JP2000273560A - ワイアーボンディング性およびダイボンディング性に優れた銅及び銅基合金とその製造方法 - Google Patents

ワイアーボンディング性およびダイボンディング性に優れた銅及び銅基合金とその製造方法

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JP2000273560A
JP2000273560A JP12469899A JP12469899A JP2000273560A JP 2000273560 A JP2000273560 A JP 2000273560A JP 12469899 A JP12469899 A JP 12469899A JP 12469899 A JP12469899 A JP 12469899A JP 2000273560 A JP2000273560 A JP 2000273560A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体機器のリードフレーム材用銅及び銅基
合金に、チップを搭載(ダイボンディング)する際に、
フラックスを使用せずに直接チップをはんだ接合し(ベ
アダイボンディング)、かつワイヤーボンディング用リ
ード線を直接リードフレーム材に接合する(ベアワイア
ーボンディング)ことを可能とするワイアーボンディン
グ性およびダイボンディング性に優れた銅及び銅基合金
とその製造方法を提案する。 【解決手段】 結晶粒径が10μm以上150μm以下
であり、中心線平均粗さ(Ra)が0.15μm以下で
あり、さらに酸化皮膜厚さが6nm以下であることを特
徴とするワイアーボンディング性およびダイボンディン
グ性に優れた銅及び銅基合金とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体機器のリー
ドフレーム材用銅及び銅基合金に、チップを搭載(ダイ
ボンディング)する際にフラックスを使わず直接チップ
をはんだ接合(ベアダイボンディング)し、かつワイア
ーボンディング用リード線を直接リードフレーム材に接
合(ベアワイアーボンディング)することを可能にする
ワイアーボンディング性およびダイボンディング性に優
れた銅及び銅基合金とその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体機器はまず銅または銅合金
のリードフレーム用素材を打抜き又はエッチングにより
所定の形状にし、次に半導体素子とリードフレーム材を
アルミまたは金線等でワイアーボンディングするため
に、リードフレーム材のダイパット部およびアウターリ
ード部分へのめっきを行なう。そして、めっきされたダ
イパット部へはんだ付け等により半導体素子を接合(ダ
イボンディング)し、さらにリードフレームと半導体素
子をワイアーで接合(ワイアーボンディング)し、封止
したのち、アウターリード部が基盤にはんだ付け等によ
って実装されていた。
【0003】これから分るように、リードフレーム材と
ワイアー(ワイアーボンディング)あるいはリードフレ
ーム材と半導体素子(ダイボンディング)およびリード
フレーム材と基盤の接合のために、リードフレーム材に
はめっきは不可欠なものであった。
【0004】ところが、微少な個所へのスポットめっき
の場合は、非常に高い精度を必要とし、めっきの良否が
ダイボンディング及びワイアーボンディングに影響を与
え、場合により不良品が発生する場合があった。この問
題は、全面めっきを行うことで解消することが可能であ
るが、全面めっきの場合はコストがかかりすぎるという
欠点がある。
【0005】このため、半導体素子のダイボンディング
時にペーストを用いて接合する技術が開発され、これに
よりめっきを省略する方法が開発されてはいるが、リー
ドフレーム部分には耐久性及び電気伝導性といった問題
のために、依然としてAuまたはAgといった高価な貴
金属めっきを必要としている。従って、総工程数は減少
せず、またコスト低減にも繋がっていない。特に、低コ
スト化の要求が厳しくなっているディスクリート用リー
ドフレームにおいては、この問題は大きな障害になって
おり、めっきレス化の要求が非常に強くなっている。
【0006】また、ダイボンディング時およびリード部
のはんだ接合時には通常フラックスが使用されるが、こ
の残渣の洗浄もまた問題となってきている。すなわち、
通常洗浄剤として使用されてきたフロン類がオゾン層破
