JP2002021995A - 変速比無限大無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

変速比無限大無段変速機の変速制御装置

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JP2002021995A
JP2002021995A JP2000208572A JP2000208572A JP2002021995A JP 2002021995 A JP2002021995 A JP 2002021995A JP 2000208572 A JP2000208572 A JP 2000208572A JP 2000208572 A JP2000208572 A JP 2000208572A JP 2002021995 A JP2002021995 A JP 2002021995A
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continuously variable
variable transmission
speed
initialization
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Yasushi Narita
靖史 成田
Tatsuya Nagato
達也 長門
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速比無限大無段変速機の変速制御を行うア
クチュエータの初期化を迅速に行って、低油温時におい
ても迅速かつ確実な発進を可能にする。 【解決手段】 無段変速機構2を備えて前進から後進ま
で連続的に総変速比を変更可能な変速比無限大無段変速
機と、ステップモータ36に駆動されて無段変速機構2
の変速比を変更する変速手段と、運転状態に応じてこの
ステップモータ36を制御する変速制御コントロールユ
ニット80は、イグニッションスイッチ87がONとな
って、かつ、予め設定された停車状態が検出されたとき
には、実際のCVT比icに基づいて、ステップモータ
36をギアードニュートラルポイントGNPに対応した
CVT比icgnpとなるように駆動して初期化を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる変速比無限大無段変速機の変速制御装置の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から車両の変速機として、ベルト式
やトロイダル型の無段変速機構が知られており、このよ
うな無段変速機構の変速領域をさらに拡大するために、
無段変速機構に一定変速機構と遊星歯車機構を組み合わ
せて変速比を無限大まで制御可能とする変速比無限大無
段変速機が知られている。
【0003】これは、エンジンに連結される変速比無限
大無段変速機のユニット入力軸に、変速比を連続的に変
更可能なハーフトロイダル型の無段変速機構と、一定変
速機構(減速機構)を並列的に連結するとともに、これ
らの出力軸を遊星歯車機構で結合したもので、無段変速
機構の出力を遊星歯車機構のサンギアに、一定変速機構
の出力軸は動力循環モードクラッチを介して遊星歯車機
構のキャリアに連結される。
【0004】サンギアと連結した無段変速機構の出力軸
は、直結モードクラッチを介して変速比無限大無段変速
機の出力軸であるユニット出力軸と選択的に結合される
一方、遊星歯車機構のリングギアはユニット出力軸に結
合される。
【0005】そして、図12に示すように、動力循環モ
ードクラッチを締結する一方、直結モードクラッチを解
放することにより、無段変速機構と一定変速機構の変速
比の差に応じて、総変速比(以下、IVT比iiでユニ
ット入力軸回転数/ユニット出力軸回転数)を負の値か
ら正の値まで無限大(1/ii=0でギアードニュート
ラルポイントGNPという)を含んで連続的に変速制御
を行う動力循環モードと、動力循環モードクラッチを解
放する一方、直結モードクラッチを締結して無段変速機
構の変速比(以下、CVT比ic)に応じて変速制御を
行う直結モードの2つの運転モードを選択的に使用する
ことができる。
【0006】ギアードニュートラルポイントGNPで
は、車両の停止状態を維持することができ、この停止状
態からIVT比ii(=CVT比ic)を変更すること
で発進を行うことが可能となり、従来の自動変速機のよ
うなトルクコンバータ等の発進要素を不要にしている。
【0007】上記変速比無限大無段変速機に採用される
無段変速機構では、例えば、特開平8−178063号
公報などに開示されるように、ステップモータ等のアク
チュエータによって変速制御弁等を駆動することで変速
制御を行っており、始動時には、ステップモータを動作
可能な限界位置まで駆動した後、最大変速比に対応した
位置などの所定の位置へ駆動してイニシャライズを行っ
ている。
【0008】また、油温が低下する冬季、特に寒冷地の
コールドスタート時等では、作動油の粘性が増大してス
テップモータの負荷が過大になって、脱調するのを防止
するため、特開平10−225189号公報などに開示
されるように、低油温時にはステップモータの駆動速度
を低くするものが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の自動
変速機では、発進する際に、通常、最大(最Lo)変速
比から変速を開始するため、ステップモータの初期化も
フィードフォワード制御等によって最大変速比側の所定
値などに設定するのが一般的である。
【0010】一方、変速比無限大無段変速機では、図1
2にも示したように、動力循環モードのギアードニュー
トラルポイントGNPとなってから動力循環モードクラ
ッチを締結することで、車両の発進を行うわけである
