JP2000248971A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JP2000248971A
JP2000248971A JP11049782A JP4978299A JP2000248971A JP 2000248971 A JP2000248971 A JP 2000248971A JP 11049782 A JP11049782 A JP 11049782A JP 4978299 A JP4978299 A JP 4978299A JP 2000248971 A JP2000248971 A JP 2000248971A
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克則 上田
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泰造 北田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機の変速過程でリッチ領域を通過す
るときの無駄な燃料消費を抑制して、燃費低減を達成で
きる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。 【解決手段】 無段変速機の変速過程(矢印で示す)で
低回転高負荷のリッチ領域(O/L)を短時間通過する
だけのときには、例えば内燃機関の発熱量に余裕がある
運転状態等のように耐ノック性が期待できる場合では、
リッチモードへの切換を禁止してストイキモードの継続
により燃費向上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機(以
下、CVTという)を備えた内燃機関(以下、エンジン
という)の燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】周知のように、内燃機関の燃料噴
射制御は予め設定された領域に応じて運転モードを切換
えて実行されており、例えば図2に示す筒内噴射型エン
ジンでは、目標平均有効圧Pe(エンジン負荷)とエン
ジン回転速度Neとが低い領域ではリーンモードに、そ
れより目標平均有効圧Peとエンジン回転速度Neが共に
高くなるに従って、ストイキモード(S−F/Bモー
ド)、リッチモード(O/Lモード)の順に運転モード
を切換えている。
【0003】そして、この種のエンジンにCVTを組み
合わせた場合、リーン領域で加速のためにアクセル操作
が行われると、まず、ほぼ一定回転を保って目標平均有
効圧Peが瞬時に全開トルク付近に達し、その後にCV
Tが応答遅れを伴ってダウンシフト(変速比増加)側に
制御され、その結果、エンジン回転速度Neが高回転側
に導かれて加速が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】全開トルク付近ではト
ルク確保及びノッキング防止のためにリッチ領域が設定
されていることから、上記した加速時には一時的にこの
リッチ領域を通過することになる。遊星歯車機構を利用
した自動変速機の場合には、変速段の切換に伴って一点
鎖線の矢印で示すように直線的に移行するため、リッチ
領域内での滞留時間は極僅かであるが、CVTでは変速
段を連続可変する特性上、実線の矢印で示すように曲線
的に移行してリッチ運転領域内にかなり長く滞留するこ
とになる。従って、その間に無駄な燃料消費が行われ
て、燃費を悪化させる要因となっていた。
【0005】本発明の目的は、無段変速機の変速過程で
リッチ領域を通過するときの無駄な燃料消費を抑制し
て、燃費低減を達成することができる内燃機関の燃料噴
射制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、内燃機関を理論空燃比に制御するスト
イキモード、及びリッチ空燃比に制御するリッチモード
の間で運転モードを切換可能な燃料噴射制御手段と、内
燃機関の出力を無段階に変速する無段変速機と、無段変
速機の変速過程で低回転高負荷のリッチモードの領域を
通過するときに、内燃機関の運転状態に応じてリッチモ
ードへの切換を禁止するモード切換禁止手段とを備えて
いる。従って、無段変速機の変速過程で低回転高負荷の
リッチ領域を通過するときには、リッチモードへの切換
が禁止されてストイキモードの継続により燃費向上が図
