JP2000249226A - 変速比無限大無段変速機の制御装置 - Google Patents

変速比無限大無段変速機の制御装置

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JP2000249226A
JP2000249226A JP5388699A JP5388699A JP2000249226A JP 2000249226 A JP2000249226 A JP 2000249226A JP 5388699 A JP5388699 A JP 5388699A JP 5388699 A JP5388699 A JP 5388699A JP 2000249226 A JP2000249226 A JP 2000249226A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 NレンジやPレンジから走行レンジへ移行し
て車両の発進を行う際に、エンジンのストールを防止し
て円滑な発進を行う。 【解決手段】 無段変速機2と一定変速機3とをユニッ
ト入力軸1aにそれぞれ連結するとともに、無段変速機
2と一定変速機3の出力軸を遊星歯車機構5、動力循環
モードクラッチ9及び直結モードクラッチ10を介して
ユニット出力軸6に連結し、動力循環モードクラッチ9
を締結して車両の発進を行う際には、動力循環モードク
ラッチ9へ供給する油圧を、予め設定された上限値と下
限値との間で、エンジンからの入力トルクの変化に応じ
て下限値から徐々に増大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる変速比無限大無段変速機の制御装置の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から車両の変速機として、ベルト式
やトロイダル型の無段変速機が知られており、このよう
な無段変速機の変速領域をさらに拡大するために、無段
変速機に一定変速機と遊星歯車機構を組み合わせて変速
比を無限大まで制御可能とする変速比無限大無段変速機
が知られており、例えば、本願出願人が提案した特開平
9−210175号などがある。
【0003】これは、エンジンに連結されるユニット入
力軸に無段変速機と一定変速機(減速機)とを並列的に
連結するとともに、これらの出力をユニット出力軸に配
設した遊星歯車機構で結合したもので、無段変速機の出
力側は無段変速機出力ギア列等を介して遊星歯車機構の
サンギアに、一定変速機の出力軸は動力循環モードクラ
ッチを介して遊星歯車機構のキャリアにそれぞれ連結さ
れ、遊星歯車機構のリングギアは変速比無限大無段変速
機の出力軸であるユニット出力軸に結合される。
【0004】さらに、サンギアと連結した無段変速機出
力軸は、直結モードクラッチを介してユニット出力軸に
結合される。
【0005】このような変速比無限大無段変速機では、
図10に示すように、動力循環モードクラッチを締結す
る一方、直結モードクラッチを解放することにより、無
段変速機と一定変速機の変速比の差に応じて、ユニット
変速比ii(図中IVT比iiでユニット入力軸回転数
/ユニット出力軸回転数)を負の値(後退)から正の値
(前進)まで無限大(=ギアードニュートラルポイント
GNP)を含んで連続的に変速制御を行う動力循環モー
ドと、動力循環モードクラッチを遮断する一方、直結モ
ードクラッチを接続して無段変速機の変速比icに応じ
て変速制御を行う直結モードを選択的に使用することが
できる。
【0006】発進時には、動力循環モードのギアードニ
ュートラルポイントGNPから変速を行い、走行中には
直結モードクラッチまたは動力循環モードクラッチの一
方を締結するとともに、無段変速機の変速比(図中CV
T比ic)をアクチュエータの駆動によって変更するこ
とで、任意のユニット変速比iiへ向けて連続的に変速
を行うもので、動力循環モードと直結モードの切り換え
は、各クラッチの締結要素の相対回転数が等しくなる回
転同期点で行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の変速比無限大無段変速機にあっては、運転者がシフ
トレバーなどの変速指令手段をニュートラルレンジ(N
レンジ)やパーキングレンジ(Pレンジ)に設定した車
両の停止状態のときに、動力循環モードクラッチ及び直
結モードクラッチを共に解放してエンジン側と駆動輪側
の連結を解除しておき、運転者が変速指令手段を前進レ
ンジ(Dレンジ)または後退レンジ(Rレンジ)等の走
行レンジへ操作したときに、動力循環モードクラッチを
締結してギアードニュートラルポイントGNPから発進
を行うような場合に、無段変速機の変速比icがユニッ
ト変速比iiのギアードニュートラルポイントGNPか
ら少しでもずれていると、エンジンがストールする場合
があった。
【0008】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、NレンジやPレンジから走行レンジへ移行
して車両の発進を行う際に、エンジンのストールを防止
して円滑な発進を行うことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、エンジン
に連結されたユニット入力軸に、変速比を連続的に変更
可能な無段変速機と一定変速機とをそれぞれ連結すると
ともに、無段変速機と一定変速機の出力軸を遊星歯車機
構、動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチを
介してユニット出力軸に連結した変速比無限大無段変速
機と、運転操作に応じて車両の発進を検出する発進検出
手段と、前記動力循環モードクラッチ及び直結モードク
