JP2000263504A - セーバソーの切断機構 - Google Patents
セーバソーの切断機構Info
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Abstract
オービタル切断が可能なセーバソーを提供する。 【解決手段】 プランジャ20の一部と係合してプラン
ジャ20の往復運動軌跡を適宜制御する軌道面23a、
23bを有するスイングレール23を、プランジャ20
の往復運動軌道と同じ方向に取付け、かつスイングレー
ル23をプランジャ20の上下に複数設けることにより
ブレード27の装着方向の如何にかかわらず、ブレード
27にオービタル切断動作を付与できるようにした。
Description
設備、改装、解体工事等において木材、鋼材、パイプ等
を切断するセーバソーの切断機構に関するものである。
の切断工具としてセーバソーがある。セーバソーは、周
知の如く、一般に直線のこ刃(以下ブレードという)を
装着した往復動軸(以下プランジャという)を往復駆動
させブレードによって切断するものである。
に直線往復駆動して切断するものと、プランジャを往復
駆動すると同時に上下方向の揺動動作を付与し、ブレー
ドを被切断材に勢いよく食い込ませることにより切断能
率の向上を図るようにしたものとがある。このように往
復運動及び揺動運動の複合動作によってブレード27を
駆動して切断する形態をオービタル切断という。
バソーの一例を図1に示す。駆動歯車8により回転駆動
されるセカンドシャフト9には偏心円筒軸部9aが形成
され、またセカンドシャフト9には回転運動を往復運動
に変換するレシプロプレート18が取付けられている。
先端にブレード27が装着されたプランジャ20は、ギ
ヤカバー6に支点Aを中心として揺動可能に取付けられ
たガイドスリーブ13の内側に摺動可能に取付けられ、
セカンドシャフト9が回転することによりレシプロプレ
ート18によって往復駆動される。ガイドスリーブ13
の後方には下方に延びた下端が偏心円筒軸部9aに接触
する連結板35が取付けられ、切断時にブレード27に
加えられる切断反力F1によりガイドスリーブ13の後
方部は支点Aを中心として下降し、連結板35の下端が
偏心円筒軸部9aに押し付けられるようになっている。
従って、セカンドシャフト9の回転に伴い偏心円筒軸部
9aが回転することにより、ガイドスリーブ13は連結
板35によって押し上げられ、この結果プランジャ20
は往復運動しながらガイドスリーブ13を介して上下方
向に揺動運動する。
によるブレード27の運動軌跡は、プランジャ20に対
する偏心円筒軸部9aの位相角の設定により、米国特許
第3945120(特開昭51−130983)号に記
載されているような楕円状の軌跡とすることができる。
このようにブレード27を楕円状の軌跡で駆動して切断
する形態を上記した如くオービタル切断と呼び、図2に
示す如く、ブレード27がセーバソー本体側に引き込ま
れる時に、ブレード27が被切断材36に食い込む方向
に運動軌跡を設定することにより、特に木材等の比較的
柔らかい材料の切断作業において切断能率を著しく向上
させることができる。
示す如くブレード27を下向きに装着して使用するのが
一般的であるが、壁際や床際等の狭所における切断作業
時には、図4に示す、如くブレード27を上向きに装着
して使用することが頻繁にある。この場合、図5に示す
如く切断反力F2は連結板35の下端(図5では上端)
を偏心円筒軸部9aから引き離す方向に働くため、プラ
ンジャ20を上下方向に揺動運動させることができない
という問題がある。
のセーバソーでは、連結板35に該当する構成部品を偏
心円筒軸部9aに回動自在に一体として取付け、ブレー
ド27を上向きに装着してもプランジャ20を上下方向
に揺動運動させることができるようになっており、ブレ
ード27に楕円状の軌跡を描かせることができる。しか
し、プランジャ20に対する偏心円筒軸部9aの位相角
が一定であるため、図6に示す如くブレード27がセー
バソー本体側に引き込まれる時にブレード27が被切断
材料36から遠ざかる方向に動作してしまい、オービタ
ル切断ができないため、切断能率を向上させることがで
きないという問題がある。すなわち従来のセーバソーに
おいては、ブレード27を上向きに装着した際にもオー
ビタル切断を行えるようにするという技術思想はなかっ
た。
セーバソーの切断機構の欠点を解消し、ブレードの装着
