JPH1112714A - ダイレクトボンディング性及びはんだ付け性に優れた銅および銅基合金とその製造方法 - Google Patents

ダイレクトボンディング性及びはんだ付け性に優れた銅および銅基合金とその製造方法

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JPH1112714A
JPH1112714A JP20516197A JP20516197A JPH1112714A JP H1112714 A JPH1112714 A JP H1112714A JP 20516197 A JP20516197 A JP 20516197A JP 20516197 A JP20516197 A JP 20516197A JP H1112714 A JPH1112714 A JP H1112714A
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less
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oxide film
final rolling
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Masahiro Kataoka
正宏 片岡
Akira Sugawara
章 菅原
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Dowa Mining Co Ltd
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    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体機器のリード材用の銅および銅基合金
にワイヤーボンディング用リード線を直接接合(ダイレ
クトボンディング)することを可能とする優れたダイレ
クトボンディング性を有すると共に、ノンフラックスで
のはんだ付け性の良好な銅および銅基合金とその製造方
法を提案する。 【解決手段】 表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で
0.10μm以下でかつ最大表面粗さ(Rmax)が
1.0μm以下であり、さらに酸化皮膜厚さが6nm以
下であることを特徴とするダイレクトボンディング性及
びはんだ付け性に優れた銅および銅基合金とその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体機器のリー
ド材用の銅および銅基合金にワイヤーボンディング用リ
ード線を直接接合(ダイレクトボンディング)すること
を可能にするダイレクトボンディング性およびノンフラ
ックスでのはんだ付け性の良好な銅および銅基合金とそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体機器はまず銅または銅合金
のリード材用素材を打抜き、またはエッチングにより所
定の形状にし、次に半導体素子とリード材を金線等でワ
イヤーボンディングするためにリード材の所定部分およ
び半導体素子のパット部分へのめっきを行なう。
【0003】そして、めっきされたパット部分へはんだ
付け等により半導体素子をダイボンディングし、さらに
リードと半導体素子をワイヤーボンディングして封止し
た後、めっきされたリード材を基盤にはんだ付けによっ
て実装していた。
【0004】これから分かるように、リード材とワイヤ
ー(ワイヤーボンディング)あるいはリード材と半導体
素子(ダイボンディング)およびリード材と基盤の接合
のため、必ずリード材にめっきを必要としていた。
【0005】ところが、めっき操作自体は微小な個所へ
のスポットめっきの場合は非常に高い精度を必要とし、
めっきの良否がダイボンドおよびワイヤーボンドに直接
影響を与え、場合により不良品が発生した。この問題は
全面めっきを行うことで解消することが可能であるが、
全面めっきの場合はコストがかかり過ぎるという欠点が
ある。
【0006】これに対して、半導体素子とリードフレー
ムのダイボンドにペーストを用いて接合する技術が開発
され、半導体素子のダイボンドの際のめっきを省略する
方法が開発されているが、リード部分には耐久性及び電
導性といった問題のために、依然として金または銀とい
った高価な貴金属めっきを必要としている。従って、総
工程数は減少せず、またコスト低減にもつながっていな
い。特に、低コスト化の要求が厳しくなっているディス
クリート用リードフレームにおいてはこの問題は大きな
障害となっており、めっきレス化の要求が非常に強くな