ラッチの制御によって動力循環モードと直結モードを切
り換えるとともに、車両の発進時には動力循環モードク
ラッチを制御するクラッチ制御手段と、前記無段変速機
の変速比を車両の運転状態に応じて制御することで変速
比無限大無段変速機のユニット変速比を設定する変速比
制御手段とを備えた変速比無限大無段変速機の制御装置
において、前記クラッチ制御手段は、エンジンからの入
力トルクまたは入力トルク相当値を検出する入力トルク
検出手段と、前記動力循環モードクラッチへ供給する油
圧を制御する油圧制御手段と、前記車両の発進が検出さ
れてから所定の時間までは、予め設定された上限値と下
限値との間で、入力トルクまたは入力トルク相当値の変
化に応じて動力循環モードクラッチへ供給する油圧を設
定する締結容量変更手段とを設ける。
【0010】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記入力トルク検出手段は、入力軸回転数の変動
量を入力トルク相当値の変動量として検出し、前記クラ
ッチ制御手段は、この入力トルク相当値の変動量に基づ
いて動力循環モードクラッチへ供給する油圧を前記下限
値から徐々に増大する。
【0011】また、第3の発明は、前記第1または第2
の発明において、前記締結容量変更手段は、前記供給油
圧の下限値を動力循環モードクラッチが締結力を発生す
る臨界値に設定する一方、供給油圧の上限値は、動力循
環モードクラッチが完全に締結される値に設定する。
【0012】また、第4の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記締結容量変更手段は、前記所定時間経過後に
は上限値による油圧の制限を解除する。
【0013】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、車両の発進
時には、入力トルクまたは入力トルク相当値に応じて動
力循環モードクラッチに供給する油圧を設定し、かつ、
供給油圧を所定の上限値と下限値の間に設定するように
したため、エンジン回転数が低下した場合では供給油圧
を下限値側に変更することで、締結力を低減してエンジ
ンのストールを確実に防止し、エンジントルクが増大す
れば上限値の範囲で供給油圧を上昇させて、締結力を増
大することができ、エンジンストールの防止と円滑な発
進を両立でき、特に、無段変速機としてトロイダル型を
採用した場合には、入力トルクの変動に応じて変速比が
変化する特性(トルクシフトという)があるため、停車
中に解放していた動力循環モードクラッチを締結すると
きに、ユニット変速比がギアードニュートラルポイント
GNPからずれる場合もあるが、発進の際には入力トル
クまたはこの相当値に基づいて徐々に締結力を変化させ
ることで、ユニット変速比がギアードニュートラルポイ
ントGNPからずれた場合であっても、エンジンのスト
ールを確実に回避しながら円滑な発進を行うことが可能
となるのである。
【0014】また、第2の発明は、入力軸回転数の変動
量、すなわち、エンジン回転数を入力トルク相当値の変
動量として検出することで、入力トルクまたは相当値を
容易に得ることができ、発進の際には、締結力が小さい
油圧の下限値から上限値へ向けて供給油圧を増大させ
ることで、徐々に締結力を増大させることでエンジンの
ストールを確実に防止しながらも、円滑な発進を行うこ
とができ、特に、入力トルクの変動によって、ユニット
変速比がギアードニュートラルポイントGNPからずれ
る可能性のあるトロイダル型無段変速機を採用した場合
であっても、確実かつ円滑な発進を行うことが可能とな
って、変速比無限大無段変速機の運転性を向上させるこ
とが可能となるまた、第3の発明は、発進操作から所定
時間内では動力循環モードクラッチへ供給する油圧の下
限値を、発生する臨界値に設定することで、締結初期に
ユニット変速比がギアードニュートラルポイントGNP
からずれていても、エンジン回転数の極端な低下による
エンジンのストールを防止でき、また、供給油圧の上限
値を、動力循環モードクラッチが完全に締結される値に
規制することで、ユニット変速比がギアードニュートラ
ルポイントGNPからずれている場合の発進時にショッ
クが発生するのを防止することができる。
【0015】また、第4の発明は、発進操作開始から所
定時間経過後には、上限値による供給油圧の制限を解除
することで、入力トルクに応じた締結力を発生させて、
エンジントルクの伝達を確実に行うことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0017】図1〜図5に、ハーフトロイダルで構成さ
れたダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機2を
用いて変速比無限大無段変速機を構成した一例を示す。
【0018】図1〜図3に示すように、変速比無限大無
段変速機はエンジンのクランクシャフト14に連結され
るユニット入力軸1a、1bに、変速比を連続的に変更
可能な無段変速機2と、ギア3a、ギア3bから構成さ
れた一定変速機3(減速機)とを並列的に連結し、これ
らの出力軸4、3cをユニット出力軸6側へ配設すると
ともに遊星歯車機構5で連結したもので、無段変速機2
の出力軸4は遊星歯車機構5のサンギア5aに連結さ
れ、一定変速機3の出力軸3cは、動力循環モードクラ
ッチ9を介して遊星歯車機構5のキャリア5bに連結さ
れ、リングギア5cは変速比無限大無段変速機の出力軸
であるユニット出力軸6に結合される。
【0019】さらに、サンギア5aと連結した無段変速
機出力軸4は、スプロケット4a及びチェーン40から
無段変速機2の駆動力を受け、ユニット出力軸6と選択