方向の如何にかかわらずオービタル切断を可能として切
断作業能率の向上を図ることである。
運動に伴う往復運動方向と直角の方向の運動軌跡を制御
する軌道面を有する案内部材を設け、プランジャの往復
運動軌跡を変えることにより達成される。
16を参照して本発明を説明する。 (モータ部)電動モータ1は樹脂性のモータハウジング
2に内蔵され、モータハウジング2の後方にはハンドル
3が接続されている。ハンドル3には電動モータ1への
電力供給を制御するスイッチ4が内蔵されている。 (減速部)モータハウジング2の前方には以下に述べる
動力伝達手段を内蔵するアルミニウム製のインナーカバ
ー5及びギヤカバー6が接続されている。モータ軸7の
先端には駆動歯車8が形成され、モータ軸7と平行に設
けられたセカンドシャフト9には従動歯車10が取付け
られ、これら一対の減速歯車8、10により電動モータ
1はセカンドシャフト9を回転駆動する。セカンドシャ
フト9の前方には従動歯車10の軸芯に対し約14°の
角度を有する傾斜軸部9aが形成され、また先端には従
動歯車10の軸芯と同芯のサブシャフト11が取付けら
れている。モータハウジング2、インナーカバー5、ギ
ヤカバー6は本発明ハウジングを構成する。 (往復動軸保持部)ギヤカバー6の前方には2個の軸ボ
ルト12が取付けられ、軸ボルト12の先端部にはガイ
ドスリーブ13が軸ボルト12の軸芯を中心として揺動
自在に取付けられている(図8)。ガイドスリーブ13
の電動モータ1側の後端部には方形貫通穴部14が形成
され、インナーカバー5を貫通して回動自在に取付けら
れたチェンジシャフト15がガイドスリーブ13の方形
貫通穴部14を貫通している(図9)。チェンジシャフ
ト15の中央部にはガイドスリーブ13の直径より大き
い範囲で対称な平面部15aが形成され、チェンジレバ
ー16によってチェンジシャフト15を回転させること
により、ガイドスリーブ13の揺動を選択的に許容また
は抑止することができる(図9)。 (回転−往復動変換部)セカンドシャフト9の傾斜軸部
9bには、2個のベアリング17を介して揺動軸部18
aを有するレシプロプレート18が取付けられている。
揺動軸部18aの先端に球状部18bが形成されてい
る。ガイドスリーブ13の前方内部には軸受メタル19
が圧入されており、軸受メタル19を貫通してプランジ
ャ20が往復動可能に取付けられている。プランジャ2
0の後方にはガイドスリーブ13の内周にわずかな隙間
で摺動する太径部20aが設けられ、太径部20aには
軸方向と直角に穴部20bが設けられている。レシプロ
プレート18の揺動軸部18aはプランジャ20を貫通
して先端の球状部18bが穴部20bの内部にわずかな
隙間で転動可能に係合しており、セカンドシャフト9の
回転運動をプランジャ20の往復運動に変換する。 (ブレード保持部)プランジャ20前方のブレード取付
け端部20cにはブレード27を挿入するスリット20
dと段付きブレード係止ピン30が設けられており、ブ
レード取付け端部20cの外周を内包するようにブレー
ドホルダ28、29が設けられている。ブレード27の
装着は、ブレードホルダ28を回転後退させることによ
り段付きブレード係止ピン30が開放位置に移動しブレ
ード27をスリット20dに差し込むことができ、ブレ
ードホルダ28を反対方向に回転前進させることによ
り、段付きブレード係止ピン30がブレード27に係合
しブレード27の固定が行われる。また、ブレード27
は上下反対に装着することができる構造となっている。
かかるブレード保持部の構成は本出願人の出願(特願平
10−301923号)に記載されており、また本発明
には直接関係ないので、詳細な説明を省略する。 (本体前方保持部)インナーカバー5、ギヤカバー6及
びハウジング1の一部の外側に、樹脂製のフロントカバ
ー24が設けられている。ギヤカバー6の先端部には切
断作業時にセーバソー本体を被切断材料36に対して安
定させるベース25が固定レバー26により進退可能に
取付けられている。 (揺動切断機構部)図10〜図11において、ガイドス
リーブ13の軸方向に延びた長穴部13aとプランジャ
20を貫通したローラシャフト21の両端にはスイング
ローラ22が回動自在に取付けられ、ローラシャフト2
1とスイングローラ22は長穴部13aをガイドとして
プランジャ20と一体に往復運動できるよう設けられて
いる。長穴部13aの高さはローラシャフト21の軸径