壊の問題から使用が禁止されて、代わりの洗浄剤(代替
フロン、塩素系洗浄剤)も規制が厳しくなって来てい
る。こういった中で、半導体製品は近年ますます高密度
化実装が進み、部品間の間隔が狭くなっており、そこに
存在するわずかなフラックスの残渣でさえ、マイグレー
ションなどの短絡を引き起こす原因となっている。この
フラックス除去のための有効な洗浄方法は少なく、有効
な洗浄剤の開発が待たれる一方で、洗浄を行わない即ち
フラックスを使用しなくとも実装可能な材料(ノンフラ
ックスでのダイボンディング及びはんだ付けが可能な材
料)の開発が要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような現状に対
し、めっきを省略してリードフレームとボンディングワ
イアーを直接接合する方法、すなわちベアワイアーボン
ディングについての多くの研究が行われてきている。ベ
アワイアーボンディング性を改善させるべく、過去にリ
ードフレーム材料の観点から行われた検討には、例えば
特公昭62−46071号公報があり、ここでは材料の
表面粗さを最大表面粗さ(Rmax)で0.5μm以下
とすること、あるいはさらに析出物、介在物等の単一面
積を3×10−6mm以下にすることで、ベアボンデ
ィング性が改善されることが開示されている。
【0008】しかしながら、実際に最大表面粗さ(Rm
ax)を0.5μm以下とするためには、圧延ロールを
極度なまでに平滑に研磨する必要があり、このためには
膨大なコストおよび時間がかかる。また、析出物、介在
物等の単一面積が3×10−6mm以下にするために
は、厳しい熱処理条件の制御を必要とし、量産工程とし
ては対応が難しい。
【0009】また、フラックスなしでのベアはんだ付け
性を実施するため、例えば特開平11−12714号公
報には、酸洗浄することでフレーム表面の酸化皮膜厚さ
を低減する技術が開示されている。しかしながら、ダイ
パット部のチップ接合(ダイボンディング)では、はん
だを薄く均一に広げることが要求されており、このため
通常フレームを加熱したのちに糸はんだ等を供給し、さ
らにコテ、ダイス等を使用した機械的加工によりはんだ
を均一にする処理が行われるが、この場合酸化皮膜厚さ
を制御しただけでははんだの表面張力が大きく、ダイパ
ット部で均一なはんだの広がりが得られない。
【0010】本発明はかかる問題点に鑑みなされたもの
であって、優れたワイアーボンディング性を有するとと
もに、ダイパット部でのはんだが均一に広がるダイボン
ディング性に優れた銅及び銅合金とその製造方法を提案
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ダイボンデ
ィング時のはんだ付け性に及ぼす種々の材料因子につい
て鋭意検討を行ったところ、フレーム表面の酸化皮膜厚
さおよび表面粗さ(大きさ)と共にフレーム素材の結晶
粒径、さらには表面粗さの形状を制御することが重要で
あることを見いだした。すなわち、結晶粒径の大きさが
適切でないと、材料の表面粗さが充分小さくかつ酸化皮
膜厚さも充分小さいにもかかわらず、フラックスなしで
のはんだ付けの際、ダイパット部ではんだが均一に広が
らず、ダイボンディング不良を起こす場合があることが
分った。
【0012】一方、結晶粒径が適切であっても、酸化皮
膜厚さと表面粗さの両者について満足しなければ、優れ
たワイアーボンディング性が得られない。また、同じ表
面粗さであっても、はんだの均一性が表面粗さの形状で
異なることが分った。このことより、フレーム表面の酸
化皮膜厚さ、表面粗さとともに、結晶粒径さらには表面
粗さの形状を制御することで、はじめてフラックスなし
でのダイパット部でのはんだ付け性が良好である材料が
実現できることが判明した。
【0013】すなわち、本発明は、 1.結晶粒径が10μm以上150μm以下であり、中
心線平均粗さ(Ra)が0.15μm以下であり、さら
に酸化皮膜厚さが6nm以下であることを特徴とするワ
イアーボンディング性およびダイボンディング性に優れ
た銅及び銅基合金。
【0014】2.重量%においてP0.01〜0.5
%、またはFe,Ni,Sn,Zn,Cr,Co,S
i,Mg,Ti,Zrの群のうちから選ばれる少なくと
も1種を総量0.01〜5.5%含有し、残部がCuお
よび不可避的不純物からなり、結晶粒径が10μm以上
150μm以下であり、中心線平均粗さ(Ra)が0.