的に締結する直結モードクラッチ10に結合される。
【0020】ユニット出力軸6の図中右側には変速機出
力ギア7が設けられ、この変速機出力ギア7はディファ
レンシャルギア8のファイナルギア12と歯合し、ディ
ファレンシャルギア8に結合する駆動軸11a、11b
は、所定の総減速比で駆動力が伝達される。
【0021】無段変速機2は、図1に示すように、2組
の入力ディスク21、出力ディスク22で、パワーロー
ラ20、20をそれぞれ挟持、押圧するダブルキャビテ
ィのハーフトロイダル型で構成され、一対の出力ディス
ク22の間に介装された出力スプロケット2aは、チェ
ーン40を介してユニット入力軸1a、1bと平行して
配置されたユニット出力軸6側の無段変速機出力軸4に
形成したスプロケット4aと連結する。
【0022】また、図2に示すように、ユニット入力軸
1a、1bは、同軸的に配設されるとともに、ローディ
ングカム13を介して回転方向で結合しており、ユニッ
ト入力軸1aはエンジンのクランクシャフトに結合され
るとともに、一定変速機3のギア3aを形成し、ユニッ
ト入力軸1bは2組の入力ディスク21、21に連結さ
れて、ユニット入力軸1aからの入力トルクに応じてロ
ーディングカム13が発生した軸方向の押圧力によっ
て、パワーローラ20、20を入出力ディスクの間で挟
持、押圧する。なお、ユニット入力軸1aとエンジンは
直結されているため、以下、入力トルクをエンジントル
クTeとする。
【0023】そして、対向する位置に配置されたパワー
ローラ20、20は、図4に示すように、下部を油圧シ
リンダ30に結合して軸方向へ変位可能かつ軸まわりに
回転可能なトラニオン23にそれぞれ軸支され、複数の
トラニオン23のうちの一つの下端には後述するシフト
コントロールバルブ46へ傾転角、すなわち、実変速比
(実際のCVT比)とトラニオン23の軸方向変位を合
成してフィードバックするためのプリセスカム35が設
けられる。
【0024】油圧シリンダ30はピストン31によって
画成された上下の油室30A、30Bを備えており、図
4に示すように、対向配置されたトラニオン23、23
の油圧シリンダ30、30は、油室30A、30Bの配
置が相互に逆転するように設定されて、トラニオン2
3、23は相互に逆方向へ駆動される。
【0025】このため、油室30Aの油圧を増大すると
同時に油室30Bの油圧を低減すると、図中右側のトラ
ニオン23が上昇する一方、図中左側のトラニオン23
は下降してパワーローラ20、20はLo側(変速比=
大側)へ傾転して変速が行われる。
【0026】一方、油室30Aの油圧を低減すると同時
に油室30Bの油圧を増大すると、図中右側のトラニオ
ン23が下降する一方、図中左側のトラニオン23は上
昇してパワーローラ20、20はHi側(変速比=小
側)へ傾転して変速が行われる。
【0027】そして、プリセスカム35は、図4に示す
ように円周方向に所定の傾斜を備えたカム溝またはカム
面を備えており、このカム溝またはカム面に揺動自在な
フィードバックリンク38の一端が摺接する。
【0028】フィードバックリンク38は、例えば、L
字状に形成されるとともに揺動軸39を中心に揺動自在
に支持されており、一端で上記カム溝またはカム面と摺
接する一方、他端で変速リンク37の一端と係合し、ト
ラニオン23の回転量、すなわち傾転角と、軸方向変位
量を変速リンク37の一端に伝達する。
【0029】この変速リンク37は、図5に示すよう
に、中央部でシフトコントロールバルブ46のスプール
46Sの端部と連結する一方、フィードバックリンク3
8と連結した反対側の端部ではステップモータ36と連
結し、変速リンク37はステップモータ36の駆動によ
ってシフトコントロールバルブ46を軸方向に変位させ
るとともに、トラニオン23の回動と軸方向変位に応じ
てシフトコントロールバルブ46を軸方向に変位させ
る。
【0030】一方、直結モードと動力循環モードを切り
換える動力循環モードクラッチ9と直結モードクラッチ
10は、図2に示すように、遊星歯車機構5を挟んだユ
ニット出力軸6上で同軸的に配設されている。
【0031】動力循環モードクラッチ9は、油室9aに
供給されるクラッチ圧Pprcがリターンスプリング9
bに対向してピストンを押圧することで締結が行われ、
クラッチ圧Pprcの増大に応じてクラッチ容量を増大
して解放状態から締結状態に至る。
【0032】同様に直結モードクラッチ10は油室10
aに供給されるクラッチ圧Pdcがリターンスプリング
10bに対向してピストンを押圧することで締結が行わ
れ、クラッチ圧Pdcの増大に応じてクラッチ容量を増
大して解放状態から締結状態に至る。
【0033】なお、これら動力循環モードクラッチ9、
直結モードクラッチ10は、運転者のシフト操作に応動
するセレクトスイッチ85(図3参照)が、ニュートラ
ル位置Nまたはパーキング位置Pのときに、共に解放状
態となる一方、前進位置Dにあるときはどちらか一方の
クラッチが締結されており、後退位置Rでは動力循環モ
ードクラッチ9が締結され、車両の発進時には、図10
に示したように、動力循環モードのギアードニュートラ
ルポイントGNPから変速が開始される。
【0034】変速比無限大無段変速機の変速制御は、図
3に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成さ
れた変速制御コントローラ80によって行われ、ユニッ
ト入力軸1a、1bの回転数Ni(=エンジン回転数N
e)を検出する入力軸回転数センサ81からの出力と、
無段変速機出力軸4の回転数Noを検出する無段変速機
出力軸回転数センサ82からの出力と、ユニット出力軸
6等の回転数から車速VSPを検出する車速センサ83
