JP2000252712A - 誘電体導波管線路と高周波線路導体との接続構造 - Google Patents

誘電体導波管線路と高周波線路導体との接続構造

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JP2000252712A
JP2000252712A JP11052508A JP5250899A JP2000252712A JP 2000252712 A JP2000252712 A JP 2000252712A JP 11052508 A JP11052508 A JP 11052508A JP 5250899 A JP5250899 A JP 5250899A JP 2000252712 A JP2000252712 A JP 2000252712A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体導波管線路に形成したスロット孔のみ
による電磁結合では、様々な特性インピーダンスの高周
波線路導体と良好な特性で接続できない。 【解決手段】 誘電体基板1を挟持する主導体層2・3
と、2列の側壁用貫通導体群4と、主導体層2・3と平
行な副導体層5とを具備してなる誘電体導波管線路6に
対して、スロット孔7に対向配置した高周波線路導体8
を電磁結合させるとともに、誘電体導波管線路6のスロ
ット孔7から伝送方向に管内波長の略2分の1のn倍の
位置に端面用貫通導体群9と端面用副導体層10とによる
短絡端を形成し、かつ主導体層3から管内波長の4分の
1未満の高さに短絡端からスロット孔7の下部に至る内
部導体層11を形成した接続構造である。短絡端と内部導
体層11とで接続部の特性インピーダンスを整合させるこ
とができ、反射を抑えて良好な特性の接続構造とするこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にマイクロ波や
ミリ波等の高周波信号を伝送する誘電体導波管線路と高
周波線路導体との接続構造に関し、特に、誘電体導波管
線路と高周波線路導体とをスロット孔を介して電磁的に
接続した接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロ波帯やミリ波帯等の高周
波信号を用いた移動体通信および車間レーダ等の研究が
盛んに進められている。これらの高周波回路において高
周波信号を伝送するための高周波伝送線路としては、従
来より、同軸線路や方形導波管・誘電体導波管・マイク
ロストリップ線路等の線路導体等が知られている。
【0003】また、最近では、高周波回路を構成する配
線回路内には高周波信号を伝送するために上記の高周波
伝送線路やアンテナ素子等の種類の異なる高周波線路が
複数配置されるために、これら高周波線路相互間の接続
技術が必要となっており、これについて様々な構造の接
続構造が報告されている。
【0004】例えば、同軸線路と方形導波管または誘電
体導波管との接続構造では、同軸線路の信号線を導波管
内に挿入して高周波的に結合することによって接続され
る。
【0005】また、導波管とマイクロストリップ線路と
の接続構造では、例えば導波管とマイクロストリップ線
路とを直角に接続する場合には、導波管内にマイクロス
トリップ線路の形成された誘電体基板を挿入する構造が
用いられる。また、導波管とマイクロストリップ線路と
を同じ伝送方向で接続する場合には、導波管としてマイ
クロストリップ線路が接続される端部へ向かってその幅
を曲線状に狭くしたいわゆるリッジ導波管を用い、その
内部にマイクロストリップ線路の信号線を挿入する構造
や、導波管または誘電体導波管にスロット孔を設け、ス
ロット孔を介した電磁結合により接続する構造などが提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近に至り、高周波回
路を構成する基板上または基板内に形成すると小型化の
面で有利となることから、多層配線基板内に誘電体導波
線路を積層技術によって形成することが望まれている。
例えば、特開平6−53711 号においては、誘電体基板を
一対の主導体層で挟み、さらに主導体層間を接続する2
列に配設されたビアホール群によって側壁を形成した導
波管線路が提案されている。この導波管線路は誘電体材
料の四方を一対の主導体層とビアホール群による擬似的
な導体壁で囲むことによって導体壁内の領域を信号伝送
用の線路としたものである。
【0007】このような多層配線基板の内部に配設され
る積層型の誘電体導波管線路を、主にマイクロ波および
ミリ波用のセラミック多層配線基板あるいは高周波用半
導体パッケージの伝送線路として用いる上では、他の高
周波線路との接続が必要になる。
【0008】これに対し、本発明者は既に特開平10−10
7518号公報において、図Aに部分破断斜視図で概略構成
を示すような、スロット孔による電磁的な結合を用いた
接続構造を提案している。図Aによれば、誘電体1を挟
んで所定の間隔をもって少なくとも線路形成位置を挟む
上下面に一対の主導体層2・3が平行に形成されてい
る。なお、内部の構造が分かるように、主導体層2の一
部は破断して示している。また、主導体層2・3間に
は、それらを電気的に接続する貫通導体群4が設けられ
ている。貫通導体群4は、所定の間隔(幅)をもって2