が、このギアードニュートラルポイントGNPに対応し
たCVT比icgnpは、CVT比制御範囲の途中に設
定されている。
【0011】しかしながら、上記従来例を変速比無限大
無段変速機へ適用した場合、ステップモータの初期化を
行う際に、CVT比icを機構的な最大変速比(最Lo
側)または機構的な最小変速比(最Hi側)に対応した
位置まで駆動して原点を設定した後、IVT比iiが無
限大となるギアードニュートラルポイントGNPに対応
したCVT比icgnpへ向けてさらに駆動すること
で、初めて発進可能になるため、ステップモータの初期
化に要する時間が長くなって、迅速に発進を行えない場
合があり、特に、上記後者の従来例のように、低油温時
にステップモータの駆動速度を低下する場合では、ステ
ップモータの初期化に要する時間がさらに長くなってし
まうという問題があった。
【0012】そして、変速比無限大無段変速機では、発
進の際には動力循環モードクラッチが締結されるが、こ
のとき、上記油温の低下などでステップモータの初期化
が遅れてしまうと、ギアードニュートラルポイントGN
P以外で締結されることになって、締結時にショックが
発生する恐れがある。
【0013】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、変速比無限大無段変速機の変速制御を行う
アクチュエータの初期化を迅速に行って、低油温時にお
いても迅速かつ確実な発進を可能にすることを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、無段変速
機構を備えて前進から後進まで連続的に総変速比を変更
可能な変速比無限大無段変速機と、運転状態に基づいて
無段変速機構の変速比または総変速比の目標値を設定す
る目標値設定手段と、アクチュエータに駆動されて前記
無段変速機構の変速比を変更する変速手段と、前記変速
比または総変速比の目標値となるように前記変速手段を
制御する制御手段とを備えた変速比無限大無段変速機の
変速制御装置において、前記制御手段は、電源の投入状
態を検出する通電状態検出手段と、予め設定した停車状
態を検出する停車状態検出手段と、前記無段変速機構の
実際の変速比を検出する手段と、前記電源の投入が検出
されて、かつ、予め設定された停車状態が検出されたと
きには、前記実際の変速比に基づいてアクチュエータを
予め設定した変速比となるように駆動して初期化する初
期化手段とを備えたる。
【0015】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記制御手段は、前記電源の投入が検出されて、
かつ、予め設定された停車状態が検出されたときには、
前記運転状態に基づく変速比または総変速比の目標値へ
向けた変速手段のフィードバック制御を禁止する。
【0016】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記制御手段は、前記変速比検出手段からの検出
値が異常であるか否かを判定する異常判定手段を有し、
前記電源の投入が検出されて、かつ、予め設定された停
車状態が検出されたときであっても、前記異常判定手段
が変速比の異常を判定したときには、前記初期化手段に
よるアクチュエータの初期化を禁止して、予め設定した
量だけアクチュエータを駆動して初期化を行う。
【0017】また、第4の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記初期化手段は、変速比無限大無段変速機のギ
アードニュートラルポイントへ向けてアクチュエータを
駆動する。
【0018】また、第5の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記初期化手段は、前記無段変速機構の変速比が
予め設定した変速比となったときに、前記アクチュエー
タの基準位置を設定する初期値設定手段を備える。
【0019】また、第6の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記初期化手段は、前記無変速機構の変速比が検
出されるまで、または、無段変速機構の入力軸あるいは
出力軸の回転が検出されるまでは、前記アクチュエータ
の駆動を禁止して初期化を遅延する。
【0020】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、変速比無限
大無段変速機では、車両の停車中であっても、エンジン
の運転が開始されていれば無段変速機構の変速比を変速
することができる。
【0021】そこで、変速制御装置の電源が投入された
ときに、車両が所定の停車状態であれば、実際の変速比
に基づいてアクチュエータを予め設定した変速比、例え
ばギアードニュートラルポイントGNPなどへ駆動して
おくことにより、迅速に初期化を行うことが可能となっ
て、車両の発進までに要する時間を短縮することができ
る。
【0022】特に、変速比無限大無段変速機の油温が低
いときには、アクチュエータの駆動速度も低下するが、
アクチュエータの初期化は、任意の位置から実際の変速
比に基づいて、予め設定した変速比へ向けて駆動するだ
けであるため、前記従来例のように、機構的な限界値
(例えば、最大変速比あるいは最小変速比)までアクチ
ュエータを駆動した後に、予め設定した変速比としての
ギアードニュートラルポイントのicgnp等へ向けて
駆動して初期化を行う場合に比して、アクチュエータの
総駆動量を大幅に低減することが可能となって、前記従
来例のような初期化の遅れによる締結ショックを確実に
防いで、迅速かつ正確な発進を行うことができる。
【0023】また、第2の発明は、変速比無限大無段変
速機では、通常走行の際に、運転状態に基づく変速比ま
たは総変速比の目標値となるようにアクチュエータを駆
