JP2000248189A - 減じられた粒径を有する直鎖状キナクリドン類を製造するための水性方法 - Google Patents

減じられた粒径を有する直鎖状キナクリドン類を製造するための水性方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改善された透明性およびレオロジー特性なら
びに優れた彩色性を提供するキナクリドン顔料を多量の
濃硫酸および有機溶媒を使用することなく製造し得る方
法を提供する。 【解決手段】 式 【化3】 (式中、AおよびBは、それぞれ独立して、H、F、C
l、C1〜C3アルキルおよびC1〜C3アルコキシから選
択される置換基を表す)のキナクリドンの製造方法であ
って、少なくとも1種の2,5−ジアリールアミノ−
3,6−ジヒドロテレフタル酸類を出発物質とした閉環
工程(ポリリン酸添加);と、該反応物のスルホン化工
程(濃硫酸添加)工程;と、該反応物の加水分解工程
(キナクリドンが実質的に不溶である液体に浸漬);
と、得られたキナクリドン顔料の回収工程;と、を含む
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直鎖状キナクリド
ン顔料を製造するための水性方法に関する。より具体的
には、本発明は、合成後のコンディショニング工程を要
しない、改善された流動学的性質および高い透明性を提
供する、減じられた粒径の顔料グレードのキナクリドン
類の直接合成法に関する。
【0002】
【従来の技術】キナクリドン類を製造するための基本的
方法は周知であり、たとえば、米国特許:第3,15
7,659号、第3,256,285号および第3,3
17,539号明細書に記載されている。同様に、「Qu
inacridones」 S. S. Labana etal., Chemical Review,
67, 1-18 (1967)を参照。米国特許第3,257,40
5号明細書には、ポリリン酸の存在下での2,5−ジア
ニロテレフタル酸前駆体またはそのアニリン置換誘導体
の熱誘導閉環を含む、キナクリドン類の製造法が記載さ
れている。そのような方法から得られる粗キナクリドン
類は、粒子形状、結晶構造および特に粒径を変化させて
キナクリドン類を顔料としての使用に適したものにする
ために、さらなる仕上げ工程に付さなければならない。
【0003】コーティーング組成物、特に塗料における
キナクリドン顔料の粒径を減じることは、より透明な
(不透明とは反対)仕上げにつながる。粒径はまた、顔
料の着色力やレオロジー特性にも影響する。粒径は、合
成の中でとられる工程または合成後処理(「コンディシ
ョニング」)によって制御することができる。合成の中
でキナクリドン粒径を制御する方法は、たとえば上記で
論じた米国特許第3,257,405号明細書に記載さ
れているように、水および/またはアルコール中での閉
環反応から生じるキナクリドン溶融体の浸漬を含むもの
であった。キナクリドン粒径を調整するもう一つの方法
は、たとえば米国特許第3,386,843号明細書に
て論じられているように、キナクリドンの単離の中で結
晶の成長を抑制する粒径増大阻害剤の添加を含んでい
る。また、閉環工程への特定のキナクリドン誘導体の添
加が報告されている。たとえば米国特許第5,368,
641号明細書は、結晶成長阻害剤としての種々のキナ
クリドン誘導体の添加を開示している。同様に、米国特
許第5,457,302号明細書を参照。米国特許第
5,755,873号明細書には、スルホニル含有キナ
クリドン添加物の前駆体(たとえば、2,5−ジアニリ
ノテレフタル酸のスルホニル含有誘導体、2,5−ジア
ニリノ−3,6−ジオキソ−1,4−シクロヘキサジエ
ン−1,4−ジカルボン酸のスルホニル含有誘導体およ
び/または2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテレ
フタル酸のスルホニル含有誘導体)の、環化工程への導
入が記載されている。これらの前駆体は、閉環工程の中
で対応するスルホニル含有キナクリドン結晶成長阻害剤
添加物に転換されるものとして記載されている。
【0004】合成後のコンディショニングは、従来、溶
媒処理および/または多量の無機塩の存在下での粗キナ
クリドンのボールミル粉砕、あるいは、ボールミル中で
予備粉砕したのち有機ペーストで均質化することを要す
る。米国特許第5,084,100号明細書には、結晶
化溶媒として作用する硫酸アルミニウムおよびジカルボ
ン酸のアルカンエステルの存在下での粗キナクリドンの
ボールミル粉砕が記載されている。ボールミル粉砕の
後、これらの溶媒は、顔料から除去されなければならな
い。コンディショニングのためのもう一つの手段は、粗
キナクリドンを多量の濃硫酸に溶解して溶液を形成した
のち、それを水に浸漬する酸ペースト化を含む。コンデ
ィショニングの中で粒径増大阻害剤が導入されてもよ
い。米国特許第4,455,173号明細書には、2−