列に配列され、かつ貫通導体のそれぞれは高周波信号の
伝送方向、つまり線路形成方向に信号波長の2分の1未
満の間隔をもって形成されている。これにより、主導体
層2・3と貫通導体群4とで囲まれる領域が誘電体導波
管線路5となる。また、主導体層2・3の間には、誘電
体導波管線路5の側壁を形成する貫通導体群4と電気的
に接続され、主導体層2・3と平行に形成された副導体
層6が形成されており、線路の側壁を格子状として電磁
波の遮蔽効果を高めている。そして、主導体層2・3の
うち少なくとも一方、ここでは上側の主導体層2に、導
体を形成しないスロット孔7を形成しており、このスロ
ット孔7を介して誘電体導波管線路5と他の例えばマイ
クロストリップ線路等の高周波線路導体(図示せず)と
接続するものである。
【0009】この接続構造によれば、主導体層2・3の
一部にスロット孔7を形成することにより容易に他の高
周波線路導体と電磁結合することができ、しかも、かか
る構造を有する誘電体導波管線路5およびそれを使用し
た多層配線基板は、従来のセラミック積層技術を応用し
て容易に作製することができる。
【0010】しかしながら、このような積層型の誘電体
導波管線路5の特性インピーダンスとスロット孔7を介
して接続される他の高周波線路導体との特性インピーダ
ンスとは通常は一致していない。そのため、かかる接続
部において特性インピーダンスの不一致による高周波信
号の反射が発生し、同時に透過特性も劣化するという問
題点があった。
【0011】本発明は上記従来技術の問題点に鑑みて案
出されたものであり、その目的は、積層型の誘電体導波
管線路と、他のマイクロストリップ線路やコプレーナ線
路等の高周波線路導体とをスロット孔を用いて電磁的に
結合し、両者の特性インピーダンスが異なるものであっ
ても良好な特性で接続することができる誘電体導波管線
路と高周波線路導体との接続構造を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
点に対して検討を重ねた結果、誘電体導波管線路の主導
体層に形成したスロット孔から所定の位置に誘電体導波
管線路の短絡端を形成するとともに、この短絡端からス
ロット孔の下部に至る、高周波線路導体と平行に対向す
る内部導体層を主導体層間に形成することにより、この
内部導体層が特性インピーダンスの整合用導体層として
機能し、接続部において優れた透過特性が得られること
を見出した。
【0013】すなわち、本発明の誘電体導波管線路と高
周波線路導体との接続構造は、誘電体基板を挟持する一
対の主導体層と、この主導体層間を高周波信号の伝送方
向に信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔および所定
の幅で電気的に接続する2列の側壁用貫通導体群と、前
記主導体層間に平行に形成され、前記側壁用貫通導体群
をそれぞれ電気的に接続する一対の副導体層と、前記主
導体層の一方に形成したスロット孔と、このスロット孔
から前記伝送方向に管内波長の略2分の1のn倍(nは
自然数)の位置において前記主導体層間を前記幅方向に
前記信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔で電気的に
接続する端面用貫通導体群と、この端面用貫通導体群お
よび前記一対の副導体層と電気的に接続された端面用副
導体層と、前記端面用貫通導体群に電気的に接続され、
前記主導体層の他方から前記管内波長の4分の1未満の
高さの位置に平行に前記スロット孔の下部まで形成され
た内部導体層とを具備して成る誘電体導波管線路に、前
記スロット孔に対向配置した高周波線路導体を電磁結合
させたことを特徴とするものである。
【0014】また、本発明の誘電体導波管線路と高周波
線路導体との接続構造は、誘電体基板を挟持する一対の
主導体層と、この主導体層間を高周波信号の伝送方向に
信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔および所定の幅
で電気的に接続する2列の側壁用貫通導体群と、前記主
導体層間に平行に形成され、前記側壁用貫通導体群をそ
れぞれ電気的に接続する一対の副導体層と、前記主導体
層の一方に形成したスロット孔と、このスロット孔から
前記伝送方向に管内波長の略2分の1のn倍(nは自然
数)の位置において前記主導体層間を前記幅方向に前記
信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔で電気的に接続
する端面用貫通導体群と、この端面用貫通導体群および
前記一対の副導体層と電気的に接続された端面用副導体
層と、一端が前記端面用貫通導体群に電気的に接続さ
れ、前記主導体層に平行に前記スロット孔の下部まで形
成された内部導体層と、この内部導体層の他端と前記主
導体層の他方とを前記管内波長の2分の1未満の繰り返
し間隔で電気的に接続する内部貫通導体群とを具備して
成る誘電体導波管線路に、前記スロット孔に対向配置し
た高周波線路導体を電磁結合させたことを特徴とするも
のである。
【0015】本発明の誘電体導波管線路と高周波線路導
体との接続構造によれば、誘電体導波管線路のスロット
孔から所定の位置に短絡端を形成するとともに、この短
絡端からスロット孔の下部までの間の所定位置に、主導
