JP2001089583A - 内外装用断熱性シートおよび断熱性建築部材 - Google Patents

内外装用断熱性シートおよび断熱性建築部材

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JP2001089583A
JP2001089583A JP26553699A JP26553699A JP2001089583A JP 2001089583 A JP2001089583 A JP 2001089583A JP 26553699 A JP26553699 A JP 26553699A JP 26553699 A JP26553699 A JP 26553699A JP 2001089583 A JP2001089583 A JP 2001089583A
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exterior
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insulating sheet
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JP26553699A
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Inventor
Hironori Kamiyama
弘徳 上山
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Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属サッシ等の建築部材が、過熱による反
り、結露等の欠点を有する点を解消し、また、化粧シー
トを貼った際に生じる諸欠点を解消することを課題とす
る。 【解決手段】 内外装用断熱性シート1は、繊維質基材
2上に、中空粒子と気泡を含む高分子バインダー層3が
積層されて基本的に構成されており、より好ましくは、
繊維質基材の上面から内部に高分子バインダー層が含浸
した部分4を有している。最上層には、化粧シート5が
積層されているてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物、建具、も
しくは乗り物等の内外装用として用いることができる内
外装用断熱性シートおよび断熱建築部材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】建築物の開口部に、金属サッシが使われ
ることが多いが、金属サッシは熱伝導率が高く、夏季に
はサッシ自身の過熱のため、熱膨張による反りを生じた
り、冬季には暖房によって生じる湿気がサッシ表面に結
露する等の欠点を有するものである。このため、冷暖房
効率が悪くなることがあり、地球温暖化防止の観点から
より一層の断熱性向上が望まれている。金属サッシに
は、その表面にラッピング加工により、化粧シートを貼
ることがあるが、この場合にも、上記と同様な欠点を有
する上に、化粧シートの経時的な劣化(例えば変退
色)、貼ってある状態からの剥離、ズレ等を生じる。サ
ッシ以外の建築部材においても、程度の差はあれ、上記
と同様な欠点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、金
属サッシ等の建築部材が、反り、結露等の欠点を有する
点を解消し、また、化粧シートを貼った際の同様な欠
点、および化粧シートに生じる種々の欠点を解消しよう
とすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決する手段】上記の課題は、中空粒子または
/および気泡による独立気泡を内在する高分子バインダ
ー層を断熱層として用い、建築部材に積層することによ
り、特に、その断熱層を繊維質基材上に積層することに
より、解決される。
【0005】第1の発明は、繊維質基材に中空粒子また
は/および気泡を含む高分子バインダー層が含浸してい
ることを特徴とする内外装用断熱性シートに関するもの
である。第2の発明は、第1の発明において、繊維質基
材のおもて側の表面近傍を残して、中空粒子または/お
よび気泡を含む高分子バインダー層が含浸していること
を特徴とする内外装用断熱性シートに関するものであ
る。第3の発明は、第1または第2の発明において、さ
らに化粧層が積層されていることを特徴とする内外装用
断熱性シートに関するものである。第4の発明は、第1
〜第3いずれかに記載の内外装用断熱性シートが、建築
部材の表面に積層されていることを特徴とする内外装用
断熱性建築部材に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明の内外