からの出力と、アクセル開度センサ84が検出したアク
セルペダルの踏み込み量APSと、図示しないシフトレ
バーなどの操作に応動するセレクトスイッチ85からの
シフト位置POS等がそれぞれ入力される。なお、ユニ
ット入力軸1a、1bとエンジンは直結されるため、無
段変速機2の入力軸回転数Niとエンジン回転数Neは
等価となる。
【0035】変速制御コントローラ80はこれらの検出
値を運転状態として処理し、この運転状態に応じてソレ
ノイド91、92をデューティ制御により駆動すること
で動力循環モードクラッチ9と直結モードクラッチ10
を選択的に締結するように信号圧を制御して、動力循環
モードと直結モードを切り換える。
【0036】そして、運転状態に応じたユニット変速比
ii(ユニット入力軸1aとユニット出力軸6の速度比
=変速比で、以下、IVT比iiとする)となるように
ステップモータ36を駆動することで無段変速機2の変
速比ic(以下、CVT比icとする)を制御する。
【0037】なお、セレクトスイッチ85の検出値PO
Sは、上記したように前進位置をDレンジ、後退位置を
Rレンジ、ニュートラル位置をNレンジ、パーキング位
置をPレンジとする。
【0038】次に、図5を参照しながら油圧制御装置に
ついて詳述する。
【0039】まず、油圧制御装置は、油圧ポンプから供
給された油圧が、PLソレノイド90の信号圧によって
制御されたプレッシャレギュレータ100で所定の圧力
に調整され、ライン圧PLとしてライン圧回路101へ
供給される。
【0040】そして、ライン圧回路101には、トラニ
オン23を駆動する油圧シリンダ30への流量と供給方
向を制御するシフトコントロールバルブ46が接続さ
れ、上記したように、変速リンク37を介して変速制御
コントローラ80に制御されるステップモータ36また
はフィードバックリンク38の変位に応じてスプール4
6Sが変位し、スプール46Sの変位量に応じてライン
圧PLを油圧シリンダ30の2つの油室30A、30B
のうちの一方へ供給する。
【0041】また、ライン圧回路101には、動力循環
モードクラッチ9を制御するソレノイド92と、直結モ
ードクラッチ10を制御するソレノイド91が配設さ
れ、これらソレノイド91、92は変速制御コントロー
ラ80によってデューティ制御される。
【0042】デューティ制御によって駆動されたソレノ
イド92からの信号圧に応じて、制御弁94は、マニュ
アルバルブ60からのライン圧PLを調圧してクラッチ
圧Pprcとして動力循環モードクラッチ9へ供給し、
締結、解放を行っており、この信号圧の増大によってク
ラッチ圧Pprcも増大して、動力循環モードクラッチ
9は解放状態から締結されるとともに、トルク伝達容量
がクラッチ圧Pprcに応じて増大する一方、ソレノイ
ド92からの信号圧が減少するとクラッチ圧Pprcも
低下して、制御弁94は動力循環モードクラッチ9の油
室9a(図2参照)をドレーン側に接続して解放する。
【0043】同様に、ソレノイド91からの信号圧に応
じて、制御弁93はマニュアルバルブ60からのライン
圧PLを調圧し、クラッチ圧Pdcとして直結モードク
ラッチ10へ供給して締結、解放を行っており、ソレノ
イド91からの信号圧が増大するとクラッチ圧Pdcも
増大して解放状態から締結されるとともにトルク伝達容
量がクラッチ圧Pdcに応じて増大する一方、信号圧が
減少するとクラッチ圧Pdcも低下するため、制御弁9
3は直結モードクラッチ10の油室10a(図2参照)
をドレーン側に接続して解放する。
【0044】このように、上記ソレノイド92、91の
デューティ制御によって動力循環モードクラッチ9及び
直結モードクラッチ10のうちの一方が締結されて、動
力循環モードと直結モードが選択的に切り換えられると
ともに、ソレノイド91、92のデューティ比に応じて
伝達トルクの制御を行うことができる。
【0045】ここで、シフトコントロールバルブ46
は、ライン圧回路101に連通した供給ポート46P
と、油圧シリンダ30の油室30Aと連通したLo側ポ
ート46Lと、油圧シリンダ30の油室30Bと連通し
たHi側ポート46Hと、2つのドレーンポート46
D、46Dが供給ポート46Pを挟んで設けられてお
り、スプール46Sの軸方向変位に応じて、供給ポート
46PからLo側ポート46LまたはHi側ポート46
Hのうちの一方にライン圧PLが調圧されて供給される
一方、他方のポートはドレーンポート46Dと連通す
る。
【0046】すなわち、スプール46Sが中立位置にあ
る場合は、供給ポート46P、ドレーンポート46D、
Lo側ポート46L及びHi側ポート46Hはそれぞれ
封止されて、油室30A及び油室30Bの油圧が保持さ
れる。
【0047】この中立位置から図中上方へスプール46
Sが変位すると、供給ポート46PとLo側ポート46
Lが連通する一方、Hi側ポート46Hがドレーンポー
ト46Dと連通し、供給ポート46Pの開口量と供給ポ
ート46PとLo側ポート46Lの差圧(圧力差)に応
じた流量がLo側ポート46Lへ供給される。
【0048】逆に、中立位置から図中下方へスプール4
6Sが変位すると、供給ポート46PとHi側ポート4
6Hが連通する一方、Lo側ポート46Lがドレーンポ
ート46Dと連通し、供給ポート46Pの開口量と供給
ポート46PとHi側ポート46Hの差圧(圧力差)に
応じた流量がHi側ポート46Hへ供給される。
【0049】いま、目標CVT比ticがLo側に変化
した場合、ステップモータ36は変速リンク37の一端
を図5の上方へ向けて目標CVT比ticに応じて変位
させ、このときパワーローラ20の傾転角が定常状態に
あればプリセスカム35は停止しているため、スプール
46Sも上方へ変位して、供給ポート46PとLo側ポ
