JP2000240800A - パッキング - Google Patents

パッキング

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JP2000240800A
JP2000240800A JP11039643A JP3964399A JP2000240800A JP 2000240800 A JP2000240800 A JP 2000240800A JP 11039643 A JP11039643 A JP 11039643A JP 3964399 A JP3964399 A JP 3964399A JP 2000240800 A JP2000240800 A JP 2000240800A
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pressure receiving
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Tsutomu Masuda
強 増田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体圧力が加わらない状態から、大きな流体
圧力が加わる状態まで、容易に気密状態を保つことがで
きるとともに、パッキングの締付力を低減することによ
り蓋体等の開閉作業を容易行うことができるパッキング
を提供する。 【解決手段】 蓋体に当接するとともに、蓋体側に屈曲
した第1屈曲部14が周面に沿って形成された第1シー
ル面12と、容器本体に当接するとともに、容器本体側
に屈曲した第2屈曲部15が周面に沿って形成された第
2シール面13と、流体圧力が加わったとき、第1シー
ル面12の第1屈曲部14を蓋体3側に付勢する第1受
圧面19と、流体圧力が加わったとき、第2シール面1
3の第2屈曲部15を容器本体2側に付勢する第2受圧
面20とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パッキングに関す
るものであり、特に、容器や配管の内外において圧力差
が大きい場合であっても、容易に気密状態を維持するこ
とができるパッキングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、蓋体によって容器の開口
を閉じ、容器を密封状態にすることが多くの分野で行わ
れている。具体的には、蓋体の内周面に形成された雌ね
じ部を、容器本体に形成された筒状の雄ねじ部に螺着さ
せることにより、蓋体を容器本体に締結させている。ま
た、容器の密封状態を高めるため、蓋体の底面と容器本
体の開口周辺との間に、Oリング等のパッキングを介装
している。このパッキングは、ゴムや軟質樹脂から成形
されており、蓋体が容器本体に締結されたとき締結力に
より弾性変形する。そして、パッキングのもつ復元力に
より容器本体と蓋体との間の気密性を高めている。
【0003】ところで、容器内の圧力は、無圧、すなわ
ち容器内の圧力と周囲の圧力(例えば、大気圧)とが等
しい場合もあれば、容器内の流体の温度が変化して圧力
が変動する場合や、例えば水道圧等の流体の圧力により
高圧状態となる場合もある。そして、容器内の圧力が高
圧状態でも密封状態を維持できるように、蓋体を容器本
体に取付けるに際しては、工具等を使用して強固に締結
させている。つまり、パッキングに大きな力を加えるこ
とで、パッキングを大きく弾性変形させ、パッキングの
もつ復元力を高めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のもので
は、2つの部材(例えば蓋体及び容器本体)を締結させ
る際、強固に締めつけなければならないため、専用の工
具等が必要であり、作業性が悪かった。また、パッキン
グを大きな力で締めつけて弾性変形させるため、パッキ
ングの劣化が激しいとともに、締結された状態が長期に
わたって続くと、パッキングが変形したまま元の形に戻
らない場合も生じた。特に、容器内や配管内の圧力が高
圧状態である場合には、流体の圧力によりパッキングの
変形が助長された。そして、このように、パッキングが
変形したまま元の形に戻らない場合には、固着された状
態となり、例えば蓋体を開きたい場合であっても、締結
状態を緩めることが容易にできなかった。
【0005】そこで、本発明は、無圧の状態から、大き
な流体圧力が加わる状態まで、あらゆる状態においても
容易に気密状態を維持することができるとともに、パッ
キングの締付力を低減することにより蓋体等の開閉作業