られる。
【0007】本発明は好適には、燃焼室内に燃料を直接
噴射する火花点火式内燃機関を理論空燃比に制御するス
トイキモード、上記理論空燃比より過濃側のリッチ空燃
比に制御するリッチモード、及び上記理論空燃比より希
薄側のリーン空燃比に制御するリーンモードの間で運転
モードを切換可能な燃料噴射制御手段と、上記内燃機関
の出力を無段階に変速する無段変速機と、上記無段変速
機の変速過程で低回転高負荷のリッチモードの領域を通
過するときに、上記内燃機関の運転状態に応じてリッチ
モードへの切換を禁止するモード切換禁止手段とを備え
たことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置として
具体化できる。リーン空燃比に基づく運転時には内燃機
関の発熱量が低いことから、このように構成すると、発
熱量に余裕がある運転状態が継続してストイキモードを
継続可能な機会が増加し、しかも、燃料噴射時期を自由
に設定可能なことから、燃料噴射を吸気行程と圧縮行程
に分割する所謂2段混合を実行して、耐ノック性をより
高めることが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を筒内噴射型ガソリ
ンエンジンの燃料噴射制御装置に具体化した一実施例を
説明する。図1の全体構成図において、1はエンジンで
あり、燃焼室2や吸気系等が筒内噴射専用に設計されて
いる。エンジン1のシリンダヘッド3には、各気筒毎に
点火プラグ4と共に電磁式の燃料噴射弁5が取り付けら
れており、図示しない燃料ポンプから供給された高圧燃
料が、燃料噴射弁5より燃焼室2内に直接噴射されるよ
うになっている。
【0009】シリンダヘッド3には吸気ポート6が略直
立方向に形成され、この吸気ポート6には吸気通路7が
接続されている。吸気通路7には吸入空気量を調整する
ためのスロットルバルブ8が設けられ、スロットルバル
ブ8はステッパモータ9により開閉駆動されるようにな
っている。吸気通路7から取入れられた吸入空気は、ス
ロットルバルブ8を経て吸気弁10の開弁に伴って吸気
ポート6から燃焼室2内に導入され、その吸入空気中に
燃料噴射弁5から燃料が噴射されて、点火プラグ4の点
火により燃焼する。
【0010】又、シリンダヘッド3には排気ポート15
が略水平方向に形成され、この排気ポート15には排気
通路16が接続されている。燃焼後の排ガスは、排気弁
17の開弁に伴って燃焼室2から排気ポート15、排気
通路16、及び図示しない触媒や消音器を経て大気中に
排出される。エンジン1にはベルト式のCVT21が組
み合わされ、エンジン1のクランクシャフト1aはCV
T21のトルクコンバータ22及びクラッチ23を介し
てプライマリプーリ24に接続されている。プライマリ
プーリ24は無端状ベルト25によりセカンダリプーリ
26と連結され、セカンダリプーリ26は2次減速機構
27及びデファレンシャルギア28を介して駆動輪29
に接続されている。CVT21のオイルポンプ30は伝
達機構31を介してエンジン1のクランクシャフト1a
にて回転駆動され、その作動油はソレノイド32の切換
に応じて前記プライマリプーリ24及びセカンダリプー
リ26に供給される。作動油の供給状態に応じて両プー
リ24,26の変速比が変更され、その結果、駆動輪2
9に伝達されるエンジントルクが調整される。
【0011】車室内には、図示しない入出力装置、制御
プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置
(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装置(C
PU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユ
ニット)41が設置されており、エンジン1及びCVT
21の総合的な制御を行う。ECU41の入力側には、
運転者によるアクセルペダルの操作量APSを検出する
アクセルセンサ42、エンジン1の回転速度Neを検出
するエンジン回転速度センサ43、エンジン1の冷却水
温Twを検出する水温センサ44、プライマリプーリ2
4の回転速度Npを検出するプライマリ回転速度センサ
45、セカンダリプーリ26の回転速度Nsを検出する
セカンダリ回転速度センサ46等の各種センサ類が接続
