JP2000239190A - 有機ハロゲン化合物トラップと廃液処理装置 - Google Patents

有機ハロゲン化合物トラップと廃液処理装置

Info

Publication number
JP2000239190A
JP2000239190A JP11040861A JP4086199A JP2000239190A JP 2000239190 A JP2000239190 A JP 2000239190A JP 11040861 A JP11040861 A JP 11040861A JP 4086199 A JP4086199 A JP 4086199A JP 2000239190 A JP2000239190 A JP 2000239190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
halogen
compound
waste liquid
halogen compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11040861A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Konishi
淳二 小西
Kanji Kasagi
寛治 笠木
Shoichi Miyamoto
昭一 宮本
Masami Kanetaka
正巳 金高
Katsuyoshi Tadenuma
克嘉 蓼沼
Yoshio Hasegawa
良雄 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaken Co Ltd
Chiyoda Technol Corp
Original Assignee
Kaken Co Ltd
Chiyoda Technol Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaken Co Ltd, Chiyoda Technol Corp filed Critical Kaken Co Ltd
Priority to JP11040861A priority Critical patent/JP2000239190A/ja
Publication of JP2000239190A publication Critical patent/JP2000239190A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小規模な処理設備で有機ハロゲン化合物を含
む廃液を処理することを可能とし、これにより、有機ハ
ロゲン化合物を含む廃液処理の負担を軽減し、当該廃液
処理を容易にする。 【解決手段】 有機ハロゲン化合物トラップ4は、有機
ハロゲン化合物を含む廃液を通過し、処理するものであ
って、有機ハロゲン化合物を含む廃液を通過させる容器
内に、有機ハロゲン化合物の分子内のハロゲン元素Xを
選択的に無機化し、無機化したハロゲン元素を吸着保持
するハロゲン吸着剤5を充填したものである。有機ハロ
ゲン化合物を含む廃液の処理水路中において、同廃液が
前記ハロゲン吸着剤5を通過するように有機ハロゲン化
合物トラップ4を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレオン、ポリ塩
化ビフェニール類、ダイオキシン類、その他の環境汚染
性有機ハロゲン化合物を含む廃液、あるいは原子力施設
や病院等の核医学診療施設、放射化学研究施設などから
排出される有機ハロゲン化合物を含む放射性廃液の処理
に適用される有機ハロゲン化合物トラップとそれを使用
した廃液処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、核医学分野において、甲状腺癌
等の診療用放射性同位元素(RI)投与の療法として、
RIとしてヨウ素131(I−131)等の放射性同位
元素が患者に投与される。この放射性同位元素を投与さ
れた患者からはその放射性同位元素を含む***物が***
され、この***物が医療機関から放射性廃液として希釈
放流される。この放射性廃液は、I−131等の放射性
同位元素を含む放射性汚染物質であり、そのまま公共下
水道等に放流することはできない。
【0003】現在、このようなRIを含む廃液の法的基
準は、RIごとに定められた濃度を基準とした管理がな
されている。そこで、放射性廃液の放流が許容される排
水中濃度基準に適合させるため、放射性廃液を貯留槽で
長期にわたり貯留し、RIの減衰を経て、その放射能レ
ベルが減衰した後、多量の水で放射性廃液を希釈し、放
流する処理方式がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、前
