JP3584774B2 - 変速比無限大無段変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両などに採用される変速比無限大無段変速機の制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から車両の変速機として、ベルト式やトロイダル型の無段変速機が知られており、このような無段変速機の変速領域をさらに拡大するために、無段変速機に一定変速機と遊星歯車機構を組み合わせて変速比を無限大まで制御可能とする変速比無限大無段変速機が知られており、例えば、本願出願人が提案した特開平9−210175号などがある。
【0003】
これは、エンジンに連結されるユニット入力軸に無段変速機と一定変速機(減速機)とを並列的に連結するとともに、これらの出力をユニット出力軸に配設した遊星歯車機構で結合したもので、無段変速機の出力側は無段変速機出力ギア列等を介して遊星歯車機構のサンギアに、一定変速機の出力軸は動力循環モードクラッチを介して遊星歯車機構のキャリアにそれぞれ連結され、遊星歯車機構のリングギアは変速比無限大無段変速機の出力軸であるユニット出力軸に結合される。
【0004】
さらに、サンギアと連結した無段変速機出力軸は、直結モードクラッチを介してユニット出力軸に結合される。
【0005】
このような変速比無限大無段変速機では、図10に示すように、動力循環モードクラッチを締結する一方、直結モードクラッチを解放することにより、無段変速機と一定変速機の変速比の差に応じて、ユニット変速比ii(図中IVT比iiでユニット入力軸回転数/ユニット出力軸回転数)を負の値(後退)から正の値(前進)まで無限大(=ギアードニュートラルポイントGNP)を含んで連続的に変速制御を行う動力循環モードと、動力循環モードクラッチを遮断する一方、直結モードクラッチを接続して無段変速機の変速比icに応じて変速制御を行う直結モードを選択的に使用することができる。
【0006】
発進時には、動力循環モードのギアードニュートラルポイントGNPから変速を行い、走行中には直結モードクラッチまたは動力循環モードクラッチの一方を締結するとともに、無段変速機の変速比(図中CVT比ic)をアクチュエータの駆動によって変更することで、任意のユニット変速比iiへ向けて連続的に変速を行うもので、動力循環モードと直結モードの切り換えは、各クラッチの締結要素の相対回転数が等しくなる回転同期点で行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の変速比無限大無段変速機にあっては、運転者がシフトレバーなどの変速指令手段をニュートラルレンジ(Nレンジ)やパーキングレンジ(Pレンジ)に設定した車両の停止状態のときに、動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチを共に解放してエンジン側と駆動輪側の連結を解除しておき、運転者が変速指令手段を前進レンジ(Dレンジ)または後退レンジ(Rレンジ)等の走行レンジへ操作したときに、動力循環モードクラッチを締結してギアードニュートラルポイントGNPから発進を行うような場合に、無段変速機の変速比icがユニット変速比iiのギアードニュートラルポイントGNPから少しでもずれていると、エンジンがストールする場合があった。
【0008】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、NレンジやPレンジから走行レンジへ移行して車両の発進を行う際に、エンジンのストールを防止して円滑な発進を行うことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、エンジンに連結されたユニット入力軸に、変速比を連続的に変更可能な無段変速機と一定変速機とをそれぞれ連結するとともに、無段変速機と一定変速機の出力軸を遊星歯車機構、動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチを介してユニット出力軸に連結した変速比無限大無段変速機と、運転操作に応じて車両の発進を検出する発進検出手段と、前記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチの制御によって動力循環モードと直結モードを切り換えるとともに、車両の発進時には動力循環モードクラッチを制御するクラッチ制御手段と、前記無段変速機の変速比を車両の運転状態に応じて制御することで変速比無限大無段変速機のユニット変速比を設定する変速比制御手段とを備えた変速比無限大無段変速機の制御装置において、
前記クラッチ制御手段は、エンジンからの入力トルクまたは入力トルク相当値を検出する入力トルク検出手段と、前記動力循環モードクラッチへ供給する油圧を制御する油圧制御手段と、前記車両の発進が検出されてから所定の時間までは、予め設定された上限値と下限値との間で、入力トルクまたは入力トルク相当値が減少すると前記油圧を減少し、入力トルクまたは入力トルク相当値が増大すると前記油圧を増大させるよう動力循環モードクラッチへ供給する油圧を設定する締結容量変更手段とを設け、前記締結容量変更手段は、前記所定時間経過後には上限値による供給油圧の制限を解除する。