っている。
【0007】また はんだ接合に関わる最近の問題とし
て、特定フロン規制の問題がある。即ち、近年益々高密
度化実装が行われるにつれて部品間の間隔が狭まり、そ
こに存在するわずかなフラックスの残渣でさえ、マイグ
レーションなどの短絡を引き起こす原因となっている。
このフラックス除去のため、従来は特定フロン類が塩素
系洗浄剤に代わる有効な洗浄剤として多量に使用されて
きたが、フロン類の使用規制に伴い、フラックスを使用
しなくとも実装可能な材料、即ちノンフラックスでのダ
イボンド及びはんだ付けが可能な材料の開発が要求され
ている。
【0008】このような現状に対し、めっきを省略して
リードとボンディングワイヤーを直接接合する方法、即
ちダイレクトボンディングについての多くの研究が行わ
れてきている。
【0009】ダイレクトボンディング性を改善させるべ
く、過去にリードフレーム材料の観点から行われた検討
には、例えば特公昭62−46071号公報があり、こ
こでは材料の表面粗さを最大表面粗さ(Rmax)で
0.5μm以下とすること、あるいはさらに析出物や介
在物等の単一面積を3×10−6mm以下にすること
でダイレクトボンディング性が改善されることが開示さ
れている。
【0010】しかしながら、実際に最大表面粗さRma
xを0.5μm以下とするためには、圧延ロールを極度
なまでに平滑に研磨する必要があり、このために膨大な
コストと時間がかかる。また、析出物や介在物等の単一
面積を3×10−6mm以下にするためには厳しい熱
処理条件の制御を必要とし、量産工程としては対応が厳
しい。
【0011】また、ノンフラックスでのはんだ付け性を
実施した場合、これまで知られている公知技術では材料
表面に生成している厚い酸化皮膜のため、効果的なはん
だ付けは達成できない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑みてなされたものであって、優れたダイレクトボ
ンディング性を有すると同時に、ノンフラックスでのは
んだ付けを可能にする銅および銅合金とその製造方法を
提案するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ダイレクト
ボンディング性およびノンフラックスでのはんだ付け性
に及ぼす種々の材料因子について鋭意検討を行ったとこ
ろ、材料表面の酸化皮膜厚さおよび表面粗さを共に制御
することが重要であることを見い出した。
【0014】特に、ノンフラックスでのはんだ付け性に
対しては、材料表面の酸化皮膜厚さが大きく影響を及ぼ
すこと、即ち材料の表面粗さが充分小さく、ダイレクト
ボンディング性が良好にもかかわらずノンフラックスで
のはんだ付け性は良好でない場合があることが分かっ
た。また逆に、酸化皮膜厚さが充分に薄く、表面粗さが
粗い場合、ノンフラックスでのはんだ付け性は良好であ
るものの、ダイレクトボンディング性が劣ることが分か
った。
【0015】即ち、酸化皮膜厚さと表面粗さの両者につ
いて共に制御することで、優れたダイレクトボンディン
グ性およびノンフラックスでのはんだ付け性が良好であ
る材料が実現できることが判明したのである。
【0016】即ち、本発明は、 1) 表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で0.10μ
m以下でかつ最大表面粗さ(Rmax)が1.0μm以
下であり、さらに酸化皮膜厚さが6nm以下であること
を特徴とするダイレクトボンディング性及びはんだ付け
性に優れた銅および銅基合金。
【0017】2) 重量%においてP:0.01〜0.
30%を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物から
なり、表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で0.10μ
m以下であり、かつ最大表面粗さ(Rmax)が1.0
μm以下であり、さらに酸化皮膜厚さが6nm以下であ
ることを特徴とするダイレクトボンディング性及びはん
だ付け性に優れた銅基合金。
【0018】3) 重量%においてP:0.01〜0.
30%、さらに必要に応じFe,Ni,Snのうち少な
くとも1種以上を総量で0.01〜3.0%含有し、残
部がCuおよび不可避的不純物からなり、表面粗さが中
心線平均粗さ(Ra)で0.10μm以下であり、かつ
最大表面粗さ(Rmax)が1.0μm以下であり、さ
らに酸化皮膜厚さが6nm以下であることを特徴とする
ダイレクトボンディング性及びはんだ付け性に優れた銅
基合金。
【0019】4) 重量%においてP:0.01〜0.