15μm以下であり、さらに酸化皮膜厚さが6nm以下
であることを特徴とするワイアーボンディング性および
ダイボンディング性に優れた銅及び銅基合金。
【0015】3.重量%においてP0.01〜0.5
%、またはFe,Ni,Sn,Zn,Cr,Co,S
i,Mg,Ti,Zrの群から選ばれる1種または2種
以上を総量0.01〜5.5%含有し、さらに必要に応
じてMn,Cd,Al,Pb,Be,Te,ln,A
g,B,Y,La,Ce,Au,Caの群から選ばれる
1種または2種以上を総量で0.01〜2.0%含有
し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、結晶粒
径が10μm以上150μm以下であり、中心線平均粗
さ(Ra)が0.15μm以下であり、さらに酸化皮膜
厚さが6nm以下であることを特徴とするワイアーボン
ディング性およびダイボンディング性に優れた銅及び銅
基合金。
【0016】4.酸素濃度5%以下の雰囲気で熱処理す
ることにより、結晶粒径が10μm上150μm以下と
することを特徴とする上記1〜3に記載のワイアーボン
ディング性およびダイボンディング性に優れた銅及び銅
基合金の製造方法。
【0017】5.前記結晶粒径を10μm以上150μ
m以下にする熱処理温度が300℃以上900℃以下
で、熱処理時間が0.01から72時間までであること
を特徴とする上記1〜3に記載のワイアーボンディング
性およびダイボンディング性に優れた銅及び銅基合金の
製造方法。である。
【0018】
【作用】以下、本発明について、その範囲の限定理由を
詳細に説明する。結晶粒径を10μm以上150μm以
下とした理由としては、ダイボンディング時にはんだと
チップの間には安定した強い接合力が必要なためであ
る。特に、はんだをコテ、ダイス等の機械的な加工法を
薄く均一化させようとするとき、はんだが粒界に侵入す
ることで毛細管現象が起こり、はんだが均一に広がりや
すくなる。この場合、結晶粒径は10μm未満の場合、
上記毛細管現象によるはんだの広がりの効果が小さく、
均一なはんだの広がりが期待できない。従って、結晶粒
径は10μm以上とする。また、150μmより大きい
粗大な結晶粒径はリードフレームの加工性を阻害するた
め好ましくない。なお、他の特性とのバランスから結晶
粒径は20μm以上50μmまでが好ましい。
【0019】表面粗さについて、中心線平均粗さ(R
a)を0.15μm以下としたのは、リードフレームと
ボンディングワイアーとの接合において安定して強い接
合力を得ることが必要なためある。Ra:0.15μm
以上では、リードフレームにめっきを施した材料ほど、
安定で強い接合力が得られなかった。また、Ra:0.
06μm以下の表面粗さでは、はんだの均一性が低下す
る上、ロール研磨にコストがかかるため好ましくない。
従って、材料の表面粗さはRaで0.06〜0.15μ
mの範囲とし、さらに好ましくはRaで0.06〜0.