【0010】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、前記入力トルク検出手段は、入力軸回転数の変動量を入力トルク相当値の変動量として検出し、前記クラッチ制御手段は、この入力トルク相当値の変動量に基づいて動力循環モードクラッチへ供給する油圧を前記下限値から徐々に増大する。
【0011】
また、第3の発明は、前記第1または第2の発明において、前記締結容量変更手段は、前記供給油圧の下限値を動力循環モードクラッチが締結力を発生する臨界値に設定する一方、供給油圧の上限値は、動力循環モードクラッチが完全に締結される値に設定する。
【0013】
【発明の効果】
したがって、第1の発明は、車両の発進時には、入力トルクまたは入力トルク相当値に応じて動力循環モードクラッチに供給する油圧を設定し、かつ、供給油圧を所定の上限値と下限値の間に設定するようにしたため、エンジン回転数が低下した場合では供給油圧を下限値側に変更することで、締結力を低減してエンジンのストールを確実に防止し、エンジントルクが増大すれば上限値の範囲で供給油圧を上昇させて、締結力を増大することができ、エンジンストールの防止と円滑な発進を両立でき、特に、無段変速機としてトロイダル型を採用した場合には、入力トルクの変動に応じて変速比が変化する特性(トルクシフトという)があるため、停車中に解放していた動力循環モードクラッチを締結するときに、ユニット変速比がギアードニュートラルポイントGNPからずれる場合もあるが、発進の際には入力トルクまたはこの相当値に基づいて徐々に締結力を変化させることで、ユニット変速比がギアードニュートラルポイントGNPからずれた場合であっても、エンジンのストールを確実に回避しながら円滑な発進を行うことが可能となるのである。そして、発進操作開始から所定時間経過後には、上限値による供給油圧の制限を解除することで、入力トルクに応じた締結力を発生させて、エンジントルクの伝達を確実に行うことが可能となる。
【0014】
また、第2の発明は、入力軸回転数の変動量、すなわち、エンジン回転数を入力トルク相当値の変動量として検出することで、入力トルクまたは相当値を容易に得ることができ、発進の際には、締結力が小さい 油圧の下限値から上限値へ向けて供給油圧を増大させることで、徐々に締結力を増大させることでエンジンのストールを確実に防止しながらも、円滑な発進を行うことができ、特に、入力トルクの変動によって、ユニット変速比がギアードニュートラルポイントGNPからずれる可能性のあるトロイダル型無段変速機を採用した場合であっても、確実かつ円滑な発進を行うことが可能となって、変速比無限大無段変速機の運転性を向上させることが可能となる。
また、第3の発明は、発進操作から所定時間内では動力循環モードクラッチへ供給する油圧の下限値を、発生する臨界値に設定することで、締結初期にユニット変速比がギアードニュートラルポイントGNPからずれていても、エンジン回転数の極端な低下によるエンジンのストールを防止でき、また、供給油圧の上限値を、動力循環モードクラッチが完全に締結される値に規制することで、ユニット変速比がギアードニュートラルポイントGNPからずれている場合の発進時にショックが発生するのを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図5に、ハーフトロイダルで構成されたダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機2を用いて変速比無限大無段変速機を構成した一例を示す。
【0018】
図1〜図3に示すように、変速比無限大無段変速機はエンジンのクランクシャフト14に連結されるユニット入力軸1a、1bに、変速比を連続的に変更可能な無段変速機2と、ギア3a、ギア3bから構成された一定変速機3(減速機)とを並列的に連結し、これらの出力軸4、3cをユニット出力軸6側へ配設するとともに遊星歯車機構5で連結したもので、無段変速機2の出力軸4は遊星歯車機構5のサンギア5aに連結され、一定変速機3の出力軸3cは、動力循環モードクラッチ9を介して遊星歯車機構5のキャリア5bに連結され、リングギア5cは変速比無限大無段変速機の出力軸であるユニット出力軸6に結合される。
【0019】
さらに、サンギア5aと連結した無段変速機出力軸4は、スプロケット4a及びチェーン40から無段変速機2の駆動力を受け、ユニット出力軸6と選択的に締結する直結モードクラッチ10に結合される。
【0020】
ユニット出力軸6の図中右側には変速機出力ギア7が設けられ、この変速機出力ギア7はディファレンシャルギア8のファイナルギア12と歯合し、ディファレンシャルギア8に結合する駆動軸11a、11bは、所定の総減速比で駆動力が伝達される。
【0021】
無段変速機2は、図1に示すように、2組の入力ディスク21、出力ディスク22で、パワーローラ20、20をそれぞれ挟持、押圧するダブルキャビティのハーフトロイダル型で構成され、一対の出力ディスク22の間に介装された出力スプロケット2aは、チェーン40を介してユニット入力軸1a、1bと平行して配置されたユニット出力軸6側の無段変速機出力軸4に形成したスプロケット4aと連結する。
【0022】