装用断熱シート1は、基本的には、繊維質基材2に独立
気泡を含む高分子バインダー層3が含浸しているもので
ある。あるいは、図2に示すように、本発明の内外装用
断熱性シート1は、繊維質基材2の一部を残して、独立
気泡を含む高分子バインダー層3が含浸しているもので
あってもよい。
【0007】繊維質基材2としては、不織布、もしくは
紙等が好ましく、特に制約することはないが、単位面積
当たりの重量としては、100g/m2以下であること
が好ましい。また、後述するように、繊維質基材2の上
層の高分子バインダー層3は、塗料組成物の塗布により
製造するので、繊維質基材2と高分子バインダー層3と
の密着性を向上させる観点から、透気度が100秒/1
00cm3以下であることが好ましい。なお、プラスチ
ック等のフィルムや100g/m2を超える不織布を基
材とする場合、密着性、特に、高分子バインダー層3の
発泡後の密着性が十分でない。これは含浸性が無いか、
または乏しいためと考えられる。
【0008】高分子バインダー層3は、本発明の内外装
用断熱性シート1に断熱性を付与する機能を持つ層であ
り、無数の独立気泡が内在しているものであり、このよ
うな構造とすることにより、空気の対流を抑制し、熱の
伝導も最小限にすることができる。具体的には、高分子
バインダー層3内の無数の独立気泡は、発泡剤が発泡し
て生じた気泡、もしくは中空粒子のいずれか一方、また
は両方からなっている。
【0009】一般に塗料組成物を塗布して発泡させるに
は、機械的に気体、特に不活性ガス、好ましくは低熱伝
導性のガスの泡、または、有機化合物からなる化学発泡
剤を塗料組成物中に配合しておき、塗布後、加熱して発
泡させる。本発明において、発泡剤としては一般的なも
のが使用でき、このうち、化学発泡剤としては、アゾジ
カルボンアミド、もしくはアゾビスイソブチロニトリル
等のアゾ系発泡剤、ベンゼンスルホニルヒドラジド、も
しくはp−トルエンスルホニルヒドラジド等のスルホニ
ルヒドラジド系、ジニトロソペンタメチレンテトラミン
等のニトロソ系、重炭酸ナトリウム、もしくは重炭酸ア
ンモニウムがある。
【0010】また、アクリロニトリル樹脂等の外壁にイ
ソブタン、ネオペンタン等の低沸点炭化水素を内包させ
たマイクロカプセル型発泡剤は、比較的低温発泡に適し
ており、好ましい発泡剤である。このようなマイクロカ
プセル型発泡剤としては、例えば、松本油脂製薬(株)
製の発泡剤(品番で、F−46、F−50、F−55、
F−80、もしくはF−85が使用でき、これらは、発
泡倍率も20倍以上あり、好ましい。なお、化学発泡剤
を使用するときは、必要に応じ、発泡温度を低下させて
発泡しやすくするための発泡助剤を使用してもよい。
【0011】中空粒子としては、有機質もしくは無機質
を外壁とするものが使用でき、フェノール樹脂、アクリ
ル樹脂、アクリルニトリル樹脂、もしくはポリスチレン
樹脂等の有機質からなるものや、シラスバルーン等の無
機質からなるものが使用できる。前者の有機質を外壁と
する中空粒子の中には、前段落で説明したマイクロカプ
セル型発泡剤を塗料組成物に配合する以前に、発泡させ
たものに相当するものも含まれ、このようなものとして
は、例えば、松本油脂製薬(株)製の中空粒子(品番
で、F−80ED、もしくはF−80E)は、密度が
0.02g/cm3と小さいので、熱伝導性の抑制に効
果的であり、使用することが好ましい。
【0012】高分子バインダー層3は、上記の発泡剤が
発泡して生じた気泡と中空粒子とからなっており、高分
子バインダー層3を製造するには、発泡剤、中空粒子、
高分子バインダー、および溶剤、並びに、必要に応じて
配合する各種添加剤とともに、溶解もしくは分散して塗
料組成物を調製し、適宜な手段により、繊維質基材に塗
布し、乾燥させ、その後、過熱して発泡させる。
【0013】高分子バインダーとしては、ニトロセルロ
ース、酢酸セルロース、酪酢酸セルロース、エチルセル
ロース、ポリアミド樹脂、塩化ゴム、環化ゴム、ポリア
ミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニ
ル共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンマ
レイン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルア
セタール(ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラー
ル等)樹脂、シアノアクリレート樹脂、ポリビニルアル
キルエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ユ