フタルイミドメチルキナクリドン粒径増大阻害剤の存在
下でのキナクリドンの酸ペースト化またはボールミル粉
砕が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した方法が利用可
能であるにもかかわらず、改善された透明性およびレオ
ロジー特性ならびに優れた彩色性を提供するキナクリド
ン顔料に対するニーズが残っている。さらには、多量の
危険な濃縮酸、すなわち、環境的に好ましくない有機溶
媒の使用を要しないようなキナクリドン顔料を製造する
方法の必要性が残る。
【0006】
【課題を解決するための手段】要するに、本発明は、小
さな粒径を有し、合成されたままで顔料として使用する
のに適した直鎖状キナクリドン類を製造するための方法
であって、大過剰の濃縮酸(酸ペースト化の場合)、有
機溶媒処理、または粒径をさらに減じるための予備粉砕
の使用を含むさらなるコンディショニング工程を要しな
い、水ベースの方法に関する。具体的には、本発明の水
性方法は、(A)(a)非置換または置換された2,5
−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸;
および(b)成分(a)1重量部あたり約3〜約10重
量部のポリリン酸;を含有する反応混合物を約125℃
を超える温度に加熱して、溶融体を形成する工程;と、
(B)(A)から得られた溶融体を、成分(a)の重量
を基準にして約1〜約30重量%の濃硫酸により、一般
には約60℃〜約150℃で、一般には約5〜約60分
間処理して、反応混合物を形成する工程;と、(C)
(B)の反応混合物を、成分(a)の重量を基準にして
約10〜約30重量部の、キナクリドンが実質的に不溶
である液体に、約30℃〜約100℃で浸漬する工程;
と、(D)得られたキナクリドンを回収する工程と、を
含む。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、キナクリドン形
成の閉環、すなわち環化工程への顔料添加物(またはそ
の前駆体)の導入に頼らない。代わりに、環化工程から
得られる溶融体を少量の濃硫酸で処理する。この処理
が、「浸漬」および「回収」の中でのキナクリドン結晶
の成長を効果的に抑制し、顔料グレードキナクリドンの
直接合成を可能にすることがわかった。
【0008】式
【0009】
【化2】
【0010】(式中、AおよびBは、それぞれ独立し
て、H、F、Cl、C1〜C3アルキルおよびC1〜C3
ルコキシから選択される置換基を表す)の直鎖状キナク
リドン類の非置換および置換された誘導体が、2,5−
ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸を、
脱水剤、たとえばポリリン酸の存在下で加熱することに
よる、2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテ
レフタル酸の環化を介して製造される。この環化工程
は、粗キナクリドンを溶融体の形態で与える。
【0011】適当な2,5−ジアリールアミノ−3,6
−ジヒドロテレフタル酸は周知であり、たとえば、第一
級芳香族アミン類、たとえばアニリンから誘導されるも
の(たとえば2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテ
レフタル酸)、o−、m−およびp−トルイジンから誘
導されるもの(たとえば2,5−ジトルイジノ−3,6
−ジヒドロテレフタル酸)、ならびに種々のキシリジン
類、α−およびβ−ナフチルアミン、エチル、プロピル
およびブチルアニリン類およびアミン部分に付いた芳香
族性炭素構造を有する他の芳香族アミン類から誘導され
るもの;アルコキシ置換第一級芳香族アミン類、たとえ
ばo−、m−およびp−アニシジンから誘導されるも
の;ならびにハロゲン置換第一級芳香族アミン、たとえ
ばo−、m−およびp−クロロアニリン、p−ブロモア
ニリン、p−ヨードアニリン、p−フルオロアニリン、
ジクロロ−、ジブロモ−、ジヨードおよびジフルオロア
ニリンから誘導されるもの、およびトルイジン、キシリ
ジン、ナフチルアミンなどに対応するハロゲン置換誘導
体から誘導されるものを含む。このような2,5−ジア
リールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸は、対応
する非置換または置換されたキナクリドンを形成するた
めに個々に使用することもできるし、あるいは対応する
非置換および置換されたキナクリドンまたは2種以上の
置換されたキナクリドン類の固溶体または混合結晶を得
るために混合して使用することもできる。
【0012】少なくとも1種の非置換および/または置
換された2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸が、非置換または置換された2,5−ジア
ニリノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸、非置換または
置換された2,5−ジトルイジノ−3,6−ジヒドロテ
レフタル酸もしくはそれらの混合物であることが2,5
−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸と
して好ましい。
【0013】脱水剤、すなわち閉環剤は、好ましくは、
オルトリン酸(H3PO4)当量の少なくとも約105%
を供給するそのポリリン酸である。使用に適した市販の
ポリリン酸は、約83%P25のH3PO4当量または約
115%H3PO4の当量を有し、20℃で約2.060
の比重を有することができ、そして、たとえば、およ
そ、オルトリン酸5.7%、ピロリン酸21.4%、三
リン酸18.0%、四リン酸13.4%、五リン酸1
1.4%、六リン酸9.6%、七リン酸7.1%および
九リン酸以上のリン酸6.5%を含有することができ
る。オルトリン酸以外の酸を高い割合で含有し、したが
って、120%もの多さのH3PO4を分解する他のポリ
リン酸類もまた、本方法における使用に適している。こ
のような物質を通常のH3PO4(85%)で希釈して、
混合物のH3PO4含量を約105%から約115%の間
の所望の値に減じてもよい。ポリリン酸の酸メチルエス
テルの当量を脱水剤として使用してもよい。
【0014】ポリリン酸と2,5−ジアリールアミノ−
3,6−ジヒドロテレフタル酸反応体との重量比は、一
般には、約3:1〜約10:1であり、好ましくは約
4:1である。3,6−ジヒドロテレフタル酸反応体と
脱水/閉環剤とは、約120℃〜約160℃、好ましく
は約125℃〜約145℃、もっとも好ましくは約12
5℃〜約130℃の温度まで、いっしょに、加熱される
と、溶融体を形成する。
【0015】本発明によると、上述した環化工程から得
られた溶融体を、少量の濃硫酸(従来の定義によると、
U.S.P.92.5%以上の濃度を有するが、大部分
の市販形態では、約95%〜約98%の濃度を有してい
る)により、たとえば約5〜約60分間、好ましくは約
5〜約30分間、もっとも好ましくは約10〜約30分
間処理することにより、粉砕または溶媒処理なしで、減
じられた粒径を有する非置換および置換されたキナクリ
ドン誘導体を得ることができる。当量のアルキルスルホ
ン酸:RSO3H(Rはメチル、エチルなど)を使用し
てもよい。濃硫酸(98%濃度基準)は、2,5−ジア
リールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸の重量を
基準にして、約1〜約30重量%、好ましくは約5〜約
15重量%、もっとも好ましくは約1〜約10重量%の
量で溶融体に加える。これは、当量または、より一般的
には、過剰量の濃硫酸を使用する酸ペースト化とは対照
的である。
【0016】そして、硫酸で処理した溶融体を、3,6
−ジヒドロテレフタル酸の重量を基準にして約10〜約
30重量部、好ましくは約10〜約20重量部、もっと
も好ましくは約15〜約20重量部の、キナクリドンが
実質的に不溶である液体に漬ける。適当な浸漬液は、水
および/または有機溶媒、たとえば水と混和可能な有機
液体、たとえばC1〜C4脂肪族アルコール類(たとえば
メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセロ
ール、ジアセトンアルコール、ジエチレングリコー
ル);エステル類、ケトン類およびケトアルコール類、
たとえばアセトン、メチルエチルケトンおよびジアセト
ンアルコール;アミド類、たとえばジメチルホルムアミ
ドおよびジメチルアセトアミド;エーテル類、たとえば
テトラヒドロフランおよびジオキサン;アルキレングリ
コール類およびトリオール類、たとえばエチレングリコ
ールおよびグリセロール;脂肪族および芳香族炭化水
素、およびそれらの誘導体、ならびに当該技術分野で公
知の他の有機液体またはそれらの混合物;を含む。好ま
しくは、該有機溶媒は、アルコール類、エステル類、ケ
トン類、脂肪族および芳香族炭化水素、ならびにそれら
の誘導体から選択される。浸漬液として水の使用がもっ
とも好ましい。「浸漬」ののち、キナクリドン顔料は、
従来の手段によって、回収し、乾燥することができる。
キナクリドンを回収するための既知の方法は、たとえば
ろ過、遠心分離、マイクロフィルトレーションおよびデ
カンテーションを含む。
【0017】本方法を使用して合成することができる非
置換および置換されたキナクリドンは、たとえば、非置
換キナクリドン(「キナクリドン」)、2,9−ジクロ
ロキナクリドン、2,9−ジフルオロキナクリドン、
4,11−ジクロロキナクリドン、2,9−ジメチルキ
ナクリドンおよび2,9−ジメトキシキナクリドンを含
む。好ましくは、該キナクリドンは、非置換キナクリド
ン、2,9−ジメチルキナクリドンおよびキナクリドン
/2,9−ジメチルキナクリドン固溶体からなる群より