また、図2に示すように、ユニット入力軸1a、1bは、同軸的に配設されるとともに、ローディングカム13を介して回転方向で結合しており、ユニット入力軸1aはエンジンのクランクシャフトに結合されるとともに、一定変速機3のギア3aを形成し、ユニット入力軸1bは2組の入力ディスク21、21に連結されて、ユニット入力軸1aからの入力トルクに応じてローディングカム13が発生した軸方向の押圧力によって、パワーローラ20、20を入出力ディスクの間で挟持、押圧する。なお、ユニット入力軸1aとエンジンは直結されているため、以下、入力トルクをエンジントルクTeとする。
【0023】
そして、対向する位置に配置されたパワーローラ20、20は、図4に示すように、下部を油圧シリンダ30に結合して軸方向へ変位可能かつ軸まわりに回転可能なトラニオン23にそれぞれ軸支され、複数のトラニオン23のうちの一つの下端には後述するシフトコントロールバルブ46へ傾転角、すなわち、実変速比(実際のCVT比)とトラニオン23の軸方向変位を合成してフィードバックするためのプリセスカム35が設けられる。
【0024】
油圧シリンダ30はピストン31によって画成された上下の油室30A、30Bを備えており、図4に示すように、対向配置されたトラニオン23、23の油圧シリンダ30、30は、油室30A、30Bの配置が相互に逆転するように設定されて、トラニオン23、23は相互に逆方向へ駆動される。
【0025】
このため、油室30Aの油圧を増大すると同時に油室30Bの油圧を低減すると、図中右側のトラニオン23が上昇する一方、図中左側のトラニオン23は下降してパワーローラ20、20はLo側(変速比=大側)へ傾転して変速が行われる。
【0026】
一方、油室30Aの油圧を低減すると同時に油室30Bの油圧を増大すると、図中右側のトラニオン23が下降する一方、図中左側のトラニオン23は上昇してパワーローラ20、20はHi側(変速比=小側)へ傾転して変速が行われる。
【0027】
そして、プリセスカム35は、図4に示すように円周方向に所定の傾斜を備えたカム溝またはカム面を備えており、このカム溝またはカム面に揺動自在なフィードバックリンク38の一端が摺接する。
【0028】
フィードバックリンク38は、例えば、L字状に形成されるとともに揺動軸39を中心に揺動自在に支持されており、一端で上記カム溝またはカム面と摺接する一方、他端で変速リンク37の一端と係合し、トラニオン23の回転量、すなわち傾転角と、軸方向変位量を変速リンク37の一端に伝達する。
【0029】
この変速リンク37は、図5に示すように、中央部でシフトコントロールバルブ46のスプール46Sの端部と連結する一方、フィードバックリンク38と連結した反対側の端部ではステップモータ36と連結し、変速リンク37はステップモータ36の駆動によってシフトコントロールバルブ46を軸方向に変位させるとともに、トラニオン23の回動と軸方向変位に応じてシフトコントロールバルブ46を軸方向に変位させる。
【0030】
一方、直結モードと動力循環モードを切り換える動力循環モードクラッチ9と直結モードクラッチ10は、図2に示すように、遊星歯車機構5を挟んだユニット出力軸6上で同軸的に配設されている。
【0031】
動力循環モードクラッチ9は、油室9aに供給されるクラッチ圧Pprcがリターンスプリング9bに対向してピストンを押圧することで締結が行われ、クラッチ圧Pprcの増大に応じてクラッチ容量を増大して解放状態から締結状態に至る。
【0032】
同様に直結モードクラッチ10は油室10aに供給されるクラッチ圧Pdcがリターンスプリング10bに対向してピストンを押圧することで締結が行われ、クラッチ圧Pdcの増大に応じてクラッチ容量を増大して解放状態から締結状態に至る。
【0033】
なお、これら動力循環モードクラッチ9、直結モードクラッチ10は、運転者のシフト操作に応動するセレクトスイッチ85(図3参照)が、ニュートラル位置Nまたはパーキング位置Pのときに、共に解放状態となる一方、前進位置Dにあるときはどちらか一方のクラッチが締結されており、後退位置Rでは動力循環モードクラッチ9が締結され、車両の発進時には、図10に示したように、動力循環モードのギアードニュートラルポイントGNPから変速が開始される。
【0034】
変速比無限大無段変速機の変速制御は、図3に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された変速制御コントローラ80によって行われ、ユニット入力軸1a、1bの回転数Ni(=エンジン回転数Ne)を検出する入力軸回転数センサ81からの出力と、無段変速機出力軸4の回転数Noを検出する無段変速機出力軸回転数センサ82からの出力と、ユニット出力軸6等の回転数から車速VSPを検出する車速センサ83からの出力と、アクセル開度センサ84が検出したアクセルペダルの踏み込み量APSと、図示しないシフトレバーなどの操作に応動するセレクトスイッチ85からのシフト位置POS等がそれぞれ入力される。なお、ユニット入力軸1a、1bとエンジンは直結されるため、無段変速機2の入力軸回転数Niとエンジン回転数Neは等価となる。
【0035】
変速制御コントローラ80はこれらの検出値を運転状態として処理し、この運転状態に応じてソレノイド91、92をデューティ制御により駆動することで動力循環モードクラッチ9と直結モードクラッチ10を選択的に締結するように信号圧を制御して、動力循環モードと直結モードを切り換える。
【0036】