12μm以下とする。
【0020】また、はんだが均一で広がるためには表面
粗さの形状が下向きに凹であることが好ましく、中心線
から凸側の高さと凹側の高さの比が1:2以上、好まし
くは1:5以上がよい。
【0021】酸化皮膜厚さを6nm以下とした理由は、
ノンフラックスでのはんだ付け性を行うために、表面の
酸化皮膜が充分薄いことが必要なためである。すなわ
ち、表面酸化皮膜厚さが6nmを越えるとリードフレー
ムとワイアーの接合強度やはんだ付け性が低下する。従
って、材料の表面酸化皮膜厚さは6nm以下、好ましく
は5nm以下とする。なお、ここでは、酸化皮膜厚さの
定義として、定電流電解法による酸化物の還元電気量を
CuO+CuO換算した値を用いた。
【0022】次に、本発明に係わる銅基合金の添加元素
の選択と、その含有量の範囲の限定理由について述べ
る。 (1)P Pは脱酸効果を持ち、溶解・鋳造時の製造性を向上す
る。また、Pの含有及びりん化物の形成により、耐熱性
を向上させる働きがある。さらに、ボンディング性およ
びはんだ付け性を向上させる効果がある。しかし、P含
有量が0.01重量%未満ではこれらの効果が不充分で
あり、また他の添加元素と化合物を形成して分散析出す
る効果も充分に引き出せない。また、0.5重量%を越
えると電気伝導性、はんだ耐候性が低下するほか、ボン
ディング性およびはんだ付け性も低下する。従って、P
の含有量は0.01〜0.50重量%とする。
【0023】(2)Fe,Ni,Sn,Zn,Cr,C
o,Si,Mg,Ti,Zr Fe,Ni,Sn,Zn,Cr,Co,Si,Mg,T
i,Zrは、結晶粒径を均一化する働きがあり、強度、
弾性を向上させる効果も併せ持つ。また、Fe,Ni,
CoはPと化合物を形成して耐熱性をも向上させる。さ
らに、適度の含有は、ボンディング性はんだ付け性を向
上させる効果を持つ。この効果を発揮させるためには、
0.01重量%以上の含有が必要であるが、5.5重量
%を越えて含有すると、電気伝導性の低下が顕著にな
る。また、ボンディング性やはんだ付け性が低下し、さ
らには経済的にも不利になる。従って、これらの含有量
の総量は0.01〜5.5重量%の範囲とする。
【0024】(3)副成分について 副成分として、ln,Cd,Al,Pb,Be,Te,
ln,Ag,B,Y,La,Ce,Au,Caの群から
選ばれる1種または2種以上を総量で0.01〜2.0
%含有させると、上記諸特性をより向上させる。すなわ
ち、これらの元素の添加により、本発明に係わる銅基合
金の電気伝導性を低下させることなく、強度、耐熱性お
よびプレス加工性を向上させる。しかしながら、2.0
%以上の含有は、ボンディング性およびはんだ付け性、
またはんだの均一広がり性を低下させる。従って、これ
らの含有量の総量は0.01〜2.0重量%の範囲とす
る。
【0025】次に、熱処理条件の範囲限定理由を述べ
る。酸素濃度を5%以下としたのは、300℃以上の温
度で5%以上の酸素濃度雰囲気中で熱処理すると、表面
に生成した酸化皮膜が厚くなり、次工程以降で酸化皮膜
厚さを所定の厚さに制御することが困難になるためであ
る。なお、均一で薄い酸化皮膜に制御するため好ましく
は酸素濃度1%以下が望ましい。
【0026】焼鈍温度を300〜900℃、焼鈍時間を
0.01から72時間としたのは、上記に示した結晶粒
径を得るためである。この場合、300℃以下の温度で
は熱処理により所定の結晶粒径を得るためにあまりにも
時間がかかり過ぎ、経済的にも不利となる。また、90
0℃以上の温度では結晶粒径を均一に制御することが難
しい。従って、熱処理温度は300から900℃とす
る。なお、結晶粒径を均一に制御するために、熱処理温
度は400℃以上750℃以下にすることが望ましい。
次に、本発明の実施の形態を実施例により説明する。
【0027】
【発明の実施の形態】実施例 表1に示す組成の合金を高周波溶解炉を用いて溶製し、
850℃に加熱した後、厚さ5.0mmまで熱間圧延し
た。次に、表面の面削により厚さ4.8mmとし、冷間
圧延と熱処理を繰り返し、板厚0.25mmの板材を得
た。この際、途中工程で適宜所定の熱処理を実施し、さ
らには最終圧延加工時圧延ロールの粗さを調整した。こ
のようにして得られた板材に酸洗浄を行った。
【0028】次に、上記材料について結晶粒径、酸化皮
膜厚さ、中心線平均粗さ(Ra)、90°W曲げ加工
性、ボンディング性およびはんだ付け性とはんだの厚さ
の均一性を調査した。結晶粒径の測定には、塩化鉄によ