30%、さらに必要に応じFe,Ni,Snのうち少な
くとも1種以上を総量で0.01〜3.0%含有し、さ
らにZn,Co,Ti,Mg,Zr,Ca,Si,M
n,Cd,Al,Pb,Be,Te,In,Ag,B,
Y,La,Cr,Ce,Auの群から選ばれる少なくと
も1種以上を総量で0.01〜2.0%含有し、残部が
Cuおよび不可避的不純物からなり、表面粗さが中心線
平均粗さ(Ra)で0.10μm以下であり、かつ最大
表面粗さ(Rmax)が1.0μm以下であり、さらに
酸化皮膜厚さが6nm以下であることを特徴とするダイ
レクトボンディング性及びはんだ付け性優れた銅基合
金。
【0020】5) 最終圧延時において使用する圧延ロ
ール表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.10μm以下
であり、かつ圧延加工率を10%以上とすることを特徴
とする前記1〜4に記載の銅および銅基合金の製造方
法。
【0021】6) 最終圧延後の最終洗浄に使用する洗
浄液を重量%において1〜10%の硫酸、硝酸、塩酸の
うち少なくとも1種以上を使用することを特徴とする前
記1〜5に記載の銅および銅基合金の製造方法。
【0022】7) 重量%において1〜10%までの過
酸化水素水を加えた混酸を使用することを特徴とする前
記6に記載の銅及び銅基合金の製造方法。
【0023】8) 前記最終酸洗浄は イ)最終圧延→焼鈍 ロ)最終圧延→脱脂 ハ)最終圧延→焼鈍→酸洗浄→切断→プレス加工→脱脂 ニ)最終圧延→脱脂→酸洗浄→切断→プレス加工→脱脂 の工程うちのいずれかを経たものに対して行われる前記
6又は7記載の銅及び銅基合金の製造方法。を提供する
ものである。
【0024】
【作用】以下、本発明について、前記の如くその範囲を
限定した理由を詳細に述べる。 (a)表面粗さについて:中心線平均粗さRaが0.1
0μmまたは最大表面粗さRmaxが1.0μmを越え
ると、リードとボンディングワイヤーとの接合において
安定して強い接合力を得ることができなくなる。この場
合、Raで0.10μm以下もしくはRmaxを1.0
μm以下であっても、どちらか一方のみではリードにめ
っきを施した材料ほど安定で強い接合力が得られなかっ
た。
【0025】従って、材料の表面粗さはRaで0.10
μm以下でかつRmaxは1.0以下とし、好ましくは
Raで0.08μm以下かつRmaxで0.8μm以下
とする。
【0026】(b)酸化皮膜厚さを6nm以下とした理
由:ノンフラックスでのはんだ付け性を行うためには、
表面の酸化皮膜が充分薄いことが必要なためである。即
ち、表面酸化皮膜厚さが6nmを越えるとリードとワイ
ヤーの接合強度やはんだ付け性が低下した。
【0027】従って、材料の表面酸化皮膜厚さは6nm
以下、好ましくは5nm以下とする。なお、ここでは、
酸化皮膜厚さの定義として、定電流電解法による酸化物
の還元電気量をCuOに換算した値を用いた。
【0028】次に、本発明に係わる銅基合金の添加元素
の選択と、その含有量の範囲の限定理由について述べ
る。 (1)P Pは脱酸効果を持ち、溶解・鋳造時の製造性を向上させ
る。また、Pの含有及びりん化物の形成により、耐熱性
を向上させる働きがある。更に、ボンディング性および
はんだ付け性を向上させる効果がある。しかし、P含有
量が0.01重量%未満ではこれらの効果が不充分であ
り、また他の添加元素と化合物を形成して分散析出する
効果も充分に引き出せない。また、0.30重量%を越
えるとFe、Ni共存下でも電気伝導性やはんだ耐候性
が低下するほか、ボンディング性およびはんだ付け性も
低下する。従って、Pの含有量は0.01〜0.30重
量%とする。
【0029】(2)Fe、Ni、Sn Fe、Ni、Snは、結晶粒を微細化することにより強
度と弾性を向上させる効果を持つ。また、Fe,Niは
Pと化合物を形成して耐熱性を向上させる。更に、適度
の含有はボンディング性とはんだ付け性を向上させる効
果を持つ。この効果を発揮させるためには、0.01重
量%以上の含有が必要であるが、3.0重量%を越えて
含有すると、電気伝導性の低下が顕著になる。また、ボ
ンディング性やはんだ付け性が低下し、さらには経済的
にも不利になる。従って、これらの含有量の総量は0.
