタン樹脂の
場合、温度は３０〜４０℃程度で、発泡樹脂材料を繊維
質基材２及び有機繊維質基材３に浸み込ませた後、成形
用下型８ｂと成形用上型８ａとを嵌合させる時間は７〜
１５分間程度、好ましくは８〜１０分間程度である。得
られる模様入り化粧パネルの厚さは、３〜１０ｍｍ程度
である。

【００１６】有機繊維質基材及び透明樹脂層の間に模様
層を挟持させた模様入りシートは、種々の方法で調製で
きる。例えば、熱可塑性樹脂シート等の透明樹脂層の片
面にグラビア印刷、シルクスクリーン印刷等によりイン
キで模様付けした模様付きシートと有機繊維質基材と
を、模様層付き面を内側にして接着剤で貼り合わせるこ
とができる。この際に使用できる接着剤としては、種々
の接着剤が使用できるが、好ましいものは、２液硬化型
ウレタン樹脂接着剤である。また、模様は、木目柄、石
目柄、布目柄、幾何学模様等のいずれの模様（又は絵
柄）でもよい。

【００１７】また、使用できる有機繊維質基材として
は、先に述べた通り、有機ポリマの不織布又は織布や紙
等があり、好ましくは、ポリエステル不織布である。ま
た、その目付量は好ましくは１平方メートル当たり１０
〜４００ｇ（厚みとしては５０μｍ〜５００μｍ程度）
である。

【００１８】また、使用できる無機繊維質基材は、先に
述べた通り、ガラス繊維、炭素繊維等であり、特に好ま
しくは、発泡樹脂材料の含浸が良好なコンティニュアス
ストランドマットである。その目付量は、好ましくは１
平方メートル当たり１０〜４５０ｇ（厚みとしては５０
μｍ〜１５００μｍ程度）のものを使用する。

【００１９】本発明に係る模様入り化粧パネルは、その
表面が模様入り化粧シートであるので、美感があり、意
匠性に優れる。また、模様入り化粧シートと有機繊維質
基材及び無機若しくは有機繊維質基材で補強された発泡
樹脂とが一体に成形され、気泡を多量に含むので軽い。
また、模様入り化粧パネルの模様入りシートと第二発泡
樹脂層とは、模様入りシートに接着させている有機繊維
質基材及び発泡樹脂を介して行われるため、互いに強く
固着しており、したがって、第一発泡樹脂層と第二発泡
樹脂層との間で剥離を起こしにくい。

【００２０】

【実施例】実施例１成形用下型（雌型）のキャビテイ内に、一方の面にコロ
ナ放電処理及び抗菌性処理がされ、他方の面に模様（絵
柄）が施された厚み１００μｍの２軸延伸ポリエチレン
テレフタレートシートと、厚み７０μｍのポリエステル
不織布とを、２液硬化型ウレタン樹脂系接着剤で接着さ
せた模様入りシートを、その模様面を下にして載置し
た。この上に、１平方メートル当たり３００ｇのコンテ
ィニュアスストランドマットを載置し、その上からポリ
オール成分とイソシァネート成分とを混合したウレタン
発泡原液を塗布量１，０００ｇ／平方メートルとなるよ
うに注入し、その上に、ポリエチレンフィルム（離型用
フィルム）を載置した。成形用上型と成形用下型とを嵌
合させ、コンティニュアスストランドマット及びポリエ
ステル不織布にウレタン発泡原液を含浸させた後、４０
〜５０℃に加熱し発泡させながら、８分間、加圧成形し
た。脱型して、上記模様入りシート、コンティニュアス
ストランドマット及びウレタン発泡樹脂が一体化されて
なる模様入り化粧パネルを得た。得られた図２で示すよ
うな構造の模様入り化粧パネルで、その厚みは約３ｍｍ
であった。