を容易に行うことができるパッキングの提供を課題とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
パッキングは、第1被気密部材と第2被気密部材との間
に配設されるパッキングであって、前記第1被気密部材
に当接するとともに、前記第1被気密部材側に屈曲し突
出する先薄板状の第1屈曲部を周面に沿って有する第1
シール面と、前記第2被気密部材に当接するとともに、
前記第2被気密部材側に屈曲し突出する先薄板状の第2
屈曲部を周面に沿って有する第2シール面と、流体圧力
が加わったとき、前記第1シール面の前記第1屈曲部を
前記第1被気密部材側に付勢する第1受圧面と、流体圧
力が加わったとき、前記第2シール面の前記第2屈曲部
を前記第2被気密部材側に付勢する第2受圧面とを備え
るものである。
【0007】ここで、「パッキング」は、ゴムや軟質樹
脂から成形され、締付力により弾性変形するものであ
る。パッキングの形状は特に限定されるものではなく、
例えば環状、またはコ字状であっても構わない。「第1
被気密部材」及び「第2被気密部材」は、パッキングを
挟んだ状態で互いに締結させる部材であり、例えば、容
器本体と蓋体、あるいは2つの配管部材等が挙げられ
る。「第1シール面」及び「第2シール面」は、第1被
気密部材及び第2被気密部材と当接する面であり、第1
被気密部材と第2被気密部材とが並行状態に配設される
ものでは、2つのシール面は互いに並行となり、第1被
気密部材と第2被気密部材とが垂直状態に配設されるも
のでは、2つのシール面は互いに垂直となる。また、
「第1受圧面」及び「第2受圧面」は、周面に沿って形
成されており、周面が円形であれば各受圧面は円環状と
なり、周面がコ字状であれば各受圧面はコ字状となる。
【0008】したがって、請求項1の発明のパッキング
によれば、第1被気密部材及び第2被気密部材を、それ
ぞれパッキングの第1シール面及び第2シール面に当接
させた状態で締結させると、各シール面に形成された第
1屈曲部及び第2屈曲部が押圧されパッキングは弾性変
形する。このとき、パッキングは、パッキング自身の復
元力により第1被気密部材及び第2被気密部材を付勢す
るため、パッキングと各被気密部材との気密状態が確保
される。
【0009】また、例えば、容器本体内が高圧状態の場
合等、パッキングに流体圧力が作用すると、第1受圧面
及び第2受圧面に流体圧力が加わり、第1受圧面は第1
屈曲部を第1被気密部材の方向へ付勢し、第2受圧面は
第2屈曲部を第2被気密部材の方向へ付勢する。このと
き、パッキングに加わる流体圧力が大きい程、この付勢
力は大きくなる。そして、それぞれのシール面を、対応
する被気密部材側に付勢することにより、パッキングと
各被気密部材との気密性が向上する。つまり、パッキン
グの締付力が、無圧状態のときに気密状態が確保される
最低限の締付力であっても、高圧状態のときには流体圧
力の作用により気密性が向上するため、高圧状態におい
ても被気密部材間の気密状態が維持される。
【0010】請求項2の発明にかかるパッキングは、請
求項1に記載のパッキングにおいて、前記第1屈曲部及
び前記第2屈曲部は、断面が湾曲形状である。
【0011】したがって、請求項2の発明のパッキング
によれば、請求項1の発明のパッキングの作用に加え、
パッキングが弾性変形する際、湾曲している第1屈曲部
及び第2屈曲部が平らな面となる。つまり、各屈曲部が
吸盤として作用するため、それぞれの被気密部材との密
着性が高められる。
【0012】請求項3の発明にかかるパッキングは、請
求項1または請求項2のいずれかに記載のパッキングに
おいて、環状のパッキングであって、前記第1シール面
が表面側に形成され、前記第2シール面が裏面側に形成
され、前記第1屈曲部、前記第2屈曲部、前記第1受圧
面、及び前記第2受圧面が、内周面に沿って形成された
ものである。ここで、「パッキング」は、円形や楕円形
等の環状体であっても、多角形(例えば4角形)の環状
体であってもよい。
【0013】したがって、請求項3の発明のパッキング
によれば、請求項1または請求項2の発明のパッキング
の作用に加え、パッキングの表面側に第1シール面が形
成され、裏面側に第2シール面が形成され、各シール面
に第1被気密部材と第2被気密部材とが圧接されてい
る。この状態において、容器内や配管内の圧力が高くな
ると、内周面側に流体圧力が加わる。内周面に沿って形
成された第1受圧面及び第2受圧面は、流体圧力を受
け、第1受圧面は第1屈曲部を第1被気密部材の方向に