リア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノ
ール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポ
リベンツイミダゾール樹脂、ポリベンゾチアゾール樹脂
等のうちから、用途に合わせて、1種もしくは2種以上
を選択して使用する。
【0014】また、天然ゴム、再生ゴム、スフチレン−
ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、
クロロプレンゴム、ブチルゴム、ポリスルフィドゴム、
シリコーンゴム、ポリウレタンゴム、ステレオゴム(合
成天然ゴム)、エチレンプロピレンゴム、もしくはブロ
ックコポリマーゴム(SBS,SIS,SEBS等)等
も使用できる。
【0015】必要に応じて配合する添加剤としては、消
泡剤、界面活性剤、分散剤、沈降防止剤、もしくは発泡
助剤等がある。なお、中空粒子、およびマイクロカプセ
ル型発泡剤は、シリコーンオイルやシリコーン樹脂で被
覆しておき、防水性を高めてもよい。
【0016】塗料組成物を繊維質基材に関するものであ
る塗布する手段としては、ロールコーティング、グラビ
アコーティング、スプレイコーティング、カーテンフロ
ーコーティング、もしくはかけ流し法などの公知の塗布
層手段があり、あるいはシルクスクリーン印刷、フレキ
ソ印刷、グラビア印刷等の印刷手段も利用でき、塗膜の
厚みとしては多い方が好ましいが、塗布の安定性や乾燥
性の点を考慮すると、発泡剤を発泡させる以前の乾燥状
態で、20μm〜500μm程度の厚みの塗膜とするこ
とが好ましい。
【0017】塗布後、適当な乾燥手段により、加熱乾燥
を行なうが、加熱乾燥に先立って放置して自然乾燥させ
たり、風のみを当てて、いわゆる風乾させ、その後、加
熱乾燥させることもある。
【0018】発泡は、上記の乾燥後に行なう場合と、乾
燥しつつ発泡させる場合とがあり、発泡剤の種類、発泡
温度等により、いずれかの方法を採る。
【0019】ところで、図1に示すように、繊維質基材
2に高分子バインダー層3が含浸している構造の内外装
用断熱性シート1は、上面側に化粧シート等を積層しよ
うとすると、密着性が必ずしも十分でない。このため、
繊維質基材2に高分子バインダー層3を含浸させるとき
に、高分子バインダー層3を塗布により形成する側から
内部に向かって、高分子バインダー層3を浸透させ、た
だし、反対側の面までは浸透しないよう制御して、図2
に示すように、不織布のみの部分4を残すことが好まし
い。なお、図2は塗布する際とは上下を逆にし、化粧シ
ートを貼る側が上になるよう示してある。
【0020】繊維質基材2に高分子バインダー層が含浸
している部分の厚みは、繊維質基材2の密度、厚み、高
分子バインダー層3中の中空粒子や気泡等の独立気泡の
割合にもよるが、好ましくは2μm以上、より好ましく
は10μm以上であり、最大限としては、繊維質基材2
の厚み程度とするのが好ましい。
【0021】本発明の内外装用断熱性シート1は、繊維
質基材2に含浸した高分子バインダー層3側が露出し、
人目に触れることが多い。このため、周囲の建築部材と
の外観的な調和を維持する意味で、図3もしくは図4に
示すように、化粧シート5を表面に積層して化粧を施し
ておくことが好ましい。図3は、図1のものの表面に化
粧シート5が積層された状態を、また、図4は、図2の
ものの表面に化粧シート5が積層された状態を示す。
【0022】化粧シート5は、適宜なシート基材に化粧
が施されたものである。シート基材としては、通常、化
粧シート分野で用いられている素材であれば、いずれも
使用可能であり、大別すれば、各種の紙類、プラスチッ
クフィルム又はプラスチックシート、金属箔、もしくは
金属シート等の各群である。
【0023】上記の各群に含まれるシート基材用の素材
は、単独で使用してもよいが、紙同士の複合体や紙とプ
ラチスチックフィルムの複合体等、これら素材の任意の
組合わせによる積層体も利用できる。シート基材は、元
々着色されていてもよく、製造時に塗装や模様付けがな
されていてもよい。塗装や通常の模様形成に先立って表
面が平滑化されていたり、塗膜や模様の密着度を上げる
ために下地処理が施されていてもよい。塗装や通常の模
様形成後には、後の加工を容易にするための接着性改善
処理を施すことも差し支えない。
【0024】シート基材用の各種の紙類としては、以下
のものが代表的なものとして例示される。即ち、薄葉
紙、クラフト紙、チタン紙、予め紙間の強化の目的で樹
脂を含侵してある樹脂含浸紙も使用できる。これらの
他、リンター紙、板紙、石膏ボード用原紙、又は紙の表
面に塩化ビニル樹脂層を設けたビニル壁紙原反等、建材
分野で使われることの多い一群の原反が挙げられる。更