【００２１】実施例２ウレタン原液のかわりにフェノール発泡原液を用いて、
実施例１と同様に操作し、模様入り化粧パネルを得た。

【００２２】

【発明の効果】本発明の模様入り化粧パネルは、模様入
り化粧シートと有機繊維質基材及びその有機繊維質基材
とは異なる繊維質基材で補強された発泡樹脂とが一体に
成形されているので、意匠性に優れ、軽量である。その
ため、浴室等の内装の改装に好適であり、適度の厚さを
有するので改装前の下地の凹凸や段差を拾ってしまうこ
とがなく、パネルの貼付け作業は接着剤等で簡単に行
え、専門的な技能を要しない。特に、第二発泡樹脂層の
繊維質基材としてガラスマットを用いると、剛性が高
く、また反りにくい利点もある。また、本発明の模様入
り化粧パネルはカッター等で簡単に切断できることか
ら、施工現場での作業性も優れている。また、模様入り
化粧パネルの模様入りシートと第二発泡樹脂層とは、模
様入りシートに接着させている有機繊維質基材を介して
発泡樹脂で行われるため、互いに強く固着しており、し
たがって、第一発泡樹脂層と第二発泡樹脂層との間で剥
離を起こしにくい。本発明の製造法により、本発明の模
様入り化粧パネルを容易に製造できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一例の模様入り化粧パネルの断面略図
である。

【図２】本発明の他の例の模様入り化粧パネルの断面略
図である。

【図３】本発明の模様入り化粧パネルの製造法の説明図
（断面略図）である。

【符号の説明】

１：発泡樹脂材料１ａ：泡含有樹脂２：繊維質基材３：有機繊維質基材４：模様層４ａ：模様４ｂ：接着剤５：透明樹脂層６：模様入りシート７：泡８ａ：成形用上型（雄型）８ｂ：成形用下型
（雌型）９：離型用フィルム１０：第三発泡樹脂層２０：繊維質基材を有する第二発泡樹脂層３０：有機繊維質基材を有する第一発泡樹脂層１００：発泡樹脂材料含有模様入りシート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者高田賢治富山県富山市一本木1010番地日立化成ユニット株式会社内Ｆターム(参考） 4F100 AA00D AG00E AK01A AK01C AK01D AK01E AK41C AK42A AK51C AK51D AK51E AK51G AR00B BA04 BA05 BA07 BA13 CB02 DG01C DG01D DG06E DG15C DH00C DH00D DH00E DJ01C DJ01D EA061 EC032 EC051 EH311 EJ022 EJ202 EJ422 EJ822 EJ913 EJ951 GB08 GB90 HB00B JK06 JL01 JL02 JL03 JL04 JL05 JN01A

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】おもて面側から順に、透明樹脂層と、模様
層と、有機繊維質基材を有する第一発泡樹脂層と、前記
有機繊維質基材とは異なる繊維質基材を有する第二発泡
樹脂層とを含んでなる、模様入り化粧パネル。
【請求項２】第二発泡樹脂層の外側に更に第三発泡樹脂
層を含んでなる、請求項１の模様入り化粧パネル。
【請求項３】第二発泡樹脂層中の繊維質基材が無機繊維
質基材である、請求項１又は２の模様入り化粧パネル。
【請求項４】無機繊維質基材がガラスマットである、請
求項３の模様入り化粧パネル。
【請求項５】第一発泡樹脂層中の有機繊維質基材がポリ
エステル不織布である、請求項１〜４のいずれかの模様
入り化粧パネル。
【請求項６】第一発泡樹脂層、第二発泡樹脂層及び／又
は第三発泡樹脂層における発泡樹脂材料が発泡ウレタン
樹脂である、請求項１〜５のいずれかの模様入り化粧パ
ネル。
【請求項７】有機繊維質基材と透明樹脂層との間に模様
層を挟持してなる模様入りシートを、その透明樹脂層側
を下側にして、成形用下型のキャビティ内に配置し、こ
の上に前記有機繊維質基材とは異なる繊維質基材を重ね
合わせ、その上から発泡樹脂材料を供給し、成形用型を
閉じ発泡成形する、請求項１〜６のいずれかの模様入り
化粧パネルの製造法。