記従来の廃液処理手段では、RIの減衰を経るまで、R
Iを含む廃液を貯留槽に貯留し、減衰を待たなければな
らないため、大きな容積の貯留槽を必要とし、RI排水
処理設備が大型になるという課題がある。さらに、多量
の水で放射性廃液を希釈し、放流するため、放射性廃液
の処理に多量の希釈水を必要とし、この点でも処理設備
が大型化する。それだけでなく、放流するRIの絶対量
は低減できないので、放流水による自然環境への汚染が
問題となる。
【0005】このような問題は、核医学分野に限られ
ず、放射化学研究施設や原子力施設等から廃棄されるI
−131等のRIを含むRI排水処理や一般の公共汚水
処理施設等に共通した課題である。本発明は、前記のよ
うな有機ハロゲン化合物を含む廃液処理における課題に
鑑み、小規模な処理設備で有機ハロゲン化合物を含む廃
液を処理することを可能とし、これにより、有機ハロゲ
ン化合物を含む廃液処理の負担を軽減し、当該廃液処理
を容易にすることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、前記の目的
を達成するために、有機ハロゲン化合物中に含まれるハ
ロゲン元素Xを含む廃液を、当該ハロゲン元素Xを選択
的に無機化し、無機化したハロゲン元素を吸着保持する
ハロゲン吸着剤5に通し、廃液に含まれる有機ハロゲン
化合物中のハロゲン元素Xを無機化すると共に、ハロゲ
ン吸着剤5に吸着させ、廃液から除去することにより、
そのような廃液を容易に、且つ確実に浄化するものであ
る。
【0007】本発明による有機ハロゲン化合物トラップ
は、有機ハロゲン化合物を含む廃液を通過し、処理する
ものであって、有機ハロゲン化合物を含む廃液を通過さ
せる容器内に、有機ハロゲン化合物の分子内のハロゲン
元素Xを選択的に無機化し、無機化したハロゲン元素を
吸着保持するハロゲン吸着剤5を充填したことを特徴と
する。
【0008】さらに、容器内に、有機ハロゲン化合物の
分子内のハロゲン元素Xを選択的に無機化し、無機化し
たハロゲン元素を吸着保持するハロゲン吸着剤5と共
に、無機化したハロゲン化合物を吸着する吸着剤6を充
填するのが好ましい。例えば、この有機ハロゲン化合物
トラップによりトラップされる有機ハロゲン化合物は、
放射性有機ヨウ素化合物であり、このような放射性有機
ヨウ素化合物は、核医学診療施設において放射性ヨウ素
を投与された患者から***された***物等に含まれる。
【0009】有機ハロゲン化合物トラップに使用される
ハロゲン吸着剤5は、有機ハロゲン化合物中のハロゲン
元素よりも化学反応性の高いハロゲン元素を多孔質な有
機材料及び無機材料からなる担体に含有、含浸させて安
定化させたものである。例えば、有機ハロゲン化合物が
有機臭素化合物の場合、有機ハロゲン化合物中のハロゲ
ン元素よりも化学反応性の高いハロゲン元素は、元素状
塩素である。また例えば、有機ハロゲン化合物が有機ヨ
ウ素化合物の場合、有機ハロゲン化合物中のハロゲン元
素よりも化学反応性の高いハロゲン元素が元素状臭素で
ある。これらの有機ハロゲン化合物中のハロゲン元素よ
りも化学反応性の高いハロゲン元素を、ゼオライト、活
性炭、その他の多孔質物質からなる担体に含有、含浸さ
せたものがハロゲン吸着剤5である。
【0010】このようなハロゲン吸着剤5を放射線を遮
蔽する容器状の放射線シールド7に充填し、吸着した放
射性有機化合物を放射線シールドする。このような有機
ハロゲン化合物トラップ4を使用し、有機ハロゲン化合
物を含む廃液の処理装置を構成することができる。例え
ば、有機ハロゲン化合物を含む廃液の処理水系路中に配
置し、廃液を有機ハロゲン化合物トラップ4のハロゲン
吸着剤5に通過させ、廃液中の有機ハロゲン化合物を無
機化すると共に、吸着させる。例えば、核医学診療施設
の患者から***される***物を含む廃液のように、廃液
中に放射性有機ハロゲン化合物以外の有機物を多量に含
む場合は、廃液を有機ハロゲン化合物トラップ4に通過
する前段階処理として、廃液中の有機物を生物学的に分
解、処理する浄化槽1、2を設ける。
【0011】また、廃液の処理のための他の装置の例と
して、有機ハロゲン化合物を含む廃液の処理水路中にお
いて、廃液の処理水路に廃液に含まれる有機ハロゲン化
合物の分子内のハロゲン元素Xを選択的に無機化するハ
ロゲン分解剤を注入する分解剤注入部11と、この分解
剤注入部11に対して廃液の処理水路のフローの後段側
に配置され、無機化したハロゲン元素を吸着保持するハ
ロゲン吸着剤5を充填した有機ハロゲン化合物トラップ
4とを設けた廃液処理装置を用いることもできる。この
処理装置では、廃液の処理水路中に注入されるハロゲン