には、事務分野や通常の印刷、包装などに用いられる次
の紙類も使用可能である。即ち、コート紙、アート紙、
硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、又は和紙等であ
る。又、これらの紙とは区別されるが、紙に似た外観と
性状を持つ次のような各種繊維の織布や不織布もシート
基材として使用できる。
【0025】シート基材用のプラスチックフィルム又は
プラスチックシートとしては、次に例示するような各種
の合成樹脂からなるものが挙げられる。各種の合成樹脂
とは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメ
チルペンテン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニ
リデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重
合樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリメタクリル
酸エチル樹脂、ポリアクリル酸ブチル樹脂、ナイロン6
又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢
酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、又はポリイ
ミド樹脂等である。
【0026】シート基材に施す化粧としては、種々のも
のがあるが、代表的には、着色、模様付け、凹凸加工、
もしくは表面塗装等による。
【0027】着色は最も基礎的な化粧の手法である。本
発明においては、上層の高分子バインダー層3に着色塗
料で塗装するか、もしくは高分子バインダー層3を形成
するための塗料組成物中に着色剤を配合しておくことに
より、層3を着色するとよい。あるいは、着色された透
明もしくは不透明なフィルムを貼っても着色できる。な
お、模様付けの際に、模様付けに相応しい下地色を着色
により整える場合がある。
【0028】模様付けは化粧の代表的なものである。色
彩および形の組み合わせにより形成するのが普通だが、
材質感や艶を変えた区域を形成することにより、模様を
形成することもでき、模様の絵柄としては、文字もしく
はパターンを問わず、パターンも具象的、もしくは抽象
的であるもののいずれでもよい。模様の形成の手法とし
ては、手描き、もしくは切り抜いたパターンの貼り付け
等の手工的なものも可能だが、工業的な手法としては印
刷が用いられ、公知のいずれの方式の印刷も利用でき
る。例えば、平版オフセット印刷、凸版印刷、グラビア
印刷、彫刻凹版印刷、もしくはシルクスクリーン印刷等
である。目にみえる版を作らない点で、従来の印刷とは
異なるが、インクジェット方式、もしくは電子写真方式
も利用できる。
【0029】凹凸加工は、シート基材の元々の外観とは
異なる材質感を与えるものである。凹凸の形状として
は、既に世の中に存在する物品の表面の凹凸形状を模し
たものがあり、布の織り目、木の板の表面の凹凸、大理
石等の石の表面の割れ目やハンマー等で叩いた仕上げ面
の凹凸等がある。また、各々の模様の形状と合致させた
凹凸の形状を形成する場合もある。見た目の凹凸とは多
少異なるものとして、化粧シートの表面の艶がある。艶
の調整は化粧シートの表面の微細な凹凸の形状を変える
ことによって行なう。以上の種々の凹凸の形状は、任意
に組み合わせる事も出来る。
【0030】凹凸加工は、通常、以上のような凹凸の形
状の逆型の形状を表面に持つ凹凸加工用版、もしくは凹
凸加工用ロールを用い、必要に応じて加熱しながら、片
面をシート基材に当てて加圧して行なう。
【0031】凹凸加工に伴なうものとしてワイピング塗
装がある。形成された凹部に着色剤(インキもしくは塗
料)を充填し、余分をかき取って除去する方式である。
具体的には凹凸を施した化粧シートの表面に適宜な手段
によりインキもしくは塗料を供給し、スキージーでかき
取る。一例として、木目の導管模様を模した凹部を形成
しておき、茶色等の濃色の着色剤を凹部に充填して余分
を除去すると、木目の導管模様が強調された、印象の強
い化粧シートを得ることができる。
【0032】化粧シート5の表面には、表面塗装等を行
なって、表面保護層を形成し、表面の物理的もしくは化
学的な耐久性を向上させてもよい。表面塗装用の塗料の
樹脂バインダーとしては、熱可塑性樹脂も使用できる
が、熱硬化性樹脂を使用することが耐久性の向上の点で
好ましい。例えば、ポリウレタン樹脂をバインダーとす
る塗料を用いて形成した表面保護層は、フレキシブルで
ありながら、耐摩耗性等が優れており、好ましい。さら
に、紫外線硬化性もしくは電子線硬化性のポリマー、プ
レポリマー、オリゴマー、もしくはモノマーを含む電離