そして、運転状態に応じたユニット変速比ii(ユニット入力軸1aとユニット出力軸6の速度比=変速比で、以下、IVT比iiとする)となるようにステップモータ36を駆動することで無段変速機2の変速比ic(以下、CVT比icとする)を制御する。
【0037】
なお、セレクトスイッチ85の検出値POSは、上記したように前進位置をDレンジ、後退位置をRレンジ、ニュートラル位置をNレンジ、パーキング位置をPレンジとする。
【0038】
次に、図5を参照しながら油圧制御装置について詳述する。
【0039】
まず、油圧制御装置は、油圧ポンプから供給された油圧が、PLソレノイド90の信号圧によって制御されたプレッシャレギュレータ100で所定の圧力に調整され、ライン圧PLとしてライン圧回路101へ供給される。
【0040】
そして、ライン圧回路101には、トラニオン23を駆動する油圧シリンダ30への流量と供給方向を制御するシフトコントロールバルブ46が接続され、上記したように、変速リンク37を介して変速制御コントローラ80に制御されるステップモータ36またはフィードバックリンク38の変位に応じてスプール46Sが変位し、スプール46Sの変位量に応じてライン圧PLを油圧シリンダ30の2つの油室30A、30Bのうちの一方へ供給する。
【0041】
また、ライン圧回路101には、動力循環モードクラッチ9を制御するソレノイド92と、直結モードクラッチ10を制御するソレノイド91が配設され、これらソレノイド91、92は変速制御コントローラ80によってデューティ制御される。
【0042】
デューティ制御によって駆動されたソレノイド92からの信号圧に応じて、制御弁94は、マニュアルバルブ60からのライン圧PLを調圧してクラッチ圧Pprcとして動力循環モードクラッチ9へ供給し、締結、解放を行っており、この信号圧の増大によってクラッチ圧Pprcも増大して、動力循環モードクラッチ9は解放状態から締結されるとともに、トルク伝達容量がクラッチ圧Pprcに応じて増大する一方、ソレノイド92からの信号圧が減少するとクラッチ圧Pprcも低下して、制御弁94は動力循環モードクラッチ9の油室9a(図2参照)をドレーン側に接続して解放する。
【0043】
同様に、ソレノイド91からの信号圧に応じて、制御弁93はマニュアルバルブ60からのライン圧PLを調圧し、クラッチ圧Pdcとして直結モードクラッチ10へ供給して締結、解放を行っており、ソレノイド91からの信号圧が増大するとクラッチ圧Pdcも増大して解放状態から締結されるとともにトルク伝達容量がクラッチ圧Pdcに応じて増大する一方、信号圧が減少するとクラッチ圧Pdcも低下するため、制御弁93は直結モードクラッチ10の油室10a(図2参照)をドレーン側に接続して解放する。
【0044】
このように、上記ソレノイド92、91のデューティ制御によって動力循環モードクラッチ9及び直結モードクラッチ10のうちの一方が締結されて、動力循環モードと直結モードが選択的に切り換えられるとともに、ソレノイド91、92のデューティ比に応じて伝達トルクの制御を行うことができる。
【0045】
ここで、シフトコントロールバルブ46は、ライン圧回路101に連通した供給ポート46Pと、油圧シリンダ30の油室30Aと連通したLo側ポート46Lと、油圧シリンダ30の油室30Bと連通したHi側ポート46Hと、2つのドレーンポート46D、46Dが供給ポート46Pを挟んで設けられており、スプール46Sの軸方向変位に応じて、供給ポート46PからLo側ポート46LまたはHi側ポート46Hのうちの一方にライン圧PLが調圧されて供給される一方、他方のポートはドレーンポート46Dと連通する。
【0046】
すなわち、スプール46Sが中立位置にある場合は、供給ポート46P、ドレーンポート46D、Lo側ポート46L及びHi側ポート46Hはそれぞれ封止されて、油室30A及び油室30Bの油圧が保持される。
【0047】
この中立位置から図中上方へスプール46Sが変位すると、供給ポート46PとLo側ポート46Lが連通する一方、Hi側ポート46Hがドレーンポート46Dと連通し、供給ポート46Pの開口量と供給ポート46PとLo側ポート46Lの差圧(圧力差)に応じた流量がLo側ポート46Lへ供給される。
【0048】
逆に、中立位置から図中下方へスプール46Sが変位すると、供給ポート46PとHi側ポート46Hが連通する一方、Lo側ポート46Lがドレーンポート46Dと連通し、供給ポート46Pの開口量と供給ポート46PとHi側ポート46Hの差圧(圧力差)に応じた流量がHi側ポート46Hへ供給される。
【0049】
いま、目標CVT比ticがLo側に変化した場合、ステップモータ36は変速リンク37の一端を図5の上方へ向けて目標CVT比ticに応じて変位させ、このときパワーローラ20の傾転角が定常状態にあればプリセスカム35は停止しているため、スプール46Sも上方へ変位して、供給ポート46PとLo側ポート46Lが連通する一方、Hi側ポート46Hがドレーンポート46Dと連通し、供給ポート46PからLo側ポート46Lを介して供給された流量に応じて油室30Aの油圧が上昇する一方、油室30B内の油圧はドレーンポート46Dから排出されて、図4に示す右側のトラニオン23は上昇し、パワーローラ20はトラニオン23の上昇に伴って傾転する。
【0050】