選択される。2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒ
ドロテレフタル酸反応体の混合物を使用することによ
り、本方法は、キナクリドン固溶体顔料、たとえばキナ
クリドン/2,9−ジクロロキナクリドン、キナクリド
ン/4,11−ジクロロキナクリドン、キナクリドン/
2,9−ジメチルキナクリドン、キナクリドン/2,9
−ジメトキシキナクリドン、または2,9−ジメチルキ
ナクリドン/2,9−ジメトキシキナクリドンの固溶体
顔料を生成するために用いることができる。すべての場
合で、合成は、さらなるコンディショニング工程なし
で、直接、顔料として使用するのに適した小粒径生成物
を生じさせる。
【0018】本発明の合成方法は、顔料グレードのキナ
クリドンを提供するが、場合によっては、該キナクリド
ンを合成後になおもコンディショニングして、顔料の特
性(たとえば、着色力、透明度)を調節してもよい。場
合によって実施するコンディショニング工程は、当該技
術分野で周知であるような粉砕、溶媒処理またはそれら
の組み合わせを含むことができる。適当な粉砕法は、添
加剤の存在もしくは非存在下で実施することができる乾
式粉砕(たとえば砂うす粉砕、ボールミル粉砕)、また
は水もしくは有機溶媒中、添加物の存在もしくは非存在
下での湿式粉砕(たとえばボールミル粉砕、ソルト・ニ
ーディング)を含むことができる。溶媒処理は、たとえ
ば本発明にしたがって形成された顔料の、適当な溶媒へ
の分散体を、場合によっては添加物の存在下で加熱する
ことによって実施することができる。適当な溶媒は、無
機溶媒、たとえば水、または有機溶媒、たとえばアルコ
ール類、エステル類、ケトン類、脂肪族および芳香族炭
化水素、ならびにそれらの誘導体を含む。「コンディシ
ョニング」の中に存在させ得る添加物は、たとえば、当
該技術分野で周知である分散剤または界面活性剤、なら
びに凝集防止剤またはレオロジー改善剤、たとえばフタ
ルイミドメチルキナクリドン、ピラゾイルメチルキナク
リドン、イミダゾイルメチルキナクリドン、キナクリド
ンスルホン酸およびそれらの塩、たとえばアルミニウム
塩または1,4−ジケト−3,6−ジフェニルピロール
〔3,4−c〕ピロールスルホン酸およびそれらの塩を
含む。このような凝集防止剤またはレオロジー改善剤
は、最終顔料生成物の重量を基準にして、好ましくは2
〜10重量%、もっとも好ましくは3〜8重量%の量で
加えられる。
【0019】顔料の所望の最終用途に依存して、質感改
善剤、たとえば炭素原子18個以上の脂肪酸、たとえば
ステアリン酸もしくはベヘン酸またはそれらのアミドも
しくは金属塩、好ましくはカルシウムもしくはマグネシ
ウム塩、ならびに可塑剤、ワックス、樹脂酸類、たとえ
ばアビエチン酸もしくはその金属塩、コロホニウム(co
lophonium)、アルキルフェノール類または脂肪族アル
コール類、たとえばステアリルアルコールもしくはビシ
ナルジオール類、たとえばドデカンジオール−1,2、
ならびに改質コロホニウム/マレエート(maleate)樹
脂もしくはフマル酸/コロホニウム樹脂またはポリマー
分散剤を加えることが有利であるかもしれない。このよ
うは質感改善剤は、最終顔料生成物の重量を基準にし
て、好ましくは0.1〜30重量%、もっとも好ましく
は2〜15重量%の量で加えられる。
【0020】本発明のキナクリドン顔料は、高分子量有
機材料(プラスチック)、ガラス、セラミック製品、化
粧品組成物、インク組成物、ならびに特にコーティーン
グ組成物および塗料に色を付与するための使用に適して
いる。一般に、顔料は、効果的な着色量、たとえば着色
される高分子量有機材料の重量を基準にして、たとえば
0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%
で使用される。本発明のキナクリドン顔料はまた、透明
且つ隠ぺい性の湿潤、着色、効果的且つ黒色の顔料、お
よび透明で着色、効果的且つ黒色の光沢顔料(すなわ
ち、金属酸化物被覆雲母に基づくもの)、ならびに金属
顔料、小板形状の酸化鉄、黒鉛、硫化モリブデンおよび
小板形状の有機顔料とともに混合した状態で、そのよう
な目的に利用することができる。
【0021】本発明の塗料またはコーティーング組成物
は、上記キナクリドン顔料に混和された膜形成性ビヒク
ルを含むことができる。本発明のコーティーング組成物
の膜形成性ビヒクルは、特に限定的ではなく、本発明の
コーティーング組成物の使用目的に応じて、いかなる従
来の樹脂を使用してもよい。適当な膜形成性ビヒクル樹
脂の例は、合成樹脂、たとえばアクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂と酢酸酪酸セルロース(CA
B)との樹脂混合物、CAB−グラフトアクリル樹脂、
アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ−改質アルキド樹