ート46Lが連通する一方、Hi側ポート46Hがドレ
ーンポート46Dと連通し、供給ポート46PからLo
側ポート46Lを介して供給された流量に応じて油室3
0Aの油圧が上昇する一方、油室30B内の油圧はドレ
ーンポート46Dから排出されて、図4に示す右側のト
ラニオン23は上昇し、パワーローラ20はトラニオン
23の上昇に伴って傾転する。
【0050】油圧シリンダ30の駆動によって、トラニ
オン23は軸方向及び軸まわりに変位し、これらトラニ
オン23の変位はフィードバックリンク38を介して変
速リンク37へ伝達され、パワーローラ20のLo側へ
の傾転に応じてフィードバックリンク38は、図5にお
いて、変速リンク37の左側端部を下方へ変位させる。
【0051】したがって、上方に変位していたスプール
46Sは、中立位置へ向けた下方へ変位し、パワーロー
ラ20の傾転角が目標CVT比ticに一致した時点
で、スプール46Sはプリセスカム35に駆動されて再
び中立位置へ復帰し、油圧シリンダ30の駆動を停止す
る。
【0052】こうして、変速時には、まず、ステップモ
ータ36によってスプール46Sが駆動されることで、
油室30Aへライン圧回路101から作動油が供給され
る一方、油室30B内の圧油はタンクへ排出されて、ト
ラニオン23が変位することでパワーローラ20の傾転
角はLo側へ向かい、次に、パワーローラ20の傾転角
とトラニオン23の軸方向変位がプリセスカム35、フ
ィードバックリンク38及び変速リンク37を介してシ
フトコントロールバルブ46へフィードバックされるた
め、スプール46Sは徐々に中立位置へ復帰して、ステ
ップモータ36が指令した目標CVT比ticと一致さ
せた状態を維持することができる。
【0053】一方、目標CVT比ticがHi側に変化
した場合では、上記とは逆方向にステップモータ36等
が駆動されて、パワーローラ20がHi側へ傾転する。
【0054】また、変速制御コントローラ80は、Nレ
ンジまたはPレンジが選択された車両の停車中には、動
力循環モードクラッチ9を解放してエンジン側と駆動輪
側の連結を解除するとともに、ギアードニュートラルポ
イントGNPを維持するように無段変速機2の変速比i
cを調整する。(なお、Dレンジを選択した停車中で
は、動力循環モードクラッチは締結したままである。)
そして、車両の発進時にはシフトレバーなどに呼応する
シフト位置POSと実際のCVT比icやエンジン回転
数Neに基づいて、ソレノイド92を制御して動力循環
モードクラッチ9を徐々に締結しながら、IVT比ii
が運転状態に応じた目標値となるようにステップモータ
36の制御を行うものである。
【0055】ここで、変速制御コントローラ80で行わ
れる発進時の一例について、図6〜図9のフローチャー
トを参照しながら以下に詳述する。
【0056】なお、各フローチャートは、所定時間毎、
例えば、10msec毎等に実行されるもので、図6は、シ
フト位置POSに応じた変速モードの切り換え制御を示
し、図7は、図6のサブルーチンで、動力循環モードク
ラッチ9のセレクト制御を示すフローチャート、図8は
目標CVT比及びステップモータ36の目標駆動量ST
EPを演算する変速制御を示し、また、図9はエンジン
トルクTeに応じて変化する動力循環モードクラッチ9
の締結力制御を示す。
【0057】まず、図6のステップS1では、セレクト
スイッチ85からのシフト位置POSを読み込んでか
ら、ステップS2で、シフト位置POSがDレンジにあ
るか否かを判定し、DレンジにあればステップS3へ進
む一方、そうでない場合にはRレンジまたはN、Pレン
ジと判定してステップS6へ進む。
【0058】Dレンジと判定されたステップS3では、
前回検出したシフト位置POSがNまたはPレンジであ
ったか否かにより、運転者が発進のために停車位置であ
るP、NレンジからDレンジへシフト位置を変更したか
を判定し、これら停車位置からDレンジへシフト操作が
行われた場合には、ステップS4へ進んで、停車状態で
解放していた動力循環モードクラッチ9を徐々に締結す
るセレクト制御を後述するように行う。
【0059】一方、そうでない場合には、ステップS5
へ進んで、Dレンジのときの変速制御を行う。なお、D
レンジは、図10に示したように、ギアードニュートラ
ルポイントGNPから回転同期点までの動力循環モード
の領域と、回転同期点よりもIVT比がHi側(小側)
となる直結モードとの領域がにおいて、それぞれ動力循
環モードクラッチ9と直結モードクラッチ10を車速V
SPなどの運転条件に応じて選択的に締結するととも
に、エンジントルクTeに応じた締結力の制御を行う。
【0060】一方、ステップS6では、シフト位置PO
SがRレンジにあるか否かを判定し、Rレンジにあれば
ステップS7へ進む一方、そうでない場合にはNレンジ
またはPレンジと判定してステップS9へ進む。
【0061】Rレンジと判定されたステップS7では、
前回検出したシフト位置POSがNまたはPレンジであ
ったか否かにより、運転者が発進のために停車位置であ
るP、NレンジからRレンジへシフト位置を変更したか
を判定し、これら停車位置からRレンジへシフト操作が
行われた場合には、ステップS4へ進んで、停車状態で
解放していた動力循環モードクラッチ9を徐々に締結す
るセレクト制御を後述するように行う。
【0062】一方、そうでない場合には、ステップS9
へ進んで、NレンジまたはPレンジのときの停車時の制
御を行い、動力循環モードクラッチ9及び直結モードク
ラッチ10を解放するとともに、IVT比iiがギアー
ドニュートラルポイントGNPとなるように、無段変速
機2のCVT比icを制御する。
【0063】次に、上記図6のステップS4で実行され