より僅かに大きく形成されており、プランジャ20の周
方向の回転をローラシャフト21を介してガイドスリー
ブ13により抑制し、ブレード27の倒れを防止するよ
うにしている。
ャ20の軸方向にプランジャ20の往復運動量(以下ス
トローク量という)以上の長さの傾斜面23a、23b
を有する本発明案内部材を構成するスイングレール23
が、インナーカバー5及びギヤカバー6に挟持されるこ
とにより固定されて取付けられている。また、スイング
レール23の前方側の端部は上下連結され一体となって
いる。スイングローラ22を上または下の傾斜面23
a、23bに沿って往復移動させることにより、プラン
ジャ20はガイドスリーブ13を介して図8に示す軸ボ
ルト12の軸芯を中心として上下に各々1.44°の角
度で揺動運動するようになる。スイングローラ22は上
記した如く上下一体とされると共にインナーカバー5及
びギヤカバー6により挟持されるようにしたので、組立
性が向上すると共に構成が簡単になる。またスイングロ
ーラ22を介してプランジャ20等が往復運動するよう
にしたので寿命向上が図れるようになる。
フト15の平面部15aは図示するようにプランジャ2
0の軸方向と一致しており、ガイドスリーブ13は揺動
運動が可能な開放状態にあり、スイングローラ22はス
イングレール23の傾斜面23aもしくは傾斜面23b
に沿って転動しながら往復運動することができる。
している。すなわち図11の如くスイングローラ22を
傾斜面23aに沿って転動させた場合、ブレード27は
矢印Eのような動きをする。また図12の如くスイング
ローラ22を傾斜面23bに沿って転動させた場合、ブ
レード27は矢印Fのような動きをする。従って、図1
3に示す如く、ブレード27の装着方向の如何にかかわ
らず、ブレード27がセーバソー本体側に引き込まれる
時にブレード27を被切断材料36に勢いよく食い込ま
せる方向に動かすことができる。すなわちブレード27
の装着方向の如何にかかわらず、オービタル切断が可能
となる。なお図11、図12においてローラシャフト2
1、スイングローラ22を2個示しているが、これはこ
れらシャフト21、ローラ22が往復方向両端に位置し
た状態を示したもので、実際は1個しかないものであ
る。 (揺動切断動作の説明)図14〜図16は実際の切断に
おける各部の動きと力の関係を説明したもので、図14
はチェンジシャフト15がガイドスリーブ13の揺動運
動を抑止している状態を示している。従って、ブレード
27は図中の矢印で示すように単純な直線往復運動を行
う。このような単純な直線往復運動による切断形態は、
鋼材等のように硬くて切断反力の大きい材料の切断に適
している。
オービタル切断を行った状態を示している。切断時には
作業者によって押付け力F3が加えられる。この時ブレ
ード27は被切断材から切断反力F4を受け、プランジ
ャ20は軸ボルト12の軸芯を中心としてガイドスリー
ブ13の後端部を押し下げる。これによってスイングロ
ーラ22はスイングレール23の傾斜面23aに押し付
けられ、転動しながら往復運動を行うのでオービタル切
断が行われる。
オービタル切断を行った状態を示している。この状態で
切断時に作業者によって押付け力F5のが加えられる
と、図15の場合とは反対にブレード27は切断反力F
6を受ける。従って、スイングローラ22は図15の場
合とは反対にスイングレール23の傾斜面23bに押し
付けられ、転動しながら往復運動を行うのでオービタル
切断が行われる。
ル23の軌道面すなわち傾斜面23a、23bに沿って
プランジャ20すなわちブレード27を往復運動させる
ようにしたので、傾斜面の形状に対応してブレード27
を揺動させることができ、一層効率的なオービタル切断
が可能となると共にブレード27の装着方向に関係なく
オービタル切断が行われるようになり切断能率を向上で
きるようになる。
示し、スイングレール23の傾斜面を上下で異なるよう
にしたものである。傾斜面23c及び23dは夫々のこ
ぎり状及び波形に形成されている。この結果、ブレード
27は各々の傾斜面に対して図18に示すような運動軌
跡を描く。いずれの運動軌跡においても、ブレード27
に衝撃的な切断力を付与することができるため、固くて
脆いセラミック板等の切断に適している。このように、
スイングレール23の傾斜面は被切断材36に適した形
状に任意に変えることができると共に上下で異なった形