分解剤により、廃液中の有機ハロゲン化合物が予め無機
化され、この無機化されたハロゲン化合物がハロゲン吸
着剤5に吸着される。
【0012】ここで、ハロゲン分解剤は、有機ハロゲン
化合物中のハロゲン元素よりも化学反応性の高いハロゲ
ン元素を含む溶液が使用される。また、ハロゲン吸着剤
5は、廃液に含まれる無機化されたハロゲン元素を吸着
可能する機能を有する多孔質な有機材料あるいは無機材
料からなり、この多孔質な有機材料あるいは無機材料に
は、必ずしも有機ハロゲン化合物中のハロゲン元素より
も化学反応性の高いハロゲン元素等のような、廃液中の
有機ハロゲン化合物を無機化するような物質を予め含浸
させておく必要はない。もちろん予めそのような物質を
含浸させておくこともできる。
【0013】
【考案の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本考
案の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1は、本発明による有機ハロゲン化合物トラップ4を
使用した廃液処理装置のフローシートを示すものであ
る。
【0014】例えば、核医学診療施設等において、I−
131等の放射線同位元素が投与された患者から***さ
れた放射性同位元素を含む***物等が排水される。この
ような放射性有機ハロゲン化合物中を含む高レベル排水
や低レベル排水が合併処理浄化槽1、2に送られ、ここ
で生物学的に有機物が分解、浄化される。ここでは、屎
尿等に含まれる有機物を分解することができるが、I−
131等の放射性有機ハロゲン化合物は殆ど分解されな
い。
【0015】合併処理浄化槽1、2で生物学的に有機物
が分解、浄化された廃水は、pH調整槽3へ送られ、こ
こでハロゲン吸着剤5に適したpHの調整が行われる。
pHが調整された廃水は、有機ハロゲン化合物トラップ
4へ送られる。この有機ハロゲン化合物トラップ4は、
鉛等からなる容器状の放射線シールド7に、有機ハロゲ
ン化合物中のハロゲン元素Xを選択的に無機化し、無機
化したハロゲン元素を吸着保持するハロゲン吸着剤5と
活性炭等からなる吸着剤6を充填したものである。
【0016】このハロゲン吸着剤5は、例えば有機ハロ
ゲン化合物の分解除去を行うため、有機化合したハロゲ
ン元素よりも化学反応性の高いハロゲン元素をハロゲン
置換反応を利用して有機化合物中のハロゲン元素と交換
する。例えば、処理する有機ハロゲン化合物が有機塩素
化合物の場合は、それより化学反応性の高いハロゲン元
素として元素状フッ素を、処理する有機ハロゲン化合物
が有機臭素化合物の場合は、それより化学反応性の高い
ハロゲン元素として元素状塩素を、処理する有機ハロゲ
ン化合物が有機ヨウ素化合物の場合は、それより化学反
応性の高いハロゲン元素として元素状臭素をそれぞれ用
いる。また例えば、有機ハロゲン化合物の分解除去を行
うため、有機化合物中のハロゲン元素の無機化処理に発
生期水素を反応させることにより、有機ハロゲン化合物
を分解、除去する。
【0017】前記ハロゲン吸着剤5は、前述のような元
素状ハロゲンをゼオライト、活性炭、その他の多孔質な
有機材料および無機材料等の担体に化学的活性度を保持
しながら、しかも安定に含有、含浸させたものである。
一般的に元素状フッ素及び元素状塩素は化学的な活性が
強すぎるため、それら元素状フッ素及び元素状塩素を安
定に材料中に保持することは困難である。これに対し、
ゼオライト、活性炭、その他の多孔質物質からなる担体
に過臭素(Br3)イオンを含有させたハロゲン吸着剤
5は、これに有機ヨウ素化合物を含む廃液を通すと、選
択的に有機ヨウ素化合物中のヨウ素を無機化する機能を
有する。このハロゲン吸着剤5は、有機ヨウ素化合物中
のヨウ素を無機化し、しかもその無機化されたヨウ素を
吸着保持する。
【0018】図2は、前述したハロゲン吸着剤5の有機
ヨウ素化合物の臭素によるハロゲン置換反応を模式的に
示した図である。ゼオライトや活性炭またはその他の多
孔質な有機若しくは無機材料からなる担体に過臭素(B
3)イオンを含有、含浸させた前記のハロゲン吸着剤
5に有機ヨウ素化合物が接触すると、そのハロゲン吸着
剤5の表面でハロゲン置換反応を生じる。この置換反応
に伴い、有機形態である炭素とヨウ素の結合を無機の形
態である元素状またはイオン状のヨウ素に変換すること
ができ、これにより有機ハロゲン化合物の分解が行われ
る。有機ハロゲン化合物の場合、以下の化学式によりこ
の反応を示すことができる。 CmnX+Br3-AC → CmnBr+XBr2-AC この反応により、Xで示すハロゲン元素が有機形態から
無機形態に変換される。この無機形態に変換されたハロ