脂、フェノール樹脂など、ならびに種々の天然樹脂およ
びセルロース誘導体を含む。これらの膜形成性ビヒクル
樹脂は、必要に応じて、単独で使用することもできる
し、2種以上の組み合わせとして使用することもでき
る。必要ならば、上記に挙げた膜形成性ビヒクル樹脂
は、硬化剤、たとえばメラミン樹脂、イソシアネート化
合物、ブロック構造をもつイソシアネート化合物、ポリ
アミン化合物などと組み合わせて使用される。
【0022】上述した膜形成性ビヒクル樹脂に加えて、
場合によっては、有彩色金属フレーク顔料や他のタイプ
の色付き顔料を該組成物に加えてもよい。本発明のコー
ティーング組成物は、必要に応じて、コーティーング組
成物に従来から使用されている種々の添加剤、たとえば
表面コンディショニング剤、フィラー、ドライヤー、可
塑剤、光安定剤、酸化防止剤などと混和し得る。
【0023】本発明のコーティーング組成物の形態は、
特に限定的ではなく、有機溶媒溶液、水溶液、粉末およ
びエマルションを含む。本発明のコーティーング組成物
の膜形成方法は、特に制限なく、室温での乾燥、ベーキ
ングによる硬化および紫外線もしくは電子ビームの照射
による硬化によって実施することができる。
【0024】本発明のコーティーング組成物が有機溶媒
溶液の形態であるとき、それに適した溶媒は、特に限定
的ではなく、溶液タイプのコーティーング組成物に従来
から使用されている有機溶媒を含む。適当な有機溶媒の
例は、芳香族炭化水素溶媒、たとえばトルエン、キシレ
ンなど;オレフィン化合物;シクロオレフィン化合物;
ナフサ類;アルコール類、たとえばメチル、エチル、イ
ソプロピルおよびn−ブチルアルコール;ケトン類、た
とえばメチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケト
ン;エステル類、たとえば酢酸エチルおよび酢酸ブチ
ル;塩素化炭化水素化合物、たとえば塩化メチレンおよ
びトリクロロエチレン;グリコールエーテル類、たとえ
ばエチレングリコールモノエチルエーテルおよびエチレ
ングリコールモノブチルエーテル;グリコールモノエー
テルモノエステル類、たとえばエチレングリコールモノ
エチルエーテルアセテートおよびエチレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテートなどを含む。
【0025】本発明のコーティーング組成物は、それぞ
れのタイプの従来のコーティーング組成物の製造に使用
されるいかなる方法によっても製造することができる。
本発明のコーティーング組成物は、特に制限なく、たと
えば金属、木材、プラスチック、ガラス、セラミックな
どを含むいかなる基材にも適用することができる。コー
ティーング方法もまた、特に限定的ではなく、たとえば
エア・スプレー・コーティーング、エアレス・コーティ
ーング、静電コーティーング、ローラコータ・コーティ
ーングなどを含む従来のコーティーング法のいずれで実
施してもよい。コーティーング作業は、コーティーング
される物品の使用目的に応じて、1コート法、2コート
法などを使用して適用することができる。
【0026】本発明のインク組成物は、膜形成性材料
と、上述したキナクリドン顔料を含む着色剤とを含む。
特に制限なく、従来のインク組成物を形成するために使
用されるすべての膜形成性材料を使用して、本発明のイ
ンク組成物を形成することができる。このような目的に
適した膜形成性材料の例は、たとえば、合成樹脂、たと
えばフェノール樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、
アクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂およびポリ塩
化ビニル樹脂;天然樹脂、たとえばギルソナイト(Gils
onite)、セルロース誘導体;ならびに植物油、たとえ
ばあまに油、桐油および大豆油を含む。場合によって
は、そのような膜形成性材料の2種以上を、インク組成
物の使用目的に応じて組み合わせて使用してもよい。
【0027】上述の膜形成性材料に加えて、場合によっ
ては、必要に応じて、有彩色金属フレーク顔料や他の有
色顔料を加えてもよい。本発明のインク組成物は、必要
に応じて、インク組成物に従来から使用されている種々
の添加剤、たとえばワックス、可塑剤、分散剤などを混
和し得る。さらには、本発明インク組成物の形態は特に
限定的ではなく、有機溶媒溶液、水溶液および水性エマ
ルションを含む。
【0028】本発明のインク組成物が有機溶媒溶液の形
態にあるとき、特に制限なく、従来の溶液タイプのイン
ク組成物で使用されているものから選択されるような種
々の有機溶媒をそのために使用することができる。適当
な有機溶媒の例は、たとえば、芳香族炭化水素溶媒、た
とえばトルエンおよびキシレン;オレフィン化合物;シ
クロオレフィン化合物;ナフサ類;アルコール類、たと
えばメチル、エチル、イソプロピルおよびn−ブチルア