付勢し、第2受圧面は第2屈曲部を第2被気密部材の方
向に付勢する。
【0014】請求項4の発明にかかるパッキングは、請
求項1または請求項2のいずれかに記載のパッキングに
おいて、環状または板状のパッキングであって、前記第
1シール面が表面側に形成され、前記第2シール面が裏
面側に形成され、前記第1屈曲部、前記第2屈曲部、前
記第1受圧面、及び前記第2受圧面が、外周面に沿って
形成されたものである。ここで、「パッキング」は、円
形または多角形の環状体であっても、あるいは円板体で
あってもよい。
【0015】したがって、請求項4の発明のパッキング
によれば、請求項1または請求項2の発明のパッキング
の作用に加え、パッキングの表面側に第1シール面が形
成され、裏面側に第2シール面が形成され、この各シー
ル面にそれぞれ第1被気密部材及び第2被気密部材が圧
接されている。この状態において、外部の圧力が高くな
ると、外周面側に流体圧力が加わる。外周面に沿って形
成された第1受圧面及び第2受圧面は、流体圧力を受
け、第1受圧面は第1屈曲部を第1被気密部材の方向に
付勢し、第2受圧面は第2屈曲部を第2被気密部材の方
向に付勢する。
【0016】請求項5の発明にかかるパッキングは、請
求項3または請求項4のいずれかに記載のパッキングに
おいて、前記第1受圧面及び前記第2受圧面は、周面に
開放する環状の凹部により形成されるものである。
【0017】ここで、「凹部」の断面形状は、V字型で
あってもU字型であっても構わない。このように、凹部
を形成することにより、表面及び裏面に形成された第1
屈曲部及び第2屈曲部にそれぞれ対応して第1受圧面及
び第2受圧面が形成される。つまり、凹部の壁面が各受
圧面となる。
【0018】したがって、請求項5の発明のパッキング
によれば、請求項3または請求項4の発明のパッキング
の作用に加え、凹部が形成されている周面は、凹部によ
り表面側と裏面側とに2分されているため、凹部内の圧
力が高まると、2分された内周面または外周面はそれぞ
れ凹部を境として外方向に変位するように作用する。と
ころが、パッキングの表面及び裏面は、それぞれ第1被
気密部材及び第2被気密部材に当接しているため、パッ
キングの第1屈曲部及び第2屈曲部は変位することなく
各被気密部材を付勢する。したがって、これにより各シ
ール面と被気密部材との気密性が向上する。
【0019】請求項6の発明にかかるパッキングは、請
求項5に記載のパッキングにおいて、高さ方向の弾性変
形を所定の範囲に制限する変形抑制部材を備えるもので
ある。
【0020】ここで、「変形抑制部材」は、第1被気密
部材を第2被気密部材に締結する際、締結力によって変
形しない材質、例えば金属等で成形されている。なお、
この変形抑制部材は、第1被気密部材または第2被気密
部材と一体で形成することも可能である。
【0021】したがって、請求項6の発明のパッキング
によれば、請求項5の発明のパッキングの作用に加え、
第1被気密部材に第2被気密部材を締結させる際に、パ
ッキングに対して必要以上に大きな締付力が加えられて
も、パッキングの高さ方向の変形が所定の範囲内に抑え
られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
パッキングについて図1乃至3図に基づき説明する。図
1は本発明の一実施形態であるパッキング付密封容器を
示す断面図であり、図2は図1のパッキング付密封容器
の構成を示す分解斜視図であり、図3は本発明の一実施
形態であるパッキングを示す斜視図である。本実施形態
のパッキング付密封容器1(以下、「容器1」と称す)
は、図1及び図2に示すように、容器本体2と、蓋体3
と、パッキング4とから構成されている。
【0023】容器本体2は、流体(特に高圧状態の流
体)を収容可能とするものであり、上面には、容器本体
2に一体成形された円筒状の蓋体締結部5が突出して形
成されている。蓋体締結部5の内周に囲まれた開口6は
容器本体2の内部に貫通しており、この開口6を介して
流体の供給または排出、あるいは収容されている流体の
検査等が行われる。つまり、開口6は、使用時は蓋体3
により閉塞され、必要に応じて開放される。また、蓋体
締結部5の外周面には締結用雄ねじ部7が形成されてい
る。ここで、容器本体2は本発明の第2被気密部材に相
当する。
【0024】蓋体3は、円板状の天板部8と、天板部8
の底面8aから垂下された円筒状の周壁部9とから一体
成形されており、高さ方向の断面が略コ字状の形状を呈
している。周壁部9の内周面には、先端部(図1におい