動しているが、アクチュエータの初期化を行う際には、
運転状態に基づくアクチュエータのフィードバック制御
を禁止することにより、電源投入時のアクチュエータの
初期化を正確に行うことができる。
【0024】また、第3の発明は、検出した変速比が異
常(例えば、センサの故障時など)であるときには、予
め設定した変速比へ向けたアクチュエータの初期化が行
えないため、予め設定した量だけアクチュエータを駆動
して初期化を行うことにより、フェイルセーフを確保で
きる。
【0025】また、第4の発明は、変速比無限大無段変
速機では、ギアードニュートラルポイントから発進を行
うため、変速比がギアードニュートラルポイントとなる
ようにアクチュエータの初期化を行うことで、電源の投
入から発進までに要する時間を大幅に短縮して、迅速か
つ確実に発進することができる。
【0026】また、第5の発明は、アクチュエータの初
期化が終了して無段変速機構の変速比が予め設定した変
速比となったときに、アクチュエータの基準位置を設定
することにより、以降の通常の変速制御を正確に行うこ
とができる。
【0027】また、第6の発明は、無段変速機構の変速
比、換言すれば、入力軸回転数と、無段変速機構の出力
軸回転数を確実に検出可能となるまでは、アクチュエー
タの初期化を禁止して初期化処理を遅延させるため、初
期化開始後には変速比のフィードバック制御によって、
アクチュエータの初期化を正確に行うことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0029】図1、図2に示すように、変速比無限大無
段変速機は、エンジンへ連結されるユニット入力軸1
に、変速比を連続的に変更可能なトロイダル型の無段変
速機構2と、ギア3a、ギア3bから構成された一定変
速機構3(減速機)を並列的に連結し、これらの出力軸
4、3cをユニット出力軸6で同軸的に配設するととも
に遊星歯車機構5で連結したもので、無段変速機構2の
出力軸4は遊星歯車機構5のサンギア5a及び直結モー
ドクラッチ10に連結されるとともに、一定変速機構3
の出力軸3cは動力循環モードクラッチ9を介して遊星
歯車機構5のキャリア5bに連結される。
【0030】サンギア5aと連結した無段変速機出力軸
4は、スプロケット4a及びチェーン4bから無段変速
機構2との間で駆動力の伝達を行い、直結モードクラッ
チ10を介して変速比無限大無段変速機の出力軸である
ユニット出力軸6と選択的に結合される。
【0031】一方、動力循環モードクラッチ9を介して
一定変速機構3の出力軸3cと選択的に結合するキャリ
ア5bは、リングギア5cを介してユニット出力軸6に
連結される。
【0032】ユニット出力軸6には変速機出力ギア7が
設けられ、この変速機出力ギア7はディファレンシャル
ギア8のファイナルギア12と歯合し、ディファレンシ
ャルギア8に結合する駆動軸11は、所定の総減速比
(IVT比ii=ユニット入力軸回転数/ユニット出力
軸回転数)で駆動力が伝達される。
【0033】無段変速機構2は、図1に示すように、2
組の入力ディスク21、出力ディスク22で、パワーロ
ーラ20をそれぞれ挟持、押圧するダブルキャビティの
ハーフトロイダル型で構成され、一対の出力ディスク2
2の間に介装された出力スプロケット2aは、チェーン
4bを介してユニット入力軸1と平行して配置されたユ
ニット出力軸6の無段変速機出力軸4に形成したスプロ
ケット4aと連結する。
【0034】また、ユニット入力軸1とCVTシャフト
1bは、図示しないローディングカム装置を介して回転
方向で結合しており、ユニット入力軸1はエンジンと結
合されるとともに、一定変速機構3のギア3aを形成
し、CVTシャフト1bは2組の入力ディスク21、2
1に連結されて、ユニット入力軸1からの入力トルクに
応じて、ローディングカム装置が発生した軸方向の押圧
力によって、パワーローラ20、20を入出力ディスク
の間で挟持、押圧する。
【0035】この変速比無限大無段変速機では、図12
に示すように、動力循環モードクラッチ9を解放する一
方、直結モードクラッチ10を締結して無段変速機構2
の変速比ic(以下、CVT比icとする)に応じて駆
動力を伝達する直結モードと、動力循環モードクラッチ
9を締結する一方、直結モードクラッチ10を解放する
ことにより、無段変速機構2と、一定変速機構3の変速
比の差に応じて、変速比無限大無段変速機全体のユニッ
ト変速比ii(ユニット入力軸1とユニット出力軸6の
変速比、以下、IVT比iiとする)を負の値から正の
値まで無限大を含んでほぼ連続的に制御を行う動力循環
モードとを選択的に使用することができる。
【0036】そして、IVT比iiが無限大(図12で
は、IVT比iiの逆数が0)となる動力循環モードの
ギアードニュートラルポイントGNPでは、エンジンか
ら駆動軸までを連結した状態で停車することができ、こ
の停車状態からIVT比iiを変更することで、車両の
発進を行うことができる。
【0037】また、上記動力循環モードと直結モードの
切り換えは、例えば、図12の示すように、無段変速機
構2の出力軸4と、一定変速機構3の出力軸3cの回転
数が一致する回転同期点RSPで行われる。
【0038】次に、図4を参照しながら油圧制御装置に
ついて詳述する。
【0039】まず、油圧制御装置は、油圧ポンプから供
給された油圧が、PLソレノイド90によって制御され
たプレッシャレギュレータ100で所定の圧力に調整さ
れ、ライン圧PLとしてライン圧回路101へ供給され
る。
【0040】そして、ライン圧回路101には、トラニ
オン23を駆動する油圧シリンダ30への流量と供給方
向を制御するシフトコントロールバルブ46が接続され
る。
【0041】シフトコントロールバルブ46は、変速リ
ンク37を介して変速制御コントローラ80に制御され