ルコール;ケトン類、たとえばメチルエチルケトンおよ
びメチルイソブチルケトン;エステル類、たとえば酢酸
エチルおよび酪酸ブチル:塩素化炭化水素化合物、たと
えば塩化メチレンおよびトリクロロエチレングリコー
ル;エーテル類、たとえばエチレングリコールモノエチ
ルエーテルおよびエチレングリコールモノブチルエーテ
ル;グリコールモノエーテルモノエステル類、たとえば
エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートおよ
びエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートな
どを含む。
【0029】本発明のインク組成物は、それぞれのタイ
プの従来のインク組成物を形成するための従来技術の製
造に使用されるいかなる方法によっても製造することが
できる。本発明のインク組成物は、いかなる従来の手段
での印刷作業、たとえばスクリーン印刷、グラビア印
刷、ブロンズ印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷およ
びインクジェット印刷に使用することができる。
【0030】本発明による着色された高分子量材料(1
5〜107g/mol以上の重量平均分子量(MW)を有す
る)または成形材料は、着色剤として、上述したキナク
リドン顔料を含有する。本発明の成形化合物の主要成分
を構成するプラスチック樹脂は特に限定的ではなく、成
形物品を成形するための従来技術で従来から使用されて
いるいかなるプラスチック樹脂を使用することもでき
る。そのようなプラスチック樹脂の例は、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、フェノール樹
脂、ポリアミド樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、メ
ラミン樹脂などを含む。
【0031】場合によっては、本発明の成形化合物のプ
ラスチック樹脂を、有彩色金属フレーク顔料および/ま
たは他のタイプの他の有色顔料と混和して、審美的な着
色効果をさらに高めることができる。本発明のプラスチ
ック樹脂の成形化合物はまた、場合によっては、従来技
術のプラスチック樹脂ベースの成形化合物にて従来から
使用されている種々のフィラーや他の添加剤を含むこと
ができる。本発明の成形化合物から、既知の方法、たと
えば押出し成形や射出成形によって種々の形態の成形物
を製造することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するため、
例を記載する。これらの例は、本発明の範囲をいかなる
ふうにも限定するものではない。以下の例において、回
折角は、RIGAKU GEIGERFLEXディフラクトメーター、タ
イプ:D/Maxll v BXで計測した。
【0033】例1 (A)閉環 2,5−ジアニリノテレフタル酸100gを、攪拌しな
がら、80〜90℃で、115〜119%P25を含有
するポリリン酸400gに導入し、この混合物を125
℃で1時間加熱した。その間に、閉環が起こって、対応
するキナクリドンが形成された。
【0034】(B)スルホン化工程 濃硫酸(98%)1gを(A)の反応混合物に加え、得
られたスラリーを125℃で0.5時間加熱した。
【0035】(C)加水分解 次に、(B)の反応混合物を、激しく攪拌しながら、6
0℃の水1000gに浸漬した。この工程で、温度が8
0℃に上昇した。該混合物を、60〜80℃で0.5〜
1時間攪拌したのち、粗顔料をろ別し、中性になるまで
洗浄した。
【0036】非常に小さな粒径を有する純度98%の粗
キナクリドン(α相)560gを得た。得られたα相キ
ナクリドン顔料は、6.037(β1/2=1.26
1)、14.013、25.87、27.19、27の
回折角を示した。1.261という高いβ1/2値は、
合成生成物が小さな粒径を有していることを示してい
る。
【0037】例2 (A)閉環 2,5−ジアニリノテレフタル酸100gを、攪拌しな
がら、80〜90℃で、115〜119%P25を含有
するポリリン酸400gに導入し、この混合物を、12
5℃で1時間加熱した。その間に、閉環が起こって、対
応するキナクリドンが形成された。
【0038】(B)スルホン化工程 濃硫酸1.5gを(A)の反応混合物に加え、得られた
スラリーを125℃で0.5時間加熱した。
【0039】(C)加水分解 次に、(B)の反応混合物を、激しく攪拌しながら、6
0℃の水1500gに浸漬した。この工程で、温度が7
5℃に上昇した。該混合物を、60〜75℃で0.5〜
1時間攪拌したのち、粗顔料をろ別し、中性になるまで
洗浄した。
【0040】非常に小さな粒径を有する純度98%の粗
キナクリドン(α相)558gを得た。得られたα相キ
ナクリドン顔料は、6.037(β1/2=1.3
2)、14.013、25.87、27.19、27.