油圧シリンダ30の駆動によって、トラニオン23は軸方向及び軸まわりに変位し、これらトラニオン23の変位はフィードバックリンク38を介して変速リンク37へ伝達され、パワーローラ20のLo側への傾転に応じてフィードバックリンク38は、図5において、変速リンク37の左側端部を下方へ変位させる。
【0051】
したがって、上方に変位していたスプール46Sは、中立位置へ向けた下方へ変位し、パワーローラ20の傾転角が目標CVT比ticに一致した時点で、スプール46Sはプリセスカム35に駆動されて再び中立位置へ復帰し、油圧シリンダ30の駆動を停止する。
【0052】
こうして、変速時には、まず、ステップモータ36によってスプール46Sが駆動されることで、油室30Aへライン圧回路101から作動油が供給される一方、油室30B内の圧油はタンクへ排出されて、トラニオン23が変位することでパワーローラ20の傾転角はLo側へ向かい、次に、パワーローラ20の傾転角とトラニオン23の軸方向変位がプリセスカム35、フィードバックリンク38及び変速リンク37を介してシフトコントロールバルブ46へフィードバックされるため、スプール46Sは徐々に中立位置へ復帰して、ステップモータ36が指令した目標CVT比ticと一致させた状態を維持することができる。
【0053】
一方、目標CVT比ticがHi側に変化した場合では、上記とは逆方向にステップモータ36等が駆動されて、パワーローラ20がHi側へ傾転する。
【0054】
また、変速制御コントローラ80は、NレンジまたはPレンジが選択された車両の停車中には、動力循環モードクラッチ9を解放してエンジン側と駆動輪側の連結を解除するとともに、ギアードニュートラルポイントGNPを維持するように無段変速機2の変速比icを調整する。(なお、Dレンジを選択した停車中では、動力循環モードクラッチは締結したままである。)
そして、車両の発進時にはシフトレバーなどに呼応するシフト位置POSと実際のCVT比icやエンジン回転数Neに基づいて、ソレノイド92を制御して動力循環モードクラッチ9を徐々に締結しながら、IVT比iiが運転状態に応じた目標値となるようにステップモータ36の制御を行うものである。
【0055】
ここで、変速制御コントローラ80で行われる発進時の一例について、図6〜図9のフローチャートを参照しながら以下に詳述する。
【0056】
なお、各フローチャートは、所定時間毎、例えば、10msec毎等に実行されるもので、図6は、シフト位置POSに応じた変速モードの切り換え制御を示し、図7は、図6のサブルーチンで、動力循環モードクラッチ9のセレクト制御を示すフローチャート、図8は目標CVT比及びステップモータ36の目標駆動量STEPを演算する変速制御を示し、また、図9はエンジントルクTeに応じて変化する動力循環モードクラッチ9の締結力制御を示す。
【0057】
まず、図6のステップS1では、セレクトスイッチ85からのシフト位置POSを読み込んでから、ステップS2で、シフト位置POSがDレンジにあるか否かを判定し、DレンジにあればステップS3へ進む一方、そうでない場合にはRレンジまたはN、Pレンジと判定してステップS6へ進む。
【0058】
Dレンジと判定されたステップS3では、前回検出したシフト位置POSがNまたはPレンジであったか否かにより、運転者が発進のために停車位置であるP、NレンジからDレンジへシフト位置を変更したかを判定し、これら停車位置からDレンジへシフト操作が行われた場合には、ステップS4へ進んで、停車状態で解放していた動力循環モードクラッチ9を徐々に締結するセレクト制御を後述するように行う。
【0059】
一方、そうでない場合には、ステップS5へ進んで、Dレンジのときの変速制御を行う。なお、Dレンジは、図10に示したように、ギアードニュートラルポイントGNPから回転同期点までの動力循環モードの領域と、回転同期点よりもIVT比がHi側(小側)となる直結モードとの領域がにおいて、それぞれ動力循環モードクラッチ9と直結モードクラッチ10を車速VSPなどの運転条件に応じて選択的に締結するとともに、エンジントルクTeに応じた締結力の制御を行う。
【0060】
一方、ステップS6では、シフト位置POSがRレンジにあるか否かを判定し、RレンジにあればステップS7へ進む一方、そうでない場合にはNレンジまたはPレンジと判定してステップS9へ進む。
【0061】
Rレンジと判定されたステップS7では、前回検出したシフト位置POSがNまたはPレンジであったか否かにより、運転者が発進のために停車位置であるP、NレンジからRレンジへシフト位置を変更したかを判定し、これら停車位置からRレンジへシフト操作が行われた場合には、ステップS4へ進んで、停車状態で解放していた動力循環モードクラッチ9を徐々に締結するセレクト制御を後述するように行う。
【0062】
一方、そうでない場合には、ステップS9へ進んで、NレンジまたはPレンジのときの停車時の制御を行い、動力循環モードクラッチ9及び直結モードクラッチ10を解放するとともに、IVT比iiがギアードニュートラルポイントGNPとなるように、無段変速機2のCVT比icを制御する。
【0063】
次に、上記図6のステップS4で実行されるセレクト制御について、図7のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0064】