るセレクト制御について、図7のフローチャートを参照
しながら詳述する。
【0064】まず、ステップS10では、N(または
P)→Dレンジ、N→Rレンジのシフト操作が行われた
時点からの経過時間を検出して、経過時間に応じたクラ
ッチ締結制御を行うため、タイマーtのインクリメント
を行う。
【0065】次に、ステップS11では、タイマーtの
値が第1の所定時間TIME1を経過したか否かを判定
し、所定時間TIME1未満であれば、発進操作直後で
あると判定してステップS12へ進む一方、所定時間T
IME1を経過していればステップS13へ進む。
【0066】発進操作直後のステップS12では、動力
循環モードクラッチ9へ供給するクラッチ圧Pprc
を、所定のプリチャージ圧(中込圧)PRS#PREとなるよ
うに設定して処理を終了する。
【0067】動力循環モードクラッチ9は、Nレンジま
たはPレンジのときに、図2に示したように、スプリン
グ9bに押圧されて図中右側へ押しつけられて、押圧部
材9cがディスク9dから離れて解放状態となってい
る。
【0068】次に、第1の所定時間TIME1を経過し
たステップS13では、タイマーtの値が第2の所定時
間TIME2を経過したか否かを判定し、所定時間TI
ME2未満であれば、発進開始直後であると判定してス
テップS14へ進む一方、所定時間TIME2を経過し
ていればステップS15へ進む。
【0069】発進開始直後のステップS14では、動力
循環モードクラッチ9へ供給するクラッチ圧Pprc
を、所定のリターン圧(中込圧)PRS#RTNとなるように
設定して処理を終了する。なお、このリターン圧PRS#RT
Nは、ピストン9pがスプリング9bに対抗してディス
ク9dを押圧し、締結力を発生する臨界圧力である。
【0070】一方、第2の所定時間TIME2を経過し
たステップS15では、タイマーtの値が第3の所定時
間TIME3を経過したか否かを判定し、所定時間TI
ME3未満であれば、発進中であると判定してステップ
S16へ進む一方、所定時間TIME3を経過していれ
ば、ステップS21以降へ進んで、クラッチ締結制御を
終了した走行中の締結力制御を行う。
【0071】発進中のステップS16では、入力軸回転
数センサ81が検出したエンジン回転数Neと、後述す
るように変速比制御で決定した目標エンジン回転数tN
eの偏差ΔNeを演算する。
【0072】そして、ステップS17では、前回のエン
ジン回転数偏差ΔNe1を変数ΔNe2へ代入した後、
現在のエンジン回転数偏差ΔNeを変数ΔNe1へ代入
する。
【0073】次に、ステップS18では、第2の所定時
間TIME2内に設定されたリターン圧PRS#RTNから、
クラッチ圧Pprcを徐々に増大させるための増分値Δ
P1を、 ΔP1=Kp(ΔNe1−ΔNe2)+Ki・ΔNe ………(1) として演算し、エンジン回転数偏差ΔNeの変動量(Δ
Ne1−ΔNe2)を増分値ΔP1にフィードバックする。
【0074】ただし、Kp:比例ゲイン Ki:積分ゲインである。
【0075】次に、ステップS19では、上記増分値Δ
P1に基づいて、油室9aに供給するクラッチ圧Ppr
cを、 Pprc=Pprc(n-1)+ΔP1+ΔP2 ………(2) として演算する。
【0076】ただし、Pprc(n-1):前回のクラッチ
圧 ΔP2:定数である。
【0077】そして、ステップS20では、クラッチ圧
Pprcが所定の上限値と下限値の間となるように、ス
テップS19で求めたクラッチ圧Pprcを制限する。
【0078】すなわち、クラッチ圧Pprcの下限値を
上記リターン圧PRS#RTN(中込圧)に設定してトルクの
伝達を確保する一方、クラッチ圧Pprcの上限値は、
動力循環モードクラッチ9が完全に締結される油圧PRS#
LMTに設定する。
【0079】したがって、上記ステップS16〜S20
では、動力循環モードクラッチ9へ供給するクラッチ圧
Pprcが、エンジン回転数偏差ΔNeの変動量(ΔNe
1−ΔNe2)に応じて、リターン圧(下限値)PRS#RTNと
上限値の範囲で徐々に増大する方向へ変化し、エンジン
回転数Neが増大していく場合には、クラッチ圧Ppr
cも増大して動力循環モードクラッチ9の締結力は次第
に大きくなり、伝達トルクを徐々に増大させて車両の発
進を円滑に行う。
【0080】このとき、動力循環モードクラッチ9の締
結容量は、エンジン回転数変動量ΔNeに応じて変化
し、すなわち、エンジントルクTeに応じてリターン圧
PRS#RTNから上限値の間で変化することになる。
【0081】そして、走行抵抗または駆動抵抗が大きい
状態で、エンジン回転数Neが低いまま発進したとき等
では、エンジントルクTeが小さいためにエンジン回転
数Neが減少してストールに近づく場合あるが、このと
き、クラッチ圧Pprcを下限値PRS#RTN側へ減少し
て、動力循環モードクラッチ9の締結力を低減すること
ができ、エンジンのストールを確実に防ぎながら発進を
円滑に行うのである。
【0082】運転者が発進操作を行った上記所定時間T
IME1からTIME3の間では、図11に示すよう
に、動力循環モードクラッチ9に供給するクラッチ圧P
prcを徐々に増大させることで、円滑に発進を行うこ
とができ、各所定時間TIME1〜TIME3の期間に
設定される油圧の関係は、図示のように、 PRS#RTN<PRS#PRE<PRS#LMT として設定され、また、発進操作直後の時間t=0から
セレクト制御が終了する時間TIME3までは、例え
ば、1秒程度に設定される。
【0083】上記ステップS1〜S20でセレクト(ク
ラッチ締結)制御が終了した後には、ステップS21以
降へ進んで、通常走行の締結力制御に移行する。
【0084】すなわち、ステップS21では、後述する