ては下端部)から周壁部9の高さの約3/4の高さに至
る部位まで、締結用雌ねじ部10が形成されている。こ
の締結用雌ねじ部10は、容器本体2に形成された締結
用雄ねじ部7に螺着されており、これにより蓋体3が容
器本体2に締結されている。また、蓋体3の内周面の中
で、締結用雌ねじ部10が形成されていない部分、つま
り、周壁部9の高さの約1/4の高さに相当する部分1
1が、本発明の変形抑制部材として機能する部分であ
る。以下、変形抑制部11と称す。この変形抑制部11
の内径は、締結用雌ねじ部10の内径と略等しく、内部
にパッキング4が嵌入されている。ここで、蓋体3が本
発明の第1被気密部材に相当する。
【0025】パッキング4は、ゴムや軟質樹脂等から成
形され、図2及び図3に示すように、略円環状の外観を
呈している。パッキング4の外径は、蓋体3の変形抑制
部11の内径と略等しい大きさであり、変形抑制部11
内に嵌入されている。このため、パッキング4は蓋体3
に保持され、蓋体3を容器本体2に対して着脱する際、
蓋体3とともに容器本体2から着脱される。なお、パッ
キング4の高さは、弾性変形する前(蓋体3を容器本体
2に締結する前)は、変形抑制部11の高さより幾分大
きくなっており、蓋体3を容器本体2に締結することに
よって締めつけられると、図3の2点鎖線に示すように
弾性変形し、変形抑制部11の高さと一致する。すなわ
ち、蓋体3を容器本体2に締結させる際に、必要以上に
締結力が加えられても、パッキング4の高さ方向の変形
は一定の範囲内に抑えられる。
【0026】パッキング4の表面(図3においては上
面)には第1シール面12が形成され、第1シール面1
2は、蓋体3の天板部8の底面8aに気密状態で当接し
ている。また、パッキング4の裏面(図3においては下
面)には第2シール面13が形成されており、第2シー
ル面13は、容器本体2に形成された蓋体締結部5の上
面5aに気密状態で当接している。第1シール面12及
び第2シール面13は、全体的にみて平面形状である
が、締めつけられていない状態では、図3に示すよう
に、第1シール面12の内周側は、蓋体3の天板部8側
に屈曲しており、第2シール面13の内周側は、蓋体締
結部5側に屈曲している。つまり、先薄板状の第1屈曲
部14,第2屈曲部15が形成されている。この第1屈
曲部14及び第2屈曲部15は断面が湾曲形状となって
いる。蓋体3を容器本体2に締結させ、第1シール面1
2及び第2シール面13を押圧することにより、それぞ
れのシール面12,13に形成された各屈曲部14,1
5が湾曲した状態から平面状態(図3に2点鎖線で示す
状態)に弾性変形する。このとき、第1シール面12及
び第2シール面13は、パッキング4のもつ復元力によ
り、蓋体3及び容器本体2をそれぞれ付勢するととも
に、各屈曲部14,15が、蓋体3及び容器本体2に押
圧されながら平面状態となることから、屈曲部14と蓋
体3とで囲まれた空間、及び屈曲部15と容器本体2と
で囲まれた空間が負圧状態となり、蓋体3及び容器本体
2に対する密着性が向上する。つまり、各屈曲部14,
15は吸盤として作用する。
【0027】また、パッキング4の内周面には、内周面
に開放する凹部16が環状に形成されている。換言すれ
ば、パッキング4の内周面側は、凹部16を境として、
パッキング上部17とパッキング下部18とに分けられ
ている。凹部16の幅は、奥側ほど狭くなっており、奥
側の一番狭い部位ではパッキング4の高さの約1/4、
入口側の一番広い部位ではパッキング4の高さの約1/
2となっている。凹部16が形成されている位置は、内
周面の中央ではなく、表面側、即ち第1シール面11側
に偏って形成されている。つまり、パッキング下部18
の幅が、パッキング上部17の幅より大きくなってい
る。また、パッキング下部18の先端は、パッキング上
部17の先端より中心方向に突出している。このよう
に、第2シール面13が形成されるパッキング下部18
の長さ及び幅を、第1シール面12が形成されるパッキ
ング上部17より大きくすることにより、第2シール面
13と容器本体2との気密性を、第1シール面12と蓋
体3との気密性より高くすることができる。これは、パ
ッキング4は、常に蓋体3に保持され、蓋体3を容器本
体2に対して着脱する際、蓋体3とともに着脱されるこ
とから、蓋体3に対する気密性より、容器本体2に対す
る気密性の方が高い精度が要求されるためである。な
お、パッキング4は、必ずしも蓋体3に保持される必要
性はない。
【0028】凹部16の壁面である、パッキング上部1
7の内面、及びパッキング下部18の内面は、第1受圧