ゲン化合物は、ハロゲン吸着剤5や活性炭からなる吸着
剤6に吸着され、除去される。
【0019】この有機ハロゲン化合物の分解には、分解
・除去を目的とするハロゲン元素化合物に応じた置換対
象元素を含有、含浸させた材料を用いることにより、分
解反応を生じる。有機塩素化合物ならば、元素状フッ素
を用いることにより前記の式に適用することができる。
また、有機臭素化合物の場合、元素状塩素を用いること
により、やはり前記の式に適用することができる。
【0020】前記ハロゲン吸着剤5は、ハロゲン置換対
象元素を含有、含浸させたゼオライトや活性炭または多
孔質の有機・無機材料等の担体が元来有している吸着特
性も利用することができる。廃液を、前記の有機ハロゲ
ン化合物トラップ4を通すことにより、ハロゲン吸着剤
5や吸着剤6には、ハロゲン化合物が次第に蓄積され
る。そのため、有機ハロゲン化合物トラップ4は定期的
に交換し、放射線同位元素で汚染された使用済の有機ハ
ロゲン化合物トラップ4を放射性廃棄物として処理する
必要がある。
【0021】図1に示した例では、有機ハロゲン化合物
トラップ4が2段に配置され、特に汚染されやすい前段
の有機ハロゲン化合物トラップ4、4は、実線と破線の
フローで示すように2系統配置され、交互に使用できる
ようになっている。図1に示すように、この有機ハロゲ
ン化合物トラップ4、4…を通すことにより、放射性有
機ハロゲン化合物が除去された放射性廃液は、分配槽8
に送られ、ここでpH調整剤により再度pHの調整がな
される。
【0022】この分配槽8でpH調整された放射性廃液
は、貯留槽9に送られ、ここで貯留される。本発明によ
る廃液処理装置では、前述のように、有機ハロゲン化合
物トラップ4を通すことにより、放射性廃液に含まれる
放射性有機ハロゲン化合物が放射性廃液中から除去され
るため、貯留槽9における貯留期間は、従来の廃液処理
装置に比べて遙かに短くて済む。むしろ、有機ハロゲン
化合物トラップ4における放射性有機ハロゲン化合物の
除去がほぼ完全であるならば、貯留槽9における放射性
廃液の貯留は不要となる。
【0023】さらに、貯留槽9で貯留された放射性廃液
は、希釈槽10へ送られ、希釈水により希釈されて、放
射性物質、ハロゲン化合物、BOD等の濃度が所要の基
準値を満たす排水として調整され、放流される。以上の
廃液処理装置は、核医学診療施設において診療用放射線
同位元素を投与された患者から***された***物を含む
放射性廃液の処理に本発明を適用した例である。本発明
による廃液処理技術は、このような核医学診療施設にお
ける放射性廃液処理の他に、放射化学研究施設や原子力
施設等から廃棄される放射性有機ハロゲン化合物を含む
廃液処理についても適用が可能である。このような放射
化学研究施設や原子力施設等から廃棄される放射性廃液
には、屎尿等の有機物が含まれていないため、合併処理
浄化槽1、2による生物学的な有機物の分解により排水
の前処理は不要である。
【0024】例えば、放射化学研究施設や原子力施設等
から廃棄される廃液の処理において、有機ハロゲン化合
物中のハロゲン元素の無機化処理に発生期水素を放出す
る機能を有するシラン結合(Si−H結合)を持ったポリ
シラン化合物を前述のような担体に含有、含浸させたハ
ロゲン吸着剤5は、有機ハロゲン化合物の分解除去機能
を有する。このシラン結合(Si−H結合)を持つポリ
シラン化合物はポリシラン骨格が化1に示されたような
架橋された三次元構造を有する。
【0025】
【化1】
【0026】このポリシラン化合物による有機ハロゲン
化合物の分解は、これらの構造中に存在するSi−H結
合がポリシラン骨格内にあることに起因し、ポリシラン
骨格内に存在するSi−H結合は、容易にホモ開裂を起
こし、化2に示すようにシリルラジカルを生成し、有機
ハロゲン化合物のハロゲン引き抜き反応を起こす。
【0027】
【化2】
【0028】この反応は有機ハロゲン化合物だけでな
く、フレオン、ポリ塩化ビフェニール類、ダイオキシン
類、その他の環境汚染性有機ハロゲン物質の分解除去に
も利用できる。ハロゲン置換反応による有機ハロゲン化
合物の分解除去材料とシラン結合を有する有機ポリシラ
ン化合物の有機ハロゲン化合物の分解除去材料を混合す
ることにより、広範な有機ハロゲンの分解除去に機能を
有する材料ができる。このような非放射性有機ハロゲン
化合物の処理のためには、減衰を経るための貯留は不要
であり、貯留槽9は必須とならない。
【0029】図6は、廃液処理装置の他例を示すもので
ある。図1と同じ部分は同じ符号で示してある。この廃
液処理装置では、有機ハロゲン化合物を含む廃液の処理
水路中に、廃液の処理水路に廃液に含まれる有機ハロゲ