まず、ステップS10では、N(またはP)→Dレンジ、N→Rレンジのシフト操作が行われた時点からの経過時間を検出して、経過時間に応じたクラッチ締結制御を行うため、タイマーtのインクリメントを行う。
【0065】
次に、ステップS11では、タイマーtの値が第1の所定時間TIME1を経過したか否かを判定し、所定時間TIME1未満であれば、発進操作直後であると判定してステップS12へ進む一方、所定時間TIME1を経過していればステップS13へ進む。
【0066】
発進操作直後のステップS12では、動力循環モードクラッチ9へ供給するクラッチ圧Pprcを、所定のプリチャージ圧(中込圧)PRS#PREとなるように設定して処理を終了する。
【0067】
動力循環モードクラッチ9は、NレンジまたはPレンジのときに、図2に示したように、スプリング9bに押圧されて図中右側へ押しつけられて、押圧部材9cがディスク9dから離れて解放状態となっている。
【0068】
次に、第1の所定時間TIME1を経過したステップS13では、タイマーtの値が第2の所定時間TIME2を経過したか否かを判定し、所定時間TIME2未満であれば、発進開始直後であると判定してステップS14へ進む一方、所定時間TIME2を経過していればステップS15へ進む。
【0069】
発進開始直後のステップS14では、動力循環モードクラッチ9へ供給するクラッチ圧Pprcを、所定のリターン圧(中込圧)PRS#RTNとなるように設定して処理を終了する。なお、このリターン圧PRS#RTNは、ピストン9pがスプリング9bに対抗してディスク9dを押圧し、締結力を発生する臨界圧力である。
【0070】
一方、第2の所定時間TIME2を経過したステップS15では、タイマーtの値が第3の所定時間TIME3を経過したか否かを判定し、所定時間TIME3未満であれば、発進中であると判定してステップS16へ進む一方、所定時間TIME3を経過していれば、ステップS21以降へ進んで、クラッチ締結制御を終了した走行中の締結力制御を行う。
【0071】
発進中のステップS16では、入力軸回転数センサ81が検出したエンジン回転数Neと、後述するように変速比制御で決定した目標エンジン回転数tNeの偏差ΔNeを演算する。
【0072】
そして、ステップS17では、前回のエンジン回転数偏差ΔNe1を変数ΔNe2へ代入した後、現在のエンジン回転数偏差ΔNeを変数ΔNe1へ代入する。
【0073】
次に、ステップS18では、第2の所定時間TIME2内に設定されたリターン圧PRS#RTNから、クラッチ圧Pprcを徐々に増大させるための増分値ΔP1を、
ΔP1=Kp(ΔNe1−ΔNe2)+Ki・ΔNe ………(1)
として演算し、エンジン回転数偏差ΔNeの変動量(ΔNe1−ΔNe2)を増分値ΔP1にフィードバックする。
【0074】
ただし、Kp:比例ゲイン
Ki:積分ゲイン
である。
【0075】
次に、ステップS19では、上記増分値ΔP1に基づいて、油室9aに供給するクラッチ圧Pprcを、
Pprc=Pprc(n−1)+ΔP1+ΔP2 ………(2)
として演算する。
【0076】
ただし、Pprc(n−1):前回のクラッチ圧
ΔP2:定数
である。
【0077】
そして、ステップS20では、クラッチ圧Pprcが所定の上限値と下限値の間となるように、ステップS19で求めたクラッチ圧Pprcを制限する。
【0078】
すなわち、クラッチ圧Pprcの下限値を上記リターン圧PRS#RTN(中込圧)に設定してトルクの伝達を確保する一方、クラッチ圧Pprcの上限値は、動力循環モードクラッチ9が完全に締結される油圧PRS#LMTに設定する。
【0079】
したがって、上記ステップS16〜S20では、動力循環モードクラッチ9へ供給するクラッチ圧Pprcが、エンジン回転数偏差ΔNeの変動量(ΔNe1−ΔNe2)に応じて、リターン圧(下限値)PRS#RTNと上限値の範囲で徐々に増大する方向へ変化し、エンジン回転数Neが増大していく場合には、クラッチ圧Pprcも増大して動力循環モードクラッチ9の締結力は次第に大きくなり、伝達トルクを徐々に増大させて車両の発進を円滑に行う。
【0080】
このとき、動力循環モードクラッチ9の締結容量は、エンジン回転数変動量ΔNeに応じて変化し、すなわち、エンジントルクTeに応じてリターン圧PRS#RTNから上限値の間で変化することになる。
【0081】
そして、走行抵抗または駆動抵抗が大きい状態で、エンジン回転数Neが低いまま発進したとき等では、エンジントルクTeが小さいためにエンジン回転数Neが減少してストールに近づく場合あるが、このとき、クラッチ圧Pprcを下限値PRS#RTN側へ減少して、動力循環モードクラッチ9の締結力を低減することができ、エンジンのストールを確実に防ぎながら発進を円滑に行うのである。
【0082】
運転者が発進操作を行った上記所定時間TIME1からTIME3の間では、図11に示すように、動力循環モードクラッチ9に供給するクラッチ圧Pprcを徐々に増大させることで、円滑に発進を行うことができ、各所定時間TIME1〜TIME3の期間に設定される油圧の関係は、図示のように、
PRS#RTN<PRS#PRE<PRS#LMT
として設定され、また、発進操作直後の時間t=0からセレクト制御が終了する時間TIME3までは、例えば、1秒程度に設定される。
【0083】