ように、エンジントルクTeとIVT比ii等の走行状
態に応じて変化するクラッチ締結必要圧Pcを演算し
て、クラッチ圧Pprcとして指令した後、ステップS
22でタイマーtを0にリセットしてサブルーチンを終
了する。
【0085】次に、上記図6の変速モードの切り換え制
御と並行して行われる変速制御の一例について、図8の
フローチャートを参照しながら詳述する。
【0086】まず、ステップS30では、車速センサ8
3からの車速VSP、アクセル開度センサ84が検出し
たアクセルペダルの踏み込み量APS、入力軸回転数セ
ンサ81からの入力軸回転数Ni=エンジン回転数N
e、出力軸回転数センサ82からの出力軸回転数Noを
それぞれ読み込んでから、ステップS31では、図12
に示すマップに基づいて、車速VSPとアクセル踏み込
み量APSより目標入力軸回転数tNi(=目標エンジ
ン回転数tNe)を演算する。
【0087】なお、図12のマップは、アクセル踏み込
み量APSをパラメータとして、車速VSPに対する目
標入力軸回転数tNiを予め設定したものである。
【0088】次にステップS32では、ステップS31
で求めた目標入力軸回転数tNiを出力軸回転数Noで
除して、変速比無限大無段変速機の目標ユニット変速比
tiiとする。
【0089】ステップS33ではエンジン回転数Neと
出力軸回転数Noの比から、無段変速機2の実際の変速
比ricを演算した後、ステップS34では、上記ステ
ップS31で求めた目標入力軸回転数Niと、出力軸回
転数Noに基づいて、目標CVT比ticを演算する。
【0090】そして、ステップS35では、この目標C
VT比ticに対応するステップモータ36のステップ
数ΔSTEP(目標駆動量)を、 ΔSTEP=Kip{ric(n-1)−ric}+Kii(tic−ric) ………(3) より演算する。
【0091】ただし、Kip:比例ゲイン Kii:積分ゲイン ric(n-1):前回の実変速比である。
【0092】そして、このステップ数ΔSTEPに基づ
いてステップモータ36を駆動し、無段変速機2のCV
T比icを変更して、運転状態に応じたIVT比iiに
設定する。
【0093】次に、上記図7に示したステップS21で
行われる、通常走行中の動力循環モードクラッチ9の締
結力制御について、図9のフローチャートを参照しなが
ら詳述する。
【0094】まず、図9のステップS40では、入力軸
回転数センサ81からの入力軸回転数Niをエンジン回
転数Neとして読み込むとともに、アクセル開度センサ
84が検出したアクセルペダルの踏み込み量APSを読
み込む。
【0095】次に、ステップS41で、上記図8のステ
ップS32で求めたIVT比iiを読み込んでから、ス
テップS42へ進んで、エンジン回転数Neとアクセル
ペダル踏み込み量APSに基づいてエンジントルクTe
を演算する。なお、エンジントルクTeの演算は、図示
しないマップなどにより行われ、例えば、アクセルペダ
ル踏み込み量APS等の負荷相当値をパラメータとし
て、エンジン回転数Ne毎にエンジントルクTeを設定
したマップなどを用いて行われる。
【0096】そして、ステップS43では、動力循環モ
ードクラッチ9が確実にトルクを伝達可能な油圧である
クラッチ締結必要圧Pcを、図13に示すマップから、
エンジントルクTeとIVT比iiに基づいて演算す
る。
【0097】さらに、ステップS44では、マップから
求めたクラッチ締結必要圧Pcを、所定の上限値Pcma
xと下限値Pcrtnで制限した後、クラッチ圧Pprcと
して設定する。
【0098】なお、下限値Pcrtnは上記リターン圧PRS
#RTNなどに設定され、また、上限値Pcmaxは、駆動系
が伝達可能なトルクに応じた値などに設定される。
【0099】こうして、図11に示すように、発進操作
直後にクラッチ圧Pprcをプリチャージ圧PRS#PREに
設定して、所定時間TIME1まで維持した後に、所定
時間TIME2までは、一旦リターン圧PRS#RTNまでク
ラッチ圧Pprcを下げて最小の締結力から発進を開始
し、その後、TIME2〜TIME3までのセレクト制
御中には、エンジン回転数偏差ΔNeの変動量、すなわ
ちエンジントルクTeの変化をフィードバックしなが
ら、所定の下限値から上限値の間でクラッチ圧Pprc
を徐々に変化させることで、ユニット変速比iiがギア
ードニュートラルポイントGNPからずれていた場合で
あっても、エンジン回転数Neが低下してストールする
のを確実に防止するとともに、動力循環モードクラッチ
9の締結によるショックを抑制して円滑に発進を行うこ
とができ、セレクト制御の時間TIME3を経過した後
には、通常の締結力制御を行うため、エンジントルクT
eに応じた締結力で運転者の要求に応じた発進加速を行
うことができ、変速比無限大無段変速機の運転性を向上
させることが可能となるのである。
【0100】特に、変速比無限大無段変速機へトロイダ
ル型無段変速機2を採用した場合には、入力トルクの変
動に応じてCVT比icが変化する特性(トルクシフト
という)があるため、解放していた動力循環モードクラ
ッチ9を締結するときに、IVT比iiがギアードニュ
ートラルポイントGNPからずれる場合もあるが、上記
のように、発進の初期には最小の締結力から上下限値の
範囲で、エンジン回転数偏差ΔNeの変動量に基づいて
徐々に締結力を増大させることで、IVT比iiがギア
ードニュートラルポイントGNPからずれた場合であっ
ても、エンジンのストールとショックの発生を確実に回
避して円滑な発進を行うことが可能となるのである。
【0101】また、トロイダル型無段変速機2の低温時
には、トラニオン23を介してパワーローラ20を支持