ン化合物の分子内のハロゲン元素Xを選択的に無機化す
るハロゲン分解剤を注入する分解剤注入部11を設けて
いる。そして、この分解剤注入部11に対して廃液の処
理水路のフローの後段側に、無機化したハロゲン元素を
吸着保持するハロゲン吸着剤5を充填した有機ハロゲン
化合物トラップ4を配置している。
【0030】この処理装置では、廃液の処理水路中に注
入されるハロゲン分解剤により、廃液中の有機ハロゲン
化合物が予め無機化され、この無機化されたハロゲン化
合物がハロゲン吸着剤5に吸着される。ここで、ハロゲ
ン分解剤は、過臭素酸のように、有機ハロゲン化合物中
のハロゲン元素よりも化学反応性の高いハロゲン元素を
含む溶液が使用される。
【0031】ハロゲン吸着剤5は、廃液に含まれる無機
化されたハロゲン元素を吸着可能する機能を有する多孔
質な有機材料あるいは無機材料からなり、この多孔質な
有機材料あるいは無機材料には、過臭素酸のような、廃
液中の有機ハロゲン化合物を無機化するような物質を予
め含浸させておく必要は必ずしもない。もちろん予め過
臭素酸のように、廃液中の有機ハロゲン化合物を無機化
する元素を予め含浸させておくこともできる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。 (実施例1)図3は、活性炭に過臭素(Br3)イオン
を含浸、含有させた材料に、ヨードブタン(C49
I)とヨードヘキサン(C613−I)を反応させたと
きのガスクロマトグラフのチャートである。この結果
は、前記したとおりのハロゲン置換反応により、有機ヨ
ウ素化合物が有機臭素化合物に変換され、ヨウ素は無機
形態として活性炭中に吸着保持されることにより分解除
去される。
【0033】(実施例2)図4は、比較対象として活性
炭およびイオン交換樹脂を用いて放射性有機ヨウ素(I
−131)化合物の分解除去をカラム通水により行った
特性を示す。この結果から、過臭素イオンを保持した材
料は、有機ヨウ素化合物の分解が進行し、他の比較材料
と比べても分解除去に優れた能力を有している。これら
は、原子力施設や病院等の核医学診療施設から排出され
る放射性有機ヨウ素化合物の分解除去法に適用できる。
【0034】(実施例3)図5は、ポリシラン化合物に
よる有機ヨウ素化合物の分解除去率を示す。この結果か
らも明らかに前記したハロゲンの引き抜き反応により、
有機ヨウ素は分解・除去される。このことは、他の有機
ハロゲン化合物にも適用され、フレオン、ポリ塩化ビフ
ェニール類、ダイオキシン類、その他の工場等からの環
境汚染性有機ハロゲン化合物の発生源、あるいは原子力
施設や病院等の核医学診療施設、放射化学研究施設等か
ら排出される放射性有機ハロゲン化合物の分解除去に機
能を有する。
【0035】
【発明の効果】本発明による有機ハロゲン化合物トラッ
プとそれを使用した廃液処理装置では、有機ハロゲン化
合物の分子内のハロゲン元素Xを、炭素とハロゲンとの
C−X有機結合形態から元素状X0またはイオン状X-
無機形態に変換することができる。従って、目的とする
有機ハロゲン化合物中のハロゲン元素が無機化されるこ
とにより、一般的な反応を利用した分解除去方法が利用
できる。これにより、例えば処理する有機ハロゲン化合
物が放射性有機ハロゲン化合物である場合、貯留槽9等
による廃液に含まれる放射性有機ハロゲン化合物中の減
衰を経る貯留が不要となるため、貯留槽9の容積を小さ
くすることができ、或いは貯留槽9を不要とすることが
できる。よって、廃液処理装置の小型化が可能となる。
しかも、放射性有機ハロゲン化合物を含む放射性廃液の
絶対的な放流量も大幅に低減することができ、環境に与
える影響を殆ど無くすことができる。
【0036】さらに、廃液に含まれる有機ハロゲン化合
物を分解、除去する材料として、ゼオライトや活性炭、
その他の有機・無機の多孔質の担体に有機ハロゲン化合
物の分解元素を含有・含浸させたハロゲン吸着剤5を充
填した有機ハロゲン化合物トラップ4を使用することに
より、効果的な有機ハロゲン化合物の分解、除去が可能
となる。しかも、ハロゲン吸着剤5に有機ハロゲン化合
物が蓄積したときに、その交換や処理も容易となり、メ
ンテナンスの点でも安全且つ簡便に運用できる廃液処理
装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機ハロゲン化合物トラップを使用し
た廃液処理装置の例を示すフローシートである。
【図2】本発明の有機ハロゲン化合物トラップにおける
ハロゲン置換反応の原理を示す説明図である。
【図3】本発明によるハロゲン置換反応により有機ヨウ
素化合物の分解特性を示す説明図である。
【図4】本発明による放射性有機ヨウ素(I−131)