るステップモータ36またはフィードバックリンク38
の変位に応じてスプール46Sが変位し、スプール46
Sの変位量に応じてライン圧PLを油圧シリンダ30の
2つの油室30A、30Bのうちの一方へ供給する。
【0042】なお、フィードバックリンク38は、パワ
ーローラ20を支持するトラニオンに設けたプリセスカ
ム35によって駆動され、パワーローラ20の傾転角を
変速リンク37にフィードバックする。
【0043】また、ライン圧回路101には、直結モー
ドクラッチ10を制御するソレノイド91と、動力循環
モードクラッチ9を制御するソレノイド92が配設され
る。
【0044】ソレノイド91からの信号圧の増大に応じ
て制御弁93は、マニュアルバルブ60からのライン圧
PLを直結モードクラッチ10へ供給して締結する一
方、ソレノイド91からの信号圧が減少すると制御弁9
3は直結モードクラッチ10をドレーンに接続して解放
する。
【0045】同様に、ソレノイド92からの信号圧の増
大に応じて制御弁94は、シャトル弁121を介して供
給されたマニュアルバルブ60からのライン圧PLを動
力循環モードクラッチへ供給して締結する一方、ソレノ
イド92からの信号圧が減少すると、制御弁94は動力
循環モードクラッチ9をドレーンに接続して解放する。
【0046】上記ソレノイド91、92によって動力循
環モードクラッチ9及び直結モードクラッチ10のうち
の一方が締結されて、動力循環モードと直結モードが選
択的に切り換えられる。
【0047】ここで、シフトコントロールバルブ46
は、ライン圧回路101に連通した供給ポート46P
と、油圧シリンダ30の油室30Aと連通したLo側ポ
ート46Lと、油圧シリンダ30の油室30Bと連通し
たHi側ポート46Hと、2つのドレーンポート46D
が供給ポート46Pを挟んで設けられており、スプール
46Sの軸方向変位に応じて、供給ポート46PからL
o側ポート46LまたはHi側ポート46Hのうちの一
方にライン圧PLが調圧されて供給される一方、他方の
ポートはドレーンポート46Dと連通する。
【0048】すなわち、スプール46Sが中立位置にあ
る場合は、供給ポート46P、ドレーンポート46D、
Lo側ポート46L及びHi側ポート46Hはそれぞれ
封止されて、油室30A及び油室30Bの油圧が保持さ
れる。
【0049】この中立位置からステップモータ36をL
o側へ駆動すると、まず、図中上方へスプール46Sが
変位して、供給ポート46PとLo側ポート46Lが連
通する一方、Hi側ポート46Hがドレーンポート46
Dと連通し、供給ポート46Pの開口量に応じた流量が
Lo側ポート46Lへ供給される。
【0050】逆に、ステップモータ36をHi側へ駆動
すると、中立位置から図中下方へスプール46Sが変位
して、供給ポート46PとHi側ポート46Hが連通す
る一方、Lo側ポート46Lがドレーンポート46Dと
連通し、供給ポート46Pの開口量に応じた流量がHi
側ポート46Hへ供給される。
【0051】ここで、トロイダル型無段変速機構2の変
速制御は、変速制御コントローラ80がステップモータ
36(アクチュエータ)をCVT比icまたは差圧など
の目標値に応じて駆動することで行われ、トロイダル型
無段変速機構2のCVT比icとステップモータ36の
ステップ数との関係は、図10に示すように予め設定さ
れており、ステップ数=0がCVT比icの最Loとな
る一方、ステップ数の最大位置がCVT比icの最Hi
となる。
【0052】ここで、変速制御は、図2、図3に示すよ
うに、マイクロコンピュータを主体に構成された変速制
御コントロールユニット80によって行われ、変速制御
コントロールユニット80は、図示しない変速マップに
基づいて、運転状態に応じたIVT比iiに設定すると
ともに、後述するように、始動時には、ステップモータ
36をギアードニュートラルポイントGNPに対応した
位置まで駆動して初期化を行うものである。
【0053】このため、変速制御コントロールユニット
80には、ユニット入力軸1の回転数Ni、すなわちエ
ンジン回転数Neを検出する入力軸回転数センサ81か
らの出力、無段変速機構2の出力軸回転数Noを検出す
るCVT出力軸回転数センサ82からの出力、ユニット
出力軸6の回転数Noutを車速VSPとして検出する
車速センサ83からの出力、アクセルペダル踏み込み量
APS(または、スロットル開度TVO)を検出するア
クセル操作量センサ84からの出力、変速機の油温Te
mpを検出する油温センサ86からの出力、図示しない
セレクトレバーまたはセレクトスイッチに応動するイン
ヒビタスイッチ87が検出した運転レンジRNG、イグ
ニッションスイッチ87が検出した信号IGN等がそれ
ぞれ入力される。なお、本実施形態では、運転レンジR
NGとして、Dレンジ(前進レンジ)、Rレンジ(後退
レンジ)、Nレンジ(ニュートラルレンジ)、Lレンジ
(ローレンジ)から構成される。
【0054】なお、車速VSPは、検出したユニット出
力軸6の回転数Noutに、所定の定数を乗じて演算
し、また、入力軸回転数センサ81からのユニット入力
軸回転数Niを、CVT出力軸回転数センサ82からの
無段変速機出力軸回転数Noで除したものをCVT比i
cとし、これら入力軸回転数センサ81とCVT出力軸
回転数センサ82が、無段変速機構2の変速比検出手段
を構成する。
【0055】変速制御コントロールユニット80は、こ
れら各種センサの検出値を運転状態として処理し、通常
の走行中(例えば、Dレンジなど)では、アクセルペダ
ル踏み込み量APSと車速VSPに基づいて、図示しな
い変速マップから、目標エンジン回転数(=目標入力軸
回転数)を求め、これをユニット出力軸回転数Nout
(車速VSP)で除して目標IVT比を決定し、無段変
速機構2の変速制御手段(変速制御弁など)に連結され