体層間と平行に高周波線路導体と対向させて内部導体層
を形成し、また、その端部を主導体層と電気的に接続す
る内部貫通導体群を形成したことにより、この部分の誘
電体導波管線路の実効的な厚みが変化することとなり、
それにより、高周波線路導体との接続部の特性インピー
ダンスが変化して、誘電体導波管線路と高周波線路導体
との特性インピーダンスマッチングをとることが可能と
なる。そして、両者の特性インピーダンスを整合させる
ことにより、接続部における高周波信号の反射の発生を
充分に低減させて良好な透過特性が得られる接続構造と
なる。しかも、このような整合器として機能する内部導
体層ならびに内部貫通導体群は、従来のセラミック積層
技術や同時焼成技術により、誘電体導波管線路と一体的
に同時に製作することができ、量産性にも優れている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の誘電体導波管線路
と高周波線路導体との接続構造について図面を参照しな
がら説明する。
【0017】図1は、本発明の誘電体導波管線路と高周
波線路導体との接続構造の実施の形態の一例を示す部分
破断斜視図である。図1において1は誘電体基板、2お
よび3は誘電体基板1を上下から挟持する一対の主導体
層、4は信号伝送方向に信号波長の2分の1未満の繰り
返し間隔で、かつ信号伝送方向と直交する方向に所定の
幅で一対の主導体層2・3間を電気的に接続するように
形成された2列の側壁用貫通導体群である。なお、内部
の構造が分かるように、主導体層2の一部は破断して示
している。また、5は側壁用貫通導体群4の各列を形成
する貫通導体同士を電気的に接続する、主導体層2・3
と平行に形成された副導体層である。6はこれら一対の
主導体層2・3と側壁用貫通導体群4および副導体層5
により形成される誘電体導波管線路である。
【0018】このように、所定の厚みの誘電体基板1を
挟持する少なくとも伝送線路形成位置を挟む上下面に一
対の主導体層2・3が形成されるとともに、2列の側壁
用貫通導体群4が形成されており、この一対の主導体層
2・3と側壁用貫通導体群4とで囲まれた領域に対して
さらに副導体層5を形成することにより、誘電体導波管
線路6の内部から見るとその側壁は側壁用貫通導体群4
と副導体層5とによって細かな格子状になり、様々な方
向の電磁波が遮蔽される。
【0019】7は上側の主導体層2に形成したスロット
孔であり、このスロット孔7に対して上側の主導体層2
に平行に配設された高周波線路導体8を対向させて、誘
電体導波管線路6と高周波線路導体8とがスロット孔7
を介して電磁結合することにより接続され、高周波信号
が伝達されることとなる。
【0020】なお、この例では高周波線路導体8に対す
る接地面は誘電体導波管線路6の主導体層2の一部で兼
ねた構成となっている。この場合、高周波線路導体8と
主導体層2との間は、空気であっても誘電体であっても
よい。また、高周波線路導体8は、裏面に接地層が形成
された別の誘電体基板の上に形成されたもの(マイクロ
ストリップ線路)でもよく、誘電体基板の表面に同一面
接地層とともに形成されたもの(コプレーナ線路)でも
よい。
【0021】9は、誘電体導波管線路6のスロット孔7
から高周波信号の伝送方向に管内波長λgの略2分の1
のn倍(〜n×λg/2、nは自然数)の位置に、伝送
方向の直交方向に信号波長の2分の1未満の間隔で主導
体層2・3間を電気的に接続して形成された端面用貫通
導体群である。また、10は主導体層2・3間に主導体層
2・3と平行に形成され、副導体層5および端面用貫通
導体群9と電気的に接続された端面用副導体層である。
これら端面用貫通導体群9と端面用副導体層10とによ
り、誘電体導波管線路6のスロット孔7から〜n×λg
/2の位置に、誘電体導波管線路6の短絡端を形成して
いる。
【0022】そして、11は、下側の主導体層3から高周
波信号の管内波長の4分の1未満の高さの位置に、主導
体層2・3と平行に高周波線路導体8に対向させて、そ
の一端が端面用貫通導体群9に電気的に接続され、他端
がスロット孔7の下部に至る内部導体層である。このよ
うに、誘電体導波管線路6の短絡端を形成するととも
に、その短絡端からスロット孔7の下部に至る内部導体
層11を形成したことにより、この内部導体層11の下側す
なわち主導体層3との間には高周波信号が侵入すること
ができず、スロット孔7から短絡端までの誘電体導波管
線路6の厚みを薄くしたことと同様の結果となる。そこ
で、この内部導体層11を形成する高さを調整し、また幅
や長さを調整することにより、接続部において誘電体導
波管線路6と高周波線路導体8とのインピーダンスをマ
ッチングさせることができ、接続部における伝送信号の
反射を充分に低減させるとともに良好な透過特性が得ら
れるものとなる。
【0023】このような図1に示す構成の本発明の誘電
体導波管線路と高周波線路導体との接続構造は、誘電体
基板を上下から挟持する一対の主導体層と、高周波信号
の伝送方向に信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔
で、かつ前記伝送方向と直交する方向に所定の幅で前記
主導体層間を電気的に接続して形成された2列の側壁用
貫通導体群と、前記主導体層間に主導体層と平行に形成