放射線硬化性塗料を用いることにより、より耐久性の高
い表面保護層を形成することができる。
【0033】本発明の内外装用断熱性シート1は、建築
物、建具、もしくは乗り物等の内外装用として用いるも
のである。図5は、本発明の内外装用断熱性シート1を
パネル6状の建築部材に適用した例を示す断面図で、枠
7の表裏に板8および8’を打ち付けてあるパネル6の
片面に、内外装用断熱性シート1が貼ってあるものであ
る。パネル6と内外装用断熱性シート1との間は、接着
剤、粘着剤、両面粘着テープ、ヒートシール剤、もしく
は針金等によって固着するとよい。内外装用断熱性シー
ト1をパネル6等に貼るため、内外装用断熱性シート1
の裏面に予め、粘着剤、接着剤(例えば再湿糊)、もし
くはヒートシール剤を塗って接着用の層を設けたものを
建築部材に適用してもよい。
【0034】図6は、本発明の内外装用断熱性シート1
を棒状体の建築部材に適用した例を示す断面図で、符号
9は中空の四角柱状で、一側面に長さ方向に平行な切り
欠き部分を有した棒状の形状を有するものであり、その
外側に内外装用断熱性シート1が被覆してあるものであ
る。棒状体9と内外装用断熱性シート1との間の固着
は、前段落のパネル6の場合と同じであり、内外装用断
熱性シートの裏面に接着用の層を設けておいてよい点
も、前の段落におけるものと同様である。
【0035】本発明の内外装用断熱性シート1を適用す
る建築部材としては、図5および図6に示したものに限
定されず、様々な形状のものが対象となる。例えば、比
較的面積の大きい板状、パネル状のものとして、屋根
材、間仕切り材、カーテンウォール等の外壁材等、また
は、フェンス、格子、門扉、ルーフデッキ、テラス、も
しくはバルコニー等のエクステリア関係、窓枠、窓用ガ
ラス戸、ドア等の開口部材等が例示できる。
【0036】
【実施例】(実施例)断熱性シートを形成するための塗
料を次のような配合で混合し、調整した。 〈塗料組成物〉 中空粒子 27重量部 (松本油脂製薬製、F80−ED、外壁;アクリルニトリル樹脂 径;20〜80μm、比重;0.02g/cm3、固形分;15%) 発泡剤 57重量部 (松本油脂製薬製、F−55、外壁;アクリルニトリル樹脂 エチレン/酢酸ビニル共重合体 100重量部 (中央理化社製、BE−920、固形分50重量%)
【0037】シート基材としては、アクリル繊維の不織
布(旭化成工業社製、シャレリアC−1025)を準備
し、片面に上記の塗料組成物をコンマコーターにより塗
布して、塗料組成物を、基材のアクリル繊維の不織布の
塗布面とは反対側の表面を残して浸透させ、120℃で
1分間乾燥させ、厚み200μmの乾燥済み含浸層を得
た後、150℃に昇温して、発泡剤を発泡させ、厚み1
mmの断熱性層を有する断熱性シートを得た。
【0038】上記の断熱性シートに貼る化粧シートを次
のようにして準備した。ポリプロピレン樹脂の2軸延伸
フィルムをシート基材として用い、両面にコロナ放電処
理を施した後、ロールコーティング法により着色し、そ
の上に印刷して模様を形成し、模様付きシートを得た。
別に、アクリル樹脂フィルム(三菱レイヨン社製、MB
S−207)を準備して、予め片面にコロナ処理を施し
た後、前記の模様付きシートの模様上に、コロナ処理面
側が接するようにして重ね、150℃の温度で両者を熱
融着させ、同時に表面に凹凸を施して、化粧シートを得
た。
【0039】上記で得られた化粧シートのポリプロピレ
ン樹脂フィルム側と、先に準備した断熱性シートの不織
布の露出面側とを、下記配合のポリウレタン樹脂接着剤
をロールコーティング法により化粧シート側に、15g
/m2塗布し、ドライラミネーションにより貼り合わせ
た。貼り合わせた後、40℃の温度で3日間養生して接
着力を向上させ、最終的な内外装用断熱性シートを得
た。 〈ポリウレタン樹脂接着剤の配合〉 主剤 100重量部 (大日精化社製、E−295L、固形分;70%) イソシアネート硬化剤 10重量部 (大日精化社製、C75N−3、固形分;60%) E−295L、固形分;70%)
【0040】上記の実施例で得られた内外装用断熱性シ
ートを、アルミニウム製の舟型容器の底に貼り、同容器
を室温20℃、相対湿度30%(露点4℃)の環境下
で、水温0℃の氷水を入れた水槽内に浮かべたところ、
平衡状態では、舟型容器の底のアルミニウム面の温度は
1℃であり、貼ってある内外装用断熱性シートの表面の
温度は7℃であった。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、繊維質基材、
並びに、中空粒子および気泡を含む高分子バインダー層
の両層が積層されているので、断熱性が優れており、建
築部材に適用した際に、内外装用断熱性シートの表面と
建築部材との間の熱伝導を抑制でき、従って、建築部材