01〜3.0重量%の範囲とする。
【0030】(3)副成分について 更に、副成分としてZn、Co、Ti、Mg、Zr、C
a、Si、Mn、Cd、Al、Pb、Be、Te、I
n、Ag、B、Y、La、Cr、Ce、Auの群から選
ばれる1種または2種以上を総量で0.01〜2.0重
量%含有させると、上記諸特性をより向上させる。即
ち、これらの元素の添加により本発明にかかわる銅基合
金の電気伝導性を低下させることなく、強度,耐熱性お
よびプレス加工性を向上させる。しかしながら、2.0
重量%以上の含有は、ボンディング性およびはんだ付け
性を低下させる。従って、これらの含有量の総量は0.
01〜2.0重量%の範囲とする。
【0031】さらに、本発明法について、その範囲限定
理由を述べる。材料表面の粗さを制御するには、最終圧
延ロールの中心線表面粗さの制御と最終圧延加工率(最
終焼鈍時の板厚から仕上げ板厚までの板厚減少率)を限
定する必要がある。即ち、最終圧延ロールの中心線表面
粗さが0.10μmを越えるか最終圧延加工率が10%
を下回ると、最終圧延後の素材の中心線表面粗さ(R
a)0.10μm以下が達成できず、ダイレクトボンデ
ィング性が低下する。従って、最終圧延ロールの中心線
平均粗さRaは0.10μm以下好ましくは0.08μ
m以下とし、最終圧延加工率は10%以上好ましくは2
5%以上とする。
【0032】また、材料表面の酸化皮膜厚さを低減する
には、素材表面を酸洗浄する方法が有効である。しか
し、酸濃度が10重量%を越えると反応が急激になり、
素材表面の酸化皮膜厚さにムラが生じやすくなると共
に、酸化皮膜除去におけるこれ以上の効果は認められな
い。その上、高濃度の酸を使用すると、付帯設備への悪
影響も無視できなくなる。一方、酸濃度が1重量%を下
回ると、効果的な酸化皮膜の除去ができない。従って、
酸濃度は1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%とす
る。
【0033】この場合、使用する酸は硫酸、塩酸、硝
酸、のいずれか1種または2種以上を使用することがで
きる。しかし、塩酸もしくは硝酸は反応性、腐食性が強
く、また排水処理に困難さを伴うため、コスト高につな
がる場合が多い。従って、好ましくは硫酸を使用するも
のとする。
【0034】さらに、必要に応じてこれに過酸化水素水
を併用することもできる。この場合、10重量%を越え
ると反応が急激になり、素材表面の酸化皮膜厚さにムラ
が生じやすくなると共に、酸化皮膜除去におけるこれ以
上の効果は認められない。一方、酸濃度が1重量%を下
回ると、効果的な酸化皮膜の除去ができない。従って、
過酸化水素水の濃度は1〜10重量%、好ましくは2〜
7重量%とする。
【0035】
【発明の実施の形態】表1に示す組成の合金を高周波溶
解炉を用いて溶製し、850℃に加熱した後、厚さ5.
0mmまで熱間圧延した。次に、表面の面削により4.
8mmとし、冷間圧延と熱処理を繰り返して、板厚0.