上記ステップS1〜S20でセレクト(クラッチ締結)制御が終了した後には、ステップS21以降へ進んで、通常走行の締結力制御に移行する。
【0084】
すなわち、ステップS21では、後述するように、エンジントルクTeとIVT比ii等の走行状態に応じて変化するクラッチ締結必要圧Pcを演算して、クラッチ圧Pprcとして指令した後、ステップS22でタイマーtを0にリセットしてサブルーチンを終了する。
【0085】
次に、上記図6の変速モードの切り換え制御と並行して行われる変速制御の一例について、図8のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0086】
まず、ステップS30では、車速センサ83からの車速VSP、アクセル開度センサ84が検出したアクセルペダルの踏み込み量APS、入力軸回転数センサ81からの入力軸回転数Ni=エンジン回転数Ne、出力軸回転数センサ82からの出力軸回転数Noをそれぞれ読み込んでから、ステップS31では、図12に示すマップに基づいて、車速VSPとアクセル踏み込み量APSより目標入力軸回転数tNi(=目標エンジン回転数tNe)を演算する。
【0087】
なお、図12のマップは、アクセル踏み込み量APSをパラメータとして、車速VSPに対する目標入力軸回転数tNiを予め設定したものである。
【0088】
次にステップS32では、ステップS31で求めた目標入力軸回転数tNiを出力軸回転数Noで除して、変速比無限大無段変速機の目標ユニット変速比tiiとする。
【0089】
ステップS33ではエンジン回転数Neと出力軸回転数Noの比から、無段変速機2の実際の変速比ricを演算した後、ステップS34では、上記ステップS31で求めた目標入力軸回転数Niと、出力軸回転数Noに基づいて、目標CVT比ticを演算する。
【0090】
そして、ステップS35では、この目標CVT比ticに対応するステップモータ36のステップ数ΔSTEP(目標駆動量)を、
ΔSTEP=Kip{ric(n−1)−ric}+Kii(tic−ric) ………(3)
より演算する。
【0091】
ただし、Kip:比例ゲイン
Kii:積分ゲイン
ric(n−1):前回の実変速比
である。
【0092】
そして、このステップ数ΔSTEPに基づいてステップモータ36を駆動し、無段変速機2のCVT比icを変更して、運転状態に応じたIVT比iiに設定する。
【0093】
次に、上記図7に示したステップS21で行われる、通常走行中の動力循環モードクラッチ9の締結力制御について、図9のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0094】
まず、図9のステップS40では、入力軸回転数センサ81からの入力軸回転数Niをエンジン回転数Neとして読み込むとともに、アクセル開度センサ84が検出したアクセルペダルの踏み込み量APSを読み込む。
【0095】
次に、ステップS41で、上記図8のステップS32で求めたIVT比iiを読み込んでから、ステップS42へ進んで、エンジン回転数Neとアクセルペダル踏み込み量APSに基づいてエンジントルクTeを演算する。なお、エンジントルクTeの演算は、図示しないマップなどにより行われ、例えば、アクセルペダル踏み込み量APS等の負荷相当値をパラメータとして、エンジン回転数Ne毎にエンジントルクTeを設定したマップなどを用いて行われる。
【0096】
そして、ステップS43では、動力循環モードクラッチ9が確実にトルクを伝達可能な油圧であるクラッチ締結必要圧Pcを、図13に示すマップから、エンジントルクTeとIVT比iiに基づいて演算する。
【0097】
さらに、ステップS44では、マップから求めたクラッチ締結必要圧Pcを、所定の上限値Pcmaxと下限値Pcrtnで制限した後、クラッチ圧Pprcとして設定する。
【0098】
なお、下限値Pcrtnは上記リターン圧PRS#RTNなどに設定され、また、上限値Pcmaxは、駆動系が伝達可能なトルクに応じた値などに設定される。
【0099】
こうして、図11に示すように、発進操作直後にクラッチ圧Pprcをプリチャージ圧PRS#PREに設定して、所定時間TIME1まで維持した後に、所定時間TIME2までは、一旦リターン圧PRS#RTNまでクラッチ圧Pprcを下げて最小の締結力から発進を開始し、その後、TIME2〜TIME3までのセレクト制御中には、エンジン回転数偏差ΔNeの変動量、すなわちエンジントルクTeの変化をフィードバックしながら、所定の下限値から上限値の間でクラッチ圧Pprcを徐々に変化させることで、ユニット変速比iiがギアードニュートラルポイントGNPからずれていた場合であっても、エンジン回転数Neが低下してストールするのを確実に防止するとともに、動力循環モードクラッチ9の締結によるショックを抑制して円滑に発進を行うことができ、セレクト制御の時間TIME3を経過した後には、通常の締結力制御を行うため、エンジントルクTeに応じた締結力で運転者の要求に応じた発進加速を行うことができ、変速比無限大無段変速機の運転性を向上させることが可能となるのである。
【0100】