の分解特性を示す説明図である。
【図5】本発明によるポリシラン化合物による有機ヨウ
素化合物の分解特性を示す説明図である。
【図6】本発明による廃液処理装置の他の例を示すフロ
ーシートである。
【符号の説明】
1 合併処理浄化槽 2 合併処理浄化槽 3 pH調整槽 4 有機ハロゲン化合物トラップ 5 ハロゲン吸着剤 6 吸着剤 7 放射線シールド 8 分配槽 9 貯留槽 10 希釈槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21F 9/12 501 G21F 9/12 501J (72)発明者 笠木 寛治 京都府京都市左京聖護院川原町54 京都大 学内 (72)発明者 宮本 昭一 東京都文京区湯島1丁目7番12号 株式会 社千代田テクノル内 (72)発明者 金高 正巳 東京都文京区湯島1丁目7番12号 株式会 社千代田テクノル内 (72)発明者 蓼沼 克嘉 茨城県水戸市堀町字新田1044番地 株式会 社化研内 (72)発明者 長谷川 良雄 茨城県水戸市堀町字新田1044番地 株式会 社化研内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BB10 BC01 4D024 AA04 AB11 BA01 BB08 BC01 CA01 DA02 4D038 AA08 AB06 AB14 AB39 BA04 BB06 BB20 4H006 AA02 AA04 AB99 AD17 AD30

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化合物を含む廃液を通過
    し、処理する有機ハロゲン化合物トラップにおいて、有
    機ハロゲン化合物を含む廃液を通過させる容器内に、有
    機ハロゲン化合物の分子内のハロゲン元素Xを選択的に
    無機化し、無機化したハロゲン元素を吸着保持するハロ
    ゲン吸着剤(5)を充填したことを特徴とする有機ハロ
    ゲン化合物トラップ。
  2. 【請求項2】 容器内に、有機ハロゲン化合物の分子内
    のハロゲン元素Xを選択的に無機化し、無機化したハロ
    ゲン元素を吸着保持するハロゲン吸着剤(5)と共に、
    無機化したハロゲン化合物を吸着する吸着剤(6)を充
    填したことを特徴とする有機ハロゲン化合物トラップ。
  3. 【請求項3】 有機ハロゲン化合物が、放射性ヨウ素化
    合物であることを特徴とする前記請求項1または2に記
    載の廃液中の有機ハロゲン化合物トラップ。
  4. 【請求項4】 有機ハロゲン化合物が、核医学診療施設
    において放射性ヨウ素化合物を投与された患者から***
    された***物を含む廃液中の放射性有機ヨウ素化合物で
    あることを特徴とする請求項3に記載の有機ハロゲン化
    合物トラップ。
  5. 【請求項5】 ハロゲン吸着剤(5)は、有機ハロゲン
    化合物中のハロゲン元素よりも化学反応性の高いハロゲ
    ン元素を、多孔質な有機材料あるいは無機材料からなる
    担体に含有、含浸させて安定化させたものであることを
    特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の有機ハロゲン
    化合物トラップ。
  6. 【請求項6】 有機ハロゲン化合物が有機臭素化合物の
    場合、有機ハロゲン化合物中のハロゲン元素よりも化学
    反応性の高いハロゲン元素が元素状塩素であることを特
    徴とする請求項5に記載の有機ハロゲン化合物トラッ
    プ。
  7. 【請求項7】 有機ハロゲン化合物が放射性有機ヨウ素
    化合物の場合、有機ハロゲン化合物中のハロゲン元素よ
    りも化学反応性の高いハロゲン元素が元素状臭素である
    ことを特徴とする請求項5に記載の有機ハロゲン化合物
    トラップ。
  8. 【請求項8】 有機ハロゲン化合物中のハロゲン元素よ
    りも化学反応性の高いハロゲン元素を含有、含浸させた
    担体が、ゼオライト、活性炭、その他の多孔質物質であ
    ることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の有機
    ハロゲン化合物トラップ。
  9. 【請求項9】 ハロゲン吸着剤(5)が充填された容器
    が、放射線を遮蔽する放射線シールド(7)であること
    を特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の有機ハロゲ
    ン化合物トラップ。
  10. 【請求項10】 前記請求項1〜9の何れかの有機ハロ