たステップモータ36をフィードバック制御により駆動
して変速制御を行う。
【0056】一方、始動時には、ステップモータ36を
ギアードニュートラルポイントGNPに対応した位置へ
向けて駆動することで初期化を行っており、このステッ
プモータ36の初期化制御は、例えば、図5〜図9のフ
ローチャートに基づいて行われる。
【0057】なお、図5のフローチャートは、ステップ
モータの初期化制御のメインルーチンを示し、図5以降
のフローチャートは、それぞれサブルーチンを示してお
り、これらの処理は10msec毎などの、所定時間毎に実
行される。
【0058】まず、図5のメインルーチンでは、ステッ
プS1で、変速機の油温Temp、ユニット入力軸1の
回転数Ni、無段変速機出力軸4の回転数No、ユニッ
ト出力軸6の回転数Nout(≒車速VSP)、セレク
トレバーで設定された運転レンジRNGを読み込む。
【0059】ステップS2で、検出した運転レンジRN
Gの信号からインヒビタスイッチ85の故障の検出と、
運転レンジRNGの判定を行い、また、ステップS3
で、ユニット入力軸回転数Niと無段変速機出力軸回転
数Noから、変速比の異常を判定するとともに、CVT
比icの演算を行う。
【0060】そして、ステップS4では、ステップモー
タ36の運転モードMODEを判定し、運転モードMO
DEに応じてステップS5の初期化モード、またはステ
ップS6の通常制御のいずれかを実行する。
【0061】なお、第1回目の制御時には、予め運転モ
ードMODEを0に設定し、必ずステップS5の初期化
モードを実行する。
【0062】また、ステップS6の通常制御は、上記し
たように、運転状態に応じて求めたCVT比ic(また
はIVT比ii)の目標値と実際の値が一致するよう
に、CVT比icのフィードバック制御を行うもので、
後述するフィードバック制御許可フラグが1となった後
に、開始される。
【0063】上記ステップS2で行われる運転レンジ判
定のサブルーチンは、図6のフローチャートのように行
われ、まず、ステップS21でインヒビタスイッチ85
からの信号が、複数ONになっていないかを判定する。
【0064】インヒビタスイッチ85からの信号は、図
3に示すように、R信号、N信号、D信号、L信号の各
信号線から変速制御コントロールユニット80へ送ら
れ、インヒビタスイッチ85や信号線のショート等の故
障が発生すると、複数の信号が同時にONとなって、運
転レンジRNGの判定が行えなくなる。
【0065】そこで、ステップS21では、運転レンジ
RNGの信号が複数同時にONとなっていれば、故障が
発生したと判定してステップS29でレンジフラグFr
ngに1をセットする。
【0066】一方、そうでない場合には、ステップS2
2へ進んで、運転レンジRNGの信号が全てOFFであ
るかを判定する。
【0067】この判定の結果、運転レンジRNGの信号
のうち、いずれかひとつがONであれば、ステップS2
3へ進む一方、全てがOFFの場合にはそのまま処理を
終了する。
【0068】ステップS23では、運転レンジRNGの
信号が正常であるため、レンジフラグFrngに0をセ
ットしてから、ステップS24へ進んで、ONとなって
いる信号線に応じて、ステップS25〜S28で、運転
レンジRNGをR、N、D、Lレンジのいずれかに設定
して処理を終了する。
【0069】次に、上記図5のステップS3で行われる
CVT比icの判定は、図7のフローチャートのように
行われる。
【0070】ステップS31では、検出したユニット入
力軸回転数Niが所定値N1を超えているかを判定す
る。
【0071】所定値N1は、例えば、エンジンのアイド
ル回転数未満に設定されて、ユニット入力軸回転数Ni
が、この所定値N1を下回る場合は、エンジンの停止中
または始動直後のクランキング中あるいは回転センサの
故障時であり、CVT比icを演算できる状態ではない
ため、ステップS35に進んで入力回転数フラグFin
を1(異常がある状態)にセットする。
【0072】一方、検出したユニット入力軸回転数Ni
が、この所定値N1を超える場合は、エンジンが正常に
運転されているので、ステップS31Aに進んで、入力
回転数フラグFinを0(正常な状態)にリセットして
から、ステップS32の処理へ進む。
【0073】ステップS32では、検出した無段変速機
出力軸回転数Noが所定値N2を超えているかを判定す
る。
【0074】無段変速機出力軸回転数Noを判定する所
定値N2は、例えば、エンジンのアイドル時に無段変速
機出力軸回転数Noで検出可能な最小値未満に設定され
て、無段変速機出力軸回転数Noが、この所定値N2を
下回る場合は、エンジンの停止中または始動直後のクラ
ンキング中であり、CVT比icを演算できる状態では
ないため、ステップS36へ進んで、出力回転数フラグ
Foutを1(異常がある状態)にセットする。
【0075】なお、無段変速機出力軸4は、車両の停止
にもかかわらず、回転することができ、エンジン始動後
で、無段変速機出力軸回転数Noが所定値N2以上であ
れば、CVT比icを任意に変更することができる。
【0076】一方、ユニット入力軸回転数Niが所定値
N1を超え、かつ、無段変速機出力軸回転数Noが所定
値N2を超えれば、CVT比icを演算可能な正常な運
転状態であると判定して、ステップS33へ進む。
【0077】ステップS33では、出力回転数フラグF
outを0(正常な状態)にセットするとともに、タイ
マーTMRを0にリセットする。なお、このタイマーT
MRは、検出したユニット入力軸回転数Niまたは無段
変速機出力軸回転数Noが以上と判定されたからの経過
時間を示すものである。
【0078】そして、ステップS34で、ユニット入力
軸回転数Niを無段変速機出力軸回転数Noで除して、
実際のCVT比icを求めてからサブルーチンを終了す
る。