されて、それらの検出情報が入力されるようになってい
る。
【0012】ECU41の出力側には、前記した点火プ
ラグ4がイグナイタ51及び点火コイル52を介して接
続されると共に、燃料噴射弁5が接続されている。又、
ECU41の出力側には、ETV−CU(電子スロット
ルバルブ制御ユニット)53が接続され、ETV−CU
53の入力側にはスロットルバルブ8の開度θthを検出
するスロットルポジションセンサ54が接続され、出力
側には前記したステッパモータ9が接続されている。更
に、ECU41の出力側にはCVT21のソレノイド3
2が接続されている。
【0013】ECU41は、各センサからの検出情報に
基づいて以下に述べる各種制御を実行する。エンジン1
の燃料噴射制御に関しては、燃料噴射モード(後述する
ように、燃料噴射を行う行程を表す)及び燃料噴射時間
を決定して、燃料噴射弁5を駆動制御する。点火時期制
御に関しては、イグナイタ51により点火コイルの通電
状態を制御する。スロットル制御に関しては、目標スロ
ットル開度Tθthを決定してETV−CU53側に出力
し、その目標スロットル開度Tθthと実際のスロットル
開度θthに基づいてETV−CU53にステッパモータ
9を駆動制御させる。一方、CVT21の変速比制御に
関しては、ソレノイド32への駆動信号のデューティ率
を制御して、両プーリ24,26の変速比を変更する。
【0014】次に、以上のように構成されたECU41
による燃料噴射制御の実行状況を説明するが、それに先
立って燃料噴射モードの設定について説明する。前記し
た燃料噴射モードは、エンジン負荷を表す目標平均有効
圧Peとエンジン回転速度Neとから図2のマップに従っ
て決定する。図に示すように、目標平均有効圧Pe及び
エンジン回転速度Neが低い領域では圧縮行程噴射リー
ンモードに、それより目標平均有効圧Peとエンジン回
転速度Neが共に高くなるに従って、S−F/Bモー
ド、O/Lモードの順に切換えられる。圧縮行程噴射リ
ーンモードは、圧縮行程で燃料噴射してリーン域(実施
例では、A/F25〜40程度)で空燃比を制御する運
転モード、この圧縮行程噴射リーンモード以外は吸気行
程で燃料噴射する運転モードであって、S−F/Bモー
ドでは理論空燃比で、O/Lモードではリッチ域で空燃
比を制御する運転モードを示している。
【0015】例えば、アイドル運転時や低速走行時のよ
うにエンジン1が低負荷域にあるときには、燃料噴射モ
ードは圧縮行程噴射リーンモードとされて、圧縮行程に
おいて燃料噴射が実施される。一方、中高速走行時のよ
うにエンジン1が中高負荷域にあるときには、燃料噴射
モードはS−F/BモードやO/Lモードとされて、吸
気行程において燃料噴射が実施される。
【0016】又、このように燃料噴射時期を自由に設定
可能なことから、後述のように燃料噴射を吸気行程と圧
縮行程に分割する所謂2段混合を必要に応じて実行して
いる。この2段混合はスモークとノッキングの抑制を目
的としたものであり、吸気行程で予備的な燃料噴射を行
い、その後の圧縮行程で残りの燃料を噴射する。大半の
燃料が点火直前の圧縮行程で噴射されることから、自己
着火することなく燃焼が開始されてノッキングが抑制さ
れ、且つ、その燃焼の輝炎により、事前に吸気行程で生
成された希薄な混合気が燃焼し始めるため、輝炎が冷却
されたときのスモークの発生が防止される。
【0017】一方、ECU41は図3及び図4に示すメ
インルーチンを所定の制御インターバルで実行する。ま
ず、ECU41はステップS2で出力軸回転速度Nout
(即ち、セカンダリ回転速度Nsから減速比を考慮して
求めた車速)及びアクセル操作量APSに基づき、図5
に示すマップに従って駆動輪29に発生させるべき出力
軸トルクToutを決定する。図から明らかなように、ア
クセル操作量APSが大きく運転者の加速要求が高いと
きほど、大きな出力軸トルクToutが設定される。更
に、ステップS4で出力軸トルクToutに出力軸回転速
度Noutを乗算して出力軸馬力Poutに変換する。尚、実
際の出力軸馬力Poutは駆動系の伝達ロスを考慮する必
要があるが、便宜上、以下の説明では伝達ロスを0と仮
定している。
【0018】次いで、ステップS6でリーン許可フラグ
F1がセットされているか否かを判定する。このリーン
許可フラグF1はリーン運転の実行の可否を示す指標と