が、反り、結露等の欠点を有する点が解消され、また、
化粧シートを貼った際に、化粧シートに生じる種々の欠
点を解消可能な内外装用断熱性シートを提供できる。請
求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、
高分子バインダー層側の繊維質基材中に高分子バインダ
ー層が含浸しているため、繊維質基材と高分子バインダ
ー層の密着性が向上し、層間が十分な接着力を有する内
外装用断熱性シートを提供できる。請求項3の発明によ
れば、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、最
上層に化粧層を有しているため、様々な対象に適用した
ときに、外観が優れ、周囲との違和感が生じにくい内外
装用断熱性シートを提供できる。請求項4の発明によれ
ば、請求項1〜3いずれかに記載の内外装用断熱性シー
トが建築部材に適用されているので、反り、結露等の欠
点を有する点が解消された断熱性の高い建築部材を提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内外装用断熱性シートの断面図である。
【図2】内外装用断熱性シートの断面図である。
【図3】化粧シートを積層した内外装用断熱性シートの
断面図である。
【図4】化粧シートを積層した内外装用断熱性シートの
断面図である。
【図5】内外装用断熱性シートをパネル状の建築部材に
貼った状態の断面図である。
【図6】内外装用断熱性シートを棒状の建築部材に貼っ
た状態の断面図である。
【符号の説明】
1 内外装用断熱性シート 2 繊維質基材 3 高分子バインダー層 5 化粧シート 6 パネル 9 棒状体
フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DD01 FA07 FA09 FA10 FA16 FA18 FA31 FA32 FA33 GA03 GA06 GA09 GA23 GA24 GA28 GA76 GA82 GA85 HC07 HD11 HE01 HE06 JA14 LA04 LA16 4F072 AB29 AB31 AD01 AD02 AD04 AD05 AD06 AD08 AD13 AD21 AD23 AD44 AD45 AD46 AE14 AE22 AG03 AG16 AH26 AJ04 AK02 AK05 AL02 AL17 4F074 BA03 BA04 BA13 BA14 BA16 BA18 BA38 BA39 BA91 BC01 CA29 CC04X CC22Y CC28Y CE02 CE44 CE46 CE47 CE48 CE49 CE54 CE55 CE56 CE59 CE65 CE98 DA32 DA44 DA54 4F100 AK01A AK07 AK25 AK51G AK68 AR00B BA02 BA03 BA42 CA01 CB02 DE04A DG06A DG15 DJ01A EJ82A GB08 GB33 HB00B HB21 HB31 JJ02A JK06 JL04 JL07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質基材に、中空粒子または/および
    気泡を含む高分子バインダー層が含浸していることを特
    徴とする内外装用断熱性シート。
  2. 【請求項2】 繊維質基材のおもて側の表面近傍を残し
    て、中空粒子または/および気泡を含む高分子バインダ
    ー層が含浸していることを特徴とする請求項1記載の内
    外装用断熱性シート。
  3. 【請求項3】 さらに化粧層が積層されていることを特
    徴とする請求項1または2記載の内外装用断熱性シー
    ト。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の内外装用
    断熱性シートが、建築部材の表面に積層されていること
    を特徴とする内外装用断熱性建築部材。
JP26553699A 1999-09-20 1999-09-20 内外装用断熱性シートおよび断熱性建築部材 Withdrawn JP2001089583A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005031699A1 (ja) * 2003-09-29 2005-04-07 Itochu Corporation 吸音材
JP2015104848A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 セーレン株式会社 表皮材

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