面19及び第2受圧面20となっている。そして、パッ
キング4の表面及び裏面は、それぞれ蓋体3及び容器本
体2に当接(圧接)し、また、パッキング4の外周面は
変形抑制部11に当接しているため、凹部16に流体圧
力が加わると、凹部16内の圧力が高まり、パッキング
上部17及びパッキング下部18を、凹部16を境とし
て外方向に変位させるように力が作用する。このため、
パッキング4の第1シール面12に形成された第1屈曲
部14、及び第2シール面13に形成された第2屈曲部
15が、それぞれ蓋体3及び容器本体2を付勢する。し
たがって、第1シール面12と蓋体3との気密性、及び
第2シール面13と容器本体2との気密性が向上する。
そして、この付勢力は流体圧力が大きいほど強い。な
お、パッキング4の外周面は変形抑制部11に当接して
いるため、流体圧力によってパッキング4が外周方向に
変形することもない。
【0029】次に、容器1の密封方法、及びパッキング
4の作用について説明する。前述したように、パッキン
グ4は、蓋体3に形成された変形抑制部11に嵌入され
ているため、蓋体4に保持されている。したがって、蓋
体4に形成された締結用雌ねじ部10を、容器本体2に
形成された締結用雄ねじ部7に螺着させると、容器本体
2と蓋体3との間にパッキング4が挟まれた状態で、蓋
体3が容器本体2に締結される。そして、締結される
際、パッキング4の表面に形成された第1シール面1
2、特に第1シール面12の第1屈曲部14が、蓋体3
の底面8aに押圧され弾性変形する。また、パッキング
4の裏面に形成された第2シール面13、特に第2シー
ル面13の第2屈曲部15が、容器本体2に形成された
蓋体締結部5の上面5aに押圧され弾性変形する。この
弾性変形により、パッキング4に復元力が作用するた
め、パッキング4と、容器本体2及び蓋体3との間が気
密状態となる。また、パッキング4が弾性変形する際、
各屈曲部14,15が吸盤として作用し、容器本体2及
び蓋体3への密着性が向上する。
【0030】容器本体2に対する蓋体3の締結力を強く
するほど、パッキング4の変形量が大きくなるが、本実
施形態においては、パッキング4は変形抑制部11に嵌
入されているため、パッキング4の高さが、変形抑制部
11の高さより小さくなることはない。したがって、蓋
体3の締結力を必要以上に与えても、パッキング4の高
さ方向の変形を所定の範囲内に抑えることができる。つ
まり、蓋体3が容器本体2に締結された状態において
も、パッキング4の内周面に凹部16を確実に形成する
ことができる。
【0031】容器1内が無圧状態のときは、パッキング
4の復元力、及び各シール面12,13の吸着力によ
り、容器本体2と蓋体3との気密性を高め、容器1を密
封状態に維持することができることは上述したとおりで
あるが、本実施形態では、容器1内が高圧状態、換言す
ればパッキング4や蓋体3に流体圧力が加わる場合で
も、容器1を密封状態に維持することができる。つま
り、パッキング4の内周面に形成された凹部16に流体
圧力が加わると、凹部16の壁面に形成された第1受圧
面19及び第2受圧面20が圧力を受け、第1屈曲部1
4及び第2屈曲部15を、それぞれ蓋体3及び容器本体
2の方向に付勢する。すなわち、容器1内の圧力が高い
ほど大きな付勢力が発生し、蓋体3及び容器本体2との
気密性が向上する。
【0032】このように、上記の容器1では、容器1内
の圧力が高いほど気密性が向上するため、容器内が無圧
状態から高圧状態に至るまで、確実に密封状態を維持す
ることができる。また、容器本体2に対して蓋体3を強
い力で締め付けなくても、十分に気密状態を維持するこ
とができるため、蓋体3の着脱が容易であり作業性が向
上する。さらに、パッキング4を大きく変形させること
がないため、パッキング4の劣化を抑えることができる
とともに、パッキング4が元の形に復帰せず蓋体3を固
着させてしまうこともない。
【0033】また、上記容器1では、パッキング4の内
周面に凹部を形成することにより、それぞれのシール面
12,13に形成された各屈曲部14,15を付勢する
ための受圧面が形成されるため、パッキング4の構成を
複雑にすることなく、気密性を高めることができる。
【0034】また、上記容器1では、パッキング4の各
シール面12,13に形成された先薄板状の屈曲部1
4,15の断面を湾曲形状としたため、各屈曲部14,
15を吸盤として作用させることができ密着性を向上さ
せることができる。
【0035】また、上記容器1では、変形抑制部11に