して、後述するリーン許可判定ルーチンで設定される。
判定がNO(否定)のときには、リーン運転不能として
ステップS8で図6に実線で示すストイキ用マップに従
って出力軸馬力Poutから目標プライマリ回転速度TNp
を決定し、判定がYES(肯定)のときには、リーン運
転可能としてステップS10で図6に破線で示すリーン
用マップに従って目標プライマリ回転速度TNpを決定
する。その後、ステップS12で目標プライマリ回転速
度TNpと実際のプライマリ回転速度Npとに基づいて駆
動信号のデューティ率を決定して、CVT21のソレノ
イド32に出力する。
【0019】図6から明らかなように、出力軸馬力Pou
tが所定以下の領域では、ストイキ用マップに比較して
リーン用マップ側ではより高い目標プライマリ回転速度
TNp(=エンジン回転速度Ne)が決定される。このマ
ップ設定はエンジン1の燃費特性を考慮したものであっ
て、リーン運転時にはストイキ運転時より若干高い回転
域で最小燃費が得られることから、それに合わせてエン
ジン回転速度Neを高めているのである。
【0020】その後、ECU41はステップS14で、
前記ステップS12で決定したソレノイド32のデュー
ティ率に所定の定数を乗算して、CVT21の変速比の
操作に要するイナーシャトルクTiを算出する。詳細は
説明しないが、このイナーシャトルクTiは、CVT2
1の変速操作時に生ずる車両の加減速Gを相殺するため
の補正値である。次いで、ステップS16で、前記した
出力軸馬力Poutを達成するためのエンジン1側の目標
軸出力P(出力軸馬力Poutから減速比を考慮して求め
た値)を現在のエンジン回転速度Neで除算して、必要
な基本エンジントルクTbaseを算出する。更に、ステッ
プS18でその基本エンジントルクTbaseに前記したイ
ナーシャトルクTiを加算して、目標エンジントルクTe
を算出する。
【0021】更に、ステップS20で図7に実線で示す
ストイキ用マップに従って、現在のエンジン回転速度N
eを前提としてストイキ運転時に実現可能な最大トルク
STmaxを決定すると共に、同様に図7に一点鎖線で示
すリッチ用マップに従って、O/Lモードでのリッチ運
転時に実現可能な最大トルクRTmaxを決定する。次い
で、ステップS22で、前記ステップS18で求めた目
標エンジントルクTeがストイキ運転時の最大トルクS
Tmaxを越えているか否かを判定し(Te>STmax)、
NOのときにはステップS24に移行する。ステップS
24で目標エンジントルクTeを目標平均有効圧Peに換
算し、その目標平均有効圧Peに基づいてエンジン1の
空燃比、スロットル開度θth、燃料噴射時期、点火時
期、図示しないEGRバルブの開度等を制御した後、こ
のルーチンを終了する。
【0022】又、ステップS22の判定がYESのとき
には、ステップS26で目標エンジントルクTeがリッ
チ運転時の最大トルクRTmaxに所定値αを加算した値
を越えているか否かを判定する(Te>RTmax+α)。
判定がYESのときには、リッチ運転を行っても目標エ
ンジントルクTeを実現不可能なことを意味するが、こ
の場合は最大のエンジントルクが得られるリッチ運転を
行う他はないため、ステップS28でリッチ運転時の最
大トルクRTmaxを目標エンジントルクTeとして設定す
ると共に、目標空燃比をリッチ側に設定し、前記ステッ
プS24に移行する。
【0023】更に、前記ステップS26の判定がNOの
ときには、目標エンジントルクTeがストイキ運転時の
最大トルクSTmaxからエンリッチ運転時の最大トルク
RTmax+αの範囲内にある状況を意味する。このとき
にはステップS30に移行して、ディレーフラグF2が
セットされているか否かを判定する。このディレーフラ
グF2は現在のエンジン1の耐ノック性を示す指標とし
て、後述するディレー判定ルーチンで設定される。ステ
ップS30の判定がNOのときには、耐ノック性が期待
できない運転状況にあると見なして、前記ステップS2
8を経てステップS24に移行する。
【0024】又、ステップS30の判定がYESのとき
には、耐ノック性が期待できる運転状況にあると見なし
てステップS32に移行する。そして、ストイキ運転時
の最大トルクSTmaxを目標エンジントルクTeとして設
定し、目標空燃比を理論空燃比に設定すると共に、燃料