され、前記側壁用貫通導体群と電気的に接続された副導
体層とを具備して成り、前記主導体層、側壁用貫通導体
群および副導体層で囲まれた領域によって高周波信号を
伝送する誘電体導波管線路に対して、上側の前記主導体
層に平行に配設された高周波信号を伝送する高周波線路
導体を上側の前記主導体層に形成したスロット孔を介し
て対向させて電磁的に結合させるとともに、前記スロッ
ト孔から前記伝送方向に管内波長の略2分の1のn倍
(nは自然数)の位置に、伝送方向の直交方向に前記信
号波長の2分の1未満の間隔で前記主導体層間を電気的
に接続して形成された端面用貫通導体群と、前記主導体
層間に主導体層と平行に形成され、前記副導体層および
前記端面用貫通導体群と電気的に接続された端面用副導
体層とから成る短絡端を形成し、かつ、下側の前記主導
体層から前記管内波長の4分の1未満の高さの位置に前
記主導体層と平行に前記高周波線路導体に対向させて、
一端が前記端面用貫通導体群に電気的に接続され他端が
前記スロット孔の下部に至る内部導体層を形成したもの
である。
【0024】なお、図1において内部導体層11は一端を
端面用副導体層10と一体化させ、両側を副導体層5と一
体化させて形成しているが、内部導体層11を形成する高
さは副導体層5・10と合わせる必要はなく、また、幅も
少なくとも高周波線路導体8に対向する幅があればよ
い。
【0025】例えば、図1に示す例では誘電体基板1を
3層構造として誘電体導波管線路6を構成し、1層目の
誘電体基板1の上に内部導体層11を形成しているが、誘
電体基板の各層の厚みを調整したり積層数を調整するこ
とにより、任意の高さの位置に内部導体層11を設けるこ
とができる。
【0026】また、内部導体層11の長さとしては、短絡
端からスロット孔7の下部に至るものとして設定される
が、その他端がスロット孔7の中央から短絡端と反対側
に約λg/8の位置にくるように形成することが望まし
い。
【0027】2列の側壁用貫通導体群4は、高周波信号
の伝送方向すなわち線路形成方向に信号波長の2分の1
未満の所定の繰り返し間隔で、かつ伝送方向と直交する
方向に所定の一定の間隔(幅)をもって形成されてい
る。これにより、この誘電体導波管線路6における電気
的な側壁を形成している。
【0028】ここで、誘電体基板1の厚みすなわち一対
の主導体層2・3間の間隔に対する制限は特にないが、
シングルモードで用いる場合には側壁用貫通導体群4の
幅に対して2分の1程度または2倍程度とすることがよ
い。図1の例では誘電体導波管線路6のH面に当たる部
分が主導体層2・3で、E面に当たる部分が側壁用貫通
導体群4および副導体層5でそれぞれ形成される。ま
た、側壁用貫通導体群4の幅に対して誘電体基板1の厚
みを2倍程度とすれば、誘電体導波管線路6のE面に当
たる部分が主導体層2・3で、H面に当たる部分が側壁
用貫通導体群4および副導体層5でそれぞれ形成される
こととなる。
【0029】また、貫通導体の繰り返し間隔が信号波長
の2分の1未満の間隔に設定されることで、側壁用貫通
導体群4により電気的な壁が形成できる。この間隔は、
望ましくは信号波長の4分の1未満である。
【0030】平行に配置された一対の主導体層2・3間
にはTEM波が伝播できるため、側壁用貫通導体群4の
各列における貫通導体の繰り返し間隔が信号波長λの2
分の1(λ/2)よりも大きいと、その隙間がスロット
として作用して電磁波が漏れるので、この誘電体導波管
線路6に電磁波を給電しても電磁波は側壁用貫通導体群
4の間から漏れてしまい、ここで作られる疑似的な導波
管線路に沿って伝播しない。しかし、側壁用貫通導体群
4の繰り返し間隔がλ/2よりも小さいと、電気的な側
壁を形成することとなって電磁波は誘電体導波管線路6
に対して垂直方向に伝播することができず、反射しなが
ら誘電体導波管線路6の信号伝送方向に伝播される。そ
の結果、図1のような構成によれば、一対の主導体層2
・3と2列の側壁用貫通導体群4および副導体層5とに
よって囲まれる領域が誘電体導波管線路6となる。
【0031】そして、この誘電体導波管線路6中を伝播
する高周波信号は、その一部または全部が、主導体層2
に形成されたスロット孔7を介してスロット孔7の上部
に対向して配置される様々な高周波線路導体8と電磁的
に結合して伝播することとなる。
【0032】図1に示した態様では側壁用貫通導体群4
は2列に形成したが、この側壁用貫通導体群4を4列あ
るいは6列に配設して、側壁用貫通導体群4による疑似
的な導体壁を2重・3重に形成することにより導体壁か
らの電磁波の漏れをより効果的に防止することもでき
る。
【0033】このような誘電体導波管線路6によれば、
誘電体導波管による伝送線路となるので、誘電体基板1
の比誘電率をεr とするとその導波管サイズは通常の導
波管の1/√εr の大きさになる。従って、誘電体基板
1を構成する材料の比誘電率εr を大きいものとするほ
ど導波管サイズを小さくすることができて高周波回路の
小型化を図ることができ、高密度に配線が形成される多
層配線基板または半導体素子収納用パッケージあるいは
車間レーダの伝送線路としても利用可能な大きさの誘電
体導波管線路6とすることができる。
【0034】なお、側壁用貫通導体群4を構成する貫通
導体は前述のように信号波長の2分の1未満の繰り返し