    ゲン化合物トラップ(4)を使用し、有機ハロゲン化合
    物を含む廃液の処理水路中において、同廃液がハロゲン
    吸着剤(5)を通過するように有機ハロゲン化合物トラ
    ップ(4)を配置したことを特徴とする廃液処理装置。
  11. 【請求項11】 廃液を有機ハロゲン化合物トラップ
    (4)に通過する前段階処理として、廃液中の有機物を
    生物学的に分解、処理する浄化槽(1)、(2)を設け
    たことを特徴とする請求項10に記載の廃液処理装置。
  12. 【請求項12】 有機ハロゲン化合物を含む廃液の処理
    水路中において、廃液の処理水路に廃液に含まれる有機
    ハロゲン化合物の分子内のハロゲン元素Xを選択的に無
    機化するハロゲン分解剤を注入する分解剤注入部(1
    1)と、この分解剤注入部(11)に対して廃液の処理
    水路のフローの後段側に配置され、無機化したハロゲン
    元素を吸着保持するハロゲン吸着剤(5)を充填した有
    機ハロゲン化合物トラップ(4)とを有することを特徴
    とする廃液処理装置。
  13. 【請求項13】 ハロゲン分解剤は、有機ハロゲン化合
    物中のハロゲン元素よりも化学反応性の高いハロゲン元
    素を含む溶液であることを特徴とする請求項12に記載
    の廃液処理装置。
  14. 【請求項14】 ハロゲン吸着剤(5)は、廃液に含ま
    れる無機化されたハロゲン元素を吸着可能する機能を有
    する多孔質な有機材料あるいは無機材料からなる担体で
    あることを特徴とする請求項12または13に記載の廃
    液処理装置。
JP11040861A 1999-02-19 1999-02-19 有機ハロゲン化合物トラップと廃液処理装置 Pending JP2000239190A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11040861A JP2000239190A (ja) 1999-02-19 1999-02-19 有機ハロゲン化合物トラップと廃液処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11040861A JP2000239190A (ja) 1999-02-19 1999-02-19 有機ハロゲン化合物トラップと廃液処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000239190A true JP2000239190A (ja) 2000-09-05

Family

ID=12592331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11040861A Pending JP2000239190A (ja) 1999-02-19 1999-02-19 有機ハロゲン化合物トラップと廃液処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000239190A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002267795A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Chiyoda Technol Corp 放射性物質含有廃液処理方法と装置
JP2006016349A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Chiyoda Corp 有機酸からのヨウ素除去方法
JP2012229998A (ja) * 2011-04-26 2012-11-22 Kaken:Kk 海水などの塩類が混入した放射性汚染水からの放射性物質の除染装置及び除染方法
CN117012429A (zh) * 2023-08-16 2023-11-07 西南科技大学 一种一体化核医疗放射性废水快速处理***及应用方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002267795A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Chiyoda Technol Corp 放射性物質含有廃液処理方法と装置
JP4524444B2 (ja) * 2001-03-13 2010-08-18 株式会社千代田テクノル 放射性物質含有廃液処理方法と装置
JP2006016349A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Chiyoda Corp 有機酸からのヨウ素除去方法