よりパッキング4の高さ方向の変形を所定の範囲内に抑
えられるため、蓋体3を締め過ぎても、凹部16が潰れ
ることがなく、流体圧力が加わった際には、各シール面
12,13を確実に付勢することができる。また、変形
抑制部11を蓋体3に一体成形したことにより、パッキ
ング4を蓋体3に保持させることができ、蓋体3を着脱
する際のパッキング4の位置合わせ等、パッキング4の
取扱いが容易となる。
【0036】ところで、上記実施形態の容器1では、容
器本体2に蓋体3を締結させるための手段として、容器
本体2に締結用雄ねじ部7を形成するとともに、蓋体3
に締結用雌ねじ部10を形成し、締結用雌ねじ部10を
締結用雄ねじ部7に螺着させるものを示したが、図4に
示すように、ボルト25を使って締結させるようにして
もよい。具体的には、容器本体26のフランジにはねじ
孔27が穿設され、蓋体28には貫通孔29が穿設され
ている。これによれば、蓋体28と容器本体26との間
に、パッキング4及び変形抑制部材31を挟んだ状態
で、ボルト25を貫通孔29を介して容器本体26のフ
ランジに穿設されたねじ孔27に螺着させることによ
り、蓋体28が容器本体26に締結される。なお、図4
に示す変形抑制部材31は、リング状の外観を呈してお
り、蓋体28と別体で構成されている。このようにボル
ト25を使って締結させる場合、従来のパッキングを使
用するのに比べ、ボルト25の本数を削減でき、各ボル
ト25の締付力もそれ程強大である必要はないことか
ら、組付け分解が極めて容易になる。
【0037】上記実施形態の容器1では、容器1内の圧
力が周囲の圧力に比べて高い場合、つまり、容器1内の
流体が流出しないように、流体圧力が加わる側であるパ
ッキング4の内周面に凹部16を形成するものを示した
が、例えば水中カメラ等、周囲の流体が容器の内部に流
入することを防ぐ場合には、図5に示すように、外周面
に凹部32が形成されたパッキング33が使用される。
また、容器内の温度変化等により、容器内と周囲との圧
力の大小関係が明確でない場合には、図6に示すよう
に、内周面と外周面との両方に凹部34,35が形成さ
れたパッキング36が使用される。
【0038】上記実施形態の容器1では、上面と裏面と
にそれぞれシール面12,13が形成された断面コ字状
のパッキングを示したが、図7に示すように、第1シー
ル面38と第2シール面39とが互いに垂直となるよう
に形成された断面略L字型のパッキング37としてもよ
い。なお、図7の(a)は、パッキング37を挟んで蓋
体40を容器本体41に締結させた状態を示しており、
図7の(b)は、蓋体40を締結する前の状態を示して
いる。図7の(b)に示すように、それぞれのシール面
38,39の先端には先薄板状の第1屈曲部38a及び
第2屈曲部39aが形成されている。これによれば、第
1シール面38は蓋体40の底面40aに押圧され、第
2シール面39は容器本体41に一体成形された蓋体締
結部42の内周面に圧接状態で挿入されている。容器本
体41内の圧力が高い場合には、第1シール面38の裏
面に形成された第1受圧部43と、第2シール面39の
裏面に形成された第2受圧部44とに流体圧力が加わ
り、第1受圧部43は、第1シール面38に形成された
第1屈曲部38を蓋体40の底面40a側に付勢し、第
2シール面39に形成された第2屈曲部39aを蓋体締
結部42側に付勢する。なお、シール面38,39に形
成された各屈曲部38a,39aは、第1受圧部43及
び第2受圧部44に流体圧力が加わった時、湾曲形状が
平面形状なるように弾性変形する。
【0039】上記実施形態では、パッキング4により、
容器本体2と蓋体3との間の気密状態を維持させるよう
にしたが、このパッキングにより、気密状態を維持させ
る部材は特に限定されるものではなく、例えば、配管と
配管との接続部分にこのパッキングを使用してもよい。
また、上記実施形態のパッキング4では、シール面に形
成された屈曲部として、湾曲形状のものを示したが、吸
盤として作用させる必要がなければ、直線形状の屈曲部
であっても構わない。
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明のパッキ
ングは、パッキングに加わる流体圧力が高いほど気密性
が向上するため、無圧状態から高圧状態に至るまで、確
実に気密状態を維持することができる。また、パッキン
グを大きく変形させる必要がないため、パッキングの劣
化を抑えることができる。
【0041】請求項2の発明のパッキングは、請求項1
の発明のパッキングの効果に加えて、各シール面に形成