間隔で配設されており、この繰り返し間隔は良好な伝送
特性を実現するためには一定の繰り返し間隔とすること
が望ましいが、信号波長の2分の1未満の間隔であれ
ば、適宜変化させたりいくつかの値を組み合わせたりし
てもよい。
【0035】このような誘電体導波管線路6を構成する
誘電体基板1としては、誘電体として機能し高周波信号
の伝送を妨げることのない特性を有するものであればと
りわけ限定するものではないが、伝送線路を形成する際
の精度および製造の容易性の点からは、誘電体基板1は
セラミックスから成ることが望ましい。
【0036】このようなセラミックスとしてはこれまで
様々な比誘電率を持つセラミックスが知られているが、
本発明に係る誘電体導波管線路によって高周波信号を伝
送するためには常誘電体であることが望ましい。これ
は、一般に強誘電体セラミックスは高周波領域では誘電
損失が大きく伝送損失が大きくなるためである。従っ
て、誘電体基板1の比誘電率εr は4〜100 程度が適当
である。
【0037】また、一般に多層配線基板や半導体素子収
納用パッケージあるいは車間レーダに形成される配線層
の線幅は最大でも1mm程度であることから、比誘電率
が100 の材料を用い、上部がH面すなわち磁界が上側の
面に平行に巻く電磁界分布になるように用いた場合は、
用いることのできる最小の周波数は15GHzと算出さ
れ、マイクロ波帯の領域でも利用可能となる。
【0038】一方、一般的に誘電体基板1として用いら
れる樹脂からなる誘電体は、比誘電率εr が2程度であ
るため、線幅が1mmの場合は約100 GHz以上でない
と利用することができないものとなる。
【0039】また、このような常誘電体セラミックスの
中にはアルミナやシリカ等のように誘電正接が非常に小
さなものが多いが、全ての常誘電体セラミックスが利用
可能であるわけではない。誘電体導波管線路の場合は導
体による損失はほとんどなく、信号伝送時の損失のほと
んどは誘電体による損失である。その誘電体による損失
α(dB/m)は次のように表わされる。 α=27.3×tanδ/〔λ/{1−(λ/λc )2
1/2 〕 式中、tanδ:誘電体の誘電正接 λ :誘電体中の波長 λc :遮断波長 規格化された矩形導波管(WRJシリーズ)形状に準ず
ると、上式中の{1−(λ/λc )2 1/2 は0.75程度
である。
【0040】従って、実用に供し得る伝送損失である−
100 dB/m以下にするには、次の関係が成立するよう
に誘電体を選択することが必要である。 f×εr 1/2 ×tanδ≦0.8 式中、fは使用する高周波信号の周波数(GHz)であ
る。
【0041】このような誘電体基板1としては、例えば
アルミナセラミックスや窒化アルミニウムセラミックス
・ガラスセラミックス等がある。これらによる誘電体基
板1は、例えばセラミックス原料粉末に適当な有機溶剤
・溶媒を添加混合して泥漿状になすとともに、これを従
来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を
採用してシート状となすことによって複数枚のセラミッ
クグリーンシートを得て、しかる後、これらセラミック
グリーンシートの各々に適当な打ち抜き加工を施すとと
もにこれらを積層し、アルミナセラミックスの場合は15
00〜1700℃、ガラスセラミックスの場合は850 〜1000
℃、窒化アルミニウムセラミックスの場合は1600〜1900
℃の温度で焼成することによって製作される。
【0042】また、一対の主導体層2・3および副導体
層5は、例えば誘電体基板1がアルミナセラミックスか
ら成る場合には、タングステン等の金属粉末に適当なア
ルミナ・シリカ・マグネシア等の酸化物や有機溶剤・溶
媒等を添加混合してペースト状にしたものを用いて厚膜
印刷法により少なくとも伝送線路を完全に覆うようにセ
ラミックグリーンシート上に印刷し、しかる後、約1600
℃の高温で焼成し、厚み5〜15μm程度となるようにし
て形成する。なお、金属粉末としては、ガラスセラミッ
クスの場合は銅・金・銀が、窒化アルミニウムセラミッ
クスの場合はタングステン・モリブデンが好適である。
また、主導体層2・3および副導体層5の厚みは一般的
に5〜15μm程度とされる。
【0043】また、側壁用貫通導体群4を構成する貫通
導体は、例えばビアホール導体やスルーホール導体等に
より形成すればよい。その断面形状は製作が容易な円形
の他、矩形や菱形等の多角形であってもよい。これら貫
通導体は、例えばセラミックグリーンシートに打ち抜き
加工を施して作製した貫通孔に主導体層2・3と同様の
金属ペーストを埋め込み、しかる後、誘電体基板1と同
時に焼成して形成する。なお、貫通導体は直径50〜300
μmが適当である。また、上側の主導体層2に形成する
スロット孔7は、これに対向して主導体層2の上部に主
導体層2と平行に配設される高周波線路導体8と誘電体
導波管線路6とを電磁的に結合して高周波信号の接続を
行なうものである。このスロット孔7を形成する位置や
形状・大きさ等は、次のように設定される。
【0044】スロット孔7の形状は、長さが信号波長の
2分の1、幅が長さの3分の1から10分の1程度とした
長方形状とすればよい。また、スロット孔7の位置は、
誘電体導波管線路6と高周波線路導体8とが電磁界によ
り電磁結合ができる位置関係にあればよい。具体的に