する油圧シリンダ30の応答性が低下して、ギアードニ
ュートラルポイントGNPからずれたり、IVT比ii
が不安定になる場合もあるが、上記したように変速応答
性が低くなる低温時(冬季の冷間始動直後など)の発進
に際しても、エンジンのストールを確実に回避しながら
も円滑な発進を行うことが可能となり、変速比無限大無
段変速機の運転性を向上させることが可能となるのであ
る。
【0102】なお、上記実施形態において、無段変速機
2にトロイダル型を採用した一例を示したが、Vベルト
式などで構成することもできる。
【0103】また、上記図8のステップS35では、目
標とするステップ数ΔSTEPを(3)式に基づいて求
めたが、図示はしないが、予め設定した目標CVT比と
ステップモータのステップ数ΔSTEPのマップから求
めても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す変速比無限大無段変
速機の概略構成図。
【図2】同じく変速比無限大無段変速機の断面図。
【図3】同じく変速比無限大無段変速機の制御装置を示
す概略構成図。
【図4】トロイダル型無段変速機の概略断面図。
【図5】油圧制御装置の回路図。
【図6】変速制御コントローラで行われる制御の一例を
示し、変速モード切り換え制御のフローチャート。
【図7】同じく、変速制御コントローラで行われる制御
の一例を示し、セレクト制御のサブルーチンを示すフロ
ーチャート。
【図8】同じく、変速制御コントローラで行われる制御
の一例を示し、変速比制御のフローチャート。
【図9】同じく、変速制御コントローラで行われる制御
の一例を示し、締結力制御のフローチャート。
【図10】CVT比とIVT比の関係を示すマップ。
【図11】発進の際のクラッチ圧Pprcと経過時間の
関係を示すグラフ。
【図12】車速VSPに対応した最低エンジン回転数N
eminのマップ。
【図13】ユニット変速比iiとエンジントルクTeに
応じた必要締結クラッチ圧Pcのマップ。
【符号の説明】
1a、1b ユニット入力軸 2 無段変速機 3 一定変速機 4 無段変速機出力軸 5 遊星歯車機構 6 ユニット出力軸 9 動力循環モードクラッチ 9a 油室 9b リターンスプリング 10 直結モードクラッチ 80 変速制御コントローラ 81 入力軸回転数センサ 84 アクセル開度センサ 85 セレクトスイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに連結されたユニット入力軸
    に、変速比を連続的に変更可能な無段変速機と一定変速
    機とをそれぞれ連結するとともに、無段変速機と一定変
    速機の出力軸を遊星歯車機構、動力循環モードクラッチ
    及び直結モードクラッチを介してユニット出力軸に連結
    した変速比無限大無段変速機と、 運転操作に応じて車両の発進を検出する発進検出手段
    と、 前記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチの
    制御によって動力循環モードと直結モードを切り換える
    とともに、車両の発進時には動力循環モードクラッチを
    制御するクラッチ制御手段と、 前記無段変速機の変速比を車両の運転状態に応じて制御
    することで変速比無限大無段変速機のユニット変速比を
    設定する変速比制御手段とを備えた変速比無限大無段変
    速機の制御装置において、 前記クラッチ制御手段は、 エンジンからの入力トルクまたは入力トルク相当値を検
    出する入力トルク検出手段と、 前記動力循環モードクラッチへ供給する油圧を制御する
    油圧制御手段と、 前記車両の発進が検出されてから所定の時間までは、予
    め設定された上限値と下限値との間で、入力トルクまた
    は入力トルク相当値の変化に応じて動力循環モードクラ
    ッチへ供給する油圧を設定する締結容量変更手段とを設
    けたことを特徴とする変速比無限大無段変速機の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記入力トルク検出手段は、入力軸回転
    数の変動量を入力トルク相当値の変動量として検出し、
    前記クラッチ制御手段は、この入力トルク相当値の変動
    量に基づいて動力循環モードクラッチへ供給する油圧を
    前記下限値から徐々に増大することを特徴とする請求項
    1に記載の変速比無限大無段変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記締結容量変更手段は、前記供給油圧
    の下限値を動力循環モードクラッチが締結力を発生する
    臨界値に設定する一方、供給油圧の上限値は、動力循環
    モードクラッチが完全に締結される値に設定したことを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の変速比無限
    大無段変速機の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記締結容量変更手段は、前記所定時間
    経過後には上限値による供給油圧の制限を解除すること
    を特徴とする請求項1に記載の変速比無限大無段変速機
    の制御装置。
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JP2001200926A (ja) * 1999-11-10 2001-07-27 Nissan Motor Co Ltd 変速比無限大無段変速機の変速制御装置
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