185の回折角を示した。1.32という高いβ1/2
値は、合成生成物が小さな粒径を有していることを示し
ている。
【0041】例3 (A)閉環 2,5−ジアニリノテレフタル酸100gを、攪拌しな
がら、80〜90℃で、115〜119%P25を含有
するポリリン酸400gに導入し、この混合物を125
℃で1時間加熱した。その間に、閉環が起こって、対応
するキナクリドンが形成された。
【0042】(B)スルホン化工程 濃硫酸2gを(A)の反応混合物に加え、得られたスラ
リーを125℃で0.5時間加熱した。
【0043】(C)加水分解 次に、(B)の反応混合物を、激しく攪拌しながら、6
0℃の水2000gに浸漬した。この工程で、温度が7
0℃に上昇した。該混合物を60〜70℃で0.5〜1
時間攪拌したのち、粗顔料をろ別し、中性になるまで洗
浄した。
【0044】非常に小さな粒径を有する純度98%の粗
キナクリドン(α相)558gを得た。このα相キナク
リドン顔料は、6.037(β1/2=1.41)、1
4.013、25.87、27.19、27.185の
回折角を示した。1.41という高いβ1/2値は、合
成生成物が小さな粒径を有していることを示している。
【0045】例4 (A)閉環 2,5−ジアニリノテレフタル酸100gを、攪拌しな
がら、80〜90℃で、115〜119%P25を含有
するポリリン酸400gに導入し、この混合物を125
℃で1時間加熱した。その間に、閉環が起こって、対応
するキナクリドンが形成された。
【0046】(B)スルホン化工程 濃硫酸10gを(A)の反応混合物に加え、得られたス
ラリーを125℃で5分間加熱した。
【0047】(C)加水分解 次に、(B)の反応混合物を、激しく攪拌しながら、6
0℃の水2000gに浸漬した。この工程で、温度が7
0℃に上昇した。該混合物を60〜70℃で0.5〜1
時間攪拌したのち、粗顔料をろ別し、中性になるまで洗
浄した。
【0048】非常に小さな粒径を有する純度98%の粗
キナクリドン(α相)558gを得た。このα相キナク
リドン顔料は、6.037(β1/2=1.38)、1
4.013、25.87、27.19、27.185の
回折角を示した。1.38という高いβ1/2値は、合
成生成物が小さな粒径を有していることを示している。
【0049】例5 (A)閉環 2,5−ジアニリノテレフタル酸100gを、攪拌しな
がら、80〜90℃で、115〜119%P25を含有
するポリリン酸400gに導入し、この混合物を125
℃で1時間加熱した。その間に、閉環が起こって、対応
するキナクリドンが形成された。
【0050】(B)スルホン化工程 濃硫酸5gを(A)の反応混合物に加え、得られたスラ
リーを125℃で5分間加熱した。
【0051】(C)加水分解 次に、(B)の反応混合物を、激しく攪拌しながら、6
0℃の水1000gに浸漬した。この工程で、温度が8
0℃に上昇した。該混合物を60〜80℃で0.5〜1
時間攪拌したのち、粗顔料をろ別し、中性になるまで洗
浄した。
【0052】非常に小さな粒径を有する純度98%の粗
キナクリドン(α相)558gを得た。このα相キナク
リドン顔料は、6.037(β1/2=1.48)、1
4.013、25.87、27.19、27.185の
回折角を示した。1.48という高いβ1/2値は、合
成生成物が小さな粒径を有していることを示している。
【0053】例6 (A)閉環 2,5−ジ(トルイジノ)テレフタル酸100gを、攪
拌しながら、80〜90℃で、115%P25を含有す
るポリリン酸400gに導入し、この混合物を125℃
で1時間加熱した。その間に、閉環が起こって、対応す
るキナクリドンが形成された。
【0054】(B)スルホン化工程 濃硫酸1gを(A)の反応混合物に加えた。得られたス
ラリーを125℃で0.5時間撹拌した。
【0055】(C)加水分解 次に、(B)の反応混合物を、激しく攪拌しながら、6
0〜80℃の水2000gに浸漬した。この工程で、温
度が70℃に上昇した。該混合物を60〜70℃で1時
間攪拌したのち、粗生成物をろ別し、中性になるまで温
水(60℃)で洗浄した。該湿潤プレスケーキは、乾燥
させることもできるし、また特定の用途のためのもので
あるとして使用することもできる。2,9−ジメチルキ
ナクリドン生成物をマゼンタ色の顔料として得た。この
顔料は、5.39(β1/2=1.191)、10.6
8、14.05、26.89の回折角を示した。1.2
61という高いβ1/2値は、合成生成物が小さな粒径
を有していることを示している。
【0056】例7 (A)閉環 2,5−ジ(トルイジノ)テレフタル酸100gを、攪
拌しながら、80〜90℃で、115%P25を含有す
るポリリン酸400gに導入し、この混合物を125℃
で1時間加熱した。その間に、閉環が起こって、対応す
るキナクリドンが形成された。