特に、変速比無限大無段変速機へトロイダル型無段変速機2を採用した場合には、入力トルクの変動に応じてCVT比icが変化する特性(トルクシフトという)があるため、解放していた動力循環モードクラッチ9を締結するときに、IVT比iiがギアードニュートラルポイントGNPからずれる場合もあるが、上記のように、発進の初期には最小の締結力から上下限値の範囲で、エンジン回転数偏差ΔNeの変動量に基づいて徐々に締結力を増大させることで、IVT比iiがギアードニュートラルポイントGNPからずれた場合であっても、エンジンのストールとショックの発生を確実に回避して円滑な発進を行うことが可能となるのである。
【0101】
また、トロイダル型無段変速機2の低温時には、トラニオン23を介してパワーローラ20を支持する油圧シリンダ30の応答性が低下して、ギアードニュートラルポイントGNPからずれたり、IVT比iiが不安定になる場合もあるが、上記したように変速応答性が低くなる低温時(冬季の冷間始動直後など)の発進に際しても、エンジンのストールを確実に回避しながらも円滑な発進を行うことが可能となり、変速比無限大無段変速機の運転性を向上させることが可能となるのである。
【0102】
なお、上記実施形態において、無段変速機2にトロイダル型を採用した一例を示したが、Vベルト式などで構成することもできる。
【0103】
また、上記図8のステップS35では、目標とするステップ数ΔSTEPを(3)式に基づいて求めたが、図示はしないが、予め設定した目標CVT比とステップモータのステップ数ΔSTEPのマップから求めても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す変速比無限大無段変速機の概略構成図。
【図2】同じく変速比無限大無段変速機の断面図。
【図3】同じく変速比無限大無段変速機の制御装置を示す概略構成図。
【図4】トロイダル型無段変速機の概略断面図。
【図5】油圧制御装置の回路図。
【図6】変速制御コントローラで行われる制御の一例を示し、変速モード切り換え制御のフローチャート。
【図7】同じく、変速制御コントローラで行われる制御の一例を示し、セレクト制御のサブルーチンを示すフローチャート。
【図8】同じく、変速制御コントローラで行われる制御の一例を示し、変速比制御のフローチャート。
【図9】同じく、変速制御コントローラで行われる制御の一例を示し、締結力制御のフローチャート。
【図10】CVT比とIVT比の関係を示すマップ。
【図11】発進の際のクラッチ圧Pprcと経過時間の関係を示すグラフ。
【図12】車速VSPに対応した最低エンジン回転数Neminのマップ。
【図13】ユニット変速比iiとエンジントルクTeに応じた必要締結クラッチ圧Pcのマップ。
【符号の説明】
1a、1b ユニット入力軸
2 無段変速機
3 一定変速機
4 無段変速機出力軸
5 遊星歯車機構
6 ユニット出力軸
9 動力循環モードクラッチ
9a 油室
9b リターンスプリング
10 直結モードクラッチ
80 変速制御コントローラ
81 入力軸回転数センサ
84 アクセル開度センサ
85 セレクトスイッチ
Claims (3)
- エンジンに連結されたユニット入力軸に、変速比を連続的に変更可能な無段変速機と一定変速機とをそれぞれ連結するとともに、無段変速機と一定変速機の出力軸を遊星歯車機構、動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチを介してユニット出力軸に連結した変速比無限大無段変速機と、
運転操作に応じて車両の発進を検出する発進検出手段と、
前記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチの制御によって動力循環モードと直結モードを切り換えるとともに、車両の発進時には動力循環モードクラッチを制御するクラッチ制御手段と、
前記無段変速機の変速比を車両の運転状態に応じて制御することで変速比無限大無段変速機のユニット変速比を設定する変速比制御手段とを備えた変速比無限大無段変速機の制御装置において、
前記クラッチ制御手段は、
エンジンからの入力トルクまたは入力トルク相当値を検出する入力トルク検出手段と、
前記動力循環モードクラッチへ供給する油圧を制御する油圧制御手段と、
前記車両の発進が検出されてから所定の時間までは、予め設定された上限値と下限値との間で、入力トルクまたは入力トルク相当値が減少すると前記油圧を減少し、入力トルクまたは入力トルク相当値が増大すると前記油圧を増大させるよう動力循環モードクラッチへ供給する油圧を設定する締結容量変更手段とを設け、
前記締結容量変更手段は、前記所定時間経過後には上限値による供給油圧の制限を解除することを特徴とする変速比無限大無段変速機の制御装置。 - 前記入力トルク検出手段は、入力軸回転数の変動量を入力トルク相当値の変動量として検出し、前記クラッチ制御手段は、この入力トルク相当値の変動量に基づいて動力循環モードクラッチへ供給する油圧を前記下限値から徐々に増大することを特徴とする請求項1に記載の変速比無限大無段変速機の制御装置。
- 前記締結容量変更手段は、前記供給油圧の下限値を動力循環モードクラッチが締結力を発生する臨界値に設定する一方、供給油圧の上限値は、動力循環モードクラッチが完全に締結される値に設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の変速比無限大無段変速機の制御装置。
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