【0079】上記ステップS2、S3で、それぞれ運転
レンジとCVT比icの異常判定処理を行ってから、ス
テップS4でステップモータの運転モードMODEによ
る分岐が行われ、1回目の制御では、予め運転モードM
ODE=0に設定されているため、ステップS5の初期
化モードで、ステップモータ36の制御開始位置へ向け
たイニシャライズが行われる。
【0080】このステップS5の初期化モードの処理
は、図8のサブルーチンに基づいて行われる。
【0081】まず、ステップS51では、上記図6のレ
ンジ判定処理で設定されたレンジフラグFrngが正常
な状態(Frng=0)であるか否かを判定し、正常で
あればステップS52へ進む一方、異常(Frng=
1)であれば、ステップS57へ進んで、運転レンジR
NGの信号に異常が生じた場合の処理を行ってからサブ
ルーチンを終了する。なお、ステップS57の処理につ
いては、詳述しない。
【0082】次に、ステップS52、S53では、運転
レンジRNGがNレンジで、かつ、車速VSPが極低速
の所定値V1以下であるか否かを判定して、車両が停止
状態にあるかを判定する。
【0083】停止状態にあれば、ステップS54の処理
へ進む一方、走行中である場合にはステップS58の走
行中イニシャライズを実施する。なお、ここでは、走行
中イニシャライズについては詳述しない。
【0084】停止状態のステップS54では、入力回転
数フラグFinが正常(Fin=0)であるか否かを判
定し、正常であればステップS55へ進む一方、異常
(Fin=1)の場合には、ステップS59へ進む。
【0085】ステップS55では、出力回転数フラグF
outが正常(Fout=0)であるか否かを判定し、
正常であればステップS56のイニシャライズ処理へ進
む一方、異常(Fout=1)の場合には、ステップS
60のタイマー処理へ進む。
【0086】上記ステップS54の判定で、入力回転数
フラグFin=1の場合に進むステップS59では、出
力回転数フラグFoutが正常(Fout=0)である
か否かを判定し、正常であればステップS60のタイマ
ー処理へ進む一方、異常(Fout=1)の場合には、
エンジンが停止中またはクランキング中で、ユニット入
力軸回転数Ni及び無段変速機出力軸回転数Noの検出
が正確に行えないため、エンジンが始動されるまでステ
ップモータ36の初期化を待機する。
【0087】ステップS55で出力回転数フラグFou
tが異常、またはステップS59で出力回転数フラグF
outが正常と判定された場合のステップS60では、
タイマーTMRが所定値を超えたか否かを判定し、タイ
マーTMRが所定値を超えていなければ、ステップS6
1へ進んでタイマーTMRの加算を行って、ステップモ
ータ36の初期化開始まで待機する。
【0088】一方、タイマーTMRが所定値を超えて所
定時間を経過すると、ユニット入力軸回転数Niまたは
無段変速機出力軸回転数Noのどちらか一方が検出でき
ないと推定して、ステップS62のセンサ異常時処理へ
進む。
【0089】このステップS62のセンサ異常時処理
は、回転数センサ81、82の少なくともいずれかの故
障時であり、イグニッションスイッチ87をON(変速
制御コントロールユニット80への電源の投入)にして
から所定時間を経過してもエンジンが始動されない場合
で、このようなときには、CVT比icによるステップ
モータ36の初期化を行うことができないため、前記従
来例と同様に、ステップモータ36の制御範囲の限界、
例えば、最Loまで駆動した後、図10に示すように、
所定のステップ数S0まで駆動して初期化を行う。
【0090】次に、ステップS56で行われるイニシャ
ライズ処理について、図9に示すサブルーチンに基づい
て説明する。
【0091】まず、ステップS101、S102では、
運転状態に基づくCVT比ic(またはIVT比ii)
のフィードバック制御を禁止した状態で、上記図7のス
テップS34で求めた実際のCVT比icが、ギアード
ニュートラルポイントGNPに対応するCVT比icg
npを挟んで予め設定された範囲icgnp+αとic
gnp−α内にあるか否かを判定する。なお、ギアード
ニュートラルポイントGNPに対応するCVT比icg
npへ初期化するための、所定の範囲±αは、微少な範
囲に設定される。
【0092】そして、実際のCVT比icが、icgn
p+αよりも大きい場合には、現在のCVT比icが、
図10において、ギアードニュートラルポイントのic
gnpよりも大側(Lo側)にあるため、ステップS1
08へ進んで、図10に示すように、ステップ数の大
側、換言すればCVT比icの小側(Hi側)へ向けて
ステップモータ36を予め設定したステップ数(または
駆動速度)ずつ駆動すると共に、ステップS109で第
2のタイマーATMRを0にリセットしてサブルーチン
を終了する。なお、ステップモータ36の駆動は、実際
のCVT比icと、ギアードニュートラルポイントic
gnpとの差からステップ数のずれを算出して、その分
を駆動するようにしても良い。
【0093】また、実際のCVT比icが、icgnp
−αよりも小さい場合には、現在のCVT比icが、図
10において、ギアードニュートラルポイントのicg
npよりも小側(Hi側)にあるため、ステップS11
0へ進んで、図10に示すように、ステップ数の小側、
換言すればCVT比icの大側(Lo側)へ向けてステ
ップモータ36を駆動すると共に、ステップS111で
第2のタイマーATMRを0にリセットしてサブルーチ
ンを終了する。
【0094】なお、上記ステップS108、S110の
ステップモータ36の駆動は、前記従来例と同様に、ス
テップS1で検出した油温Tempに応じて駆動速度を
変更し、低油温時には駆動速度を低下させて、ステップ
モータ36の脱調を防止する。
【0095】次に、実際のCVT比icが、ギアードニ