噴射モードとして2段混合を設定し、前記ステップS2
4に移行する。
【0025】一方、ECU41は図8に示すリーン許可
判定ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。ま
ず、ECU41はステップS42で冷却水温Twが所定
値Tw0以下か否かを、ステップS44で前記した各種セ
ンサのフェール発生か否かを判定し、いずれかでYES
と判定したときには、ステップS46で前記したリーン
許可フラグF1をクリアした後、このルーチンを終了す
る。又、ステップS42及びステップS44のいずれも
NOと判定したときには、ステップS48でリーン許可
フラグF1をセットした後、このルーチンを終了する。
【0026】又、ECU41は図9に示すディレー判定
ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。まず、
ECU41はステップS52でディレーカウンタCが0
か否かを判定し、YESのときにはステップS54でデ
ィレーカウンタCをインクリメントした後にステップS
56に移行し、NOのときには直接ステップS56に移
行する。この処理はディレーカウンタCの下限を0にガ
ードするためものものである。
【0027】次いで、ステップS56で、現在のエンジ
ン1の目標平均有効圧Peが予め設定されたストイキ運
転時の最大値Pe0を越えているか否かを判定する。YE
SのときにはステップS58でディレーカウンタCをデ
クリメントし、ステップS60でディレーフラグF2を
クリアした後、このルーチンを終了する。一方、前記ス
テップS56の判定がNOのときには、ステップS62
でディレーカウンタCをインクリメントした後に、ステ
ップS64でディレーカウンタCが所定値C0に達した
か否かを判定し、NOのときには前記ステップS60に
移行する。又、ステップS64の判定がYESのときに
はステップS66でディレーフラグF2をセットすると
共に、ディレーカウンタCをデクリメントする。
【0028】即ち、目標平均有効圧Peがストイキ最大
値Pe0以下のときにはストイキ運転又はリーン運転が推
測され、この運転状態が所定値C0相当分継続した場合
には、エンジン1が比較的低温に保たれてその発熱量に
余裕がある状況が推測できる。ディレーフラグF2は、
エンジン1がこのような運転状態にあるときにセットさ
れる。
【0029】そして、本実施例では以上のステップS2
8及びステップS32の処理を実行するときのECU4
1が燃料噴射制御手段として機能し、ステップS52乃
至ステップS66、ステップS26及びステップS30
の処理を実行するときのECU41がモード切換禁止手
段として機能する。以上説明した処理により、リーン領
域から加速する場合には以下のように燃料噴射モードが
設定される。
【0030】アクセル操作が行われると、アクセル操作
量APSの増加に伴ってステップS2で出力軸トルクT
outが、ステップS4で出力軸馬力Poutがそれぞれ増加
設定されて、その出力軸馬力Poutに基づいてステップ
S18で目標エンジントルクTeが増加設定される。こ
の目標エンジントルクTeがリッチ運転時の最大トルク
RTmaxを多少越える程度の場合には(ステップS26
の判定がYES)、ディレーフラグF2のセットを条件
として、ステップS32でストイキ運転を継続可能と見
なす。
【0031】即ち、このときにはエンジン1の発熱量に
余裕があることから基本的にノッキングし難い運転状態
にあり、且つ、2段混合によるノッキングの抑制作用も
期待できるため、点火時期を進角させてストイキ運転に
よるトルク不足分を補い、運転者の要求に近い加速性を
実現することが可能である。そして、このように本来リ
ッチ運転を実行する領域でストイキ運転を継続すること
から、無駄な燃料消費を抑制して燃費低減を達成するこ
とができる。従って、このときの実質的なストイキ領域
は、図2に破線で示されるように高負荷側に拡大される
ことになる。
【0032】特に、本実施例のような筒内噴射型ガソリ
ンエンジン1では、発熱量が極めて低い超リーン運転が
行われるため、ディレーフラグF2がセットされる頻度
が格段に高められ、加速時にストイキモードを継続可能
な機会が増加する。加えて、通常の吸気マニホールド噴
射のエンジンでは、燃料中の高揮発成分が先に蒸発して
燃焼室内に移送される現象が生じてノッキングの要因に