るエッチング法を採用した。5%塩化鉄により試験片表
面をエッチングし、150倍の光学顕微鏡で観察し、結
晶粒径を求めた。このときの結晶組織の顕微鏡写真(×
75)を図1に示す。中心線平均粗さ(Ra)は、JI
S B0601に従い、万能表面粗さ測定器を用い、最
小単位0.01μmまで測定を行った。また、中心線か
ら凸方向の高さの平均と凹方向の高さの平均を算出して
この比率求めた。
【0029】はんだ付け性は、垂直式試験法で270±
5℃のはんだ浴(Sn:63重量%、Pb:37重量
%)に9±1s浸漬した。フラックスは使用しなかっ
た。はんだ付け性の評価は、ぬれ面積を測定することで
行い、濡れ面積が99%以上であるものを最良(◎)、
95%以上であるものを良好(○)、それ以下を不可
(×)とした。
【0030】はんだ厚さについては、試験片を水素10
%−窒素90%の還元性雰囲気の下、あらかじめ380
℃に加熱したホットプレート上に置き、95Pb−5S
nの糸はんだ約1gを乗せ、溶融した後にダイス(超硬
材)で押し広げ、空冷した後に、SEMおよびEPMA
によりその厚さを確認した。ここで、厚さは任意の5個
所を測定し、10%以内のバラツキを○とした。10%
以上のバラツキがあるか、あるいは空隙等の異常がある
ものは×とした。
【0031】酸化皮膜厚測定には、電解液:0.1N−
KCl、電流密度0.25mA/cmの条件で定電流
電解を行い、その還元電気量をもって酸化皮膜厚さに換
算した。ここで酸化皮膜については、CuO+Cu
と仮定して計算した。また、合金の場合も添加元素を含
んだ酸化皮膜が形成されるが、添加元素量が少量であ
り、酸化皮膜の主体は銅を主体とした酸化物であると考
え、CuO+CuOとして酸化皮膜厚さを算出した。
【0032】ボンディング性の評価方法としては、プル
テスタにより接合強度および次式のワイアー破断率を求
め評価した。 ワイアー破断率(%)=(ワイアー破断した本数/全試
験本数)×100 なお、ワイアーボンディングには超音波接合法を用い、
以下に示すボンディング条件で行った。
【0033】ボンディングワイアーの材質およびワイア
ー系:Al線25μmφ、 雰囲気:超音波出力:0.2W、 基盤温度:加圧力:0.25N、 時間:30ms、 ボンディング本数:20本/試料 90°W曲げ加工性はR=0.2の曲げ治具を用い、C
ES M0002に準拠し、曲げ試験を実施した。試験
後、両端を拘束されたW曲げ部中央を実体顕微鏡で24
倍に拡大観察し、割れが生じているかどうか確認した。
その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】本発明合金1〜5においては、いずれも結
晶粒径を10μm以上150μm以下とし、最終圧延時
の圧延ロールの中心線平均粗さ(Ra)を0.15μm
以下に制御することで、材料の表面粗さをRaで0.1
5μm以下に制御した。また、試験片を5%の硫酸で洗
浄することで、酸化皮膜を6nm以下に制御した。この
結果、いずれも均一なはんだ厚さ及びはんだ濡れ性、ま
た良好なワイアーボンディング性が得られていることが
分る。
【0036】一方、結晶粒径の小さい比較例No.6〜
8では、ワイアーボンディング性に優れていても、均一
なはんだ厚さが得られていない。特に、比較例8は粗さ
の比率も1/2超えていた。また、圧延ロールの中心線
平均粗さRaが大きく、酸洗浄を行っていない比較例N
o.9〜10は、材料の中心線中心線平均粗さRaが大
きく、また酸化皮膜厚さも厚かった。この場合、いずれ
もワイアー破断率が小さく、接合強度及びはんだ付け性
とも低下していた。
【0037】比較例11,12は、圧延ロールの中心線
中心線平均粗さRaが大きい例である。この場合、結晶
粒径、酸化皮膜厚が本発明の範囲を満たしているもので
あっても、ワイアー破断率が低下していた。
【0038】比較例13,14は、結晶粒径が本発明の
範囲を越えている例である。比較例13は酸化皮膜も厚
いため、はんだ付け性も劣り、またワイアー破断率も低
下していた。また、粗さの比率が1/2超えていた比較
例14では、はんだの均一性に劣っていた。比較例15
は、酸化皮膜厚さが厚い例である。この場合、はんだ付
け性に劣ることが分る。
【0039】比較例16は、結晶粒径および表面粗さが
本発明の範囲を越えている例である。この場合、はんだ
の均一性、ワイアー破断率の低下が観察された。また、
比較例16は粗さの比率も1/2超えていた。
【0040】すなわち、結晶粒径が10μm以上150