25mmの板材を得た。この際、最終圧延加工率及び最
終圧延ロールの粗さを調整した。
【0036】このようにして得られた板材に、バフによ
って機械研摩するか、又はその後に酸洗浄を行った。こ
れらをまとめて表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】次に、上記材料について酸化皮膜厚さ、中
心線平均粗さ(Ra)、最大表面粗さ(Rmax)、は
んだ付け性およびボンディング性を調査した。
【0039】酸化皮膜厚の測定には、電解液0.1N−
KCl、電流密度0.25mA/cmの条件で定電流
電解を行い、その還元電気量をもって酸化皮膜厚さに換
算した。ここで、酸化皮膜については、ESCA(光電
子分光装置)分析の結果、CUOがほとんど観測され
なかったことより、全てCuOであるものと仮定し、計
算した。また、合金の場合も、添加元素を含んだ酸化皮
膜が形成されるが、添加元素量が少量であり、酸化皮膜
の主体はCuOと考え、酸化皮膜厚さを算出した。
【0040】中心線平均粗さRa,最大表面粗さRma
xは、万能表面粗さ測定器を用い、最小単位0.01μ
mまで測定を行った。
【0041】はんだ付け性は、垂直式試験法で270±
5℃のはんだ浴(Sn:63重量%、Pb:37重量
%)に9±1sec.浸漬した。なお、フラックスは使
用しなかった。はんだ付け性の評価は、濡れ面積を測定
することで行い、濡れ面積が99%以上であるものを最
良(◎)、95%以上であるものを良好(○)、それ以
下を不可(×)と判定した。
【0042】ボンディング性の評価方法としては、ブル
テスタにより接合強度および次式のワイヤー破断率を求
めて評価した。
【0043】ワイヤー破断率(%)=(ワイヤー破断し
た本数/全試験本数)×100 なお、ワイヤーボンディングにはサーモソニック法を用
い、以下に示すボンディング条件で行った。 ボンディングワイヤーの材質及びワイヤー径:Au線2
5μmφ、 雰囲気:10vol%H−N、 超音波出力:0.2W、 基盤温度:250℃、 加圧力:0.5N、 時間:30m sec.、 ボンディング本数:20本/試料。 その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表1〜2中の本発明合金No.1〜10に
おいては、いずれも最終圧延時に加工率を10%以上と
り、かつ最終圧延ロールの表面粗さRaを0.10μm
以下に制御することで、材料の表面粗さをRaで0.1
0μm以下、かつRmaxを1.0μm以下に制御し
た。
【0046】また、試験片を5重量%の硫酸、もしくは
5重量%の硫酸と5重量%塩酸(No.9)、硝酸(N
o.5)あるいは5重量%過酸化水素水との混酸で洗浄
(No.10)することで、酸化皮膜厚さを6nm以下
に制御した。この結果、いずれも従来のAgめっき品
(No.22〜25:めっき厚さ3μm)と同等のワイ
ヤー破断率と接合強度が得られており、しかもはんだ付
け性は良好であった。
【0047】一方、最終圧延ロールの中心線平均粗さR
aが大きく、酸洗浄を行っていない比較例No.11〜
14及びNo.17は、材料の中心線表面粗さRa、最
大表面粗さRmaxとも大きく、また酸化皮膜も厚かっ
た。この場合、いずれもワイヤー破断率が小さく、接合
強度、はんだ付け性とも低下していた。
【0048】比較例No.15及び18は、最終圧延加
工率が小さく、最終圧延ロールの中心線表面粗さRaが
大きい例である。この場合、酸化皮膜が薄く、はんだ付
け性は良好であるが、ワイヤー破断率が小さくて、接合
強度も低下していた。
【0049】比較例No.16及び19は、最終圧延ロ
ールの中心線表面粗さRaが小さいが、最終で酸洗浄を
行っていない例である。この場合、ワイヤーの接合強
度、破断率は比較的良好であるが、はんだ付け性が劣っ
ていた。
【0050】比較例No.20は、機械的研摩(#15
00バフ)によって表面粗さ調整したものの、酸洗浄を
行っていない例である。この場合も、比較例No.16
と同様にワイヤーの接合強度、破断率は比較的良好であ
るであるが、はんだ付け性が劣っていた。
【0051】比較例No.21は、機械的研摩(#10
00バフ)によって表面粗さを調整し、かつ酸洗浄を行
った例である。この場合、酸化皮膜が薄く、はんだ付け
性は良好であるが、ワイヤー破断率が小さくて、接合強
度も低下していた。
【0052】即ち、表面酸化皮膜が6nm以下で、中心
線平均粗さRaが0.10μm以下かつRmax1.0
μm以下という条件を備えた本発明品のみが、はじめて
従来のめっき材であるNo.22〜25と同等のボンデ
ィング性およびはんだ付け性が得られることが分かる。
ここで、No.22〜25はAgめっき品であり、コス