なるが、筒内噴射型ガソリンエンジン1ではそのような
不具合が生じないため、根本的に耐ノック性が高く、よ
り大きな点火進角が可能である。よって、ストイキ領域
を更に高負荷側に拡大して、一層の燃費低減を達成する
ことができる。
【0033】尚、ステップS26で目標エンジントルク
Teと比較する判定値(RTmax+α)は、本来リッチ運
転すべき領域をどの範囲までストイキ運転で代替し得る
かの観点で、エンジン1の仕様等を考慮して定めるべき
である。上記した説明ではRTmax+αとしたが、少な
くともSTmaxより大きな値を判定値として設定すれ
ば、リッチ運転の領域がストイキ運転で代替されること
になるため、これを下限として任意に設定することが可
能である。
【0034】ところで、上記実施例では、ベルト式CV
T21と組み合わせた筒内噴射型ガソリンエンジン1の
制御装置に具体化したが、エンジンの型式やCVTの作
動原理等はこれに限定されることはなく、例えば、通常
の吸気マニホールド内に燃料噴射するエンジンの制御装
置に具体化してもよい。又、上記実施例では、アクセル
操作に伴う加速に起因してリッチ領域を通過する場合を
想定したが、要はCVT21の変速過程でリッチ領域を
通過する状況であれば、そのきっかけとなる要因は限定
されない。従って、例えばエアコン等の補機類が作動す
ることにより、CVT21の変速過程でリッチ領域を通
過する場合に、本実施例の制御を適用してもよい。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の内燃機関の
燃料噴射制御装置によれば、無段変速機の変速過程でリ
ッチ領域を通過するときの無駄な燃料消費を抑制して、
燃費低減を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の内燃機関の燃料噴射制御装置を示す全
体構成図である。
【図2】燃料噴射モードを決定するためのマップを示す
説明図である。
【図3】ECUが実行するメインルーチンを示すフロー
チャートである。
【図4】ECUが実行するメインルーチンを示すフロー
チャートである。
【図5】出力軸トルクToutを決定するためのマップを
示す説明図である。
【図6】目標プライマリ回転速度TNpを決定するため
のマップを示す説明図である。
【図7】最大トルクSTmax,RTmaxを決定するための
マップを示す説明図である。
【図8】ECUが実行するリーン許可判定ルーチンを示
すフローチャートである。
【図9】ECUが実行するディレー判定ルーチンを示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 21 CVT(無段変速機) 41 ECU(燃料噴射制御手段、モード切換禁止手
段)
フロントページの続き (72)発明者 栂井 一英 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 Fターム(参考) 3G093 AA06 AB00 BA19 CA07 CA08 CA10 CB08 EA04 EA13 FA10 FA11 FB01 FB05 3G301 HA01 HA13 HA16 JA02 KA09 KA10 KA11 KA24 KB10 LA00 LB04 LC04 MA01 NA08 NC04 NE11 NE13 NE14 NE15 NE16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関を理論空燃比に制御するストイ
    キモード、及び上記理論空燃比より過濃側のリッチ空燃
    比に制御するリッチモードの間で運転モードを切換可能
    な燃料噴射制御手段と、 上記内燃機関の出力を無段階に変速する無段変速機と、 上記無段変速機の変速過程で低回転高負荷のリッチモー
    ドの領域を通過するときに、リッチモードへの切換を禁
    止するモード切換禁止手段とを備えたことを特徴とする
    内燃機関の燃料噴射制御装置。
JP04978299A 1999-02-26 1999-02-26 内燃機関の燃料噴射制御装置 Expired - Fee Related JP3617610B2 (ja)

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