JP4502729B2 (ja) * 2004-07-02 2010-07-14 千代田化工建設株式会社 有機酸からのヨウ素除去方法
JP2012229998A (ja) * 2011-04-26 2012-11-22 Kaken:Kk 海水などの塩類が混入した放射性汚染水からの放射性物質の除染装置及び除染方法
CN117012429A (zh) * 2023-08-16 2023-11-07 西南科技大学 一种一体化核医疗放射性废水快速处理***及应用方法
CN117012429B (zh) * 2023-08-16 2024-03-22 西南科技大学 一种一体化核医疗放射性废水快速处理***及应用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6132623A (en) Immobilization of inorganic arsenic species using iron
US20090223894A1 (en) Method for treatment of water containing hardly-degradable substance
WO2001030704A1 (fr) Procede ameliore servant au traitement de l'eau
KR950006684B1 (ko) 물속의 유기 염소계 용매의 분해방법 및 장치
EP0671363A2 (en) Method and system for treating polluted water
US6387276B1 (en) Immobilization of inorganic arsenic species using iron
CN112135695A (zh) 降低环境污染物的环境有效性的工艺
US7101115B2 (en) In situ stabilization of persistent hydrophobic organic contaminants in sediments using coal- and wood-derived carbon sorbents
JP2002267795A (ja) 放射性物質含有廃液処理方法と装置
JP2000239190A (ja) 有機ハロゲン化合物トラップと廃液処理装置
Velo-Gala et al. Role of activated carbon on micropollutans degradation by ionizing radiation
JP2014235130A (ja) 廃液処理方法及び廃液処理システム
JP2002267796A (ja) 固体材料とそれを使用した放射性物質含有廃液処理方法
JP5320323B2 (ja) 廃液の処理方法及び処理装置
JP2000102794A (ja) 有害物質処理方法およびその装置
Nakagawa et al. A study on the degradation of endocrine disruptors and dioxins by ozonation and advanced oxidation processes
JP2013170967A (ja) 放射性物質の除染方法、放射性物質の吸着剤、放射性物質の除染器具
JP4551723B2 (ja) 廃棄物処理方法および光触媒材料
JP3941293B2 (ja) 汚水中の有害物質の処理方法および処理装置
JP3972138B2 (ja) 有機ハロゲン化合物の分解除去方法と材料
US20090124844A1 (en) Method of detoxification treatment for filter with persistent substance adhering thereto
JP2003211143A (ja) 土壌浄化装置
JP2002119977A (ja) 汚染地下水の浄化方法及び装置
Smirnov et al. Conclusions from Ufa, Russia, drinking water dioxin cleanup experiments involving different treatment technologies
EP0991595B1 (en) Immobilization of inorganic arsenic species using iron

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090508

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091008