状の傾斜面とすることも可能である。
形態を示す。プランジャ20の後端部には突起部33が
設けられ、突起部33はガイドスリーブ31の後方部に
軸方向に延びて設けられた長穴部32から上下に突出し
ている。突起部33が接触する軌道面すなわち傾斜面を
軸方向に延ばしたスイングレール34がインナーカバー
5及びギヤカバー6に挟持されて取付けられている。こ
の実施形態によれば、単純な構成で上記実施形態同様オ
ービタル切断が可能となり、小型軽量のセーバソーを安
価で提供できるようになる。
内部材の軌道面に沿ってプランジャすなわちブレードを
往復運動させるようにしたので、傾斜面の形状に対応し
てブレードを揺動させることができ、一層効率的なオー
ビタル切断が可能となると共にブレードの装着方向に関
係なくオービタル切断が行われるようになり切断作業能
率を向上できるようになる。
図。
説明用側面図。
図。
用側面図。
形態を示す一部断面側面図。
説明用側面図。
施形態を示す側面図。
を示す説明用側面図。
相当の断面図。
ー、6はギヤカバー、9はセカンドシャフト、9aは偏
心円筒軸部、12は軸ボルト、13はガイドスリーブ、
15はチェンジシャフト、18はレシプロプレート、2
0はプランジャ、21はローラシャフト、22はスイン
グローラ、23はスイングレール、27はブレード、3
6は被切断材である。
Claims (9)
- 【請求項1】 モータを内蔵するハウジングと、ハウジ
ングに回転可能に取付けられ、モータにより回転駆動さ
れるセカンドシャフトと、ハウジングに往復動可能な如
く取付けられ、先端にブレードが装着されるプランジャ
と、セカンドシャフトの回転運動をプランジャの往復運
動に変換するためセカンドシャフト及びプランジャとの
間に設けられた運動変換手段とを有するセーバソーにお
いて、 前記プランジャの往復運動方向に沿って延びた軌道面を
有する案内部材をハウジングに取付け、プランジャを案
内部材の軌道面に沿って往復運動させることを特徴とす
るセーバソーの切断機構。 - 【請求項2】 プランジャの後方においてプランジャの
往復運動方向と直角の方向にプランジャを貫通するロー
ラシャフトの両端にスイングローラを取付け、スイング
ローラを案内部材の軌道面に沿って移動させることを特
徴とした請求項1記載のセーバソーの切断機構。 - 【請求項3】 モータを内蔵するハウジングと、ハウジ
ングに回転可能に取付けられ、モータにより回転駆動さ
れるセカンドシャフトと、ハウジングに往復動可能な如
く取付けられ、先端にブレードが装着されるプランジャ
と、プランジャを往復運動可能に保持し、プランジャの
運動方向と直角の方向に移動可能にハウジングに取付け
られたガイドスリーブと、セカンドシャフトの回転運動
をプランジャの往復運動に変換するためセカンドシャフ
ト及びプランジャとの間に設けられた運動変換手段とを
有するセーバソーにおいて、 前記プランジャの往復運動方向に沿って延びた軌道面を
有し、ハウジングに取付けられた案内部材と、プランジ
ャの後方においてプランジャの往復運動方向と直角の方
向にプランジャ及びプランジャの往復運動方向に沿って
延びたガイドスリーブの長穴を貫通するローラシャフト
と、ローラシャフトの両端に取付けられ、案内部材の軌
道面に沿って移動するスイングローラとを備えたことを
特徴とするセーバソーの切断機構。 - 【請求項4】 前記案内部材を上下に複数個設けたこと
を特徴とする請求項1または請求項3記載のセーバソー
の切断機構。 - 【請求項5】 前記案内部材の長手方向の一端を結合し
て上下一体の案内部材としたことを特徴とする請求項4
記載のセーバソーの切断機構。 - 【請求項6】 前記案内部材を、ハウジングを構成する
インナーカバーとギヤカバーにより挟持して取付けるよ
うにしたことを特徴とする請求項1または請求項3記載
のセーバソーの切断機構。 - 【請求項7】 前記ガイドスリーブの長穴の高さを前記
ローラシャフトの直径よりも僅かに大きく形成したこと
を特徴とする請求項3記載のセーバソーの切断機構。 - 【請求項8】 前記案内部材の軌道面をのこぎり状また
は波形としたことを特徴とする請求項1または請求項3
記載のセーバソーの切断機構。 - 【請求項9】 前記案内部材の上下の軌道面を各々異な
る形状にしたことを特徴とする請求項4記載のセーバソ
ーの切断機構。
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