は、高周波線路導体8がマイクロストリップ線路やコプ
レーナ線路等の場合は、スロット孔7の長手方向と完全
に平行でなければ結合され、直交する場合に最も良好に
結合される。
【0045】そして、図1に示すように、本発明の接続
構造にかかる誘電体導波管線路6においては、誘電体導
波管線路6のスロット孔7から伝送方向に管内波長の略
2分の1のn倍(nは自然数)の位置に、端面用貫通導
体群9と端面用副導体層10とから成る短絡端を形成する
とともに、下側の主導体層3から管内波長の4分の1未
満の高さの位置に短絡端からスロット孔7の下部に至る
内部導体層11を形成することにより、スロット孔7から
短絡端までの部分に、4分の1波長整合回路として機能
する、誘電体導波管線路6の厚みを薄くした部分を形成
していることが特徴である。これにより、整合回路部分
の厚みを調整することによってこの部分の特性インピー
ダンスを調節することが可能となり、スロット孔7を介
して特性インピーダンスの異なる高周波線路導体8を低
反射の状態で電磁結合させることができる。このような
整合回路部分の厚みの調整は、内部導体層11の位置や幅
・長さを調整して設けることにより行なうことができ
る。
【0046】このように誘電体導波管線路6の整合回路
部分を形成したことにより、他の種々の高周波線路導体
8と誘電体導波管線路6とを高性能で接続することがで
き、しかも、この整合回路部分は高周波用多層配線基板
や高周波用半導体素子収納用パッケージを構成する誘電
体基板内にグリーンシート積層法等のシート積層技術に
より容易に作製して作り込むことができるので、生産性
が高く安価な製造が可能な接続構造となる。
【0047】次に、図2に本発明の誘電体導波管線路と
高周波線路導体との接続構造の実施の形態の他の例を図
1と同様の部分破断斜視図で示す。
【0048】図2において図1と同様の箇所には同じ符
号を付してある。図2において、12は、図1における内
部導体層11に代えて形成した、主導体層2・3間に主導
体層と平行に高周波線路導体8に対向させて、一端が端
面用貫通導体群9に電気的に接続され、他端がスロット
孔7の下部に至る内部導体層であり、13は、高周波信号
の管内波長の2分の1未満の繰り返し間隔で内部導体層
12の他端とその下側の主導体層3とを電気的に接続する
ように形成した内部貫通導体群である。
【0049】このような内部導体層12と内部貫通導体群
13とを形成したことにより、内部導体層12の高さが下側
の主導体層3から管内波長の4分の1を越えるものとな
っても、スロット孔7の下部に位置する内部導体層12の
他端側からの内部導体層12の下側への伝送信号の侵入は
内部貫通導体群13により阻止されるので、図1に示す接
続構造の例に比べて、より電気的に安定した、しかも内
部導体層12の高さの設定可能な範囲がより広範囲となっ
た整合回路部分を構成することができる。これにより、
この内部導体層12を形成する高さを調整し、また幅や長
さを調整することにより、接続部において誘電体導波管
線路6と高周波線路導体8とのインピーダンスをより良
好にマッチングさせることができ、接続部における伝送
信号の反射をより効果的に低減させるとともに極めて良
好な透過特性が得られるものとなる。
【0050】このような接続構造において、内部導体層
12とともに整合回路部分を構成する内部貫通導体群13
は、その繰り返し間隔を管内波長の2分の1より小さく
しておくとその貫通導体間からの電磁波の漏れがなくな
ることとなるため、内部貫通導体群13の間隔は管内波長
の2分の1未満であることが必要である。なお、図2の
例では内部貫通導体群13を内部導体層12の他端に沿って
1列に配置したが、これを複数列に配置してもよく、ま
た、いわゆる千鳥状に配置してもよい。
【0051】また、内部導体層12については、内部導体
層11と同様に、この内部導体層12の伝送方向の長さは〜
n×λg/2となることから、この部分が誘電体導波管
線路6と高周波線路導体8との接続部における両者のイ
ンピーダンスの整合器として機能するものとなる。その
結果、この内部導体層12を形成する高さを調整し、また
幅や長さを調整することにより、接続部において誘電体
導波管線路6と高周波線路導体8とのインピーダンスを
良好にマッチングさせることができ、接続部における伝
送信号の反射をより充分に低減させるとともに極めて良
好な透過特性が得られるものとなる。
【0052】このような図2に示す構成の本発明の誘電
体導波管線路と高周波線路導体との接続構造は、誘電体
基板を上下から挟持する一対の主導体層と、高周波信号
の伝送方向に信号波長の2分の1未満の繰り返し間隔
で、かつ前記伝送方向と直交する方向に所定の幅で前記
主導体層間を電気的に接続して形成された2列の側壁用
貫通導体群と、前記主導体層間に主導体層と平行に形成
され、前記側壁用貫通導体群と電気的に接続された副導
体層とを具備して成り、前記主導体層、側壁用貫通導体
群および副導体層で囲まれた領域によって高周波信号を
伝送する誘電体導波管線路に対して、上側の前記主導体
層に平行に配設された高周波信号を伝送する高周波線路
導体を上側の前記主導体層に形成したスロット孔を介し
て対向させて電磁的に結合させるとともに、前記スロッ
ト孔から前記伝送方向に管内波長の略2分の1のn倍