された屈曲部が吸盤として作用するため、シール面の屈
曲部と被気密部材との密着性を向上させることができ
る。
【0042】請求項3の発明のパッキングは、請求項1
または請求項2の発明のパッキングの効果に加えて、パ
ッキングの内周側から外周側に流体圧力が加わった際
に、気密性を向上させることができる。
【0043】請求項4の発明のパッキングは、請求項1
または請求項2の発明のパッキングの効果に加えて、パ
ッキングの外周側から流体圧力が加わった際に、気密性
を向上させることができる。
【0044】請求項5の発明のパッキングは、請求項3
または請求項4の発明のパッキングの効果に加えて、パ
ッキングの構成を複雑にすることなく、気密性を高める
ことができる。
【0045】請求項6の発明のパッキングは、請求項5
の発明のパッキングの効果に加えて、変形抑制手段によ
り、パッキングの高さ方向の変形を所定の範囲に抑える
ことができるため、凹部の潰れを防止することができ、
確実に受圧面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるパッキング付密封容
器を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施形態であるパッキング付密封容
器の構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態であるパッキングを示す
斜視図である。
【図4】パッキング付密封容器の変形例を示す断面図で
ある。
【図5】パッキングの変形例を示す斜視図である。
【図6】パッキングの変形例を示す斜視図である。
【図7】パッキングの変形例を示し、(a)はそのパッ
キングを備えた密封容器を示す断面図、(b)は分解断
面図である。
【符号の説明】
1 パッキング付密封容器 2 容器本体(第2被気密部材) 3 蓋体(第1被気密部材) 4 パッキング 11 変形抑制部(変形抑制部材) 12 第1シール面 13 第2シール面 14 第1屈曲部 15 第2屈曲部 16 凹部 19 第1受圧面 20 第2受圧面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1被気密部材と第2被気密部材との間
    に配設されるパッキングであって、 前記第1被気密部材に当接するとともに、前記第1被気
    密部材側に屈曲し突出する先薄板状の第1屈曲部を周面
    に沿って有する第1シール面と、 前記第2被気密部材に当接するとともに、前記第2被気
    密部材側に屈曲し突出する先薄板状の第2屈曲部を周面
    に沿って有する第2シール面と、 流体圧力が加わったとき、前記第1シール面の前記第1
    屈曲部を前記第1被気密部材側に付勢する第1受圧面
    と、 流体圧力が加わったとき、前記第2シール面の前記第2
    屈曲部を前記第2被気密部材側に付勢する第2受圧面と
    を具備することを特徴とするパッキング。
  2. 【請求項2】 前記第1屈曲部及び前記第2屈曲部は、
    断面が湾曲形状であることを特徴とする請求項1に記載
    のパッキング。
  3. 【請求項3】 環状のパッキングであって、 前記第1シール面が表面側に形成され、 前記第2シール面が裏面側に形成され、 前記第1屈曲部、前記第2屈曲部、前記第1受圧面、及
    び前記第2受圧面が、内周面に沿って形成されたことを
    特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の
    パッキング。
  4. 【請求項4】 環状または板状のパッキングであって、 前記第1シール面が表面側に形成され、 前記第2シール面が裏面側に形成され、 前記第1屈曲部、前記第2屈曲部、前記第1受圧面、及
    び前記第2受圧面が、外周面に沿って形成されたことを
    特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の
    パッキング。
  5. 【請求項5】 前記第1受圧面及び前記第2受圧面は、
    周面に開放する環状の凹部により形成されることを特徴
    とする請求項3または請求項4のいずれかに記載のパッ
    キング。
  6. 【請求項6】 高さ方向の弾性変形を所定の範囲に制限
    する変形抑制部材を備えることを特徴とする請求項5に
    記載のパッキング。
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