μm以下で、表面酸化皮膜が6nm以下で、中心線平均
粗さ(Ra)が0.10μmという条件を備えた本発明
のみ、はじめて従来のめっき材である従来品17〜20
並みのワイアーボンディング性、はんだ付け性及びはん
だの均一な広がり性が得られることが分る。ここで、従
来のNo.17〜20はNiめっき品であり、コスト面
で問題がある。従って、本発明は従来のNiめっき品に
相当するボンディング性、はんだ付け性及びはんだの均
一性による歩留まりの安定性を得たものであり、大幅な
コスト削減が可能である。
【0041】
【発明の効果】本発明および本発明法は銅及び銅基合金
において、結晶粒径、表面酸化皮膜の厚さ及び表面粗さ
の大きさや形状を共に制御することによって、これまで
なし得なかったベア材でのワイアーボンディング性と同
時にダイボンディング性を可能としたものであり、信頼
性が要求されるリードフレーム材において、めっき工程
を省略することが可能となり、大幅なコスト低減を実現
できる極めて実用価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明合金の結晶組織の顕微鏡写真(×75)
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 9/06 C22C 9/06 9/08 9/08 9/10 9/10 C22F 1/00 614 C22F 1/00 614 623 623 661 661A 691 691B 691C 1/08 1/08 B

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶粒径が10μm以上150μm以下
    であり、中心線平均粗さ(Ra)が0.15μm以下で
    あり、さらに酸化皮膜厚さが6nm以下であることを特
    徴とするワイアーボンディング性およびダイボンディン
    グ性に優れた銅及び銅基合金。
  2. 【請求項2】 重量%においてP0.01〜0.5%、
    またはFe,Ni,Sn,Zn,Cr,Co,Si,M
    g,Ti,Zrの群のうちから選ばれる少なくとも1種
    を総量で0.01〜5.5%含有し、残部がCuおよび
    不可避的不純物からなり、結晶粒径が10μm以上15
    0μm以下であり、中心線平均粗さ(Ra)が0.15
    μm以下であり、さらに酸化皮膜厚さが6nm以下であ
    ることを特徴とするワイアーボンディング性およびダイ
    ボンディング性に優れた銅及び銅基合金。
  3. 【請求項3】 重量%においてP0.01〜0.5%、
    またはFe,Ni,Sn,Zn,Cr,Co,Si,M
    g,Ti,Zrの群から選ばれる1種または2種以上を
    総量0.01〜5.5%含有し、さらに必要に応じM
    n,Cd,Al,Pb,Be,Te,ln,Ag,B,
    Y,La,Ce,Au,Caの群から選ばれる1種また
    は2種以上を総量で0.01〜2.0%含有し、残部が
    Cuおよび不可避的不純物からなり、結晶粒径が10μ
    m以上150μm以下であり、中心線平均粗さ(Ra)
    が0.15μm以下であり、さらに酸化皮膜厚さが6n
    m以下であることを特徴とするワイアーボンディング性
    およびダイボンディング性に優れた銅及び銅基合金。
  4. 【請求項4】 酸素濃度5%以下の雰囲気で熱処理する
    ことにより、結晶粒径が10μm以上150μm以下と
    することを特徴とする請求項1,2又は3に記載のワイ
    アーボンディング性およびダイボンディング性に優れた
    銅及び銅基合金の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記結晶粒径を10μm以上150μm
    以下にする熱処理温度が300℃以上900℃以下で、
    熱処理時間が0.01〜72時間であることを特徴とす
    る請求項1,2又は3に記載のワイアーボンディング性
    およびダイボンディング性に優れた銅及び銅基合金の製
    造方法。
JP12469899A 1999-03-26 1999-03-26 ワイアーボンディング性およびダイボンディング性に優れた銅及び銅基合金とその製造方法 Expired - Lifetime JP4345075B2 (ja)

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