(nは自然数)の位置に、伝送方向の直交方向に前記信
号波長の2分の1未満の間隔で前記主導体層間を電気的
に接続して形成された端面用貫通導体群と、前記主導体
層間に主導体層と平行に形成され、前記副導体層および
前記端面用貫通導体群と電気的に接続された端面用副導
体層とから成る短絡端を形成し、かつ、前記主導体層間
に前記主導体層と平行に前記高周波線路導体に対向させ
て、一端が前記端面用貫通導体群に電気的に接続され他
端が前記スロット孔の下部に至る内部導体層を形成する
とともに、前記管内波長の2分の1未満の繰り返し間隔
で前記内部導体層の他端と下側の前記主導体層とを電気
的に接続する内部貫通導体群を形成したものである。
【0053】なお、図2においても内部導体層12は一端
を端面用副導体層10と一体化させ、両側を副導体層5と
一体化させて形成しているが、内部導体層12を形成する
高さは副導体層5・10と合わせる必要はなく、また、幅
も少なくとも高周波線路導体8に対向する幅があればよ
い。
【0054】また、内部導体層12の長さも、内部導体層
11と同様に、その他端がスロット孔7の中央から短絡端
と反対側に約λg/8の位置にくるように形成すること
が望ましい。
【0055】なお、端面用貫通導体群9および内部貫通
導体群13は側壁用貫通導体群4と同様にして形成すれば
よく、端面用副導体層10や内部導体層11・12は主導体層
2・3や副導体層5と同様にして形成すればよい。
【0056】また、端面用貫通導体群9および内部貫通
導体群13の断面形状や直径等も、側壁用貫通導体4と同
様にして形成すればよい。
【0057】
【実施例】次に、本発明の誘電体導波管線路と高周波線
路導体との接続構造の具体例について説明する。
【0058】比誘電率εr が4.8 のセラミックス材料か
らなる厚みが0.15mmの誘電体層を4層積層して誘電体
基板1を構成し、この誘電体基板1に断面のサイズが1.
5 mm×0.6 mmの誘電体導波管線路6を形成した。ま
た、その主導体層2に、長さ0.894 mm×幅0.3 mmの
スロット孔7を形成するとともに、このスロット孔7か
ら伝送方向に76.5GHzの高周波信号の管内波長の2分
の1の距離にほぼ相当する1.20mmの位置に、端面用貫
通導体群9と端面用副導体層10を形成して短絡端を形成
した。また、この短絡端からスロット孔7の下部にかけ
て1.48mmの距離まで主導体層3から0.30mmの高さに
内部導体層12を形成し、この端部を内部貫通導体群13に
より主導体層3と電気的に接続した。
【0059】そして、高周波線路導体8の線路幅を0.26
7 mm、誘電体導波線路6と高周波線路導体8とのギャ
ップを0.15mm、高周波線路導体8のスタブ長(スロッ
ト孔7の中心から高周波線路導体8の先端までの長さ)
を0.351 mmとして高周波線路導体8をスロット孔7に
対向させ、図2に示す本発明の誘電体導波管線路6と高
周波線路導体8との接続構造を構成した。
【0060】そして、この例ならびに誘電体導波管線路
6における整合回路部分(内部導体層12および内部貫通
導体群13)を設けなかった比較例につき、接続構造の反
射係数S11をネットワークアナライザにより求めた。そ
の結果を図3に示す。
【0061】図3は誘電体導波管線路と高周波線路導体
との接続構造における反射係数S11の周波数特性を示す
線図であり、横軸は周波数 FREQUENCY(単位:GHz)
を、縦軸は反射係数S11(単位:dB)を表わしてお
り、反射係数S11の周波数特性を示す特性曲線のうちA
は比較例の特性を、Bは本発明の実施例の特性を示して
いる。
【0062】図3に示す結果より、整合回路部分が無い
比較例の結果であるAにおいては反射係数S11は−6d
B程度までにしかならなかったのに対し、本発明の接続
構造の結果であるBによれば、スロット孔7から所定の
位置に短絡端を設けるとともに内部導体層12と内部貫通
導体群13とにより整合回路部分を設けたことにより、反
射係数S11が−20dB以下の良好な特性が得られたこと
が分かる。このことは、本発明の接続構造にかかる整合
回路部分により、誘電体導波管線路6と高周波線路導体
8との特性インピーダンスのマッチングが行なわれてい
ることを示すものである。
【0063】なお、比較例と本発明の実施例とでは反射
係数S11が最も小さい周波数の位置が若干ずれている
が、これは誘電体導波管線路6の短絡端の位置、または
内部導体層12の短絡端からスロット孔7下部の端部まで
の長さ、または内部導体層12の幅を調整することで容易
に調整することができる。
【0064】なお、この本発明の実施例に対して、内部
貫通導体群13を形成せず、内部導体層12の高さを0.3 m
mとして図1に示す例における内部導体層11とし、その
他は同様にして図1に示す本発明の接続構造を構成して
評価したところ、同じく整合回路部分により誘電体導波
管線路6と高周波線路導体8との特性インピーダンスの
マッチングが行なわれ、反射係数S11が−20dB以下の
良好な特性が得られた。
【0065】なお、本発明は以上の例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更
・改良を施すことは何ら差し支えない。例えば、上記の
例では誘電体導波管線路6に対して接続する高周波線路