ト面で問題がある。
【0053】従って、本発明は、従来Agめっき品に相
当するボンディング性およびはんだ付け性を得たもので
あり、大幅なコスト削減が可能となるのである。
【0054】
【発明の効果】本発明および本発明法は銅及び銅基合金
において、表面酸化皮膜厚さおよび表面粗さの両方を共
に制御することによって、これまでなし得なかったダイ
レクトボンディング性及びノンフラックスでのはんだ付
け性を可能としたものであり、信頼性が要求されるリー
ドフレーム材において、めっき工程を省略することが可
能となり、大幅なコスト低減を実現できる極めて実用価
値の高いものである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で
    0.10μm以下でかつ最大表面粗さ(Rmax)が
    1.0μm以下であり、さらに酸化皮膜厚さが6nm以
    下であることを特徴とするダイレクトボンディング性及
    びはんだ付け性に優れた銅および銅基合金。
  2. 【請求項2】 重量%においてP:0.01〜0.30
    %を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からな
    り、表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で0.10μm
    以下であり、かつ最大表面粗さ(Rmax)が1.0μ
    m以下であり、さらに酸化皮膜厚さが6nm以下である
    ことを特徴とするダイレクトボンディング性及びはんだ
    付け性に優れた銅基合金。
  3. 【請求項3】 重量%においてP:0.01〜0.30
    %、さらに必要に応じFe,Ni,Snのうち少なくと
    も1種以上を総量で0.01〜3.0%含有し、残部が
    Cuおよび不可避的不純物からなり、表面粗さが中心線
    平均粗さ(Ra)で0.10μm以下であり、かつ最大
    表面粗さ(Rmax)が1.0μm以下であり、さらに
    酸化皮膜厚さが6nm以下であることを特徴とするダイ
    レクトボンディング性及びはんだ付け性に優れた銅基合
    金。
  4. 【請求項4】 重量%においてP:0.01〜0.30
    %、さらに必要に応じFe,Ni,Snのうち少なくと
    も1種以上を総量で0.01〜3.0%含有し、さらに
    Zn,Co,Ti,Mg,Zr,Ca,Si,Mn,C
    d,Al,Pb,Be,Te,In,Ag,B,Y,L
    a,Cr,Ce,Auの群から選ばれる少なくとも1種
    以上を総量で0.01〜2.0%含有し、残部がCuお
    よび不可避的不純物からなり、表面粗さが中心線平均粗
    さ(Ra)で0.10μm以下であり、かつ最大表面粗
    さ(Rmax)が1.0μm以下であり、さらに酸化皮
    膜厚さが6nm以下であることを特徴とするダイレクト
    ボンディング性及びはんだ付け性優れた銅基合金。
  5. 【請求項5】 最終圧延時において使用する圧延ロール
    表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.10μm以下であ
    り、かつ最終圧延加工率を10%以上とすることを特徴
    とする請求項1〜4に記載の銅および銅基合金の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 最終圧延後の最終酸洗浄に使用する洗浄
    液を重量%において1〜10%の硫酸、硝酸、塩酸のう
    ち少なくとも1種以上を使用することを特徴とする請求
    項1〜5に記載の銅および銅基合金の製造方法。
  7. 【請求項7】 重量%において1〜10%までの過酸化
    水素水を加えた混酸を使用することを特徴とする請求項
    6に記載の銅及び銅基合金の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記最終酸洗浄が イ)最終圧延→焼鈍 ロ)最終圧延→脱脂 ハ)最終圧延→焼鈍→酸洗浄→切断→プレス加工→脱脂 ニ)最終圧延→脱脂→酸洗浄→切断→プレス加工→脱脂 の工程うちのいずれかを経たものに対して行われる請求
    項6又は7記載の銅及び銅基合金の製造方法。
JP20516197A 1997-06-25 1997-06-25 ダイレクトボンディング性及びはんだ付け性に優れた銅および銅基合金とその製造方法 Pending JPH1112714A (ja)

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