ュートラルポイントGNPに対応するCVT比icgn
pを挟んで予め設定された範囲icgnp+αとicg
np−α内となった場合には、ステップS103へ進ん
で、第2のタイマーATMRが所定値以上になったか否
かを判定する。
【0096】第2のタイマーATMRが所定値以上であ
れば、CVT比がギアードニュートラルポイント近傍の
icgnp±α内で安定したと判定して、ステップS1
04へ進む一方、所定値未満の場合にはステップS11
2へ進んで、第2のタイマーATMRを加算してサブル
ーチンを終了する。
【0097】第2のタイマーATMRによって所定時間
が経過すると、ステップモータ36の初期化が完了し、
ステップS104では、ステップモータ36の運転モー
ドを初期化モードから通常制御へ移行するために、運転
モードMODEを1にセットする。
【0098】そして、ステップS105で、図10のマ
ップに基づいて、現在のCVT比icから求めたステッ
プ数を求め、ステップS106で、このステップ数をギ
アードニュートラルポイントのicgnpに対応する実
際のステップ数として初期化するとともに、ステップS
107で運転状態に基づくCVT比icのフィードバッ
ク制御(通常制御)を開始するため、フィードバック制
御許可フラグを1にセットしてからイニシャライズ処理
を終了する。
【0099】なお、ステップS106では、ギアードニ
ュートラルポイントのicgnpを含む範囲±αが、十
分小さい値であれば、CVT比icからステップ数の演
算を行わずに、予め設定した固定値、例えば、図10の
ステップ数S0でicgnpに対応する値を設定しても
よい。
【0100】以上の制御によって、変速比無限大無段変
速機のステップモータ36は、図11に示すように制御
が行われる。
【0101】変速比無限大無段変速機では、トルクコン
バータなどの発進要素を持たず、ユニット入力軸1がエ
ンジンに結合されており、エンジンの始動後には、入力
回転数フラグFinと出力回転数フラグFoutが正常
であれば、CVT比icを任意に変更できる。
【0102】そこで、イグニッションスイッチ87がO
N(変速制御コントロールユニット80への電源の投
入)となった時間t0からは、上記図8の初期化モード
により各フラグが正常かつ停車状態であれば、ステップ
S56により、運転状態に応じたCVT比ic(または
IVT比ii)のフィードバック制御を禁止した状態
で、ステップモータ36をギアードニュートラルポイン
トGNPに対応するCVT比icgnpへ向けて初期化
を開始する。
【0103】図11のように、イグニッションスイッチ
87をONにした時点のCVT比icが、ギアードニュ
ートラルポイントGNPに対応したicgnpよりも大
側の場合では、CVT比icの小側(Hi側)へ向けて
ステップモータ36を駆動し、実際のCVT比icが、
ギアードニュートラルポイントのicgnpを挟む所定
の範囲icgnp±αになった時間t1で、ステップモ
ータ36を停止させることで、迅速にCVT比icをギ
アードニュートラルポイントGNPに対応させることが
できる。
【0104】そして、時間t1から第2のタイマーAT
MRにより所定時間が経過した時間t2以降で、動力循
環モードクラッチ9を締結すれば、ギアードニュートラ
ルポイントGNPからの発進を確実に行うことができ
る。
【0105】あるいは、イグニッションスイッチ87を
ONにした時点のCVT比icが、ギアードニュートラ
ルポイントGNPに対応したicgnpよりも小側の場
合では、CVT比icの大側(Lo側)へ向けてステッ
プモータ36を駆動し、ギアードニュートラルポイント
のicgnpを挟む所定の範囲icgnp±αになった
時点で、ステップモータ36を停止させれば初期化が終
了する。
【0106】このように、ステップモータ36の初期化
を行う際には、運転状態に基づくCVT比ic(または
IVT比ii)のフィードバック制御を禁止しておき、
実際のCVT比icに基づいてCVT比制御範囲の途中
に設定されたギアードニュートラルポイントGNPへ向
けて、ステップモータ36の初期化を行うことで、迅速
に初期化を行うことが可能となって、車両の発進までに
要する時間を短縮することができるのである。
【0107】特に、ステップモータ36の駆動速度が低
下する低油温時では、前記従来例のように、CVT比i
c制御範囲の限界値(例えば、最Hiまたは最Lo)ま
でステップモータ36を駆動した後に、ギアードニュー
トラルポイントのicgnpへ向けて初期化を行う場合
に比して、始動直後のCVT比icから、直接ギアード
ニュートラルポイントGNPのicgnpへ向けてステ
ップモータ36を駆動することができるため、初期化に
要する時間、換言すれば、ステップモータ36の総駆動
量を大幅に低減して、迅速に発進することが可能となる
のである。
【0108】また、ギアードニュートラルポイントGN
Pへ向けてステップモータ36の初期化を行う際には、
予め設定した固定値であるギアードニュートラルポイン
トのicgnpへ向けて、所定の駆動速度で制御を行う
ことにより、ステップモータ36の初期化を高精度で行
うことが可能となるのである。
【0109】また、入力軸回転数Niと、無段変速機出
力軸回転数Noを確実に検出可能となるまでは、ステッ
プモータ36の初期化を禁止して初期化処理を遅延させ
るため、初期化開始後にはCVT比icの制御によっ
て、ステップモータ36の初期化を正確に行うことがで
きる。
【0110】さらに、入力軸回転数Niと、無段変速機
出力軸回転数Noの検出が正確に行えない場合では、前
記従来例と同様に、CVT比ic制御範囲の限界値(例
えば、最Hiまたは最Lo)までステップモータ36を
駆動した後に、ギアードニュートラルポイントのicg
npへ向けて初期化を行うことで、フェイルセーフを確
保できる。