導体8を両者の伝送方向が平行になるように配置した場
合を示したが、誘電体導波管線路6に対して高周波線路
導体8を直交させても、あるいは任意の角度で交差させ
てもよく、そのような場合もスロット孔7の位置・形状
・寸法等を適宜調整することにより同様の良好な接続特
性が得られる。
【0066】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の誘電体導波
管と高周波線路導体との接続構造によれば、誘電体導波
管線路のスロット孔から所定の位置に短絡端を形成する
とともに、この短絡端からスロット孔の下部までの間の
所定位置に内部導体層を形成し、また、その端部を主導
体層と電気的に接続する内部貫通導体群を形成したこと
により、この部分によって誘電体導波管線路と高周波線
路導体との接続部の特性インピーダンスを変化させて両
者の特性インピーダンスマッチングをとることが可能と
なった。そして、両者の特性インピーダンスを整合させ
ることにより、接続部における高周波信号の反射の発生
を充分に低減させ、良好な透過特性を得ることができ
た。
【0067】しかも、本発明の接続構造は、このような
整合回路部分を有する誘電体導波管線路を例えばグリ一
ンシート積層法等のシート積層技術により容易に作製す
ることができるので、生産性が高く安価に製造すること
ができる。
【0068】以上により、本発明によれば、積層型の誘
電体導波管線路と、他のマイクロストリップ線路やコプ
レーナ線路等の高周波線路導体とをスロット孔を用いて
電磁的に結合し、両者の特性インピーダンスが異なるも
のであっても良好な特性で接続することができる誘電体
導波管線路と高周波線路導体との接続構造を提供するこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体導波管線路と高周波線路導体と
の接続構造の実施の形態の一例を示す部分破断斜視図で
ある。
【図2】本発明の誘電体導波管線路と高周波線路導体と
の接続構造の実施の形態の他の例を示す部分破断斜視図
である。
【図3】誘電体導波管線路と高周波線路導体との接続構
造における反射係数の周波数特性を示す線図である。
【符号の説明】
1・・・・・誘電体基板 2、3・・・主導体層 4・・・・・側壁用貫通導体群 5・・・・・副導体層 6・・・・・誘電体導波管線路 7・・・・・スロット孔 8・・・・・高周波線路導体 9・・・・・端面用貫通導体群 10・・・・・端面用副導体層 11、12・・・内部導体層 13・・・・・内部貫通導体群

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板を挟持する一対の主導体層
    と、該主導体層間を高周波信号の伝送方向に信号波長の
    2分の1未満の繰り返し間隔および所定の幅で電気的に
    接続する2列の側壁用貫通導体群と、前記主導体層間に
    平行に形成され、前記側壁用貫通導体群をそれぞれ電気
    的に接続する一対の副導体層と、前記主導体層の一方に
    形成したスロット孔と、該スロット孔から前記伝送方向
    に管内波長の略2分の1のn倍(nは自然数)の位置に
    おいて前記主導体層間を前記幅方向に前記信号波長の2
    分の1未満の繰り返し間隔で電気的に接続する端面用貫
    通導体群と、該端面用貫通導体群および前記一対の副導
    体層と電気的に接続された端面用副導体層と、前記端面
    用貫通導体群に電気的に接続され、前記主導体層の他方
    から前記管内波長の4分の1未満の高さの位置に平行に
    前記スロット孔の下部まで形成された内部導体層とを具
    備して成る誘電体導波管線路に、前記スロット孔に対向
    配置した高周波線路導体を電磁結合させたことを特徴と
    する誘電体導波管線路と高周波線路導体との接続構造。
  2. 【請求項2】 誘電体基板を挟持する一対の主導体層
    と、該主導体層間を高周波信号の伝送方向に信号波長の
    2分の1未満の繰り返し間隔および所定の幅で電気的に
    接続する2列の側壁用貫通導体群と、前記主導体層間に
    平行に形成され、前記側壁用貫通導体群をそれぞれ電気
    的に接続する一対の副導体層と、前記主導体層の一方に
    形成したスロット孔と、該スロット孔から前記伝送方向
    に管内波長の略2分の1のn倍(nは自然数)の位置に
    おいて前記主導体層間を前記幅方向に前記信号波長の2
    分の1未満の繰り返し間隔で電気的に接続する端面用貫
    通導体群と、該端面用貫通導体群および前記一対の副導
    体層と電気的に接続された端面用副導体層と、一端が前
    記端面用貫通導体群に電気的に接続され、前記主導体層
    に平行に前記スロット孔の下部まで形成された内部導体
    層と、該内部導体層の他端と前記主導体層の他方とを前
    記管内波長の2分の1未満の繰り返し間隔で電気的に接
    続する内部貫通導体群とを具備して成る誘電体導波管線
    路に、前記スロット孔に対向配置した高周波線路導体を
    電磁結合させたことを特徴とする誘電体導波管線路と高
    周波線路導体との接続構造。
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