【0057】(B)スルホン化工程 濃硫酸10gを(A)の反応混合物に加えた。得られた
スラリーを125℃で0.5時間撹拌した。
【0058】(C)加水分解 次に、(B)の反応混合物を、激しく攪拌しながら、6
0〜80℃の水2000gに浸漬した。この工程で、温
度が70℃に上昇した。該混合物を60〜70℃で1時
間攪拌したのち、粗生成物をろ別し、中性になるまで温
水(60℃)で洗浄した。得られた湿潤プレスケーキ
は、乾燥させることもできるし、また特定の用途のため
のものであるとして使用することもできる。2,9−ジ
メチルキナクリドン生成物をマゼンタ色の顔料として得
た。この顔料は、5.39(β1/2=1.23)、1
0.68、14.05、26.89の回折角を示した。
1.23という高いβ1/2値は、合成生成物が小さな
粒径を有していることを示している。
【0059】例8 (A)閉環 2,5−ジアニリノテレフタル酸30gおよび2,5−
ジ(トルイジノ)テレフタル酸30gを、攪拌しなが
ら、70〜80℃で、115%P25を含有するポリリ
ン酸300gに導入し、この混合物を125℃で2時間
加熱した。その間に、閉環が起こって、対応するキナク
リドン類の固溶体が形成された。
【0060】(B)スルホン化工程 濃硫酸1gを(A)の反応混合物に加えた。得られたス
ラリーを90℃で5分間撹拌した。
【0061】(C)加水分解 次に、(B)の反応混合物を、激しく攪拌しながら、6
0〜80℃の水2000gに浸漬した。この工程で、温
度が70℃に上昇した。混合物を60〜70℃で1時間
攪拌したのち、粗生成物をろ別し、中性になるまで温水
(60℃)で洗浄した。得られた湿潤プレスケークは、
乾燥させることもできるし、また特定の用途のためのも
のであるとして使用することもできる。キナクリドン/
2,9−ジメチルキナクリドン生成物の固溶体をマゼン
タ色の顔料として得た。この顔料は、1.211のβ1
/2値を示し、これは、合成生成物が小さな粒径を有し
ていることを示している。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 (式中、AおよびBは、それぞれ独立して、H、F、C
    l、C1〜C3アルキルおよびC1〜C3アルコキシから選
    択される置換基を表す)のキナクリドンの製造方法であ
    って、 (A)(a)少なくとも1種の非置換および/または置
    換された2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロ
    テレフタル酸;および(b)成分(a)1重量部あたり
    約3〜約10重量部のポリリン酸;を含有する反応混合
    物を約125℃を超える温度に加熱して、キナクリドン
    溶融体を形成する工程;と、 (B)(A)から得られたキナクリドン溶融体を、成分
    (a)の重量を基準にして約1重量%〜約30重量%の
    濃硫酸によって処理して、反応混合物を形成する工程;
    と、 (C)(B)の反応混合物を、キナクリドンが実質的に
    不溶である液体に浸漬する工程;と、 (D)得られたキナクリドン顔料を回収する工程;と、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 該(a)少なくとも1種の非置換および
    /または置換された2,5−ジアリールアミノ−3,6
    −ジヒドロテレフタル酸が、非置換または置換された
    2,5−ジアニリノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸、
    非置換または置換された2,5−ジトルイジノ−3,6
    −ジヒドロテレフタル酸、あるいはそれらの混合物であ
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 該キナクリドンが、非置換キナクリド
    ン、2,9−ジクロロキナクリドン、2,9−ジフルオ
    ロキナクリドン、4,11−ジクロロキナクリドン、
    2,9−ジメチルキナクリドンおよび2,9−ジメトキ
    シキナクリドンからなる群より選択される、請求項1記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 該キナクリドンが、キナクリドン/2,
    9−ジクロロキナクリドン、キナクリドン/4,11−
    ジクロロキナクリドン、キナクリドン/2,9−ジメチ
    ルキナクリドン、キナクリドン/2,9−ジメトキシキ
    ナクリドンまたは2,9−ジメチルキナクリドン/2,
    9−ジメトキシキナクリドン固溶体からなる群より選択
    されるキナクリドン固溶体である、請求項1記載の方
    法。
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