【0111】なお、上記実施形態において、変速制御弁
を駆動するアクチュエータを、ステップモータで構成し
た一例を示したが、サーボモータなどを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す変速比無限大無段変
速機の概略構成図。
【図2】同じく変速比無限大無段変速機の変速制御装置
を示す概念図。
【図3】同じくコントロールユニットとステップモータ
の関係を示す概略図。
【図4】同じくステップモータと変速制御弁の関係を示
す油圧回路の回路図。
【図5】初期化制御の一例を示すフローチャートで、メ
インルーチンを示す。
【図6】レンジ判定処理のサブルーチンである。
【図7】変速比判定処理のサブルーチンである。
【図8】初期化モードのサブルーチンである。
【図9】イニシャライズのサブルーチンである。
【図10】CVT比icとステップ数の関係を示すマッ
プである。
【図11】イニシャライズ処理の動作を示すグラフで、
CVT比ic及びステップ数と時間の関係を示す。
【図12】CVT比icとIVT比iiの逆数の関係を
示すマップである。
【符号の説明】
1 ユニット入力軸 2 無段変速機構 3 一定変速機構 5 遊星歯車機構 36 ステップモータ 80 変速制御コントロールユニット 81 入力軸回転数センサ 82 CVT出力軸回転数センサ 83 車速センサ 84 アクセル操作量センサ 85 インヒビタスイッチ 86 油温センサ 87 イグニッションスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 59:40 F16H 59:40 59:42 59:42 59:44 59:44 59:70 59:70 59:72 59:72 63:06 63:06 Fターム(参考) 3J552 MA09 MA13 MA26 MA30 NA01 NB01 PA15 PA51 PB03 QA24C QB07 RA20 RA29 RB02 RC03 SA44 SB02 TA04 TB12 TB13 VA22Z VA32Z VA37Z VA48Z VA62Z VA64Z VA65Z VA66Z VA74W VA74Y VB01W VC01Z VC03Z VD02Z VD18W

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無段変速機構を備えて前進から後進まで
    連続的に総変速比を変更可能な変速比無限大無段変速機
    と、 運転状態に基づいて無段変速機構の変速比または総変速
    比の目標値を設定する目標値設定手段と、 アクチュエータに駆動されて前記無段変速機構の変速比
    を変更する変速手段と、 前記変速比または総変速比の目標値となるように前記変
    速手段を制御する制御手段とを備えた変速比無限大無段
    変速機の変速制御装置において、 前記制御手段は、 電源の投入状態を検出する通電状態検出手段と、 予め設定した停車状態を検出する停車状態検出手段と、 前記無段変速機構の実際の変速比を検出する手段と、 前記電源の投入が検出されて、かつ、予め設定された停
    車状態が検出されたときには、前記実際の変速比に基づ
    いてアクチュエータを予め設定した変速比となるように
    駆動して初期化する初期化手段とを備えたことを特徴と
    する変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記電源の投入が検出
    されて、かつ、予め設定された停車状態が検出されたと
    きには、前記運転状態に基づく変速比または総変速比の
    目標値へ向けた変速手段のフィードバック制御を禁止す
    ることを特徴とする請求項1に記載の変速比無限大無段
    変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記変速比検出手段か
    らの検出値が異常であるか否かを判定する異常判定手段
    を有し、 前記電源の投入が検出されて、かつ、予め設定された停
    車状態が検出されたときであっても、前記異常判定手段
    が変速比の異常を判定したときには、前記初期化手段に
    よるアクチュエータの初期化を禁止して、予め設定した
    量だけアクチュエータを駆動して初期化を行うことを特
    徴とする請求項1に記載の変速比無限大無段変速機の変
    速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記初期化手段は、変速比無限大無段変
    速機のギアードニュートラルポイントへ向けてアクチュ
    エータを駆動することを特徴とする請求項1に記載の変
    速比無限大無段変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記初期化手段は、前記無段変速機構の
    変速比が予め設定した変速比となったときに、前記アク
    チュエータの基準位置を設定する初期値設定手段を備え
    たことを特徴とする請求項1に記載の変速比無限大無段
    変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 前記初期化手段は、前記無段変速機構の
    変速比が検出されるまで、または、無段変速機構の入力
    軸あるいは出力軸の回転が検出されるまでは、前記アク
    チュエータの駆動を禁止して初期化を遅延することを特
    徴とする請求項1に記載の変速比無限大無段変速機の変
    速制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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